特許第6475474号(P6475474)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 興和株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6475474
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】飲料
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/52 20060101AFI20190218BHJP
   A23L 2/38 20060101ALI20190218BHJP
   A23F 5/24 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   A23L2/00 F
   A23L2/38 C
   A23L2/52
   A23F5/24
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-227058(P2014-227058)
(22)【出願日】2014年11月7日
(65)【公開番号】特開2015-133950(P2015-133950A)
(43)【公開日】2015年7月27日
【審査請求日】2017年11月6日
(31)【優先権主張番号】特願2013-230806(P2013-230806)
(32)【優先日】2013年11月7日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2013-259736(P2013-259736)
(32)【優先日】2013年12月17日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000163006
【氏名又は名称】興和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100175075
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 康子
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 洋行
【審査官】 池上 文緒
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭60−027501(JP,B1)
【文献】 特開2003−304847(JP,A)
【文献】 特開2006−111566(JP,A)
【文献】 特開平05−146253(JP,A)
【文献】 特開2002−176936(JP,A)
【文献】 特開2007−215483(JP,A)
【文献】 Mintel GNPD [online], ID# 1156695, Coffee Flavor Energy Drink Powder, AUG-2009, Retrieved on 24-JUL-2018
【文献】 Mintel GNPD [online], ID# 1078106, Energy Drink, APR-2009, Retrieved on 24-JUL-2018
【文献】 Mintel GNPD [online], ID# 1444934, Healthy Decaff Energy Drink, DEC-2010, Retrieved on 24-JUL-2018
【文献】 Mintel GNPD [online], ID# 10080463, Love Bus Brew Chocolate, JAN-2001, Retrieved on 24-JUL-2018
【文献】 Mintel GNPD [online], ID# 720158, Coffee Energy Drink, JUN-2007, Retrieved on 24-JUL-2018
【文献】 Mintel GNPD [online], ID# 414277, Honey Green Tea, NOV-2005, Retrieved on 24-JUL-2018
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23F 3/00
A23F 5/00
A23L 2/00
CAplus(STN)
FSTA(STN)
WPIDS/WPIX(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビタミンB1及びビタミンB2よりなる群から選ばれる1種以上のビタミンB群と、エゾウコギ及びローヤルゼリー並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の生薬類とを含有するコーヒー含有飲料。
【請求項2】
さらに、ナツメ及びクコ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を含有する、請求項1記載の飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体の活動を活発にする成分を含有し、かつ味の良好な飲料、特にコーヒー含有飲料等の嗜好飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の飲食に対する嗜好の多様化・複雑化に伴い、様々な嗜好飲料が開発・提供されている。嗜好飲料とは、個人の嗜好を満足させるために用いられる飲料を意味し、コーヒー含有飲料、茶飲料、ココア飲料を始めとして、清涼飲料などもこれに該当する。中でも、コーヒー含有飲料は代表的な嗜好飲料であり、世界で最も多くの国で飲用される嗜好飲料であるとされる。コーヒー含有飲料をはじめとする嗜好飲料の飲用目的はその種類や提供場所、提供方法等に応じて様々であるが、嗜好に合致した飲料によってリフレッシュし、気分転換を行うことを目的に飲用されることが多い。特に、何かと忙しい現代社会においては、缶コーヒーに代表されるような予め容器に充填されて提供される嗜好飲料を、朝に素早く目を覚ましたい場合や仕事の合間に一息入れて次の仕事に備える場合等、その後に活発に行動したい場合において飲用されることが多い。
【0003】
