特許第6475551号(P6475551)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6475551
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】遊技場用管理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20190218BHJP
【FI】
   A63F7/02 354
   A63F7/02 329
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-77630(P2015-77630)
(22)【出願日】2015年4月6日
(65)【公開番号】特開2016-195712(P2016-195712A)
(43)【公開日】2016年11月24日
【審査請求日】2018年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 宗知
【審査官】 下村 輝秋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−249652(JP,A)
【文献】 特開2012−085935(JP,A)
【文献】 特開平10−127936(JP,A)
【文献】 実開平07−021377(JP,U)
【文献】 特開平05−123446(JP,A)
【文献】 特開平02−164383(JP,A)
【文献】 特開昭58−049167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F7/02
A63F5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が遊技により獲得した遊技価値と景品とを交換するための景品交換処理を従業員の操作に応じて実行する景品交換装置を有し、当該景品交換装置が設置された景品交換コーナーと、
前記景品交換装置による景品交換処理が終了した後に残った端数遊技価値と交換可能な端数景品がその単価別に区分された状態で陳列され、遊技者が所望の端数景品を自由に持ち帰り可能な端数景品コーナーとが設けられた遊技場における遊技場用管理システムにおいて、
前記景品交換装置は、
特定景品の単価に相当する遊技価値の量を単位遊技価値として設定する単位遊技価値設定手段と、
遊技者が獲得した遊技価値の量を獲得価値として特定する獲得価値特定手段と、
遊技者が交換を希望する景品に相当する遊技価値の量を景品価値として特定する景品価値特定手段と、
前記獲得価値から前記景品価値を減算することにより未交換価値を特定する未交換価値特定手段と、
前記未交換価値の量が前記単位遊技価値よりも小さくなった状態で景品交換処理が終了した場合に、当該未交換価値の量を記録した記録媒体を発行する発行手段と、を備え、
前記発行手段は、前記端数景品コーナーにおいて前記未交換価値で交換可能な端数景品が陳列されている位置を示す位置情報を、前記記録媒体に一緒に記録することを特徴とする遊技場用管理システム。
【請求項2】
前記遊技価値の単価として複数の異なる単価を設定可能な設定手段を備え、
前記発行手段は、前記設定手段により設定された単価を示す単価情報を、前記記録媒体に一緒に記録することを特徴とする請求項1に記載した遊技場用管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技場用管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されているように、一般的な遊技場においては、遊技者が獲得した玉やメダル等の遊技媒体を計数してレシートやカード等の記録媒体を受け取り、その記録媒体を景品交換コーナー(景品交換カウンタ)へ提出してPOSで景品交換処理を実行し、所望の景品と交換するシステムが確立している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−157571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技者が交換を望む景品の多くは換金を目的としたいわゆる特殊景品であり、特殊景品の単価に満たない遊技媒体数は端数景品(端玉景品)と交換するのが普通である。具体的には、例えば特殊景品の単価が200円であれば、200円未満に相当する遊技媒体数が端数となり、遊技者はその端数分の端数景品(例えばお菓子等)を受け取ることになる。
【0005】
