(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
販売時点(POS)システムにおいて、前記POSシステムのユーザインタフェースを介して入力されたユーザインプットを検出するステップであって、前記ユーザインプットが、消費者を指定して、前記消費者に関与する支払取引を開始する意向を示しているステップと、
前記ユーザインプットに応答して、前記支払取引に関係して生じる実際のカード読取イベントなしに、カード読取イベントに関連する物理カードリーダの出力をエミュレートするデータを前記POSシステムにおけるPOSモジュールへと出力することにより、前記POSシステムにおける前記支払取引を開始するステップであって、物理カードリーダの出力をエミュレートするデータを出力することが、カードリーダのアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を呼び出すことを含んでいる、ステップと、
前記取引が支払処理エンティティに承認された後に、前記POSモジュールによって生成されたレシートプリンタを作動させるための印刷信号を遮断することにより、前記取引についての印刷されたレシートが生成されることを防止するステップであって、前記印刷信号がレシートデータを含んでいるステップと、
前記印刷信号に応答して、前記消費者のモバイルデバイスへと第2メッセージが送信されるようにするために第1メッセージを前記POSシステムから送信するステップであって、前記第2メッセージは、前記モバイルデバイスが前記支払取引についての仮想レシートを前記消費者へと出力することを可能にするためのものであるステップと
を含んでいる方法。
前記物理カードリーダの出力をエミュレートするデータを出力することが、カードリーダの出力をエミュレートするデータを前記カードリーダのプロトコル中にて前記POSモジュールへ送信することを含んでいる、請求項1に記載の方法。
前記消費者のモバイルデバイスへと前記第2メッセージが送信されるようにすることが、リモートエンティティに前記第2メッセージを前記消費者の前記モバイルデバイスへと送信させるように、前記第1メッセージをネットワークを介して前記リモートエンティティに送信することを含んでいる、請求項1に記載の方法。
前記物理カードリーダの出力をエミュレートするデータを出力することが、前記消費者の支払カードの支払アカウント識別子を前記POSモジュールに提供することを含んでいる、請求項1に記載の方法。
前記物理カードリーダの出力をエミュレートするデータを出力することが、前記消費者に関与する前記支払取引にのみ使用するためのワンタイム使用のアカウント識別子を前記POSモジュールに提供することを含んでおり、前記ワンタイム使用のアカウント識別子は、前記消費者の支払カードのアカウント識別子ではないが、前記POSモジュールにより識別可能なアカウント識別子フォーマットにおけるものである、請求項1に記載の方法。
前記取引の印刷された記録の生成を防止することが、プリンタを作動させるための印刷信号を遮断することを含んでおり、前記印刷信号が、前記プリンタにより印刷される前記取引の記録を可能にするためのデータを含んでいる、請求項11に記載の方法。
消費者に関与する支払取引を開始する意向を示しているユーザインプットを検出し、前記ユーザインプットに応答して、前記支払取引のために生じる実際のカード読取イベントなしに、前記支払取引のためのカード読取イベントをエミュレートするデータを出力することによって前記支払取引を開始する、カードリーダエミュレータであって、前記カードリーダエミュレータが、カードリーダのアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を呼び出すことによって物理カードリーダの出力をエミュレートするように構成されている、カードリーダエミュレータと、
印刷信号が前記支払取引に関係してプリンタへと通信されることを防止することによって前記支払取引についての印刷されたレシートの生成を防止し、前記消費者のモバイルデバイスが前記支払取引についての仮想レシートを出力することを可能にするように前記モバイルデバイスへとメッセージが送信されるようにする、レシートマネージャとを含んでいる、装置。
前記レシートマネージャが、前記印刷信号中のレシートデータの意味的要素を識別するために前記レシートデータを解析するように構成されている、請求項13に記載の装置。
前記CREモジュールが、さらに、印刷信号が前記支払取引に関係してプリンタへと通信されることを防止することによって前記支払取引についての印刷されたレシートが生成されることを防止するように構成されていると共に、前記消費者のモバイルデバイスへと第2メッセージが送信されるようにするために第1メッセージを前記POSシステムから送信するように構成されており、前記第2メッセージは、前記モバイルデバイスが前記支払取引についての仮想レシートを前記消費者へと出力することを可能にするためのものである、請求項15に記載のPOSシステム。
前記CREモジュールが、リモートエンティティに前記第2メッセージを前記消費者の前記モバイルデバイスへと送信させるように、前記第1メッセージをネットワークを介して前記リモートエンティティに送信することにより、前記消費者のモバイルデバイスへと前記第2メッセージが送信されるようにするように構成されており、前記第2メッセージが、前記仮想レシートを表すデータを包含している、請求項16に記載のPOSシステム。
前記CREモジュールが、前記消費者に関与する前記支払取引にのみ使用するためのワンタイム使用のアカウント識別子を前記POSモジュールに提供することにより、前記物理カードリーダの出力をエミュレートするように構成されており、前記ワンタイム使用のアカウント識別子は、前記消費者の支払カードのアカウント識別子ではないが、前記POSモジュールにより識別可能なアカウント識別子フォーマットにおけるものである、請求項15に記載のPOSシステム。
前記CREモジュールが、さらに、前記印刷信号中のレシートデータの意味的要素を識別するために前記レシートデータを解析するように構成されている、請求項16に記載のPOSシステム。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書における「実施形態」「一実施形態」等への参照は、記載された特定の特徴、機能、構造又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。本明細書に見られるこのような語句は、必ずしも全てが同じ実施形態を参照するものではない。一方、参照される実施形態もまた、必ずしも相互に排他的ではない。
【0008】
本明細書で提示される技術は、クレジットカードアカウントやデビットカードアカウントのような支払アカウントを使用することによって、より効率的な支払いを可能にする技術である。本技術によれば、顧客が物理的な支払カード(例えば、クレジットカード又はデビットカード)を携帯する必要がなくなり、支払カード取引を実行する際に物理的なカードスワイプ(又は他の類似の物理カード読取イベント)を行う必要がなくなる。本技術は、レストランのようなフルサービス小売施設に適用した場合に特に有利である。特に、本技術は、顧客が実質的にマーチャントに自分の名前を告げるだけで支払を行える「ペイ・バイ・ネーム(pay-by-name)」の枠組みを促進する。加えて、カード読取イベントをエミュレートしてレシートプリンタの出力を遮断することにより、さらに以下に説明するように、本明細書で提示される本技術は、個々のPOSベンダー独自のアプリケーションプログラミングインターフェース(API)に対応するためのカスタマイズされたソフトウェア又はハードウェアを必要とせずに、実質的に任意の従来のPOSシステムに容易に統合されることができる。
【0009】
