(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表面処理する段階以前に前記キャリア基板及び前記母基板のうちの少なくとも一つを熱処理する段階をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明に係る表示装置製造方法を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0011】
しかし、本発明はここで説明する実施形態に限定されず、他の形態に具体化することもできる。むしろ、ここで紹介する実施形態は、開示した内容が徹底され、かつ完全なものとなるようにし、そして当業者に本発明の思想が十分に伝達されるように提供するものである。
図において、層及び領域の厚さは明確性を期するために誇張されたものである。また、層が異なる層または基板の「上」にあると言及する場合に、それは他の層または基板上に直接形成されるか、またはそれらの間に第3の層が介されることもできる。明細書の全体にわたって同一の参照番号で表示する部分は同一の構成要素を意味する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置製造方法を説明するためのフローチャートである。
図2及び
図3は、本発明の一実施形態による表示装置製造方法で使用される母基板とキャリア基板を示す平面図及び断面図である。
図3は、
図2のIII−III線に沿った断面図である。
図1を参照すると、本発明の一実施形態による表示装置製造方法は、先ず、母基板及びキャリア基板を用意して、この両基板の互いに対向する面をそれぞれ洗浄する(段階S1)。
【0013】
両基板の対向する面は、以降互いに接触する面であってもよい。洗浄は、硫酸(H
2SO
4)と過酸化水素(H
2O
2)を適正な割合で混合したピラニア溶液(piranha solution)を用いることができる。具体的に、濃度96%の硫酸(H
2SO
4)と濃度30%の過酸化水素(H
2O
2)を50wt%:50wt%の比率で混合してピラニア溶液を製造してもよい。ピラニア溶液の温度は、ほぼ摂氏60度〜摂氏80度を維持してもよい。その後、脱イオン水または超純水(deionized water)を用いて母基板とキャリア基板を洗浄し、約10分程度摂氏50度程度の温度で母基板とキャリア基板を乾燥させてもよい。
【0014】
次に、母基板及びキャリア基板のうちの少なくとも一つを熱処理する(段階S2)。
母基板及びキャリア基板のうちの少なくとも一つを熱処理する段階は、約1時間摂氏350度〜摂氏450度で行ってもよい。この段階において、熱処理は母基板またはキャリア基板に含まれるMg
2+、Fe
2+、Ca
2+、Al
3+、Sr
2+、Na
+、及びK
+を含む陽イオンが基板内部のバルク部分から表面に拡散するのを促進して、表面処理時に大部分の陽イオンが浸出(leach)されるようにする。また、母基板とキャリア基板を脱着する工程で表面損傷を防止することができる。
その後、母基板及びキャリア基板の互いに接触する面のうちの少なくとも一面を酸(acid)処理する(段階S3)。
【0015】
図2及び
図3を参照すると、キャリア基板CRSは母基板110に比べて広くてもよい。キャリア基板CRSの厚さは母基板110の厚さに比べて厚くてもよい。具体的に、母基板110の厚さは0.1mm以下であってもよく、キャリア基板CRSの厚さは母基板110の厚さの4倍〜10倍であってもよい。しかし、厚さ比率はこれに限られない。
キャリア基板CRSと母基板110の互いに対向する面(A、B)を含んで酸(acid)処理してもよい。キャリア基板CRSと母基板110の互いに対向する面(A、B)は、その後接合されるときにキャリア基板CRSと母基板110が接着する面である。
【0016】
本実施形態によれば、酸(acid)処理する前に母基板110とキャリア基板CRSが接合する部分の周縁領域EをマスクMで覆ってもよい。マスクMで覆われた周縁領域Eは、酸(acid)処理が施されない領域である。マスクMで覆われて酸(acid)処理が施されない周縁領域Eは、その後の接合工程で両基板(110、CRS)をラミネーションするとき、一時的に両基板(110、CRS)を接着するようにする。
図3に示したものとは異なり、マスクMは母基板110とキャリア基板CRSのいずれか一つの基板の周縁領域Eのみを覆ってもよい。本実施形態とは異なり、マスクを用いる方法の代わりに、周縁領域Eに接着剤を塗布してもよい。ここで使用する接着剤は熱抵抗性があり、伸縮性のある物質を含んでもよい。本実施形態で接着剤はポリイミド、ポリシリコン樹脂などであってもよい。
上述したマスクMで覆われて酸(acid)処理が施されない周縁領域E、または接着剤が塗布される周縁領域Eは、最終工程段階でカッティングして除去してもよい。
【0017】
本実施形態による酸(acid)処理は無機酸または有機酸を用いてもよい。無機酸または有機酸処理する段階は摂氏25度〜摂氏80度で行ってもよい。好ましくは、無機酸または有機酸処理する段階は摂氏40度〜摂氏50度で行ってもよい。
本発明の一実施形態によれば、無機酸は、塩酸(HCl)、硫酸(H