ところで、ほとんどの遊技者は特殊景品のみに関心があり、端数景品には無関心であるので、遊技者の希望を一々確認して端数景品を選択し、それを遊技者に手渡すという交換作業が煩わしく、景品交換コーナーが混雑する一因となっていた。そのような問題を解決するため、景品交換コーナーでは端数景品の景品交換処理を一切行わず、景品交換コーナーとは別のエリアに設けた端数景品コーナーで遊技者に自由に端数景品を選択させるというフリー交換方式が普及しつつある。具体的には、原則として景品交換コーナーでは特殊景品の単価以上の景品(日用品等の一般景品も含む)のみを交換対象とし、景品交換後に端数が生じた場合にはその端数をレシートに書いて遊技者に手渡し、端数分の端数景品を自由に選んでもらうように案内するという運用方式となっている。このような端数景品のフリー交換方式においては、景品交換コーナーで端数景品の交換作業を行う必要が無くなるので、景品交換作業がスピーディになり、混雑を緩和できる効果がある。
【0006】
しかしながら、その一方で、遊技媒体の単価が多様化する昨今、自分が持っている端数で交換可能な端数景品がどれであるのかを遊技者が把握し難く、その結果、遊技者の混乱を招いてしまい、遊技者へのサービスという面で不十分であるという問題が指摘されている。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、いわゆる端数景品のフリー交換方式を採用した場合であっても、遊技者が交換可能な端数景品を容易に把握することができ、遊技者の混乱を未然に回避することができる遊技場用管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載した発明によれば、発行手段は、未交換価値の量が単位遊技価値よりも小さくなった状態で景品交換処理が終了し、その未交換価値の量を記録した記録媒体を発行する際に、端数景品コーナーにおいて未交換価値で交換可能な端数景品が陳列されている位置を示す位置情報を一緒に記録して発行するようにした。位置情報が記録媒体に一緒に記録されることで、遊技者は端数景品コーナーにおいて未交換価値で交換可能な端数景品が陳列されている位置を容易に把握することができる。端数景品のフリー交換方式を採用した場合でも、遊技者が交換可能な端数景品を容易に把握することができ、遊技者の混乱を未然に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態を示す全体構成図
図2】遊技機及び計数貸出ユニットの正面図
図3】計数貸出ユニットの機能ブロック図
図4】POSの斜視図
図5】カード処理機の斜視図
図6】POSの機能ブロック図
図7】フローチャート
図8】レシートを示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用管理システムの全体構成を概略的に示している。遊技場内には複数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して計数貸出ユニット2が設置されている。これら遊技機1及び計数貸出ユニット2は、複数台ずつ中継装置3と接続されている。中継装置3は、LAN4を介して管理装置5と接続されている。管理装置5は、遊技機側(遊技機1、計数貸出ユニット2等)から送信される遊技信号を受信することにより遊技機1毎の遊技データや会員登録された会員遊技者毎の個人データ等を管理する。尚、遊技場内には遊技媒体の貸出単価が異なる複数の遊技機島が形成されている。図1では、玉(遊技媒体)の貸出単価が4円の遊技機島(4円遊技機島)、1円の遊技機島(1円遊技機島)を例示している。
【0011】
遊技場内にはPOS6(景品交換装置に相当)及び精算装置7も設置されており、これらPOS6及び精算装置7もLAN4を介して管理装置5と接続されている。POS6は、遊技場内の景品交換コーナー(景品交換カウンタ)に設置されており、景品交換を行う従業員(景品交換担当者)により操作される。POS6は、カード処理機8を接続しており、一般カード9(図3参照)又は会員カード10(図3参照)がカード処理機8により受け付けられ、その受け付けられた一般カード9又は会員カード10に記録されている持玉数(遊技価値)がカードリーダライタ7により読み取られると、その読み取られた持玉数に基づいて景品交換処理を実行する。尚、POS6は、一般カード9又は会員カード10に記録されている遊技価値を取り扱うときは、管理装置5が一般カード9又は会員カード10に対応して予め記憶している遊技価値と照合し、真であると判定したことを条件として遊技価値の取り扱いを有効とする。
【0012】
