(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
折り畳まれた状態の、第1側面及び第2側面が、第3側面及び第4側面に重なっているダンボール箱用シートを展開して、前記第1側面、前記第2側面、前記第3側面、及び前記第4側面が、この順番に連なった、角筒状のダンボール箱にする開函装置であって、
前記第1側面を把持する第1把持部と、
前記第4側面を把持する第2把持部を有し、前記第2把持部が前記第4側面を把持した状態で姿勢変化する第1アームと、
折り畳まれた前記ダンボール箱用シートの重なっている前記第1側面及び前記第2側面と前記第3側面及び前記第4側面との間に隙間を生じさせる初期動作と、前記ダンボール箱用シートを角筒状に形成する、前記初期動作後に行われる主動作と、が前記ダンボール箱用シートの展開動作として実行されるように、前記第1アームの動きを制御する制御部と、
を備え、
前記初期動作では前記第1アームが所定速度以下で動き、前記主動作では前記第1アームが前記所定速度より速く動き、
前記制御部は、前記ダンボール箱用シートのサイズに応じて決定される、前記初期動作の完了時の前記第1側面と前記第4側面とが成す角度に基づいて、前記第1アームの動きを制御する、
開函装置。
前記制御部は、前記初期動作の開始時には、前記第2アームを前記第1アームに対して姿勢変化させずに前記第1アームを動かし、前記初期動作の終了前に、前記第1アームを停止させて、前記第2アームを前記第1アームに対して姿勢変化させる、
請求項5に記載の開函装置。
前記制御部は、前記初期動作の終了時に、前記第1側面と前記第3側面とが平行になり、かつ、前記第2側面と前記第4側面とが平行になるように、前記第2アームの動きを制御する、
請求項4から6のいずれか1項に記載の開函装置。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一実施形態に係る開函装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一実施例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0028】
以下の説明において、上、下、前(正面)、後(背面)、左、右等の表現を使う場合があるが、これらの表現の示す方向は、特に断りの無い限り
図1、
図2に示した矢印の方向に従う。また、以下の説明において搬送方向の語を使う場合があるが、ここでの搬送方向は、特に断りの無い限り、製函箱詰めシステム100において折り畳まれた状態のダンボール箱用シートFB又はダンボール箱Bが移送される方向を意味する。また、以下の説明において上流/下流の語を使う場合があるが、ここでの上流/下流は、特に断りの無い限り、搬送方向における上流/下流を意味する。
【0029】
以下の説明において、平行、直交、水平、垂直等の表現を用いる場合があるが、これらの表現は、厳密な意味で平行、直交、水平、垂直等の関係にある場合だけを意味するものではない。平行、直交、水平、垂直等の表現は、実質的に平行、直交、水平、垂直等の関係にある場合を含むものとする。
【0030】
(1)全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る開函装置を含む製函箱詰めシステム100の概略側面図(右側面図)である。
図5は、製函箱詰めシステム100のブロック図である。本実施形態では、後述する製函サブシステム10の開函部14と、制御装置92とにより、開函装置が構成される(
図1及び
図3参照)。
【0031】
製函箱詰めシステム100は、物品を詰めるためのダンボール箱Bを形成し、形成したダンボール箱Bに物品を詰めるためのシステムである。
【0032】
製函箱詰めシステム100は、
図8A及び
図8Bに示すような平面状のダンボール箱用シートFBを展開して、角筒状のダンボール箱TBを形成する。製函箱詰めシステム100は、角筒状のダンボール箱TBに底蓋BCを形成して、
図7Aに示すようなダンボール箱Bを形成する。製函箱詰めシステム100は、形成されたダンボール箱Bに物品を詰める。ここで、平面状のダンボール箱用シートFBとは、ダンボール箱Bの上蓋及び底蓋が開放された角筒状のダンボール箱TBを折り畳んで平面状にしたものである。
【0033】
製函箱詰めシステム100は、
図1及び
図5に示すように、主として、製函サブシステム10と、箱詰め装置90と、搬送装置91と、制御装置92とを含む。
【0034】
製函サブシステム10は、ダンボール箱用シートFBを展開してダンボール箱Bを形成するシステムである。ここでは、製函サブシステム10によって実行される処理を製函処理とよぶ。箱詰め装置90は、ダンボール箱Bに物品を詰める装置である。ここでは、箱詰め装置90によって実行される処理を箱詰め処理とよぶ。搬送装置91は、物品が箱詰めされたダンボール箱Bを搬送し、製函箱詰めシステム100の外に搬出するための装置である。制御装置92は、製函サブシステム10、箱詰め装置90、及び搬送装置91を制御する装置である。
【0035】
製函箱詰めシステム100は、ダンボール箱用シートFB及びダンボール箱Bを移動させながら、製函処理及び箱詰め処理を実行する。
図1中の矢印D1〜D6は、製函箱詰めシステム100におけるダンボール箱用シートFB又はダンボール箱Bの移動方向を示す。
図1に矢印D1〜D6で示すように、ダンボール箱用シートFBは、製函サブシステム10に含まれるスタック部12、開函部14、及び底蓋形成部15を経由して、箱詰め装置90へと搬送される。
【0036】
具体的に、製函箱詰めシステム100は、スタック部12に積層されたダンボール箱用シートFBを1枚ずつ抜き取って、スタック部12の前斜め上方に位置する開函部14へダンボール箱用シートFBを移動させる(矢印D1参照)。開函部14は、スタック部12から供給されたダンボール箱用シートFBを展開して、角筒状のダンボール箱TBへと変形させる。この時、ダンボール箱用シートFBは、展開されながら前斜め下方に位置する底蓋形成部15に移動させられる(矢印D2参照)。底蓋形成部15は、角筒状のダンボール箱TBに、底蓋BCを形成する。底蓋BCが形成された角筒状のダンボール箱TB(ダンボール箱B)は、下降開始位置に向かって、前方に移動させられる(矢印D3参照)。ここで、下降開始位置とは、底蓋BCが形成された角筒状のダンボール箱TB(ダンボール箱B)を下方へ搬送する位置である。下降開始位置に搬送されたダンボール箱Bは、落下させられ、下方に位置する箱詰め装置90に供給される(矢印D4参照)。製函箱詰めシステム100は、箱詰め装置90を用いて、落下供給された開口を側方(左方)に向けたダンボール箱Bに、複数の物品を詰める。箱詰め装置90は、ダンボール箱Bに所定数量の物品を詰め終わると、右方を向いた底蓋BCが下方を向いた状態になるようダンボール箱Bを回転させる。そして、箱詰め装置90は、開口を上に向けた状態のダンボール箱Bを箱詰め装置90の下方に位置する搬送装置91へと移動させる(矢印D5参照)。その後、製函箱詰めシステム100は、搬送装置91によって、ダンボール箱Bを、後工程(製函箱詰めシステム100外)へと移動させる(矢印D6参照)。
【0037】
以下、製函箱詰めシステム100で用いられるダンボール箱B及びダンボール箱用シートFBと、製函箱詰めシステム100に含まれる製函サブシステム10及び制御装置92について詳しく説明する。
【0038】
(2)ダンボール箱及びダンボール箱用シート
図7A、
図7B、
図8A、及び
図8Bを用いて、製函箱詰めシステム100で用いられるダンボール箱B及びダンボール箱用シートFBについて説明する。
図7Aは、物品が詰め込まれるダンボール箱Bの斜視図である。
図7Bは、物品が詰め込まれるダンボール箱Bの底面図(底蓋BC側から見た図)である。
図8Aは、平面状に折り畳まれたダンボール箱Bであるダンボール箱用シートFBを、後述する第4折り目部分FP4を下方にして垂直に立てた状態で、後述する第3側面C13及び第4側面C14側から見た図である。
図8Bは、平面状に折り畳まれたダンボール箱Bであるダンボール箱用シートFBを、第4折り目部分FP4を下方にして垂直に立てた状態で、側方側(後述する底蓋側フラップC31〜C34の配置される開口側)から見た図である。
【0039】
(2−1)ダンボール箱
ダンボール箱Bは、
図7A又は
図7Bに示すように、角筒部TPと、上蓋側フラップC21〜C24,底蓋側フラップC31〜C34と、を主に有する。角筒部TPは、ダンボール箱Bの側面を構成する部分(側面部)である。角筒部TPは、
図7Aに示すように、第1側面C11、第2側面C12、第3側面C13、及び第4側面C14を有する。第1側面C11、第2側面C12、第3側面C13、及び第4側面C14は、この順番に環状に連なっている。
【0040】
角筒部TPは、第1折り目部分FP1、第2折り目部分FP2、第3折り目部分FP3、及び第4折り目部分FP4を有する(
図7A参照)。第1折り目部分FP1は、第1側面C11と第2側面C12との境界に設けられる。第2折り目部分FP2は、第2側面C12と第3側面C13との境界に設けられる。第3折り目部分FP3は、第3側面C13と第4側面C14との境界に設けられる。第4折り目部分FP4は、第4側面C14と第1側面C11との境界に設けられる。各折り目部分FP1〜FP4を挟んで隣接する二つの側面は、それぞれ直交している。また、角筒部TPの第1側面C11と第3側面C13とは平行であり、第2側面C12と第4側面C14とは平行である。第3側面C13の長さ(第2折り目部分FP2と第3折り目部分FP3との距離)は、長さL1である。また、第3側面C13と対向する第1側面C11の長さも、長さL1である。第4側面C14の長さ(第3折り目部分FP3と第4折り目部分FP4との距離)は、長さL2である。また、第4側面C14と対向する第2側面C12の長さも、長さL2である。
【0041】