嗜好飲料として特にコーヒー含有飲料や茶飲料、ココア飲料などを、活発に行動することを目的として飲用する場合、これらに含まれるカフェインが大きな役割を果たすとされる。カフェインは神経を興奮させる作用を有し、体の活動を活発にする働きを有する。しかしながら、カフェインの作用は短期的なものであり、また、嗜好飲料自体には体の活動を助けるような栄養素に乏しい。そのため、飲用後の活発な行動を補助する作用を高めることを目的として、ビタミンをはじめとする体の活動を活発にする成分を配合したコーヒー含有飲料等が提案されている(例えば、特許文献1など。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−212026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は飲用後の活発な行動を補助する作用を高めた嗜好飲料を提供することを目的として、体の活動を活発にするビタミンB群を配合したコーヒー含有飲料の開発を試みた。しかしながら、単にビタミンB群のみをコーヒー含有飲料に配合した場合、その独特な薬物感・不快味(えぐみ、苦味又は酸味)により、味が悪くなることが判明した。嗜好飲料は本来的には味や香りを楽しむものであり、味の悪化は嗜好飲料としての魅力を大きく減殺することになる。
そこで、本発明の課題は、体の活動を活発にする成分を含有し、かつ味の良好な飲料、特にコーヒー含有飲料等の嗜好飲料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討したところ、コーヒー含有飲料等の飲料に、ビタミンB群に加えて、さらに生薬類、特にエゾウコギ及びローヤルゼリー並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の成分を配合することにより、味の良好な飲料とできることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、以下に関する。
[1]ビタミンB群と、生薬類とを含有する飲料。
[2]ビタミンB群と、生薬類とを添加して得られるものである、[1]記載の飲料。
[3]嗜好飲料である、[1]又は[2]記載の飲料。
[4]コーヒー含有飲料、茶飲料又はココア飲料である、[1]〜[3]のいずれか一に記載の飲料。
[5]生薬類が、エゾウコギ及びローヤルゼリー並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上である、[1]〜[4]のいずれか一に記載の飲料。
[6]さらに、ナツメ及びクコ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を含有する、[5]記載の飲料。
[7]ビタミンB群が、ビタミンB1、ビタミンB2及びビタミンB6よりなる群から選ばれる1種以上である、[1]〜[6]のいずれか一に記載の飲料。
[8]ビタミンB群と、生薬類とを添加する工程を含む、飲料の製造方法。
[9]飲料が、嗜好飲料である、[8]記載の製造方法。
[10]コーヒー含有飲料、茶飲料又はココア飲料である、[8]又は[9]に記載の製造方法。
[11]生薬類が、エゾウコギ及びローヤルゼリー並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上である、[8]〜[10]のいずれか一に記載の製造方法。
[12]さらに、ナツメ及びクコ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を含有する、[11]記載の製造方法。
[13]ビタミンB群が、ビタミンB1、ビタミンB2及びビタミンB6よりなる群から選ばれる1種以上である、[8]〜[12]のいずれか一に記載の製造方法。
【0008】
特に、本発明は以下に関する。
[14]ビタミンB群と、エゾウコギ及びローヤルゼリー並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上とを含有するコーヒー含有飲料。
[15]コーヒー抽出液に、ビタミンB群と、エゾウコギ及びローヤルゼリー並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上とを添加して得られるものである、[14]記載のコーヒー含有飲料。
[16]ビタミンB群が、ビタミンB1、ビタミンB2及びビタミンB6よりなる群から選ばれる1種以上である、[14]又は[15]記載のコーヒー含有飲料。
[17]さらに、ナツメ及びクコ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を含有する、[14]〜[16]のいずれか一に記載のコーヒー含有飲料。
[18]コーヒー抽出液に、ビタミンB群と、エゾウコギ及びローヤルゼリー並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上とを添加する工程を含む、コーヒー含有飲料の製造方法。
[19]ビタミンB群が、ビタミンB1、ビタミンB2及びビタミンB6よりなる群から選ばれる1種以上である、[18]記載の製造方法。
[20]さらに、ナツメ及びクコ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を添加する工程を含む、[18]又は[19]記載の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の飲料は、体の活動を活発にする成分を含有し、かつ味も良好であるため、朝に素早く目を覚ましたい場合や仕事の合間に一息入れて次の仕事に備える場合等、その後に活発に行動したい場合において有利に飲用できるという効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、ビタミンB群と、生薬類を含有する飲料を提供する。以下、各文言の意義、各成分の分量、製造方法等につき詳述する。
【0011】
<ビタミンB群>
