【実施例】
【0022】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0023】
本実施例は、交差点やカーブ手前に設置され、死角となる方向の様子を手前から視認することができる道路反射鏡に係るものであり、図示するように、反射鏡本体部2と、これを支持する支柱部6とからなる構成とされている。
【0024】
更に、本実施例は、図示するように、周囲が暗くなり、通行人がその存在を認識することが困難な状況になっても、反射鏡本体部2の周縁部3が発光して、通行人にその存在を認識させることができるように構成されている。
【0025】
即ち、一般的な道路反射鏡は、夜間、周囲が暗くなると、鏡面部で死角方向の状況を確認しづらくなるばかりか、道路反射鏡そのものの存在が認識しづらくなってしまうものであり、これにより、自動車やバイク等の運転手は、道路反射鏡の存在に気付かず、この場所が安全に気を付けなければならない場所であることを認識することができず、安全確認を怠り、事故を起こしてしまう懸念があるものであるが、本実施例は、暗くなっても発光によりその存在を通行人に認識させることができる構成とされており、これにより、上記のような懸念はなく、一時不停止や飛び出しなどを抑制し事故の発生を未然に防ぐことができるように構成されている道路反射鏡である。
【0026】
以下、本実施例について詳述する。
【0027】
本実施例を構成する反射鏡本体部2は、従来の一般的な道路反射鏡と同様、鏡面部1を有する金属製の表板部7と、この表板部7に重ね合わせ状態に設けられる金属性の裏板部8とで構成されている。
【0028】
また、本実施例の反射鏡本体部2は、図示するように、更に、周縁カバー部4と、フード部9とが設けられた構成とされている。
【0029】
本実施例のフード部9は、従来からある一般的な道路反射鏡のフードと同様の構成とされており、具体的には、金属板材(例えばステンレス鋼材)にオレンジ色のアクリル焼付塗装を施した構成とされている。
【0030】
また、本実施例の周縁カバー部4は、反射鏡本体部2の周縁部3の全周に亘って設けられる構成とされ、更に、この反射鏡本体部2に対して着脱交換自在に設けられる構成とされている。
【0031】
具体的には、本実施例の周縁カバー部4は、柔軟性を有する塩化ビニル製の環状体に形成され、内側の長手方向(周方向)に沿って反射鏡本体部2の周縁部3に被嵌し得る溝条部5が形成されている。
【0032】
より具体的には、本実施例の周縁カバー部4は、柔軟性を有する塩化ビニル製の帯状部材を長手方向に沿って二つ折り状態にして、端部同士を結合させて環状にした構成とされ、この二つ折りにより形成された対向帯状片部間に形成された溝条部5に反射鏡本体部2の周縁部3を挿入配設することで、対向帯状片部がこの反射鏡本体部2の周縁部3の表裏両面に挟着し、反射鏡本体部2の周縁部3に着脱自在に被嵌係止する構成とされている。
【0033】
また、本実施例の周縁カバー部4は、蓄光材を含有しており、周囲が暗くなると発光するように構成されている。
【0034】
即ち、本実施例の周縁カバー部4は、周囲が暗くなりその存在(道路反射鏡自体の存在)の認識が困難な状況になった際に、その存在を認識させるために発光する発光部材として構成されている。
【0035】
具体的には、蓄光材は、塩化ビニル(ベース部材)にストロンチウム系化合物(蓄光顔料)を混合したものであり、これを前述した周縁カバー部4を形成する塩化ビニルに混合して、本実施例の周縁カバー部4が形成されている。
【0036】
また、このような蓄光材を含有する本実施例の周縁カバー部4は、外観色が白色を呈している。
【0037】
一般的な道路反射鏡の周縁カバーは、支柱やフードと同様にオレンジ色のものが多いが、本実施例の周縁カバー部4は、白色にすることで、夜間、発光した際に、より鮮明に(より明るく)発光する構成とされている。
【0038】
尚、本実施例の周縁カバー部4は、上述のように連続する環状に形成されているが、例えば、分割状態に形成され、反射鏡本体部2の周縁部3に装着した状態が環状となるように形成しても良い。
【0039】
以上のように構成される本実施例の作用効果について以下に説明する。
【0040】
本実施例は、周囲が暗くなると、周縁カバー部4が蓄光材の発光作用により発光し、この周縁カバー部4が発光することで、反射鏡本体部2の周縁部3が全周に亘って発光し、この反射鏡本体部2の周縁部3全周の発光により、図示するような反射鏡本体部2(鏡面部1)の形状が暗闇に白いリング状の光となって浮かび上がる。
【0041】
これにより、暗くなって道路反射鏡の存在が認識しづらくなっても、自動車、バイク、自転車の運転手や歩行者がこの反射鏡本体部2の形状を呈する光によって道路反射鏡の存在に気付き、この場所が安全に気を付けなければならない場所であることを認識することができる。
【0042】
ゆえに、道路反射鏡の存在に気付いた自動車、バイク、自転車の運転手や歩行者は、この反射鏡本体部2(鏡面部1)の形状に浮かび上がった明かりの内側を視認し、車やバイク、自転車などのヘッドライトが移っていないかどうか等の安全を確認しながら注意してこの場所を進入してゆくこととなるので、一時不停止や飛び出しなどがなくなり事故の発生を未然に防ぐことができる。
【0043】
また、本実施例は、上述したように、周縁カバー部4以外は従来の一般的な道路反射鏡と同様の構成であるから、従来の一般的な道路反射鏡に取り付けられている単に反射鏡本体内に雨水が浸入することを防止することを目的とした周縁カバーの代わりに、上述した蓄光材を含有し紫外線吸収により自発発光する周縁カバー部4を取り付けるだけで完成する極めて簡易な構成で容易に設計実現可能な実用性に優れた画期的な道路反射鏡となる。
【0044】
しかも、本実施例は、周縁カバー部4が蓄光材により自発発光する構成とされているので、発光のための電気供給源が不要で安価に製造可能となる。
【0045】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。