上蓋側フラップC21〜C24は、折り込まれてダンボール箱Bの上蓋となるフラップである。底蓋側フラップC31〜C34は、折り込まれてダンボール箱Bの底蓋BCとなるフラップである。底蓋BCを下に向けた状態のダンボール箱Bにおいて、第1側面C11の上端から上蓋側フラップC21が延び、第1側面C11の下端から底蓋側フラップC31が延びる。底蓋BCを下に向けた状態のダンボール箱Bにおいて、第2側面C12の上端から上蓋側フラップC22が延び、第2側面C12の下端から底蓋側フラップC32が延びる。底蓋BCを下に向けた状態のダンボール箱Bにおいて、第3側面C13の上端から上蓋側フラップC23が延び、第3側面C13の下端から底蓋側フラップC33が延びる。底蓋BCを下に向けた状態のダンボール箱Bにおいて、第4側面C14の上端から上蓋側フラップC24が延び、第4側面C14の下端から底蓋側フラップC34が延びる。
【0042】
底蓋側フラップC31〜C34は、後述する製函サブシステム10の底蓋形成部15により、
図7Bに示すように隣接するフラップと重なるように折り込まれてダンボール箱Bの底蓋BCとなる。上蓋側フラップC21〜C24は、本実施形態に係る製函箱詰めシステム100の後工程において、底蓋側フラップC31〜C34と同様に、隣接するフラップと重なるように折り込まれてダンボール箱Bの上蓋となる。
【0043】
なお、ここでは、底蓋側フラップC31〜C34及び上蓋側フラップC21〜C24は、それぞれ隣接するフラップと重なるように折り込まれてダンボール箱Bの蓋となるが、これに限定されるものではない。例えば、底蓋側フラップC31及び底蓋側フラップC33の外側に、底蓋側フラップC32及び底蓋側フラップC34が重なるように折られ、更に底蓋側フラップC32及び底蓋側フラップC34の境界部にテープを貼付することで、底蓋BCが形成されてもよい。また、上蓋側フラップC21及び上蓋側フラップC23の外側に、上蓋側フラップC22及び上蓋側フラップC24が重なるように折られ、更に上蓋側フラップC22及び上蓋側フラップC24の境界部にテープを貼付することで、上蓋が形成されてもよい。
【0044】
本実施形態では、ダンボール箱Bは、底蓋BCだけが形成され、上蓋が形成される前の状態のダンボール箱を指す。
【0045】
(2−2)ダンボール箱用シート
ダンボール箱用シートFBは、角筒状のダンボール箱TBが、平面状に折り畳まれたものである(
図8A及び
図8B参照)。
【0046】
角筒状のダンボール箱TBとは、底蓋BC及び上蓋が形成される前のダンボール箱を意味する。角筒状のダンボール箱TBは、上蓋及び底蓋BCが開放されているため、両端に開口を有する。角筒状のダンボール箱TBの角筒部TPの形状は、ダンボール箱Bの角筒部TPの形状と同じである。つまり、角筒状のダンボール箱TBにおいても、各折り目部分FP1〜FP4を挟んで隣接する二つの側面は、それぞれ直交している。また、角筒状のダンボール箱TBにおいても、第1側面C11と第3側面C13とは平行であり、第2側面C12と第4側面C14とは平行である。
【0047】
ダンボール箱用シートFBは、
図8A及び
図8Bに示すように、対向する2つの折り目部分(第2折り目部分FP2及び第4折り目部分FP4)に沿って、角筒部TPが大きく折り曲げられた状態にある。ダンボール箱用シートFBは、第2折り目部分FP2及び第4折り目部分FP4を挟んで隣接する2つの面によって形成される角度が、それぞれ、ほぼ0°になるように折り曲げられている(
図8B参照)。つまり、ダンボール箱用シートFBは、第2側面C12の内壁と第3側面C13の内壁とが近接するように第2折り目部分FP2に沿って折り曲げられている。また、ダンボール箱用シートFBは、第4側面C14の内壁と第1側面C11の内壁とが近接するように第4折り目部分FP4に沿って折り曲げられている。
【0048】
また、ダンボール箱用シートFBは、第1折り目部分FP1及び第3折り目部分FP3を挟んで隣接する2つの面よって形成される角度が、それぞれほぼ180°になるように折り曲げられている(
図8B参照)。ダンボール箱用シートFBでは、第1側面C11の内壁と第2側面C12の内壁とが離反するように、第1折り目部分FP1が開かれた状態にある。ダンボール箱用シートFBでは、第3側面C13の内壁と第4側面C14の内壁とが離反するように、第3折り目部分FP3が開かれた状態にある。
【0049】
ダンボール箱用シートFBでは、第1側面C11及び第2側面C12が、第3側面C13及び第4側面C14に重なっている。
【0050】
言い換えれば、ダンボール箱用シートFBでは、第1側面C11及び第2側面C12は、同一仮想平面上(この平面を第1仮想平面と呼ぶ)に配置され、第3側面C13及び第4側面C14は、第1仮想平面と平行で、第1仮想平面と近接する同一仮想平面上(この平面を第2仮想平面と呼ぶ)に配置される。なお、ここで、2つの側面が同一仮想平面上に配置されるとは、厳密に同一仮想平面上に配置される場合だけではなく、実質的に同一仮想平面上に配置される場合を含む。また、第1仮想平面と第2仮想平面とが平行であるとは、厳密に両仮想平面が平行である場合だけではなく、実質的に平行な場合を含む。また、第1仮想平面と第2仮想平面とが隣接するとは、両仮想平面が接触している、又は、ほとんど隙間なく並んだ状態を意味する。
【0051】
なお、折り畳まれたダンボール箱用シートFBでは、第1側面C11と、上蓋側フラップC21と、底蓋側フラップC31とは、同一仮想平面上に配置される。また、折り畳まれたダンボール箱用シートFBでは、第2側面C12と、上蓋側フラップC22と、底蓋側フラップC32とは、同一仮想平面上に配置される。つまり、第1及び第2側面C11,C12と、上蓋側フラップC21,C22と、底蓋側フラップC31,C32とは、同一仮想平面上(前述の第1仮想平面上)に配置される。
【0052】
また、折り畳まれたダンボール箱用シートFBでは、第3側面C13と、上蓋側フラップC23と、底蓋側フラップC33とは、同一仮想平面上に配置される。また、折り畳まれたダンボール箱用シートFBでは、第4側面C14と、上蓋側フラップC24と、底蓋側フラップC34とは、同一仮想平面上に配置される。つまり、第3及び第4側面C13,C14と、上蓋側フラップC23,C24と、底蓋側フラップC33,C34とは、同一仮想平面上(前述の第2仮想平面上)に配置される。
【0053】
本実施形態に係る製函箱詰めシステム100では、第2折り目部分FP2がダンボール箱用シートFBの上方端部となり、第4折り目部分FP4がダンボール箱用シートFBの下方端部となるような姿勢で、ダンボール箱用シートFBが後述する製函サブシステム10のスタック部12に戴置される。また、本実施形態に係る製函箱詰めシステム100では、ダンボール箱用シートFBの第1側面C11及び第2側面C12が後方側に配置され、ダンボール箱用シートFBの第3側面C13及び第4側面C14が前方側に配置されるよう、スタック部12に戴置される。
【0054】
(3)製函サブシステム
製函サブシステム10は、平面状のダンボール箱用シートFBを展開して角筒状のダンボール箱TBにし、更に底蓋BCを形成することでダンボール箱Bを作るシステムである。製函サブシステム10は、製函箱詰めシステム100において、箱詰め装置90よりも、搬送方向の上流側に配置されている。製函サブシステム10は、主として、スタック部12と、移送部13と、開函部14と、底蓋形成部15とを有する。
【0055】
以下に、製函サブシステム10の各構成について詳細に説明する。
【0056】
(3−1)スタック部
スタック部12は、立てられた状態のダンボール箱用シートFBを貯留するユニットである。立てられた状態のダンボール箱用シートFBとは、第2折り目部分FP2がダンボール箱用シートFBの上端部となり、第4折り目部分FP4がダンボール箱用シートFBの下端部となるような姿勢のダンボール箱用シートFBを意味する。スタック部12には、ダンボール箱用シートFBが搬送方向(矢印D1参照)に平行に延びるような姿勢で、ダンボール箱用シートFBが戴置される。スタック部12には、ダンボール箱用シートFBが積層された状態で(ダンボール箱用シートFBの第1側面C11及び第2側面C12側と、そのダンボール箱用シートFBの後方側に隣接して配置されるダンボール箱用シートFBの第3側面C13及び第4側面C14とが隣接した状態で)、多数貯留される。スタック部12は、貯留された多数のダンボール箱用シートFBを前方に移動させるユニットとしても機能する。
【0057】
スタック部12は、製函サブシステム10において、最も上流側に位置する。また、スタック部12は、製函サブシステム10において、最も低い位置に設けられている。スタック部12に積層された多数のダンボール箱用シートFBは、移送部13によって、前方側に配置されているダンボール箱用シートFBから順番に、一枚ずつ、上方位置に設けられた開函部14に移動させられる。
【0058】
スタック部12は、戴置部21と、後方プレート24と、を主に有する(
図2参照)。
【0059】
戴置部21には、立てられた状態のダンボール箱用シートFBが戴置される。戴置部21には、ダンボール箱用シートFBが積層された状態で貯留される。戴置部21は、図示しない駆動機構により駆動されるローラ212と、ローラ212に巻き掛けられた無端ベルト213とを、主に有する(
図2参照)。後述する移送部13によって、最前方のダンボール箱用シートFBが開函部14へと移動させられると、ローラ212が駆動機構により駆動され、無端ベルト213によって戴置部21上のダンボール箱用シートFBが前方へと移動させられる。
【0060】
後方プレート24は、戴置部21に積層されている多数のダンボール箱用シートFBを後方から押さえる部材である。後方プレート24は、戴置部21に戴置された最後尾に位置するダンボール箱用シートFBに、後方側から一定の力を加える。後方プレート24は、戴置部21に戴置されたダンボール箱用シートFBが減少すると、次第に前方側に移動する。
【0061】
(3−2)移送部
