特許第6475665号(P6475665)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社麗光の特許一覧

特許6475665透明ガスバリアフイルム、及びそれを使用した積層フイルム
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6475665
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】透明ガスバリアフイルム、及びそれを使用した積層フイルム
(51)【国際特許分類】
   B32B 9/00 20060101AFI20190218BHJP
   B32B 27/40 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   B32B9/00 A
   B32B27/40
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-109721(P2016-109721)
(22)【出願日】2016年6月1日
(65)【公開番号】特開2017-213789(P2017-213789A)
(43)【公開日】2017年12月7日
【審査請求日】2018年2月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000156042
【氏名又は名称】株式会社麗光
(72)【発明者】
【氏名】福本 勝
【審査官】 團野 克也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−305798(JP,A)
【文献】 特開2006−068967(JP,A)
【文献】 特開平11−263378(JP,A)
【文献】 特開2002−067213(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/013624(WO,A1)
【文献】 特開2002−144465(JP,A)
【文献】 特開2000−167973(JP,A)
【文献】 特開2014−125632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC B32B1/00−43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックフイルムの片面に、少なくとも金属酸化物薄膜層、及びトップコート層が順次積層されている透明ガスバリアフイルムであって、下記の(A)〜(H)の条件をすべて満足することを特徴とする透明ガスバリアフイルム。
(A)トップコート層が、ウレタン系樹脂、及びイソシアネート系シランカップリング剤を少なくとも含む層である。
(B)ウレタン系樹脂とイソシアネート系シランカップリング剤との重量比が、ウレタン系樹脂:イソシアネート系シランカップリング剤=100:5〜30である。
(C)トップコート層表面のぬれ張力が、50mN/m(dyne/cm)以上である。
(D)透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとを押出ラミネート法で貼り合わせて積層フイルムとした場合に、該積層フイルムの透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとの密着強度が、T型剥離試験、及び180度剥離試験のいずれの試験においても、200g/15mm以上である。
(E)透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとを貼り合わせて積層フイルムとした場合に、貼り合わせる方法にかかわらず、該積層フイルムの水蒸気透過度が0.3g/m・day以下であり、かつ酸素透過度が0.3cc/m・day以下である。
(F)透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとをドライラミネート法で貼り合わせて積層フイルムとした場合に、該積層フイルムのボイル試験後の水蒸気透過度が0.5g/m・day以下、かつ酸素透過度が0.5cc/m・day以下である。
(G)透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとをドライラミネート法で貼り合わせて積層フイルムとした場合に、該積層フイルムのレトルト試験後の水蒸気透過度が0.5g/m・day以下、かつ酸素透過度が0.5cc/m・day以下である。
(H)透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとをドライラミネート法で貼り合わせて積層フイルムとした場合に、該積層フイルムの耐ゲルボ試験後の水蒸気透過度が1.0g/m・day以下、かつ酸素透過度が2.8cc/m・day以下である。
【請求項2】
金属酸化物薄膜層が酸化アルミニウム薄膜層である請求項1記載の透明ガスバリアフイルム
【請求項3】