本発明において、「ビタミンB群」としては、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB9及びビタミンB12が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においてビタミンB群としては、ビタミンB1、ビタミンB2及びビタミンB6よりなる群から選ばれる1種以上であるのが好ましく、ビタミンB1、ビタミンB2及びビタミンB6の組み合わせであるのが特に好ましい。
【0012】
本発明の飲料におけるビタミンB群の含有量は特に限定されないが、飲料の味や服用感の観点から、飲料190g当たり0.01mg〜500mg含有するのが好ましく、0.05mg〜100mg含有するのがより好ましく、0.1mg〜50mg含有するのが特に好ましい。
【0013】
本発明において「ビタミンB1」には、チアミンそのもののほか、その誘導体(ビスチアミン、チアミンジスルフィド、ジセチアミン、フルスルチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、チアミン二リン酸など)及びそれらの塩(硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩などの無機酸塩など)も包含され、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、飲料の味や服用感の観点から、塩酸チアミン、硝酸チアミン、硝酸ビスチアミン、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硫酸エステル塩、塩酸ジセチアミン、塩酸フルスルチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、フルスルチアミン、プロスルチアミン及びベンフォチアミンよりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、硝酸チアミンが特に好ましい。これらのビタミンB1は公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0014】
本発明の飲料におけるビタミンB1の含有量は特に限定されないが、飲料の味や服用感の観点から、飲料190g当たり0.01mg〜120mg含有するのが好ましく、0.05mg〜50mg含有するのがより好ましく、0.1mg〜30mg含有するのが特に好ましい。
【0015】
本発明において「ビタミンB2」には、リボフラビンそのもののほか、その誘導体(リン酸リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチドなど)及びそれらの塩(ナトリウム塩などのアルカリ金属塩など)も包含され、本発明においては、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、飲料の味や服用感の観点から、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム及び酪酸リボフラビンよりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、リン酸リボフラビンナトリウムが特に好ましい。これらのビタミンB2は公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0016】
本発明の飲料におけるビタミンB2の含有量は特に限定されないが、飲料の味や服用感の観点から、飲料190g当たり0.01mg〜200mg含有するのが好ましく、0.05mg〜40mg含有するのがより好ましく、0.1mg〜15mg含有するのが特に好ましい。
【0017】
本発明において「ビタミンB3」には、ニコチン酸、ニコチン酸アミドそのもののほか、それらの誘導体(イノシトールヘキサニコチネート、ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチド、ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチドリン酸、へプロニカートなど)及びそれらの塩も包含され、本発明においては、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのビタミンB3は公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0018】
本発明の飲料におけるビタミンB3の含有量は特に限定されないが、飲料の味や服用感の観点から、飲料190g当たり0.01mg〜200mg含有するのが好ましく、0.05mg〜60mg含有するのがより好ましく、0.1mg〜20mg含有するのが特に好ましい。
【0019】
本発明において「ビタミンB5」には、パントテン酸そのもののほか、その誘導体(パンテノール、パンテチン、パンテテイン、補酵素Aなど)及びそれらの塩(ナトリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩など)も包含され、本発明においては、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのビタミンB5は公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0020】
本発明の飲料におけるビタミンB5の含有量は特に限定されないが、飲料の味や服用感の観点から、飲料190g当たり0.01mg〜200mg含有するのが好ましく、0.05mg〜30mg含有するのがより好ましく、0.1mg〜10mg含有するのが特に好ましい。
【0021】
本発明において「ビタミンB6」には、ピリドキシン、ピリドキサミン、ピリドキサールそのもののほか、それらの誘導体(リン酸ピリドキサールなど)及びそれらの塩(カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩;塩酸塩などの無機酸塩など)も包含され、本発明においては、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、飲料の味や服用感の観点から、塩酸ピリドキシンが好ましい。これらのビタミンB6は公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0022】