移送部13は、スタック部12に積層された複数のダンボール箱用シートFBから先頭の(最前方の)ダンボール箱用シートFBを順次抜き取って移送し、開函部14へと供給するユニットである。移送部13は、スタック部12の下流に配置されている。移送部13は、スタック部12に積層された先頭の(最前方の)ダンボール箱用シートFBの第3側面C13及び第4側面C14側に配置されている。
【0062】
移送部13は、離反機構31と、上方移送機構32と、を主に有する(
図2参照)。
【0063】
離反機構31は、前後方向に移動可能な前後可動吸盤311を主に有する(
図2参照)。離反機構31の前後可動吸盤311は、移送するダンボール箱用シートFBの第3側面C13の一部分を吸着可能に構成されている。離反機構31では、図示しない駆動機構により前後可動吸盤311が前方へと移動させられることで、前後可動吸盤311に吸着されたダンボール箱用シートFBが、スタック部12の戴置部21に戴置された、隣接するダンボール箱用シートFBから引き離される。
【0064】
上方移送機構32は、上下方向に移動可能な上下可動吸盤321と、上下方向に移動可能な爪部(図示せず)と、を主に有する(
図2参照)。上下可動吸盤321は、離反機構31により隣接するダンボール箱用シートFBから引き離された、移送される(移送対象の)ダンボール箱用シートFBの第4側面C14の一部分を吸着可能に構成されている。図示しない爪部は、離反機構31により隣接するダンボール箱用シートFBから引き離された、移送される(移送対象の)ダンボール箱用シートFBの下端部に下方から接触するように構成されている。上方移送機構32では、図示しない駆動機構により上下可動吸盤321及び爪部が上方へと(
図1中の矢印D1の方向に)移動させられることで、ダンボール箱用シートFBが、開函部14へと引き渡される位置まで移送される。
【0065】
(3−3)開函部
開函部14は、折り畳まれた状態の、第1側面C11及び第2側面C12が、第3側面C13及び第4側面C14に重なっているダンボール箱用シートFBを展開して、角筒状のダンボール箱TBにするユニットである。言い換えると、開函部14は、移送部13から受け渡されたダンボール箱用シートFBを、平面状から角筒状に変形するユニットである。開函部14は、
図1及び
図2に示すように、移送部13の上方に設けられる。開函部14は、
図1の矢印D1で示すように下方から移送されてきたダンボール箱用シートFBを受け取って、ダンボール箱用シートFBの展開動作を行う。
【0066】
開函部14は、
図3に示すように、主として、後面把持機構41と、前面把持機構42と、第1移動機構43と、第2移動機構44と、第3移動機構45と、第4移動機構46とを有する。
【0067】
後面把持機構41は、上部吸盤41aと、下部吸盤41bとを含む(
図3参照)。上部吸盤41aは、移送部13により移送されてきたダンボール箱用シートFBの、後面上方側の側面(第2側面C12)を把持する(
図6A参照)。下部吸盤41bは、移送部13により移送されてきたダンボール箱用シートFBの、後面下方側の側面(第1側面C11)を把持する(
図6A参照)。下部吸盤41bは、第1側面C11を把持する第1把持部の一例である。
【0068】
前面把持機構42は、第1メインアーム側吸盤42aと,第2メインアーム側吸盤42bと、メインアーム側補助吸盤48と、サブアーム側吸盤47とを含む(
図3参照)。第1メインアーム側吸盤42a及び第2メインアーム側吸盤42bは、移送部13により移送されてきたダンボール箱用シートFBの、前面下方側の側面(第4側面C14)を把持する(
図6A参照)。第1メインアーム側吸盤42a及び第2メインアーム側吸盤42bは、第4側面C14を把持する第2把持部の一例である。メインアーム側補助吸盤48も、移送部13により移送されてきたダンボール箱用シートFBの、前面下方側の側面(第4側面C14)を把持する。サブアーム側吸盤47は、移送部13により移送されてきたダンボール箱用シートFBの、前面上方側の側面(第3側面C13)を把持する(
図6A参照)。サブアーム側吸盤47は、第3側面C13を把持する第3把持部の一例である。
【0069】
上部吸盤41aは、第1移動機構43によって移動可能に支持されている。下部吸盤41bは、第2移動機構44によって移動可能に支持されている。第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48は、第3移動機構45によって移動可能に支持されている。また、後述する第3移動機構45のメインアーム45aには、サブアーム側吸盤47を支持する第4移動機構46のサブアーム46aが連結されている。つまり、サブアーム側吸盤47も第3移動機構45によって移動可能に支持されている。さらに、サブアーム側吸盤47は、第4移動機構46によって移動可能に支持されている。
【0070】
(3−3−1)後面把持機構、第1移動機構、及び第2移動機構
(a)後面把持機構
後面把持機構41は、吸着器である。後面把持機構41は、上部吸盤41a及び下部吸盤41bを含む。上部吸盤41a及び下部吸盤41bは、図示しない真空ポンプ等を用いて吸引面が負圧にされると、吸着動作を行う。上部吸盤41aは、下部吸盤41bの上方に配置されている。なお、ここでは、上部吸盤41aおよび下部吸盤41bは、それぞれ1つであるが、吸盤の数は1つに限定されるものではなく、上部吸盤41aおよび下部吸盤41bは、それぞれ複数存在してもよい。
【0071】
上部吸盤41aは、移送部13により移送されてくるダンボール箱用シートFBの後面側上方に配置される第2側面C12を把持する。言い換えれば、上部吸盤41aは、第1折り目部分FP1よりも上方に位置するダンボール箱用シートFBの第2側面C12を吸着する。上部吸盤41aは、好ましくは、第2側面C12のうち、第1折り目部分FP1の近傍を吸着する。
【0072】
下部吸盤41bは、移送部13により移送されてくるダンボール箱用シートFBの後面側下方に配置される第1側面C11を把持する。言い換えれば、下部吸盤41bは、第1折り目部分FP1よりも下方に位置するダンボール箱用シートFBの第1側面C11を吸着する。下部吸盤41bは、好ましくは、第1側面C11のうち、第1折り目部分FP1の近傍を吸着する。
【0073】
上部吸盤41aは、後述する吸着位置で、第2側面C12の吸着動作(把持動作)を行う。下部吸盤41bは、後述する展開開始位置で第1側面C11の吸着動作(把持動作)を開始し、その後、後述する展開動作の主動作の開始後、主動作の終了前の所定のタイミングまで吸着動作を継続する。
【0074】
(b)第1移動機構
第1移動機構43は、上部吸盤41aを前後方向に移動可能な状態で支持する機構である。第1移動機構43は、主として、上方支持部43aと、第1駆動部43bとを有する(
図2、
図3、及び
図5参照)。上方支持部43aは、第1駆動部43bと接続され、第1駆動部43bにより駆動される。第1駆動部43bは、限定されるものではないが、例えばエアシリンダである。
【0075】
第1駆動部43bは、
図2に示すように、製函箱詰めシステム100の枠体99に取り付けられている。枠体99は、製函箱詰めシステム100の骨組みとなる枠体のうち、最も高い位置に配置されている。
【0076】
上方支持部43aは、上部吸盤41aを前後方向に移動可能に支持する。上方支持部43aは、第1駆動部43bによって駆動されることで、支持している上部吸盤41aを前後方向に移動させる。
【0077】
上方支持部43aは、上部吸盤41aを、待機位置と、吸着位置と、の間で移動可能に支持する。
【0078】
上部吸盤41aの待機位置は、上部吸盤41aの吸着位置よりも後方に位置する。上部吸盤41aの待機位置は、上部吸盤41aがダンボール箱用シートFBの第2側面C12を吸着しない時に、上部吸盤41aが待機する位置である。上部吸盤41aの吸着位置は、移送部13によって移送されてくるダンボール箱用シートFBを上部吸盤41aが受け取る位置である。上部吸盤41aは、吸着位置で、ダンボール箱用シートFBの第2側面C12に接触し、第2側面C12を吸着する。上方支持部43aは、吸着位置に移動させられた上部吸盤41aの吸着面が、移送部13から送られたダンボール箱用シートFBの第2側面C12と平行になるように上部吸盤41aを支持する。
【0079】
上方支持部43aは、第1駆動部43bによって駆動されることで、上部吸盤41aを前進させ、上部吸盤41aを、待機位置から吸着位置に移動させる。また、上方支持部43aは、第1駆動部43bによって駆動されることで、上部吸盤41aを後退させ、上部吸盤41aを、吸着位置から待機位置に移動させる。
【0080】
上方支持部43aは、開函部14が後述する展開動作を開始するまで、ダンボール箱用シートFBの第2側面C12に吸着した上部吸盤41aを、吸着位置で支持する。その後、上部吸盤41aが第2側面C12の把持を解除し、開函部14の展開動作の開始前に、第1駆動部43bによって駆動される上方支持部43aは、吸着位置に配置されていた上部吸盤41aを待機位置へと移動させる。
【0081】
(c)第2移動機構
第2移動機構44は、下部吸盤41bを前後方向及び上下方向に移動可能に支持する機構である。第2移動機構44は、主として、下方支持部44aと、第2駆動部44bとを有する(
図3及び
図5参照)。下方支持部44aは、第2駆動部44bと接続され、第2駆動部44bにより駆動される。第2駆動部44bは、限定されるものではないが、例えばエアシリンダである。下方支持部44aは、上方支持部43aよりも低い位置で、下部吸盤41bを支持する。
【0082】
下方支持部44aは、下部吸盤41bを前後方向及び上下方向に移動可能に支持する。下方支持部44aは、第2駆動部44bによって駆動されることで、支持している下部吸盤41bを前後方向に移動させる。下部吸盤41bは、下部吸盤41bがダンボール箱用シートFBの第1側面C11に吸着した状態で、ダンボール箱用シートFBが動かされる(ダンボール箱用シートFBの展開動作が行われる)場合には、ダンボール箱用シートFBの動きに追従して移動する。下方支持部44aは、下部吸盤41bがダンボール箱用シートFBの動きに追従して移動している時にも、下部吸盤41bを支持する。
