特許第6475724号(P6475724)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6475724遠隔物体を撮像するハイパースペクトル撮像システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6475724
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】遠隔物体を撮像するハイパースペクトル撮像システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01J 3/40 20060101AFI20190218BHJP
   G01J 3/04 20060101ALI20190218BHJP
   G01N 21/27 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   G01J3/40
   G01J3/04
   G01N21/27 A
【請求項の数】5
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2016-534907(P2016-534907)
(86)(22)【出願日】2014年12月1日
(65)【公表番号】特表2017-501394(P2017-501394A)
(43)【公表日】2017年1月12日
(86)【国際出願番号】US2014067870
(87)【国際公開番号】WO2015084705
(87)【国際公開日】20150611
【審査請求日】2017年11月22日
(31)【優先権主張番号】14/093,814
(32)【優先日】2013年12月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】コムストック,ロヴェル エルジン セカンド
(72)【発明者】
【氏名】コーネル,ジェイムズ ディクソン
(72)【発明者】
【氏名】サントマン,ジェフリー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ウッダード,ケネス スミス
【審査官】 塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/137176(WO,A1)
【文献】 特開2012−058037(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0058352(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 3/00−3/52
G01N 21/00−21/01
G01N 21/17−21/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイパースペクトル撮像システムにおいて、
遠隔物体から画像を受け取るように構成される前部光学系であって、前記画像は複数の光線を含む、前部光学系と、
第1のスリット及び該第1のスリットと隣合い且つ平行な第2のスリットを含む走査可能スリット機構であって、前記第1のスリット及び前記第2のスリットは、該第1および第2のスリットの少なくとも一部が前記前部光学系の照明野内に同時に存在して前記前部光学系が前記画像を投射して、前記第1のスリット及び前記第2のスリットを同時に照明するように位置決めされ、前記第1のスリットは、第1の光線を前記前部光学系から受け取り、且つトリミングされた第1の光線を出力し、前記第2のスリットは、第2の光線を前記前部光学系から受け取り、且つトリミングされた第2の光線を出力し、前記第1の光線は前記遠隔物体の第1の部分から発せられ、及び前記第2の光線は前記遠隔物体の第2の部分から発せられる、走査可能スリット機構と、
分光デバイスを有する分光計であって、前記トリミングされた第1の光線を受け取り、且つ分光して、分光された第1の光線を生成するように位置決めされ、前記トリミングされた第2の光線を受け取り、且つ分光して、分光された第2の光線を生成するように位置決めされる、分光計と、
複数の検出要素を有する二次元画像センサであって、第1の組の前記検出要素にわたり前記分光された第1の光線を受け取り、及び第2の組の前記検出要素にわたり前記分光された第2の光線を受け取るように位置決めされ、前記分光された第1の光線の二次元画像及び前記分光された第2の光線の二次元画像を得るように構成される、二次元画像センサと、
前記走査可能スリット機構を再構成するように構成されるアクチュエータであって、前記再構成は、前記第1のスリット及び前記第2のスリットを再位置決めすることを含む、アクチュエータと
を備えることを特徴とする、ハイパースペクトル撮像システム。
【請求項2】
前記第1のスリット及び前記第2のスリットの形状は弓形又は螺旋形であることを特徴とする、請求項1に記載のハイパースペクトル撮像システム。
【請求項3】
前記走査可能スリット機構はディスクを含み、前記ディスクは、その内部に形成される前記第1のスリット及び前記第2のスリットを有し、前記再構成は、前記ディスクを回転させることを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のハイパースペクトル撮像システム。
【請求項4】
前記走査可能スリット機構はドラムを含み、前記ドラムは表面を有し、前記第1のスリット及び前記第2のスリットは前記表面に形成され、前記ドラムはその内部に反射面を含み、前記反射面は、前記前部光学系によって投射された前記画像を受け取り、及び前記画像を前記表面に反射して、前記第1のスリット及び前記第2のスリットを同時に照明するように位置決めされることを特徴とする、請求項1又は2に記載のハイパースペクトル撮像システム。
【請求項5】
前記走査可能スリット機構は、第3のスリット及び第4のスリットを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のハイパースペクトル撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2013年12月2日に出願された米国特許出願第14/093,814号の米国特許法第120条下での優先権の利益を主張するものであり、この特許出願の内容は依拠され、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本願は、2013年3月13日に出願された米国特許出願第13/799,958号に関連し、この特許出願の内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【技術分野】
【0003】
本発明は、ハイパースペクトル撮像分野に関し、特に、多視野ハイパースペクトル撮像デバイス及び多視野ハイパースペクトル撮像デバイスを使用する方法に関する。より詳細には、本発明は、走査可能なスリットを有する多視野ハイパースペクトル撮像デバイスに関する。
【背景技術】
【0004】
分光計は、入力として光信号を受け取り、出力として、入力光信号の異なる波長成分又は色に従って空間において分散する光信号を生成するデバイスである。分光計に取り付けられた検出器が、スペクトルと呼ばれる出力信号を解析して、入力信号に存在する各波長成分の量を定量化する。1つの特定のタイプの分光計は、オフナー分光計として知られており、この分光計は、狭いスペクトル帯の連続範囲にわたり遠隔物体の画像を生成するために使用することができる。このタイプの撮像は、ハイパースペクトル撮像として知られ、空中及び宇宙空間での偵察及び遠隔検知に対する軍事/航空宇宙解決策の重要な部分として最近出現した。基本的に、ハイパースペクトル撮像システムは、オフナー分光計及び高度データ処理技術を利用して、スペクトルシグネチャデータが埋め込まれた画像を生成する。このシグネチャデータは、(例えば)攻撃目標指示/認識、ミサイルプルーム識別、及び地雷検出等の広範囲の用途で有用である。更に、ハイパースペクトル撮像システムは、癌検出、環境モニタリング、農業モニタリング、及び鉱物探査等の広範囲の商業用途で使用することができる。
【0005】
従来のハイパースペクトル撮像システムは、遠隔物体から画像を受け取る前部光学系を含む。前部光学系は、画像を固定スリットに合焦させる。スリットは、画像のスライス(光線、トリミングされた画像)を分光計(例えば、プリズム、回折格子)に送り、分光計は、波長に従って分光し、それを二次元画像センサ(例えば、FPA検出器)に向けて記録する。
【0006】
従来のハイパースペクトル撮像システムの制限の1つは、広域にわたるシーンの二次元画像を取得するために必要な時間である。この制限は、従来のハイパースペクトル撮像システムの基本設計の結果である。従来のシステムは、1つの前部光学系と、画像を受け取り、分光及び検出のために分光計に送る1つの固定スリットを含む。1つの固定スリットは、遠隔物体からの1つの光線に撮像を制限し、これは、遠隔物体の限られたエリアのみが一度に撮像可能なことを意味する。更に、固定スリットを有するハイパースペクトル撮像システムは、固定スリットによって画定される狭い線画像に対応する画像センサ上のピクセルのみを充填するように制限される。市販の画像センサは通常、固定スリットから発せられる線画像として送られる遠隔物体のスライスに対応する分光の検出に必要なピクセル数よりもはるかに多数のピクセルを有する。ピクセルの利用が不十分であると、画像収集は非効率的になる。
【0007】
特定の分解能での空間場カバレッジを改善するために、従来技術によるシステムは、複数の従来のハイパースペクトル撮像システムを集約し得る。複数のハイパースペクトル撮像システムは、各システムの線形視野が連続し、遠隔物体の連続スライスの撮像を並列して行い、収集効率を改善することができるように、並べて位置決めすることができる。しかし、この解決策は多くの用途で非実用的であり、それは、スペース、重量、及び消費電力、並びに複数の検出器、冷却器、分光計、及び実施に必要な他の構成要素のコストに起因する。
【0008】
現在、遠隔物体の1つの光線(1つのスライス)から遠隔物体の二次元エリア(複数のスライス)に1つのハイパースペクトルデバイスのハイパースペクトル撮像能力を拡張する2つの技法がある。第1の技法は、固定スリットに直交する方向にハイパースペクトル撮像システム全体を動かし、画像撮影をその動きと同期させて、遠隔物体の広域のハイパースペクトル画像を得ることを含む。この技法は、「プッシュブルーム」法と呼ばれることが多い。第2の技法は、回転ミラーを前部光学系の撮像レンズの前に配置し、画像収集をミラーの動きと同期させて、遠隔物体のエリアのハイパースペクトル画像を得ることを含む。
【0009】
上記手法を使用してハイパースペクトル画像を生成する際に直面する主な問題の1つは、完全な画像を生成するために必要な時間である。プッシュブルーム法又は回転ミラー法のいずれでも、空間画像データの1本の線がスリットを通り、スペクトル的に調べられる。シーンの追加の線画像(スライス)をサンプリングするためには、スリット内で可視の視野は、画像の隣接する線に系統的に移らなければならず(走査ミラーの調整又は調査中の物体に相対するイメージャの並進移動により)、プロセスは、完全なシーンが生成されるまで、線毎に繰り返されなければならない。画像の所望の高空間分解能を所与として、この方法では、一度に1本撮影される個々の線が数千本ではないにせよ数百本必要であり、これらを結合してマスタ二次元画像にする必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のハイパースペクトル撮像システム及び遠隔物体のエリアのハイパースペクトル画像を得る従来の技法は、幾つかの用途では良好に機能し得るが、遠隔物体のハイパースペクトル画像、特に2D、すなわち面画像の取得に使用可能な新しいハイパースペクトル撮像システムを開発することが望ましい。特に、コンパクトで軽量且つ広域にわたるシーンの面画像を迅速に提供可能なハイパースペクトル撮像システムを開発することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従来技術の欠点を解消し、SWIR、LWIR、及び遠隔物体の面走査を含め、多くの用途で使用することができる多視野ハイパースペクトル撮像デバイス及びこれを使用する方法が、本開示によって提供される。本ハイパースペクトル撮像デバイスは、遠隔物体から2つ以上の独立した画像を同時に取得する複数の視野と、視野を並進移動させて、遠隔物体の様々な位置から発せられた画像を取得できるようにする走査可能スリット機構とを備える。複数の視野と走査可能なスリットとの組合せにより、遠隔物体からの面画像の高速取得が可能である。