2SO
4)及び硝酸(HNO
3)のいずれか一つを含む。
塩酸(HCl)を含む無機酸は過酸化水素(H
2O
2)及び水(H
2O)をさらに含み、塩酸(HCl)、過酸化水素(H
2O
2)及び水(H
2O)の重量比は1:1:6であってもよい。
【0018】
塩酸(HCl)、過酸化水素(H
2O
2)及び水(H
2O)を含む溶液を用意して、予め洗浄した母基板110とキャリア基板CRSを溶液に約10分〜30分間浸漬する。溶液温度は摂氏25度〜摂氏80度を維持し、好ましくは、摂氏60度〜摂氏80度を維持してもよい。このように表面処理した後、脱イオン水(DI water)にてさらに洗浄してもよい。その後、摂氏50度程度で母基板110とキャリア基板CRSを乾燥させてもよい。
【0019】
硫酸(H
2SO
4)を含む無機酸は水(H
2O)をさらに含み、硫酸(H
2SO
4)と水(H
2O)との重量比は1:1であってもよい。ここで、硫酸(H
2SO
4)は脱イオン水(Di water)で希釈された濃度96wt%の硫酸(H
2SO
4)であってもよい。
硫酸(H
2SO
4)及び水(H
2O)を含む溶液を用意して、上述した塩酸(HCl)を含む無機酸で表面処理する工程と同様の方法で工程を進行してもよい。
硝酸(HNO
3)は70%〜80%の濃度であってもよい。このような硝酸(HNO
3)を上述した塩酸(HCl)を含む無機酸で表面処理する工程と同様の方法で工程を進行してもよい。
本発明の一実施形態によれば、有機酸はクエン酸(citric acid)を含む。クエン酸(citric acid)は下記化学式1で表される。
【0021】
クエン酸(citric acid)を含む有機酸は、約10分〜50分間の表面処理を行ってもよい。クエン酸(citric acid)を含む有機酸で表面処理する温度は、約摂氏25度〜摂氏80度であってもよい。
以下、
図4乃至
図9を参照して、本発明の一実施形態によって無機酸または有機酸処理して−OH、−OH
2+、及び−O
−基(group)の含有量を調節することについて説明する。
【0022】
図4は、ヒドロキシル基(hydroxyl group)が有する三つのタイプのシラノール(silanol)を示す模式図である。
図4を参照すると、三つのタイプのシラノール(silanol)は、孤立(Isolated)のシラノール(Silanol)、ビシナル(Vicinal)のシラノール(Silanol)、及びジェミナル(Geminal)のシラノール(Silanol)を含む。孤立(Isolated)のシラノール(Silanol)は、一つのケイ素にヒドロキシル基が一つ結合している状態であり、ビシナル(Vicinal)のシラノール(Silanol)は、互いに隣接するケイ素原子にヒドロキシル基がそれぞれ一つずつ結合している状態であり、ジェミナル(Geminal)のシラノール(Silanol)は、一つのケイ素原子にヒドロキシル基が2つ結合している状態である。
【0023】
図5は、ガラス基板の表面が有するヒドロキシル基(hydroxyl group)の三つのタイプを示す模式図である。
図5を参照すると、中性のヒドロキシル基が水素(H
+)が添加または脱水素化される過程を通して−OH
2+または−O
−基(group)に変換され得る。
本発明の一実施形態によれば、無機酸または有機酸で表面処理を行ってキャリア基板及び母基板の互いに対向する面のうちの少なくとも一面の−OH、−OH
2+、−O
−基(group)の含有量を調節することができる。
【0024】
図6は、本発明の一実施形態による表示装置製造方法で酸処理の種類による酸素とケイ素の比率を示す概略的なグラフである。
図6を参照すると、塩酸(HCl)を含む無機酸、硫酸(H
2SO
4)及び塩酸(HCl)を含む無機酸、並びに硝酸(HNO
3)を含む無機酸でそれぞれ表面処理した。表面処理しない比較例に比べて、塩酸(HCl)を含む無機酸で表面処理した場合にはジェミナル(Geminal)のシラノール(Silanol)タイプを増加させ、硝酸(HNO
3)を含む無機酸で表面処理した場合には孤立(Isolated)のシラノール(Silanol)タイプを増加させる。
【0025】
図7は、本発明の一実施形態による表示装置製造方法において酸処理の種類によるヒドロキシル基の電荷変化を示すグラフである。
図7を参照すると、塩酸(HCl)を含む無機酸及び硫酸(H
2SO
4)と塩酸(HCl)を含む無機酸で表面処理した場合には、表面処理しない比較例に比べて中性の−OH基が約3倍に増加する。硝酸(HNO
3)を含む無機酸で表面処理した場合にも、表面処理しない比較例に比べて中性の−OH基が約2倍に増加する。表面処理した実施形態の場合、−O
−基(group)は全て減少し、−OH
2+基は全て増加する。
【0026】
図8は、本発明の一実施形態による表示装置製造方法において酸処理前後の基板表面の陽イオン分布変化を示す図である。
図8を参照すると、本発明の一実施形態による母基板とキャリア基板はガラスで形成されてもよく、ガラス基板のバルク(bulk)領域及び表面(surface)は、Mg
2+、Fe
2+、Ca
2+、Al