【0083】
下方支持部44aは、下部吸盤41bを、待機位置と展開開始位置との間、及び、展開開始位置と把持解除位置との間で移動可能に支持する。
【0084】
下部吸盤41bの待機位置は、下部吸盤41bの展開開始位置より後方に位置する。下部吸盤41bの待機位置は、下部吸盤41bがダンボール箱用シートFBの第1側面C11を吸着しない時に、下部吸盤41bが待機する位置である。下部吸盤41bの展開開始位置は、移送部13によって移送されてくるダンボール箱用シートFBを下部吸盤41bが受け取る位置である。下部吸盤41bは、展開開始位置で、ダンボール箱用シートFBの第1側面C11に接触し、第1側面C11を吸着する。また、下部吸盤41bの展開開始位置は、開函部14の展開動作開始時に、下部吸盤41bが配置される位置でもある。下方支持部44aは、展開開始位置に移動させられた下部吸盤41bの吸着面が、移送部13から送られたダンボール箱用シートFBの第1側面C11と平行になるように下部吸盤41bを支持する。
【0085】
下方支持部44aは、第2駆動部44bによって駆動されることで、下部吸盤41bを前進させ、下部吸盤41bを、待機位置から展開開始位置に移動させる。また、下方支持部44aは、第2駆動部44bによって駆動されることで、下部吸盤41bを後退させ、下部吸盤41bを、展開開始位置から待機位置に移動させる。
【0086】
下部吸盤41bは、上述したように、開函部14が後述する展開動作を開始しても、所定のタイミングまでダンボール箱用シートFBの第1側面C11に吸着している。下方支持部44aに支持される下部吸盤41bは、下方支持部44aに支持されながら、ダンボール箱用シートFBの動きに追従して前後左右に移動する。下部吸盤41bは、展開開始位置から、下部吸盤41bが第1側面C11の把持を解除する位置(把持解除位置)まで移動する。下部吸盤41bが第1側面C11の把持を解除した後、下部吸盤41bは、待機位置へと戻される。
【0087】
(3−3−2)前面把持機構、第3移動機構、及び第4移動機構
(a)前面把持機構
前面把持機構42は、吸着器である。前面把持機構42は、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、メインアーム側補助吸盤48、及びサブアーム側吸盤47を含む(
図3参照)。第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、メインアーム側補助吸盤48、及びサブアーム側吸盤47は、図示しない真空ポンプ等を用いて吸引面が負圧にされると、吸着動作を行う。なお、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、メインアーム側補助吸盤48、及びサブアーム側吸盤47の数は、図示された個数に限定されるものではなく、適宜決定されればよい。また、第1メインアーム側吸盤42a及び第2メインアーム側吸盤42bは、両方設けられることが好ましいが、一方が省略されてもよい。
【0088】
第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b及びメインアーム側補助吸盤48は、後述する第3移動機構45の、回転軸45c周りを回動可能なメインアーム45aに固定されている(
図3参照)。メインアーム45aは、回転軸45c周りを回動することで姿勢変化する(
図6A〜
図6F参照)。後述する展開開始位置に配置された第1メインアーム側吸盤42aは、後述する展開開始位置に配置された第2メインアーム側吸盤42bの上方に位置する(
図6A参照)。また、後述する待機位置(展開完了位置)に配置された第1メインアーム側吸盤42aは、後述する待機位置(展開完了位置)に配置された第2メインアーム側吸盤42bの前方に位置する(
図3参照)。
【0089】
第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b及びメインアーム側補助吸盤48は、移送部13により移送されてくるダンボール箱用シートFBの前面側下方に配置される、第4側面C14を把持する(
図6A参照、なお、
図6A〜
図6Fではメインアーム側補助吸盤48は描画を省略している)。言い換えれば、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b及びメインアーム側補助吸盤48は、後述する展開開始位置において、第3折り目部分FP3よりも下方に位置するダンボール箱用シートFBの第4側面C14を吸着する(
図6A参照)。第1メインアーム側吸盤42aは、好ましくは、第4側面C14のうち、第3折り目部分FP3の近傍を吸着する。第2メインアーム側吸盤42bは、第4側面C14のうち、第1メインアーム側吸盤42aによって吸着される部分よりも下側を吸着する(
図6A参照)。メインアーム側補助吸盤48は、第4側面C14の、第1メインアーム側吸盤42a又は第2メインアーム側吸盤42bが把持する部分の近傍を把持する。
【0090】
サブアーム側吸盤47は、後述する第4移動機構46の、回転軸46c周りを回動可能なサブアーム46aに固定されている(
図3参照)。サブアーム46aは、後述する第3移動機構45のメインアーム45aの端部に設けられた回転軸46c周りを回動可能に取り付けられている。サブアーム46aは、回転軸46c周りを回動することで、メインアーム45aに対して姿勢変化する(
図6B〜
図6F参照)。後述する展開開始位置に配置されたサブアーム側吸盤47は、後述する展開開始位置に配置された第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48の上方に位置する(
図6A参照)。また、後述する待機位置に配置されたサブアーム側吸盤47は、後述する待機位置に配置された第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48の前方に位置する(
図3参照)。
【0091】
サブアーム側吸盤47は、移送部13により移送されてくるダンボール箱用シートFBの前面側上方に配置される、第3側面C13を把持する(
図6A参照)。言い換えれば、サブアーム側吸盤47は、後述する展開開始位置において、第3折り目部分FP3よりも上方に位置するダンボール箱用シートFBの第3側面C13を吸着する。
【0092】
第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、メインアーム側補助吸盤48、及びサブアーム側吸盤47は、後述する展開開始位置で吸引動作(把持動作)を開始する。その後、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、メインアーム側補助吸盤48、及びサブアーム側吸盤47は、少なくとも後述する展開完了位置に移動するまで吸引動作を継続する。
【0093】
(b)第3移動機構
第3移動機構45は、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48を移動可能に支持する機構である。第3移動機構45は、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b及びメインアーム側補助吸盤48を揺動させて位置を変化させる。
【0094】
第3移動機構45は、主として、メインアーム45aと、第3駆動部45bと、回転軸45cとを有する(
図3及び
図5参照)。
【0095】
メインアーム45aは、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48が後述する待機位置(展開完了位置)に配置された状態で、前後方向に延びる部材である。第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48は、メインアーム45aに、メインアーム45aの延びる方向に沿って取り付けられている(
図3参照)。メインアーム45aは、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48が待機位置に配置された状態で、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48の吸着面が、上方を向くように第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48を支持する。また、メインアーム45aは、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48が後述する展開開始位置に配置された状態で、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48の吸着面が、移送部13に移送されたダンボール箱用シートFBの第4側面C14と平行になるように第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48を支持する。
【0096】
回転軸45cは、メインアーム45aを回動させるための軸である。回転軸45cは、
図3に示すように、下部吸盤41bよりも低い位置に設けられている。回転軸45cは、メインアーム45aの後方側の端部近傍に設けられている。回転軸45cは、左右方向に延びる。第3駆動部45bは、メインアーム45aが回転軸45cを中心に弧を描くように、右側面視において時計回り/反時計回りにメインアーム45aを回動させる。第3駆動部45bは、限定されるものではないが、例えばサーボモータである。メインアーム45aは、第3駆動部45bによって駆動されることで姿勢変化する(
図6A〜
図6F参照)。言い換えれば、メインアーム45aは、第3駆動部45bによって駆動されることで、右側面視において、水平方向に対する傾きが変化する(
図6A〜
