特許第6475499号(P6475499)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6475499
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】基板収納容器用梱包箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/30 20060101AFI20190218BHJP
   H01L 21/673 20060101ALI20190218BHJP
   B65D 77/04 20060101ALI20190218BHJP
   B65D 25/02 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   B65D85/30 500
   H01L21/68 T
   B65D77/04 C
   B65D25/02 C
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-8635(P2015-8635)
(22)【出願日】2015年1月20日
(65)【公開番号】特開2016-132473(P2016-132473A)
(43)【公開日】2016年7月25日
【審査請求日】2017年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000140890
【氏名又は名称】ミライアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】男澤 和則
【審査官】 宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−189305(JP,A)
【文献】 実開昭62−130026(JP,U)
【文献】 実開平06−037229(JP,U)
【文献】 特開2014−005078(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0070061(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/30−85/48
B65D 85/86
B65D 25/02
B65D 77/04
H01L 21/673
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板収納容器を梱包した梱包体を収納する梱包体収納空間を内部に有する箱体と、前記箱体の底部を閉塞する底板と、前記底板に配置された回転機構を含み、前記回転機構は、前記梱包体の出し入れの際に、前記梱包体を梱包体出し入れ位置と梱包体収納位置との間を回転により移動可能であり、前記底板と前記箱体は、前記底板の外周縁部を、前記箱体の内壁で覆うように係合されることを特徴とする基板収納容器用梱包箱。
【請求項2】
前記回転機構は、前記底板の上面に回転可能に配置された回転板と、回転板に垂直に固定された回転体からなることを特徴とする請求項1に記載の基板収納容器用梱包箱。
【請求項3】
前後左右全ての方向から梱包体の出し入れを可能とすることを特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載の基板収納容器用梱包箱。
【請求項4】
前記箱体は、開閉可能な扉を少なくとも側面1箇所に設けたことを特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載の基板収納容器用梱包箱。
【請求項5】
前記回転機構は、前記底板から分離可能であることを特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載の基板収納容器用梱包箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハ等からなる基板を収納する基板収納容器を梱包した梱包体を複数個まとめて輸送する際に使用される基板収納容器用梱包箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウェーハ等を収納した基板収納容器は、工場内の工程において搬送された後、梱包して出荷、輸送される。基板収納容器は、梱包して出荷される際、内袋、外袋による2重包装して密閉される。2重包装された基板収納容器が輸送される場合には、さらに段ボール等の梱包箱内に収納される。使用される従来の梱包箱は、段ボール等からなる包装箱内に容器を挟むように緩衝材が天地両面に敷設して積層され、包装箱の開口した上部のフタを閉じて輸送される(特許文献1、2参照)。また、半導体ウェーハは、現在主流のφ300mmタイプから次世代タイプとして大口径化(主にφ450mmタイプ)が検討されている。このφ450mmタイプの半導体ウェーハを収納する基板収納容器は、φ300mmタイプの基板収納容器よりも大型化され、重量も増大(450mmタイプ:ウェーハ全数装填の場合:約25kg、300mmタイプ:ウェーハ全数装填の場合:約8kg)する。その為、梱包・出荷・輸送手段も、従来以上に作業の安全性や効率化等が検討されている。具体的には、1個の梱包箱に複数の基板収納容器を収容し、省スペース化できるものや、さらには梱包箱内に個別の小型パレットを設け、梱包箱の正面を開閉箇所とすることで、正面から基板収納容器を小型パレットごと取り出すことを可能とするものもある。(特許文献3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−023252号公報
