(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施するための形態を図面を参照して説明する。これらの図面で同一の構成要素には同じ符号を付して重複した説明を省略する。
【0011】
図1のような断熱屋根構造は、軒棟方向に沿って配置された複数の屋根材3と、屋根材3の下面側に配置された複数の断熱体1とを備える。断熱体1は、第1断熱体11と第2断熱体12とを備える。第1断熱体11は、断熱材111と、桟材41とを備える。桟材41は、第1断熱体11の断熱材111の上面に複数設けられている。第2断熱体12は、断熱材121と、支持板42とを備える。支持板42は、第2断熱体12の断熱材121の上面全体を覆っている。第2断熱体12は、第1断熱体11の軒側と棟側のうちの少なくとも一方に配置されている。屋根材3のうち、支持板42に配置された屋根材3は固定具21により支持板42に固定され、桟材41に配置された屋根材3は固定具21により桟材41に固定されている。
【0012】
なお、下記説明の実施形態では、第1断熱体11の桟材41が、屋根材3の軒棟方向と略直交する方向に沿って断熱材111に設けられている。
【0013】
しかし、本実施形態では、上述の様態に特に限定されない。例えば、桟材41が、軒棟方向に沿って断熱材111に設けられてもよい。
【0014】
「略直交する方向」とは、軒棟方向に対して可能な限り直交する方向であるとよいが、これに限定されず、軒棟方向と交差する方向であるとよい。
【0015】
また、第1断熱体11の断熱材111及び第2断熱体12の断熱材121は、それぞれ桟材41及び支持板42と予め接着等で一体にされていてもよく、また、施工現場で一体にされてもよい。上述のように一体にするには、例えば、接着、嵌め込み、固定手段(例えば、釘、ねじ、ビス、リベット等)のような一般的な手法を用いることで達成できる。
【0016】
支持板42として、例えば、木板、金属板、樹脂板等を用いることができる。
【0017】
図1のような、断熱屋根構造は、断熱体1の下面側に屋根下地9を備える。屋根下地9は、軒棟方向に沿って配置された垂木材92と、この垂木材92の傾斜に基づいて設けられた野地板91とを備える。
【0018】
野地板91は、その配置面の沿って、垂木材92の軒側端部から外部へ突出するように設けられている。また、野地板91の軒側端部と垂木材92の軒側端部との間に化粧鼻隠し材93が設けられている。
【0019】
屋根下地9の上面側には、断熱体1として第1断熱体11及び第2断熱体12が配置されている。第1断熱体11及び第2断熱体12は、屋根下地9の上面側で断熱体1を構成する。また、第2断熱体12が、第1断熱体11の軒側に配置されている。第1断熱体11及び第2断熱体12は、それぞれ固定具26により垂木材92に固定されている。
【0020】
また、垂木材92の位置が分かり難い場合など、特に垂木材92に固定する必要はない。第1断熱体11及び第2断熱体12は、例えば、垂木材92に固定されず、それぞれ断熱材111、121を介して固定具26で野地板91に固定されてもよい。垂木材92に固定する固定具26の数よりも、野地板91に固定する固定具26の数を多くすることが好ましい。
【0021】
第1断熱体11には、複数の桟材41が設けられている。複数の桟材41は軒棟方向と略直交する方向に沿って互いに平行となって等間隔に配置されている。なお、「平行」とは、桟材41を厳密に平行にして配置させることを指しているのではなく、一般的な屋根構造において桟材41として機能する程度を指す。
【0022】
上述のように複数の桟材41を互いに平行にして、軒棟方向に基いて配置させると、屋根材3を固定するための垂木や板材のような敷材を屋根材3と断熱体1との間に配置させる必要性を無くすことができる。また、第1断熱体11の屋根材3側では、第1断熱体11(断熱材111)の上面から埋め込むようにして桟材41がそれぞれ配置されていることが好ましい。
【0023】
また、第1断熱体11は、軒棟方向と略直交する方向と平行な複数の横溝411を備える。例えば、複数の桟材41が軒棟方向と略直交する方向に沿って第1断熱体11の断熱材111に設けられる場合、横溝411の各々に桟材41が配置される。第1断熱体11は、予め横溝411の各々に桟材41を配置させてよい。断熱材111に設けられた横溝411の各々に、施工現場で、桟材41を配置させて、第1断熱体11として作製してもよい。
【0024】
横溝411の各々に桟材41を配置させるにあたって、桟材41を、例えば、接着、嵌め込み、固定手段(例えば、釘、ねじ、ビス、リベット等)のような一般的な手法で横溝411の各々に固定するとよい。
【0025】
第1断熱体11では、桟材41の上面が、断熱材111の上面と面一であることが好ましい。第1断熱体11を用いて断熱屋根構造を施工するにあって、桟材41の上面は、断熱材111の上面及び支持板42の上面と面一であることが好ましい。