以下の説明では、レストランの例は、本技術の種々の態様を説明するために、例示の目的のみにおいて使用されている。しかしながら、本明細書で提示される本技術は、レストランや他の特定の種類のビジネスへの適用には限定されないことに留意されたい。加えて、本明細書で提示される本技術は、支払カードを用いた使用や、金融取引への使用にも限定されない。本技術は、従来は物理カードリーダの使用により開始される又は物理カードリーダの使用に関わることになっていた実質的に任意の取引に使用することができる。したがって、販売時点(POS)に含まれるような用語「販売」は、例えばリース又はレンタルを含む任意のタイプの支払い指向取引を示し、実際の購入には限定されない。また、本明細書では、用語「ユーザ」は、他に指示される場合を除き、また文脈から明らかなように、用語「ユーザインタフェース」が顧客により使用されるインタフェースを必ずしも参照していないことを除き、概して(マーチャントとは対照的に)顧客を示していることに留意されたい。
【0010】
所定の実施形態では、本明細書で提示される本技術は、以下により詳細に説明されるように、以下の一連の動作を含む。まず、顧客は、カードレス支払サービスに登録する。その後に、顧客はマーチャントを訪れて、顧客の携帯デバイス(例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ)上のモバイル支払アプリケーションを使用してマーチャントに「チェックイン」する。このチェックインの動作は一連のメッセージ及び他の動作をトリガし、該一連のメッセージ及び動作は、顧客の名前及び写真をマーチャントのPOS端末の表示デバイス上に比較的すぐに現れるようにする。
【0011】
顧客は、支払いを行おうとする際に、(好ましくは、その広告された商号により該サービスの名を挙げて)上記支払サービスによる支払いを希望する旨を、単にマーチャントに伝える。マーチャントはその後、従来の方法でマーチャントのPOSシステムにおけるチケット又は「勘定(tab)」を締める。しかしながら、クレジットカードをマーチャントのカードリーダを通してスワイプする時には、マーチャントPOS端末に表示された顧客の名前や写真をウェイターが代わりに単にタップする。本明細書において、用語「スワイプ」は、磁気ストライプリーダ、スマートカードリーダー、光学式コードリーダ、無線周波数識別(RFID)リーダなどにカードを通すような、物理カードリーダをトリガして物理的なカードを読み取る任意の方法をいう。
【0012】
マーチャントPOSシステムにおけるカード読取エミュレータ(CRE)モジュールは、カードレス支払技術が実質的に任意の従来のPOSシステムに容易に統合されることを可能にする。このことは、物理カード読取イベントをエミュレートし、マーチャントPOSシステムにおけるレシートプリンタの出力を遮断することによって行われる。より具体的には、以下に詳細に説明されるように、CREモジュールは、POSシステムにおけるメインPOSソフトウェアに仮想カードスワイプを送信することによって、マーチャントがトリガしたインプットに応答する。取引が承認されると、CREモジュールはまた、レシート印刷の遮断も行う。物理レシートを印刷する代わりに、CREモジュールは、レシートの仮想コピーが顧客の携帯デバイスに送信されるようにして、該携帯デバイスでは、該レシートの仮想コピーがモバイル支払アプリケーションによって顧客に表示される。カードレス取引に関連しない印刷操作については、CREモジュールは、該印刷操作が影響を受けずにプリンタへと渡されることを単に可能にする。
【0013】
その後に、顧客は、チップの額を自分のモバイルデバイス上のモバイル支払アプリケーションにインプットしてもよい。続いて、CREモジュールは、それが「仮想マーチャントコピー」であるかのように、それらのPOS端末にチップを入力することをマーチャントに指示する。チップの額をインプットする他の方法及び開示の技術における変形はまた、以下にも説明されている。
【0014】
さらに以下に説明されるように、CREモジュールは、マーチャントPOS端末内に統合されていてもよく、別個のデバイスであってもよい。CRCモジュールがPOS端末内に統合されている場合、それはメインPOSソフトウェアアプリケーションに一体の部分であってもよく、別個のアドオンソフトウェアアプリケーション又はハードウェアデバイスであってもよい。CREモジュールは、マーチャントにより使用される物理カードリーダであって、支払取引に関係する実際のカードの読取イベントが発生していない物理カードリーダのアウトプットをエミュレートする。このことは、マーチャントにより使用される特定のカードリーダに関連するPOSシステムの(広く公表された)カードリーダAPIを呼び出し、カードリーダにより使用されるアウトプットプロトコルにおいて、カードリーダのアウトプットをエミュレートするデータをメインPOSアプリケーションに送信することによって行われる。カードリーダは、例えば、従来の磁気ストライプカードリーダ、スマートカード(集積回路(IC)カード)リーダ、バーコードリーダ、クイックレスポンス(QR)コードリーダ、RFIDカードリーダ等であり得る。
【0015】
取引がリモート支払い処理エンティティによって承認された後、CREモジュールは、メインPOSアプリケーション(カードレス取引に関連付けられていない印刷操作用。CREモジュールは、それらの印刷操作がプリンタの影響を受けずにパスすることを単に許可する)によって生成された印刷信号を遮断するように、POS端末の(広く公表された)プリンタAPIを使用することにより印刷レシートの生成を防止する。印刷信号に応答して、CREモジュールは、マーチャントPOSシステムからカードレス支払サービスのリモートコンピュータシステムへとメッセージが送信されるようにし、該リモートコンピュータシステムは、モバイル支払アプリケーションに取引についての仮想レシートを表示させるように、消費者のモバイルデバイスにメッセージを送信することによって応答する。
【0016】
図1は、カードレス支払い技術を実施可能な環境を示す。該環境は、マーチャント100のマーチャントPOSシステムと、ユーザ101(「顧客」又は「消費者」とも称する)のモバイルデバイス102とを含む。モバイルデバイス102は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ又はモバイル処理デバイスの任意の他の形態であり得る。モバイル支払アプリケーション120は、ユーザのモバイルデバイス102上にて実行される。該環境はまた、マーチャントのアクワイアラのコンピュータシステム114、発行銀行のコンピュータシステム118、カード支払ネットワークのコンピュータシステム116、及び支払サービスのコンピュータシステム108(以下、「支払サービスシステム108」)を含む。各々の上記コンピュータシステムは、1つ以上の別個の物理コンピュータ及び/又は他の処理デバイスを含むことができ、複数のデバイスの場合には、1つ以上の有線及び/又は無線ネットワークを介して互いに接続され得る。全ての上記デバイスは、内部ネットワーク106を介して互いに接続されており、該内部ネットワーク106は、インターネット及び1つ以上の無線ネットワーク(例えば、WiFiネットワーク及び又はセルラ遠距離通信ネットワーク)であり得るか、それらを含み得る。
【0017】
図1に示される環境は、従来のクレジットカード取引(すなわち、マーチャントの位置における顧客の物理カードの読み取りに関与するもの)と、本明細書に提示される本技術に係るカードレス取引との両方に対応し得る。従来のクレジットカード取引では、例えば、マーチャントは、ユーザのクレジットカードをPOSシステム104におけるカードリーダを通してスワイプする。POSシステム104は、カードから読み取ったデータ(例えば、カード所有者の名前、クレジットカード番号、有効期限、カード検証値(CVV))を、マーチャントのアクワイアラのコンピュータシステム114(以下「アクワイアラ114」)へと送信する。アクワイアラ114は、このデータを、カード支払ネットワーク(例えば、Visa又はMasterCard)のコンピュータシステム116(以下、「カード支払ネットワーク116」)に送信し、カード支払ネットワーク116は、該データを発行銀行のコンピュータシステム118(以下、「イシュア118」)に転送する。取引がイシュア118によって承認された場合、支払い認可メッセージは、上述した経路とは逆の経路を経由してイシュア118からマーチャントPOSシステム104へと送信される。