少なくとも、請求項1、または請求項2記載の透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとが、樹脂層を介して貼り合わせされていることを特徴とする積層フイルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食料品、医薬品、電子部品等の包装材等に使用する透明ガスバリアフイルムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチックフイルムの片面に酸化アルミニウム薄膜層や酸化珪素薄膜層等の金属酸化物薄膜層が積層された透明ガスバリアフイルムが知られている。
また、印刷適正、及びガスバリア性の向上を目的に、上記金属酸化物薄膜層上に、さらに、樹脂からなるトップコート層が積層された透明ガスバリアフイルムが知られている。
【0003】
そして、透明ガスバリアフイルムのガスバリア性は、透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとが貼り合わせされている積層フイルムとした後、該積層フイルムのガスバリア性(水蒸気透過性、及び酸素透過性)を測定することが一般的である。
【0004】
また、透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとを貼り合わせて積層フイルムとする方法としては、透明ガスバリアフイルム、または他のプラスチックフイルム上に接着剤層を積層して、該接着剤層を介して貼り合わせる方法(以下、ドライラミネート法という)や、透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとの間にポリエチレン等の溶融樹脂を流し込み、該溶融樹脂を介して貼り合わせる方法(以下、押出しラミネート法という)を使用することが一般的である。
【0005】
そして、特許文献1には、プラスチックフイルムの片面に酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の金属酸化物薄膜層、及びトップコート層が順次積層された透明ガスバリアフイルムであって、トップコート層が、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及びイソシアネートからなり、かつポリエステル系樹脂とポリウレタン系樹脂との重量比が、100:2〜30であることを特徴とする透明ガスバリアフイルムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−138365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1記載の透明ガスバリアフイルムは、該透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとが貼り合わせされている積層フイルムのガスバリア性が、貼り合わせる方法にかかわらず、水蒸気透過度が、約0.5g/m・dayであり、また酸素透過度も、約0.5cc/m・dayであり、優れたガスバリア性を発揮することができない欠点があった。
本明細書でいう優れたガスバリア性とは、JIS K 7129A法に準拠して測定した水蒸気透過度が、0.3g/m・day以下、かつJIS K 7126B法に準拠して測定した酸素透過度が、0.3cc/m・day以下であることをいう。
【0008】
特に、特許文献1記載の透明ガスバリアフイルムは、押出しラミネート法を使用して積層フイルムとした場合に、透明ガスバリアフイルムのトップコート層の耐熱性が悪く、押出しラミネート法で使用する溶融樹脂の温度が300〜350℃と高温である為、透明ガスバリアフイルムに使用するプラスチックフイルムが伸びたり、トップコート層に歪みが生じたりすることで、金属酸化物薄膜層にクラックが生じやすくなる。
その結果、特許文献1記載の透明ガスバリアフイルムは、押出しラミネート法を使用して積層フイルムとした場合に、該積層フイルムのガスバリア性は、水蒸気透過度が、0.5g/m・day以上、また酸素透過度も、約0.5cc/m・day以上であり著しく悪くなる欠点があった。
【0009】
また、特許文献1記載の透明ガスバリアフイルムは、トップコート層の耐熱性が悪い為、押出しラミネート法を使用して積層フイルムとした場合に、透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとの密着強度が、T形剥離試験、及び180度剥離試験のいずれの試験においても、密着強度が、200g/15mmよりも低く、密着強度が弱い欠点があった。特に、180度剥離試験の密着強度が、100g/15mm以下であり著しく密着強度が弱いものであった。
本明細書でいう優れた密着強度とは、透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとの密着強度が、JIS K 6854−3法に準拠して測定したT形剥離試験、及びJIS K 6854−2法に準拠して測定した180度剥離試験のいずれの試験においても、200g/15mm以上であることをいう。
【0010】
また、特許文献1記載の透明ガスバリアフイルムは、該透明ガスバリアフイルムに積層されているトップコート層上に印刷インキをコーティングして印刷層を積層する場合に、該トップコート層表面のぬれ張力が、50mN/m(dyne/cm)よりも小さいため、印刷インキがトップコート層上に均一の厚さでコーティングされず、印刷層に厚い部分と薄い部分ができて色の濃淡が見られたり、場合によっては印刷インキがはじかれたりして、印刷層が全く積層されない等の印刷不良が起こり、所望の印刷外観を得ることができない欠点があった。
