特許第6476031号(P6476031)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6476031画像投影装置、画像投影方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6476031
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】画像投影装置、画像投影方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20190218BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20190218BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   G06Q10/08
   G06Q50/10
   G03B21/14 Z
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-62106(P2015-62106)
(22)【出願日】2015年3月25日
(65)【公開番号】特開2016-181199(P2016-181199A)
(43)【公開日】2016年10月13日
【審査請求日】2018年1月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】506226175
【氏名又は名称】ビーコア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 葉
【審査官】 岸 健司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−014423(JP,A)
【文献】 特開2010−003190(JP,A)
【文献】 特開2009−200846(JP,A)
【文献】 特開2015−005181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G03B 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯可能な画像投影装置において、
対象物に割り当てられた識別情報及び当該対象物に関連する関連情報を対応づけて格納する格納手段と、
現実空間に配置された対象物に付され、当該対象物に割り当てられた識別情報を表す光学式認識コードを含む第1の画像を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置によって撮像された第1の画像に含まれる光学式認識コードによって表される識別情報に対応づけて前記格納手段に格納されている関連情報を取得する取得手段と、
前記撮像装置によって撮像された第1の画像に含まれる光学式認識コードの当該第1の画像上における位置に基づいて前記取得された関連情報が配置された第2の画像を生成する生成手段と、
前記撮像装置の近傍に配置され、前記生成された第2の画像を現実空間に投影する投影装置と
を具備し、
前記撮像装置の光軸の向きと前記投影装置の光軸の向きとは、略同一であり、
前記撮像装置の画角と前記投影装置の画角とは、略同一である
ことを特徴とする画像投影装置。
【請求項2】
前記光学式認識コードは、3以上の色彩のうちの1の色彩が付されたセルが複数配列されてなるコードを含むことを特徴とする請求項1記載の画像投影装置。
【請求項3】
前記投影装置は、連続的にフォーカスを調整する機能を有することを特徴とする請求項1記載の画像投影装置。
【請求項4】
前記撮像装置によって撮像される第1の画像を表示する表示装置を更に具備することを特徴とする請求項1記載の画像投影装置。
【請求項5】
前記表示装置は、前記関連情報とは異なる情報を更に表示することを特徴とする請求項4記載の画像投影装置。
【請求項6】
前記撮像装置は、第1の装置に設けられており、
前記投影装置は、前記第1の装置に取り付け可能な第2の装置に設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の画像投影装置。
【請求項7】
撮像装置と、前記撮像装置の近傍に配置された投影装置と、対象物に割り当てられた識別情報及び当該対象物に関連する関連情報を対応づけて格納する格納手段とを備える、携帯可能な画像投影装置が実行する画像投影方法であって、
現実空間に配置された対象物に付され、当該対象物に割り当てられた識別情報を表す光学式認識コードを含む第1の画像を、前記撮像装置を用いて撮像するステップと、
前記撮像された第1の画像に含まれる光学式認識コードによって表される識別情報に対応づけて前記格納手段に格納されている関連情報を取得するステップと、
前記撮像された第1の画像に含まれる光学式認識コードの当該第1の画像上における位置に基づいて前記取得された関連情報が配置された第2の画像を生成するステップと、
前記生成された第2の画像を、前記投影装置を用いて現実空間に投影するステップと
を具備し、
前記撮像装置の光軸の向きと前記投影装置の光軸の向きとは、略同一であり、
前記撮像装置の画角と前記投影装置の画角とは、略同一である
ことを特徴とする画像投影方法。
【請求項8】
撮像装置と、前記撮像装置の近傍に配置された投影装置と、対象物に割り当てられた識別情報及び当該対象物に関連する関連情報を対応づけて格納する格納手段とを備える、携帯可能な画像投影装置のコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