【0018】
カードレス支払サービスは、カードレス支払取引を促進するように支払サービスシステム108を操作する。ユーザのモバイルデバイス102は、内部ネットワーク106越しに支払サービスシステム108と通信し得る。支払サービスシステム108は、カードレス支払サービスに登録されたユーザに関与する支払取引を処理するようにプログラムされた1つ以上のサーバコンピュータを含む。支払サービスシステム108はまた、登録されたクレジットカード番号、デビットカード番号、銀行口座、ユーザアカウント、ユーザ識別情報又はその他の機密情報などの情報を格納する。支払サービスシステム108はまた、カードレス支払システムのアカウントを有するマーチャントについての情報をユーザのモバイルデバイス102に送信することに関与する。
【0019】
図2A及び
図2Bは、マーチャントPOSシステム104の別の実施形態を示す。なお、本説明に関係のない所定のコンポーネントについては、示されていなくてもよいことに注意されたい。まず
図2Aを参照すると、マーチャントPOSシステム104は、メインPOSモジュール201及びディスプレイ202を含む。メインPOSモジュール201は、ソフトウェアアプリケーションであってもよく、例えば、メインPOSアプリケーション201であってもよい。本明細書では、説明を容易にするために、以後メインPOSモジュール201をメインPOSアプリケーション201と仮定する。あるいは、メインPOSモジュール201は、ハードウェアコンポーネント(POSアプリケーション及び/又は他のPOSソフトウェアを含んでいてもよい)であり得る。ディスプレイ202は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ、又は、従来の非タッチディスプレイ(その場合、マーチャントPOSシステム104は、別個のキーボード又は他のインプットデバイスを含んでいると考えられる)であり得る。マーチャントPOSシステム104はまた、磁気ストライプカードリーダ又はスマートカードリーダーのようなカードリーダ204と、取引レシートを印刷するためのレシートプリンタ205とを含んでいる。
【0020】
本明細書で提示される本技術によれば、POSシステム104はまた、メインPOSアプリケーション201と通信するCREモジュール203を含んでいる。CREモジュール203はまた、ディスプレイ202と、直接又はメインPOSアプリケーション201を介して通信してもよい。CREモジュール203は、ソフトウェア、ハードウェア又はそれらの組み合わせであり得る。
図2Aに示すように、CREモジュール203は、メインPOSモジュールから論理的に分離され得るが、該メインPOSモジュールと「一緒に」動作し得る。あるいは、CREモジュール203は、
図2Bに示すように、メインPOSアプリケーション201に一体の部分であり得る。他の代替は、仮想USBデバイスをバインドすること、又は、マーチャントPOS端末とカードリーダ204及びプリンタ205との間を接続する別個のハードウェアデバイスとしてCREモジュール203を実装することを含んでいる。
【0021】
CREモジュール203は、2つの主要な機能を有している。まず、CREモジュール203は、カードリーダに関連するプロトコル及びAPIを使用することにより、メインPOSモジュールへのカード読取イベントをエミュレートする。次に、プリンタ205のAPIを使用することにより、プリンタ205のためにメインPOSアプリケーション201によって生成された印刷信号を遮断し、仮想レシートがユーザのモバイルデバイス102に送信させるようにするための一連の操作をトリガする。これらの機能は、ソフトウェア又はハードウェアを個々のPOSベンダー独自のAPIに対応するようにカスタマイズする必要なしに、顧客がカードレス取引においてクレジットカード又はデビットによる支払いを行うことを可能にする。
【0022】
したがって、
図3に示すように、所定の実施形態では、CREモジュール203は、カードリーダエミュレータ301と、レシートマネージャ302とを含んでいる。カードリーダエミュレータ301は、メインPOSアプリケーション201へのカード読取イベントをエミュレートすることに関与する。受取マネージャ302は、メインPOSアプリケーション201により生成された印刷信号を遮断し、ユーザのモバイルデバイス102に仮想レシートが送信されるようにするための一連の操作をトリガすることに関与する。ダイナミックリンクライブラリ(DLL)インジェクションは、メインPOSアプリケーション201とWindows標準のUSB API(例えば、磁気ストライプカードリーダのために使用される)及びプリンタAPIとの間の通信を遮断及び修正するために使用され得る。
【0023】
なお、所定のPOSシステムは、磁気ストライプリーダの代わりにカード処理端末と統合されることがあることに留意されたい。これらの例では、CREモジュール203は、カード処理端末を単にエミュレートし得る。
【0024】
ユーザとマーチャントとの間のカードレス取引が実行可能になる前に、モバイル支払アプリケーション120が(例えば、オンラインアプリケーションストアを介して)ユーザのモバイルデバイス102上にインストールされ、CREモジュール203がマーチャントのPOSシステム104上にインストールされる。加えて、ユーザには、支払サービスシステム108のユーザアカウントを作成することが求められる。このことは、ユーザが、モバイルデバイス102からモバイル支払アプリケーション120又はモバイルWebブラウザを使用することによって、又は、従来のWebブラウザを備えたホームコンピュータなどの別の処理デバイスを使用することによって、行うことができる。
【0025】
所定の実施形態では、ユーザは、名前、アカウントパスワード及び連絡先情報(例えば、電子メールアドレス)を入力する。カードレス支払取引が実行可能になる前に、ユーザはまた、取引を行うのに十分な金融アカウント情報を支払サービスシステム108に入力する。例えば、クレジットカードアカウントの場合には、ユーザは、クレジットカード発行会社、クレジットカード番号及び有効期限を支払サービスシステム108に入力し得る。また、CVV及びメールアドレスが要求されることもある。しかしながら、金融アカウントはまた、デビットカードやプリペイドカード、又は他の第三者金融アカウントに関連付けされ得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、支払サービスは、カードレス取引が許可される前に、ユーザの写真のような追加の個人識別情報をユーザが提供することを要求する。このユーザの写真は、マーチャントの位置でマーチャントがその写真とその人とを比較できるように、(例えば、CREモジュール203を介して)後ほどマーチャントに提供されることになる。加えて、支払サービスは、ユーザによって入力される個人識別番号(PIN)を要求し得る。他の要求もまた、セキュリティを高めるために追加され得る。ユーザのアカウントに関連するデータは、支払サービスシステム108のデータベース(図示せず)に格納され得る。
【0027】