【特許文献2】特開2014−088194号公報
【特許文献3】特開2014−005078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のように、従来技術による基板収納容器の梱包箱においては、小型パレットを設けることにより、基板収納容器を個別に取り出すことができる。しかし、前述の基板収納容器用梱包箱では梱包の正面からのみ取り出す構造である為、パレットを引き出すためのスペースが梱包箱の手前に必要になるという課題があった。さらに、基板収納容器の大型化による重量の増大により、梱包箱から基板収納容器を引き出す際に、大きな力を要するという課題があった。また、従来技術による基板収納容器の梱包箱では、梱包箱の任意の場所の基板収納容器を直接取り出したり、梱包箱の任意の場所に基板収納容器を配置して梱包したりすることができない場合があった。そのため、梱包箱から基板収納容器を取り出す際に、取り出し口のある正面側の基板収納容器から順に取り出す必要があり、梱包箱への複数の基板収納容器の梱包の作業効率が悪いという課題があった。本発明は、上記従来技術の問題点を解決する基板収納容器用梱包箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、基板収納容器を梱包した梱包体を収納する梱包体収納空間を内部に有する箱体と、前記箱体の底部を閉塞する底板と、前記底板に配置された回転機構を含み、前記回転機構は、前記梱包体の出し入れの際に、前記梱包体を梱包体出し入れ位置と梱包体収納位置との間を回転により移動可能であることを特徴とする。また、前記回転機構は、前記底板の上面に回転可能に配置された回転板と、回転板に垂直に固定された回転体とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、作業場の省スペース化及び梱包箱内部の任意の位置への基板収納容器を収納、梱包箱内部の任意の位置からの取り出しが可能となり、基板収納容器の梱包箱への梱包作業の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1の分解斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1を包装した梱包体4を説明する図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器用梱包箱5とパレット6を示す分解斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器用梱包箱5の底板51とパレット6の係合方法を説明する図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器用梱包箱5の底板51と箱体55の係合方法を説明する図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器用梱包箱5において、図3における箱体55と梱包体4とパレット6を省略した分解斜視図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器用梱包箱5に梱包体4を収納する方法を説明する図である。
図8】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器用梱包箱5とパレット6の固定方法を説明する図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る基板収納容器用梱包箱5aの箱体55aを示す上方斜視図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る基板収納容器用梱包箱5aとパレット6を示す上方斜視図である。
図11】本発明の第2実施形態に係る基板収納容器用梱包箱5aとパレット6を複数個並べた状態を示す上方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態による基板収納容器用梱包箱5について、図面を参照しながら説明する。
【0009】
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1の分解斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1を包装した梱包体4を説明する図である。図3は、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器用梱包箱5を示す分解斜視図である。図4は、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器用梱包箱5の底板51とパレット6の係合方法を説明する図である。図5は、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器用梱包箱5の底板51と箱体55の係合方法を説明する図である。図6は、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器用梱包箱5において、図3における箱体55と梱包体4とパレット6を省略した分解斜視図である。図7は、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器用梱包箱5に梱包体4を収納する方法を説明する図である。図8は、本発明の第1実施形態に係る基板収納容器用梱包箱5とパレット6の固定方法を説明する図である。