図6F参照)。第3移動機構45は、メインアーム45aを回動させることにより、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48を、待機位置(展開完了位置)と展開開始位置との間で移動させる。
【0097】
ここで、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48の待機位置とは、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48が、移送部13によるダンボール箱用シートFBの移送中等に待機する位置である。第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48の展開完了位置とは、開函部14が展開動作を完了した時に、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48が配置される位置である。なお、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48の、待機位置及び展開完了位置は同じ位置である(
図3及び
図4参照)。第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48が、待機位置及び展開完了位置に配置される時、メインアーム45aは前後方向に水平に延びた状態にある。第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48が、待機位置(展開完了位置)に配置される時、メインアーム45aは、回転軸45cとほぼ同じ高さ位置で前後方向に延びる。待機位置(展開完了位置)において、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48は、上述の上部吸盤41a及び下部吸盤41bよりも低い位置にある。
【0098】
第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48の展開開始位置は、開函部14が展開動作を開始する際に、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48が配置される位置である。第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48が、展開開始位置に配置される時、メインアーム45aは、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48が待機位置に配置される時に比べ、右側面視において(
図3の側面図と同方向から見た時に)、回転軸45cに対して反時計方向に回動した状態にある。第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48が、展開開始位置に配置される時、メインアーム45aは、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48が、待機位置に配置される時に比べ、右側面視において、回転軸45cに対して反時計方向に約90°回動した状態にある。メインアーム45aが、第3駆動部45bにより回転軸45c周りを回動させられることにより、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b及びメインアーム側補助吸盤48は、展開開始位置と展開完了位置(待機位置)との間を移動する。展開開始位置において、メインアーム45aに取り付けられた第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48は、ダンボール箱用シートFBの第4側面C14に接触し、第4側面C14を吸着(把持)する。第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48が、展開開始位置に配置される時、メインアーム45aは、回転軸45cを基準として前斜め上方に延びる。展開開始位置にある第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48は、待機位置にある第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b及びメインアーム側補助吸盤48よりも、高い位置にある。
【0099】
なお、第3移動機構45は、メインアーム45aに対して姿勢変化可能に連結されたサブアーム46aに固定されたサブアーム側吸盤47を移動可能に支持する機構でもある。第3移動機構45は、サブアーム側吸盤47を揺動させて位置を変化させる。
【0100】
(c)第4移動機構
第4移動機構46は、サブアーム側吸盤47を移動可能に支持する機構である。第4移動機構46は、サブアーム側吸盤47を揺動させて位置を変化させる。
【0101】
第4移動機構46は、主として、サブアーム46aと、第4駆動部46bと、回転軸46cとを有する(
図3及び
図5参照)。
【0102】
サブアーム46aは、メインアーム45aの揺動側の端部(メインアーム45aの回転軸45c側とは反対側の端部)に取り付けられた回転軸46c周りを回動可能に構成されている。回転軸46cは、サブアーム46aを回動させるための軸である。回転軸46cは左右方向に延びる。第4駆動部46bは、サブアーム46aが回転軸46cを中心に弧を描くように、右側面視において時計回り/反時計回りにサブアーム46aを回動させる。第4駆動部46bは、限定されるものではないが、例えばエアシリンダである。サブアーム46aは、第4駆動部46bによって駆動されることで、メインアーム45aに対して姿勢変化する(
図6B〜
図6F参照)。言い換えれば、サブアーム46aは、第4駆動部46bによって駆動されることで、右側面視において、メインアーム45aに対する傾きが変化する(
図6B〜
図6F参照)。サブアーム46aは、メインアーム45aに対して第1姿勢と第2姿勢との間で姿勢変化可能に連結されている。
【0103】
サブアーム46aは、メインアーム45aに対して第1姿勢にある時に、メインアーム45aの延びる方向と同方向に延びる。一方、サブアーム46aは、メインアーム45aに対して第2姿勢にある時に、メインアーム45aの延びる方向と直交する方向に延びる。サブアーム側吸盤47は、サブアーム46aの延びる方向に沿って2つ取り付けられている(
図3参照)。
【0104】
サブアーム側吸盤47は、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48が、待機位置にあり、サブアーム46aがメインアーム45aに対して第1姿勢にある時に、サブアーム側吸盤47の吸着面が、上方を向くようにサブアーム側吸盤47を支持する。なお、この時のサブアーム側吸盤47の位置を、サブアーム側吸盤47の待機位置と呼ぶ。
【0105】
サブアーム側吸盤47は、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48が、展開完了位置にあり、サブアーム46aがメインアーム45aに対して第2姿勢にある時に、サブアーム側吸盤47の吸着面が、後方を向くようにサブアーム側吸盤47を支持する。なお、この時のサブアーム側吸盤47の位置を、サブアーム側吸盤47の展開完了位置と呼ぶ。
【0106】
サブアーム側吸盤47は、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48が、展開開始位置にあり、サブアーム46aがメインアーム45aに対して第1姿勢にある時に、サブアーム側吸盤47の吸着面が、移送部13に移送されたダンボール箱用シートFBの第3側面C13と平行になるようにサブアーム側吸盤47を支持する。なお、この時のサブアーム側吸盤47の位置を、サブアーム側吸盤47の展開開始位置と呼ぶ。
【0107】
メインアーム45aが、待機位置から展開開始位置に第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48を移動させる際、サブアーム46aは第1姿勢を取る。つまり、メインアーム45aが、待機位置から展開開始位置に第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48を移動させる際、メインアーム45aとサブアーム46aとは直線状に延びる。その後、開函部14が展開動作を行うため、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48が展開開始位置から展開完了位置へと移動する際、展開動作開始時(後述する初期動作開始時)から初期動作中にメインアーム45aの動きが停止させられるまでは、サブアーム46aはメインアーム45aに対して第1姿勢を取ることが好ましい。初期動作中のメインアーム45aの停止後に、サブアーム46aが第4駆動部46bにより回転軸46c周りを回転させられて、サブアーム46aの姿勢が、メインアーム45aから直線上に延びる第1姿勢から、メインアーム45aに直交する方向に延びる第2姿勢へと連続的に変化させられることが好ましい。なお、サブアーム46aの動きは、初期動作の終了時に、第1側面C11と第3側面C13とが平行になり、かつ、第2側面C12と第4側面C14とが平行になるように、適切なタイミングで制御されることが好ましい。また、メインアーム45a及びサブアーム46aの動きは、主動作中にも、第1側面C11と第3側面C13とが平行になり、かつ、第2側面C12と第4側面C14とが平行になるように、適切なタイミング及び速度(回転の角速度)で制御されることが好ましい。具体的には、例えば、メインアーム45aの動作タイミング及び速度と、サブアーム46aの動作タイミングとが、後述する制御装置92により上記のように制御されることが好ましい。
【0108】