稼働中において、ユーザは、モバイル支払アプリケーション120がインストールされたモバイルデバイス102を携帯しており、マーチャントは、上述のようにPOSシステム104を使用している。モバイル支払アプリケーション120、CREモジュール203、支払サービス108及びメインPOSアプリケーション201は、ユーザのカードレス取引による支払いを可能にするように相互作用する。このことは、ユーザのモバイルデバイス102とマーチャントとの間の相対的な位置を決定することにより、部分的には達成される。このシステムは、ユーザのモバイルデバイス102の現在位置を比較的高い精度で決定する能力を含む。例えば、モバイルデバイス102は、全地球測位システム(GPS)レシーバのような内部地理位置情報デバイス有していてもよい。あるいは、モバイルデバイス102の位置は、無線ネットワークによって決定されてもよく、例えば、無線周波数(RF)信号三角測量又は他の既知の技術を用いることにより決定されてもよい。マーチャントの位置は、周知されていて、支払サービスシステム108内に予め格納されているものと仮定される。
【0028】
カードレス支払サービスは、距離、例えばマーチャントの位置からの半径距離(例えば、500フィート)を予め決定することができ、それによって、モバイルデバイス102が所与のマーチャントから当該距離以内にあって、そのマーチャントにチェックインしている場合において、上記システムは、ユーザが実際にマーチャントにいることを推定することができる。ユーザがマーチャントから所定の距離以内に位置している場合には、ユーザはモバイル支払アプリケーション120を使用することによりマーチャントに「チェックイン」することが許可される。このことは、例えば、ユーザがモバイルデバイス102のディスプレイ上のシンプルな「チェックイン」ボタン又はそれに類するものを押すことによって、行うことができる。チェックイン機能は、その特定のマーチャントとカードレス取引を実行するためのユーザの同意を示すものと考えることができ、マーチャントへの「後払い(open a tab)」を効果的に行うことができる。あるいは、モバイル支払アプリケーション120は、ユーザがマーチャントとの予め決定された距離以内にいる際に、ユーザを自動的にチェックインさせるように構成されていてもよい。一方、モバイルデバイス102が特定のマーチャントから予め決定された距離より遠くに位置している場合、ユーザはそのマーチャントにチェックインすることが許可されない。その場合、ユーザデバイス102は、チェックインするにはマーチャントから遠すぎることをユーザに示すことになる。
【0029】
図4は、本明細書で提示される本技術の実施形態に係る、カードレス支払取引をセットアップ及び開始する処理の例を示す。該処理は、ユーザのモバイルデバイス102、支払サービスシステム108及びマーチャントPOSシステム104との間の関係に関する。支払サービスシステム108は、モバイルデバイス102及びマーチャントPOSシステム104との通信を送受信するように構成され得る。該通信は、モバイルデバイス102、支払サービスシステム108及びマーチャントPOSシステム104に組み込まれているセキュアなプロトコルを使用して暗号化され得る。いくつかの実施形態では、該処理は、モバイルデバイス102上にインストールされたモバイル支払アプリケーション120及びマーチャントPOSシステム104上にインストールされたCREモジュール203を通じて実施される。
【0030】
まず、ユーザは、カードレス支払取引を行うことが可能なマーチャントを識別するために、モバイルデバイス102にリクエストをインプットする。該リクエストは、例えばユーザがモバイルデバイス102上のモバイル支払アプリケーション120を開いた際に、自動的に送信されてもよい。モバイルデバイス102は、内部ネットワーク106を介して支払サービスシステム108に該リクエストを送信する。該リクエストは、モバイルデバイス102の位置情報を伴っていてもよく、該位置情報は、例えば、モバイルデバイス102によって決定される。支払サービスシステム108は該リクエストを受信して、顧客からの位置情報及び格納されたマーチャントの位置情報に基づき1つ以上のマーチャントを選択する。マーチャント及びマーチャントの位置情報の識別情報は、モバイルデバイス102に送信される。
【0031】
いくつかの実施形態では、ユーザは、ユーザのモバイルデバイス102上で実行されているモバイル支払アプリケーション120と対話することにより、マーチャントにチェックインする(ステップ402)。ユーザがチェックインした際、マーチャント及びマーチャントの位置情報の識別情報がモバイルデバイス102に送信される。モバイルデバイス102は、マーチャントから予め決定された距離以内にあるかどうかを決定する(ステップ404)。モバイルデバイス102がマーチャントの現在位置を知らない場合、又は、マーチャントが最近自身の位置情報を更新していた場合、マーチャントの位置がモバイルデバイス102へとプッシュ又はプルされ得る。あるいは、ユーザが位置情報の共有にオプトインしている場合、モバイルデバイス102の位置情報が支払サービスシステム108に提供され得る。ここで、支払サービスシステム108は、マーチャントとモバイルデバイス102との間の30の距離を決定する。
【0032】
上述のように、ユーザのモバイルデバイス102が予め決定された距離(例えば、500フィート)以内にないとモバイルデバイス102が判断した場合、モバイルデバイス102は、ユーザをチェックインさせることができない旨を示すメッセージを表示する(ステップ408)。その場合には、マーチャントは、カードレス支払取引を用いてユーザの金融アカウントに請求をすることはできない。一方、モバイルデバイス102が予め決定された距離以内にある場合には、モバイルデバイス102は、支払サービスシステム108に近いことを示す指標を送信する(ステップ406)。
【0033】
支払サービスシステム108は、この近いことを示す指標を受信した後に、モバイルデバイス102の存在を示す指標及び個人識別情報をマーチャントPOSシステム104に送信する(ステップ410)。いくつかの実施形態では、マーチャントPOSシステム104に送信される個人識別情報は、ユーザの名前、写真及び金融アカウント番号(例えば、クレジットカード番号又はデビットカード番号)を含む。金融アカウント番号は、CREモジュール203によってのみ復号され得るように暗号化されてもよく、それにより、該金融アカウント番号がPOSシステムによって表示されることや、別の方法でもマーチャントによってアクセスされることが不可能となる。
【0034】
この情報を受信すると、マーチャントPOSシステム104は、該システム104のディスプレイ202上のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)上に、勘定(tab)(顧客が発注した品目のリスト)を表示して(ステップ412)、ユーザの識別情報(例えば、名前及び写真)を表示する(ステップ414)。そのようなGUIの例を
図5に示す。図示の例では、ディスプレイの右側部分501は、カードレス支払サービスを介してマーチャントにチェックインしている顧客ごとに別々のサブセクション502を含んでいる顧客勘定セクションである。顧客勘定セクション501は、例えば、CREモジュール203によって、又は他のマーチャント側POSソフトウェアによって、生成され得る。各顧客が支払う必要のある金額は、ディスプレイ上におけるその顧客に対応するサブセクション502に表示され得る。
【0035】
GUIの左側部分503は、メインPOSアプリケーション201によって生成され、例えば、注文/購入され得る品目の名前及び画像並びにそれらの価格を含んでいる。他の実施形態では、CREモジュール203によって表示されるユーザ情報が、メインPOSアプリケーション201とは完全に別のウィンドウ内に提供され得る。したがって、いくつかの実施形態では、GUIを介して、マーチャントは顧客が購入することをリクエストした品目を選択し得る。GUIは、マーチャントの品目のそれぞれに個別の価格を関連付けるように構成され得ると共に、顧客が支払う必要のある総取引金額を自動的に合計し得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、カードレス支払サービスに登録されている顧客がマーチャントにチェックインした際に、顧客勘定セクション502の表示が自動的にトリガされてもよい。あるいは、該表示は、メインPOSアプリケーション201により生成されたGUI上のソフトボタンによってトリガされてもよい。このようなソフトボタンは、CREモジュール203によって生成されてもよく、カードレス支払サービスに登録されている顧客がマーチャントにチェックインした際に、自動的に見た目を変更してもよい。