精算装置7は、一般カード9又は会員カード10がカード挿入口11に挿入されると、その挿入された一般カード9又は会員カード10に記録されている入金残高をカードリーダライタ(図示せず)により読み取り、その読み取った入金残高に対応する紙幣や硬貨を返却口12から返却する返却処理を実行する。尚、精算装置7は、POS6と同様に、一般カード9又は会員カード10に記録されている遊技価値を取り扱うときは、管理装置5が一般カード9又は会員カード10に対応して予め記憶している遊技価値と照合し、真であると判定したことを条件として遊技価値の取り扱いを有効とする。
【0013】
又、遊技場内には、上記したPOS6が設置されている景品交換コーナーとは別のエリアに端数景品コーナー(端玉景品コーナー)が設けられている。端数景品コーナーは、遊技者が自由に端数景品(端玉景品、換金を目的としたいわゆる特殊景品の単価に満たない遊技媒体数で交換可能な景品)を選択するコーナーである。フリー交換方式を採用している遊技場では、遊技者は、最初に景品交換コーナーに行き、交換対象の持玉数を景品交換コーナーにて特殊景品に交換し、景品交換後に端数(端玉、端数遊技価値)が生じていれば、その端数が記録されたレシートを景品交換担当者から受け取り、そのレシートを持って端数景品コーナーに行き、その端数分を端数景品コーナーにて端数景品に交換する。即ち、景品交換コーナーで交換可能な特殊景品大の単価が5000円、特殊景品中の単価が1000円、特殊景品小の単価が200円であれば、遊技者は200円(特定景品の単価に相当する遊技価値の量、単位遊技価値)未満に相当する持玉数(4円の貸出単価であれば49玉以下、1円の貸出単価であれば199玉以下)を端数景品コーナーにて端数景品に交換する。
【0014】
又、端数景品コーナーでは、交換可能な端数景品が一般景品のみであり、それらの端数景品が玉数別に色分けされた棚に陳列されている。具体的には例えば以下のように区分されている。
【0015】
赤色の棚=120円以上で200円未満に相当する持玉数(4円の貸出単価では30〜49玉、1円の貸出単価では120〜199玉)で交換可能な端数景品
青色の棚=60円以上で120円未満に相当する持玉数(4円の貸出単価では15〜29玉、1円の貸出単価では60〜119玉)で交換可能な端数景品
黄色の棚=40円以上で60円未満に相当する持玉数(4円の貸出単価では10〜14玉、1円の貸出単価では40〜59玉)で交換可能な端数景品
白色の棚=4円以上で40円未満に相当する持玉数(4円の貸出単価では1〜9玉、1円の貸出単価では4〜39玉)で交換可能な端数景品
黒色の棚=4円未満に相当する持玉数(1円の貸出単価では1〜3玉)で交換可能な端数景品
端数景品コーナーは無人であるので、遊技者は、レシートに記録されている端数で交換可能な端数景品を色分けされた棚から自由に選んで持ち帰る。尚、景品交換コーナーで交換可能な景品は、特殊景品の他に日用品や食料品等の一般景品があっても良い。
【0016】
管理装置5は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード13、モニタ14、プリンタ(図示せず)等が接続されている。尚、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置5の管理対象となっている。管理装置5は、遊技場内に設置された遊技機1、計数貸出ユニット2、POS6等の稼動状況を管理すると共に、遊技機1側から受信する各種の信号に基づいて遊技者毎の持玉数や貯玉数や入金残高等を記憶管理する。持玉とは当日中に計数した玉であり、貯玉とは前日以前に計数した玉である。
【0017】
図2は、遊技機1及び計数貸出ユニット2の構成を概略的に示している。遊技機1は、CRパチンコ機であり、盤面15に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル16、上部受皿17、下部受皿18を有すると共に、盤面15に、液晶表示部19、始動口20、大入賞口21を有する。遊技者が操作ハンドル16を操作すると、玉(遊技媒体)が盤面15に発射され、そのパチンコ玉が始動口20に入賞すると、その入賞に応じた玉数のパチンコ玉を払出したり大当たり抽選を行ったりする。大当たり抽選では、液晶表示部19において所謂特別図柄(特図)による図柄変動を実行し、停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりが発生する。大当たりが発生すると、例えば15ラウンド分だけ大入賞口21を開放する。
【0018】