3+、Sr
2+、Na
+、及びK
+を含む陽イオン集団のうちの少なくとも一つを含む。本発明の一実施形態によって無機酸または有機酸で表面処理を行えば、ガラス基板表面に含まれている陽イオンが浸出(leaching)され得る。
【0027】
図9は、本発明の一実施形態による表示装置製造方法においてキャリア基板を表面処理した状態を示す図である。
図9を参照すると、キャリア基板CRSのみを表面処理した場合に、−OH
2+基が一側基板だけに生成されて、両基板の間の反発力は大きくない。
【0028】
図10は、本発明の一実施形態による表示装置製造方法において母基板とキャリア基板を全て表面処理した状態を示す図である。
図10を参照すると、−OH
2+基が母基板110とキャリア基板CRS両側に形成されるため、両基板の間のクーロン反発力(Coulomb repulsion force)が大きくなる。したがって、母基板110とキャリア基板CRSを簡単に分離することができる。
【0029】
再び
図1を参照して、本発明の一実施形態による表示装置製造方法について説明する。
塩酸(HCl)、硫酸(H
2SO
4)、及び硝酸(HNO
3)のうちの一つを含む無機酸、またはクエン酸(citric acid)を含む有機酸で表面処理した後に、母基板110とキャリア基板CRSとを接合する(段階S4)。
後述する薄膜工程を行うとき、母基板110とキャリア基板CRSが一時的に接合を維持するようにするために、両基板(110、CRS)をラミネーションすることができる。言い換えると、接着剤を用いて両基板(110、CRS)を臨時で接着することができる。このような接着剤による両基板(110、CRS)の接着は、薄膜工程以降に両基板(110、CRS)を分離するとき、両基板(110、CRS)が容易に分離される程度の結合力だけを有する必要がある。
【0030】
以上、本発明の一実施形態による表示装置製造方法によってキャリア基板CRS及び母基板の表面処理を行う方法について説明した。
以降、母基板110の上に表示装置を形成するための薄膜工程が進められる。以下、薄膜形成工程について説明する。
図11乃至
図13は、本発明の一実施形態による表示装置製造方法によって形成された液晶表示装置を示す回路図、平面図及び断面図である。
【0031】
図11は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の一画素に対する等価回路図である。
図11を参照すると、本発明の一実施形態による液晶表示装置は、互いに対向する薄膜トランジスタ表示板(以下下部表示板という)100、共通電極表示板(以下上部表示板という)200、及びその間に介在される液晶層3を含む。
【0032】
液晶表示装置は、複数のゲート線GL、複数対のデータ線(DLa、DLb)、及び複数の維持電極線SLを含む信号線と、これに連結された複数の画素PXとを含む。
各画素PXは一対の副画素(PXa、PXb)を含み、副画素(PXa、PXb)はスイッチング素子(Qa、Qb)、液晶キャパシタ(Clca、Clcb)、及びストレージキャパシタ(storage capacitor)(Csta、Cstb)を含む。
スイッチング素子(Qa、Qb)は、下部表示板100に備えられる薄膜トランジスタなどの三端子素子であって、その制御端子はゲート線GLと接続され、入力端子はデータ線(DLa、DLb)と接続され、出力端子は液晶キャパシタ(Clca、Clcb)及びストレージキャパシタ(Csta、Cstb)と接続される。
【0033】
液晶キャパシタ(Clca、Clcb)は、副画素電極(191a、191b)と共通電極270とを二端子とし、二端子の間の液晶層3部分を誘電体として形成される。
液晶キャパシタ(Clca、Clcb)の補助的な役割を果たすストレージキャパシタ(Csta、Cstb)は、下部表示板100に具備された維持電極線SLと副画素電極(191a、191b)が絶縁体を介して重なって形成され、維持電極線SLには共通電圧Vcomなどの定められた電圧が印加される。
二つの液晶キャパシタ(Clca、Clcb)に充電される電圧は、互いに若干の差が生じるように設定される。例えば、液晶キャパシタClcaに印加されるデータ電圧が、隣接した他の液晶キャパシタClcbに印加されるデータ電圧に比べて常に低いか、または高いように設定する。このように二つの液晶キャパシタ(Clca、Clcb)の電圧を適切に調節すれば、側面から見た映像が正面から見た映像に近接するようにすることができ、液晶表示装置の側面視認性が向上する。
【0034】
図12は、本発明の一実施形態による表示装置製造方法によって形成された液晶表示装置の平面図であり、
図13は、
図12のXIII−XIII線に沿った断面図である。
図12及び
図13を参照すると、本発明の一実施形態による液晶表示装置は、互いに対向する下部表示板100と上部表示板200、及びこれら二つの表示板(100、200)の間に挿入される液晶層3を含む。
【0035】
先ず、下部表示板100について説明する。
母基板110の上に複数のゲート線121及び複数の維持電極線(131、135)が形成される。母基板110の下にキャリア基板(図示せず)が接着した状態で薄膜工程が行われる。