【0010】
本実施形態における基板W(図1参照)は、直径300mm〜450mmの円盤状のシリコンウェーハ、ガラスウェーハ、サファイアウェーハ等であり、産業に用いられる薄いものである。図1に示すように、基板収納容器1は、上述のような基板Wを複数枚収納して、工場内の工程において搬送する工程内容器として用いられたり、陸運手段・空運手段・海運手段等の輸送手段により基板を輸送したりするための出荷容器として用いられるものであり、容器本体2と、蓋体3とを有している。
【0011】
図2に示すように、梱包体4は、基板収納容器1に基板Wが収納され、外側から2重包装にて密封されたものである。また、梱包体4は段ボール等に収納される場合もある。その際、必要に応じて緩衝材を用いて、梱包体4内で基板収納容器1を固定する。梱包体4の包装袋は、内袋41にPE(ポリエチレン)袋もしくは防湿性・防水性・透湿性が低い袋を使用し、外袋42にアルミ拍で作られたアルミ袋、もしくはPE・PET(ポリエチレンテレフタレート)・PP(ポリプロピレン)袋などの内面にアルミ蒸着を施したアルミ蒸着袋を使用する。
【0012】
図3に示すように、基板収納容器用梱包箱5は、梱包体4を輸送する際の輸送箱として用いられるものであり、箱体55と、底板51と、回転機構54である回転板52と回転体53により構成される。基板収納容器用梱包箱5は、パレット6の上に配置されている。図5等に示すように箱体55は、4つの側壁と、1つの上壁により、梱包体収納空間557が形成されている。また、箱体55は一般的な紙製の段ボール箱だけでなく、強度を確保する為のプラスチック材にて、一体成形で形成されるもの、または5枚のプラスチック材を組立てた物でもよい。
【0013】
図4に示すように、パレット6と底板51は、パレット6の上面の形成された底板固定用凸部61と、底板51の下側に形成されたパレット固定用凹部511により係合される。
図5に示すように、底板51と箱体55は、底板51の外周縁部511を、箱体55の内壁556で覆うように係合される。
【0014】
図6に示すように、回転機構54においては、底板51の上面に形成された回転板挿入用凹部512と、回転板52の外周縁部523とが、回転板52が360°回転可能なように、係合される。また、回転体53においては、回転板52の上面に形成された回転軸固定用凹部521と、回転体53の回転軸532とが係合して、回転板52に固定される。梱包体4は、回転板52の梱包体載置用凹部522に載置される。
【0015】
図7に示すように、梱包体4は、ベルトコンベアレール100を通り、基板収納容器用梱包箱に収納される。
図8に示すように、基板収納容器用梱包箱5は、バンド7により、パレット6と固定される。
【0016】
以下、各部について、詳細に説明する。
まず、基板収納容器用梱包箱5に収納する基板収納容器1について説明する。図1に示すように、基板収納容器1の容器本体2は、奥壁21と上壁22と下壁23と第1側壁24と第2側壁25とを有する。奥壁21、上壁22、下壁23、第1側壁24、及び第2側壁25は、プラスチック材等により構成されており、本実施形態においてはポリカーボネートにより一体成形されて構成されている。第1側壁24と第2側壁25とは対向しており、上壁22と下壁23とは対向している。上壁22の後端、下壁23の後端、第1側壁24の後端、及び第2側壁25の後端は、全て奥壁21に接続されている。上壁22の前端、下壁23の前端、第1側壁24の前端、及び第2側壁25の前端は、奥壁21に対向する位置関係を有し、略長方形状をした容器本体開口部を形成する開口周縁部を構成する。開口周縁部は、容器本体2の一端部に設けられており、奥壁21は、容器本体2の他端部に位置している。壁部の外面により形成される容器本体2の外形は箱状である。壁部の内面、即ち、奥壁21の内面、上壁22の内面、下壁23の内面、第1側壁24の内面、及び第2側壁25の内面は、これらによって取り囲まれた基板収納空間を形成している。開口周縁部に形成された容器本体開口部は、壁部により取り囲まれて容器本体2の内部に形成された基板収納空間に連通している。基板収納空間には、最大で25枚の基板Wを収納可能である。
【0017】
図1に示すように、基板収納容器1の蓋体3は、容器本体2の開口周縁部の形状と略一致する略長方形状を有している。蓋体3は容器本体2の開口周縁部に対して着脱可能であり、開口周縁部に蓋体3が装着されることにより、蓋体3は、容器本体開口部を閉塞可能である。蓋体3は、容器本体開口部を密閉した状態で閉塞する。開口周縁部から蓋体3が取り外されることにより、容器本体2内の基板収納空間に対して、基板Wを出し入れ可能となる。
【0018】
次に、基板収納容器1を梱包した梱包体4について説明する。図2に示すように、梱包体4は、基板収納容器1を出荷容器として基板Wを収納し、輸送される際、外側から2重包装されたものである。梱包体4の包装袋は、内袋41にPE袋もしくは防湿性・防水性・透湿性が低い袋を使用し、外袋42にアルミ拍で作られたアルミ袋、もしくはPE・PET・PP袋などの内面にアルミ蒸着を施したアルミ蒸着袋を使用する。2重包装は、輸送の際、外気の気温や湿度の変化による基板Wへの影響を最小限に抑える為に行われる。また、梱包体4としては、基板収納容器1を2重梱包後に、必要に応じて緩衝材を用いて段ボール等に固定・収納されたものを言う場合もある。