遊技機1は、遊技者による遊技が進行することに応じて、遊技機1に投入された(盤面15に打ち込まれて消費された)遊技媒体の数を示すアウト玉数(消費媒体数)を特定可能なアウト信号、遊技機1から入賞により払い出された遊技媒体の数を示すセーフ玉数(払出媒体数)を特定可能なセーフ信号、遊技機1で発生したスタート(大当たりの抽選の実行)を特定可能なスタート信号、遊技機1で発生した大当たり状態を特定可能な大当たり信号等の各種の遊技信号を送信する。
【0019】
計数貸出ユニット2は、現在の運用状態(正常状態、エラー状態等)を示す状態表示部22、紙幣が投入される紙幣投入口23、遊技者からの操作入力を受け付けると共に、入金残高、持玉数及び貯玉数の情報や、遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当たり確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部24、1単位分(500円相当)の玉を払い出すための払出ボタン25、払い出された玉が通過する払出ノズル26、従業員が携帯する従業員リモコン(図示せず)からの光信号を受信するリモコン受光部27、一般カード9又は会員カード10が挿入されるカード挿入口28、遊技機1の下部受皿18の下方に位置する着脱可能な計数受皿29等を有する。又、計数貸出ユニット2は、遊技機1に設けられている貸出ボタン30及び返却ボタン31の操作を検知可能となっている。
【0020】
図3は、計数貸出ユニット2の機能ブロック図を示している。計数貸出ユニット2は、CPU32a、ROM32b、RAM32c、I/O32dを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部32、当該制御部32と接続された周辺部を備えて構成されている。周辺部としては、管理装置5及び遊技機1との間で各種の信号や各種の情報を送受信するI/F部33、紙幣投入口23に投入された紙幣の真贋を判定する紙幣処理部34、液晶表示部24、当該液晶表示部24上に設けられたタッチパネル35、カード挿入口28に挿入された一般カード9又は会員カード10に記録されている各種の情報を読み取ったり書込んだりするカードリーダライタ36、最大10枚の一般カード9をストック可能なカードストック部37、リモコン受光部27、払出ボタン25、当該払出ボタン25が操作されたときに1単位分(例えば500円分)の玉を払出ノズル26から払い出す払出部38、計数受皿29から流入する玉を計数する計数部39等である。
【0021】
一般カード9は、当日限り有効なカードであり、ICチップ9aが内蔵されている。ICチップ9aには、カードを特定可能な一般IDが記録されていると共に、計数貸出ユニット2に入金された入金残高や単価毎の持玉数が記録される。会員カード10は、予め設定されている有効期限(例えば3年間)まで有効なカードであり、ICチップ10aが内蔵されている。ICチップ10aには、カード(カードの会員)を特定可能な会員IDが記録されていると共に、一般カード9のICチップ9aと同様に入金残高や単価毎の持玉数が記録される。又、会員カード10に対応する貯玉数は管理装置5の会員口座に記憶される。
【0022】
計数貸出ユニット2は、以下に示す機能を備えている。
(1)紙幣が紙幣投入口23に投入されると、その投入された紙幣の金額(1000円単位)を記憶すると共に、投入金額(入金残高)を液晶表示部24に表示する。
(2)遊技機1の貸出ボタン30が操作されると、その貸出ボタン30の操作に応じて入金残高の範囲内で1度数(500円)に相当する玉数の玉を遊技機1内部の払出機構から貸し出す(遊技媒体の貸出処理を行う)。4円遊技機島に設置されている計数貸出ユニット2であれば125玉を払い出し、1円遊技機島に設置されている計数貸出ユニット2であれば500玉を払い出す。このとき、遊技機1から計数貸出ユニット2に1度数分の玉を払い出したことを示す信号が送信されるので、液晶表示部24に表示されている入金残高から1度数(500円)を減額すると共に、貸し出した遊技媒体の数を示す貸出玉数(貸出媒体数)を特定可能な売上信号を送信する。この売上信号は1度数分の玉を払い出す毎に1パルスが送信されるので、1パルスを500円分の売上額として特定する。
【0023】
(3)遊技機1の下部受皿18から落下した玉が計数受皿29で受けられると、その計数受皿29で受けられた玉が計数部39に流入することで玉を計数し、その計数した玉数である計数玉数を液晶表示部24に表示する(遊技媒体の計数処理を行う)。
(4)払出ボタン25が操作されると、その払出ボタン25の操作に応じて計数玉数(持玉数)又は貯玉数(会員遊技者の場合)の範囲内で1度数(500円)に相当する玉数の玉を遊技機1内部の払出機構から払い出す(遊技媒体の払出処理を行う)。