具体的には、トップコート層表面のぬれ張力が50mN/m(dyne/cm)以上であれば、トップコート層上に印刷層を積層した場合であっても、印刷不良が起こらず、所望の印刷外観が得ることができる。
【0011】
本発明の透明ガスバリアフイルム、及びそれを使用した積層フイルムの課題は、透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとが、樹脂層を介して貼り合わせされている積層フイルムのガスバリア性が、貼り合わせる方法にかかわらず、優れたガスバリア性を発揮し、また押出しラミネートで貼り合わせされている積層フイルムの透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとの密着強度に優れた積層フイルム、さらに透明ガスバリアフイルムのトップコート層上に印刷層を積層する場合に、印刷不良が起こらない透明ガスバリアフイルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[1]本発明は、プラスチックフイルムの片面に、少なくとも金属酸化物薄膜層、及びトップコート層が順次積層されている透明ガスバリアフイルムであって、下記の(A)〜(H)の条件をすべて満足することを特徴とする透明ガスバリアフイルムである。
(A)トップコート層が、ウレタン系樹脂、及びイソシアネート系シランカップリング剤を少なくとも含む層である。
(B)ウレタン系樹脂とイソシアネート系シランカップリング剤との重量比が、ウレタン系樹脂:イソシアネート系シランカップリング剤=100:5〜30である。
(C)トップコート層表面のぬれ張力が、50mN/m(dyne/cm)以上である。
(D)透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとを押出ラミネート法で貼り合わせて積層フイルムとした場合に、該積層フイルムの透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとの密着強度が、T型剥離試験、及び180度剥離試験のいずれの試験においても、200g/15mm以上である。
(E)透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとを貼り合わせて積層フイルムとした場合に、貼り合わせる方法にかかわらず、該積層フイルムの水蒸気透過度が0.3g/m・day以下であり、かつ酸素透過度が0.3cc/m・day以下である。
(F)透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとをドライラミネート法で貼り合わせて積層フイルムとした場合に、該積層フイルムのボイル試験後の水蒸気透過度が0.5g/m・day以下、かつ酸素透過度が0.5cc/m・day以下である。
(G)透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとをドライラミネート法で貼り合わせて積層フイルムとした場合に、該積層フイルムのレトルト試験後の水蒸気透過度が0.5g/m・day以下、かつ酸素透過度が0.5cc/m・day以下である。
(H)透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとをドライラミネート法で貼り合わせて積層フイルムとした場合に、該積層フイルムの耐ゲルボ試験後の水蒸気透過度が1.0g/m・day以下、かつ酸素透過度が2.8cc/m・day以下である。
[2]本発明は、金属酸化物薄膜層が酸化アルミニウム薄膜層である上記[1]記載の透明ガスバリアフイルムである。
[3]本発明は、少なくとも、上記[1]、または[2]記載の透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとが、樹脂層を介して貼り合わせされていることを特徴とする積層フイルムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の透明ガスバリアフイルムは、プラスチックフイルムの片面に、少なくとも金属酸化物薄膜層、及びトップコート層が順次積層されている透明ガスバリアフイルムにおいて、トップコート層が、ウレタン系樹脂、及びシランカップリング剤を少なくとも含む層であることを特徴としている。そして、少なくとも、本発明の透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとが、樹脂層を介して貼り合わせされている本発明の積層フイルムとした場合に、本発明の積層フイルムは、以下の効果を発揮することができる。
【0014】
本発明の透明ガスバリアフイルムは、本発明の透明ガスバリアフイルムに積層されているトップコート層が架橋されて強固な層となり耐熱性に優れた層である為、本発明の積層フイルムは、貼り合わせる方法にかかわらず、本発明の積層フイルムの水蒸気透過度が、0.3g/m・day以下、かつ酸素透過度が、0.3cc/m・day以下の優れたガスバリア性を発揮することができる。
