特許第6475774号(P6475774)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6475774
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】熱電発電装置
(51)【国際特許分類】
   H02N 11/00 20060101AFI20190218BHJP
   H01L 35/32 20060101ALI20190218BHJP
   H01L 35/30 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   H02N11/00 A
   H01L35/32 Z
   H01L35/30
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-86552(P2017-86552)
(22)【出願日】2017年4月25日
(65)【公開番号】特開2018-186635(P2018-186635A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2017年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(74)【代理人】
【識別番号】100090011
【弁理士】
【氏名又は名称】茂泉 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100194939
【弁理士】
【氏名又は名称】別所 公博
(74)【代理人】
【識別番号】100206782
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰洋
(72)【発明者】
【氏名】丸岡 純
【審査官】 安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−005615(JP,A)
【文献】 特開2006−002704(JP,A)
【文献】 特開2003−231551(JP,A)
【文献】 特開2005−210782(JP,A)
【文献】 特開2004−208476(JP,A)
【文献】 特開2015−012238(JP,A)
【文献】 特開2017−069248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 11/00
H01L 35/30
H01L 35/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱電発電モジュールの高温側と低温側との温度差を利用して発電する熱電発電装置であって、
前記熱電発電モジュールは、前記熱電発電モジュールの高温側が、放熱フィンに接し、同一の放熱フィン同士がヒンジ部により接続されて複数組み合わされ、前記熱電発電モジュールの低温側が、熱伝達媒体を介して、熱源流体の流通する配管に接続される構造を有し、
前記熱電発電モジュールは、前記配管を囲むようにし、前記ヒンジ部と接続される接続具とにより、前記配管の外側から締付けるように力を加えることで、前記配管へ取付けられる
熱電発電装置。
【請求項2】
熱電発電モジュールの高温側と低温側との温度差を利用して発電する熱電発電装置であって、
前記熱電発電モジュールは、熱源流体の流通する配管を囲むようにし、帯状のベルトと締付けバックルとで、前記配管の外側から締付けるように力を加えることにより前記配管からの熱伝導による熱の移動を全て前記熱電発電モジュールで受けるように前記配管へ取付けられる
熱電発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、高温側と低温側との温度差を利用して発電を行う熱電発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から熱電変換モジュールの取り付け構造としては、熱源である高温側へネジにより安定に固定する方法が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−293907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の熱電発電モジュールの取り付け構造では、複数のネジが使用されていることから、熱伝導率の低い材料を使用したとしても、ネジが熱伝導経路となり、高温板から低温板へ熱が伝わることにより、熱電発電モジュールの発電効率が低下するという問題がある。また、ネジを使用した場合は、取り付け構造への熱伝導を抑えるために、ネジとネジの接合部に熱伝導率の低い材料を用いる必要があり、部品点数も多くなるため、経済性が課題となる。
【0005】
この発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、配管への取り付けにネジなどの構造物を接触させることなく熱電変換モジュールを取り付けることができ、熱伝導による熱の移動を全て熱電発電モジュールで受けることができ、発電効率を向上させることができる熱電発電装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る熱電発電装置は、熱電発電モジュールの高温側と低温側の温度差を利用して発電する熱電発電装置であって、前記熱電発電モジュールは、前記熱電発電モジュールの高温側が、放熱フィンに接し、同一の放熱フィン同士がヒンジ部により接続されて複数組み合わされ、前記熱電発電モジュールの低温側が、熱伝達媒体を介して、熱源流体の流通する配管に接続される構造を有し、前記熱電発電モジュールは、前記配管を囲むようにし、前記ヒンジ部と接続される接続具とにより、前記配管の外側から締付けるように力を加えることで、前記配管へ取付けられている。