【0024】
(5)遊技機1の返却ボタン31が操作されると、その返却ボタン31の操作に応じて入金残高や持玉数を一般カード9又は会員カード10に記録して発行する(遊技媒体の返却処理を行う)。一般カード9及び会員カード10の何れもカード挿入口28に挿入されていない場合は、カードストック部37にストックしている一般カード9を図示しない記録媒体移動手段によりカードリーダライタ36に繰り出して(セットして)入金残高及び持玉数を記録して発行する。尚、一般カード9はカードストック部37に最大10枚までストック可能である。会員カード10がカード挿入口28に挿入されている場合は、入金残高を会員カード10に記録し、暗証番号の入力を条件として持玉数を管理装置5に送信して会員カード10を発行する。そして、このように一般カード9又は会員カード10を発行すると、カードを特定可能な一般IDや会員IDと共に一般カード9又は会員カード10に記録した入金残高や持玉数を特定可能な発行信号を管理装置5に送信することで、一般カード9又は会員カード10に記録した入金残高や持玉数を管理装置5側にも記憶する。尚、このように持玉数を一般カード9又は会員カード10に記録して発行したときには、計数玉数をゼロリセットする(初期化する)。
【0025】
(6)一般カード9がカード挿入口28に挿入されると(受け付けられると)、一般カード9に記録されている入金残高及び持玉数をカードリーダライタ36により読み出して液晶表示部24に表示する。一般カード9が受け付けられたときは、その一般カード9に記録されている入金残高及び持玉数の範囲内で貸出処理及び払出処理を行う。尚、一般カード9に記録されている持玉数が1度数に相当する玉数に満たないときに払出処理を行うときは、その1度数に相当する玉数に満たない持玉数を全て払い出す。
【0026】
(7)会員カード10がカード挿入口28に挿入されると(受け付けられると)、会員カード10に記録されている入金残高をカードリーダライタ36により読み出して液晶表示部24に表示すると共に、暗証番号の入力を条件として管理装置5の会員口座に記憶されている貯玉数も表示する。会員カード10が受け付けられたときは、会員カード10に記録されている入金残高及び持玉数、その会員カード10に対応して管理装置5が記憶している貯玉数の範囲内で貸出処理及び払出処理を行う。
【0027】
(8)一般カード9がカード挿入口28に挿入されている状態では、一般カード9に記録されている記録情報(入金残高及び持玉数)を会員カード10の記録情報に合算して記録することができる。具体的には、液晶表示部24に対して所定の合算操作が行われると、その時点の記録情報をRAM32cに退避してから一般カード9の記録情報をゼロリセットし(初期化し)、その記録情報を初期化した一般カード9を記録媒体移動手段によりカードストック部34に回収する。そして、会員カード10がカード挿入口28に挿入されると、RAM32cに退避しておいた記録情報を会員カード10の記録情報に合算する。尚、会員カード10がカード挿入口28に挿入されている状態では上記した合算操作が禁止されるので、会員カード10に記録されている記録情報を一般カード9の記録情報に合算して記録することはできない。即ち、一般カード9の入金残高及び持玉数を会員カード10の入金残高及び持玉数に合算する行為は許可されるが、会員カード10の入金残高及び持玉数を一般カード9の入金残高及び持玉数に合算する行為は禁止される。
(9)液晶表示部24に対する操作入力に応じて対応する遊技機1又は指定された他の遊技機1の遊技データを表示したり、遊技場からのメッセージを表示したり、遊技者が会員遊技者であることが特定された場合は遊技機1の遊技データを表示したりする。
【0028】
図4は、POS6の構成を概略的に示している。図5は、カード処理機8の構成を概略的に示している
POS6は、タッチパネル式の液晶表示部40、景品の入庫操作等を行うための入庫釦41、各種の操作釦42、特殊景品への交換操作を行うための交換釦43、景品交換表示を終了させるための終了釦44、景品の種類を選択するためのPLU釦45、各操作を取り消すためのキャンセル釦46、各景品の数量を入力するためのテンキー47、スキャナ48、プリンタ49(発行手段に相当)等を有する。カード処理機8は、POS6と通信可能に設けられており、タッチパネル式の液晶表示部50、一般カード9を非接触により(取り込まずに)受付可能な一般カード受付部51、会員カード10を取り込んで受付可能な会員カード受付部52等を有する。
【0029】