【0026】
なお、上述の「面一」とは、桟材41の上面と、断熱材111の上面と、支持板42の上面との間に段差がなく、あるいは段差が僅かであって実質的に段差がないとみなすことができる度合を指す。
【0027】
屋根材3の下面側で第1断熱体11の上面と第2断熱体12の上面とが面一になっていると、屋根材3に外部荷重がかかっても、屋根材3が撓み破断する前に、屋根材3は断熱体1に支えられる。これにより、施工者の体重をはじめとする外部荷重が屋根材3にかけられたとしても屋根材3を破損しにくくすることができる。
【0028】
第1断熱体11に配置されている桟材41として、例えば、矩形状やコ字状のような断面を有する桟材が挙げられる。
【0029】
また、第1断熱体11の変形例では、桟材41は、第1断熱体11(断熱材111)の上面に配置されてもよい。桟材41を第1断熱体11(断熱材111)の上面に配置させる場合、第1断熱体11の上面から桟材41の上面の高さが、各屋根材3の厚みと略同一にしてもよい。
【0030】
このような桟材41として、例えば、第1断熱体11の上面から固定する固定片と、固定片の棟側の端から上方に突出する接続片と、接続片の上端から棟側に突出する支持片と、が設けられた桟材や、矩形状やコ字状の断面形状を有する桟材が挙げられる。また桟材41として、例えば、木材、金属材、樹脂材などを用いることができる。
【0031】
また、第1断熱体11及び第2断熱体12をそれぞれ垂木材92に固定する場合、第2断熱体12は支持板42が位置する箇所から垂木材92に固定されていてもよい。また、第1断熱体11は桟材41が位置する各箇所から垂木材92に固定されていてもよい。また、第2断熱体12の固定位置は、第1断熱体11の固定位置と略同一方向に沿って配置されていることが好ましい。
【0032】
第1断熱体11は、軒棟方向に長い縦溝412を備えることが好ましい。第2断熱体12は、軒棟方向に長い縦溝422を備えることがこのましい。第1断熱体11の縦溝412及び第2断熱体12の縦溝422は、それぞれ底面を有する。縦溝412は、断熱材111に設けられ、縦溝412の底面は桟材41よりも下側に位置している。縦溝422は、断熱材121に設けられ、縦溝422の底面が支持板42よりも下側に位置している。なお、桟材41が、軒棟方向に沿って断熱材111に設けられる場合、桟材41の底面よりも下側に縦溝412が設けられている。
【0033】
また、
図1のように第1断熱体11の縦溝412及び第2断熱体12の縦溝422は、軒棟方向に沿って互いに連通していることが好ましい。
【0034】
第1断熱体11及び第2断熱体12がそれぞれ縦溝412、422を備えると、第1断熱体11及び第2断熱体12を備える断熱体1が、通気性を有することとなる。
【0035】
上述の第1断熱体11の断熱材111及び第2断熱体12の断熱材121は、それぞれ断熱性を有する部材である。断熱材111、121はそれぞれ剛性を有することが好ましい。
【0036】
断熱材111、121は、それぞれ、例えば発泡プラスチック材料又は無機発泡材料から形成される。発泡プラスチック材料は、例えば押出法ポリスチレンフォーム、ビーズ法ポリスチレンフォーム、又はフェノールフォームである。無機発泡材料は、例えばパーライト板又は炭酸カルシウム系発泡断熱材である。
【0037】
第1断熱体11及び第2断熱体12を垂木材92に固定する場合、固定具26は、第1断熱体11及び第2断熱体12をそれぞれ、垂木材92に固定する長さを有するとよい。また、第1断熱体11及び第2断熱体12を野地板91に固定する場合、固定具26は、第1断熱体11及び第2断熱体12を、野地板91に固定する長さを有してもよい。固定具26として、例えば、釘や、ねじや、ビスが挙げられる。
【0038】
上述のように、第2断熱体12を固定具26で屋根下地9に固定するにあたって、第2断熱体12を固定する固定具26の本数は、第2断熱体12を屋根下地9に十分に固定できれば、特に限定されない。例えば、
図1のように、軒棟方向と平行な1方向に沿って、2本の固定具26で、垂木材92に第2断熱体12を固定するとよい。また、桟材41が位置する各箇所では、第1断熱体11が、軒棟方向と平行な1方向に沿って、固定具26により、垂木材92に固定されてもよい。また、第1断熱体11及び第2断熱体12を固定するにあたって、第2断熱体12の固定位置が、第1断熱体11の固定位置と略同一方向沿ってに配置されていることが好ましい。
【0039】
図1のように、第2断熱体12には、その軒側端部に沿って、軒先水切り部材61と、軒先カバー62がそれぞれ設けられている。軒先カバー62は、固定片621と、カバー片622と、防水片623とを備える。このような固定片621と、カバー片622と、防水片623とは、一体となって軒先カバー62を構成している。
【0040】