【0037】
さらに別の実施形態では、ハードウェアボタン又は他の類似の物理コントロールが、マーチャントPOS端末に(例えば、USBポート又は他の従来のインタフェースを介して)外部接続してCREモジュール203と通信を行うことにより顧客勘定セクション502の表示をトリガする別のハードウェアモジュール(図示せず)上に提供される。該別のハードウェアモジュールは、USBキーボードをエミュレートして、マーチャントのPOSシステム104に上述したような所望の状態を入力させるキーの組み合わせを生成し得る。このアプローチの拡張では、ハードウェアモジュールはまた、CREモジュール203を含むストレージデバイス(例えば、USBフラッシュドライブ)を含み得る。該別のハードウェアモジュール上のボタン又は他のコントロールが作動することにより、顧客がマーチャントにチェックインする際に、POSシステム104のディスプレイ上に通知が表示され得る、及び/又は、ボタンが点灯し得る。
【0038】
顧客(ユーザ)は、自身の勘定の支払いを、マーチャントに口頭で知らせることによって認可し得る。例えば、ジョン・スミスという名前のユーザは、単に「ジョン・スミスで支払います」とマーチャントに伝えることができる。ユーザが勘定の支払いを認可する前又は後に、マーチャントは、例えば、マーチャントPOSシステム104上に表示されている写真が、そこにいるユーザ本人と一致することを確認することにより、ユーザが本人であることを検証する(ステップ416)。写真が一致していると仮定すると、続いてマーチャントは、顧客が支払いを行おうとした際に、(例えば、GUI上の対応するセクション501をタップすることにより)ユーザの勘定を選択し、それによってカードレス支払取引をトリガする(ステップ418)。
【0039】
一実施形態では、カードレス支払取引は、
図6に示すように、以下の操作を伴う。マーチャントがカードレス支払取引をトリガするためのユーザインプット601を提供することに応答して、CREモジュール203は、メインPOSアプリケーション201に消費者に関連するカード読取イベントデータ602を送信することにより、カードリーダをエミュレートする。カード読取イベントデータ602は、実際のカード読取イベントが起こっていなくても、メインPOSアプリケーション201には、カード読取イベントの結果生じるデータのように見える。CREモジュール203は、メインPOSアプリケーションのカードリーダのAPIを呼び出してカードリーダ204のアウトプットプロトコルにおいてデータを送信することにより、このことを行う。
図4と一致する実施形態では、CREモジュール203は、顧客がマーチャントにチェックインした際に、事前に支払サービスシステム108から顧客の実際のカード支払アカウント番号(例えば、クレジットカード番号)を受け取っている。したがって、そのアカウント番号だけでなく、消費者の名前、カード有効期限及びCVVも、カードリーダ204のプロトコルにおいて、CREモジュール203によりメインPOSアプリケーション201に提供されている。さらに以下に説明される別の実施形態では、CREモジュール203又は支払サービスシステム108は、その取引のためのワンタイム使用の支払カード番号を生成し、その支払いカード番号を、消費者の実際のクレジットカード番号の代わりに、メインPOSアプリケーション201へと渡す。CREモジュール203は、シミュレートされたカードスワイプをメインPOSアプリケーション201に送り込むことを可能にすることのみが必要とされるため、カードリーダのプロトコル全体の実装は必要ではない。一実施形態では、CREモジュール203は、カードスワイプをエミュレートする目的で、マーチャントのアクワイアラのためのDUKPT(派生ユニークキーごとの取引)キーを用いてプログラムされる。カードリーダ204のAPIにより要求された場合には、顧客に関連する他のデータもまた提供されてもよい。
【0040】
メインPOSアプリケーション201は、CREモジュール203からカードの読取イベントデータ602を受信すると、該カード読取イベントデータを標準の支払認可リクエスト603に含めて送信し、標準支払認可リクエスト603は、イシュア118に転送される。実際には、支払認可リクエスト603は、まずはマーチャントのアクワイアラ114に実際に送信されてもよく、該支払認可リクエスト603は、カード支払ネットワーク116に該リクエストを転送するか、対応する新たなリクエストを送信し、続いて、該カード支払ネットワーク116は、イシュア118に該リクエストを転送するか、対応する新たなリクエストを送信する。しかしながら、これらの中間の通信は、説明を単純にするため、
図6からは省略されている。
【0041】
取引がイシュア118によって承認されている場合、イシュア118は、上記とは逆の通信経路を用いて、標準の支払認可(承認)メッセージ604をマーチャントのメインPOSアプリケーション201へと返信する。メインPOSアプリケーション201は、マーチャントのPOSシステム104のローカルレシートプリンタ205のための印刷メッセージ605を生成することにより、該支払認可メッセージに応答する。しかしながら、CREモジュール203は、メインPOSアプリケーション201のプリンタAPIへアクセスすることにより、印刷信号がプリンタ205に達し得る前に該印刷信号を遮断する。該印刷信号の検出に応答して、CREモジュール203はまた、支払認可メッセージが受信されたことを示すメッセージ606を(内部ネットワーク106を介して)支払サービスシステム108に送信する。支払サービスシステム108は、取引についての仮想レシートを含むメッセージ607をユーザのモバイルデバイス102に送信することによって応答する。続いて、モバイルデバイス102上のモバイル支払アプリケーション120は、仮想レシートをユーザに表示する。仮想レシートは、請求額、消費者の名前、取引の日時などを含む、カード取引の印刷されるレシートに含まれることになる全ての情報を含み得る。その後、ユーザは、任意にチップの額をインプットし得る。この処理においてチップを取り扱う別の方法は、さらに以下に検討される。
【0042】
所定の実施形態では、支払サービスシステム108は、処理された取引が正常か否かを判断するため、モバイル支払アプリケーション120に仮想レシートを送信する前にレシートデータを解析する。支払サービスシステム108はまた、取引総額及び顧客が注文した品目を含む様々な意味的要素を識別するため、レシートデータを解析し得る。したがって、そのような実施形態では、支払サービスシステム108がモバイルデバイス102に送信する仮想レシートはまた、これらの要素の内訳を含んでおり、この内訳はユーザに表示され得る。あるいは、該解析は、CREモジュール203によって行われ得る。
【0043】
なお、ほとんどのPOSシステムは、それらの支払カード取引データを格納するために、SybaseやMicrosoft SQL Serverのような関係データベースを使用することに注意されたい。支払サービスシステム108は、上述のようにレシートを解析することにより、全てではなくともほとんどの実質的な取引データを捕捉することができる。それでもなお、支払サービスシステム108のデータベースとマーチャントのPOSデータベースとを同期することが望ましいと思われる。他の利点のなかには、支払サービス108がマーチャントのためのバックアップストレージを提供できるようになることが挙げられる。