現実空間に配置された対象物に付され、当該対象物に割り当てられた識別情報を表す光学式認識コードを含む第1の画像を、前記撮像装置を用いて撮像するステップと、
前記撮像された第1の画像に含まれる光学式認識コードによって表される識別情報に対応づけて前記格納手段に格納されている関連情報を取得するステップと、
前記撮像された第1の画像に含まれる光学式認識コードの当該第1の画像上における位置に基づいて前記取得された関連情報が配置された第2の画像を生成するステップと、
前記生成された第2の画像を、前記投影装置を用いて現実空間に投影するステップと
を実行させ、
前記撮像装置の光軸の向きと前記投影装置の光軸の向きとは、略同一であり、
前記撮像装置の画角と前記投影装置の画角とは、略同一である
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像投影装置、画像投影方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、拡張現実(AR:Augmented Reality)と称される技術(以下、AR技術と表記)が注目されている。
【0003】
AR技術によれば、現実空間に配置されたARマーカと称される所定のマークを含む撮像画像を画像表示装置に備えられるカメラを用いて撮像することによって、当該撮像画像(現実空間を撮像した画像)上にARマーカに対応する情報を重畳表示することができる。ユーザは、撮像画像に対して重畳表示された情報を、画像表示装置の画面上で確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−134538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、商品(物品)を仕分ける作業(以下、ピッキング作業と表記)を行う場合に上述したAR技術を利用することを想定する。
【0006】
この場合、例えば商品が梱包されたダンボール箱に付されたARマーカ(を含む撮像画像)を撮像することによって、当該ARマーカに対応する情報(例えば、当該ダンボール箱に関連する情報)が撮像画像(ダンボール箱の画像)上に重畳表示される。
【0007】
これにより、ユーザは、ダンボール箱に関連する情報を画像表示装置の画面上で確認することができる。ダンボール箱に関連する情報には、当該ダンボール箱に対する作業内容または当該ダンボール箱に梱包されている商品に関する情報等が含まれる。
【0008】
しかしながら、ピッキング作業を行う現場では同様の形状のダンボール箱が多数配置されている場合が多い。このような場合、上記したように画面表示装置の画面上で各ダンボール箱に関連する情報を確認したとしても、当該情報を確認したダンボール箱が現実空間のどの位置に配置されているかを特定することは困難である。
【0009】
そこで、本発明の目的は、現実空間に配置された対象物に関連する情報を現実空間において提示することが可能な画像投影装置、画像投影方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの態様によれば、携帯可能な画像投影装置において、対象物に割り当てられた識別情報及び当該対象物に関連する関連情報を対応づけて格納する格納手段と、現実空間に配置された対象物に付され、当該対象物に割り当てられた識別情報を表す光学式認識コードを含む第1の画像を撮像する撮像装置と、前記撮像装置によって撮像された第1の画像に含まれる光学式認識コードによって表される識別情報に対応づけて前記格納手段に格納されている関連情報を取得する取得手段と、前記撮像装置によって撮像された第1の画像に含まれる光学式認識コードの当該第1の画像上における位置に基づいて前記取得された関連情報が配置された第2の画像を生成する生成手段と、前記撮像装置の近傍に配置され、前記生成された第2の画像を現実空間に投影する投影装置とを具備し、前記撮像装置の光軸の向きと前記投影装置の光軸の向きとは、略同一であり、前記撮像装置の画角と前記投影装置の画角とは、略同一であることを特徴とする画像投影装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、現実空間に配置された対象物に関連する情報を現実空間において提示することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る画像投影装置の外観の一例を示す図。
図2図1に示す画像投影装置のハードウェア構成の一例を示す図。
図3】本実施形態に係る画像投影装置の機能構成を示すブロック図。
図4図3に示す格納部のデータ構造の一例を示す図。
図5】本実施形態に係る画像投影装置の処理手順を示すフローチャート。
図6】カラービットコードについて説明するための図。
図7】画像投影装置の利用態様の一例について説明するための図。
図8】画像投影装置の利用態様の一例について説明するための図。
図9】画像投影装置の利用態様の一例について説明するための図。
図10】画像投影装置の利用態様の一例について説明するための図。
図11】画像投影装置の利用態様の一例について説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像投影装置の外観の一例を示す図である。本実施形態に係る画像投影装置10は、ユーザによって携帯可能な端末装置である。
【0014】
図1に示すように、画像投影装置10は、カメラ11及びプロジェクタ12を備える(内蔵する)。