軒先カバー62のカバー片622は、第2断熱体12の軒側面を外部に露出させなくしている。なお、第2断熱体12の縦溝422に基いて、軒先カバー62のカバー片622に通気孔が設けられていることもできる。
【0041】
また、軒先カバー62の固定片621は、断熱屋根構造の化粧鼻隠し材93側に向くように第2断熱体12の軒側端部の上側に配置されている。軒先カバー62の固定片621は、固定具201により支持板42に固定されている。
【0042】
また、軒先カバー62の防水片623は、断熱屋根構造の化粧鼻隠し材93側に向くように第2断熱体12の軒側端部の下側に配置されている。
図1の例では、軒先カバー62の防水片623は、屋根下地9の野地板91から下側に離間するように設けられている。軒先カバー62が防水片623を備えると、軒先カバー62に吹き当たった雨風による雨水が軒先カバー62の表面に沿って垂れさがる。化粧鼻隠し材93に当たって吹き上げられた雨風を防水片623で外側へ吹き返すと共に、上述の雨水を排水することとなる。これにより、第2断熱体12に雨水が入りにくくなる。
【0043】
また、軒先水切り部材61は、水切り片611と、固定片612とを備える。このような水切り片611と、固定片612とは、一体となって軒先水切り部材61を構成する。
【0044】
軒先水切り部材61の水切り片611は、軒棟方向の軒側端部から下方へ傾斜するように外側へ延出してる。
図1の例では、軒先水切り部材61の水切り片611が、第2断熱体12の軒側端部の上側から下方へ傾斜するように外側へ延出してる。
【0045】
軒先水切り部材61の水切り片611は、軒先カバー62よりも外側に位置している。
【0046】
また、軒先水切り部材61の固定片612は、軒棟方向と略直交する方向に沿って、屋根材3の下面側に配置されている。
図1の例では、軒先水切り部材61の固定片612が、軒棟方向と略直交する方向に沿って、第2断熱体12の軒側端部の上側に配置されている。軒先水切り部材61の固定片612は、軒先カバー62の固定位置(固定具201)よりも棟側で固定具202により支持板42に固定されている。軒先水切り部材61が水切り片611を備えると、雨風が軒先カバー62に吹き当たることを軽減させる。これにより、第2断熱体12の耐水性は更に高められる。
【0047】
上述の化粧鼻隠し材93は板状の部材である。化粧鼻隠し材93は防水性を有することが好ましい。
【0048】
また、軒先水切り部材61は、例えば、ロール成型や、プレス成型のような各種成型工程を経て金属製板から得ることができる。
【0049】
また、軒先カバー62は、例えば、施工時に、金属製板を折り曲げる作業を適宜行って、作製され得る。
【0050】
固定具201及び202は、それぞれ支持板42の厚みよりも長いことが好ましい。このような固定具201及び202として、例えば、釘、ねじ又はビスが挙げられる。
【0051】
図1のように、複数の屋根材3を断熱体1の上面側に配置させるにあたって、第2断熱体12は、第1断熱体11の軒側と棟側のうちの少なくとも一方に配置されていることが好ましい。また、屋根材3と断熱体1との間に下葺材52を配置することも好ましい。
【0052】
上述の下葺材52として、例えば、防水シートが挙げられる。下葺材52が防水シートである場合、下葺材52は透明性を有することが好ましい。下葺材52が透明性防水シートであると、下葺材52を設けた後でも下葺材52を透かして、施工作業を容易することができる。
【0053】
複数の屋根材3は、第1屋根材31と、第2屋根材33と、第3屋根材32とを備える。第1屋根材31は支持板42に配置されて、固定具21により支持板42に固定されている。第3屋根材32は、第1屋根材31の固定具21を覆いつつ、第1屋根材31の棟側端部よりも棟側で固定具21により固定されている。また、
図1の例では、第3屋根材32は、第2断熱体12の支持板42に固定されている。第2屋根材33は、桟材41に配置されている。第2屋根材33は、第3屋根材32の固定具21を覆いつつ、第3屋根材32の棟側端部よりも棟側で固定具21により桟材41に固定されている。
【0054】
上記のように、第1屋根材31が、本実施形態に係る断熱屋根構造の軒側端部に配置される場合、第1屋根材31として、例えば、スターター屋根材が挙げられる。このような第1屋根材31は、その軒棟方向における長さが、第2屋根材33及び第3屋根材32よりも短くなるように形成されていることが好ましい。
【0055】
固定具21は、屋根材3をそれぞれ桟材41又は支持板42に固定できる長さを有することが好ましい。固定具21として、例えば、釘、ねじ又はビスが挙げられる。
【0056】
第2屋根材33の各々は、第1屋根材31及び第3屋根材32の棟側端部よりも棟側の桟材41に配置されている。第2屋根材33の各々は、固定具21により桟材41に固定されている。これにより、複数の第2屋根材33が軒棟方向に沿って第1断熱体11に配置される。