【0044】
図6Bは、上述の実施形態においてCREモジュール203によって実行可能な処理の例を示す図である。該処理は、CREモジュール203が、チェックインした顧客を指定して該顧客に関与する支払取引を開始する意向を示すユーザインプットを検出した際に開始する(ステップ622)。ユーザインプットに応答して、CREモジュール203は、支払取引に関係して生じる実際のカード読取イベントなしに、カードリーダ204の出力をエミュレートするデータをメインPOSアプリケーション201へと出力することにより、支払取引を開始する(ステップ624)。該取引が支払処理エンティティ(例えば、イシュア118)に承認された後、CREモジュール203が支払取引を生成するためのメインPOSモジュール201により生成された印刷信号を検出した際に(ステップ626)、CREモジュール203は、該印刷信号を遮断することにより印刷されたレシートが生成されることを防止する(ステップ628)。該印刷信号は、レシートがレシートプリンタ205によって印刷されることを可能にするためのレシートデータを含む。該印刷信号に応答して、CREモジュール203は、レシートデータの少なくとも一部を含む第1メッセージを支払サービスシステム108に送信し(ステップ630)、それにより支払サービスシステム108に第2のメッセージを顧客のモバイルデバイス102へと送信させる。該第2メッセージは、モバイルデバイス102が該支払取引についての仮想レシートを消費者へと出力することを可能にする。
【0045】
上述の実施形態では、CREモジュール203は、取引が開始された際に、支払サービスシステム108からユーザの実際の支払カード番号を受信して、メインPOSアプリケーション201にその番号を渡す。しかしながら、別の実施形態では、カードレス支払サービスは、該取引のためのワンタイム使用の支払カード番号を生成し、上記のように、該支払カード番号を、消費者の実際のクレジットカード番号の代わりにメインPOSアプリケーション201に渡す。該ワンタイム使用のカード番号は、マーチャントにチェックインするユーザに応答して、支払サービスシステム108により、又はCREモジュール203により生成され得る。この実施形態では、支払サービスシステム108を操作する支払サービスは、マーチャントの観点から、実質的にクレジットカードのイシュアとして機能する。マーチャントPOSシステム104は、該ワンタイム使用のクレジットカード番号に請求を行い、その後、支払サービスは、支払サービスシステム108に格納されている消費者の実際のクレジットカード番号に請求を行う。本実施形態における初期セットアップ処理は、ステップ410において、支払サービスシステム108が消費者の実際のクレジットカード番号を送信する代わりにマーチャントPOSシステム104にワンタイム使用の支払アカウント番号を送信することを除き、
図4のものと実質的に同一であり得る。ワンタイム使用のアカウント番号は、マーチャントPOSシステム104が認識可能なフォーマット、例えば、標準的なクレジットカード又はデビットカードのフォーマットを有している。
【0046】
ワンタイム使用の支払いアカウント番号を使用するカードレス取引は、
図7に示すように、以下の操作を伴い得る。マーチャント100がカードレス支払取引をトリガするようにユーザインプット701を提供することに応答して、CREモジュール203は、メインPOSアプリケーション201へと消費者に関連するデータ702を送信することにより、カードリーダ204をエミュレートする。該データ702は、実際のカード読取イベントが生じていなくても、メインPOSアプリケーション201には、カード読取イベントに関連するように見える。このことは、上述のような方法で行われ得る。ワンタイム使用の支払アカウント番号だけでなく、消費者の名前、アカウント有効期限及びCVVも、カードリーダのプロトコルにおいて、CREモジュール203によりメインPOSアプリケーション201に提供される。該カードリーダのAPIによって要求される場合には、関連する他のデータもまた提供されてもよい。
【0047】
メインPOSアプリケーション201は、CREモジュール203からカードの読取イベントデータ702を受信すると、該カード読取イベントデータを標準の支払認可リクエスト703に含めて送信し、本実施形態では、標準支払認可リクエスト703は、イシュアを表す支払サービスシステム108に転送される。実際には、支払認可リクエスト703は、まずはマーチャントのアクワイアラ114に実際に送信されてもよく、該支払認可リクエスト703は、カード支払ネットワーク116に該リクエストを転送するか、対応する新たなリクエストを送信し、続いて、該カード支払ネットワーク116は、支払サービスシステム108に該リクエストを転送するか、支払サービスシステム108へと対応する新たなリクエストを生成する。しかしながら、これらの中間の通信は、説明を単純にするため、
図7からは省略されている。
【0048】
取引が支払サービスシステム108によって承認されている場合、支払サービスシステム108は、上記とは逆の通信経路を用いて、標準の支払認可(承認)メッセージ704をマーチャントのメインPOSアプリケーション201へと返信する。メインPOSアプリケーション201は、マーチャントのPOSシステム104のローカルレシートプリンタ205のための印刷信号705を生成することにより、支払認可メッセージ704に応答する。しかしながら、CREモジュール203は、上述のように、印刷信号705を遮断して、印刷信号705がプリンタ205に達することを防止する。本実施形態では、支払サービスシステム108は、取引が承認されることを既に知っているため、仮想レシートを送信する前にCREモジュール203から信号を受信する必要がない。したがって、支払サービスシステム108が支払認可信号704を送信するのとほぼ同時に、又はその後すぐに、支払サービスシステム108は、取引についての仮想レシートを含むメッセージ706を顧客のモバイルデバイス102に送信する。続いて、顧客のモバイルデバイス102上のモバイル支払アプリケーション120は、仮想レシートをユーザに表示する。
【0049】
その後、支払システム108は、支払リクエスト707を顧客の実際の支払カードのイシュア118に送信する。実際の支払カードの情報は、顧客がカードレス支払サービスに登録した際に、事前に支払サービスシステム108によって受信及び格納されている。続いて、支払サービスシステム108は、イシュア118から支払708を受信する。
【0050】
本明細書で提示される本技術はまた、顧客がマーチャント(例えば、ウェイター)にチップを渡すことを可能にする。このことを達成する様々な方法が存在する。一つのアプローチでは、
図8に示すように、仮想レシートがモバイルデバイス102によって顧客101に表示されている際に、顧客は、モバイルデバイス102上で実行されているモバイル支払アプリケーション120により、チップの額をインプットすることを促される(801)。それにより、顧客は、チップの額をモバイル支払アプリケーション120にインプットする(802)。次に、モバイル支払アプリケーション120は、チップの額を含むメッセージ803を支払サービスシステム108に送信する。続いて、支払サービスシステム108は、チップの額を示すメッセージ804をマーチャントPOSシステム104におけるCREモジュール203に送信する。そして、CREモジュール203は、チップの額を該マーチャントPOSシステムのディスプレイ上に表示するように、マーチャントPOSシステム104の表示をトリガする(805)。マーチャント100は、表示されたチップの額を見た後、従来の方法で総取引額(例えば、請求額+チップ)をメインPOSアプリケーション201にインプットする(806)。その後、メインPOSアプリケーション201は、従来の取引捕捉処理に応じて取引を処理する(807)。
