(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作部は、前記単位時間別の販売動向データの表示を選択するためのアイコンボタンと、前記期間別の販売動向データの表示を選択するためのアイコンボタンよりなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の需要予測装置。
第一の商品の売価に依存する第二の商品の販売動向データを前記表示エリアに表示させるためのトリガとしての販売動向比較ボタンを供給する販売動向比較ボタン供給手段を、
更に備え、
前記販売動向比較ボタン供給手段は、前記表示手段が前記表示エリアに前記期間別の販売動向データを表示させている間、前記販売動向比較ボタンをグレーアウトさせる、
ことを特徴とする請求項1乃至3の内の何れか一つに記載の需要予測装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、実施形態にかかる需要予測システム1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、需要予測システム1は、有線または無線の通信回線2を介して相互に電気的に接続された複数のコンピュータ3で形成される本部システムに対して、複数の本部特売企画端末124や各店舗に設けられた店舗発注端末125が有線または無線の通信回線(例えば、インターネットやLAN等)5を介して接続されている。
【0010】
本実施形態の需要予測システム1では、一つまたは複数のコンピュータ3が、所定のサービス(アプリケーション)を提供するアプリケーションサーバ、またはデータベースサーバとして機能する。また、本部特売企画端末124や店舗発注端末125は、サービスを享受するクライアントとして機能する。この需要予測システム1では、例えばSaaS(Software as a Service)の形態でサービス(アプリケーション)が提供されうる。なお、需要予測システム1は、サーバクライアントの形態であっても良い。
【0011】
また、本部システムには、複数のPOS(Point of Sales)端末126を接続する店舗サーバ120が有線または無線の通信回線(例えば、インターネットやLAN等)5を介して接続されている。
【0012】
上述したようなコンピュータ3、本部特売企画端末124、店舗発注端末125は、一般的なパーソナルコンピュータである。なお、本部特売企画端末124や店舗発注端末125については、タブレット端末であっても良い。ここでは、コンピュータ3を例に説明する。
【0013】
図2は、コンピュータ3のモジュール構成図である。
図2に示すように、コンピュータ3は、情報処理を行うCPU(Central Processing Unit)101、BIOSなどを記憶した読出し専用メモリであるROM(Read Only Memory)102、各種データを書換え可能に記憶するRAM(Random Access Memory)103を備えている。
【0014】
また、コンピュータ3は、各種データベースとして機能するとともに各種のプログラムを記憶する記憶部であるHDD(Hard Disk Drive)104、記憶媒体110を用いて情報を保管したり外部に情報を配布したり外部から情報を入手するためのDVDドライブ等の媒体読取装置105、各通信回線を介して外部の他の機器と情報を伝達するための通信制御装置106、処理経過や結果等を操作者に表示するLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部107、並びに操作者がCPU101に命令や情報等を入力するためのキーボードやマウス等のポインティングデバイスである入力部108等を備えている。
【0015】
また、コンピュータ3においては、上述した各部間で送受信されるデータは、バスコントローラ109によって調停される。
【0016】
このようなコンピュータ3では、オペレータが電源を投入するとCPU101がROM102内のローダーというプログラムを起動させ、HDD104よりOS(Operating System)というコンピュータのハードウェアとソフトウェアとを管理するプログラムをRAM103に読み込み、このOSを起動させる。このようなOSは、オペレータの操作に応じてプログラムを起動したり、情報を読み込んだり、保存を行ったりする。OSのうち代表的なものとしては、Windows(登録商標)等が知られている。これらのOS上で走る動作プログラムをアプリケーションプログラムと呼んでいる。なお、アプリケーションプログラムは、所定のOS上で動作するものに限らず、後述の各種処理の一部の実行をOSに肩代わりさせるものであってもよいし、所定のアプリケーションソフトやOSなどを構成する一群のプログラムファイルの一部として含まれているものであってもよい。
【0017】
すなわち、HDD104に記憶されているアプリケーションプログラムの違いによって、パーソナルコンピュータは、クライアントとして機能する本部特売企画端末124や店舗発注端末125、コンピュータ3(アプリケーションサーバまたはデータベースサーバ)としてそれぞれ機能することになる。
【0018】
例えば、本部特売企画端末124や店舗発注端末125には、アプリケーションプログラムとして、ウェブブラウザや、ウェブブラウザに対してプラグイン形式を用いて提供されるソフトウェアがインストールされている。プラグインのうち代表的なものとして、Microsoft Silverlight(登録商標)が挙げられる。Microsoft Silverlightは、インストール後はブラウザ上でアニメーションやグラフィックスの表示、音声・動画の再生などを行うフレームワークである。
【0019】
また、一般的には、本部特売企画端末124のHDD104にインストールされるアプリケーションプログラムは、CD−ROMやDVD等の光情報記録メディアやFD等の磁気メディア等の可搬性を有する記憶媒体110に記録され、この記憶媒体110に記録された動作プログラムがHDD104にインストールされる。さらには、アプリケーションプログラムは、例えば通信制御装置106を介して外部から取り込まれ、HDD104にインストールされても良い。
【0020】
コンピュータ3は、OS上で動作するアプリケーションプログラムが起動すると、このアプリケーションプログラムに従い、CPU101が各種の演算処理を実行して各部を集中的に制御する。
【0021】