【0015】
カメラ11は、例えば現実空間に配置された対象物に付された光学式認識コード(光学式シンボル)を含む画像(第1の画像)を撮像することが可能な撮像装置である。対象物に付された光学式認識コードは、当該対象物を識別するための識別情報を表すコードである。
【0016】
画像投影装置10は、カメラ11によって光学式認識コードを撮像することによって、当該光学式認識コードを読み取る機能を有する。画像投影装置10において読み取ることが可能な光学式認識コードには、例えば後述するカラービットコードや、バーコード、二次元コード、グリッド型カラーコード及びARマーカのような所定の形状のコード等が含まれる。
【0017】
プロジェクタ12は、カメラ11の近傍に配置され、画像投影装置10による光学式認識コードの読み取り結果に基づいて対象物に関連する情報(以下、関連情報と表記)を含む画像(第2の画像)を現実空間に投影することが可能な投影装置である。
【0018】
なお、本実施形態において、カメラ11及びプロジェクタ12は、当該カメラ11の光軸の向きと当該プロジェクタ12の光軸の向きとが略同一となるように、画像投影装置10の本体に搭載されている。
【0019】
図2は、図1に示す画像投影装置10のハードウェア構成の一例を示す。図2に示すように画像投影装置10は、図1に示すカメラ11及びプロジェクタ12に加えて、不揮発性メモリ13、CPU14及びメインメモリ15等を備える。
【0020】
不揮発性メモリ13は、例えば光学式認識コードの読み取り処理及び投影画像の投影に関する処理を実現するためのプログラム(以下、画像投影プログラムと表記)を含む各種プログラムを格納する。
【0021】
CPU14は、例えば不揮発性メモリ13に格納されている各種プログラムを実行する。CPU14は、画像投影装置10全体の制御を司るものである。
【0022】
メインメモリ15は、例えばCPU14が各種プログラムを実行する際に必要とされるワークエリア等として使用される。
【0023】
図2においては省略されているが、画像投影装置10は、外部機器と通信を行うための通信装置を備えていてもよい。
【0024】
図3は、本実施形態に係る画像投影装置10の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、画像投影装置10は、格納部101、撮像画像取得部102、デコード処理部103及び投影画像生成部104を含む。
【0025】
本実施形態において、格納部101は、例えば図3に示す不揮発性メモリ13等に格納される。また、撮像画像取得部102、デコード処理部103及び投影画像生成部104は、例えば図3に示すCPU14(つまり、画像投影装置10のコンピュータ)が不揮発性メモリ13に格納されているプログラム(画像投影プログラム)を実行することにより実現されるものとする。画像投影プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に予め格納して頒布可能であるし、例えばネットワークを介して画像投影装置10にダウンロードされても構わない。
【0026】
格納部101には、上述した対象物に割り当てられた識別情報(すなわち、光学式認識コードによって表される識別情報)及び当該対象物に関連する関連情報が予め格納されている。
【0027】
撮像画像取得部102は、画像投影装置10に備えられているカメラ11によって現実空間に配置されている光学式認識コード(が付されている対象物)が撮像された画像(以下、撮像画像と表記)を取得する。すなわち、撮像画像取得部102によって取得される撮像画像は、光学式認識コード(が付されている対象物)を含み、色情報の最小単位である複数の画素(ピクセル)から構成される画像である。
【0028】
デコード処理部103は、撮像画像取得部102によって取得された撮像画像に含まれる光学式認識コードを読み取る(デコードする)処理を実行する。これにより、デコード処理部103は、撮像画像に含まれる光学式認識コードによって表されるコードIDを取得する。
【0029】
投影画像生成部104は、デコード処理部103によって取得されたコードIDに対応づけて格納部101に格納されている関連情報を取得する。投影画像生成部104は、撮像画像上における光学式認識コードの位置に基づいて、取得された関連情報が配置された画像(以下、投影画像と表記)を生成する。
【0030】
投影画像生成部104によって生成された投影画像は、プロジェクタ12によって現実空間に投影される。
【0031】
図4は、図3に示す格納部101のデータ構造の一例を示す。図4に示すように、格納部101には、コードID及び関連情報が対応づけて格納される。
【0032】
コードIDは、現実空間に配置されている対象物に割り当てられた識別子である。換言すれば、コードIDは、対象物に付された光学式認識コードによって表される識別子である。
【0033】
関連情報は、当該関連情報に対応づけられているコードIDが割り当てられた対象物に関連する情報である。
【0034】
図4に示す例では、格納部101には、コードID「1」及び関連情報「A」が対応づけて格納されている。これによれば、コードID「1」が割り当てられた対象物に関連する関連情報がAであることが示されている。
【0035】
また、格納部101には、コードID「2」及び関連情報「関連情報B」が対応づけて格納されている。これによれば、コードID「2」が割り当てられた対象物に関連する関連情報がBであることが示されている。
【0036】