ゲート線121は、ゲート信号を伝達し、
図12に示すように主に横方向に延在している。各ゲート線121は、同一面で上方向に突出した複数の第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bを含む。
維持電極線は、ゲート線121と実質的に平行に延在した幹線131、及びこれから延在した複数の維持電極135を含む。
維持電極線(131、135)の形状及び配置は色々な形態に変更できる。
【0036】
ゲート線121及び維持電極線(131、135)の上層にはゲート絶縁膜140が形成され、ゲート絶縁膜140の上層には非晶質または結晶質シリコンなどで形成された複数の半導体(154a、154b)が形成される。
半導体(154a、154b)の上にはそれぞれ複数対のオーミックコンタクト部材(163a、165a、163b、165b)が形成され、オーミックコンタクト部材(163a、165a、163b、165b)は、シリサイド(silicide)またはn型不純物が高濃度にドーピングされたn+水素化非晶質シリコンなどの物質で形成されてもよい。
オーミックコンタクト部材(163a、165a、163b、165b)及びゲート絶縁膜140の上層には、複数対のデータ線(171a、171b)と、複数対の第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bが形成される。
【0037】
データ線(171a、171b)は、データ信号を伝達し、
図12に示すように主に縦方向に延在してゲート線121及び維持電極線の幹線131と交差する。データ線(171a、171b)は、第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bに向かって延在してU字状に曲がった第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bを含み、第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bは、それぞれ第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bを中心として第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bと対向する。
第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bは、それぞれ第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bによって一部が取り囲まれた一端から上方向に延在し、反対側の他端は他の層との接続のために面積が広くてもよい。
しかし、第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bをはじめとするデータ線(171a、171b)の形状及び配置は色々な形態に変更できる。
【0038】
第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124b、第1ソース電極173a及び第2ソース電極173b、並びに第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bは、第1半導体154a及び第2半導体154bと共にそれぞれ第1薄膜トランジスタ(thin film transistor、TFT)Qa及び第2薄膜トランジスタQbを形成し、第1薄膜トランジスタQa及び第2薄膜トランジスタQbのチャネル(channel)は、それぞれ第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bと第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bとの間の第1半導体154a及び第2半導体154bに形成される。
オーミックコンタクト部材(163a、165a、163b、165b)は、その下層の半導体(154a、154b)とその上層のソース電極(173a、173b)、ドレイン電極(175a、175b)との間にだけ存在し、これらの間の接触抵抗を低くする。半導体(154a、154b)において、ソース電極(173a、173b)とドレイン電極(175a、175b)との間にはソース電極(173a、173b)及びドレイン電極(175a、175b)によって覆われずに、露出した部分がある。
【0039】
ソース電極(173a、173b)、ドレイン電極(175a、175b)、及び露出した半導体(154a、154b)部分の上層には、窒化ケイ素または酸化ケイ素などで形成された下部保護膜180pが形成される。
下部保護膜180pの上層には所定間隔で分離される遮光部材220が形成される。遮光部材220は、データ線と平行方向に長く形成された直線部と、薄膜トランジスタに対応する四角形部分を含むことができ、光漏れを防止する。
【0040】