また、この発明に係る熱発電装置は、熱電発電モジュールの高温側と低温側との温度差を利用して発電する熱電発電装置であって、前記熱電発電モジュールは、熱源流体の流通する配管を囲むようにし、帯状のベルトと締付けバックルとで、前記配管の外側から締付けるように力を加えることにより前記配管からの熱伝導による熱の移動を全て前記熱電発電モジュールで受けるように前記配管へ取付けられている。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、配管の取り付けにネジなどの構造物を接触させることなく熱電変換モジュールを取り付けることができ、熱伝導による熱の移動を全て熱電発電モジュールで受けることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態1に係る熱電発電装置を示す平面図である。
図2】この発明の実施の形態1に係る熱電発電装置を示す説明するもので、図1に示す配管周囲の部分拡大図である。
図3】この発明の実施の形態1に係る熱電発電装置を示す斜視図である。
図4】この発明の実施の形態2に係る熱電発電装置を示す平面図である。
図5】この発明の実施の形態2に係る熱電発電装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
【0010】
この発明の実施の形態1について、図1ないし図3を用いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1に係る熱電発電装置を示す平面図、図2図1に示す配管周囲の部分拡大図、図3はこの発明の実施の形態1に係る熱電発電装置を示す斜視図である。
【0011】
図1ないし図3に示すように、熱源流体が流通する配管1の周囲に、熱電発電モジュール20が取り付けられている。熱電発電モジュール20の高温側が放熱フィン30に接しており、同一放熱フィン同士がヒンジ部(接続部材)40により接続され複数組み合わされている。熱電発電モジュール20が配管1を囲むようにし、ヒンジ部40と接続される接続具50により配管1の外側から締め付けるように力を加えることで取り付けることができる。熱電発電モジュール20の低温側は配管1に熱伝達媒体60を介して接続される。ここで、配管1の径に合わせて熱電発電モジュール20と放熱フィン30の数を増減させることで、あらゆる径の配管1に取り付けることができる。
【0012】
このため、この発明の実施の形態1によれば、ヒンジ部40と接続具50により、熱電発電モジュール20が配管1を囲み、外側から配管1を締め付ける方向に圧力をかけることで、配管1の取り付けに、ネジなどの構造物を接触させることなく、熱電変換モジュール20を取り付けることができ、熱伝導による熱の移動を全て熱電発電モジュール20で受けることができるという効果がある。
【0013】
実施の形態2.
【0014】
次に、この発明の実施の形態2について、図4図5を用いて説明する。図4図5はこの発明の実施の形態2に係る熱電発電装置を示す平面図と斜視図である。図4図5に示すように、この実施の形態2では、実施の形態1のヒンジ部40の代替えとして帯状のベルト41を用いる。また、接続具50の代替として締め付けバックル51により配管1の外側から締め付けるように力を加えることで取り付けることができる。バックル51は締め付けたベルト41の緩みを抑制する機能を持つ。ベルト41の伸縮性の有無は問わない。
【0015】
したがって、上述した各実施の形態によれば、熱源流体が流通する配管1を囲むようにして熱電発電モジュール20を取り付けられ、熱電発電モジュール20の取り付け構造を低温側に備えることで、熱電発電モジュール20の取り付けと熱伝導性を向上させることができる。
【0016】
また、熱電発電モジュール20で、熱源流体が流通する配管1を囲み、外側から配管1を締め付ける方向に圧力をかけることで、配管1への取り付けにネジなどの構造物を接触させることなく熱電変換モジュール20を取り付けることができる。
【0017】
また、熱伝導による熱の移動を全て熱電発電モジュールで受けることができ、熱源流体が流通する配管1から熱電発電モジュール20への熱伝導が、取り付け構造物への熱伝導よりも高いものとなる。
【0018】
また、配管1を締め付ける方向に圧力がかかることにより、熱電発電モジュール20と配管1の間に圧接力が生じ、熱伝導性を向上させるという効果がある。さらに、従来のような、ネジとネジの接合部に用いる熱伝導率の低い材料が不要となり、部品点数も少なくなるため、経済性が向上する。
【符号の説明】
【0019】
1 配管、20 熱電発電モジュール、 30 放熱フィン、 40 ヒンジ部(接続部材)、41 ベルト、50 接続具、51 バックル、60 熱伝達媒体。
図1
図2
図3
図4
図5