【0057】
図1のように、複数の第2屋根材33に含まれる3つの第2屋根材33、33、33が、各桟材41の上面側で三重構造を形成する。桟材41側から1層目の第2屋根材33は、その固定位置(固定具21)よりも軒側に亘って2層目の第2屋根材33により覆われる。2層目の第2屋根材33は、1層目の第2屋根材33が有する棟側端部よりも棟側で固定具21により桟材41に固定される。2層目の第2屋根材33は、その固定位置よりも棟側に位置する桟材41の上面側で1層目となる。2層目の第2屋根材33は、その固定位置(固定具21)よりも軒側に亘って3層目の第2屋根材33により覆われる。3層目の第2屋根材33は、2層目の第2屋根材33の棟側端部よりも棟側で固定具21により桟材41に固定される。3層目の第2屋根材33は、その固定位置よりも棟側に位置する桟材41の上面側で2層目となる。このように第1断熱体11の上面側では、複数の第2屋根材33が軒棟方向に沿って積載されるようになっている。
【0058】
図1のように、屋根材3が、第1屋根材31と、第3屋根材32と、第2屋根材33とを備えると、断熱体1の上面側に配置された複数の屋根材3は、少なくとも二重構造を有することとなる。これにより、例えば、施工時に屋根材3にかけられる施工者の体重のような外部荷重に対する耐久性を従来より向上させることができる。
【0059】
上記では第1屋根材31としてスターター屋根材を例示したが、第1屋根材31、第3屋根材32、及び第2屋根材33は、それぞれ同じ構成を含む屋根材3であってもよい。施工時に、軒棟方向の配置間隔や形状に応じて、屋根材3を切断して、第1屋根材31、第3屋根材32、及び第2屋根材33をそれぞれ作製してもよい。また、屋根材3を切断する必要が無ければ、屋根材3をそのまま、第1屋根材31、第3屋根材32、及び第2屋根材33として、断熱体1の上面側に配置するとよい。
【0060】
また、
図1のように、断熱体1として第1断熱体11と第2断熱体12とを屋根下地9の上側に配置する場合、軒棟方向における第2断熱体12の長さ及び第3屋根材32の固定位置に基いて、桟材41をそれぞれ配置するとよい。第2屋根材33及び第3屋根材32はそれぞれ軒棟方向に沿って、等間隔で固定具21により固定される。また、第3屋根材32は、その軒側端部を第1屋根材31の軒側端部に合わせて固定される。このように第3屋根材32の固定位置が決まると、第2屋根材33の固定位置も決まる。第2屋根材33の固定位置が決まれば、軒棟方向における第2断熱体12の長さに基づいて、最も軒側に位置する桟材41と支持板42との距離を調節するとよい。桟材41と支持板42との距離を調節するにあたって、少なくとも第2屋根材33が固定される位置に桟材41が配置されるように第1断熱体11を適宜切断するとよい。
【0061】
図2は、
図1のような断熱屋根構造のけらば側端部における断面図の一例を示す。本実施形態に係る断熱屋根構造は、
図2で示すように、屋根材3よりもけらば側に、けらば水切り部材6とけらばカバー63とを備える。また、野地板91は、その配置面に沿って、垂木材92のけらば側端部から外部へ突出するように設けられている。また、野地板91のけらば側端部と垂木材92のけらば側端部との間に化粧破風材94が設けられている。けらばカバー63及びけらば水切り部材6は、軒棟方向に沿って、けらば側端部(切妻端部)に配置されている。
【0062】
また、
図1のように第1断熱体11の上面と第2断熱体12の上面とが面一である場合、
図2のように、第1断熱体11及び第2断熱体12は、断熱体1を構成している。断熱体1は、垂木材92が配置されている箇所では、垂木材92の配置方向(軒棟方向)に沿って、固定具26により固定される。また、断熱体1は、垂木材92が配置されていない箇所では、軒棟方向と略直交する方向に沿って、固定具261により固定される。このように断熱体1を固定するにあたって、断熱体1を固定している固定具26、261は、共に略同一方向に沿って配置されていことが好ましい。具体的には、第1断熱体11を固定している固定具26、261は、共に略同一方向に沿って配置されていることが好ましい。また、第2断熱体12を固定している固定具26、261は、共に略同一方向に沿って配置されていることが好ましい。
【0063】
上述の化粧破風材94は板状の部材である。化粧鼻隠し材93は、防水性を有することが好ましい。
【0064】
また、固定具261は、断熱体1を固定できる長さを有することが好ましい。固定具261として、例えば、釘、ねじ又はビスが挙げられる。
【0065】
また、けらばカバー63は、固定片631とカバー片632と防水片633とを備える。このような固定片631と、カバー片632と、防水片633とは、一体となってけらばカバー63を構成している。けらばカバー63のカバー片632は、軒棟方向に沿って断熱体1のけらば側面を外部に露出させなくしている。また、けらばカバー63の固定片631は、本実施形態に係る断熱屋根構造の化粧破風材94側に向くように断熱体1のけらば側端部の上面側に配置されている。