本発明の飲料におけるビタミンB6の含有量は特に限定されないが、飲料の味や服用感の観点から、飲料190g当たり0.01mg〜200mg含有するのが好ましく、0.05mg〜100mg含有するのがより好ましく、0.1mg〜30mg含有するのが特に好ましい。
【0023】
本発明において「ビタミンB7」には、ビオチンそのもののほか、その塩(ナトリウム塩などのアルカリ金属塩など)も包含される。これらのビタミンB7は公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0024】
本発明の飲料におけるビタミンB7の含有量は特に限定されないが、飲料の味や服用感の観点から、飲料190g当たり0.001mg〜2.5mg含有するのが好ましく、0.005mg〜0.5mg含有するのがより好ましく、0.01mg〜0.2mg含有するのが特に好ましい。
【0025】
本発明において「ビタミンB9」には、葉酸そのもののほか、その誘導体(ジヒドロ葉酸、テトラヒドロ葉酸など)及びそれらの塩も包含される。本発明においては、葉酸が好ましい。これらのビタミンB9は公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0026】
本発明の飲料におけるビタミンB9の含有量は特に限定されないが、飲料の味や服用感の観点から、飲料190g当たり0.001mg〜1mg含有するのが好ましく、0.005mg〜0.5mg含有するのがより好ましく、0.01mg〜0.2mg含有するのが特に好ましい。
【0027】
本発明において「ビタミンB12」には、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミンそのもののほか、それらの誘導体(メコバラミン、デオキシアデノシルコバラミンなど)及びそれらの塩(塩酸塩などの無機酸塩;酢酸塩などの有機酸塩など)も包含され、本発明においては、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのビタミンB12は公知の化合物であり、市販のものを用いてもよく、また、公知の方法により製造することも可能である。
【0028】
本発明の飲料におけるビタミンB12の含有量は特に限定されないが、飲料の味や服用感の観点から、飲料190g当たり0.1μg〜3000μg含有するのが好ましく、0.5μg〜1500μg含有するのがより好ましく、1μg〜500μg含有するのが特に好ましい。
【0029】
<生薬類>
本発明において、「生薬類」としては、例えば、アイブライト、アガリクス、アマチャ、アマチャヅル、イチョウ葉、イチジク、ウイキョウ、ウド(独活)、ウワウルシビスシダ、エキナケア、エゾウコギ、オオバコ、オタネニンジン、カキガラ、カキドウシ(連銭草)、カキの葉、カモミール、ガラナ、カリン、カルダモン、カンゾウ、キキョウ、キダチアロエ、キッカ(菊花)、キヌア、ギムネマシルベスタ、キャッツクロー、キャロット葉、キンガンカ(金銀花)、グアバ実、クチナシ、クマザサ、グミ、ケイヒ、コウケイテン(紅景天)、コラの実、サフラン、サンザシ、サンショウ、シジウム、シソ、ショウガ、シラカバ葉、スイカズラ(忍冬)、セイヨウエビラハギ、セイヨウニンジン、セージ、ダイダイ、タイム、タツノオトシゴ、タンポポ根、チョウジ、チンピ、デビルズクロー、田七人参、テンチャ、トウガラシ、冬虫夏草、ドクダミ、トチュウ葉、ナツメ、ナルコユリ(黄精)、ニンニク、ハイビスカス、ハッカ、ハトムギ、ハブ茶(決明子)、ヒキオコシ(延命草)、ビワ葉、プランタゴオバタ、ブルーベリー、ベニバナ、ペパーミント、ホップ、マイタケ、マカ、マタタビ、松葉、松の実、マムシ、マリアアザミ、マリーゴールド、マンネンタ(霊芝)、目薬の木、モモ(桃仁)、ヤツメウナギ、ヤマイモ(山薬)、ヤマモモ(楊梅皮)、ユーカリ、ヨモギ、ラカンカ、ラフマ、ラベンダー、リンデン、レモンバーム、レンギョウ、ローズヒップ、ローズマリー、ローヤルゼリーなどが挙げられ、本発明においてはこれらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、生薬類としては、少なくともエゾウコギ及びローヤルゼリー並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を含むのが好ましく、これに加えて、さらにナツメ及びクコ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上を含むのが特に好ましい。
【0030】
<エゾウコギ>
本発明において「エゾウコギ」としては、エゾウコギ(学名:Eleutherococcus senticosus)を用いるものであれば特に限定されず、エゾウコギの全草又は一部(例えば、根、根茎、幹、樹皮、枝、葉、花、果実、果皮、果穂、種子、種皮など)を利用できる。本発明においては、飲料の味や服用感の観点から、根茎を用いるのが好ましい。なお、エゾウコギは必要に応じてその形態を調節することができる。本発明においては、飲料の製造性、味や服用感等を考慮して、エゾウコギの形態を粉末状に調節するのが好ましい。
また、飲料の製造性、味や服用感等を考慮して、エゾウコギに何らかの抽出処理を施したもの(以下、「エゾウコギの抽出物」と称する。)を用いてもよい。なお、「エゾウコギの抽出物」には、抽出処理に加えて、加熱、乾燥、粉砕等の加工処理を施したものも包含される。具体的には、エゾウコギを必要に応じて適当な大きさとした後に、適当な浸出液(抽出溶媒)を加えて浸出した液や、当該浸出液を濃縮した液(軟エキス、チンキ等)、さらにこれらを乾燥させたもの(乾燥エキス等)なども本発明の「エゾウコギの抽出物」に包含される。
本発明において、エゾウコギ及びその抽出物から選ばれる1種以上としては、飲料の味や服用感の観点から、エゾウコギの抽出物が好ましく、液状の抽出物が特に好ましい。
【0031】
エゾウコギの抽出物の製造方法は特に限定されず、公知の植物抽出物の製造方法を参考にして製造できる。具体的には例えば、エゾウコギを必要に応じて切断、加熱、乾燥、粉砕等したうえ、適当な抽出溶媒を加え抽出を行うことで、製造することができる。得られた抽出物は、必要に応じさらに濃縮、乾燥等させてもよい。