【0012】
本ハイパースペクトル撮像デバイスは、前部光学系、走査可能スリット機構、分光要素、二次元画像センサ、及びコントローラを含み得る。走査可能スリット機構は、複数のスリットを有する基板を含み得る。基板はディスク又はドラムであり得る。スリットは、光を透過させる基板内の開口部である。スリットは、螺旋形、弓形、又はその他の形状であり得る。基板は、前部光学系の焦点面に位置決めし得、前部光学系が遠隔物体の画像を投射する基板の部分は、2つ以上のスリットを含み得る。2つ以上のスリットのそれぞれは、遠隔物体から前部光学系が収集した画像からの異なる光線を同時に受け得、ここで、異なる光線は遠隔物体の異なる部分から発せられる。したがって、各スリットは、遠隔物体の別個の視野を提供し、前部光学系の焦点面に複数のスリットが同時に存在することは、複数の光線の画像の並列取得を可能にすることにより、画像収集効率を改善する。
【0013】
走査可能スリット機構はアクチュエータを含み得、アクチュエータは、前部光学系から受け取った画像に、特定の複数のスリットのうちの異なる部分又は異なる複数のスリットを提示するように基板を再位置決めする。再位置決めは、基板の回転、並進移動、又は他の移動を含み得る。二次元画像センサは、空間軸及びスペクトル軸を含み得る。コントローラは、走査可能スリット機構のスリット包含基板の位置又は構成を制御し得る。コントローラは、二次元画像センサの動作を制御し得、画像捕捉と、走査可能スリット機構のスリットの再位置決め又は再構成とのタイミングを調整し得る。
【0014】
前部光学系は、光を遠隔物体から収集して、焦点面に結像させる。走査可能スリット機構の基板の2つ以上のスリットは、焦点面又はその近傍に位置決めされ、前部光学系によって収集される異なる光線を同時に受け取る。スリットを透過した光線は、分光要素に向けられる。分光要素は、分光デバイスを備えた分光計であり得る。分光デバイスは格子又はプリズムであり得る。分光要素は、複数のスリットを透過した光線を受け取り、波長に従って各光線を分光し、分光された光線を二次元画像センサに向ける。二次元画像センサは、複数のスリットから発せられた分光光線から二次元画像を形成する。別個の二次元画像が、各分光光線に形成し得る。二次元画像センサは、複数の検出要素を含み得る。二次元画像センサは、第1の組の検出要素にわたり第1の分光光線を受け取り、第2の組の検出要素にわたり第2の分光光線を受け取り得る。2つ以上の二次元画像を結合して、ハイパースペクトル画像を形成し得る。
【0015】
一態様では、本開示は、多視野ハイパースペクトル撮像システムに拡張され、本多視野ハイパースペクトル撮像システムは、
遠隔物体から画像を受け取るように構成される前部光学系であって、画像は複数の光線を含み、前記光線のそれぞれは、前記遠隔物体の異なる領域から発せられる、前部光学系と、
第1のスリット及び第2のスリットを含む走査可能スリット機構であって、前記第1のスリット及び前記第2のスリットは、前記前部光学系が前記画像を投射して、前記第1のスリット及び前記第2のスリットを同時に照明するように位置決めされ、前記第1のスリットは、第1の光線を前記前部光学系から受け取り、且つトリミングされた第1の光線を出力し、前記第2のスリットは、第2の光線を前記前部光学系から受け取り、且つトリミングされた第2の光線を出力する、走査可能スリット機構と、
分光デバイスを有する分光計であって、前記トリミングされた第1の光線を受け取り、且つ分光して、分光された第1の光線を生成するように位置決めされ、前記トリミングされた第2の光線を受け取り、且つ分光して、分光された第2の光線を生成するように位置決めされる、分光計と、
複数の検出要素を有する二次元画像センサであって、第1の組の前記検出要素にわたり前記分光された第1の光線を受け取り、及び第2の組の前記検出要素にわたり前記分光された第2の光線を受け取るように位置決めされ、前記分光された第1の光線の二次元画像及び前記分光された第2の光線の二次元画像を得るように構成される、二次元画像センサと、
前記走査可能スリット機構を再構成するように構成されるアクチュエータであって、前記再構成は、前記第1のスリット及び前記第2のスリットを再位置決めすることを含む、アクチュエータと
を備える。
【0016】
別の態様では、本開示はハイパースペクトル撮像システムに拡張され、ハイパースペクトル撮像システムは、
遠隔物体から画像を受け取るように構成される前部光学系であって、前記画像は複数の光線を含む、前部光学系と、
第1のスリット及び第2のスリットを含む走査可能スリット機構であって、前記第1のスリット及び前記第2のスリットは、前記前部光学系が前記画像を投射して、前記第1のスリット及び前記第2のスリットを同時に照明するように位置決めされ、前記第1のスリットは、第1の光線を前記前部光学系から受け取り、且つトリミングされた第1の光線を出力し、前記第2のスリットは、第2の光線を前記前部光学系から受け取り、且つトリミングされた第2の光線を出力し、前記第1の光線は前記遠隔物体の第1の部分から発せられ、及び前記第2の光線は前記遠隔物体の第2の部分から発せられる、走査可能スリット機構と、
分光デバイスを有する分光計であって、前記トリミングされた第1の光線を受け取り、且つ分光して、分光された第1の光線を生成するように位置決めされ、前記トリミングされた第2の光線を受け取り、且つ分光して、分光された第2の光線を生成するように位置決めされる、分光計と、
複数の検出要素を有する二次元画像センサであって、第1の組の前記検出要素にわたり前記分光された第1の光線を受け取り、及び第2の組の前記検出要素にわたり前記分光された第2の光線を受け取るように位置決めされ、前記分光された第1の光線の二次元画像及び前記分光された第2の光線の二次元画像を得るように構成される、二次元画像センサと、
前記走査可能スリット機構を再構成するように構成されるアクチュエータであって、前記再構成は、前記第1のスリット及び前記第2のスリットを再位置決めすることを含む、アクチュエータと
を備える。
【0017】
別の態様では、本開示は、ハイパースペクトル画像を取得する方法に拡張され、本方法は、
ハイパースペクトル撮像システムを提供するステップであって、前記ハイパースペクトル撮像システムは、
前部光学系と、
第1のスリット及び第2のスリットを有する走査可能スリット機構と、
分光デバイスを有する分光計と、
複数の検出要素を有する二次元画像センサと、
アクチュエータと
を備える、ステップと、
遠隔物体から画像を取得して投射するように前記前部光学系を位置決めするステップであって、前記画像は複数の光線を含む、ステップと、
前記走査可能スリット機構を操作して、前記第1のスリット及び前記第2のスリットが前記投射画像によって同時に照明されるよう前記第1のスリット及び前記第2のスリットを位置決めするように、前記アクチュエータを制御するステップであって、前記第1のスリットは前記画像の第1の光線によって照明され、及び前記第2のスリットは前記画像の第2の光線によって照明され、前記第1の光線は前記遠隔物体の第1の部分から発せられ、及び前記第2の光線は前記遠隔物体の第2の部分から発せられる、ステップと、
前記第1の光線を前記第1のスリットを通して前記分光計に透過させるステップであって、前記分光計は、前記第1の光線を分光し、且つ前記分光された第1の光線を前記二次元画像センサの第1の組の検出要素に向け、前記二次元画像センサは、前記分光された第1の光線の画像を記録する、ステップと、
前記第2の光線を前記第2のスリットを通して前記分光計に透過させるステップであって、前記分光計は、前記第2の光線を分光し、且つ前記分光された第2の光線を前記二次元画像センサの第2の組の検出要素に向け、前記二次元画像センサは、前記分光された第2の光線の画像を記録する、ステップと
を含む。
【0018】
本発明の一態様では、遠隔物体の二次元エリアのハイパースペクトル画像を提供するハイパースペクトル撮像システム(又は関連付けられた方法)がある。このハイパースペクトル撮像システムは、(a)遠隔物体に関連付けられた画像を受け取るように構成される少なくとも1つの前部光学系であって、画像は複数の光線を含み、各光線は遠隔物体の異なる領域から発せられる、少なくとも1つの前部光学系と、(b)ディスクであって、その内部に複数の螺旋形又は弓形スリットが形成されるディスクを含む走査可能スリット機構であって、スリットのうちの少なくとも2つは、少なくとも1つの前部光学系が画像を投射して、スリットのうちの少なくとも2つを同時に照明するように位置決めされる、走査可能スリット機構と、(c)ディスクを回転させるアクチュエータと、(d)ディスクが回転し、それにより、第1の螺旋形又は弓形スリットの第1の部分が、遠隔物体に関連付けられた第1の光線を透過して、トリミングされた第1の光線を生成するよう位置決めされ、及び第2の螺旋形又は弓形スリットの第1の部分が、遠隔物体に関連付けられた第2の光線を透過して、トリミングされた第2の光線を生成するよう位置決めされるように、アクチュエータを制御するように構成されるコントローラと、(e)少なくとも分光デバイスを備える分光計であって、分光デバイスは、トリミングされた第1の光線を受け取り、且つ分光された第1の光線を出力し、及びトリミングされた第2の光線を受け取り、且つ分光された第2の光線を出力するように構成される、分光計と、(f)複数の検出要素を有する二次元画像センサであって、分光された第1の光線を第1の組の検出要素にわたって受け取り、及び分光された第2の光線を第2の組の検出要素にわたって受け取るように構成される、二次元画像センサとを備える。
【0019】
この態様では、ハイパースペクトル撮像システム(又は関連付けられた方法)は、(g)分光された第1の光線の二次元画像及び分光された第2の光線の二次元画像を取得するように構成される二次元画像センサを更に備え得る。
【0020】
この態様では、ハイパースペクトル撮像システム(又は関連付けられた方法)は、(h)コントローラであって、ディスクが回転し、それにより、第1の螺旋形又は弓形スリットの第2の部分が、遠隔物体に関連付けられた第3の光線を透過して、トリミングされた第3の光線を生成するよう位置決めされるようアクチュエータを制御するように構成される、コントローラと、(i)少なくとも分光デバイスを備える分光計であって、分光デバイスが、トリミングされた第3の光線を受け取り、且つ分光された第3の光線を出力し、及びトリミングされた第4の光線を受け取り、且つ分光された第4の光線を出力するように構成される、分光計と、(j)二次元画像センサであって、分光された第3の光線を第3の組の検出要素にわたって受け取り、及び分光された第4の光線を第4の組の検出要素にわたって受け取るように構成される、二次元画像センサと、(k)二次元画像センサであって、分光された第3の光線の二次元画像及び分光された第4の光線の二次元画像を取得するように構成される、二次元画像センサとを更に備え得る。
【0021】
この態様では、ハイパースペクトル撮像システム(又は関連付けられた方法)は、(l)コントローラであって、ディスクが回転し、それにより、遠隔物体の光に関連付けられた異なる光線を透過して、異なるトリミングされた光線を生成し、その間、異なるトリミングされた光線を繰り返し分光して、異なる分光光線を生成し、及び二次元画像センサからの異なる分光光線の二次元画像を取得するように第1及び第2の螺旋形又は弓形スリットの異なる部分が位置決めされるよう、アクチュエータを繰り返し制御するように構成される、コントローラを更に備え得る。
【0022】
この態様では、ハイパースペクトル撮像システム(又は関連付けられた方法)は、(m)二次元画像のうちの2つ以上を結合して、遠隔物体の二次元エリアのハイパースペクトル画像を提供することを更に含み得る。
【0023】