以下において、本部システムを構成する一つ又は複数のコンピュータ3の各CPU101がアプリケーションプログラムにより実行する各種の演算処理のうち、本実施形態の特長的な処理である需要予測処理について説明する。
【0022】
<<需要予測装置とその周辺システムの構成>>
図3は、本実施形態にかかる需要予測装置を含む本部システムの構成を示すブロック図である。
図3に示すように、本部システムを構成する一つ又は複数のコンピュータ3の各CPU101は、アプリケーションプログラムを実行することにより、需要予測装置31、データ収集・変換システム32、予定データ収集・変換システム33(特売企画支援システム330、発注数決定支援システム331など)、発注システム34を実現する。
本実施形態では、特売企画支援システム330及び発注数決定支援システム331を、需要予測装置31と分けて示している。しかし、特売企画支援システム330及び発注数決定支援システム331は、需要予測装置31のサービスをユーザ端末に提供するためのサブシステムである。従って、特売企画支援システム330及び発注数決定支援システム331の両方又は何れか一つを需要予測処理の一部に含めても良いものとする。
【0023】
<需要予測装置>
需要予測装置31は、小売業などの店舗において、商品の売価・陳列・販促等の販売者側の販売状態に対する、購買客側の商品の購買状況をシミュレーションする。需要予測装置31は、現時点から過去の所定の時点までの販売状態と購買状況とを示す過去情報を用いて、例えば数週間、数か月、もしくは1年間程度なら時間的に変化しないと見なせる部分の購買数(販売数とも言う)を示す定数項と、定数項に対して時間的により早く変化する部分の購買数を示す変動因子と係数からなる項とに分割した購買客の購買モデルを構築する。この購買モデルでは、過去情報を変動因子に代入することにより、変動因子の係数が求まる。そして、需要予測装置31は、構築した購買モデルの変動因子に対して、現時点から未来の所定の時点(未来の基準日)での販売状態と購買環境とを示す未来予定情報を当てはめ、未来の所定の時点の商品ごとの購買数、売上、利益などの販売動向を予測する。
【0024】
本実施の形態では、商品群(商品とその関連商品)を構成する商品がN種類の場合について説明する。そして、N種類の商品を、商品1,商品2,…,商品n,…,商品N(n=1,2…,N)と表すものとする。
【0025】
本実施の形態では、商品nに対する変動因子を、Xn1,Xn2,…,Xnm,…,XnM(m=1,2,…,M)と示す。変動因子Xnmは、販売価格、曜日、休日、気温、降水量等、購買数を変動させる可能性のあるものとする。
また、商品nに対する購買数をYnとする。つまり、商品1,商品2,…,商品n,…,商品Nの各購買数を、購買数Y1,Y2,…,Yn,…,YNと示す。
本実施形態では、商品群において各商品の購買数がその他の商品(関連商品)の購買数と相互に影響し合うことを考慮し、Y1,Y2,…,Yn,…,YNを変動因子に含め、予測購買数の計算式を、下記の式(1)で示す。
【0026】
【数1】
上記の式(1)において、an1Y1+an2Y2+…+an(n-1)Yn-1+an(n+1)Yn+1+…+anNYNは関連商品の購買数による影響を反映した項である。
式(1)において、an1,…,an(n-1),an(n+1),…,anN,bn0(定数項),…,bnM、を回帰係数とする。以下では、回帰係数を定数項bn0を含むものとして説明する。
【0027】
<データ収集・変換システム>
データ収集・変換システム32は、現時点から過去の所定の時点までの、店舗における複数の商品の購買データ、売価データ、販促(企画)データ、発注データ、在庫データ、気象データ、曜日データ、および地域のイベントデータなどの過去情報を店舗サーバ120などから収集する。そして、データ収集・変換システム32は、複数の各種データ(収集した過去情報)を所定のデータ構造に変換して、需要予測装置31の過去情報データベース310にデータを送信するものである。データ収集・変換システム32は、公知のPOSシステム、発注システム、納入商品の検品システム、気象データの受信システム、地域のイベントの入力システム等の各種データ収集システムと、データ変換システムと、を有している。
【0028】
<予定データ収集・変換システム>
予定データ収集・変換システム33は、現時点から未来の所定の時点までの、店舗における複数の商品の予定売価データ、予定販促(企画)データ、予定入荷データ、予定気象データ、曜日データ、予定地域のイベントデータなどの未来予定情報を収集する。そして、予定データ収集・変換システム33は、複数の各種データ(収集した未来予定情報)を所定のデータ構造に変換して、需要予測装置31の未来情報データベース311にデータを送信するものである。
予定データ収集・変換システム33には、特に、特売企画支援システム330と発注数決定支援システム331が含まれる。
【0029】
特売企画支援システム330は、特売企画を支援するために構築されたシステムであり、特売の企画を行う複数の本部特売企画端末124と接続されている。本部特売企画端末124は、過去実績や推奨情報を参照した特売企画担当者から、未来の特売企画として、特売対象となる商品を示す特売品コード(単品コード)、特売価格、特売日、ちらし掲載等の販促データの入力を受け付ける。受け付けたデータは、発注数決定支援システム331に送信される。
【0030】
発注数決定支援システム331は、特売商品および通常価格で販売される定番商品の発注数を決定する複数の店舗発注端末125と接続され、店舗の発注担当者と本部の需要予測装置31とをつなぐインタフェースとして機能する。店舗発注端末125は、需要予測装置31に対するユーザインタフェースであり、購買状況のシミュレーションを制御するデータを入力するものである。例えば、未来予定情報の初期設定のために、特売企画支援システム330から受信した各種のデータを需要予測装置31に送信する。また、初期に設定した未来予定情報に対する予測購買数が、発注担当者にとって目標とした値ではない場合、発注担当者は、店舗発注端末125から、予定売価等の未来予定情報の一部を変化させて再予測(再シミュレーション)するように、需要予測装置31に対して制御データを入力する。
発注システム34は、発注数決定支援システム331で決定された全店舗の発注数に従って、商品の製造、販売等をしている業者に対して、商品の発注を要求するシステムとする。
【0031】
<<需要予測装置の構成および処理>>
<需要予測装置の構成>