【0015】
また、本発明の透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとが、押出しラミネート法で貼り合わせされている本発明の積層フイルムは、本発明の透明ガスバリアフイルムのトップコート層が耐熱性に優れた層である為、押出しラミネート法で使用する溶融樹脂の熱により、本発明の透明ガスバリアフイルムに使用するプラスチックフイルムが伸びたり、トップコート層に歪が生じたりすることなく、金属酸化物薄膜層にクラックが生じにくく、優れたガスバリア性を発揮することができ、また本発明の透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとの密着強度も、T形剥離試験、及び180度剥離試験のいずれの試験においても、200g/15mm以上の優れた密着強度を発揮することができる。
【0016】
また、本発明の透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとが、ドライラミネート法で貼り合わせされている本発明の積層フイルムは、該積層フイルムにボイル試験、レトルト試験、及び耐ゲルボ性試験の各試験を実施した後であっても、実用上問題ないレベルのガスバリア性を維持することができるものとなる。
具体的には、ボイル試験、レトルト試験、及び耐ゲルボ性試験の各試験後のガスバリア性が、それぞれ下記の範囲であれば実用上問題ないレベルのガスバリア性を維持しているといえる。
ボイル試験後のガスバリア性:水蒸気透過度が0.5g/m・day以下、かつ酸素透過度が0.5cc/m・day以下
レトルト試験後のガスバリア性:水蒸気透過度が0.5g/m・day以下、かつ酸素透過度が0.5cc/m・day以下
耐ゲルボ性試験後のガスバリア性:水蒸気透過度が1.0g/m・day以下、かつ酸素透過度が2.8cc/m・day以下
【0017】
さらに、本発明の透明ガスバリアフイルムは、トップコート層表面のぬれ張力が、50mN/m(dyne/cm)以上である為、トップコート層上に印刷インキをコーティングして印刷層を積層する場合に、印刷インキが該トップコート層上に均一の厚さでコーティングされ、印刷層に厚い部分と薄い部分ができる印刷不良を起こすことなく、所望の印刷外観が得ることができる。
【0018】
特に、本発明の透明ガスバリアフイルムのトップコート層に使用するシランカップリング剤に、イソシアネート系シランカップリング剤を使用すれば、トップコート層をより耐熱性に優れた層とすること、及びトップコート層と金属酸化物薄膜層との密着強度を、確実に優れた密着強度とすることができる。
さらに、本発明の透明ガスバリアフイルムの金属酸化物薄膜層を酸化アルミニウム薄膜層とすれば、本発明の積層フイルムが安定したガスバリア性を容易に得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(プラスチックフイルム)
本発明の透明ガスバリアフイルムに使用するプラスチックフイルムは、特に制限はなく、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフイルム、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリアミドフイルム等、各種従来公知のプラスチックフイルムが使用できる。
プラスチックフイルムは、無延伸、一軸延伸、二軸延伸のいずれでもよく、また、帯電防止剤、着色剤、熱安定剤等の各種添加剤を含んでいても構わない。
また、プラスチックフイルムの種類や厚さは、所望の用途、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0020】
プラスチックフイルムは、プラスチックフイルムと金属酸化物薄膜層との密着力を強くする目的で、プラスチックフイルム上に、易接着コート、コロナ処理等の表面処理がされたものでも構わず、これら表面処理がされたプラスチックフイルムも、本明細書のプラスチックフイルムに含まれる。
【0021】
プラスチックフイルムの厚さは、特に限定されないが、2〜250μmの範囲とすることが好ましく、9〜125μmの範囲であることがより好ましい。
プラスチックフイルムの厚さが、2μmよりも薄いと、本発明の透明ガスバリアフイルムを製造する際に、カールやシワ等が発生しやすくなるおそれがあり好ましくなく、プラスチックフイルムの厚さが、250μmよりも厚いと、本発明の透明ガスバリアフイルムを製造する際に、作業性が悪くなり、また製造コストも上がる為、好ましくない。
【0022】
(金属酸化物薄膜層)
本発明の透明ガスバリアフイルムに積層されている金属酸化物薄膜層は、ガスバリア性を得る目的でプラスチックフイルム上に積層される金属酸化物からなる層である。
【0023】
金属酸化物薄膜層に使用する金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化スズ等、従来公知の金属酸化物を使用することができ、所望のガスバリア性等、目的に応じて適宜選択すればよい。
特に、金属酸化物に酸化アルミニウムを使用すれば、本発明の透明ガスバリアフイルムが安定したガスバリア性を容易に得ることができる為、好ましい。
【0024】