【0032】
上記抽出溶媒としては例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の低級一価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の低級多価アルコール;ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のアルカン類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲノアルカン類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;水(熱水を含む)等が挙げられる。これらは各々単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明においては、水、エタノール、又は水とエタノールの混液が好ましい。
抽出操作は特に限定されず、植物からの抽出操作に利用される公知の方法を採用することができ、具体的には例えば、抽出溶媒への浸漬(冷浸、温浸、パーコレーション等)、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出などが挙げられる。なお、抽出効率を上げるため、撹拌や抽出溶媒中でホモジナイズしてもよい。
抽出温度は特に限定されず、使用する抽出溶媒、抽出操作等により異なるが、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが好ましい。
抽出時間は特に限定されず、使用する抽出溶媒、抽出操作等により異なるが、1時間〜14日間程度とするのが好ましい。
【0033】
本発明において、エゾウコギ及びその抽出物から選ばれる1種以上としては、市販品を用いることができる。具体的な市販品としては例えば、エゾウコギ抽出物(以上、日本粉末薬品株式会社製)等が挙げられる。
【0034】
本発明の飲料におけるエゾウコギ及びその抽出物から選ばれる1種以上の含有量は特に限定されないが、飲料の味や服用感の観点から、飲料190g当たり、原生薬換算量で1mg〜1g含有するのが好ましく、5mg〜500mg含有するのがより好ましく、10mg〜300mg含有するのが特に好ましい。
【0035】
<ローヤルゼリー>
本発明において「ローヤルゼリー」としては特に限定されるものではなく、具体的には例えば、「ローヤルゼリーの表示に関する公正競争規約」で定義される生ローヤルゼリー、乾燥ローヤルゼリー及び調製ローヤルゼリー、第十六改正日本薬局方に記載のローヤルゼリー等が挙げられる。
また、飲料の製造性、味や服用感を考慮して、ローヤルゼリーに何らかの抽出処理を施したもの(以下、「ローヤルゼリーの抽出物」と称する。)を用いてもよい。
本発明において、ローヤルゼリー及びその抽出物から選ばれる1種以上としては、飲料の味や服用感の観点から、ローヤルゼリーの抽出物が好ましく、液状の抽出物が特に好ましい。
【0036】
ローヤルゼリーの抽出物の製造方法は特に限定されず、公知の製造方法を参考にして製造でき、具体的には例えば、上記したエゾウコギの抽出物の抽出方法と同様の方法により製造できる。
【0037】
ローヤルゼリー及びその抽出物から選ばれる1種以上としては、市販品を用いることができる。具体的な市販品としては例えば、ローヤルゼリー、ローヤルゼリー抽出物(以上、日本粉末薬品株式会社製)等が挙げられる。
【0038】
本発明の飲料におけるローヤルゼリー及びその抽出物から選ばれる1種以上の含有量は特に限定されないが、飲料の味や服用感の観点から、飲料190g当たり、原生薬換算量で1mg〜1g含有するのが好ましく、5mg〜500mg含有するのがより好ましく、10mg〜300mg含有するのが特に好ましい。
【0039】
<ナツメ>
本発明において「ナツメ」としては、ナツメ(学名:Zizyphus jujuba)を用いるものであれば特に限定されず、ナツメの全草又は一部(例えば、根、幹、樹皮、枝、葉、花、果実、果皮、果穂、種子、種皮など)を利用できる。本発明においては、飲料の味や服用感の観点から、果実を用いるのが好ましく、第十六改正日本薬局方に記載の「タイソウ(大棗)」を用いるのが特に好ましい。なお、ナツメは必要に応じてその形態を調節することができる。本発明においては、飲料の製造性、味や服用感等を考慮して、ナツメの形態を粉末状に調節するのが好ましい。
また、飲料の製造性、味や服用感等を考慮して、ナツメに何らかの抽出処理を施したもの(以下、「ナツメの抽出物」と称する。)を用いてもよい。なお、「ナツメの抽出物」には、抽出処理に加えて、加熱、乾燥、粉砕等の加工処理を施したものも包含される。具体的には、ナツメを必要に応じて適当な大きさとした後に、適当な浸出液(抽出溶媒)を加えて浸出した液や、当該浸出液を濃縮した液(軟エキス、チンキ等)、さらにこれらを乾燥させたもの(乾燥エキス等)なども本発明の「ナツメの抽出物」に包含される。
本発明において、ナツメ及びその抽出物から選ばれる1種以上としては、飲料の味や服用感の観点から、ナツメの抽出物が好ましく、中でも液状の抽出物が特に好ましい。
【0040】
ナツメの抽出物の製造方法は特に限定されず、公知の植物抽出物の製造方法を参考にして製造でき、具体的には例えば、上記したエゾウコギの抽出物の製造方法と同様の方法により製造できる。
【0041】
本発明において、ナツメ及びその抽出物から選ばれる1種以上としては、市販品を用いることができる。具体的な市販品としては例えば、ナツメ抽出物(日本粉末薬品株式会社製)等が挙げられる。
【0042】
本発明の飲料におけるナツメ及びその抽出物から選ばれる1種以上の含有量は特に限定されないが、飲料の味や服用感の観点から、飲料190g当たり、原生薬換算量で1mg〜1g含有するのが好ましく、5mg〜500mg含有するのがより好ましく、10mg〜300mg含有するのが特に好ましい。
【0043】
<クコ>