更に、格納部101には、コードID「3」及び関連情報「関連情報C」が対応づけて格納されている。これによれば、コードID「3」が割り当てられた対象物に関連する関連情報がAであることが示されている。
【0037】
図4に示すように、格納部101においては、異なるコードID(例えば、コードID「1」及び「3」)に対して同一の関連情報(例えば、関連情報「A」)が対応づけられていてもよい。
【0038】
次に、図5のフローチャートを参照して、本実施形態に係る画像投影装置10の処理手順について説明する。
【0039】
まず、ユーザは、例えば画像投影装置10に設けられている電源ボタン(図示せず)等を操作することによって、当該画像投影装置10の電源をオンする。これにより、画像投影装置10に備えられているカメラ11が起動される。この場合、現実空間に配置された対象物に付された光学式認識コードがカメラ11の画角内に含まれるようにユーザがカメラ11の位置を調整することにより、当該カメラ11は、光学式認識コードを撮像することができる。
【0040】
このようにカメラ11によって光学式認識コードが撮像された場合、撮像画像取得部102は、当該光学式認識コードを含む撮像画像を取得する(ステップS1)。なお、撮像画像取得部102によって取得される撮像画像には、複数の光学式認識コードが含まれていてもよい。
【0041】
次に、デコード処理部103は、ステップS1において取得された撮像画像に含まれる光学式認識コードに対してデコード処理(読み取り処理)を実行する(ステップS2)。
【0042】
以下、ステップS2のデコード処理について具体的に説明する。ここでは、撮像画像に含まれる光学式認識コードがカラービットコードである場合について説明する。
【0043】
ここで、図6を参照して、カラービットコードについて説明する。なお、図6においては、便宜的にカラービットコードの一部分のみが示されている。
【0044】
図6に示すように、カラービットコードは、例えば赤色、緑色及び青色のうちの1の色彩が付されたセル20が複数配列されて構成されている。図6において、赤色はR、緑色はG、青色はBとして示されている。なお、図6においては、説明の便宜上、カラービットコードに3色の色彩(赤色、緑色、青色)が用いられている例が示されているが、各セルに含まれている色彩の遷移を識別することができるのであれば、4色以上の色彩がカラービットコードに用いられても構わない。
【0045】
カラービットコードを構成するセル20は、1つの色彩が付される範囲または領域であり、種々の形状を有することができる。図6に示す例では、複数のセル20の各々は四角形状であるが、例えば丸形状または三角形状等であっても構わない。このような複数のセル20を線状に配列することによってカラービットコードが形成される。複数のセル20は、直線状に配列されていてもよいし、曲線状に配列されていてもよい。
【0046】
なお、カラービットコードを構成するセル20の数は、予め規定されているものとする。また、カラービットコードは上記したように色彩の遷移によって特定のデータを表すものであるから、当該カラービットコードにおいては、隣接するセル20同士には同色は付されず、異なる色彩が付される。カラービットコードはこれらの条件等に基づいて作成される。
【0047】
また、カラービットコードを構成する複数のセル20には、端点セルが含まれる。端点セルは、線状に連なったセル群から構成されるカラービットコードの端点に位置するセルである。コード内にあるセルは2つのセルと隣接するが、端点セルだけは1つのセルとしか隣接しない。こうした端点セルは必ずコード内に2つある。2つの端点の色彩は必ず異なる。このような端点セルの色彩により、当該端点セルのうちのどちらが起点なのかを判定することができるようになっている。
【0048】
上記したようなカラービットコードによれば例えば3色の色彩の遷移(配列)によって特定の識別情報を表すことができるため、当該カラービットコードにおける各色彩の占める領域の大きさ及び形状の制限は緩く、当該カラービットコードが例えば凹凸のある表面や柔軟性のある素材上に付された場合であっても、高い読み取り精度を実現することができる。
【0049】
このようなカラービットコードに対してデコード処理が実行される場合、デコード処理部103は、撮像画像を各色領域に区分けする処理(以下、色領域区分け処理と表記)を実行する。
【0050】
ここで、一般的に撮像画像は背景を含めて様々な色彩で構成されており、それらのパターンも様々である。このため、色領域区分け処理においては、この撮像画像中の色彩を色空間の中で赤色、緑色、青色及び無彩色に区分けし、各画素の色彩をいずれかの領域に当てはめる処理(均色化処理)が行われる。すなわち、色領域区分け処理においては、撮像画像中の各画素に対するラベリング処理が実行される。
【0051】
なお、上記した赤色、緑色及び青色はカラービットコードを構成する各セルに付される色彩として定義された色彩(以下、構成色と表記)であるが、色領域区分け処理においては、例えば照明、彩色、退色等を考慮して色空間上でこれらの構成色と認定することができる一定の範囲に包含される色彩であれば、当該色彩(の画素)を当該構成色として区分けするものとする。すなわち、例えば赤色の領域を区分けする場合には、当該赤色を中心とする一定の範囲の色彩の画素の全てを赤色の領域として認定する。
【0052】
無彩色とは、色領域区分け処理において赤色、緑色及び青色として認定される色彩以外の色彩である。
【0053】