需要予測装置31では、過去情報データベース310には、過去の店舗別・日別・時間別・商品別に、商品群に含まれる商品毎の第1所定期間における購買数データ(売上データ)316d、発注データ318d、在庫データ317d、分類・属性データ313d、売価・販促データ314d、陳列データ315d、店舗・地域データ310d、日付・時刻データ311d、気象・行事データ312d等の過去情報が格納されている。過去情報データベース310に格納された過去情報のうち、購買数を予測する商品(目的商品)の購買数データ316dが目的変数に代入されるものとなる。また、それ以外の過去情報が変動因子に過去の変動因子情報として代入されるものとなる。
【0032】
回帰係数算出部312は、過去の変動因子情報が目的変数の変動に寄与する度合いを示す回帰係数(定数項を含む)を算出する。一商品の購買数の変動には、複数の変動因子が寄与している。ここでは、一商品ごとに回帰係数を算出する。
【0033】
具体的には、式(1)の目的変数Ynに対して商品nの過去の購買数を代入し、変動因子Y1,…,YN、Xn1,…,XnMに対して過去の変動因子情報を代入する。式(1)の回帰係数はM+N個あるため、過去の購買数と変動因子情報のデータのセットをM+N個以上用いて、M+N個以上の式を立て、従来の回帰係数の算出法により目的変数Ynの回帰係数を求める。この操作を目的変数Y1,…,YNについて行い、商品nごとに回帰係数を求める。この際に予測精度を向上させるために公知の補正条件式(例えば最小二乗法など)を導入しても良い。なお、この処理は、夜間などにおいて予め行うものとする。
【0034】
回帰係数データベース(DB)313は、回帰係数算出部312により算出された、商品nごとの回帰係数を格納するものである。例えば、商品2であれば、回帰係数として、A21,A23,…,A2N、B20,B21,…,B2Mを格納する。なお、ここで「A、B」は算出された回帰係数の値を示すものとする。
【0035】
未来情報データベース(DB)311は、予定情報311Aを有している。予定情報311Aには、過去情報データベース310に格納された過去情報が取得された時点より未来の時点(つまり、第1所定期間以降の期間である第2所定期間)における、未来情報が店舗別・日別・時間別・商品別に格納されている。例えば、予定分類・属性データ323d、販売条件である予定売価・販促(企画)データ324d、予定陳列データ325d、予定店舗・地域データ320d、予定日付・時刻データ321d、予定気象・行事データ322d等である。
【0036】
予測購買数算出部(販売動向算出手段)314では、未来の基準日の各商品の予測購買数(販売動向データ)を算出する。具体的には、予定情報311Aの、未来の基準日に該当する変動因子情報と、回帰係数データベース313に格納されている回帰係数とを予測式(1)に当てはめる。ただし、変動因子情報及び回帰係数は、目的変数をYnとして予測式(1)を立てたときの商品nに対応するものを使用するものとする。また、商品群(商品1,商品2,…,商品n,…,商品N)の範囲は後に示す商品分類(部門)により指定された範囲とする。そして、当該商品群の商品数分(N個)の予測式を立て、それぞれの商品の予測購買数を求め、商品ごとに得られた予測購買数のデータを出力する。
また、特売のような複数日に跨る企画の場合は、未来の基準日を企画の開始日から終了日にかけて順次変えて、つまり企画期間に渡り日別に各商品の予測購買数を算出し、それらのデータを出力する。
【0037】
集計部(販売動向集計手段)315は、予測購買数算出部314が日別に出力した各商品の予測購買数を示すデータを企画期間に渡って集計する。
未来情報データベース311は、予測情報311Bを有している。予測情報311Bは、予測購買数算出部314が日別に出力した各商品の予測購買数のデータを格納する。また、集計部315が集計した各商品の企画期間をかけての総予測購買数を示す集計データを格納する。日別の予測購買数を示すデータやそれらの集計データ(期間別の予測購買数を示すデータ)は予測購買データ326dに格納される。
【0038】
発注・在庫数算出部316は、現在の在庫数から、予測購買数算出部314により算出された予測購買数を減算して、未来の設定された時点(第2所定期間)での予測在庫数を算出する。さらに、発注・在庫数算出部316は、算出した予測在庫数に基づいて、例えば予測在庫数が最低在庫数未満ならば推奨発注数を増加させ、予測在庫数が最低在庫数を超えるならば推奨発注数を減少させて、最終的に所定の発注単位や発注リードタイムに従って推奨発注データに加工する。予測情報311Bは、発注・在庫数算出部316により算出された予測在庫数(予測在庫データ327d)、および推奨発注数(推奨発注データ328d)を格納する。
【0039】
入力受付部317は、需要予測設定画面や企画編集画面を生成し、特売企画支援システム330や発注数決定支援システム331に送信する。需要予測設定画面は、主に企画の選択を行うためのものである。企画編集画面は需要予測の確認や企画内容の編集を行うためのものである。企画編集画面は、発注担当者が需要予測を確認する場合に日別のデータと期間別のデータを発注担当者が交互に切り替えて表示させるための操作部を備えている。入力受付部317は当該操作部を含む企画編集画面を発注数決定支援システム331に送信することで、発注数決定支援システム331を介し店舗発注端末125の表示エリアに操作部を供給する操作部供給手段としても機能する。
【0040】
また、企画編集画面には、予測購買データ326dの日別のデータ又は期間別の集計データが含まれる。デフォルトは期間別表示の設定となり、期間別の集計データが含まれる。店舗発注端末125において操作部による日別表示への切り替え操作が行われると、日別のデータを含む企画編集画面を再送信する。入力受付部317は操作部からの切り替え操作がある度に日別データ又は期間別データの何れか一方を交互に企画編集画面に含めることにより、日別データと期間別データを店舗発注端末125の表示エリアに交互に表示させる表示手段としても機能する。ここで、日別データ又は期間別データの何れか一方を交互に企画編集画面に含めるとは、例えば直近に送信した企画編集画面に日別データが含まれていたならば、期間別データを企画編集画面に含めることを言う。
【0041】
外部装置である本部特売企画端末124は特売企画支援システム330に、店舗発注端末125は発注数決定支援システム331にアクセスし、そこから取得した各種画面をシミュレーション等のためのインタフェースとして液晶等のディスプレイ(表示エリア)に表示する。