【0066】
また、
図1のように、第2断熱体12が、第1断熱体11の軒側に配置されている場合、
図2のようなけらばカバー63の固定片631は、第2断熱体12の配置箇所では、固定具203により支持板42に固定される。更に、けらばカバー63の固定片631は、第1断熱体11の配置箇所では、固定具203により各桟材41に固定される。
【0067】
けらばカバー63の防水片633は、断熱屋根構造の化粧破風材94側に向くように断熱体1のけらば側端部の下側に配置されている。けらばカバー63の防水片633は、
図2のように、屋根下地9の野地板91から下側に離間するように設けられ得る。このように、けらばカバー63が防水片633を備えると、けらばカバー63に吹き当たった雨風による雨水がけらばカバー63の表面に沿って垂れさがる。化粧破風材94に当たって吹き上げられた雨風を防水片633で外側へ吹き返すと共に、上述の雨水を排水することとなる。これにより、断熱体1に雨水が入りにくくなる。
【0068】
また、けらば水切り部材6は、水切り片601と、固定片602と、接続部603とを備える。このような水切り片601と、固定片602と、接続部603とは、一体となってけらば水切り部材6を構成する。また、水切り片601と固定片602とを接続するけらば水切り部材6の接続部603には、けらば溝が設けられている。これにより、けらば水切り部材6は、上述のけらば溝にのぼり木8を内包するようになる。
【0069】
けらば水切り部材6を配置するにあたって、
図1のように、第2断熱体12が、第1断熱体11の軒側に配置されていると、
図2のようなけらばカバー63は、第1断熱体11及び第2断熱体12のけらば側端部に沿って設けられる。また、のぼり木8は、軒棟方向に沿って、第1断熱体11及び第2断熱体12の各々のけらば側端部の上側に固定具23で固定される。具体的には、のぼり木8は、第2断熱体12の配置箇所では、固定具23により支持板42に固定され、第1断熱体11の配置箇所では、固定具23により各桟材41に固定されている。また、けらば水切り部材6は、軒棟方向に沿って、第1断熱体11及び第2断熱体12の各々のけらば側端部の上側に設けられる。けらば水切り部材6の固定片602は、屋根材3及び第2断熱体12の間と、屋根材3及び第1断熱体11の間とに配置されている。一方、けらば水切り部材6の水切り片601は、けらば側から固定具22によりのぼり木8に固定される。けらば水切り部材6を設ける場合、けらばカバー63は予め設けられる。これにより、のぼり木8を固定具23で固定する際に、けらばカバー63の固定片631は、のぼり木8と断熱体1との間に設けられる。このように第1断熱体11及び第2断熱体12のけらば側端部に設けられたけらばカバー63は、固定具203に加えて、固定具23にも固定されることとなる。上述のようにのぼり木8及びけらばカバー63を固定する場合、屋根材3及び第1断熱体11の間と、屋根材3及び第2断熱体12の間とに、それぞれ、複数の下葺材52が配置されていることが好ましい。また、複数の下葺材52が、のぼり木8及びけらばカバー63の固定片631の間と、のぼり木8の上面とに分けられて配置されていることが好ましい。
【0070】
けらば水切り部材6は、例えば、ロール成型や、プレス成型のような各種成型工程を経て金属製板から得ることができる。
【0071】
けらばカバー63は、例えば、ロール成型や、プレス成型のような各種成型工程を経て金属製板から得ることができる。また、けらばカバー63として、軒先カバー62を用いることもできる。
【0072】
固定具22は、けらば水切り部材6をのぼり木8に固定し、のぼり木8内に収まる長さを有することが好ましい。固定具22として、例えば、釘、ねじ又はビスが挙げられる。
【0073】
固定具23は、のぼり木8を支持板42又は桟材41に固定できる長さを有するとよい。固定具23として、例えば、釘、ねじ又はビスが挙げられる。
【0074】
軒先カバー62を断熱体1のけらば側端部の下面側に配置させる場合、
図3のように、軒先カバー62の防水片623は、野地板91の下面と接触させて配置してもよい。このように防水片623を野地板91の下面に接触させるには、防水片623の化粧鼻隠し材93側端部を野地板91と化粧鼻隠し材93との間に挟持させるとよい。また、
図3では示していないが、軒先カバー62の固定片621及び軒先水切り部材61の固定片612は、
図1のように、それぞれ固定具201、202で固定されている。
【0075】
図4は、
図3のような断熱屋根構造のけらば側端部における断面図の一例を示す。本実施形態に係る断熱屋根構造では、