【0019】
次に、基板収納容器用梱包箱5について説明する。図3および図5に示すように、基板収納容器用梱包箱5の箱体55は、正面壁551、背面壁552、天面壁553、第1側壁554、第2側壁555を有する。第1側壁554と第2側壁555とは対向しており、正面壁551と背面壁552とは対向している。正面壁551の上端、背面壁552の上端、第1側壁554の上端、及び第2側壁555の上端は、全て天面壁553に接続されている。正面壁551の下端、背面壁552の下端、第1側壁554の下端、及び第2側壁555の下端は、天面壁553に対向する位置関係を有し、略正方形状をした箱体開口部を形成する箱体開口周縁部を構成する。壁部の内面、即ち、正面壁551の内面、背面壁552の内面、天面壁553の内面、第1側壁554の内面、及び第2側壁555の内面は、これらによって取り囲まれた梱包体収納空間557を形成している。箱体開口周縁部に形成された箱体開口部は、壁部に取り囲まれて箱体55の内部に形成された梱包体収納空間557に連通している。梱包体収納空間557には、基板収納容器1を梱包した梱包体4を最大4個収納可能である。
【0020】
図4に示すように、底板51の底面には、パレット固定用凹部511が設けられており、パレット6は、底板51のパレット固定用凹部511の形状と略一致する形状の、底板固定用凸部61を有している。パレット6と底板51は、パレット6の底板固定用凸部61と、底板51のパレット固定用凹部511により係合される。
【0021】
図5に示すように、底板51の外周縁部511は、箱体55の箱体開口周縁部の形状に内接できる略正方形状を有している。箱体55の内壁556と底板51の外周縁部511は、底板51に箱体内壁556が嵌められることにより、箱体55の箱体開口部を閉塞可能である。
【0022】
図6に示すように、底板51の上面には、回転板挿入用凹部512を有している。回転板挿入用凹部512は、回転板52が係合可能に円筒形の凹み形状となる。回転板挿入用凹部512に、回転板52の外周縁部523が挿入され係合されるが、その際、回転板挿入用凹部512と外周縁部523にはクリアランスがあり、回転板52は固定されず、360°回転することが可能である。
【0023】
回転体53は、中央に垂直方向に伸びる四角柱形状の回転軸532を有し、回転軸532の側面には、4つの板を等間隔で形成した仕切部531を有している。回転体53の底部は、中央の回転軸532が、側面の仕切部531より、長く飛び出しており、回転板52の中央に設けられた回転軸30の略一致する凹み形状の回転軸固定用凹部521に固定される。固定された回転体53と回転板52は、回転機構54となり、回転する際に一体で回転する。回転板52の上面には、梱包体4を載置する為の、梱包体載置用凹部522を有する。梱包体載置用凹部522は、梱包体4の外周部と略一致する略正方形状の凹み形状である。梱包体4は、回転板52の梱包体載置用凹部522に積載され、さらに回転体53の仕切部531で仕切られた4か所のスペースに各1個ずつ、最大4個積載可能である。
【0024】
梱包体4が基板収納容器用梱包箱5に収納されるまでの流れは、以下の通りである。
出荷準備室にて作業者により、基板収納容器用梱包箱5とパレット6を組み立てる。組立手順は、まず出荷準備室の床面にパレット6を敷き、パレット6の上面に底板51を載せる。その際、底板51のパレット固定用凹部511と、パレット6の底板固定用凸部61を係合する。次に底板51の上面の回転板挿入用凹部512に、回転板52の外周縁部523を挿入し、360°回転可能なように嵌合する。さらに回転板52の中央に設けられた回転軸固定用凹部521と回転体53の中央に設けられた回転軸532を嵌合させ、固定する。
【0025】
次に図7に示すように、クリーンルーム内で内袋41と外袋42により、2重梱包された基板収納容器1が、梱包体4となり、ベルトコンベアレール100により、クリーンルーム内からクリーンルーム外の出荷準備室へ搬送される。ベルトコンベアレール最終地点まで搬送された梱包体4は、作業者もしくは自動搬送用のロボットアームにより、基板収納容器用梱包箱5に積み込まれる。積み込みの際、作業者もしくは自動搬送用のロボットアームは、ベルトコンベアレール100に一番近い梱包体4を、基板収納容器用梱包箱5の梱包体載置用凹部522に積み込み、その後回転機構54を90°回転させて、梱包体載置用凹部522の位置を変更して、次の梱包体4を積み込む。回転は、回転機構54の回転体53の仕切部531の端部を作業者もしくはロボットアームが掴み、回転させる。この作業を繰り返し行い、必要数の梱包体4の積み込みを完了した後、パレット6に箱体55を被せて、基板収納容器用梱包箱5は閉塞されるが、梱包体4と箱体55に隙間が有る場合は、輸送中に梱包体4が動いてしまう為、必要に応じて緩衝材を用いて梱包体4を固定する。緩衝材には、主に発泡スチロールやエアーパット、ウレタンスポンジなどを使用する。
【0026】
その後、図8に示すように、基板収納容器用梱包箱5とパレット6は、バンド7により固定される。バンド7の固定方法では、パレット6の側面に設けられたフォークリフトのフォークが入る貫通穴と、基板収納容器用梱包箱5の外壁部分を、バンド7で囲い固定する。固定箇所は、基板収納容器用梱包箱5の幅方向2ヶ所、長手方向2ヶ所、最大で4ヶ所である。バンド7としては、主にプラスチック製バンドを使用するが、丈夫な紐やロープでも構わない。