【0042】
また、入力受付部317では、発注数決定支援システム331などから入力されたデータ(例えば、販売価格、曜日、休日、気温、降水量、地域イベント、ちらし掲載の有無、企画等)を予定情報311Aに未来の変動因子情報として登録する。また、発注数決定支援システム331から入力された編集後のデータに従って、予定情報311Aに格納されている各種の未来の変動因子情報を修正する。
【0043】
また、入力受付部317では、算出された予測購買数、予測在庫数、推奨発注数が、店舗発注端末125から入力された予測購買数の目標値、予測在庫数の目標値、推奨発注数の目標値を満たしていない場合に、予測条件である予定情報311Aに格納されている各種の未来の変動因子情報を修正して予測購買数を再計算し、算出された各予測値(予測購買数、予測在庫数、推奨発注数)を目標値に近づける。
【0044】
<需要予測装置の処理>
次に、需要予測装置31で行う期間別データの集計処理について説明する。
図4は、需要予測装置において行われる集計処理のフロー図である。
図5は、上記集計処理により生成される集計データの生成過程を示す図である。
以下では、
図4のフロー図に従い集計処理について説明する。
図5は必要に応じて参照するものとする。
【0045】
先ず、企画情報を受け付けたか否かを判定する(S40)。
この判定では、例えば、予定売価・販促データ324dに新規に登録された企画情報がある場合にYes判定とし、無い場合にNo判定とする。No判定の場合、企画情報が新規に登録されるまで待機する。判定を行うタイミングは、所定時間間隔置きや企画情報の登録時などとして良い。所定時間間隔の場合には、所定時刻や所定時間経過後などのタイミングで予定売価・販促データ324dをチェックして判定する。企画情報の登録時の場合には、その登録の操作を常に監視して、登録の操作を検知することにより、Yes判定としての処理を進める。
【0046】
ステップS40でYes判定の場合、企画の開始日を日付パラメータDATEにセットする(S41)。この処理は、予定売価・販促データ324dに登録された企画情報の企画の開始日を示す値を抽出してパラメータDATEにセットする。なお、このときに終了日を示す値も抽出し、ステップS45の判定処理の終了まで一時的にワークエリアなどに保持するものとする。
【0047】
次に、パラメータDATEにセットされた日付を「未来の基準日」として予測式(1)を立て、該当する全商品の予測購買数を算出する(S42)。具体的には、目的変数をYnとする予測式(1)の右辺にパラメータDATEにセットされた未来の日付に対応する商品nの予定情報を当てはめる。商品群を「ライン」とすれば、ライン1に属する商品1、商品2、・・・、商品n、・・・、商品Nの予測購買数をY1,Y2,…,Yn,…,YNとして各商品の予測購買数を求める。その他のライン2、ライン3・・・についても、それぞれの商品群を単位にして同様に予測購買数を求める。
【0048】
次に、ステップS42の処理で求めたそれぞれの商品の1日分の予測購買数や商品の基本情報などを含むデータをRAMなどのワークエリアに吐き出して一時的に保持する(S43)。
図5(a)は、ワークエリアに保持される1日分の予測購買数を含むデータを商品の単品コードの順に示したものである。ここでは企画の予定期間を「2014/03/17〜2014/03/23」とし、企画の開始日「2014/03/17」の1日分のデータD5の一部を示している。
【0049】
一行目は項目部50とし、二行目以下がデータ部51となる。データ部51には、単品コード「コード1」と「コード2」の2商品のレコードR11、R21のみを示している。コード2以降の商品は省略している。
【0050】
図5(a)に示すように、一レコードは、「単品コード」501、「メーカ」502、「商品名称」503、「規格」504、「販売日」505、「特売売価」506、「予測販売数(予測購買数)」507、「予測販売金額」508、「予測利益金額」509の項目を含んでいる。この内、少なくとも「単品コード」501と「予測販売数」507の項目を後の集計処理で使用する。
【0051】
各レコードにおいて「単品コード」501、「メーカ」502、「商品名称」503、及び「規格」504に設定されている値は、予測購買数の算出対象商品(商品n)の商品情報である。これらは商品マスタデータなどから商品nの基本情報として取得したものである。
【0052】
「販売日」505の値は、パラメータDATEにセットされた値である。
図5(a)においては企画の開始日「2014/03/17」が設定されているが、パラメータDATEのセット値が変われば、その値が設定されることになる。
「特売売価」506の値は、レコードに示される商品の予測購買数の計算において予測式(1)に売価の変動因子情報として使用したものである。
【0053】
「予測販売数」507の値は、ステップS42で予測式(1)により算出されたレコードに示される商品の予測購買数である。
「予測販売金額」508の値は、「特売売価」506と「予測販売数」507に基づいて算出したものである。
【0054】
「予測利益金額」509の値は、一般的な利益計算式に基づいて算出したものである。
このように、企画開始日の1日分の各商品の予測購買数を示すデータがワークエリアに吐き出され、保持されることになる。
【0055】
次に、パラメータDATEに設定されている日付を1日進める(S44)。1日先の日付はカレンダ情報などに基づいて決定し、月の更新も行うものとする。
次に、パラメータDATEに設定されている日付が当該企画の終了日を超えたか否かを判定する(S45)。
【0056】
この判定により、終了日を超えていないと判定されると(No判定)、ステップS42からの処理を繰り返す。つまり、パラメータDATEに設定された日付(この段階では開始日の翌日)の各商品の予測購買数を算出しワークエリアに保存する。
【0057】
ステップS42〜S45の一連のサイクルは、パラメータDATEの日付が終了日を超えるまで、つまり企画期間を通して繰り返し行われ、1サイクルごとに日別の各商品の予測購買数がワークエリアに吐き出される。従って、
図5(a)において企画開始日を例に示した1日分の各商品の予測購買数を含むデータのセットが、企画期間の日数分ワークエリアに吐き出されることになる。
【0058】
企画期間内の各商品の予測購買数を示すデータが日数分全てワークエリアに吐き出された後は、パラメータDATEに設定されている日付が当該企画の終了日を超えるため、ステップS45においてYes判定に変わる。