また、上記したように撮像画像に対して均色化処理が行われるが、一般的に当該撮像画像にはノイズ成分が混入している場合が多い。このノイズに相当する微小部位の色彩異変に対しては例えばその周囲の色彩に合わせる、または、平均化する等のノイズ除去処理を行うことによって、当該ノイズを除去することが好ましい。
【0054】
次に、デコード処理部103は、色領域区分け処理によって区分けされた各色領域に基づいて複数の構成色(赤色、緑色及び青色)の領域が配列されてなるカラービットコードの領域(以下、コード領域と表記)を切り出す処理(以下、コード切り出し処理と表記)を実行する。このコード切り出し処理においては、各色領域の周囲の色彩(例えば、他の構成色の領域及び無彩色の領域の配置等)及びカラービットコードを構成するセルの数等に基づいてコード領域が切り出される。
【0055】
なお、上記した色領域区分け処理及びコード切り出し処理については、例えば特開2008−287414号公報等に開示されているため、ここではその詳細な説明については省略する。
【0056】
更に、デコード処理部103は、撮像画像に含まれるカラービットコードの有効性を検証する処理を実行する。具体的には、コード切り出し処理によって撮像画像から切り出されたコード領域において配列されている複数の色領域の数が予め規定されているカラービットコードにおいて配列されるセル20の数と一致する場合には、撮像画像に含まれるカラービットコードが有効であると判定する。一方、コード切り出し処理によって撮像画像から切り出されたコード領域において配列されている複数の色領域の数が予め規定されているカラービットコードを構成するセル20の数と一致しない場合には、撮像画像に含まれるカラービットコードが有効でないと判定する。
【0057】
ここでは、カラービットコードの有効性の検証に予め規定されているセル20の数を用いるものとして説明したが、当該検証にカラービットコードにおいて有効な色彩(セル)の配列に関するルール等が用いられても構わない。すなわち、上記した撮像画像から切り出されたコード領域において配列されている複数の色領域(色彩)の順番(配列)がルールに合致する場合には撮像画像に含まれるカラービットコードが有効であると判定され、当該ルールに合致しない場合には当該カラービットコードが有効でないと判定されるようにしてもよい。
【0058】
ここで説明したカラービットコードの有効性の検証処理は一例であり、他の処理によってカラービットコードの有効性が検証されても構わない。具体的には、チェックディジット等により有効性(整合性)が検証されても構わない。
【0059】
カラービットコードが有効であると判定された場合、デコード処理部103は、コード切り出し処理によって撮像画像から切り出されたコード領域において配列されている複数の色領域における色彩の遷移(つまり、当該複数の色領域の順番)に基づいてカラービットコードをデコードする。これによれば、カラービットコードにおける例えば始点セル20から終点セル20までの色彩の遷移によって表されるコードIDが取得される。始点セル20は上記した端点セルのうちカラービットコードの始点(起点)となるセルであり、終点セル20は端点セルのうちカラービットコードの終点となるセルである。なお、カラービットコードが有効でないと判定された場合には、コードIDは取得されない。
【0060】
上記したようにステップS2のデコード処理が実行されると、投影画像生成部104は、当該デコード処理によって取得されたコードIDに対応づけて格納部101に格納されている関連情報(当該コードIDが割り当てられた対象物に関連する情報)を取得する(ステップS3)。
【0061】
次に、投影画像生成部104は、撮像画像取得部102によって取得された撮像画像上におけるカラービットコード(光学式認識コード)の位置を抽出する(ステップS4)。このカラービットコードの位置は、上記したコード切り出し処理によって切り出された撮像画像からコード領域に基づいて抽出される。
【0062】
投影画像生成部104は、取得された関連情報及び抽出されたカラービットコードの位置に基づいて、当該カラービットコードの位置に当該関連情報が配置された投影画像を生成する(ステップS5)。この場合、投影画像生成部104は、プロジェクタ12によって投影された場合に、対象物に関連する関連情報が現実空間に配置された当該対象物に付されたカラービットコードの近傍(または当該カラービットコードと重なる位置)で視認されるような投影画像を生成する。投影画像の具体例については後述する。
【0063】
プロジェクタ12は、投影画像生成部104によって生成された投影画像を投影する(ステップS6)。このようにプロジェクタ12によって投影画像が投影されることによって、当該投影画像中に配置された関連情報が現実空間においてユーザに対して提示される。
【0064】
以下、本実施形態に係る画像投影装置10の利用態様の一例について説明する。ここでは、例えば倉庫等において商品を仕分ける作業(以下、ピッキング作業と表記)を行う場合に、画像投影装置10を利用する場合を想定する。なお、ピッキング作業が行われる倉庫は暗い環境である場合が多い。一般的に画像投影装置10(モバイル端末)におけるプロジェクタ12の光量(明るさ)は低いため、当該画像投影装置10は、倉庫のような暗い環境で利用されるのに適している。
【0065】
この場合、商品はダンボール箱に梱包された状態で倉庫内に配置されており、当該ダンボール箱(対象物)には、当該ダンボール箱に割り当てられたコードIDを表すカラービットコードが付されている(貼り付けられている)ものとする。図7に示す例では、4つのダンボール箱201〜204に、それぞれカラービットコード301〜304が付されている。ここでは、カラービットコード301〜304は、それぞれ異なるコードIDを表すものとする。