本発明の別の態様では、遠隔物体の二次元エリアのハイパースペクトル画像を提供するハイパースペクトル撮像システム(又は関連付けられた方法)がある。このハイパースペクトル撮像システムは、(a)遠隔物体に関連付けられた画像を受け取るように構成される少なくとも1つの前部光学系であって、画像は複数の光線を含み、各光線は遠隔物体の異なる領域から発せられる、少なくとも1つの前部光学系と、(b)ディスクであって、その内部に複数の直線スリットが形成されるディスクを含む走査可能スリット機構であって、スリットのうちの少なくとも2つは、少なくとも1つの前部光学系が画像を投射して、スリットのうちの少なくとも2つを同時に照明するように位置決めされる、走査可能スリット機構と、(c)ディスクを回転させるアクチュエータと、(d)コントローラであって、ディスクが回転し、それにより、第1の直線スリットが、遠隔物体に関連付けられた第1の光線を透過して、トリミングされた第1の光線を生成するよう位置決めされ、及び第2の直線スリットが、遠隔物体に関連付けられた第2の光線を透過して、トリミングされた第2の光線を生成するよう位置決めされるように、アクチュエータを制御するように構成されるコントローラと、(e)少なくとも分光デバイスを備える分光計であって、分光デバイスは、トリミングされた第1の光線を受け取り、且つ分光された第1の光線を出力し、及びトリミングされた第2の光線を受け取り、且つ分光された第2の光線を出力するように構成される、分光計と、(f)複数の検出要素を有する二次元画像センサであって、分光された第1の光線を第1の組の検出要素にわたって受け取り、及び分光された第2の光線を第2の組の検出要素にわたって受け取り、且つ第1の分光光線の第1の二次元画像を提供するように構成される、二次元画像センサとを備える。
【0024】
この態様では、ハイパースペクトル撮像システム(又は関連付けられた方法)は、(g)分光された第1の光線の二次元画像及び分光された第2の光線の二次元画像を取得するように構成される二次元画像センサを更に備え得る。
【0025】
この態様では、ハイパースペクトル撮像システム(又は関連付けられた方法)は、(h)コントローラであって、ディスクが回転し、それにより、第3の直線スリットが、遠隔物体に関連付けられた第3の光線を透過して、トリミングされた第3の光線を生成し、及び第4の直線スリットが、遠隔物体に関連付けられた第4の光線を透過して、トリミングされた第4の光線を生成するよう位置決めされるよう、アクチュエータを制御するように構成される、コントローラと、(i)少なくとも分光デバイスを備える分光計であって、分光デバイスが、トリミングされた第3の光線を受け取り、且つ分光された第3の光線を出力し、及びトリミングされた第4の光線を受け取り、且つ分光された第4の光線を出力するように構成される、分光計と、(j)二次元画像センサであって、分光された第3の光線を第3の組の検出要素にわたって受け取り、及び分光された第4の光線を第4の組の検出要素にわたって受け取るように構成される、二次元画像センサと、(k)二次元画像センサであって、分光された第3の光線の二次元画像及び分光された第4の光線の二次元画像を取得するように構成される、二次元画像センサとを更に備え得る。
【0026】
この態様では、ハイパースペクトル撮像システム(又は関連付けられた方法)は、(l)コントローラであって、ディスクが回転し、それにより、遠隔物体の光に関連付けられた異なる光線を透過して、異なるトリミングされた光線を生成し、その間、異なるトリミングされた光線を繰り返し分光して、異なる分光光線を生成し、及び二次元画像センサからの異なる分光光線の二次元画像を取得するように異なる複数の直線スリットが位置決めされるよう、アクチュエータを繰り返し制御するように構成される、コントローラを更に備え得る。
【0027】
この態様では、ハイパースペクトル撮像システム(又は関連付けられた方法)は、(m)二次元画像のうちの2つ以上を結合して、遠隔物体の二次元エリアのハイパースペクトル画像を提供することを更に含み得る。
【0028】
本発明の追加の態様が、部分的に、詳細な説明、図、及び以下の任意の請求項に記載され、部分的に、詳細な説明から導出されるか、又は本発明の実施によって知ることができる。上記の概要及び以下の詳細な説明の両方が単に例示的且つ説明的であり、開示される本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0029】
添付図面と併せて解釈される以下の詳細な説明を参照することにより、本発明のより詳細な理解を有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】走査可能スリット機構を有する例示的なハイパースペクトル撮像システムを示す図である。
図2A】走査可能スリット機構がディスクである例示的なハイパースペクトル撮像システムを示す図である。
図2B】走査可能スリット機構がディスクである例示的なハイパースペクトル撮像システムを示す別の図である。
図2C】ハイパースペクトル撮像システムの前部光学系によって投射される画像により、2つ以上のスリットの同時照明を提供する走査可能スリット機構のディスクを示す。
図2D図2A図2Cに示されるハイパースペクトル撮像システムを使用して遠隔物体の二次元エリアのハイパースペクトル画像を提供する例示的な方法のステップを示すフローチャートである。
図3A】走査可能スリット機構がディスクである例示的なハイパースペクトル撮像システムを示す図である。
図3B】走査可能スリット機構がディスクである例示的なハイパースペクトル撮像システムを示す別の図である。
図3C】ハイパースペクトル撮像システムの前部光学系によって投射される画像により、2つ以上のスリットの同時照明を提供する走査可能スリット機構のディスクを示す。
図3D図3A図3Cに示されるハイパースペクトル撮像システムを使用して遠隔物体の二次元エリアのハイパースペクトル画像を提供する例示的な方法のステップを示すフローチャートである。
図4A】走査可能スリット機構が、折り返しミラーが内部に配置された回転ドラムである、例示的なハイパースペクトル撮像システムを示す幾つかの図である。
図4B】走査可能スリット機構が、折り返しミラーが内部に配置された回転ドラムである、例示的なハイパースペクトル撮像システムを示す別の図である。
図4C】ハイパースペクトル撮像システムのドラム内に含まれる折り返しミラーによって反射された画像により、2つ以上のスリットの同時照明を提供する走査可能スリット機構のドラムを示す。
図4D】本発明の第3の実施形態による、図4A及び図4Bに示されるハイパースペクトル撮像システムを使用して遠隔物体の二次元エリアのハイパースペクトル画像を提供する例示的な方法のステップを示すフローチャートである。
図5】1つの固定スリットを有する分光計を使用した遠隔物体からの画像取得を示す。
図6】1つの固定スリットを有する分光計を使用した画像取得に関連付けられた検出器ピクセルエリアの未活用を示す。
図7】4つの固定スリットを有する分光計を使用した遠隔物体からの画像取得を示す。
図8】4つの走査可能なスリットを有する分光計を使用した遠隔物体からの画像取得を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1を参照すると、本発明の実施形態により、遠隔物体104のエリアのハイパースペクトル画像102を提供するように構成される例示的なハイパースペクトル撮像システム100の基本構成要素を示す図がある。ハイパースペクトル撮像システム100は、1つ又は複数の光学系106を有する前部光学系と、走査可能スリット機構108と、分光計110と、二次元画像センサ112と、コントローラ114とを含む。分光計110は、オフナー分光計(図示)、ダイソン分光計、又は分光デバイス116を含む他の周知の分光計の任意の1つであり得る。例えば、分光計110は、屈折に基づくスペクトル撮像組立体に対応するプリズム116として構成される分光デバイス116を含み得る。又は、分光計110は、回折に基づくスペクトル撮像組立体(図示)に対応する回折格子116として構成される分光デバイス116を含み得る。更に、ハイパースペクトル撮像システム100は筐体118を含み得、筐体118は、光学系106、走査可能スリット機構108、分光計110、及び二次元画像センサ112を封入し、支持する。この例では、コントローラ114は、筐体118の外部に位置決めされて示されるが、それでもなお、光学系106(光学系106の合焦のために)、走査可能スリット機構108、及び二次元画像センサ112に動作可能に結合される。ハイパースペクトル撮像システム100は、当業者に周知の他の構成要素を組み込むことができるが、単に明確にするために、本発明の説明に必要な構成要素106、108、110、112、114、116、及び118について、本明細書において詳細に考察する。
【0032】
ハイパースペクトル撮像システム100は、光学系106が光115aを遠隔物体104から受け取り、合焦光115bを方向付けるよう構成されるように位置決めされ、合焦光115bは、走査可能スリット機構108上での遠隔物体104の画像107を表す。光115bは複数の光線を含み、各光線は遠隔物体104の異なる部分から発せられる。走査可能スリット機構108は、光115bを光学系106から受け取る基板109が、光学系106の画像面に配置されるように位置決めされる。基板109は複数のスリットを含み、スリットは、少なくとも2つのスリットが、光115b内に含まれる異なる光線によって同時に照明されるように構成される。走査可能スリット機構108の基板109の少なくとも2つのスリットは、少なくとも2つの別個の光線を光115bから受け取り、光の少なくとも2つの別個のトリミングされた光線115c、115gを分光計110に提供する。この例では、分光計110は、オフナー分光計として構成され、第1のミラー122を含み、第1のミラー122は、走査可能スリット機構108の基板109の同時に照明される少なくとも2つのスリットからの1つの光の少なくとも2つの別個のトリミングされた光線115c、115gを受け取り、少なくとも2つの光線115d、115hを回折格子116に反射し、回折格子116は、少なくとも2つの回折光線115e、115iを二次ミラー124に向け、二次ミラー124は、少なくとも2つの回折光線115f、115jを二次元画像センサ112に反射する。二次元画像センサ112は複数のピクセルを含み、反射光線115f、115jは、異なる組のピクセル117a、117bによって受け取られ、二次元画像センサ112によって処理され、二次元画像を生成する。コントローラ114は、二次元画像117a、117bを受け取り、記憶する。
【0033】
コントローラは、走査可能スリット機構108と対話して、基板109を再構成する。基板109の再構成は、少なくとも2つのスリットを再位置決めする回転又は他の移動を含み得る。基板109の再位置決めは、スリットの異なる部分が同時に照明されるように、元の少なくとも2つの同時に照明されるスリットを位置決めし得る。代替的には、基板109の再位置決めは、元の少なくとも2つの同時に照明されるスリットを光115bの照明野からなくし、元の少なくとも2つの同時に照明されるスリットを異なる組の少なくとも2つのスリットで置換し、それらの異なる組の少なくとも2つのスリットが同時に照明されるようになる。基板109の再位置決めを通して、走査可能スリット機構108は、少なくとも2つの異なるトリミングされた光線を、遠隔物体104から受け取られた光115bから分光計110に送り、分光計110は、上述したようにその光を二次元画像センサ112に向けて、遠隔物体104の追加の画像117c、117dを形成する。コントローラ114は、走査可能スリット機構108を繰り返し再構成して、特定の組の少なくとも2つのスリットの異なる部分及び/又は異なる組の少なくとも2つのスリットを通して、一連の同時トリミングされた画像を生成し、遠隔物体104の複数の画像117a、117b、...、117hを提供する。コントローラ114は二次元画像117a、117b、...、117hを組み合わせて、遠隔物体104のエリアのハイパースペクトル画像102を形成することもできる。
【0034】
幾つかの異なるタイプの走査可能スリット機構108を組み込んだハイパースペクトル撮像システム100の幾つかの異なる実施形態の構成及び動作についての詳細な考察が、図2図4に関して以下に提供される。考察を容易にするために、走査可能スリット機構の動作原理は、1つのスリットが、前部光学系によって投射される光によって照明される簡易化された状況で説明される。簡易化された状況では、1つの光線が、走査可能スリット機構によって受け取られ、二次元画像センサに向けられて、1つの二次元画像を形成する。複数のスリットの同時照明及び遠隔物体の複数の部分から受け取られる複数の光線からの複数の二次元画像の同時生成への拡張の考察が以下に続く。