本発明において、「クコ」としては、クコ(学名:Lycium chinense又はLycium barbarum)を用いるものであれば特に限定されず、クコの全草又は一部(例えば、葉、果実など)を利用できる。本発明においては、飲料の味や服用感の観点から、果実(クコの実)を用いるのが好ましく、第十六改正日本薬局方に記載の「クコシ(枸杞子)」を用いるのが特に好ましい。なお、クコは必要に応じてその形態を調節することができる。本発明においては、飲料の製造性、味や服用感等を考慮して、クコの形態を粉末状に調節するのが好ましい。
また、飲料の製造性、味や服用感等を考慮して、クコに何らかの抽出処理を施したもの(以下、「クコの抽出物」と称する。)を用いてもよい。なお、「クコの抽出物」には、抽出処理に加えて、加熱、乾燥、粉砕等の加工処理を施したものも包含される。具体的には、クコを必要に応じて適当な大きさとした後に、適当な浸出液(抽出溶媒)を加えて浸出した液や、当該浸出液を濃縮した液(軟エキス、チンキ等)、さらにこれらを乾燥させたもの(乾燥エキス等)なども本発明の「クコの抽出物」に包含される。
本発明において、クコ及びその抽出物から選ばれる1種以上としては、飲料の服用感の観点から、クコの抽出物が好ましく、クコの実の抽出物がより好ましく、なかでも液状の抽出物が特に好ましい。
【0044】
クコの抽出物の製造方法は特に限定されず、公知の植物抽出物の製造方法を参考にして製造でき、具体的には例えば、上記したエゾウコギの抽出物の製造方法と同様の方法により製造できる。
【0045】
本発明において、クコ及びその抽出物から選ばれる1種以上としては、市販品を用いることができる。具体的な市販品としては例えば、クコの実抽出物(日本粉末薬品株式会社製)等が挙げられる。
【0046】
本発明の飲料におけるクコ及びその抽出物から選ばれる1種以上の含有量は特に限定されないが、飲料の味や服用感の観点から、飲料190g当たり、原生薬換算量で1mg〜1g含有するのが好ましく、5mg〜500mg含有するのがより好ましく、10mg〜300mg含有するのが特に好ましい。
【0047】
本発明の飲料は、さらに上記成分に加えて、所望により乳成分、甘味料、苦味抑制剤、酸化防止剤、香料、有機酸類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存剤、調味料、酸味料、B群以外のビタミン、アミノ酸、pH調製剤、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上含有することができる。
【0048】
<飲料>
本発明において「飲料」としては特に限定されず、具体的には例えば、コーヒー含有飲料、茶飲料、ココア飲料、清涼飲料などの嗜好飲料が挙げられる。本発明においては、コーヒー含有飲料、茶飲料、ココア飲料が好ましく、コーヒー含有飲料が特に好ましい。なお、これらは、特定保健用食品や栄養機能食品であってもよい。
【0049】
<コーヒー含有飲料>
本発明において「コーヒー含有飲料」とは、容器に充填された、コーヒー豆を少なくとも原料の一つとする飲料であって、具体的には例えば、「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」に定義されるコーヒー、コーヒー飲料、コーヒー入り清涼飲料、コーヒー入り清涼飲料(カフェインレス)、コーヒー入り炭酸飲料などが挙げられる。なお、本発明のコーヒー含有飲料は、シングルストレングスとして製造されるのが好ましい。ここで、「シングルストレングス」とは、薄めずにそのまま飲めるコーヒー含有飲料をいう。
【0050】
本発明のコーヒー含有飲料は、ビタミンB群と生薬類をコーヒー抽出液に添加する工程を含むほかは公知のコーヒー含有飲料と同様の方法により製造することができる。具体的には例えば、焙煎したコーヒー豆を用いる等の手段によりコーヒー抽出液を得、必要に応じて活性炭処理を行った後これにビタミンB群と生薬類を添加し、ろ過後、容器に充填しつつ殺菌する等の工程を経て製造することができる。
【0051】
本発明で使用するコーヒー抽出液としては、水(熱水を含む)を用いて焙煎したコーヒー豆から抽出したコーヒー抽出液、インスタントコーヒーの水溶液等を用いることができる。コーヒー抽出液は、当該コーヒー抽出液100g当たり焙煎コーヒー豆を生豆換算で1g以上用いるものが好ましく、2.5g以上用いるものが特に好ましい。
【0052】
本発明のコーヒー含有飲料の製造に用いられるコーヒー豆種としては特に限定されず、具体的には例えば、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種などが挙げられる。また、コーヒー豆の銘柄は特に限定されず、具体的には例えば、エチオピアモカシダ、キリマンジャロ、グアテマラ、コロンビア、タンザニア、ブラジル、ブルーマウンテン、マンデリン、モカなどが挙げられ、これらを1種単独で、又は2種以上を適宜ブレンドして用いることができる。
【0053】
コーヒー豆の焙煎度としては、例えば、ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンなどが挙げられる。なお、本発明においては、焙煎度の異なる豆を混合して使用してもよい。
【0054】
コーヒー豆からの抽出方法・抽出条件は特に限定されず、公知の方法・条件を適宜採用すればよい。
【0055】
活性炭処理に用いる活性炭の種類は特に限定されず、具体的には例えば、粉末状活性炭、粒状活性炭、繊維状活性炭等が挙げられる。
活性炭処理の方法は特に限定されず、具体的には例えば、バッチ法、カラム通液法等が挙げられる。
バッチ法としては、コーヒー抽出液に活性炭を加え、撹拌した後、活性炭を除去すればよい。処理時の雰囲気としては、空気下、不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素)環境下が挙げられるが、風味維持の観点から、不活性ガス環境下が好ましい。
カラム通液法としては、カラム内に活性炭を充填し、コーヒー抽出液をカラム下部又は上部から通液させ、他方から排出させればよい。
【0056】
活性炭の量は、処理するコーヒー抽出液の量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、処理するコーヒー抽出液の固形分に対して0.1〜2質量倍程度であるのが好ましい。なお、「固形分」とは、試料を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発物質を除いた残分をいう。また、処理時間はコーヒー抽出液の量、処理方法に応じて適宜設定すればよい。