金属酸化物薄膜層の厚さは、ガスバリア性の点から3〜20nmの範囲が好ましく、5〜15nmの範囲であればより好ましい。
金属酸化物薄膜層の厚さが3nmよりも薄いと、所望のガスバリア性が得られないおそれがある為、好ましくなく、金属酸化物薄膜層の厚さが、20nmよりも厚いと、金属酸化物薄膜層が着色し、金属酸化物薄膜層の透明度が低下するおそれがあり、透明ガスバリアフイルムを包装材に使用したときに内容物を視認できるという効果が減殺されるおそれがある為、好ましくない。
【0025】
金属酸化物薄膜層を積層する方法は、真空蒸着法、スパッタリング法、化学気相蒸着法(CVD法)等、従来公知の金属酸化物薄膜層を積層する方法が使用でき、所望の目的に応じて適宜選択すればよい。
【0026】
また、金属酸化物薄膜層の酸素/金属の元素比は、仮に金属酸化物薄膜層を酸化アルミニウム薄膜層とした場合に、酸素、及びアルミニウムの各元素の量をX線光電子分光分析法(XPS)で測定し、酸素/アルミニウムの元素比を算出した結果が、1.3以上1.8未満であればガスバリア性がバラツキなく、常に優れたガスバリア性が得られる為、好ましい。
【0027】
(トップコート層)
本発明の透明ガスバリアフイルムに積層されているトップコート層は、ガスバリア性を向上させて所望のガスバリア性を得る目的で、金属酸化物薄膜層上に積層される層であり、ウレタン系樹脂、及びシランカップリング剤を少なくとも含む層である。
【0028】
そして、本発明の透明ガスバリアフイルムは、トップコート層を、ウレタン系樹脂、及びシランカップリング剤を少なくとも含む層とすることで、架橋されて強固な層となり、耐熱性に優れた層となり、トップコート層と金属酸化物薄膜層との密着強度も強いものとなる。
その為、少なくとも、本発明の透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとが、樹脂層を介して貼り合わせされている本発明の積層フイルムは、貼り合わせる方法にかかわらず、優れたガスバリア性を発揮することができる。
特に、本発明の透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとが、押出しラミネート法で貼り合わせされている本発明の積層フイルムは、本発明の透明ガスバリアフイルムのトップコート層が耐熱性に優れた層である為、使用する溶融樹脂の熱で、プラスチックフイルムが伸びたり、トップコート層に歪が生じたりすることなく、金属酸化物薄膜層にクラックが生じにくく、優れたガスバリア性を発揮することができ、また本発明の透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとの密着強度も優れたものとなる。
【0029】
また、本発明の透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとが、ドライラミネート法で貼り合わせされている本発明の積層フイルムは、該積層フイルムにボイル試験、レトルト試験、及び耐ゲルボ性試験の各試験を実施した後であっても、実用上問題ないレベルのガスバリア性を維持することができるものとなる。
具体的には、ボイル試験、レトルト試験、及び耐ゲルボ性試験の各試験後のガスバリア性が、それぞれ下記の範囲であれば実用上問題ないレベルのガスバリア性を維持しているといえる。
ボイル試験後のガスバリア性:水蒸気透過度が0.5g/m・day以下、かつ酸素透過度が0.5cc/m・day以下
レトルト試験後のガスバリア性:水蒸気透過度が0.5g/m・day以下、かつ酸素透過度が0.5cc/m・day以下
耐ゲルボ性試験後のガスバリア性:水蒸気透過度が1.0g/m・day以下、かつ酸素透過度が2.8cc/m・day以下
【0030】
また、トップコート層は、本発明の透明ガスバリアフイルムの前記効果を損なわない範囲で、帯電防止性、紫外線吸収性、着色、熱安定性、スベリ性等を付与する目的で、各種添加剤が1種類以上添加されていてもよく、各種添加剤の種類や添加量は、所望の目的に応じて適宜決定すればよい。
【0031】
トップコート層を積層する方法は、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法、バーコート法等、従来公知のコーティング方法が使用でき、所望の目的に応じて適宜選択すればよい。
【0032】
トップコート層の厚さは、本発明の透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとが貼り合わせされている本発明の積層フイルムのガスバリア性、及び透明ガスバリアフイルムと、他のプラスチックフイルム間の密着強度の点から、0.1〜3.0μmの範囲が好ましく、0.1〜1.0μmの範囲であればより好ましい。
トップコート層の厚さが、0.1μmよりも薄いと所望のガスバリア性が得られないおそれがある為、好ましくなく、トップコート層の厚さが、3.0μmよりも厚いと、上記本発明の積層フイルムにおいて、プラスチックフイルムと金属酸化物薄膜層との界面で剥離しやすくなり、所望の密着強度が得られないおそれがある為、好ましくない。
【0033】
トップコート層に使用するウレタン系樹脂は、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基等、各種官能基を有したものであっても構わず、所望の目的に応じて適宜選択すればよく、また水系、溶剤系のどちらであっても構わない。