【0059】
ステップS45でYes判定となると、続いてワークエリアに吐き出された企画期間の日数分のデータ(日別データ)を対象に単品コードごとの集計をとる(S46)。
図5(b)は、ワークエリアに販売日順に吐き出された日別データを単品コード順に並べ直したものである。
図5(b)においては、「単品コード」501がコード1とコード2の商品のみを示し、それらに続くコードをもつレコードは省略している。
【0060】
日別データD6のデータ部52には、コード1を含む7つのレコードR11〜R17とコード2を含む7つのレコードR21〜R27が示されている。
それぞれのコードの7つのレコードは、「販売日」505に示すように、企画期間「2014/03/17〜2014/03/23」の7日分のデータを示している。「予測販売数」507に示される値が、その商品の企画期間内の各日の予測購買数となる。
データ集計は、コードごとに7日分の予測購買数等のデータを集計することにより行う。
【0061】
図5(c)は、
図5(b)に示す単品コード順に並べ直した日別データを、単品コード別に集計して、その結果となる期間別集計データを示したものである。
図5(c)の期間別集計データD7のデータ項目は、「単品コード」501A、「メーカ」502A、「商品名称」503A、「規格」504A、「開始日」505A、「終了日」505B、「特売売価」506A、「予測販売数(予測購買数)」507A、「予測販売金額」508A、「予測利益金額」509Aを含んでいる。なお、日別データD5、D6に対し「販売日」505の代わりに企画期間の「開始日」505Aと「終了日」505Bが設けられている。「予測販売数」507A、「予測販売金額」508A、「予測利益金額」509Aにデータの集計値が収められる。
【0062】
例えば、レコードR10の「予測販売数」507Aの値は、コード1の商品についての企画期間(7日間)を通しての各日の予測販売数の合計を示している。つまり、
図5(b)のレコードR11〜レコードR17の予測販売数を足し合わせた値「31+32+32+31+29+32+32=219」がレコードR10の「予測販売数」507Aの値として設定される。
【0063】
そして、ステップS46の処理で用いた日別データと集計結果としての期間別集計データとを予測購買データ326dに登録する(S47)。
図6、
図7は需要予測データを表示する企画編集画面の表示例を示すものである。
図6は、期間別集計データの表示例を示し、
図7は、日別データの表示例を示す。以下では
図6を例に企画編集画面の画面構成を説明する。
図7は
図6の企画編集画面と異なる部分の説明において参照する。
【0064】
需要予測設定画面(不図示)において企画を一覧表示し、一つの企画を選択すると、企画編集画面が表示される。
【0065】
図6に示す企画編集画面4Gは、企画表示エリア41と、商品群選択エリア42と、操作部40を含むデータ表示エリア43と、データ操作エリア44と、販売動向比較ボタンとしてのカニバリゼーション確認ボタン45と、各種ボタンが配列されているナビゲートボタンエリア46とを含んでいる。
【0066】
企画表示エリア41は、前画面の需要予測設定画面で選択された企画の「企画No」410、「企画名」411、「開始日」412、「終了日」413を表示するエリアとして設けられている。
【0067】
商品群選択エリア42は、企画の対象となる商品群の一部又は全てをユーザ選択によりデータ表示エリア43に表示させる選択エリアとして設けられている。商品群選択エリア42には「部門」420−1と「ライン」420−2と「クラス」420−3に分けられた範囲指定部が含まれている。「部門」420−1では、最上位の商品分類カテゴリの範囲を指定することができる。「ライン」420−2では、「部門」420−1のすぐ下位の商品分類カテゴリの範囲を指定することができる。「クラス」420−3では、再下位の商品分類カテゴリの範囲を指定することができる。各範囲指定部には、表示されている商品分類カテゴリの全ての範囲を指定するためのチェックボックスB1が設けられている。
【0068】
データ表示エリア43は、企画の対象となる商品群の内の一部又は全ての商品の需要予測データを日別又は期間別に表示するエリアとして設けられている。データ表示エリア43には、日別/期間別の切り替えを行う操作部として期間別ボタンB4と日別ボタンB5とが設けられている。
【0069】
期間別ボタンB4と日別ボタンB5は、GIFやJPEGなどのアイコン画像を使用したボタン(アイコンボタン)であり、マウスカーソルを重ねてクリックすることにより、そのボタンが期間別ボタンB4であれば、期間別表示を指示する信号をCPUに送信する。また、日別ボタンB5であれば、日別表示を指示する信号をCPUに送信する。
【0070】
デフォルトでは期間別ボタンB4が選択され、データ表示エリア43に期間別集計データが表示される。期間別集計データの表示項目は、ここでは
図5(c)の項目に対応するものと更に実績の項目を追加したもので構成される。すなわち、「単品コード」430、「メーカ」431、「商品名称」432、「規格」433、「開始日」434−1、「終了日」434−2、「特売売価」435、「予測販売数」436、「予測販売金額」437、「予測利益金額」438、「実績販売数」439、「実績販売金額」440、「実績利益金額」441となる。
【0071】
データ表示エリア43は、日別ボタンB5が選択されて、日別データが表示されると(
図7の企画編集画面7G参照)、表示項目の「開始日」434−1と「終了日」434−2が「販売日」434に置き換えられる。
【0072】
データ操作エリア44は、データ表示エリア43での商品データの訂正などのデータ編集を行うためのエリアとして設けられている。データ操作エリア44には、データ編集のための入力ボックスB2と、訂正ボタンB3が設けられている。
【0073】
入力ボックスB2は、入力項目ごとに備えられている。入力項目としてはデータ表示エリア43の各項目が含まれる。データ表示エリア43において一レコードを選択するとその商品のデータが各入力ボックスに編集可能なように表示される。
【0074】
本実施形態では、期間別表示の「開始日」434−1と「終了日」434−2の入力項目B21、B22と、日別表示の「販売日」434の入力項目B23とを企画編集画面4G、7Gに共に設けている。本実施形態では、期間別表示では「販売日」434の入力項目B23をグレーアウトし、日別表示では「開始日」434−1と「終了日」434−2の入力項目B21、B22をグレーアウトすることにより、期間別データと日別データの編集可能項目を制御する。