【0035】
図2A及び図2Bを参照すると、走査可能スリット機構108の基板が、内部に形成された少なくとも1つの螺旋形スリット204(この例では、3つの螺旋形スリット204a、204b、及び204cが示される)と、軸208を中心としてディスク202を回転させるアクチュエータ206とを有するディスク202であるハイパースペクトル撮像システム100aを示す幾つかの図がある。ハイパースペクトル撮像システム100aは、光学系106を有する前部光学系、回転ディスク202、アクチュエータ206、分光計110(少なくとも分光デバイス116を含む)、二次元画像センサ112、コントローラ114、及び筐体118(図示せず)を含む。光学系106、ディスク202、分光デバイス116を有する分光計110、及び二次元画像センサ112が、上述したように、光線がある構成要素から別の構成要素に適宜向けられるように、互いに対して位置決めされることを理解されたい。しかし、ハイパースペクトル撮像システム100aの様々な特徴の説明を補助するために、ディスクの表面209に対する光学系106の向きは変更されている。例えば、ディスクの表面209は、実際には、示されるように読み手に面するのではなく、光学系106の主面に面する。また、軸208上のディスク202の回転面は、読み手に直交する。
【0036】
図2A及び図2Bに示されるように、ハイパースペクトル撮像システム100aが、ディスク202が、第1の時間「t1」において、ある位置「p1」に螺旋形スリット204aの第1の部分209を有し(図2A参照)、次に、螺旋形スリット204aの別の部分が、第2の時間「t2」において位置「p1」にある(図2B参照)ように構成される例がある。図2Aでは、ハイパースペクトル撮像システム100aは、第1の時間「t1」において、光学系106が遠隔物体104に関連付けられた光115aを受け取り、遠隔物体104の画像107を表す合焦光115bをディスク202に向けるように位置決めされ、ディスク202は光学系106の焦点面に配置し得る。特に、コントローラ114は、アクチュエータ206と対話して、螺旋形スリット204aの第1の部分209が、第1の時間「t1」において位置「p1」にあるように、軸208上でディスク202を回転させる。時間「t1」において、螺旋形スリット204aの第1の部分209aは、光学系106の画像面又はその近傍に位置決めされて、遠隔物体104の第1の部分から発せられた、トリミングされた第1の光線215cを分光計110に渡す。トリミングされた第1の光線215cは、例えば、第1のミラー122(図1参照)を経由して分光デバイス116に向けられる。分光計110は、分光デバイス116(例えば、プリズム116、回折格子116)を有する任意の周知の分光計110であることができる。分光デバイス116は分光された光215eを生成し、この光は、例えば、第2のミラー124(図1参照)を経由して二次元画像センサ112によって受け取られる。二次元画像センサ112は二次元画像117aを生成し、この画像は、分光された光215eの空間情報を表すある軸210a(例えば、回折光215eの0次画像 − 回折格子116が使用される場合)と、分光215eのスペクトル情報を表す別の軸210b(例えば、回折光215eの非0次画像 − 回折格子116が使用される場合)とを含む。コントローラ114は、二次元画像117aを受け取って記憶し、アクチュエータ206と対話して、螺旋形スリット204aの第2の部分209が、時間「t2」において位置「p1」にあり、次に考察するように、遠隔物体104の第2の部分から発せられた、トリミングされた第2の光線215gを分光計110に渡すように、ディスク202を回転させる。
【0037】
図2Bでは、第2の時間「t2」において構成されたハイパースペクトル撮像システム100aが示され、ここでは、コントローラ114はアクチュエータ206と対話して、螺旋形スリット204aの第2の部分290が、時間「t2」において位置「p1」にあり、遠隔物体104の画像107に関連付けられた、トリミングされた第2の光線215gを分光計110に渡すように、ディスク202を回転させ、この光線は、例えば、第1のミラー122(図1)を経由して分光デバイス116によって受け取られる。見て取ることができるように、トリミングされた第1の光線215cは、遠隔物体104の画像107に関連付けられた、トリミングされた第2の光線215gと連続するか、又は略連続し、したがって、トリミングされた第2の光線215gは、トリミングされた第1の光線215cに関連付けられた遠隔物体104の部分に隣接する、遠隔物体104の部分の画像に対応する。分光デバイス116は分光215iを生成し、この光は、例えば、第2のミラー124(図1)を経由して二次元画像センサ112によって受け取られる。二次元画像センサ112は二次元画像117bを生成し、この画像は、分光215iの空間情報を表すある軸210a(例えば、回折光215iの0次画像 − 回折格子116が使用される場合)と、分光215iのスペクトル情報を表す別の軸210b(例えば、回折光215iの非0次画像 − 回折格子116が使用される場合)とを含む。コントローラ114は、二次元画像117bを受け取って記憶する。その後、コントローラ114は、アクチュエータ206と対話して、異なる時間「t3」、「t4」、...、「tn」においてディスク202を回転させ、それにより、螺旋形スリット204aの残りの部分209、209、...、209は順次、位置「p1」に配置されるが、時間「t3」、「t4」、...、「tn」では、二次元画像センサ112はアクティブ化されて、遠隔物体104から発せられた分光した異なる光線の異なる二次元画像117c、117d、...、117nを取得する。コントローラ114は、二次元画像117a、117b、117c、...、117nを結合して、遠隔物体104のエリアに関連付けられた全体画像107のハイパースペクトル画像102aを提供する。この例では、各二次元画像117a、117b、117c、...、117nは、遠隔物体104の異なる部分から発せられた分光された異なる光線215e、215i等に対応し、分光された光線215e、215i等は、互いに連続し、それにより、各スペクトル画像が結合されたとき、その結果生成される組合せは、遠隔物体104のエリアの画像107を表すハイパースペクトル画像102aを形成する。
【0038】
第1の螺旋形スリット204aを使用して遠隔物体104のエリアのハイパースペクトル画像102aを取得するのに使用されたものと同じプロセスを繰り返して、第2の螺旋形スリット204bを使用して遠隔物体104のエリアのハイパースペクトル画像102bを取得し、次に繰り返して、第3の螺旋形スリット204cを使用して遠隔物体104のエリアのハイパースペクトル画像102cを取得する。したがって、3つの螺旋形スリット204a、204b、及び204cを有するディスク202では、ディスク202の1回の360°回転毎に、遠隔物体104のエリアの同じ画像107の3つの異なるハイパースペクトル画像102a、102b、及び102cを取得することができる。この例では、第1の螺旋形スリット204aの異なる部分209、209、209、209、...、209の結合幅は、遠隔物体104の画像107の幅211に等しいか、又はそれよりも大きい。第1の螺旋形スリット204aの異なる部分209、209、209、209、...、209のそれぞれの高さも、遠隔物体104の画像107の高さ213に等しいか、又はそれよりも大きい。ディスク202が回転すると、第1の螺旋形スリット204aの異なる部分209、209、209、209、...、209が画像107にわたり掃引して、遠隔物体104のエリアにわたる連続した一連の画像を取得できるようにする。第2の螺旋形スリット204b及び第3の螺旋形スリット204cは通常、第1の螺旋形スリット204aと同じ幅及び高さを有する。ディスク202が1つ、2つ、4つ、又はそれを超える螺旋形スリットを含む構成も考えられる。
【0039】
この例では、コントローラ114は、ディスク202の120°回転中、第1の螺旋形スリット204aを使用することにより、異なる二次元画像117a、117b、117c、...、117nを取得して、ハイパースペクトル画像102aを形成することができる。それに加えて、コントローラ114は、ディスク202の残りの240°回転中、第2の螺旋形スリット204b及び第3の螺旋形スリット204cを使用することにより、異なる二次元画像を取得し、これらの画像は結合されて、2つのハイパースペクトル画像102b及び102cを形成する。代替的には、ディスク202が1つのみの螺旋形スリット204を有する場合、コントローラ114は、ディスク202の1回転毎に遠隔物体104の1つのハイパースペクトル画像を提供する。同様に、ディスク202が2つの螺旋形スリットを有する場合、コントローラ114は、ディスク202の1回転毎に遠隔物体104の2つのハイパースペクトル画像を提供する。いずれの場合でも、コントローラ114は、任意の所望のデータレートで二次元画像117a、117b、117c、...、117nを取得することができるが、通常、それは各螺旋形スリット204a、204b、及び204cが、二次元画像センサ112上の画像(画像107からの各光線)が側方に移動するように十分に回転した後であり得る。
【0040】
上記例では、螺旋形スリット204a、204b、及び204cは、遠隔物体104の画像107が任意の所与の時間に螺旋形スリット204a、204b、又は204cのうちの1つのみに配置されるように十分遠くに互いに離間される。換言すれば、画像107は全体的に、螺旋形スリット204a及び204b間、螺旋形スリット204b及び204c間、又は螺旋形スリット204a及び204c間の空間に配置することができる。これを達成するために、ディスク202、特にディスクの内部に形成される螺旋形スリット204a、204b、及び204cは、前部光学系の光学系106によって最終的に形成されることになる画像107の特定のサイズ及びロケーションに基づいて位置決めされる。特に、ディスク202は特定の直径を有し得、画像107は、ディスク202の表面209上の特定のロケーションにおいて所定の幅211及び高さ213を有することになる。それに加えて、螺旋形スリット204a、204b、及び204cはそれぞれ一端部220a、220b、及び220cを有し、一端部は、ディスク202の縁部から所定の距離「1」に配置されて、画像107の一端部222と位置合わせされる。更に、螺旋形スリット204a、204b、及び204cはそれぞれ他端部224a、224b、及び224cを有し、他端部224a、224b、及び224cは、ディスク202の縁部から所定の距離「2」に配置されて、画像107の他端部226と位置合わせされる。換言すれば、各螺旋形スリット204a、204b、及び204cは、ディスク202の外縁部に対する各端部220a−224a、220b−224b、及び220c−224c間の距離に関連する距離「1」と「2」との差が、遠隔物体104の画像107の幅211と同じであるか、又はそれよりも大きくなるようなサイズである。
【0041】
図2A及び図2Bの図中、複数のスリットは、ディスク202が回転する際、一度に1つのみのスリットが照明されるように構成される。代替的には、螺旋形スリットは、所与の時間に螺旋形スリットのうちの2つ以上のスリットがそれぞれ、遠隔物体104の画像107からの異なる光線を分光計110に同時に渡すように、互いに対して位置決めすることができる。2つ以上の螺旋形スリットは、それぞれが前部光学系の照明野内に同時に存在して、同時照明を達成するように位置決めされる。図2Cは、2つのスリットの部分が画像107の異なる部分によって同時に照明されるように構成された複数のスリットを含むハイパースペクトル撮像システム100aのディスク202の図を示す。例えば、位置209において、螺旋形スリット204a及び204aの部分は、同時に照明される。各同時照明部分は、画像107の異なる部分に対応するトリミングされた光線を分光計110に渡し、二次元画像センサ112に向けて分光する。螺旋形スリット204a及び204aから送られる、トリミングされた光線は、二次元画像センサ112内に含まれる異なる組のピクセルによって受け取られ、別個の二次元画像が、トリミングされた各光線から形成される。本開示は、3つ以上のスリット、4つ以上のスリット、又は5つ以上のスリット等の同時照明を可能にするディスク202の適合に拡張される。そのような適合は、追加のスリットを図2Cに示される対になったスリットの群に加えることによって実現し得る。第3のスリット204a、204b、及び204cは、例えば、図2Cに示される群204a、204b、及び204cに加えて、3つのスリットの部分が同時に照明されるディスクを達成することができる。2つ以上の同時照明スリットは平行であり得る。同時照明スリットから受け取られる光線の撮像の更なる考察を以下に提供する。