【0034】
トップコート層に使用するシランカップリング剤は、ビニル系、エポキシ系、スチリル系、メタクリル系、アクリル系、アミノ系、イソシアヌレート系、ウレイド系、メルカプト系、スルフィド系、イソシアネート系等、各種シランカップリング剤を使用することができ、所望の目的に応じて適宜選択すればよい。
特に、シランカップリング剤に、イソシアネート系シランカップリング剤を使用すれば、トップコート層をより耐熱性に優れた層とすること、及びトップコート層と金属酸化物薄膜層との密着強度を、確実に優れた密着強度とすることが確実にできる為、好ましい。
【0035】
トップコート層のウレタン系樹脂とシランカップリング剤との重量比は、ウレタン系樹脂:シランカップリング剤=100:5〜30の範囲とすることが好ましい。
ウレタン系樹脂とシランカップリング剤との重量比が、上記重量比でないと、本発明の透明ガスバリアフイルムが所望のガスバリア性を発揮することができなくなるおそれがある為、好ましくない。
【0036】
さらに、トップコート層上に印刷インキを使用して印刷層を積層する場合に、一般的に印刷インキはウレタン系樹脂を用いることが多く、また本発明の透明ガスバリアフイルムのトップコート層の主成分はウレタン系樹脂である為、トップコート層と印刷層との密着強度は、優れたものとなる。
また、本発明の透明ガスバリアフイルムのトップコート層表面のぬれ張力が、50mN/m(dyne/cm)以上である為、トップコート層上に印刷層を積層する場合に、印刷インキがトップコート層上に均一の厚さでコーティングされ、印刷層に厚い部分と薄い部分ができる印刷不良を起こすことなく、所望の印刷外観を容易に得ることができる。
【0037】
(積層フイルム)
本発明の積層フイルムは、少なくとも、本発明の透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとが、樹脂層を介して貼り合わせされている積層フイルムである。
また、本発明の透明ガスバリアフイルムのトップコート層上やプラスチックフイルム上、また他のプラスチックフイルムの片面または両面に、印刷層等の各種機能層が積層されていても構わず、各種機能層が積層される位置は、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0038】
本発明の積層フイルムに使用する他のプラスチックフイルムは、低密度ポリエチレンフイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム、無延伸ポリプロピレンフイルム、ポリアミドフイルム等、従来公知のプラスチックフイルムを使用することができ、目的に応じて適宜選択すればよい。
また、他のプラスチックフイルムは、無延伸、一軸延伸、二軸延伸のいずれでもよく、また、帯電防止剤、着色剤、熱安定剤等の各種添加剤を含んでいても構わない。
また、他のプラスチックフイルムに使用するプラスチックフイルムの種類や厚さは、所望の用途、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0039】
本発明の透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとを貼り合わせる方法は、ドライラミネート法、押出しラミネート法等、従来公知のラミネート法を使用することができ、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0040】
本発明の積層フイルムの樹脂層は、本発明の透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとを貼りわせる目的で、本発明の透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとの間に積層される樹脂からなる層である。
また樹脂層に使用する樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂等、各種公知の樹脂が使用でき、これらのいずれか1種、または2種以上の混合樹脂としてもよく、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0041】
樹脂層の厚さは、特に制限なく、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0042】
また、本発明の積層フイルムの樹脂層は、前記効果を損なわない範囲で、帯電防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、熱安定剤、硬化剤等、各種添加剤が1種類以上添加されていてもよく、各種添加剤の種類や添加量は、所望の目的に応じて適宜決定すればよい。
【0043】
以上のとおり、本発明の透明ガスバリアフイルムは、プラスチックフイルムの片面に、少なくとも金属酸化物薄膜層、及びトップコート層が順次積層されている透明ガスバリアフイルムにおいて、トップコート層が、ウレタン系樹脂、及びシランカップリング剤を少なくとも含む層とすることを特徴としており、少なくとも、本発明の透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとが、樹脂層を介して貼り合わせされている本発明の積層フイルムは、貼り合わせる方法にかかわらず、優れたガスバリア性を発揮することができるものとなる。