【0075】
訂正ボタンB3は、データ表示エリア43上で指定したレコードの各情報を項目別に訂正する宣言を行うものである。例えば、データ表示エリア43において一レコードを指定し、その商品のデータを各入力ボックスB2に表示させる。それから、所定の入力ボックスB2に表示されたデータを書き換え、訂正ボタンB3を押下する。これにより、その商品のデータが訂正され、訂正後のデータがデータ表示エリア43に表示されることになる。
【0076】
カニバリゼーション確認ボタン45は、一商品の売価に購買数が依存する関連商品の販売動向データを画面表示するためのボタンである。入力受付部317は、カニバリゼーション確認ボタン45を店舗発注端末125に供給するためのカニバリゼーション確認ボタン供給手段(販売動向比較ボタン供給手段)としても機能する。カニバリゼーション確認ボタン供給手段としての入力受付部317は、カニバリゼーション確認ボタン45を企画編集画面に含めて、その企画編集画面を店舗発注端末125に送信することにより、カニバリゼーション確認ボタン45を店舗発注端末125に供給する。
図7に示すデータ表示エリア43に日別表示されたデータの中から一レコードを指定、つまり一基準日における一商品を指定し、カニバリゼーション確認ボタン45を押下する。すると、データ表示エリア43で指定した基準日の関連商品についての情報が画面に表示される。
【0077】
基準日に応じて指定した商品の関連商品は必ずしも同一にはならない。日によって関連商品が変われば、複数日を跨ってのカニバリゼーション表示は行えない。そこで、本実施形態では、カニバリゼーション確認ボタン供給手段が、期間別表示においてはカニバリゼーション確認ボタン45をグレーアウトにし、カニバリゼーション表示ができないことをユーザに促すものとした。
【0078】
ナビゲートボタンエリア46は、他の画面と共通する画面操作ボタンを表示するためのエリアとして設けられている。当該企画編集画面4Gにおいては、終了ボタンB6、印字ボタンB7、戻るボタンB8、確定ボタンB9が操作可能なように表示される。終了ボタンB6は、需要予測設定を終了することを宣言するボタンである。印字ボタンB7は、企画編集画面4Gの印字命令をプリンタに出力するためのボタンである。戻るボタンB8は、一つ前の需要予測設定画面に戻るためのボタンである。確定ボタンB9は、データ表示エリア43の設定内容を確定し発注を指示するためのボタンである。
【0079】
図8は、発注担当者が操作する店舗発注端末と需要予測装置との間で行われる需要予測シミュレーション処理のフロー図である。なお、店舗発注端末125と需要予測装置31との間には、インタフェースとして、発注数決定支援システム331が介在するものとする。
同図に示す破線矢印は、店舗発注端末125と需要予測装置31との間の信号の流れを示すものである。
先ず、店舗発注端末125において、発注担当者が需要予測設定プログラムを起動し、表示画面に需要予測設定画面を表示させる(S10)。
【0080】
次に企画一覧を表示させて、その中から一の企画を選択する(S11)。この選択により、一の企画の需要予測データを取得するための指示信号が店舗発注端末125から需要予測装置31に送信される。
【0081】
需要予測装置31は、指示信号を受信したか否かを判定する(S20)。店舗発注端末125から指示信号を受信すると、ステップS20の判定処理でYes判定となり、期間別表示用の企画編集画面4Gを店舗発注端末125に向けて送信する(S21)。期間別表示用の企画編集画面4Gでは、カニバリゼーション確認ボタン45をグレーアウトさせておく。また、その企画編集画面4Gには店舗発注端末125において選択された一の企画の需要予測データを示すものとして期間別データを含める。期間別データは、未来情報データベース311の予測情報311Bに予測購買データ326dとして日別データと共に格納されているものを使用する。期間別データは、予測情報311Aに基づいて予めシミュレーションし、集計部315において集計したものが予測情報311Bに予測購買データ326dとして登録されている。
【0082】
なお、期間別データとして、予測情報311Bに予測購買データ326dとして予め登録されたものではなく、店舗発注端末125からの企画の選択時にシミュレーションし、集計を行ったものを使用しても良い。
【0083】
店舗発注端末125は、企画編集画面4Gを表示する(S12)。
店舗発注端末125は、企画編集画面4Gにおいて日別ボタンB5が押下されると、その押下信号を需要予測装置31に送信する(S13)。
【0084】
需要予測装置31は、店舗発注端末125から信号を受信すると、その信号に基づき、戻るボタンB8の操作があったか否かの判定(S22)や、日別ボタンB5の操作があったか否かの判定(S23)や、カニバリゼーション確認ボタン45の操作があったか否かの判定(S24)などを行う。
【0085】
ステップS22においてYes判定の場合は、戻るボタンB8が操作されたことを示すので、ステップS20の処理に戻る。ステップS22においてNo判定の場合は、ステップS23の判定処理に移行する。
【0086】
ステップS23においてNo判定の場合は、ステップS24の判定処理に移行する。
ステップS23においてYes判定の場合は、企画編集画面4Gで日別ボタンB5が操作されたことを示すので、日別表示用の企画編集画面7Gを店舗発注端末125に送信する(S25)。日別表示用の企画編集画面7Gでは、カニバリゼーション確認ボタン45のグレーアウトの設定を解除して操作可能とする。また、その企画編集画面7Gには、店舗発注端末125において選択された一の企画の日別データを含める。日別データは、予測情報311Bに予測購買データ326dとして期間別データと共に格納されているものを使用する。
【0087】
需要予測装置31は、ステップS25の処理後はステップS22の処理に戻る。
店舗発注端末125は、需要予測装置31から送信された日別表示用の企画編集画面7Gにより表示情報を更新する(S14)。
【0088】
続いて、店舗発注端末125は、発注担当者によりデータ表示エリア43上で一基準日の一商品が選択され、カニバリゼーション確認ボタン45が押下されると、これを検出し、その選択された商品についての当該基準日のカニバリゼーションを示す画面(カニバリゼーション影響確認画面)を要求する信号を需要予測装置31に送信する(S15)。