図6は、POS6の機能ブロック図を示している。POS6は、CPU53a、ROM53b、RAM53c、I/O53dを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部53(単位遊技価値設定手段、獲得価値特定手段、景品価値特定手段、未交換価値特定手段、設定手段に相当)、当該制御部53と接続された周辺部を備えて構成されている。周辺部としては、管理装置5及びカード処理機8との間で各種の信号や各種の情報を送受信するI/F部54、液晶表示部40、液晶表示部40に表示されるタッチ釦や各種の釦42〜48を含む操作部55、スキャナ48、プリンタ49等である。POS6は、一般カード9又は会員カード10がカード処理機8に受け付けられると、その受け付けられ一般カード9又は会員カード10に記録されている(特定される)遊技価値に基づいて景品交換処理を実行可能となっている。
【0030】
管理装置5は、記憶しているコンピュータプログラムにしたがって作動し、遊技機1の稼動状況を示す遊技データ(アウト玉数、セーフ玉数、遊技機1で発生した大当たりの回数を示す大当たり回数、遊技機1で実行されたゲームの回数を示すスタート回数、遊技機1が稼動している時間を示す稼動時間等)を管理して表示する遊技情報表示サービス、遊技者が遊技により獲得した遊技媒体を一旦貯蓄して当日又は後日遊技に再利用できるようにする貯玉サービス等を行う。尚、管理装置5が管理する遊技データは例示したものに限定されない。
【0031】
次に、上記した構成の作用について、図7及び図8も参照して説明する。POS6は、本発明に関連し、以下に示す景品交換処理を所定周期で行う。POS6は、メイン処理を実行中では景品交換処理の開始タイミングになったか否かを判定しており、景品交換処理の開始タイミングになったと判定すると、メイン処理から景品交換処理に移行し、景品交換処理を開始する。尚、これ以降、一般カード9及び会員カード10を総称して単にカードと称する。
【0032】
POS6は、景品交換処理を開始すると、カードがカード処理機8に受け付けられたか否かを判定する(S1)。POS6は、カードがカード処理機8に受け付けられていないと判定すると(S1:NO)、景品交換処理を終了してメイン処理にリターンし、次の景品交換処理の開始タイミングを待機する。
【0033】
POS6は、例えば景品交換担当者が遊技者からカードが手渡されたことで、一般カード9であれば一般カード受付部51に近付けられ(置かれ)たり、会員カード10であれば会員カード受付部52に挿入されたりし、カードがカード処理機8に受け付けられたと判定すると(S1:YES)、その受け付けられたカードに記録されているID及び単価毎の持玉数(遊技者が獲得した遊技価値の量、獲得価値)を読み取り、その読み取った単価毎の持玉数を液晶表示部40に表示する(S2)。次いで、POS6は、その読み取ったID及び単価毎の持玉数を特定可能な照合依頼信号を管理装置5に送信し(S3)、管理装置5からの照合結果信号の受信を待機する(S4)。管理装置5は、POS6から照合依頼信号を受信すると、その受信した照合依頼信号により特定されるIDに対応する単価毎の持玉数と、自身が記憶しているIDに対応する単価毎の持玉数とを照合し、照合結果が正であれば照合結果が正である旨を示す照合結果信号をPOS6に送信し、照合結果が否であれば照合結果が否である旨を示す照合結果信号をPOS6に送信する。
【0034】
POS6は、管理装置5から照合結果信号を受信したと判定すると(S4:YES)、その照合結果の正否を判定し、管理装置5における照合結果が正である旨を判定すると(S5:YES)、その読み取った単価毎の持玉数で交換可能な特殊景品数を算出して液晶表示部40に表示する(S6)。次いで、POS6は、景品交換担当者が交換釦43を押下する等して特殊景品数を確定したと判定すると(S7:YES)、単価毎に景品交換分の玉数(遊技者が交換を希望する景品に相当する遊技価値の量、景品価値)を持玉数から減算し(S8)、端数(獲得価値から景品価値を減算した未交換価値)がある(減算により端数が生じた)か否かを判定する(S9)。POS6は、端数があると判定すると(S9:YES)、図8に示すように、その端数を記録したレシート(端玉交換券)56(記録媒体に相当)をプリンタ49から発行する(S10)。このとき、POS6から発行されるレシート56には、単価(単価情報)に対応する端数と共に、その端数で交換可能な端数景品が陳列されている棚の色(未交換価値で交換可能な端数景品が陳列されている位置を示す位置情報)を知らせるメッセージが印刷されている。そして、景品交換担当者は、カードに記録されている単価毎の持玉数のうち該当する持玉数が更新された旨を確認すると、特殊景品と共に当該カードを遊技者に手渡し、上記したようにPOS6からレシート56が発行された場合にはレシート56も遊技者に手渡す。