下部保護膜180p及び遮光部材220の上層には複数のカラーフィルタ230が形成される。カラーフィルタ230は遮光部材220によって取り囲まれた領域内に大部分存在する。カラーフィルタ230には第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bの上に位置する複数の開口部(235a、235b)が形成される。カラーフィルタ230は、特に緑色(Green)カラーフィルタであってもよい。
ここで、下部保護膜180pは、カラーフィルタ230の顔料が露出した半導体(154a、154b)部分に流入するのを防止することができる。
【0041】
遮光部材220及びカラーフィルタ230の上層には上部保護膜180qが形成される。上部保護膜180qは、窒化ケイ素または酸化ケイ素などの無機絶縁物質で形成されてもよく、カラーフィルタ230が浮くことを防止し、カラーフィルタ230から流入する溶剤(solvent)のような有機物による液晶層3の汚染を抑制して、画面駆動時に発生し得る残像のような不良を防止する。
しかし、遮光部材220は上部表示板200に設けてもよい。
上部保護膜180q及び下部保護膜180pには第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bを露出する複数のコンタクトホール(185a、185b)が形成される。
【0042】
上部保護膜180qの上層には複数の画素電極191が形成され、上述したカラーフィルタ230は画素電極191の列に沿って長く延在してもよい。そして、維持電極線131の分枝線135は画素電極191とデータ線(171a、171b)との間に位置する。
画素電極191はITOまたはIZOなどの透明な導電物質やアルミニウム、銀、クロムまたはその合金などの反射性金属で形成されてもよく、各画素電極191は互いに分離された第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bを含んでもよい。
第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bは、コンタクトホール(185a、185b)を通じて第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bと物理的、電気的に接続され、第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bからデータ電圧の印加を受ける。
画素電極191の上層には配向膜11が形成される。
【0043】
次に、上部表示板200について説明する。
上部表示板200には透明な絶縁基板210の上層に共通電極270が形成され、その上には配向膜21が形成される。
各配向膜(11、21)は垂直配向膜であってもよい。
下部表示板100及び上部表示板200の外側面には偏光子(polarization)(図示せず)が備えられてもよい。
下部表示板100と上部表示板200との間には液晶層3が介される。液晶層3は負の誘電率異方性を有してもよい。
【0044】
以上、液晶表示装置について説明したが、これに限定されるものではなく、薄膜形成工程を含む有機発光表示装置及びその他の表示装置にも本発明の実施形態による表示装置製造方法に関する説明が適用できる。
その後、母基板からキャリア基板を分離する(段階S6)。
上述した通り、キャリア基板CRS上に配置した母基板110の上に薄膜形成工程を行った後、両基板(CRS、110)の表面に存在するヒドロキシル基の間に形成される正極接合(anodic bonding)または溶融接合(fusion bonding)などによって、キャリア基板CRSと母基板110との間に強い結合が発生し得る。このような現象は、薄膜形成工程が摂氏約350度以上の高温の熱処理工程を含むことがあるため発生する。
【0045】
正極接合は、高温電界状態でナトリウムのようなイオンが発生し、ガラス(glass)で形成された母基板110とガラスで形成されたキャリア基板CRSの界面に静電気力が発生して、相互拡散(interdiffusion)による共有結合が形成される。 溶融接合は異物がなく、表面粗度が5nm以下でありながら、親水性状態のガラス(glass)が高温で接合するとき、ファンデルワールス力による原理と水素結合によってガラスが分離されない現象を有する。
【0046】
しかし、本発明の一実施形態による表示装置製造方法によれば、薄膜工程を行う以前にキャリア基板CRS及び母基板110のうちの少なくとも一つが表面処理されるので、両基板の接合程度が弱い。したがって、薄膜工程が摂氏350度以上の熱処理工程を含んでも、キャリア基板CRSと母基板110を簡単に分離することができる。
また、母基板とキャリア基板を分離する段階は、
図3で説明した周縁領域Eをカッティングして除去する段階を含む。マスクMによって酸(acid)処理されない部分または接着剤が塗布された領域は永久結合を起す領域であるので、この部分を除去する必要があるためである。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の色々な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属する。