【0042】
図2Dを参照すると、本発明の第1の実施形態により、ハイパースペクトル撮像システム100aを使用して、遠隔物体104の二次元エリア107のハイパースペクトル画像102を提供する例示的な方法200Dのステップを示すフローチャートがある。方法は、(a)ハイパースペクトル撮像システム100aを提供するステップであって、ハイパースペクトル撮像システムは、前部光学系106、回転可能ディスク202(少なくとも1つの螺旋形スリット204が内部に形成される)、アクチュエータ206、分光計110(少なくとも分光デバイス116を含む)、二次元画像センサ112、及びコントローラ114を含む、ステップ(ステップ202D)と、(b)遠隔物体104に関連付けられた光115aを受け取るように、光学系106を位置決めするステップ(ステップ204D)と、(c)ディスク202が回転し、それにより、螺旋形スリット204の第1の部分209(又は複数の同時照明スリット204、204等のそれぞれの第1の部分)が、遠隔物体104に関連付けられた、トリミングされた第1の光線215c(又はそれぞれが複数の同時照明スリットの異なる1つから発せられる、複数のトリミングされた第1の光線)を分光計110に透過させるよう位置決めされるように、アクチュエータ206を制御するステップであって、分光計110は、トリミングされた第1の光線215c(又は複数のトリミングされた第1の光線)を受け取り、及び分光された第1の光線215e(又は複数の第1の分光された光線)を二次元画像センサ112に出力するように構成される少なくとも分光デバイス116を備える、ステップ(ステップ206D)と、(d)二次元画像センサ112から、分光された第1の光線215e(又は複数の第1の分光光線)の二次元画像117aを取得するステップ(ステップ208D)と、(e)ディスク202が回転して、それにより、螺旋形スリット204の第2の部分209が、遠隔物体104に関連付けられた、トリミングされた第2の光線215g(又は複数のトリミングされた第2の光線、それぞれが複数の同時照明スリットのそれぞれから発せられる)を分光計110まで透過するよう位置決めされるように、アクチュエータ206を制御するステップであって、分光計110は、トリミングされた第2の光線215g(又は複数のトリミングされた第2の光線)を受け取り、及び分光された第2の光線215i(又は複数の第2の分光された光線)を二次元画像センサ112に出力するように構成される少なくとも分光デバイス116を備える、ステップ(ステップ210D)と、(f)二次元画像センサ112から、分光された第2の光線215i(又は複数の分光された第2の光線)の二次元画像117bを取得するステップ(ステップ212D)と、(g)ディスク202が回転して、それにより、螺旋形スリット204の異なる部分209、209、...、209が、遠隔物体104の光107に関連付けられた異なる光線を透過させるよう位置決めされるように、アクチュエータ206を繰り返し制御するステップであって、その間、二次元画像センサ112から異なる分光された光線の二次元画像117c、117d、...、117nを繰り返し取得し、第1及び第2の二次元画像117a及び117b並びに異なる二次元画像117c、117d、...、117nを結合して、遠隔物体104のハイパースペクトル画像102を提供する、ステップ(ステップ214D)とを含む。一例では、コントローラ114は、連続した一定速度でディスク202を回転させるように、アクチュエータ206を制御することができ、その間、第1及び第2の二次元画像117a及び117b並びに異なる二次元画像117c、117d、...、117nを取得する。上記例では、コントローラ114はメモリとインターフェースするプロセッサを含み得、メモリは、ステップ204D、206D、208D、210D、212D、及び214Dを実行するプロセッサ実行可能命令を実行するプロセッサ実行可能命令を記憶する。本開示の方法は、図2Dに示される全てのステップよりも少ないステップを含む方法に拡張される。図2Dに示される任意の1つ、2つ、3つ、又はそれを超えるステップのサブステップを含む方法が、本開示の範囲内である。
【0043】
必要に応じて、システムのサイズに大きく影響せずに、走査ディスク202及びアクチュエータ206を既存の設計に追加することができる。それに加えて、その結果強化されたシステム(すなわち、ハイパースペクトル撮像システム100a)は、略100%の走査効率を提供する。前部光学系の前に走査ミラーを組み込む検流計駆動のスキャナのような他の従来の走査システムでは、遠隔物体のいずれの線が分光計に渡されているかを知るために、走査デバイスからのフィードバックが必要である。しかし、ハイパースペクトル撮像システム100aでは、二次元画像センサ112が、0次画像及び回折画像を撮像するのに十分大きい場合、0次画像のロケーションは、何らかの走査デバイスからのフィードバックを必要とせずに、この情報(すなわち、遠隔物体のいずれの線が分光計に渡されているか)を提供することができる。更に、従来の検流計駆動スキャナは、振動源であり、ハイパースペクトル撮像システム100aで使用される一定速度回転ディスク202と比較した場合、より高い電力要件を有し得る。更に、従来のポリゴンスキャナは通常、低い走査効率、追加の反射面を有し、前部光学系と遠隔物体との間に位置決めされる場合、ハイパースペクトル撮像システム100aのサイズと比較して、システムサイズを大幅に増大させることを必要とする。本発明では、ディスク202は、従来のリソグラフィ技法(例として、可視短波赤外線(SWIR)用途ではクロムオンガラス)を用いて製造することができる。ディスク202は、共同譲渡された米国特許第7,697,137号明細書(この内容は参照により本明細書に援用される)に定義されるプロセスを使用して、金属基板で製造することもできる。最後に、ディスク202は、単純なモータ206(アクチュエータ206)によって駆動され、速度制御又は角位置デバイスは必要ない。しかし、ディスク202の軸方向位置は公称的に、前部光学系106の焦点深度内にあるように制御及び位置決めされる必要がある。
【0044】
図3A及び図3Bを参照すると、走査可能スリット機構108が、内部に形成された複数のスリット304(この例では、10個のスリット304a、304b、304c、304d、304e、304f、304g、304h、304i、304jが示される)と、軸308を中心としてディスク302を回転させるアクチュエータ306とを有するディスク302であるハイパースペクトル撮像システム100bを示す幾つかの図がある。スリット304は直線又は弓形であり得る。ハイパースペクトル撮像システム100bは、光学系106を有する前部光学系、回転ディスク302、アクチュエータ306、分光計110(少なくとも分光デバイス116を含む)、二次元画像センサ112、コントローラ114、及び筐体118(図示せず)を含む。光学系106、ディスク302、分光計110(分光116)、及び二次元画像センサ112が、上述したように、光線がある構成要素から別の構成要素に適宜向けられるように、互いに対して位置決めされることを理解されたい。しかし、ハイパースペクトル撮像システム100bの様々な特徴の説明を補助するために、ディスクの表面309に対する光学系106の向きは変更されている。例えば、ディスクの表面309は、実際には、示されるように読み手に面するのではなく、光学系106の主面に面する。また、軸308上のディスク302の回転面は、読み手に直交する。
【0045】
図3A及び図3Bに示されるように、ディスク302が、第1の時間「t1」において、ある位置「p1」に1つのスリット304aを有し(図3A参照)、次に、ディスク302が第2の時間「t2」において位置「p1」に次のスリット304bを有する(図3B参照)ように、ハイパースペクトル撮像システム100bが構成される例がある。図3Aでは、ハイパースペクトル撮像システム100bは、第1の時間「t1」において、光学系106が遠隔物体104に関連付けられた光115aを受け取り、遠隔物体104の画像107を表す合焦光115bをディスク302に向けるように位置決めされ、ディスク302は光学系106の焦点面に配置し得る。特に、コントローラ114は、アクチュエータ306と対話して、第1のスリット304aが、第1の時間「t1」において位置「p1」にあるように、軸308上でディスク302を回転させる。時間「t1」において、第1のスリット304aは、光学系106の画像面又はその近傍に位置決めされて、遠隔物体104の第1の部分から発せられた、トリミングされた第1の光線315cを分光計110に渡し、トリミングされた第1の光線315cは、例えば、第1のミラー122(図1参照)を経由して分光デバイス116によって受け取られる。分光計110は、分光デバイス116(例えば、プリズム116、回折格子116)を有する任意の周知の分光計110であることができる。分光デバイス116は分光された光315eを生成し、この光は、例えば、第2のミラー124(図1参照)を経由して二次元画像センサ112によって受け取られる。二次元画像センサ112は二次元画像117aを生成し、この画像は、分光された光315eの空間情報を表すある軸310a(例えば、回折光315eの0次画像 − 回折格子116が使用される場合)と、分光315eのスペクトル情報を表す別の軸310b(例えば、回折光315eの非0次画像 − 回折格子116が使用される場合)とを含む。コントローラ114は、二次元画像117aを受け取って記憶し、アクチュエータ306と対話して、第2のスリット304bが、時間「t2」において位置「p1」にあり、次に考察するように、遠隔物体104の第2の部分から発せられた、トリミングされた第2の光線315gを分光計110に渡すように、ディスク302を回転させる。
【0046】
図3Bでは、第2の時間「t2」において構成されたハイパースペクトル撮像システム100bが示され、ここでは、コントローラ114はアクチュエータ306と対話して、第2のスリット304bが、時間「t2」において位置「p1」にあり、遠隔物体104の画像107に関連付けられた、トリミングされた第2の光線315gを分光計110に渡すように、ディスク302を回転させ、この光線は、例えば、第1のミラー122(図1)を経由して分光デバイス116によって受け取られる。見て取ることができるように、トリミングされた第1の光線315cは、遠隔物体104の画像107に関連付けられた、トリミングされた第2の光線315gと連続するか、又は略連続し、したがって、トリミングされた第2の光線315gは、トリミングされた第1の光線315cに関連付けられた遠隔物体104の部分に隣接する、遠隔物体104の部分の画像に対応する。分光デバイス116は分光315iを生成し、この光は、例えば、第2のミラー124(図1)を経由して二次元画像センサ112によって受け取られる。二次元画像センサ112は二次元画像117bを生成し、この画像は、分光315iの空間情報を表すある軸310a(例えば、回折光315iの0次画像 − 回折格子116が使用される場合)と、分光315iのスペクトル情報を表す別の軸310b(例えば、回折光315iの非0次画像 − 回折格子116が使用される場合)とを含む。コントローラ114は、二次元画像117bを受け取って記憶する。その後、コントローラ114は、アクチュエータ306と対話して、異なる時間「t3」、「t4」、「t5」、「t6」、「t7」、「t8」、「t9」、「t10」においてディスク302を回転させ、それにより、残りのスリット304c、304d、304e、304f、304g、304h、304i、304jは順次、時間「t3」、「t4」、「t5」、「t6」、「t7」、「t8」、「t9」、「t10」において位置「p1」に配置され、その間、コントローラ114は二次元画像センサ112と対話して、遠隔物体104の異なる二次元画像117c、117d、117e、117f、117g、117h、117i、117jを取得する。コントローラ114は、二次元画像117a、117b、117c、117d、117e、117f、117g、117h、117i、117jを結合して、遠隔物体104のエリアに関連付けられた全体画像107のハイパースペクトル画像102を提供する。この例では、各二次元画像117a、117b、117c、117d、117e、117f、117g、117h、117i、117jは、遠隔物体104の異なる部分から発せられた分光された異なる光線315e、315i等に対応し、分光された光線315e、315i等は、互いに連続し、それにより、各スペクトル画像が結合されたとき、その結果生成される組合せは、遠隔物体104のエリアの全体画像107に関連付けられたハイパースペクトル画像102を形成する。