【0051】
別のアプローチでは、チップの額をメインPOSアプリケーション201に上書きコピーすることをマーチャントに要求するのではなく、CREモジュール203は、メインPOSアプリケーション201へのユーザインプットのシーケンス(例えば、タッチスクリーン又はキーパッド押下のシーケンス)をシミュレートし、それによってメインPOSアプリケーション201にチップの額(又は総取引額)をインプットするための適切な状態を入力させ、その後、当該額をメインPOSアプリケーション201にインプットするための適切なユーザインプットシーケンスをシミュレートする。例えば、CREモジュール203は、該チップの額をメインPOSアプリケーション201に通信するためにPOSシステムのインプットデバイス(例えば、タッチスクリーン又はキーボード/キーパッド)のAPIを呼び出すことができ、それによって、該チップの額がPOSアプリケーション201には人間のユーザによってインプットされたように見えるようする。
【0052】
さらに別のアプローチでは、ウェイターは、支払サービスシステム108にマーチャント(場合により、マーチャントの従業員でもよい)として事前に登録し、日々の出勤時にGUIを介してCREモジュール203に本人確認させる。カードレス支払取引が上述のように認可された後、CREモジュール203は、どのウェイターがチップを受け取るべきかを尋ねるプロンプトをディスプレイに出力させる。ウェイターは、ディスプレイ上の自分の名前をタップする。続いて、CREモジュール203は、この選択を示すメッセージを支払サービスシステム108に送信する。その後、支払サービスシステム108は、例えば、自動クリアリングハウス(ACH)又はデビットを介して、ウェイターにチップを直接プッシュする。
【0053】
図9は、モバイルデバイス102、マーチャントPOSシステム104、支払サービスシステム108、アクワイアラシステム114、カード支払ネットワーク116又はイシュアシステム118のような上述のデバイスのいずれかを表し得る処理デバイス900の例を示すハイレベルブロック図である。上述したように、これらのシステムのいずれも、
図9に示すように、2つ以上の処理デバイスを含むことができ、それらの処理デバイスは、1つのネットワーク又は複数のネットワークを介して互いに結合されていてもよい。
【0054】
図示の実施形態では、処理システム900は、1つ以上のプロセッサ910、メモリ911、通信デバイス912及び1つ以上のインプット/アウトプット(I/O)デバイス913を含んでおり、これらは全てインターコネクト914を通じて互いに結合されている。インターコネクト914は、導電性トレース、バス、ポイントツーポイント接続、コントローラ、アダプタ、及び/又は他の従来の接続デバイスの1つ以上であってもよく、それらの1つ以上を含んでいてもよい。プロセッサ910は、例えば、汎用プログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルゲートアレイ等の1つ以上、又はそのようなデバイスの組合せであってもよく、それらの1つ以上又はそのようなデバイスの組合せを含んでいてもよい。プロセッサ910は、処理デバイス900の全体の動作を制御する。メモリ911は、1つ以上の物理ストレージデバイスであってもよく、1つ以上の物理ストレージデバイスを含んでいてもよい。該物理ストレージデバイスは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)(消去可能及びプログラム可能である)、フラッシュメモリ、小型ハードディスクドライブ又は他の適切なタイプのストレージデバイスの形態であってもよく、そのようなデバイスの組合せであってもよい。メモリ911は、プロセッサ910を上述の該技術に従う動作を実行するように構成するデータ及び命令を格納していてもよい。通信デバイス912は、例えば、イーサネットアダプタ、ケーブルモデム、無線LANアダプタ、セルラートランシーバ、ブルートゥーストランシーバ等、又はそれらの組み合わせであってもよく、それらを含んでいてもよい。処理デバイス900の特定の性質及び目的に応じて、I/Oデバイス913は、ディスプレイ(タッチスクリーンディスプレイであってもよい)、オーディオスピーカ、キーボード、マウス又は他のポインティングデバイス、マイク、カメラ等のようなデバイスを含み得る。
【0055】
物理的な可能性に反しない限り、(i)上記の方法/ステップは、任意の順序で、及び/又は任意の組み合わせで実行されてもよいこと、及び(ii)の各実施形態の構成要素は、任意の方法で組み合わせてもよいことが想定される。
【0056】
上記にて提示された本技術は、ソフトウェア及び/又はファームウェアによってプログラムされた/構成されたプログラマブル回路により、又は完全に専用回路により、又はそのような形態の組み合わせにより、実装され得る。このような専用回路(もしあれば)は、例えば、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等の形態であり得る。
【0057】
本明細書で提示される本技術を実施するためのソフトウェア又はファームウェアは、機械可読記憶媒体に格納されてもよく、1つ以上の汎用又は専用のプログラム可能なマイクロプロセッサによって実行されてもよい。本明細書で使用される用語としての「機械可読媒体」は、機械によってアクセス可能な形態で情報を格納し得る任意の機構を含む(該機械は、例えば、コンピュータ、ネットワークデバイス、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、製造ツール、1つ以上のプロセッサを有する任意のデバイス等であってもよい)。例えば、機械がアクセス可能な媒体は、記録可能/記録不可能な媒体(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM);磁気ディスク記憶媒体;光記憶媒体;フラッシュメモリデバイス等)などを含んでいる。
【0058】
なお、上述の実施形態の任意かつ全てのものは、互いに組み合わせられ得ることに留意されたい。ただし、上記にて別段の記載がある場合や、任意のそのような実施形態が機能及び/又は構造において相互に排他的である可能性がある場合には、この限りではない。
【0059】
本発明は、特定の例示的な実施形態を参照して記載されているが、本発明は記載の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内で修正及び変更して実施され得ることが認識されるであろう。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味において考慮されるべきである。
【0060】
例
したがって、要約すると、上述の開示は以下の例を含む。
1.販売時点(POS)システムにおいて、前記POSシステムのユーザインタフェースを介して入力されたユーザインプットを検出するステップであって、前記ユーザインプットが、消費者を指定して、前記消費者に関与する支払取引を開始する意向を示しているステップと、
前記ユーザインプットに応答して、前記支払取引に関係して生じる実際のカード読取イベントなしに、カード読取イベントに関連する物理カードリーダの出力をエミュレートするデータを前記POSシステムにおけるPOSモジュールへと出力することにより、前記POSシステムにおける前記支払取引を開始するステップと、
前記取引が支払処理エンティティに承認された後に、前記POSモジュールによって生成されたレシートプリンタを作動させるための印刷信号を遮断することにより、前記取引についての印刷されたレシートが生成されることを防止するステップであって、前記印刷信号がレシートデータを含んでいるステップと、
前記印刷信号に応答して、前記消費者のモバイルデバイスへと第2メッセージが送信されるようにするために第1メッセージを前記POSシステムから送信するステップであって、前記第2メッセージは、前記モバイルデバイスが前記支払取引についての仮想レシートを前記消費者へと出力することを可能にするためのものであるステップと