図4のように、けらばカバー63の防水片633は、野地板91の下面と接触させて配置してもよい。このようにけらばカバー63を野地板91の下面に接触させるには、防水片633の化粧破風材94側端部を野地板91と化粧破風材94との間に挟持させるとよい。また、
図4では示していないが、けらばカバー63の固定片631は、
図2のように、固定具203で固定されている。
【0076】
また、
図4のように第2断熱体12が、第1断熱体11のけらば側に配置されている場合、第2断熱体12は、垂木材92の配置方向(軒棟方向)に沿って、固定具26により固定される。また、第2断熱体12の下面側で垂木材92が配置されていない箇所では、第2断熱体12は、軒棟方向と略直交する方向に沿って、固定具261により固定される。このように第2断熱体12を固定する固定具26、261は、共に略同一方向に沿って配置されていることが好ましい。固定具261は、第2断熱体12を固定できる長さを有することが好ましい。固定具261として、例えば、釘や、ねじや、ビスが挙げられる。
【0077】
図5は、
図1及び3のような第2断熱体を本実施形態に係る断熱屋根構造の棟側端部に設けた場合の断面図の一例を示す。
図5のような第2断熱体12は、第1断熱体11の棟側にも配置されている。第1断熱体11は、軒棟方向に対して平行な1方向に沿って、垂木材92に固定具26で固定されている。これにより、固定具26は、各桟材41を固定すると共に、断熱材111も固定することとなる。また、第2断熱体12は、軒棟方向に対して平行な1方向に沿って、固定具26により垂木材92に固定されている。これにより、固定具26は、支持板42を固定すると共に、断熱材121も固定することとなる。このように第1断熱体11及び第2断熱体12が、それぞれ軒棟方向に沿って固定具26で垂木材92に固定される場合、縦溝412及び縦溝422は、軒棟方向に沿って互いに連通していることが好ましい。
【0078】
第1断熱体11及び第2断熱体12を固定するにあたって、第2断熱体12を固定する固定具26が、第1断熱体11を固定する固定具26の配置方向に沿って位置していることが好ましい。第2断熱体12は垂木材92に固定されていれば、固定具26の数は、特に限定されない。例えば、
図5では、垂木材92を配置している1方向に対して、2本の固定具26、26で第2断熱体12を固定している。また、断熱体1の下面側で垂木材92が配置されていない箇所では、
図2及び
図4のように、第2断熱体12は、軒棟方向と略直交する方向に沿って、固定具261により固定されるとよい。第1断熱体11も、軒棟方向と略直交する方向に沿って、固定具261により固定されるとよい。
【0079】
また、第2断熱体12、12は、その棟側端部で互いに向かい合い、軒棟方向の傾斜角度に応じて離間されている。棟側で互いに向かい合う第2断熱体12、12の間には、封止材7が充填されている。封止材7は下葺材51により覆われている。
【0080】
このような封止材7として、例えば、ウレタン発泡材が挙げられる。
【0081】
棟側に配置された第2断熱体12、12の各々の上面側には、軒棟方向に長さが異なる3種の第1屋根材31、31、31が、軒側の第2屋根材33と連続して棟側へ段階積載されている。3種の第1屋根材31、31、31は、それぞれ固定具21により支持板42に固定されている。
【0082】
上述の3種の第1屋根材31、31、31は、それぞれの配置位置に基いて、軒棟方向に沿った長さを有しいることが好ましい。各第1屋根材31は、施工現場で、屋根材3を適宜切断して得ることができる。
【0083】
また、段階積載された3種の第1屋根材31、31、31のうち、最も棟側に配置された第1屋根材31の上面側には軒棟方向と略直交する方向に沿って棟部材64が設けられている。棟部材64の下側では、第1屋根材31、31が軒棟方向の傾斜角度に応じて互いに向かい合って離間されている。けらば側から見て、軒側両端から軒棟方向に沿って配置された複数の屋根材3は、断熱屋根構造の棟頂部で、棟部材64により外観上一体となっている。また、棟部材64は、その内側に笠木材81、81を内包している。笠木材81、81の各々は、最も棟側に配置された第1屋根材31の上面側に配置されている。各笠木材81は、固定具24により第2断熱体12の棟側端部に固定されている。各笠木材81を第2断熱体12の棟側端部に固定する場合、固定具24は、上述の3種の第1屋根材31、31、31を全て貫通していることが好ましい。これにより、棟側に配置された3種の第1屋根材31、31、31は、それぞれ固定具21に加えて、固定具24により支持板42に固定される。
【0084】
上述の固定具24は、笠木材81を固定した状態で固定具24の先端が支持板42の下面側に位置する長さを有することが好ましい。固定具24として、例えば、釘、ねじ又はビスが挙げられる。
【0085】
棟部材64は、例えば、ロール成型や、プレス成型のような各種成型工程を経て金属製板から得ることができる。