【0035】
これ以降、遊技者は、このようにして景品交換担当者から受け取ったレシート56を持って端数景品コーナーに行き、端数景品を選ぶことになるが、そのレシート56には、端数で交換可能な端数景品が陳列されている棚の色を知らせるメッセージが印刷されているので、交換可能な景品を容易に把握することができる。図8の例示では、貸出単価が4円の端数(4円端玉)28個に対応して「“青、黄、白”の棚から選んでください!!!」のメッセージが印刷されているので、4円の端数28個で交換可能な端数景品が青色、黄色、白色の棚に陳列されている旨を容易に把握することができる。
【0036】
以上に説明したように本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
遊技者が所望の端数景品を自由に持ち帰り可能な端数景品コーナーが設けられた遊技場において、POS6は、景品交換分の玉数を持玉数から減算した端数と共に、その端数で交換可能な端数景品が陳列されている棚の色を知らせるメッセージを記録したレシート56を発行する。これにより、遊技者は端数景品コーナーにおいて端数で交換可能な端数景品が陳列されている位置を容易に把握することができる。端数景品のフリー交換方式を採用した場合でも、遊技者が交換可能な端数景品を容易に把握することができ、遊技者の混乱を未然に回避することができる。
【0037】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張したり、各変形例を上記した実施形態と組み合せたり、各変形例を組み合わせたりしても良い。
【0038】
端数で交換可能な端数景品が陳列されている棚の色を知らせる形態として、“青、黄、白”の棚から選んでください!!!」のメッセージをレシート56に印刷することに限らず、該当する色をレシート56にカラー印刷しても良い。又、端数で交換可能な端数景品が陳列されている棚(位置)を特定可能であれば、棚の色を知らせることに限らず、例えば1段目の棚、2段目の棚というように段数で知らせても良く、ブロックで区画されていれば、Aブロック、Bブロックというように区画で知らせても良い。即ち、未交換価値で交換可能な端数景品が陳列されている位置を示す位置情報は、どのような情報であっても良い。
【0039】
記録媒体の形態はレシート56に限定されず、コイン形状等どのような形態であっても良い。
各遊技機1に計数貸出ユニット2が付設されている構成に限らず、複数の遊技機1に対して1台の計数機が設置されている構成でも良く、各遊技機島に対して1台の計数機(島毎計数機)が設置されている構成でも良い。この場合、遊技者が異なる遊技機島の計数機で不正に計数しないように従業員が監視する必要がある。
遊技価値を貸し出すときの単価(貸出単価)と、景品交換するときの単価(交換単価)とを等価にしたが、等価でなくても良い。例えば貸出単価を「4円」とし、交換単価を「3円」としても良い。
遊技価値の単価は、規則で定められた範囲内で遊技場側が適宜設定する値であればどのような値であっても良い。又、単価の種類は何種類であっても良い。
遊技媒体として玉を用いるパチンコ機を例示したが、遊技媒体としてメダルを用いるスロットマシンを遊技機として設置しても良い。その場合、メダルの単価として一般に20円、10円、5円等を例示することができる。
【0040】
遊技機1は、遊技媒体を払い出さずに電子データとして加算記憶する封入式の遊技機であっても良い。
一般カード9及び会員カード10に持玉数を記録するようにしたが、一般カード9及び会員カード10に識別情報のみを記録すると共に、管理装置5が持玉数を記憶し、識別情報に基づいて管理装置5が記憶している持玉数を特定するようにしても良い。
一般カード9は原則として当日限り有効であるが、当日中に入金残高の精算をしなかった場合には例外的に翌日以降でも精算可能としても良い。
POS6が行う情報処理の一部を管理装置6や中継装置3や計数貸出ユニット2にて行っても良い。
【符号の説明】
【0041】
図面中、6はPOS(景品交換装置)、49はプリンタ(発行手段)、53は制御部(単位遊技価値設定手段、獲得価値特定手段、景品価値特定手段、未交換価値特定手段、設定手段)、56はレシート(記録媒体)である。
図1
図2
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図5
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図7
図8