を含んでいる方法。
2.前記物理カードリーダの出力をエミュレートするデータを出力することが、前記POSモジュールへのカードリーダの出力を前記カードリーダのプロトコル中にてエミュレートするデータを送信することを含んでいる、例1に記載の方法。
3.前記物理カードリーダの出力をエミュレートするデータを出力することが、カードリーダのアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を呼び出すことを含んでいる、例1に記載の方法。
4.前記消費者のモバイルデバイスへと前記第2メッセージが送信されるようにすることが、リモートエンティティに前記第2メッセージを前記消費者の前記モバイルデバイスへと送信させるように、前記第1メッセージをネットワークを介して前記リモートエンティティに送信することを含んでいる、例1に記載の方法。
5.前記第2メッセージが、前記仮想レシートを表すデータを包含している、例1に記載の方法。
6.前記物理カードリーダの出力をエミュレートするデータを出力することが、前記消費者の支払カードの支払アカウント識別子を前記POSモジュールに提供することを含んでいる、例1に記載の方法。
7.前記物理カードリーダの出力をエミュレートするデータを出力することが、前記消費者に関与する前記支払取引にのみ使用するためのワンタイム使用のアカウント識別子を前記POSモジュールに提供することを含んでおり、前記ワンタイム使用のアカウント識別子は、前記消費者の支払カードのアカウント識別子ではないが、前記POSモジュールにより識別可能なアカウント識別子フォーマットにおけるものである、例1に記載の方法。
8.前記レシートデータの意味的要素を識別するために前記印刷信号中の前記レシートデータを解析するステップをさらに含んでいる、例1に記載の方法。
9.処理システムにて、ある人に関連する取引を開始する意向を示しているユーザインプットを検出するステップと、
前記ユーザインプットに応答して、前記人に関連するカードの読み取りを前記取引のために生じる実際のカード読取イベントなしにエミュレートすることにより、取引を開始するステップと
を含んでいる方法。
10.前記取引が金融取引である、例9に記載の方法。
11.前記取引が支払取引である、例10に記載の方法。
12.前記エミュレートすることが、アプリケーションへの物理カードリーダの出力を前記物理カードリーダのプロトコル中にてエミュレートするデータを送信することを含んでいる、例9に記載の方法。
13.前記取引が承認されたことを示す信号を検出するステップと、
前記信号に応答して、前記取引の印刷された記録の生成を防止して、前記人のモバイルデバイスが前記取引の仮想記録を前記人へと出力することを可能にするように前記モバイルデバイスへとメッセージが送信されるようにするステップと
をさらに含んでいる、例9に記載の方法。
14.前記取引の印刷された記録の生成を防止することが、プリンタを作動させるための印刷信号を遮断することを含んでおり、前記印刷信号が、前記プリンタにより印刷される前記取引の記録を可能にするためのデータを含んでいる、例13に記載の方法。
15.消費者に関与する金融取引を開始する意向を示しているユーザインプットを検出し、前記ユーザインプットに応答して、前記支払取引のために生じる実際のカード読取イベントなしに、前記支払取引のためのカード読取イベントをエミュレートするデータを出力することによって前記金融取引を開始する、カードリーダエミュレータと、
印刷信号が前記支払取引に関係するプリンタへと通信されることを防止することによって前記金融取引についての印刷されたレシートの生成を防止し、前記消費者のモバイルデバイスが前記金融取引についての仮想レシートを出力することを可能にするように前記消費者のモバイルデバイスへとメッセージが送信されるようにする、レシートマネージャと
を含んでいる、装置。
16.前記カードリーダエミュレータが、カードリーダのアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を呼び出すことによって前記物理カードリーダの出力をエミュレートするように構成されている、例15に記載の装置。
17.前記レシートマネージャが、前記レシートデータの意味的要素を識別するために前記印刷信号中の前記レシートデータを解析するように構成されている、例15に記載の装置。
18.プロセッサと、
前記プロセッサに結合され、前記プロセッサにより実行可能なPOSモジュールを格納しているメモリであって、前記POSモジュールが、支払取引を処理するように構成されていると共に、物理カードリーダからのカード読取イベントより生じたカードデータを受信すること及び前記カード読取イベントに応答して前記カードデータがネットワーク越しにリモート認可エンティティへと送信されるようにすることを含んでいる、メモリと、
前記消費者を指定するユーザインプットを受信するために前記プロセッサに結合されたユーザインプットデバイスであって、前記ユーザインプットが前記消費者に関与する支払取引を開始する意向を示している、ユーザインプットデバイスと、
前記ユーザインプットを検出するように、及び、前記ユーザインプットに応答して、前記支払取引のために生じる実際のカード読取イベントなしに支払取引のためのカード読取イベントデータを前記POSモジュールに出力することによって前記物理カードリーダをエミュレートするように構成された、カード読取エミュレータ(CRE)モジュールと
を含んでいる、販売時点(POS)システム。
19.前記CREモジュールが、さらに、印刷信号が前記支払取引に関係するプリンタへと通信されることを防止することによって前記支払取引についての印刷されたレシートが生成されることを防止するように構成されていると共に、前記消費者のモバイルデバイスへと第2メッセージが送信されるようにするために第1メッセージを前記POSシステムから送信するように構成されており、前記第2メッセージは、前記モバイルデバイスが前記支払取引についての仮想レシートを前記消費者へと出力することを可能にするためのものである、例18に記載のPOSシステム。
20.前記CREモジュールが、リモートエンティティに前記第2メッセージを前記消費者の前記モバイルデバイスへと送信させるように、前記第1メッセージをネットワークを介して前記リモートエンティティに送信することにより、前記消費者のモバイルデバイスへと前記第2メッセージが送信されるようにするように構成されており、前記第2メッセージが、前記仮想レシートを表すデータを包含している、例19に記載のPOSシステム。
21.前記CREモジュールが、カードリーダのアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を呼び出すことにより、物理カードリーダの出力をエミュレートするように構成されている、例18に記載のPOSシステム。
22.前記CREモジュールが、前記消費者に関与する前記支払取引にのみ使用するためのワンタイム使用のアカウント識別子を前記POSモジュールに提供することにより、前記物理カードリーダの出力をエミュレートするように構成されており、前記ワンタイム使用のアカウント識別子は、前記消費者の支払カードのアカウント識別子ではないが、前記POSモジュールにより識別可能なアカウント識別子フォーマットにおけるものである、例18に記載のPOSシステム。
23.前記CREモジュールが、さらに、前記レシートデータの意味的要素を識別するために前記印刷信号中の前記レシートデータを解析するように構成されている、例18に記載のPOSシステム。
24.前記CREモジュールが、前記POSモジュールのコンポーネントである、例18に記載のPOSシステム。
25.前記CREモジュールが、前記POSモジュールから論理的に分離されている、例18に記載のPOSシステム。