【0086】
また、棟部材64の内壁面に沿って下葺材51が設けられている。下葺材51の一部は、棟部材64と笠木材81との間に配置されている。
【0087】
下葺材51は、下葺材52と同じ材料から形成されてもよい。このような材料として、例えば、防水シートが挙げられる。下葺材51が防水シートである場合、下葺材51は透明性を有することが好ましい。下葺材51が透明性防水シートであると、下葺材51を設けた後でも下葺材51を透かして笠木材81の位置を視認することができ、施工が容易になる。
【0088】
棟部材64を固定するにあたって、棟部材64は、各笠木材81の軒側から固定具25により笠木材81に固定されているとよい。
【0089】
固定具25は、笠木材81の軒側端部と固定具24の固定位置とを結ぶ直線距離の長さよりも短いことが好ましい。固定具25としては、例えば、釘や、ねじや、ビスが挙げられる。
【0090】
本実施形態では、第2断熱体12の軒棟方向における長さを、例えば、屋根下地9の大きさや傾斜角度や屋根材3の大きさをはじめとする形態に基いて変更することができる。このように第2断熱体12の軒棟方向における長さを変更する場合、例えば、
図6のような第2断熱体12を配置することができる。このような第2断熱体12を配置する場合、軒棟方向に垂木材92を配置している1方向に対して、1本の固定具26で、第2断熱体12を固定することもできる。また、支持板42の棟側端部と、第1断熱体の軒側端部とが隣り合う位置に桟材41が配置されてもよい。桟材41が、支持板42と隣り合って配置さていると、第3屋根材32は、第1断熱体11の軒側端部に配置された桟材41に固定されることとなる。また、第3屋根材32の固定位置よりも軒側では、屋根材3の三重構造が形成されている。しかし、必ずしも、第1断熱材11の軒側端部に配置された桟材41を支持板42の棟側端部と隣り合うように配置させる必要はない。
【0091】
例えば、
図7のように、第3屋根材32の固定位置(固定具21の位置)に基いて、第2断熱体12の軒棟方向における長さを設定することもできる。これにより、第3屋根材32を固定具21で支持板42に固定することとなる。
【0092】
また、
図8のように、第2断熱体12の支持板42は、第2断熱体と隣り合う、第1断熱体11の隣接端部(軒側端部)に凹入してもよい。桟材41が、軒棟方向に沿って断熱材111に設けられられている場合、第2断熱体12の支持板42は、桟材41の各配置位置に基いて、第2断熱体と隣り合う、第1断熱体11の隣接端部(軒側端部)に凹入しているとよい。これにより、支持板42に第3屋根材32が固定される。また、このように支持板42が配置されていると、支持板42が断熱材121だけでなく、第2断熱体12と隣り合う第1断熱体11の隣接端部もまた覆うこととなる。本実施形態のような第2断熱体12では、断熱材121と支持板42とを施工現場で一体に作製することが特に有効である。例えば、第3屋根材32の固定位置や桟材41の配置位置をはじめとする施工現場での加工精度に狂いが生じても、支持板42の凹入箇所により、加工精度の狂いを可能な限り低減させることができる。
【0093】
また、本実施形態に係る断熱屋根構造は、屋根材3の下面側に補助材13を更に備える。補助材13は、第1断熱体11よりも軒側に配置されている。このように補助材13が屋根材3の下面側に配置されている場合、補助材13と屋根材3との間にも下葺材52が配置されているとよい。また、第2断熱体12は、その一端が補助材13と隣り合うように配置されていることが好ましい。補助材13は、固定具26で屋根下地9に固定されている。補助材13が屋根下地9の上面側に設けられていると、補助材13の位置に基いて収まりよく第1断熱体11及び第2断熱体12を配置させやすくなる。これにより、断熱屋根構造を施工する際、作業の煩雑性が軽減される。また、補助材13を固定する固定具26は、第2断熱体12を固定する固定具26と、第1断熱体11を固定する固定具26とで、軒棟方向に沿って配置されていることが好ましい。補助材13として、例えば、木材、金属材、樹脂材等を用いることができる。
【0094】
また、支持板42の上面は、桟材41の上面、第1断熱体11の断熱材111の上面、及び補助材13の上面と面一であることが好ましい。なお、「面一」とは、支持板42の上面と、桟材41の上面と、第1断熱体11の断熱材111の上面と、補助材13の上面との間に段差がなく、あるいは段差が僅かであって実質的に段差がないとみなすことができる度合を指す。上述のように屋根材3の下面側で断熱体1が面一になっていると、屋根材3に外部荷重がかかっても、屋根材3が撓み破断する前に、屋根材3は断熱体1に支えられる。これにより、施工者の体重をはじめとする外部荷重が屋根材3にかけられたとしても屋根材3を破損しにくくすることができる。
【0095】