活性炭の由来原料としては、オガコ、石炭、ヤシ殻などがあるが、ヤシ殻由来の活性炭が好ましく、特に、水蒸気等のガスにより賦活化した活性炭が好ましい。
【0057】
コーヒー抽出液にビタミンB群と生薬類を添加するタイミングは特に限定されず、例えばコーヒー抽出液を得、活性炭処理を行った後ろ過を行う場合にはその前後のいずれでもよく、さらには一部の成分をろ過前に、残りの成分を後に添加してもよい。なお、各成分の添加時の状態は、結果として得られるコーヒー含有飲料が上記成分を含有する状態となるのであれば特に限定されない。
【0058】
次に、コーヒー抽出液をろ過する。これにより、保存時、流通時に問題となる濁り等が除去され、保存性を改善することができる。ろ過は、ろ紙、膜ろ過などの公知の方法により行うことができる。本発明においては、生産性の観点から、膜ろ過が好ましい。膜ろ過に用いるメンブランフィルターの材質は特に限定されないが、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等が好ましい。また、メンブランフィルターの孔径は特に限定されないが、0.01〜10μm程度が好ましく、0.1〜0.5μm程度が特に好ましい。
【0059】
なお、コーヒー抽出液は、必要に応じpHを調整してもよい。コーヒー抽出液のpHは、4〜8程度が好ましく、5〜7程度が特に好ましい。なお、pH調整には、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、重炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機又は有機の酸や塩基を用いることができる。
【0060】
上記した工程によって処理されたコーヒー抽出液は、常用される包装容器(例えば、金属缶、ポリエチレンテレフタラートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属箔やプラスチックフィルムを積層した紙容器、ガラス瓶など)に充填される。
容器に充填した後、加熱殺菌できる場合は適用されるべき法規(日本では食品衛生法)に定められた殺菌条件で殺菌処理することができる。また、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できない場合には、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度まで冷却して容器に充填する等の方法を採用することができる。
【0061】
なお、本発明のコーヒー含有飲料としては、レトルト殺菌可能な金属缶に充填されたものであるのが好ましい。ビタミンB群等を含有するコーヒー含有飲料においてレトルト殺菌(例えば、121℃、16分間の加熱殺菌等)した場合、特に風味の劣化が問題となるところ、本発明のコーヒー含有飲料においては斯かるレトルト殺菌によっても風味が殆ど劣化しない、という優れた効果を有する。
【0062】
<茶飲料>
本発明において「茶飲料」とは、容器に充填された、茶葉を少なくとも原料の一つとする飲料であって、具体的には例えば、緑茶、紅茶、烏龍茶などが挙げられる。なお、本発明の茶飲料は、シングルストレングスとして製造されるのが好ましい。
【0063】
本発明の茶飲料は、ビタミンB群と生薬類を茶葉抽出液に添加する工程を含むほかは公知の茶飲料と同様の方法により製造することができる。具体的には例えば、必要に応じ発酵させた茶葉を用いる等の手段により茶葉抽出液を得、必要に応じて活性炭処理を行った後これにビタミンB群と生薬類を添加し、ろ過後、容器に充填しつつ殺菌する等の工程を経て製造することができる。なお、茶葉としては、不発酵茶葉、半発酵茶葉、発酵茶葉のいずれでもよく、さらに、これらの混合物であってもよい。なお、本発明の茶飲料の容器としては、上記したコーヒー含有飲料の容器と同様のものを用いることができる。また、ろ過、容器充填、殺菌等は、上記したコーヒー含有飲料の場合と同様の方法により行えばよい。
【0064】
<ココア飲料>
本発明において「ココア飲料」とは、容器に充填された、ココアパウダーを少なくとも原料の一つとする飲料である。なお、本発明のココア飲料は、シングルストレングスとして製造されるのが好ましい。
【0065】
本発明のココア飲料は、ビタミンB群と生薬類をココアパウダー溶解液に添加する工程を含むほかは公知のココア飲料と同様の方法により製造することができる。具体的には例えば、ココアバターを湯に溶解する等の手段によりココアパウダー溶解液を得、これにビタミンB群と生薬類を添加し、ろ過後、容器に充填しつつ殺菌する等の工程を経て製造することができる。なお、本発明のココア飲料の容器としては、上記したコーヒー含有飲料の容器と同様のものを用いることができる。また、ろ過、容器充填、殺菌等は、上記したコーヒー含有飲料の場合と同様の方法により行えばよい。
【0066】
<清涼飲料>
本発明において飲料としては、コーヒー含有飲料、茶飲料及びココア飲料以外の清涼飲料であってもよい。斯かる清涼飲料としては、ジュース、炭酸飲料、麦芽飲料、乳酸菌飲料、スポーツ飲料、アミノ酸飲料、ニアウォーター等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、これらは、ビタミンB群と生薬類を添加する工程を含むほかは公知の飲料と同様の方法により製造することができる。
【0067】
また、本発明は、ビタミンB群と、生薬類(好適にはエゾウコギ及びローヤルゼリー並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の成分;より好適にはさらにナツメ及びクコ並びにそれらの抽出物よりなる群から選ばれる1種以上の成分)とを組み合わせて添加する工程を含む、飲料(好適には嗜好飲料;より好適にはコーヒー含有飲料、茶飲料又はココア飲料;特に好適にはコーヒー含有飲料)の製造方法を提供する。この場合において、各文言の意義、各成分の使用量、製造方法等は飲料の場合と同様である。
【実施例】