【0047】
見て取ることができるように、複数のスリット304a、304b、304c、304d、304e、304f、304g、304h、304i、304jを有するディスク302は、ディスク302の1回の360°回転毎に、遠隔物体104の画像107に関連付けられたハイパースペクトル画像102の生成を取得できるようにする。この例では、スリット304a、304b、304c、304d、304e、304f、304g、304h、304i、304jのそれぞれの高さは、遠隔物体104の画像107の高さ213に等しいか、又はそれよりも大きい。スリット304a、304b、304c、304d、304e、304f、304g、304h、304i、304jの結合幅も、遠隔物体104の画像107の幅211に等しいか、又はそれよりも大きい。示されるように、スリット304a、304b、304c、304d、304e、304f、304g、304h、304i、304jは、第1のスリット302aが位置「p1」にあるとき、画像107の第1の部分からのトリミングされた第1の光線315cを透過させ、第2のスリット302bが位置「p1」にあるとき、画像107の第1の部分と合同である部分からのトリミングされた第2の光線315gを透過させ、残りのスリット304c、304d、304e、304f、304g、304h、304i、304jに対して以下同様であるように、ディスク302の縁部から異なる距離でディスク302の表面309上にオフセットされて位置決めされる。このようにして、全てのスリット304a、304b、304c、304d、304e、304f、304g、304h、304i、304jが位置「p1」になった後、スリットを透過した全てのトリミングされた光線315c、315g等は互いに連続し、それにより、全てのトリミングされた光線315c、315g等が結合された場合、全体画像107を網羅する。
【0048】
任意の数のスリット304をディスク302上に形成することができ、結合されたときにスリット304の全ての幅が、遠隔物体104の画像107の幅211に等しいか、又はそれよりも大きい限り、各スリット304が同じ又は異なる幅を有することを理解されたい。
【0049】
上記例では、コントローラ114は、個々のスリット304a、304b、304c、304d、304e、304f、304g、304h、304i、304jが位置「p1」にあり、二次元画像センサ112と平行に位置合わせされたとき、対応する二次元画像117a、117b、117c、117d、117e、117f、117g、117h、117i、117jの「スナップショット」を取得する。したがって、コントローラ114は、ディスク302が軸308を中心として36°回転した後、二次元画像117a、117b、117c、117d、117e、117f、117g、117h、117i、117jのそれぞれの「スナップショット」を取得し、これらの36°回転中、データは二次元画像センサ112から取られない。その結果、ハイパースペクトル撮像システム100bは、100%の走査効率を有さず、その理由は、スリット304a、304b、304c、304d、304e、304f、304g、304h、304i、304jが位置「p1」にないとき、二次元画像センサ112からデータが取られないためである。コントローラ114は、ディスク302の回転を止める必要なく、二次元画像117a、117b、117c、117d、117e、117f、117g、117h、117i、117jの「スナップショット」を取得することができ、その理由は、コントローラ114が、スリット304a、304b、304c、304d、304e、304f、304g、304h、304i、304jが位置「p1」にあるときは常に、二次元画像センサ112と対話し、二次元画像センサ112からデータを取るためである。
【0050】
図3A及び図3Bの図では、複数のスリットは、ディスク302が回転する際、一度に1つのみのスリットが照明されるように配置される。代替的には、複数のスリットは、所与の時間にスリットのうちの2つ以上がそれぞれ、遠隔物体104の画像107からの異なる光線で同時に照明することができるように、互いに対して位置決めすることができる。図3Cは、2つのスリットの部分が画像107の異なる部分によって同時に照明されるように配置された複数のスリットを含むハイパースペクトル撮像システム100bのディスク302の図を示す。2つ以上のスリットは、それぞれが前部光学系の照明野内に同時に存在して、同時照明を達成するように位置決めされる。例えば、位置309において、スリット304a及び304aのそれぞれの部分は、同時に照明される。同時に照明される各部分は、画像107の異なる部分に対応するトリミングされた光線を分光のために分光計110に渡し、及び二次元画像センサ112に渡す。スリット304a及び304aから送られた、トリミングされた光線は、二次元画像センサ112内に含まれる異なる組のピクセルによって受け取られ、別個の二次元画像が、トリミングされた各光線から形成される。本開示は、3つ以上のスリット、4つ以上のスリット、又は5つ以上のスリット等の同時照明を可能にするディスク302の適合に拡張される。そのような適合は、追加のスリットを図3Cに示される対になったスリットの群に加えることによって実現し得る。第3のスリット304a、304b、及び304c等は、例えば、図3Cに示される群304a、304b、及び304c等に加えて、3つのスリットの部分が同時に照明されるディスクを達成することができる。複数のスリットの幅及び間隔は、複数のスリットが画像107内に収まるように調整される。2つ以上の同時照明スリットは平行であり得る。同時照明スリットから受け取られる光線の撮像の更なる考察を以下に提供する。
【0051】
図3Dを参照すると、本発明の第2の実施形態により、ハイパースペクトル撮像システム100bを使用して、遠隔物体104の二次元エリア107のハイパースペクトル画像102を提供する例示的な方法300Dのステップを示すフローチャートがある。方法は、(a)ハイパースペクトル撮像システム100bを提供するステップであって、ハイパースペクトル撮像システムは、光学系106を有する前部光学系、回転可能ディスク302((例えば)複数のスリット304a、304b、304c、304d、304e、304f、304g、304h、304i、304jが内部に形成される)、アクチュエータ306、分光計110(少なくとも分光デバイス116を含む)、二次元画像センサ112、及びコントローラ114を含む、ステップ(ステップ302D)と、(b)遠隔物体104に関連付けられた光115aを受け取るように、光学系106を位置決めするステップ(ステップ304D)と、(c)ディスク302が回転し、それにより、第1のスリット304a(又は複数の第1のスリット304a、304a等)が、遠隔物体104に関連付けられた、トリミングされた第1の光線315c(又はそれぞれが同時照明スリットのそれぞれから発せられる、複数のトリミングされた第1の光線)を分光計110に透過させるよう位置決めされるように、アクチュエータ306を制御するステップであって、分光計110は、トリミングされた第1の光線315c(又はそれぞれが同時照明スリットのそれぞれから発せられる、複数のトリミングされた第1の光線)を受け取り、及び分光された第1の光線315e(又は複数の分光された第1の光線)を二次元画像センサ112に出力するように構成される少なくとも分光デバイス116を備える、ステップ(ステップ306D)と、(d)二次元画像センサ112から、分光された第1の光線315e(又は複数の分光された第1の光線)の二次元画像117aを取得するステップ(ステップ308D)と、(e)ディスク302が回転して、それにより、第2のスリット304b(又は複数の第2のスリット304b、304b等)が、遠隔物体104に関連付けられた、トリミングされた第2の光線315g(又は複数のトリミングされた第2の光線、それぞれが同時照明スリットのそれぞれから発せられる)を分光計110まで透過するよう位置決めされるように、アクチュエータ306を制御するステップであって、分光計110は、トリミングされた第2の光線315g(又は複数のトリミングされた第2の光線、それぞれが同時照明スリットのそれぞれから発せられる)を受け取り、及び分光された第2の光線315i(又は複数の分光された第2の光線)を二次元画像センサ112に出力するように構成される少なくとも分光デバイス116を備える、ステップ(ステップ310D)と、(f)二次元画像センサ112から、分光された第2の光線315g(又は複数の分光された第2の光線)の二次元画像117bを取得するステップ(ステップ312D)と、(g)ディスク302が回転して、それにより、(例えば)異なるスリット304c、304d、304e、304f、304g、304h、304i、304j(又は異なる複数の同時照明スリット)が、遠隔物体104の光107に関連付けられた異なる光線を透過させるよう位置決めされるように、アクチュエータ306を繰り返し制御するステップであって、その間、二次元画像センサ112から異なる分光された光線の二次元画像117c、117d、117e、117f、117g、117h、117i、117jを繰り返し取得し、第1及び第2の二次元画像117a及び117b並びに異なる二次元画像117c、117d、117e、117f、117g、117h、117i、117jを結合して、遠隔物体104の二次元エリアのハイパースペクトル画像102を提供する、ステップ(ステップ314D)とを含む。一例では、コントローラ114は、連続した一定速度でディスク302を回転させるように、アクチュエータ306を制御することができ、その間、第1及び第2の二次元画像117a及び117b並びに異なる二次元画像117c、117d、...、117nを取得する。上記例では、コントローラ114はメモリとインターフェースするプロセッサを含み得、メモリは、ステップ304D、306D、308D、310D、312D、及び314Dを実行するプロセッサ実行可能命令を実行するプロセッサ実行可能命令を記憶する。本開示の方法は、図3Dに示される全てのステップよりも少ないステップを含む方法に拡張される。図3Dに示される任意の1つ、2つ、3つ、又はそれを超えるステップのサブステップを含む方法が、本開示の範囲内である。
【0052】
必要に応じて、システムのサイズに大きく影響せずに、走査ディスク302及びアクチュエータ306を既存の設計に追加することができる。それに加えて、その結果強化されたシステム(すなわち、ハイパースペクトル撮像システム100b)は、100%に近い走査効率を提供する。前部光学系の前に走査ミラーを組み込む検流計駆動のスキャナのような他の従来の走査システムでは、遠隔物体のいずれの線が分光計に渡されているかを知るために、走査デバイスからのフィードバックが必要である。しかし、ハイパースペクトル撮像システム100bでは、二次元画像センサ112が、0次画像及び回折画像を撮像するのに十分大きい場合、0次画像のロケーションは、何らかの走査デバイスからのフィードバックを必要とせずに、この情報(すなわち、遠隔物体のいずれの線が分光計に渡されているか)を提供することができる。更に、従来の検流計駆動スキャナは、振動源であり、ハイパースペクトル撮像システム100bで使用される一定速度回転ディスク302と比較した場合、より高い電力要件を有し得る。更に、従来のポリゴンスキャナは通常、低い走査効率、追加の反射面を有し、前部光学系と遠隔物体との間に位置決めされる場合、ハイパースペクトル撮像システム100bのサイズと比較して、システムサイズを大幅に増大させることを必要とする。本発明では、ディスク302は、従来のリソグラフィ技法(例として、可視短波赤外線(SWIR)用途ではクロムオンガラス)を用いて製造することができる。ディスク302は、共同譲渡の米国特許第7,697,137号明細書(この内容は参照により本明細書に援用される)に定義されるプロセスを使用して、金属基板で製造することもできる。最後に、ディスク302は、単純なモータ306(アクチュエータ306)によって駆動され、速度制御又は角位置デバイスは必要ない。しかし、ディスク302の軸方向位置は公称的に、前部光学系106の焦点深度内にあるように制御及び位置決めされる必要がある。