また、
図8のように、第2断熱体12よりも軒側に補助材13を配置させる場合、補助材13の軒側端部には、軒棟方向と略直交する方向に沿て、軒先水切り部材61及び軒先カバー62を、上述と同じ手法で、設けることができる。これにより、補助材13と、その軒側端部に設けられた軒先水切り部材61及び軒先カバー62とにより、雨風が第2断熱体12に直接吹き当たることが無くなるので、断熱屋根構造の耐水性を高めることができる。ここで、
図8では示していないが、軒先カバー62の固定片621及び軒先水切り部材61の固定片612は、
図1のように、それぞれ固定具201、202で補助材13に固定されている。
【0096】
図9及び10のような断熱屋根構造では、
図6のように、軒棟方向に沿って垂木材92を配置している1方向に対して、1本の固定具26で、第2断熱体12を固定させることもできる。
【0097】
また、
図11は、
図6又は
図8のような断熱屋根構造のけらば側端部における断面図の一例を示す。本実施形態に係る断熱屋根構造では、
図11のように、軒棟方向に垂木材92を配置している1方向に対して、1本の固定具26で、第2断熱体12を固定することもできる。
【0098】
また、
図12は、
図6又は
図8のような断熱屋根構造のけらば側端部における断面図の他例を示す。本実施形態に係る断熱屋根構造では、
図12のように、第2断熱体12及び補助材13をそれぞれ、軒棟方向と平行な方向に沿って固定具26で固定することもできる。このような補助材13は、第2断熱体12のけらば側に設けられている。補助材13のけらば側端部には、軒棟方向と平行な方向に沿て、けらば水切り部材6及びけらばカバー63を、上述と同じ手法で、設けることができる。ここで、
図12では示していないが、けらばカバー63の固定片631は、
図2のように、固定具203で補助材13に固定されている。また、けらばカバー63のけらば溝に内包されるのぼり木8は固定具23で補助材13に固定される。これにより、補助材13と、そのけらば側端部に設けられたけらば水切り部材6及びけらばカバー63とにより、雨風が第2断熱体12に直接吹き当たることが無くなるので、断熱屋根構造の耐水性を高めることができる。
【0099】
また、本実施形態では、屋根下地9は垂木材92と野地板91とを備えることを例示したが、これに限定されない。例えば、屋根下地9は、既存屋根であってもよい。屋根下地9が、既存屋根である場合、第1断熱体11及び第2断熱体12をそれぞれ既存屋根の上側に配置させることが好ましい。また、第1断熱体11及び第2断熱体12をそれぞれ直接既存屋根に配置させることも好ましい。また、第1断熱体11と既存屋根との間及び第2断熱体12と既存屋根との間の各々に、下葺材を配置することも好ましい。
【0100】
また、補助材13を既存屋根に配置させる場合でも、同様に、補助材13を既存屋根に直接配置させることが好ましく、補助材13と既存屋根との間にも下葺材を配置することが好ましい。
【0101】
上述の下葺材は、下葺材52と同じ材料から形成されてもよい。このような材料として、例えば、防水シートが挙げられる。下葺材が防水シートである場合、下葺材は透明性を有することが好ましい。下葺材が透明性防水シートであると、下葺材を設けた後でも下葺材を透かして、例えば、第1断熱体11や第2断熱体12や補助材13のような部材の各々の固定位置を視認することができ、施工が容易になる。
【0102】
第1断熱体11及び第2断熱体12を既存屋根の上側に配置させる場合、既存屋根の下地材を構成する垂木や桟木の配置位置に基づいて、固定具26により第1断熱体11及び第2断熱体12をそれぞれ既存屋根の下地材に固定させるとよい。また、補助材13も、既存屋根の下地材の配置位置に基づいて、固定具26で既存屋根に固定することができる。なお、屋根下地9が、既存屋根である場合、固定具26の長さは、特に限定されず、既存屋根に設けられた下地材の配置位置に応じて適宜変更してもよい。
【0103】
また、本実施形態に係る断熱屋根構造では、第1断熱体11及び第2断熱体12の底部断面形状が、それぞれ平面となるように例示しているが、これに限定されない。例えば、第1断熱体11及び第2断熱体12の底部断面形状を、それぞれ、既存屋根の外形状に応じて適宜調節することもできる。具体的には、既存屋根の外形状に基いて第1断熱体11及び第2断熱体12の底部断面形状を、それぞれ波形状にすることができる。
【0104】
上述のように、本実施形態に係る断熱屋根構造を既存屋根の上側に配置すると、第1断熱体11や第2断熱体12や補助材13をそれぞれ固定するための桟木、野地板、垂木をはじめとする敷材を更に既存屋根の上側に設ける必要性を無くすことができる。また、屋根の改装時に出る廃材を減らすだけでなく、既存屋根の形態で得られる屋内換気機構のような作用効果と、本実施形態で得られる効果と、を兼ね備えた断熱屋根構造を得ることができる。