【0066】
なお、ダンボール箱201〜204に付されているカラービットコード301〜304によって表されるコードIDは、当該カラービットコード301〜304を例えばカメラ11を用いて撮像することによって格納部101に登録されているものとする。具体的には、例えばカメラ11によって撮像されたカラービットコード301〜304(を含むリスト)を含む撮像画像に対して、図5に示すステップS2において説明したデコード処理を実行することによって当該カラービットコード301〜304によって表されるコードIDを取得することができる。このように取得されたコードIDが格納部101に格納(登録)される。
【0067】
また、上記したようにコードIDが登録されたカラービットコード301〜304がダンボール箱201〜204に付された後は、当該カラービットコード301〜304によって表されるコードIDに対応づけて、当該ダンボール箱201〜204(に梱包されている商品)に関連する関連情報が格納部101に登録される。
【0068】
ここで、ピッキング作業が行われる倉庫には、当該ピッキング作業の対象となるダンボール箱と、当該ピッキング作業の対象ではないダンボール箱とが混在して配置されている場合が多い。したがって、関連情報には、例えばダンボール箱201〜204の各々がピッキング作業の対象である(例えば、配送等のために移動すべき商品である)か否か等を表すマーク(イラスト)が含まれる。
【0069】
上記したコードID及び関連情報の登録処理は画像投影装置10とは異なる外部機器において行われ、格納部101には、当該外部装置において登録されたコードID及び関連情報が格納されるような構成であってもよい。
【0070】
以下の説明では、カラービットコード301及び304によって表されるコードIDに対応づけて格納部101に格納されている関連情報は、当該カラービットコード301及び304が付されたダンボール箱201及び204がピッキング作業の対象であることを表すマーク(以下、作業対象マークと表記)を含むものとする。一方、カラービットコード302及び303によって表されるコードIDに対応づけて格納部101に格納されている関連情報は、当該カラービットコード302及び303が付されたダンボール箱202及び203がピッキング作業の対象でないことを表すマーク(以下、作業非対象マークと表記)を含むものとする。
【0071】
ピッキング作業が行われる場合、図8に示すように、画像投影装置10を所持するユーザ(ピッキング作業の作業員)は、ダンボール箱201〜204(に付されたカラービットコード301〜304)がカメラ11の画角内に含まれるように移動し、当該画像投影装置10を当該ダンボール箱201〜204に向けてかざす。なお、ピッキング作業の際には作業員の両手が空いていることが好ましいため、画像投影装置10は、例えば作業員の頭部(例えば、ヘルメット等)または胸部(例えば、胸ポケット等)に装着されて利用されてもよい。
【0072】
この場合、画像投影装置10において上述した図5に示すステップS1及びS2の処理が実行されることによって、投影画像生成部104は、カラービットコード301〜304の各々によって表されるコードID(すなわち、4つのコードID)を取得する。
【0073】
なお、プロジェクタ12による投影の背景色を例えば白等にすることにより、ステップS1及びS2の処理(つまり、カラービットコード301〜304の読み取り処理)のための補助光源として、プロジェクタ12を利用することも可能である。
【0074】
投影画像生成部104は、取得されたコードIDの各々に対応づけて格納部101に格納されている関連情報(つまり、当該コードIDの各々を表すカラービットコード301〜304が付されたダンボール箱201〜204に関連する関連情報)を取得する。ここでは、ダンボール箱201及び204に関連する関連情報として、作業対象マークが取得される。一方、ダンボール箱202及び203に関連する関連情報として、作業非対象マークが取得される。
【0075】
次に、投影画像生成部104は、カメラ11によって撮像された撮像画像上におけるカラービットコード301〜304の位置に基づいて関連情報(作業対象マーク及び作業非対象マーク)が配置された投影画像を生成する。
【0076】
具体的には、カメラ11によって図9に示すような撮像画像400が撮像されたものとすると、投影画像生成部104は、図10に示す投影画像500を生成する。この投影画像500においては、撮像画像400中の各カラービットコード301〜304(の位置)に対応する位置に各マーク601〜604が配置されている。なお、図10において、カラービットコード301及び304に対応する位置に配置されている矢印形状のマーク601及び604は、作業対象マークである。一方、カラービットコード302及び303に対応する位置に配置されている×印形状のマーク602及び603は、非作業対象マークである。
【0077】
このように投影画像生成部104によって生成された投影画像500は、プロジェクタ12によって現実空間に投影される。
【0078】
ここで、本実施形態において、カメラ11の画角とプロジェクタ12の画角とは略同一となるように調整されているものとする。一般的に、カメラ11の画角と比較して、プロジェクタ12の画角の方が小さい。この場合、トリミングを行うことによって、カメラ11の画角をプロジェクタ12の画角と略同一となるように調整する。なお、上記したようにカメラ11の光軸の向きとプロジェクタ12の光軸の向きとは略同一である。