また、本発明の透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとが、押出しラミネート法で貼り合わせされている本発明の積層フイルムは、優れたガスバリア性を発揮するだけでなく、透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとの密着強度も優れたものとなる。
【0044】
また、本発明の透明ガスバリアフイルムと他のプラスチックフイルムとが、ドライラミネート法で貼り合わせされている本発明の積層フイルムは、該積層フイルムにボイル試験、レトルト試験、及び耐ゲルボ性試験の各試験を実施した後であっても、実用上問題ないレベルのガスバリア性を維持することができるものとなる。
【0045】
さらに、本発明の透明ガスバリアフイルムは、トップコート層上に印刷層を積層する場合に、良好な印刷外観を得ることができる。
【0046】
そして、本発明の透明ガスバリアフイルムのトップコート層に使用する、ウレタン系樹脂とシランカップリング剤との重量比を100:5〜30とすれば、なお好ましく、さらに、使用するシランカップリング剤を、イソシアネート系シランカップリング剤を使用すれば万全であり、さらに、本発明の透明ガスバリアフイルムの金属酸化物薄膜層を酸化アルミニウム薄膜層とすれば、本発明の積層フイルムが安定したガスバリア性を容易に得ることができる。
【実施例】
【0047】
[実施例1]
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの片面に、蒸着材料にアルミニウムを使用し、真空蒸着機にて酸素ガスを導入しながら真空蒸着法で、金属酸化物薄膜層として厚さ6nmの酸化アルミニウム薄膜層を積層した。
次に、酸化アルミニウム薄膜層上に、水系のウレタン系樹脂(三井化学株式会社製 タケラックWPB341)100重量部と、イソシアネート系シランカップリング剤(信越化学株式会社製 KBE9007)10重量部を混合して得た混合樹脂をグラビアコート法でコーティングして、厚さ0.2μmのトップコート層を積層し、実施例1の本発明の透明ガスバリアフイルムを得た。
【0048】
[比較例1]
実施例1のトップコート層で使用した混合樹脂にかえて、ポリエステル系樹脂100重量部、ポリウレタン系樹脂10重量部、及びXDI系イソシアネート30重量部を混合して得た混合樹脂を使用したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の透明ガスバリアフイルムを得た。(特許文献1実施例相当の透明ガスバリアフイルム)
【0049】
[比較例2]
実施例1のトップコート層で使用した混合樹脂にかえて、ウレタン系樹脂(三井化学社製 タケラックWPB6303)100重量部、カルボジイミド化合物(日清紡ケミカル社製 カルボジライトV−02―L2)20重量部、及び無機層状化合物3.5重量部を混合して得た混合樹脂を使用したこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の透明ガスバリアフイルムを得た。
【0050】
[積層フイルムAの作成(ドライラミネート法)]
実施例1で得た本発明の透明ガスバリアフイルム、及び比較例1、及び2で得た透明ガスバリアフイルムのそれぞれのトップコート層面上に、ウレタン系樹脂(三井化学株式会社製 タケラックA310)、及び硬化剤(三井化学株式会社製 タケネートA3)からなる樹脂をグラビアコート法で、樹脂層として厚さ3μmの接着剤層を積層し、該接着剤層を介して、厚さ50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフイルム(LLDPEフイルム)を貼り合わせし、実施例1の本発明の積層フイルムA、及び比較例1、及び比較例2の積層フイルムAをそれぞれ作成した。
【0051】
[積層フイルムBの作成(押出しラミネート法)]
実施例1で得た本発明の透明ガスバリアフイルム、及び比較例1、及び2で得た透明ガスバリアフイルムのそれぞれのトップコート層上に、樹脂層として厚さ15μmのポリエチレン系樹脂層となるように溶融状態のポリエチレン系樹脂を流し込みポリエチレン系樹脂層を積層し、該ポリエチレン系樹脂層を介して、厚さ50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフイルム(LLDPEフイルム)を貼り合わせし、実施例1の本発明の積層フイルムB、及び比較例1、及び比較例2の積層フイルムBをそれぞれ作成した。
【0052】
[積層フイルムのガスバリア性の測定]
実施例1の本発明の積層フイルムAと積層フイルムB、比較例1の積層フイルムAと積層フイルムB、及び比較例2の積層フイルムAと積層フイルムBを試験試料として、各試験試料を下記水蒸気透過性試験、及び酸素透過性試験でガスバリア性を測定した。
【0053】
[水蒸気透過性試験]
(測定方法)