【0089】
一方の需要予測装置31は、店舗発注端末125からの上記要求信号を受信すると、ステップS24でYes判定となり、カニバリゼーション影響確認画面を店舗発注端末125に送信する(S26)。
店舗発注端末125は、需要予測装置31からカニバリゼーション影響確認画面を受信し表示画面に表示する(S16)。
【0090】
そして、カニバリゼーション影響確認画面を閉じる操作としての確認ボタンの押下があったか否かを判定する(S17)。この判定により、確認ボタンの押下があったと判定されると(Yes判定)、カニバリゼーション影響確認画面を終了し、カニバリゼーション影響確認画面を閉じたことを示す信号を需要予測装置31へ送信するなどして、ステップS13の処理に戻る。そして、ステップS13において企画編集画面上での各種操作を受け付ける。また、確認ボタンの押下がないと判定されると(No判定)、確認ボタンの押下があるまで待機する。
【0091】
需要予測装置31は、ステップS26の処理後は、店舗発注端末125からカニバリゼーション影響確認画面を閉じたことを示す信号を受信したか否かを判定する(S27)。この判定により、カニバリゼーション影響確認画面を閉じたことを示す信号を受信したと判定されると(Yes判定)、ステップS22からの処理を繰り返す。また、カニバリゼーション影響確認画面を閉じたことを示す信号を受信していないと判定されると(No判定)、その信号が受信されるまで待機する。
また、ステップS20の判定処理でNo判定の場合は、終了ボタンB6が押下されたか否かの判定を行う(S30)。ステップS30の判定処理において終了ボタンB6が押下されたとするYes判定の場合、本処理を終了する。ステップS30の判定処理においてNo判定の場合、ステップS20の判定処理に戻る。
また、ステップS24の判定処理においてNo判定の場合、終了ボタンB6が押下されたか否かの判定を行う(S31)。ステップS31の判定処理において終了ボタンB6が押下されたとするYes判定の場合、本処理を終了する。ステップS31の判定処理においてNo判定の場合、ステップS22の判定処理に戻る。
【0092】
なお、店舗発注端末125は、発注担当者により企画編集画面4G、7Gの戻るボタンB8が押下されると、任意のタイミングで需要予測装置31に戻りを指示する信号を送信して、ステップS10の処理に戻り、需要予測設定画面を表示する。また、終了ボタンB6が押下されると、任意のタイミングで、需要予測装置31に終了を指示する信号を送信して、処理を終了する。需要予測装置31は、ステップS22の判定で店舗発注端末125で戻るボタンB8の操作があったことを検出する。また、ステップS30、ステップS31の判定で、店舗発注端末125で終了ボタンB6の操作があったことを検出する。
【0093】
以上の店舗発注端末125における期間別表示から日別表示への切り替えの一連の流れを店舗発注端末にインタフェースとして送信した企画編集画面4G、7G上で説明すると次の通りとなる。
【0094】
図6に示す期間別表示用の企画編集画面4Gは、企画名「部門1週間特売」、企画期間「2014年3月17日(月)〜2014年3月23日(日)」、商品分類カテゴリ「部門1」に属する全商品の需要予測シミュレーション結果を示している。
【0095】
期間別ボタンB4の斜線表示は、期間別ボタンが選択状態であることを示している。
一方の日別ボタンB5の白色表示は、未選択状態を示すと共に、選択可能であることを示している。
【0096】
この状態では、カニバリゼーション確認ボタン45はグレーアウトの設定となる。
データ表示エリア43には、「部門1」に属する全商品が期間別表示されている。スクロールバーBar1の操作により、隠れている商品が連続的にデータ表示エリア43に示され、全商品に渡り期間別の需要予測データを確認できる。
【0097】
図6において、商品分類カテゴリ「クラス1」の一列目のレコードRec01を太枠で示している。これは当該レコードRec01が指定されている状態であることを示すために図示したものである。レコードの指定状態を示す態様は色を変えるなど様々な態様をとってよい。
【0098】
データ操作エリア44の入力ボックスB2には、データ表示エリア43で指定されている一列目のレコードRec01の商品の期間別データが表示される。「販売日」434の入力項目B23はデータ表示エリア43の項目に無いのでグレーアウトとなる。
【0099】
ここで、日別ボタンB5を押下すると、
図7に示す日別表示用の企画編集画面7Gに表示が切り替わる。
切替後の企画編集画面(企画編集画面7G)においては、期間別ボタンB4は、白色表示となり、未選択状態を示すと共に選択可能状態を示すものとなる。
【0100】
一方の日別ボタンB5は、斜線表示となり、選択状態となる。
そして、この状態になるとカニバリゼーション確認ボタン45はグレーアウトが解除されて白色表示となり、選択可能な状態をとるようになる。従って、カニバリゼーション確認ボタン45が押下されると、カニバリゼーション影響確認画面が表示されることとなる。
【0101】
データ表示エリア43には、「部門1」に属する全商品が日別表示される。スクロールバーBar1の操作により、隠れている商品が連続的にデータ表示エリア43に示され、全商品に渡り日別データを確認できる。
【0102】
データ表示エリア43には、期間別表示のデータ表示エリア43で指定された商品が表示エリアの先頭に配置され、当該商品に続く商品が表示される。
【0103】
図6の期間別表示用の企画編集画面4Gでは、データ表示エリア43上で一列目のレコードRec01(コード1)を指定した。この状態で日別ボタンB5が押下されたので、
図7の日別表示用の企画編集画面7Gにおいては、データ表示エリア43にコード1の7日分の日別データを先頭とし、これに続く商品(本例ではコード2)の日別データが表示される。
【0104】
仮に、期間別表示用の企画編集画面4Gで、二列目のレコードRec02(コード2)を指定し、日別ボタンB5を押下すると、日別表示用の企画編集画面7Gにおいては、コード2の7日分の日別データを先頭とし、これに続く商品(コード3)の日別データが表示されることになる。スクロールバーBar1の操作により、画面上方となるコード2の上方側に配置される商品を表示させると、コード1の7日分の日別データが表示されることになる。
【0105】