【0079】
これによれば、プロジェクタ12によって上記した投影画像500が投影された場合、図11に示すように、当該投影画像500に配置されたマーク601〜604は、それぞれカラービットコード301〜304の近傍に位置する。
【0080】
なお、図1に示すように、プロジェクタ12はカメラ11の近傍に配置されるが、カメラ11とプロジェクタ12との光軸の位置は完全には一致しない。このような光軸のずれを調整するために、本実施形態に係る画像投影装置10は、投影画像の生成において例えばXYオフセット、拡大縮小、または回転等を微調整する機能を有しているものとする。
【0081】
上記したように本実施形態においては、例えばカメラ11によって撮像された撮像画像400に含まれるカラービットコード301〜304によって表されるコードIDが割り当てられたダンボール箱201〜204(つまり、当該カラービットコード301〜304が付されたダンボール箱201〜204)に関連する関連情報(マーク601〜604)を格納部101から取得し、当該撮像画像400上におけるカラービットコード301〜304の位置に基づいて当該マーク601〜604が配置された投影画像500を生成し、当該生成された投影画像500がプロジェクタ12によって現実空間に投影される。なお、本実施形態において、カメラ11の光軸の向きとプロジェクタ12の光軸の向きとは略同一であり、カメラ11の画角とプロジェクタ12の画角とは略同一であるものとする。
【0082】
本実施形態においては、このような構成により、ダンボール箱201〜204に関連するマーク601〜604の各々は、当該ダンボール箱201〜204に付されたカラービットコード301〜304の近傍(つまり、現実空間)において提示される。
【0083】
すなわち、本実施形態において、ユーザは、例えば図11に示すように、カラービットコード301〜304(が付されたダンボール箱201〜204)の近傍のマーク601〜604を現実空間において視認することが可能であるため、当該マーク601〜604がそれぞれダンボール箱201〜204に関連する関連情報であることを容易に把握することが可能となる。
【0084】
更に、例えばマーク601は、カラービットコード301によって表されるコードIDに対応づけて格納部101に格納されている関連情報であり、当該カラービットコード301が付されたダンボール箱201がピッキング作業の対象であることを表している。これにより、ユーザは、例えばダンボール箱201の近傍のマーク601を視認することによって、ダンボール箱201がピッキング作業の対象であることを容易かつ直感的に把握することができる。なお、マーク602〜603についても同様である。
【0085】
これによれば、ユーザは、複数のダンボール箱201〜204の中からピッキング作業の対象であるダンボール箱(ここでは、ダンボール箱201及び204)を現実空間において容易に特定することができるため、例えば習熟度等に関係なく効率的な作業を行うことが可能となる。
【0086】
ダンボール箱201〜204に関連する関連情報には、例えば当該ダンボール箱201〜204に梱包されている商品の名称または種別等が含まれていても構わない。これによれば、ユーザは、上記したマーク601〜604とともに、ダンボール箱201〜204に梱包されている商品の名称または種別等を当該ダンボール箱201〜204(に付されているカラービットコード301〜304)の近傍で視認することができるため、各ダンボール箱201〜204に梱包されている商品の名称または種別等についても現実空間において容易に把握することが可能である。なお、本実施形態において説明した以外の情報を関連情報として用いても構わない。
【0087】
例えば、本実施形態においては、カラービットコード301〜304における端点セル(始点セル及び終点セル)を認識可能である。このため、撮像画像上における端点セルの位置からカラービットコード301〜304の向きを算出することができる。ここで、カラービットコード301〜304がダンボール箱201〜204に対して予め定められた向きで付されているものとすると、カラービットコード301〜304の向きに基づいてダンボール箱201〜204の向きを判別することが可能である。したがって、ダンボール箱201〜204が逆さに置かれている場合には、当該ダンボール箱201〜204が逆さに置かれていること(を表すマーク)等が関連情報として投影されるようにしてもよい。
【0088】
また、本実施形態においては、カラービットコード301〜304がそれぞれ異なるコードIDを表すものとして説明したが、複数のダンボール箱をまとめて管理(作業)するような場合には、当該複数のダンボール箱には同一のカラービットコードが付されていても構わない。
【0089】
なお、本実施形態においてはピッキング作業時に画像投影装置10を利用する場合について主に説明したが、本実施形態は、例えば対象物の関連情報を現実空間に投影する場合であれば適用することが可能である。
【0090】
また、本実施形態に係る画像投影装置10は携帯可能な端末装置であることから、当該画像投影装置10と対象物との距離は可変である。よって、画像投影装置10に備えられるプロジェクタ12は連続的にフォーカスを調整する機能を有していることが好ましい。本実施形態に係る画像投影装置10は、例えばプロジェクタ12の投影領域の位置、サイズ及びフォーカス等を手動で調整可能な構成であってもよい。