【0053】
図4A及び図4Bを参照すると、走査可能スリット機構108が、表面406に少なくとも1つのスリット404(この例では、7つのスリット404a、404b、404c、404d、及び404eが見て取ることができる)及び内部に配置された折り返しミラー408と、軸412を中心としてドラム402を回転させるアクチュエータ410とを有するドラム402である、ハイパースペクトル撮像システム100cを示す幾つかの図がある。(なお、図4A及び図4Bは、表面406の部分が切り欠かれており、したがって、ドラム402の内部内に配置される折り返しミラー408を見ることができる)。スリット404又はスリット404a、404b等は、直線又は弓形であり得る。ハイパースペクトル撮像システム100cは、光学系106を有する前部光学系、回転可能ドラム402、アクチュエータ410、分光計110(少なくとも分光デバイス116を含む)、二次元画像センサ112、コントローラ114、及び筐体118(図示せず)を含む。光学系106、ドラム402、分光計110(分光116)、及び二次元画像センサ112が、上述したように、光線がある構成要素から別の構成要素に適宜向けられるように、互いに対して位置決めされることを理解されたい。したがって、回転ドラム402は、片側416に開口部414を有し、開口部414を通して、光学系106からの光115bが折り返しミラー408まで透過され、折り返しミラー408によって反射されて、遠隔物体104の画像107を表面406の内部418に形成する。表面406の内部418は、光学系106の画像面に位置決めし得る(図4A及び図4Bの分解組立図420参照)。
【0054】
図4A及び図4Bに示されるように、ハイパースペクトル撮像システム100cが、回転ドラム402が、第1の時間「t1」において、ある位置「p1」に1つのスリット404aを有し(図4A参照)、次に、回転ドラム402が、第2の時間「t2」において位置「p2」にスリット404aを有する(図4B参照)例がある。図4Aでは、ハイパースペクトル撮像システム100cは、第1の時間「t1」において、光学系106が遠隔物体104に関連付けられた光115aを受け取り、遠隔物体104の画像107を表す合焦光115bを、回転ドラム402の片側416の開口部414を通して折り返しミラー408に向けるように位置決めされ、折り返しミラー408は、合焦光115bを反射して、遠隔物体104の画像107を回転ドラム402内部の表面406(分解組立図420参照)の内部418に形成する。特に、コントローラ114はアクチュエータ410と対話して、第1のスリット404aが、第1の時間「t1」において位置「p1」にあるように、軸412上でドラム402を回転させている。時間「t1」において、第1のスリット404aは光学系106の画像面又はその近傍に位置決めされて、遠隔物体104の第1の部分から発せられた、トリミングされた第1の光線415cを分光計110に渡し、トリミングされた第1の光線415cは、例えば、第1のミラー122(図1参照)を経由して分光デバイス116によって受け取られる。分光計110は、分光デバイス116(例えば、プリズム116、回折格子116)を有する任意の周知の分光計110であることができる。分光デバイス116は分光された光415eを生成し、この光は、例えば、第2のミラー124(図1参照)を経由して二次元画像センサ112によって受け取られる。二次元画像センサ112は二次元画像117aを生成し、この画像は、分光された光415eの空間情報を表すある軸410a(例えば、分光415eの0次画像 − 回折格子116が使用される場合)と、分光415eのスペクトル情報を表す別の軸410b(例えば、回折光415eの非0次画像 − 回折格子116が使用される場合)とを含む。コントローラ114は、二次元画像117aを受け取って記憶し、アクチュエータ410と対話して、第1のスリット404aが、時間「t2」において位置「p2」にあり、次に考察するように、遠隔物体104の第2の部分から発せられた、トリミングされた第2の光線415gを分光計110に渡すように、ドラム402を回転させる。
【0055】
図4Bでは、第2の時間「t2」において構成されたハイパースペクトル撮像システム100cが示され、ここでは、コントローラ114はアクチュエータ410と対話して、第1のスリット404aが、時間「t2」において位置「p2」にあり、遠隔物体104の画像107に関連付けられた、トリミングされた第2の光線115gを分光計110に渡すように、ドラム402を回転させ、この光線は、例えば、第1のミラー122(図1)を経由して分光デバイス116によって受け取られる。見て取ることができるように、トリミングされた第1の光線115cは、遠隔物体104の画像107に関連付けられた、トリミングされた第2の光線115gと連続するか、又は略連続し、したがって、トリミングされた第2の光線415gは、トリミングされた第1の光線415cに関連付けられた遠隔物体104の部分に隣接する、遠隔物体104の部分の画像に対応する。分光デバイス116は分光415iを生成し、この光は、例えば、第2のミラー124(図1)を経由して二次元画像センサ112によって受け取られる。二次元画像センサ112は二次元画像117bを生成し、この画像は、分光415iの空間情報を表すある軸410a(例えば、回折光415iの0次画像 − 回折格子116が使用される場合)と、分光415iのスペクトル情報を表す別の軸410b(例えば、回折光415iの非0次画像 − 回折格子116が使用される場合)とを含む。コントローラ114は、二次元画像117bを受け取って記憶する。その後、コントローラ114は、アクチュエータ410と対話して、異なる時間「t3」、「t4」、...、「tn」においてドラム402を回転させ、それにより、第1のスリット404aは順次、位置「p3」、「p4」、...、「pn」を有し、その間、時間「t3」、「t4」、...、「tn」において、二次元画像センサ112はアクティブ化されて、遠隔物体104の分光された異なる光線の異なる二次元画像117c、117d、...、117nを取得する。コントローラ114は、二次元画像117a、117b、117c、...、117nを結合して、遠隔物体104のエリアに関連付けられた全体画像107のハイパースペクトル画像102aを提供する。この例では、各二次元画像117a、117b、117c、...、117nは、遠隔物体104の異なる部分から発せられた分光された異なる光線415e、415i等に対応し、分光された光線415e、415i等は、互いに連続し、それにより、各スペクトル画像が結合されたとき、その結果生成される組合せは、遠隔物体104のエリアの全体画像107を表すハイパースペクトル画像102aを形成する。
【0056】
第1のスリット404aを使用して遠隔物体104のエリアのハイパースペクトル画像102aを取得するのに使用されるものと同じプロセスを繰り返して、第2の直線スリット404bを使用して遠隔物体104のエリアのハイパースペクトル画像102bを取得し、次に繰り返して、第3の直線スリット404cを使用して遠隔物体104のエリアのハイパースペクトル画像102cを取得する等である。したがって、「x」個の直線スリット404を有するドラム402では、ドラム402の1回の360°回転毎に、遠隔物体104のエリアの同じ画像107の「x」個のハイパースペクトル画像102を取得することができる。コントローラ114は、任意の所望のデータレートで二次元画像117a、117b、117c、...、117nを取得することができるが、通常、各スリット404a、404b、404c、及び404dが、二次元画像センサ112上の画像(画像107からの各光線)が少なくとも1ピクセル分、側方に移動するのに十分に回転した後であり得る。
【0057】
この例では、スリット404a、404b、404c、及び404dの長さは、画像107の幅211に等しいか、又は幅211よりも大きい。スリット404a、404b、404c、及び404dの幅はまた、遠隔物体104の画像107の全高213を説明するために、ドラム402を回転させることによって各スリット404a、404b、404c、及び404dを移動させる必要がある位置の数「p1」、「p2」、「p3」、...、「pn」及び時間「t1」、「t2」、「t3」、...、「tn」の数を決める。換言すれば、スリット404a、404b、404c、及び404dの幅が、全ての光線415c、415g等が結合されたとき、全体画像107を包含するよう連続した全ての光線415c、415g等を透過できるようにするために、ドラム402を回転させることによって各スリットスリット402a、402b、402c、及び402dを移動させる必要がある位置の数「p1」、「p2」、「p3」、...、「pn」及び時間「t1」、「t2」、「t3」、...、「tn」の数を決める。任意の数のスリット404(4つのみが図4A及び図4Bに示される)をドラム402に形成することができ、スリット404a、404b等が同じ又は異なる幅及び長さを有することができることも理解されたい。
【0058】
図4A及び図4Bに示される上記例では、スリット404a、404b、404c、及び404dは、遠隔物体104の画像107が、任意の所与の時間にスリット404a、404b、404c、及び404dのうちの1つのみに配置されるように十分に遠くに互いに離間される。換言すれば、画像107は全体的に、スリット404a及び404b間、スリット404b及び404c間、又はスリット404c及び404d間等の空間に配置することができる。これに関して、光学系106を用いて前部光学系によって形成される2D画像107は、ドラム402の内部418にあり、ドラム402の各角度位置で、(例えば)各スリット404aは、画像107の1つのみの線を分光計110に「渡す」(トリミングする)。ドラム402の外径及び走査される2D画像107のサイズに基づいて、スリット404a、404b、404c、及び404dは、(例えば)1つのスリット404aが光学系106の2D視野を出るとき、(例えば)次のスリット404bが画像107の2D視野にまさに入るところであるように、互いに角度的に離間される。これにより、走査効率は100%になる。この状況では、(例えば)スリット404aは、光学系106の焦点面を横切る際、ピントが合ったりずれたりもする。この問題に対処するために、ドラム402は理想的には、(例えば)スリット404aが光学系106の焦点深度内に留まるように十分に大きい。
【0059】
図4A及び図4Bの図では、複数のスリットは、ドラム402が回転する際、一度に1つのスリットのみが照明されるように構成される。代替的には、所与の時間にスリットのうちの少なくとも2つが画像107からの異なる光線によって同時に照明されるように、ドラム上の複数のスリットを互いに対して位置決めすることができ、同時照明スリットは、分光のために、異なるトリミングされた光線を分光計110に、及び二次元画像センサ112に送る。2つ以上の螺旋形スリットは、それぞれが前部光学系の照明野内に同時にあり、同時照明を達成するように位置決めされる。図4Cは、2つのスリットの部分が画像107の異なる部分によって同時に照明されるように配置された複数のスリットを含むハイパースペクトル撮像システム100cのドラム402の図を示す。位置p及び時間tにおいて、例えば、スリット404a及び404aのそれぞれの部分は、同時に照明される(差し込み418)。同時に照明されるスリットのそれぞれは、画像107の異なる部分に対応するトリミングされた光線を分光のために分光計110に渡し、及び二次元画像センサ112に渡す。スリット404a及び404aから送られた、トリミングされた光線は、二次元画像センサ112内に含まれる異なる組のピクセルによって受け取られ、別個の二次元画像が、トリミングされた各光線から形成される。本開示は、3つ以上のスリット、4つ以上のスリット、又は5つ以上のスリット等の同時照明を可能にするドラム402の適合に拡張される。そのような適合は、追加のスリットを図4Cに示される対になったスリットの群に加えることによって実現し得る。第3のスリット404a、404b、及び404dは、例えば、図4Cに示される群404a、404b、及び404d等に加えて、3つのスリットの部分が同時に照明されるディスクを達成することができる。複数のスリットの幅及び間隔は、複数のスリットが画像107内に収まるように調整される。2つ以上の同時照明スリットは平行であり得る。同時照明スリットから受け取られる光線の撮像の更なる考察を以下に提供する。