展開完了位置まで第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48が移動させられた時には、サブアーム46aはメインアーム45aに対して直交した状態となる。展開完了位置に配置された第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48は、角筒状のダンボール箱TBの第4側面C14を、展開完了位置に配置されたサブアーム側吸盤47は、角筒状のダンボール箱TBの第3側面C13を、それぞれ吸着する。
【0109】
開函部14による展開動作後に、後述する底蓋形成部15によって角筒状のダンボール箱TBに底蓋BCが形成されると、サブアーム46aのメインアーム45aに対する姿勢が、第2姿勢から第1姿勢へと変化させられる。すなわち、ダンボール箱Bが形成された後、サブアーム46aは、メインアーム45aと直線上に延びるよう、姿勢が変化させられる。
【0110】
(3−4)底蓋形成部
底蓋形成部15は、角筒状のダンボール箱TBに底蓋BCを形成するユニットである。つまり、底蓋形成部15は、角筒部TPの下側に設けられた底蓋側フラップC31〜C34を底蓋BCに変形するユニットである。底蓋形成部15は、展開完了位置にある第1メインアーム側吸盤42a及び第2メインアーム側吸盤42bの近傍に配置される。底蓋形成部15は、ダンボール箱用シートFBの展開動作が完了した位置で、角筒状のダンボール箱TBに底蓋BCを形成する。
【0111】
底蓋形成部15は、図示しないフラップ保持部とフラップ押し曲げ部とを有する。フラップ保持部は、底蓋側フラップC31〜C34の幅方向における一方側の端部(第1端部)を保持する。フラップ押し曲げ部は、底蓋側フラップC31〜C34の幅方向における他端側(第2端部)を、角筒部TPの内側に向かって押し曲げる。フラップ保持部は、フラップ押し曲げ部が底蓋側フラップC31〜C34の第2端部を押している状態で、底蓋側フラップC31〜C34の第1端部を所定期間保持した後、保持を解除する。その結果、各底蓋側フラップC31〜C34の第1端部が、隣接する底蓋側フラップC31〜C34の第2端部に重なるように折り込まれて、ダンボール箱Bの底蓋BCが形成される。
【0112】
底蓋形成部15によって底蓋BCが形成された角筒状のダンボール箱TB(ダンボール箱B)は、
図1の矢印D3で示すように、水平方向に移動させられた後、下方へ続く落下経路を通って、箱詰め装置90へと移動させられる。
【0113】
なお、底蓋形成部15は、上記のような底蓋BCを形成するものでなくてもよい。例えば、底蓋形成部15は、底蓋側フラップC31及び底蓋側フラップC33を内側に折り、次に、底蓋側フラップC32及び底蓋側フラップC34を底蓋側フラップC31及び底蓋側フラップC33の外側に重なるように折って、更に底蓋側フラップC32及び底蓋側フラップC34の境界部にテープを貼付することで、底蓋BCを形成するものでもよい。
【0114】
(4)制御装置
制御装置92は、製函サブシステム10、箱詰め装置90、及び搬送装置91を制御する装置である。制御装置92は、
図5に示すように、スタック部12、移送部13、開函部14、及び底蓋形成部15等の製函サブシステム10の各構成と電気的に接続され、各構成との間で信号の送受信を行うよう構成されている。また、制御装置92は、箱詰め装置90、及び搬送装置91と電気的に接続され、各装置との間で信号の送受信を行うよう構成されている。制御装置92は、開函装置の制御部の一例である。開函部14及び制御装置92が開函装置として機能する。
【0115】
制御装置92は、
図5に示すように、入出力部93と、記憶部94と、制御部95と、を含む。
【0116】
(4−1)入出力部
入出力部93は、限定するものではないが、例えばタッチパネルである。
【0117】
入出力部93は、製函箱詰めシステム100のオペレータが、製函箱詰めシステム100に対する指令や、製函箱詰めシステム100の運転に必要な情報を入力可能に構成された入力部として機能する。また、入出力部93は製函箱詰めシステム100の運転状況等を表示する出力部として機能する。
【0118】
入出力部93に入力される情報には、ダンボール箱用シートFBのサイズに関する情報を含む。入出力部93には、ダンボール箱用シートFBのサイズに関する情報として、ダンボール箱用シートFBの第4側面C14の長さに関する情報(長さL2に関する情報)が入力されることが好ましい。なお、第4側面C14の長さは、第2側面C12の長さと同一であるため、ダンボール箱用シートFBの第4側面C14の長さに関する情報として、ダンボール箱用シートFBの第2側面C12の長さに関する情報が入力されてもよい。第4側面C14の長さに関する情報は、例えば、長さL2の値である。また、入出力部93には、ダンボール箱用シートFBのサイズに関する情報として、ダンボール箱用シートFBの第1側面C11の長さに関する情報(長さL1に関する情報)が入力されることが好ましい。第1側面C11の長さに関する情報は、例えば、長さL1の値である。
【0119】
なお、ここでは、制御装置92は、入力部及び出力部の両方の機能を兼ねる入出力部93を有するが、これに限定されるものではない。制御装置92は、それぞれ別の構成である入力部及び出力部を有するものであってもよい。
【0120】
(4−2)記憶部
記憶部94は、例えば、ROM、RAM、及びHDD(ハードディスク)等により構成される。記憶部94には、制御部95に実行させる各種プログラムが記憶されている。また、記憶部94には、制御部95が製函箱詰めシステム100の制御を行うために必要な各種情報が記憶されている。
【0121】
なお、記憶部94は、ダンボール箱用シートFBの展開動作に関係する記憶領域として、角度情報記憶領域94aを有する。角度情報記憶領域94aには、ダンボール箱用シートFBのサイズに応じた、後述する展開動作の初期動作の完了時の第1側面C11と第4側面C14とが成す角度αの情報が記憶されている。好ましくは、角度情報記憶領域94aには、ダンボール箱用シートFBの第4側面C14の長さL2に応じた、初期動作の完了時の第1側面C11と第4側面C14とが成す角度αの情報が記憶されている。なお、ダンボール箱用シートFBの第4側面C14の長さL2と、初期動作の完了時の第1側面C11と第4側面C14とが成す角度α(第1側面C11の内面と第4側面C14の内面との成す角度α)との間には、長さL2の長さが長いほど、角度αが大きな値となる関係があることが好ましい。角度αは、長さL2の変化に対して連続的に変化するものであってもよいし、長さL2の変化に対して不連続に(段階的に)変化するものであってもよい。なお、角度αは、限定するものではないが、例えば、長さL2に応じて5°〜20°の範囲で変化する。
【0122】
(4−3)制御部
制御部95は、主としてCPUによって構成される。制御部95は、記憶部94に記憶されたプログラムを読み出して実行し、スタック部12、移送部13、開函部14、及び底蓋形成部15等の製函サブシステム10の各構成や、箱詰め装置90及び搬送装置91の制御を行う。
【0123】
開函部14の制御として、制御装置92は、開函部14においてダンボール箱用シートFBの展開動作が実行されるよう、開函部14の第1駆動部43b、第2駆動部44b、第3駆動部45b、及び第4駆動部46bの動きや、各吸盤41a,41b,42a,42b,47,48による吸着/吸着解除を制御する。制御装置92による開函部14の具体的な制御については後述する。
【0124】
なお、制御部95は、ダンボール箱用シートFBの展開動作に関係する機能部として、予備開函角度算出部95aを有する。
【0125】
予備開函角度算出部95aは、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48を展開開始位置に配置するためにメインアーム45aが配置される位置から、ダンボール箱用シートFBの展開動作の初期動作の完了までに回転させる予備開函角度θを算出する機能部である(
図6B参照)。なお、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48を展開開始位置に配置するためにメインアーム45aが配置される位置は、ダンボール箱用シートFBのサイズによらず一定である。
【0126】
予備開函角度算出部95aは、具体的には、例えば、以下のように機能する。
【0127】
まず、予備開函角度算出部95aは、入出力部93に、ダンボール箱用シートFBの第4側面C14の長さL2に関する情報(例えば長さL2の値)が入力されると、角度情報記憶領域94aを参照して、入力された情報に対応する初期動作の完了時の第1側面C11と第4側面C14とが成す角度αを決定する。
【0128】
そして、予備開函角度算出部95aは、ダンボール箱用シートFBのサイズに関する情報(例えば、長さL1の値及び長さL2の値)と、決定された角度αの値と、を用いて、決定された角度αを実現するための、メインアーム45aの予備開函角度θを算出する。例えば、予備開函角度算出部95aは、記憶部94に予め記憶された予備開函角度θを算出するための関数を用いて、予備開函角度θを算出してもよい。予備開函角度θを算出するための関数は、例えば、
図11のような形状の平行四辺形(長さL1の辺と、長さL2の辺とを有し、長さL1の辺と長さL2の辺とが成す角の1つが角度αである平行四辺形)の、図中で示した距離hをパラメータとした関数であってもよい。図中の距離hは、
図11の平行四辺形の、角度が角度αである頂点P2および頂点P4を結ぶ対角線に、頂点P3から下ろした垂線の長さである。予備開函角度算出部95aは、ダンボール箱用シートFBのサイズに関する情報に基づいて距離hを算出し、この値に基づいて予備開函角度θを算出してもよい。
【0129】
(5)開函部によるダンボール箱用シートの展開動作
開函部14によるダンボール箱用シートFBの展開動作について説明する。なお、以下で説明する動作の態様は一例であって、このような態様に限定されるものではない。
【0130】