【0027】
バンド7で固定された基板収納容器用梱包箱5とパレット6は、フォークリフトにより、出荷口へ搬送される。また、出荷品受け入れ先では、上述した出荷されるまでの流れとは、逆の工程を経て、梱包体4はクリーンルーム内に搬送される。
【0028】
上記構成の実施形態に係る基板収納容器用梱包箱5によれば、以下のような効果を得ることができる。
基板収納容器1を梱包した梱包体4を、基板収納容器用梱包箱5に積み込む際、回転機構54により、回転させて、梱包体載置用凹部522の位置を変えることができる。回転機構54は底板51の回転板挿入用凹部512の円形状に倣い回転する。その為、作業者及びロボットアームのベルトコンベアレール100からの積み込みは、位置を移動することなく、固定して行うことができる。例えば、まず一つ目の梱包体4をベルトコンベアレール100から一番近い、梱包体載置用凹部522に載せた後、回転機構54を90°回転させて、次の梱包体載置用凹部522の位置に変更して、二つ目の梱包体4を載せる。以降も繰り返し作業となる。そうすることにより、作業者が重量物である梱包体4を持ち運ぶ時間及び距離が短縮され、作業効率が向上する。またロボットアームについても一定の距離で作業が行われる為、ロボットアームの動作時間の短縮及び動作空間を縮めることが可能となり、作業場所の省スペース化に繋がる。基板収納容器梱包箱から基板収納容器の積み降ろし作業にも、同様の効果が得られる。
【0029】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態による基板収納容器用梱包箱5aについて図9図10及び図11を参照しながら説明する。図9は、本発明の第2実施形態に係る基板収納容器用梱包箱5aの箱体55aを示す上方斜視図である。図10は、本発明の第2実施形態に係る基板収納容器用梱包箱5aを示す上方斜視図である。図11は、本発明の第2実施形態に係る基板収納容器用梱包箱5aを複数個並べた状態を示す上方斜視図である。
【0030】
第2実施形態による基板収納容器用梱包箱5aにおいては、箱体55aの正面壁が、開閉可能な扉になる点において、第1実施形態による箱体55とは異なる。これ以外の構成については、第1実施形態による基板収納容器用梱包箱5の構成と同様であるため、第1実施形態における各構成と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略する。
【0031】
図9に示すように、基板収納容器用梱包箱5aの箱体55aは、正面扉80、背面壁552a、天面壁553a、第1側壁554a、第2側壁555aを有する。正面扉80は、第2側壁555aに開閉可能に取り付けられている。正面扉80の閉塞時には、正面扉80の上端が天面壁553aと、左端が第1側壁554aと、右端が第2側壁555aに接続されている。正面扉80は、左端及び右端、どちらも開放可能である。正面扉80の扉開放時、正面扉80の左端が開く際には、第1側壁554aから分離され、第2側壁555aと正面扉80の右端は、正面扉80を回転可能に支持し、正面扉80は手前に開くことで開放される。また正面扉80の右端が開く際は、第2側壁555aから分離され、第1側壁554aと正面扉80の左端は、正面扉80を回転可能に支持し、正面扉80は回転しながら開放される。
【0032】
次に図10に示すように、正面扉80を有した箱体55aにより、組み立てられた基板収納容器用梱包箱5aにおいては、正面方向から梱包体4を収納または取り出すことができる。梱包体4の収納時には、正面扉80が開放され、作業者もしくは自動搬送用のロボットアームは、梱包体4を、基板収納容器用梱包箱5aの梱包体載置用凹部522に積み込み、その後回転機構54を90°回転させて、梱包体載置用凹部522の位置を変更して、次の梱包体4を積み込む。回転は、回転機構54の回転体53の仕切部531の端部を作業者もしくはロボットアームが掴み、回転させる。この作業を繰り返し行い、必要数の梱包体4の積み込みを完了した後、開放されている正面扉80を閉塞する。
【0033】
この構成により、第1実施形態では、箱体55を取り外した状態でしか、梱包体4を収納及び取り出すことができなかったが、第2実施形態では、箱体55aを取り外さなくても正面扉80を開放し、梱包体4の収納及び取り出しが可能となる。
【0034】
それにより、例えば図11で示すように、基板収納容器用梱包箱5aが倉庫に左右上下に複数収容されている状態でも、正面扉80の開放によって、基板収納容器用梱包箱5aを移動させることなく、その場で梱包体4を取り出すことが可能となる。さらに回転機構54により、背面壁552a側の梱包体4も正面扉80側へ回転移動させて、取り出すことが可能となり、作業者の作業時間の短縮及び作業場所の省スペース化に繋がる。
【符号の説明】
【0035】
1 基板収納容器
2 容器本体
3 蓋体
4 梱包体
5 基板収納容器用梱包箱
6 パレット
7 バンド
41 内袋
42 外袋
51 底板
52 回転板
53 回転体
54 回転機構
55 箱体
80 正面扉
100 ベルトコンベアレール
W 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11