【0060】
図4Dを参照すると、本発明の第3の実施形態により、ハイパースペクトル撮像システム100cを使用して、遠隔物体104の二次元エリア107のハイパースペクトル画像102を提供する例示的な方法400Dのステップを示すフローチャートがある。方法は、(a)ハイパースペクトル撮像システム100cを提供するステップであって、ハイパースペクトル撮像システムは、光学系106を有する前部光学系、回転可能ドラム402(ドラム402の少なくとも1つの位置において同時に照明されように離間された少なくとも2つのスリット404a、404bを表面に有するとともに、内部に配置された折り返しミラー408を有する)、アクチュエータ410、分光計110(少なくとも分光デバイス116を含む)、二次元画像センサ112、及びコントローラ114を含む、ステップ(ステップ402D)と、(b)遠隔物体104に関連付けられた光115aを受け取るように、光学系106を有する前部光学系を位置決めするステップ(ステップ404D)と、(c)ドラム402の片側416の開口部414が光学系106から光115bを受け取るように位置決めされ、折り返しミラー408が、光学系106から受け取った光115bを表面406の内部418に向けて反射するように位置決めされるように、ドラム402を位置決めするステップであって、表面406の内部418は、光学系106の画像面に位置決めされる、ステップ(ステップ406D)と、(d)ドラム402が回転されて、それにより、少なくとも2つのスリット(例えば、404a、404a)が、遠隔物体104に関連付けられた少なくとも2つのトリミングされた第1の光線(例えば、415c及び415c)を同時に、少なくとも分光デバイス116を備える分光計110まで透過させるよう位置決めされるように、アクチュエータ410を制御するステップであって、分光計110は、少なくとも2つのトリミングされた第1の光線(例えば、415c及び415c)を受け取り、及び少なくとも2つの分光された第1の光線(例えば、415e及び415e)を二次元画像センサ112に出力するように構成される、ステップ(ステップ408D)と、(e)二次元画像センサ112から少なくとも2つの分光された第1の光線(例えば、415e及び415e)の少なくとも二次元画像(例えば、117a及び117a)を取得するステップであって、2つの二次元画像(例えば、117a及び117a)は、二次元画像センサ112の異なる組のピクセルによって受け取られる、ステップ(ステップ410D)と、(f)ドラム402が回転し、それにより、少なくとも2つのスリット(例えば、404a及び404a)が、遠隔物体104に関連付けられた少なくとも2つのトリミングされた第2の光線(例えば、415g及び415g)を、少なくとも分光デバイス116を備える分光計110まで透過させるよう位置決めされるように、アクチュエータ410を制御するステップであって、分光計110は、少なくとも2つのトリミングされた第2の光線(例えば、415g及び415g)を受け取り、及び少なくとも2つの分光された第2の光線(例えば、415i及び415i)を二次元画像センサ112に出力するように構成される、ステップ(ステップ412D)と、(g)二次元画像センサ112から、少なくとも2つの分光された第2の光線(例えば、415i及び415i)の少なくとも2つの二次元画像(例えば、117b及び117b)を取得するステップであって、二次元画像(例えば、117b及び117b)は、二次元画像センサ112の異なる組のピクセルによって受け取られる、ステップ(ステップ414D)と、(h)ドラム402が回転され、それにより、少なくとも2つのスリット(例えば、404a、404a)が、遠隔物体104に関連付けられた追加の異なる光線を透過させるよう位置決めされるように、アクチュエータ410を繰り返し制御するステップであって、その間、二次元画像センサ112によって受け取られる異なる分光された光線の追加の二次元画像(例えば、117c及び117c、117d及び117d等)を繰り返し取得し、少なくとも2つの二次元画像(例えば、117a、117a、117b、117b等のうちの2つ以上)を結合して、遠隔物体104の二次元エリア107のハイパースペクトル画像102を提供する、ステップ(416D)とを含む。一例では、コントローラ114は、連続した一定速度でドラム402を回転させるようにアクチュエータ410を制御することができ、その間、少なくとも2つの第1の二次元画像を取得する。上記例では、コントローラ114は、メモリとインターフェースするプロセッサを含み得、メモリは、ステップ404D、406D、408D、410D、412D、414D、及び416Dを実行するプロセッサ実行可能命令を実行するプロセッサ実行可能命令を記憶する。本開示の方法は、図4Dに示される全てのステップよりも少ないステップを含む方法に拡張される。図4Dに示される任意の1つ、2つ、3つ、又はそれを超えるステップのサブステップを含む方法が、本開示の範囲内である。
【0061】
本開示の走査可能スリットを有するハイパースペクトル撮像システムによって提供される画像データ収集の効率の増大を図5図8に示す。図5は、標準の単一スリット分光計の全体図を示す。単一スリット分光計では、前部光学系は、物体シーンを分光計の固定入射スリットに撮像する。分光計は、固定入射スリットを透過したトリミング画像を分光させ、二次元画像センサに向ける。二次元画像センサは、空間軸及びスペクトル軸に沿って編成されるピクセルの二次元アレイを含む。示される図では、分光計スリットは垂直方向に向けられ、二次元画像センサの空間軸は、それに対応して、垂直で示され、したがって、空間軸に沿ったピクセル位置は固定入射スリットに沿った位置と相関する。スペクトル軸に沿ったピクセル位置は、分光計の分光によって分解される別個の波長帯と相関する。例えば、ピクセルの上の行は、固定入射スリットの一番上の位置に対応し得、ピクセルの第1の行内の異なる列は、別個の波長間隔に対応する。上の行の各ピクセルによって記録される信号は、固定入射スリットの一番上の部分によって撮像される遠隔物体の部分から発せられたピクセルに関連付けられた波長間隔内の光の強度に相関する。行中の一連の照明ピクセルは、二次元画像センサの検出範囲内の遠隔物体の撮像部分から発せられる、一連の連続スペクトル間隔にわたる強度として、全スペクトル範囲を捕捉する。二次元画像センサの残りのピクセル行は、固定入射スリットに沿った異なる垂直位置により撮像される遠隔物体の部分のスペクトル強度を記録する。
【0062】
図5中、固定入射スリットにより撮像される遠隔物体の部分は、図の下部に概略的に示される。分光計の固定入射スリットは、矩形を有し、遠隔物体の矩形部分(「スライス」)を撮像する。撮像スライスのスペクトル強度分布は、二次元画像センサによって記録される。撮像スライスの異なる垂直部分でのスペクトル強度分布は、異なるピクセル行によって記録される。各ピクセルに列挙される数値は、分光計スリットから受け取られた、トリミングされた光線の相対強度の測定値である。相対強度は、遠隔物体の撮像スライスによって特定され、分光計スリットに沿った位置及び列に関連付けられた波長間隔の関数である。遠隔物体の特徴は、二次元画像センサのピクセルにわたり相対強度のパターンを確立する。例えば、二次元画像センサがスペクトルの可視部分の光を検出する場合、異なるピクセル列は、異なる色に関連付けられた波長強度を検出し、列によって記録される強度は、遠隔物体から受け取られる色のスペクトル強度と相関する。単一の固定スリットを有する分光計を用いてハイパースペクトル画像(「ハイパースペクトルデータキューブ」又は「ハイパーキューブ」)を作成するには、一連の個々のスリット画像を取得し結合しなければならない。ハイパーキューブを取得する従来の方法は、プッシュブルーム動作及び前部光学系組立体での走査ミラーの使用である。本開示では、データ取得は、複数のスリット、走査スリット機構、及び二次元画像センサから利用可能なピクセルエリアのよりよい利用を用いた画像データの取得を通して促進される。
【0063】
図6は、市販の二次元画像センサに関連付けられた検出エリアの利用を示す。市販の二次元画像センサの検出範囲内のスペクトル帯域幅を撮像するために必要なピクセル列の数は、利用可能な列の総数よりもはるかに少ない。図6に示されるように、多数のピクセル列は、ハイパースペクトル撮像用途で利用されないままである。
【0064】
ピクセルのより大きな利用は、複数の固定スリットを利用するハイパースペクトル撮像システムで実現される。図7は、4つの固定スリットを有するハイパーピクセル撮像システムのピクセル利用を示す。4つのスリットによって撮像される遠隔物体の4つの部分は、図7の上部における番号によって示される。図7の下部は、4つのスリットのそれぞれから発せられたスペクトル帯域幅に関連付けられたピクセル列を示す。4つのスリットは物理的に、二次元画像センサの非重複ピクセル列を利用するように位置決めされる。4つのスリットから発せられた画像は、同時に取得される。ピクセルの全体的な利用及び画像収集効率は、図6に示される単一固定スリット構成と比較して改善する。複数の固定スリットの使用により、完全な画像の作成に必要な取得時間を、使用されるスリット数に等しい係数分の一に低減することができる。例えば、4つのスリットを用いる場合、1つの取得時間期間で得られる空間データ及びスペクトルデータは、単一のスリットと比較して4倍多く、完全な画像の取得に必要な取得時間は、1/4に低減される。
【0065】
図8は、本開示のハイパースペクトル撮像システムから利用可能な画像収集効率の更なる増大を示す。図8は、それぞれが走査可能な4つのスリットを有するハイパースペクトル撮像システムのピクセル利用を示す。図12の上部パネルは、第1のスリット位置における4つのスリットのそれぞれから取得される画像に関連付けられたスペクトル強度の分布を示す。4つのスリットのそれぞれは、上述したように、遠隔物体の異なる部分を撮像する。画像は、二次元画像センサによって検出され記録される。第1のスリット位置での画像取得が完了すると、走査機構は、第2の位置への4つのスリットのそれぞれの再位置決めを開始し、第2の組の4つの画像が取得され記録される(図8の2番目のパネル)。再位置決めされた各スリットは、第1のスリット位置で撮像した部分とは異なる遠隔物体の部分を撮像する。遠隔物体の8つの異なる部分の線画像が、4つの走査可能スリットの第1の位置と第2の位置との間でハイパースペクトル撮像システムによって取得される。画像収集容量の増大は、ハイパースペクトル撮像システムの物理的な移動なしで、且つ前部光学系の上流に走査可能なミラー又は他の走査可能光学系を用いずに行われる。図8の残りのパネルは、4つのスリットの更なる再位置決めによって得られる追加の画像を示す。本明細書に開示される走査可能スリット機構を有するハイパースペクトル撮像システムは、1つ若しくは複数の固定スリット又は単一の走査スリットを有する撮像システムで可能なよりもはるかに短い取得時間で、遠隔物体の効率的な大面積撮像を提供する。
【0066】
本発明の複数の実施形態を添付図面に示し、上述した詳細な説明において説明したが、本発明が開示された実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲に記載され規定される本発明から逸脱せずに、多くの再構成形態、変更形態、及び置換形態が可能であることを理解されたい。本明細書で使用される「本発明」又は「発明」への言及が、例示的な実施形態に関連し、必ずしも、添付の特許請求の範囲によって包含されるあらゆる実施形態に関連するわけではないことにも留意されたい。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8