試験試料を、JIS K 7129A法に準拠して、温度40℃、湿度90%の雰囲気下で、水蒸気透過度測定装置(スイス リッシー社製 L80−4000J)を使用して水蒸気透過度を測定した。
【0054】
[酸素透過性試験]
(測定方法)
試験試料を、JIS K 7126B法に準拠して、温度23℃、湿度75%の雰囲気下で、酸素透過度測定装置(米国 モコン社製 MOCON OX−TRAN)を使用して酸素透過度を測定した。
【0055】
(試験結果)
測定結果は表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
[ボイル試験]
試験試料として実施例1の本発明の積層フイルムA、及び比較例1、及び比較例2の積層フイルムAを使用し、各試試料を95℃の熱水に30分間浸漬した後、前記水蒸気透過性試験、及び酸素透性試験でガスバリア性を測定した。
[レトルト試験]
試験試料として実施例1の本発明の積層フイルムA、及び比較例1、及び比較例2の積層フイルムAを使用し、試験試料を高圧釜中に水を入れて加熱し、120℃の熱水に30分間浸漬した後、前記水蒸気透過性試験、及び酸素透性試験でガスバリア性を測定した。
[耐ゲルボ性試験]
試験試料として実施例1の本発明の積層フイルムA、及び比較例1、及び比較例2の積層フイルムAを使用し、それぞれ直径89mm、長さ210mmの円筒状にしてゲルボフレックステスター(テスター産業社製)にセットした後、ストローク:152mm、ひねり:440度の条件で、往復運動を40回/minの速度で10往復行った後、前記水蒸気透過性試験、及び酸素透性試験でガスバリア性を測定した。
【0058】
(試験結果)
測定結果は表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】
表1、及び表2のとおり、本発明の透明ガスバリアフイルムと直鎖状低密度ポリエチレンフイルム(LLDPEフイルム)とが貼り合わせされている実施例1の本発明の積層フイルムA、及び積層フイルムBのガスバリア性は、いずれも水蒸気透過度が、0.3g/m・day以下、酸素透過度が、0.3cc/m・day以下であり、貼り合わせる方法にかかわらず、優れたガスバリア性を発揮するものであったのに対して、比較例1及び2の積層フイルムA、及び比較例1及び2の積層フイルムBは、いずれも優れたガスバリア性を発揮するものではなかった。
【0061】
また、実施例1の本発明の積層フイルムAは、ボイル試験後、レトルト試験後、及び耐ゲルボ性試験後のガスバリア性が、いずれも実用上問題ないレベルのガスバリア性を発揮するものであったのに対して、比較例1の積層フイルムAは、各試験後のガスバリア性が、いずれも、実用上問題ないレベルのガスバリア性を発揮するものでなかった。
【0062】
[密着強度の測定]
(試験試料)
実施例1の本発明の積層フイルムB、及び比較例1、及び比較例2の積層フイルムBを使用し、それぞれ積層フイルムBを幅15mm、長さ10cmにカットし試験試料とした。
[T形剥離試験]
(測定方法)
試験試料を、JIS K 6854−3法(接着剤−剥離接着強度試験方法−第3部:T形剥離)に準拠して、透明ガスバリアフイルムと直鎖状低密度ポリエチレンフイルム(LLDPEフイルム)との密着強度を測定した。(剥離速度:300mm/min)
[180度剥離試験]
(測定方法)
試験試料を、JIS K 6854−2法(接着剤−剥離接着強度試験方法−第2部:180度剥離)に準拠して、透明ガスバリアフイルムと直鎖状低密度ポリエチレンフイルム(LLDPEフイルム)との密着強度を測定した。(剥離速度:300mm/min)
【0063】
(試験結果)
測定結果は表3に示す。
【0064】
【表3】
【0065】
表3のとおり、実施例1の本発明の積層フイルムBの本発明の透明ガスバリアフイルムと直鎖状低密度ポリエチレンフイルム(LLDPEフイルム)との密着強度は、T型剥離試験の密着強度が、260g/15mm、180度剥離試験の密着強度が、210g/15mmであり、いずれの試験でも優れた密着強度を発揮するものであったのに対して、比較例1、及び比較例2の積層フイルムBの透明ガスバアフイルムと直鎖状低密度ポリエチレンフイルム(LLDPEフイルム)との密着強度は、T型剥離試験、及び180度剥離試験のいずれの試験でも、200g/15mmよりも低く密着強度が弱いものであり、特に180度剥離試験の密着強度は著しく弱いものであった。
【0066】
[ぬれ張力測定]
JIS K 6768法(プラスチックフイルム及びシート−ぬれ張力試験方法)に準拠して、実施例1で得た本発明の透明ガスバリアフイルム、比較例1、及び比較例2で得た透明ガスバリアフイルムのそれぞれのトップコート層表面のぬれ張力を、ぬれ張力試験用混合液を使用して測定し、トップコート層表面のぬれ張力を測定した。
【0067】
(試験結果)
表4に示す。
【0068】
【表4】
【0069】
表4のとおり、実施例1で得た本発明の透明ガスバリアフイルム、及び比較例2で得た透明ガスバリアフイルムは、いずれもトップコート層表面のぬれ張力が50mN/m(dyne/cm)以上であり、所望の印刷外観を得ることができるものであったのに対して、比較例1で得た透明ガスバリアフイルムのトップコート層表面のぬれ張力が、38mN/m(dyne/cm)であり、所望の印刷外観が得ることができないものであった。