まず、展開動作の前段階としては、制御装置92の制御部95は、移送部13を制御して、ダンボール箱用シートFBを開函部14に供給する。言い換えれば、制御部95は、上部吸盤41a及び下部吸盤41bを吸着位置まで移動させた時に、それぞれがダンボール箱用シートFBの第2側面C12及び第1側面C11を吸着可能な位置まで、移送部13の上方移送機構32によりダンボール箱用シートFBを移動させる。
【0131】
次に、制御部95は、第1駆動部43b及び第2駆動部44bを動作させ、上部吸盤41a及び下部吸盤41bを吸着位置まで移動させる。さらに、制御部95は、上部吸盤41a及び下部吸盤41bに吸着動作を実行させ、上部吸盤41a及び下部吸盤41bにより移送部13が移送してきたダンボール箱用シートFBを受け取る。
【0132】
次に、制御部95は、待機位置に配置されていた第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、メインアーム側補助吸盤48、及びサブアーム側吸盤47を、第3駆動部45bを動作させてメインアーム45aを回動させることで、展開開始位置へと移動させる。さらに、制御部95は、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、メインアーム側補助吸盤48に吸着動作を実行させ、上部吸盤41a及び下部吸盤41bにより保持されているダンボール箱用シートFBの第4側面C14を吸着させる。また、制御部95は、サブアーム側吸盤47に吸着動作を実行させ、上部吸盤41a及び下部吸盤41bにより保持されているダンボール箱用シートFBの第3側面C13を吸着させる。その後、制御部95は、上部吸盤41aの吸着動作を停止させる。
【0133】
この状態で、開函部14によるダンボール箱用シートFBの展開動作が実行される。ダンボール箱用シートFBの展開動作には、初期動作と、初期動作後に行われる主動作とを含む。
【0134】
初期動作は、折り畳まれたダンボール箱用シートFBの重なっている第1側面C11及び第2側面C12と、第3側面C13及び第4側面C14との間に隙間を生じさせるために行われる。初期動作は、第3側面C13及び第4側面C14が急速に動かされることで、第1側面C11及び第2側面C12と、第3側面C13及び第4側面C14との間の空間が周囲より低圧になって、ダンボール箱用シートFBが開きにくくなることを防止するための動作である。
【0135】
初期動作では、制御部95により第3駆動部45bが制御されて、メインアーム45aが所定速度(所定角速度ω)以下で動かされる。初期動作では、メインアーム45aは、右側面視において回転軸45c周りに時計回りに回動するように動かされる(
図6B中の矢印R1参照)。例えば、初期動作では、制御部95は、メインアーム45aを最高角速度が所定角速度ω以下になるよう動かす。本実施形態では、初期動作において、メインアーム45aは、最高角速度が所定角速度ω以下であり、かつ、主動作の開始前に一旦停止するように動かされる(
図10A参照)。
【0136】
なお、初期動作において、メインアーム45aは、主動作の開始前に一旦停止させられることが好ましいが、これに限定されるものではない。例えば、他の例では、初期動作において、制御部95は、メインアーム45aの角速度が所定角速度ωに達すると、その後、一定の角速度で(所定角速度ωで)メインアーム45aが動くよう、メインアーム45aの動きを制御してもよい(
図10B参照)。また、他の例では、初期動作において、制御部95は、メインアーム45aの角速度が最終的に所定角速度ωまで次第に増速するように、メインアーム45aの動きを制御してもよい(
図10C参照)。
【0137】
初期動作中には、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48を展開開始位置に配置するためにメインアーム45aが配置される位置から、上述の予備開函角度算出部95aが算出する予備開函角度θだけ、メインアーム45aが(右側面視において時計回りに)回動させられる(
図6B参照)。
【0138】
図10Aのように、初期動作中にメインアーム45aが、予備開函角度θだけ回動した後に停止させられる場合、メインアーム45aが停止させられたタイミングで、サブアーム46aが回転させられる。なお、サブアーム46aは、メインアーム45aが停止するタイミングと同時に回転を開始させられてもよいし、メインアーム45aが停止するタイミングよりやや遅いタイミングで、あるいは、メインアーム45aが停止するタイミングよりやや早いタイミングで回転を開始させられてもよい。サブアーム46aの動きは、初期動作の終了時に、第1側面C11と第3側面C13とが平行になり、かつ、第2側面C12と第4側面C14とが平行になるように、適切なタイミングで制御されることが好ましい。言い換えれば、初期動作の終了時には、右側面視において、ダンボール箱用シートFBは、第1側面C11と第3側面C13とが平行で、かつ、第2側面C12と第4側面C14とが平行である平行四辺形となる事が好ましい。なお、この平行四辺形の第1側面C11と第4側面C14との内角は、角度αである。
【0139】
図10Bや
図10Cのように、メインアーム45aの角速度が変化させられる場合にも、
初期動作の終了時には(例えば角速度が所定角速度ω以上となる時には)、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、及びメインアーム側補助吸盤48を展開開始位置に配置するためにメインアーム45aが配置される位置から、予備開函角度θだけメインアーム45aが回転した状態になるよう、メインアーム45aの動きは制御される。また、
図10Bや
図10Cのように、メインアーム45aの角速度が変化させられる場合にも、初期動作の終了時に、第1側面C11と第3側面C13とが平行になり、かつ、第2側面C12と第4側面C14とが平行になるように、適切なタイミングでサブアーム46aの動きが制御されることが好ましい。
【0140】
主動作は、初期動作後に行われる。主動作では、メインアーム45aが、45aが所定速度(所定角速度ω)より速く動かされる。例えば、主動作では、メインアーム45aは、最高角速度が所定角速度ωより速くなるよう動かされる。
【0141】
図9のフローチャートを用いてダンボール箱用シートFBの展開動作を説明する。なお、本実施形態では、初期動作で、メインアーム45aが、主動作の開始前に一旦停止するように動かされる(
図10A参照)。
【0142】
まず、ステップS1では、ダンボール箱用シートFBの展開動作、特に初期動作が開始される。ステップS1では、制御部95が、第1メインアーム側吸盤42a及び第2メインアーム側吸盤42bが第4側面C14を把持した状態で、第3駆動部45bを動作させてメインアーム45aを姿勢変化させる。ステップS1において、制御部95が、メインアーム45aを姿勢変化させる際には、メインアーム側補助吸盤48も第4側面C14を把持し、サブアーム側吸盤47は第3側面C13を把持した状態にある。
【0143】
制御部95は、
図10Aのようにメインアーム45aの角速度を変化させながら、初期動作の完了時の第1側面C11と第4側面C14とが成す角度が、ダンボール箱用シートFBのサイズに応じて決定される角度αになるよう、メインアーム45aの動きを制御する(
図6B参照)。初期動作の完了時の第1側面C11と第4側面C14とが成す角度αは、例えば、上述のようにダンボール箱用シートFBの第4側面C14の長さL2に応じて決定される。好ましくは、初期動作の完了時の第1側面C11と第4側面C14とが成す角度αは、上述のようにダンボール箱用シートFBの第4側面C14の長さL2が長いほど大きな値に決定される。具体的な制御としては、制御部95は、初期動作の完了時の第1側面C11と第4側面C14とが成す角度が角度αになるよう、予備開函角度算出部95aにより予め計算された予備開函角度θだけメインアーム45aを回動させる。そして、制御部95は、メインアーム45aを予備開函角度θだけ動かした時点で、メインアーム45aを一旦停止させる。
【0144】
なお、好ましくは、制御部95は、初期動作の開始時のステップS1では、サブアーム46aをメインアーム45aに対して姿勢変化させずにメインアーム45aを動かす。
【0145】
次に、ステップS2では、制御部95は、サブアーム側吸盤47が第3側面C13を把持した状態で、第4駆動部46bを動作させてサブアーム46aをメインアーム45aに対して姿勢変化させる。特にここでは、制御部95は、メインアーム45aを停止させて、サブアーム46aをメインアーム45aに対して姿勢変化させる(
図6C、
図10A参照)。サブアーム46aは、右側面視において、回転軸46c周りを反時計回りに回転させられる(
図6C中の矢印R2参照)。なお、制御部95は、本実施形態のようにメインアーム45aを停止させて、サブアーム46aをメインアーム45aに対して姿勢変化させることが好ましいが、これに限定されるものではない。メインアーム45aを動かしつつ、サブアーム46aをメインアーム45aに対して姿勢変化させてもよい。
【0146】
右側面視において、第1側面C11と第3側面C13とが平行になり、かつ、第2側面C12と第4側面C14とが平行になるタイミングで初期動作が終了し、ステップS3に移行して主動作が開始されることが好ましい。側面視において、展開中のダンボール箱用シートFBが、
図6Cのように、初期動作の終了時に平行四辺形形状になることで、主動作時にダンボール箱用シートFBに無理な力が特に作用しにくい。そのため、開函動作の失敗の発生を抑制することが容易である。
【0147】
ステップS3では、制御部95は、サブアーム46aをメインアーム45aに対して姿勢変化させながら、メインアーム45aを所定角速度ωより速い速度で動かす(
図6D参照)。
【0148】
なお、メインアーム45aの角速度が、
図10B及び
図10Cのように変化させられる場合には、既にメインアーム45aは動いているため、ステップS3で、改めてメインアーム45aを動かし始める必要はない。