日別表示用の企画編集画面7Gでは、「開始日」434−1と「終了日」434−2の入力項目B21、B22はデータ表示エリア43の項目に無いのでグレーアウトとなる。
【0106】
図9は、カニバリゼーション影響確認画面の一例である。
図9は、
図7に示す企画編集画面7Gのカニバリゼーション確認ボタン45を押下することにより表示される。
【0107】
本例では、
図7のデータ表示エリア43において一列目のレコードRec10を選択した状態でカニバリゼーション確認ボタン45を押下した場合のその他の商品(つまり関連商品)の予測購買数を示している。
【0108】
同図に示すカニバリゼーション影響確認画面9Gには、企画編集画面7Gのデータ表示エリア43で選択された商品の設定情報を表示する選択商品表示エリア70と、その関連商品の予測購買数等を表示する関連商品一覧表示エリア71とが設けられている。
【0109】
選択商品表示エリア70は、表示欄として「単品コード」700、「メーカ」701、「商品名称」702、「規格」703、「販売日」704、「特売売価」705が設けられている。
【0110】
関連商品一覧表示エリア71は、表示欄として「単品コード」711、「メーカ」712、「商品名称」713、「規格」714、「売価」715、「種別」716、「販売数」717、「販売変化」718が設けられている。
【0111】
そして、関連商品一覧表示エリア71には、関連商品の全てが表示される。
同図に示す例では、その一部が表示され、スクロールバーBar02の操作により、全商品を関連商品一覧表示エリア71に表示させることができる。
このように、関連商品の全てが表示されるので、それぞれの予測販売を確認することができるようになる。
【0112】
本実施形態では、日別と期間別の切り替えのための操作部として期間別ボタンB4と日別ボタンB5を企画編集画面に設けたが、この限りでない。切り替えの操作ができるようなものであれば良いため例えばタブを利用したものでも良い。
本実施形態では、期間別集計データの集計の基礎を日別データとした。しかし、これに限らず、1、2時間など、単位時間を区切りとしたデータを基礎に期間別集計データを集計しても良い。
【0113】
(変形例)
変形例の需要予測装置は、日別と期間別の切り替えのための操作部をタブの態様で設けたものである。
図10、
図11は操作部をタブの態様で設けた企画編集画面の構成図である。
当該企画編集画面10G、11Gは、日別への切り替えのための日別タブB10と期間別への切り替えのための期間別タブB11とを備えている。
【0114】
図10は、期間別タブB11が選択されているときの期間別集計データの表示例を示すものであり、
図11は、日別タブB10が選択されているときの日別データの表示例を示すものである。なお、
図10、
図11において、
図6、
図7に対応する箇所には同一の番号を付すものとした。
【0115】
図10に示すように、期間別タブB11が選択されると、期間別タブB11に属する項目がデータ表示エリア43に表示される。データ表示エリア43に表示されている項目の内、特に、「開始日」434−1と「終了日」434−2は期間別タブB11の選択時においてのみ表示されるものである。更に、各項目の下方に期間別データが表示されるようになる。
【0116】
一方、日別タブB10が選択されたときは、
図11に示すように、日別タブB10に属する項目がデータ表示エリア43に表示される。この場合は、データ表示エリア43に表示されている項目の内、「販売日」434が日別タブB10の選択時においてのみ表示されるものである。更に、各項目の下方に日別データが表示されるようになる。
【0117】
また、本変形例では、日別タブB10にカニバリゼーション確認のためのボタン(カニバリゼーション確認ボタンB100)を配置している。日別タブB10を選択することにより、日別タブB10にまとめられた機能の一つとしてカニバリゼーション確認ボタンB100が表示される。カニバリゼーション確認は、日別表示においてのみ実施可能なため、期間別表示の際には必要のないものである。従って、日別タブB10にカニバリゼーション確認ボタンB100をまとめることにより、日別タブB10の選択時においてのみカニバリゼーション確認の選択操作が可能になることが分かる。
本実施形態及び変形例では、入力受付部317が、需要予測設定画面や企画編集画面を生成して、特売企画支援システム330に需要予測設定画面を送信し、発注数決定支援システム331に需要予測設定画面や企画編集画面を送信するものとしたが、これに限定されるものではない。入力受付部317は特売企画支援システム330や発注数決定支援システム331との間で需要予測結果を示すデータや入力データや指示信号等の送受信をし、需要予測設定画面や企画編集画面の生成を、特売企画支援システム330や発注数決定支援システム331で行うようにしても良い。
【0118】
本実施形態及び変形例の需要予測装置で使用する各種プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供し、需要予測装置のフラッシュROMなどに読み込ませて実行してもよい。
【0119】
また、当該プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
【0120】
以上のように本実施形態及び変形例の需要予測装置は、商品の未来の販売動向データを単位時間区切りで算出する販売動向算出手段と、所定期間内の上記単位時間ごとの上記商品の販売動向を集計して期間別の上記商品の販売動向データとする販売動向集計手段と、表示エリアに上記商品の単位時間別及び期間別の販売動向データを交互に切り替えて表示させる操作部を供給する操作部供給手段と、上記操作部から上記単位時間別及び上記期間別の切り替えの指示がある度に上記商品の上記単位時間別の販売動向データと上記商品の上記期間別の販売動向データとを上記表示エリアに交互に表示させる表示手段と、を備えるものとした。
【0121】
これにより、発注担当者などのユーザに対し、操作が容易なユーザインタフェースが提供される。ユーザは、このインタフェースを介し、商品の需要予測結果を日別のものと期間別のものとを確認できるようになる。また、日別ボタンや期間別ボタンなどの操作部の切り替え操作だけで簡単に日別データと期間別データを表示できるようになる。
【0122】
以上の実施形態及び変形例において、需要予測装置についての構成を説明したが、この実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。