【0068】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
なお、以下の試験例において用いたエゾウコギ、ローヤルゼリー、ナツメ及びクコの実の抽出物としては、いずれも抽出液の剤形で日本粉末薬品工業(株)より提供されているもの(エゾウコギ及びナツメについては30%エタノール抽出物、クコの実については25%エタノール抽出物、ローヤルゼリーについてはエタノール抽出物)を使用した。
【0069】
[試験例1]コーヒーの味の評価 その1
以下の手法によりサンプルを調製し、その味を評価した。
【0070】
<サンプル1−1>
市販の無添加コーヒー190gあたりビタミンB1(硝酸チアミン)7mgを添加し、サンプル1−1のコーヒーを得た。
<サンプル1−2>
市販の無添加コーヒー190gあたりエゾウコギの抽出物100mg(エゾウコギの原生薬換算量として100mg)を添加し、サンプル1−2のコーヒーを得た。
<サンプル1−3>
市販の無添加コーヒー190gあたりビタミンB1(硝酸チアミン)7mgと、エゾウコギ抽出物100mg(エゾウコギの原生薬換算量として100mg)を添加し、サンプル1−3を得た。
【0071】
(味の評価)
各種サンプルを5名のパネラーが飲用し、その味を以下の評価基準に従って評価した。
5:濃厚なコクを有し、美味である。
4:コクがある。
3:コクをかろうじて感じるが、味わいに深みが無い。
2:不快味(えぐみ、苦味又は酸味)を若干感じる。
1:不快味(えぐみ、苦味又は酸味)を強く感じ、不味である。

結果(5名のパネラーによる味の評価の平均スコア)を、服用感に関する代表的な感想とともに表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
[試験例2]コーヒーの味の評価 その2
以下の手法によりサンプルを調整し、試験例1と同様の方法により味を評価した。結果を表2に示す。
<サンプル2−1>
市販の無添加コーヒー190gあたりビタミンB1(硝酸チアミン)7mgを添加し、サンプル2−1のコーヒーを得た(サンプル1−1と同一)。
<サンプル2−2>
市販の無添加コーヒー190gあたりローヤルゼリーの抽出物150mg(ローヤルゼリーの原生薬換算量として75mg)を添加し、サンプル2−2のコーヒーを得た。
<サンプル2−3>
市販の無添加コーヒー190gあたりビタミンB1(硝酸チアミン)7mgと、ローヤルゼリーの抽出物150mg(ローヤルゼリーの原生薬換算量として75mg)を添加し、サンプル2−3を得た。
【0074】
【表2】
【0075】
[試験例3]コーヒーの味の評価 その3
以下の手法によりサンプルを調整し、試験例1と同様の方法により味を評価した。結果を表3に示す。
<サンプル3−1>
市販の無添加コーヒー190gあたりビタミンB2(リン酸リボフラビンナトリウム)5mgを添加し、サンプル3−1のコーヒーを得た。
<サンプル3−2>
市販の無添加コーヒー190gあたりエゾウコギ抽出物100mg(エゾウコギの原生薬換算量として100mg)を添加し、サンプル3−2のコーヒーを得た(サンプル1−2と同一)。
<サンプル3−3>
市販の無添加コーヒー190gあたりビタミンB2(リン酸リボフラビンナトリウム)5mgと、エゾウコギ抽出物100mg(エゾウコギの原生薬換算量として100mg)を添加し、サンプル3−3を得た。
【0076】
【表3】
【0077】
[試験例4]コーヒーの味の評価 その4
以下の手法によりサンプルを調整し、試験例1と同様の方法により味を評価した。結果を表4に示す。
<サンプル4−1>
市販の無添加コーヒー190gあたりビタミンB2(リン酸リボフラビンナトリウム)5mgを添加し、サンプル4−1のコーヒーを得た(サンプル3−1と同一)。
<サンプル4−2>
市販の無添加コーヒー190gあたりローヤルゼリー抽出物150mg(ローヤルゼリーの原生薬換算量として75mg)を添加し、サンプル4−2のコーヒーを得た(サンプル2−2と同一)。
<サンプル4−3>
市販の無添加コーヒー190gあたりビタミンB2(リン酸リボフラビンナトリウム)5mgと、ローヤルゼリー抽出物150mg(ローヤルゼリーの原生薬換算量として75mg)を添加し、サンプル4−3を得た。
【0078】
【表4】
【0079】
以上の試験結果より、ビタミンB群、エゾウコギの抽出物及びローヤルゼリーの抽出物それぞれ単独では不快な味を呈するにも拘わらず、これらを組み合わせることにより良好な味わいを呈することが明らかとなった。
特に、ビタミンB群はいずれもそのもの単独では舌を刺激するようなえぐみ・収斂味を呈し、また、エゾウコギの抽出物やローヤルゼリーの抽出物もやや苦味があるか無味に近いものであるにも拘わらず、これらを組み合わせることによって、舌を包み込むような柔らかくまろやかな味わいを呈することが明らかとなった。
【0080】
[試験例5]コーヒー含有飲料の製造及び味の評価
以下の方法によりサンプルを調製し、パネラーを10名としたほかは試験例1と同様の方法により味を評価した。結果を表5に示す。
<サンプル5−1>
水(熱水)を用い、常法により焙煎し粉砕したコーヒー豆より得られたコーヒー抽出液190gに対し、ビタミンB1(硝酸チアミン)7mg、ビタミンB2(リン酸リボフラビンナトリウム)5mg、ビタミンB6(塩酸ピリドキシン)7mg、エゾウコギの抽出物100mg(原生薬換算量として100mg)、ローヤルゼリーの抽出物150mg(原生薬換算量として75mg)、ナツメの抽出物100mg(原生薬換算量として100mg)及びクコの実の抽出物50mg(原生薬換算量として50mg)を添加した。得られたコーヒー抽出液を金属缶(アルミ缶)に充填した後、レトルト殺菌(121℃、16分間)し、サンプル5−1のコーヒー含有飲料を製造した。
【0081】
【表5】
【0082】
以上の試験結果より、ビタミンB群と、エゾウコギ、ローヤルゼリーに加えて、さらにナツメ及びクコ並びにそれらの抽出物から選ばれる1種以上を含有するコーヒー含有飲料は、レトルト殺菌後においても良好な味を呈することが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明によれば、味の良好な飲料を提供でき、食品産業等において好適に利用できる。