【0149】
なお、展開動作の主動作には、制御部95は、第1側面C11と第3側面C13とが平行になるように、かつ、第2側面C12と第4側面C14とが平行になるように、メインアーム45a及びサブアーム46aの動き(動作を開始するタイミングや速度)を制御することが好ましい。側面視において、展開中のダンボール箱用シートFBが、
図6D,
図6Eのように平行四辺形形状になることで、主動作時にダンボール箱用シートFBに無理な力が特に作用しにくい。そのため、開函動作の失敗の発生を抑制することが容易である。
【0150】
ステップS4では、制御部95は、主動作の開始後、主動作の終了前の所定のタイミングで、下部吸盤41bの第1側面C11の把持(吸着)を解除させる(
図6E参照)。
【0151】
ステップS5では、制御部95は、サブアーム46aをメインアーム45aに対して姿勢変化させながらメインアーム45aを動かし、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、メインアーム側補助吸盤48、及びサブアーム側吸盤47を展開完了位置まで移動させる(
図6F参照)。その結果、ダンボール箱用シートFBは、角筒状のダンボール箱TBになり、ここでダンボール箱用シートFBの展開動作は終了となる。
【0152】
なお、ダンボール箱用シートFBの展開動作完了後、底蓋形成部15が、底蓋BCを形成し、ダンボール箱Bが形成されると、サブアーム46aが第2姿勢から第1姿勢へと回動させられて、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b、メインアーム側補助吸盤48、及びサブアーム側吸盤47が待機位置に配置される(なお、第1メインアーム側吸盤42a、第2メインアーム側吸盤42b及びメインアーム側補助吸盤48の展開完了位置と待機位置とは同じ位置である)。
【0153】
(6)特徴
(6−1)
上記実施形態に係る開函装置は、開函部14と、制御装置92と、から構成される。開函装置は、折り畳まれた状態の、第1側面C11及び第2側面C12が、第3側面C13及び第4側面C14に重なっているダンボール箱用シートFBを展開して、第1側面C11、第2側面C12、第3側面C13、及び第4側面C14が、この順番に連なった、角筒状のダンボール箱TBにする。開函装置は、第1把持部の一例である下部吸盤41bと、第1アームの一例であるメインアーム45aと、制御部95と、を備える。下部吸盤41bは、第1側面C11を把持する。メインアーム45aは、第4側面C14を把持する第1メインアーム側吸盤42a及び第2メインアーム側吸盤42bを有する。第1メインアーム側吸盤42a及び第2メインアーム側吸盤42bは、第2把持部の一例である。メインアーム45aは、第1メインアーム側吸盤42a及び第2メインアーム側吸盤42bが第4側面C14を把持した状態で姿勢変化する。制御装置92の制御部95は、初期動作と、初期動作後に行われる主動作と、がダンボール箱用シートFBの展開動作として実行されるように、メインアーム45aの動きを制御する。初期動作では、折り畳まれたダンボール箱用シートFBの重なっている第1側面C11及び第2側面C12と、第3側面C13及び第4側面C14との間に隙間が生じさせられる。主動作では、ダンボール箱用シートFBが角筒状に形成される。初期動作ではメインアーム45aが所定速度以下で動き、主動作ではメインアーム45aが所定速度より速く動く。制御部95は、ダンボール箱用シートFBのサイズに応じて決定される、初期動作の完了時の第1側面C11と第4側面C14とが成す角度αに基づいて、メインアーム45aの動きを制御する。
【0154】
ここでは、ダンボール箱用シートFBのサイズに応じて決定される、初期動作の完了時の第1側面C11と第4側面C14とが成す角度αに基づいて、メインアーム45aの動きが制御される。そのため、第4側面C14を把持した状態でメインアーム45aが比較的高速で動かされる主動作時に、ダンボール箱用シートFBに無理な力が作用したり、下部吸盤41b等の把持部に過大な力が作用したりすることを防止できる。その結果、開函動作の失敗の発生を抑制可能な、信頼性の高い開函装置を実現できる。
【0155】
(6−2)
上記実施形態に係る開函装置では、初期動作の完了時の第1側面C11と第4側面C14とが成す角度αは、ダンボール箱用シートFBの第4側面C14の長さL2に応じて決定される。
【0156】
ここで、第4側面C14の長さL2は、第3側面C13と第4側面C14との境界(第3折り目部分FP3)から、第4側面C14と第1側面C11との境界(第4折り目部分FP4)までの距離を意味する。
【0157】
ここでは、第4側面C14の長さL2に応じて初期動作完了時の第1側面C11と第4側面C14とが成す角度αが決定されるため、主動作時に、ダンボール箱用シートFBに無理な力が作用したり、下部吸盤41b等の把持部に過大な力が作用したりすることを防止でき、開函動作の失敗の発生を抑制できる。
【0158】
(6−3)
上記実施形態に係る開函装置では、初期動作の完了時の第1側面C11と第4側面C14とが成す角度αは、第4側面C14の長さL2が長いほど、大きな値に決定される。
【0159】
ここでは、第4側面C14の長さL2が長いほど、初期動作完了時の第1側面C11と第4側面C14とが成す角度αが大きく決定されるため、主動作時に、ダンボール箱用シートFBに無理な力が作用したり、下部吸盤41b等の把持部に過大な力が作用したりすることを防止でき、開函動作の失敗の発生を抑制できる。
【0160】
(6−4)
上記実施形態に係る開函装置は、第2アームの一例としてのサブアーム46aを備える。サブアーム46aは、第3側面C13を把持する第3把持部の一例としてのサブアーム側吸盤47を有する。サブアーム46aは、サブアーム側吸盤47が第3側面C13を把持した状態で姿勢変化する。制御部95は、サブアーム46aの動きを制御する。
【0161】
ここでは、第3側面C13を把持した状態で姿勢変化するサブアーム46aを有しているため、展開中のダンボール箱用シートFBの形状を、過度な力が作用しにくい形状に近づけることが可能である。そのため、ここでは、開函動作の失敗の発生を抑制することが容易である。
【0162】
(6−5)
上記実施形態に係る開函装置では、サブアーム46aは、メインアーム45aに、メインアーム45aに対して姿勢変化可能に連結される。制御部95は、主動作時には、サブアーム46aをメインアーム45aに対して姿勢変化させながらメインアーム45aを動かす。
【0163】
ここでは、主動作時にサブアーム46aがメインアーム45aに対して姿勢変化させられるため、主動作時に、展開中のダンボール箱用シートFBの形状を、過度な力が作用しにくい形状に近づけることが容易である。そのため、開函動作の失敗の発生を抑制することが更に容易である。
【0164】
(6−6)
上記実施形態に係る開函装置では、制御部95は、初期動作の開始時には、サブアーム46aをメインアーム45aに対して姿勢変化させずにメインアーム45aを動かす。制御部95は、初期動作の終了前に、メインアーム45aを停止させて、サブアーム46aをメインアーム45aに対して姿勢変化させる。
【0165】
ここでは、初期動作中(主動作開始前)に、メインアーム45aが停止させられた状態で、サブアーム46aのメインアーム45aに対する姿勢が変化させられるため、主動作時にダンボール箱用シートFBに無理な力が特に作用しにくい。そのため、開函動作の失敗の発生を抑制することが更に容易である。
【0166】
(6−7)
上記実施形態に係る開函装置では、制御部95は、初期動作の終了時に、第1側面C11と第3側面C13とが平行になり、かつ、第2側面C12と第4側面C14とが平行になるように、サブアーム46aの動きを制御する。
【0167】
ここでは、初期動作の完了時に、ダンボール箱用シートFBの形状が過度な力が作用しにくい形状とされるため、開函動作の失敗の発生を抑制することが更に容易である。
【0168】
(6−8)
上記実施形態に係る開函装置では、サブアーム46aは、エアシリンダである第4駆動部46bによって駆動される。
【0169】
ここでは、サブアーム46aの駆動を比較的安価なエアシリンダで実現できるため、装置コストを抑制することができる。
【0170】
(6−9)
上記実施形態に係る開函装置では、下部吸盤41bは、主動作の開始後、主動作の終了前に、第1側面C11の把持を解除する。
【0171】
ここでは、下部吸盤41bと第1メインアーム側吸盤42a及び第2メインアーム側吸盤42bとが、ダンボール箱用シートFBをいつまでも引っ張り合うことがないので、ダンボール箱用シートFBに過度の力が作用しにくく、開函動作の失敗の発生を抑制することが更に容易である。
【0172】
(7)変形例
(7−1)変形例A
上記実施形態では、開函装置を含む製函箱詰めシステム100について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、開函装置は、上記実施形態の開函部14と、制御装置92の開函部14の動作に関連する部分とを独立した装置としたものであってもよい。
【0173】
また、上記実施形態では、制御装置92が開函部14以外の構成についても制御を行うが、これに限定されるものではなく、開函装置は、専用の制御部を有するものであってもよい。
【0174】
(7−2)変形例B
上記実施形態では、予備開函角度算出部95aが、入出力部93に、ダンボール箱用シートFBの第4側面C14の長さL2に関する情報が入力されると、角度情報記憶領域94aを参照して、入力された情報に対応する初期動作の完了時の第1側面C11と第4側面C14とが成す角度αを決定するが、これに限定されるものではない。例えば、入出力部93には、ダンボール箱用シートFBの第4側面C14の長さL2に関する情報に対応する初期動作の完了時の第1側面C11と第4側面C14とが成す角度αが、製函箱詰めシステム100のオペレータ等により入出力部93に入力されてもよい。