【0091】
また、本実施形態においては、カメラ11を用いた読み取り精度の高さ等の観点から光学式認識コードとしてカラービットコードが用いられるものとして説明したが、カメラ11を用いて読み取り可能(デコード可能)であればバーコード、2次元コード、グリッド型カラーコード及びARマーカ等が光学式認識コードとして用いられても構わない。
【0092】
更に、図1においては省略されているが、画像投影装置10は、ディスプレイ(表示装置)を備える構成であっても構わない。この場合、例えばカメラ11を用いて光学式認識コードを撮像する場合に、当該撮像される撮像画像をディスプレイに表示することにより、ユーザは、当該光学式認識コードが当該撮像画像内に含まれているか否か(つまり、カメラ11の画角)を確認することが可能となる。
【0093】
また、プロジェクタ12によって投影画像が投影されている間には、当該投影画像中の関連情報とは異なる情報がディスプレイに表示されてもよい。例えば上記したように画像投影装置10がピッキング作業時に利用される場合には、ピッキング作業のスケジュール等がディスプレイに表示されてもよい。
【0094】
また、格納部101は、画像投影装置10と通信可能に接続される外部機器に備えられる構成であってもよい。この場合、画像投影装置10によって読み取られた光学式認識コードによって表されるコードIDは、外部機器に送信される。外部機器は、当該外部機器に備えられる格納部101から画像投影装置10によって送信されたコードIDに対応づけられている関連情報を取得し、当該関連情報を画像投影装置10に送信する。画像投影装置10は、このように外部機器によって送信された関連情報に基づいて投影画像を生成すればよい。
【0095】
なお、格納部101に格納されているコードID及び関連情報は、適宜更新可能であるものとする。すなわち、格納部101においては、新たなコードIDを追加するまたは既存のコードIDを削除することも可能であるし、コードIDに対応づけられている関連情報を更新(変更)することも可能である。このようなコードID及び関連情報の更新は、画像投影装置10において行われてもよいし、当該画像投影装置10と通信可能に接続される外部機器において行われてもよい。
【0096】
更に、本実施形態に係る画像投影装置10は、デプスセンサを備える構成とすることも可能である。デプスセンサは、光学式認識コードが付された対象物の当該画像投影装置10からの距離が規定された画像(デプス画像)を取得することが可能な撮像装置である。このようなデプスセンサ(によって取得されるデプス画像)を用いることにより、より対象物の形状に合わせた投影画像を生成することが可能となるため、関連情報に対するユーザの視認性を向上させることが可能となる。
【0097】
本実施形態に係る画像投影装置10は、図1に示すようにカメラ11とプロジェクタ12とが1の装置に内蔵された構成であるものとして説明したが、例えばカメラ11を備える第1の装置(例えば、スマートフォン等)に対してプロジェクタ12が設けられている第2の装置(例えば、専用のケース等)を取り付けることによって実現されても構わない。このような構成によれば、汎用のスマートフォン等に専用のケースを取り付けることによって本実施形態に係る画像投影装置10を利用することが可能となる。第1の装置としては、スマートフォン以外にウェアラブルデバイス及びタブレット端末等が利用されても構わない。なお、このような構成の場合であっても、カメラ11の光軸とプロジェクタ12の光軸とは略同一であり、カメラ11の画角とプロジェクタ12の画角とは略同一であるように構成されるものとする。
【0098】
なお、上記した実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することもできる。
【0099】
また、この記憶媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。
【0100】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
【0101】
更に、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0102】
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から本実施形態における処理が実行される場合も本発明における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成であってもよい。
【0103】
なお、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、本実施形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であってもよい。
【0104】
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0105】
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。
【符号の説明】
【0106】
11…カメラ(撮像装置)、12…プロジェクタ(投影装置)、13…不揮発性メモリ、14…CPU、15…メインメモリ、101…格納部、102…撮像画像取得部、103…デコード処理部、104…投影画像生成部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11