(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記断面画像生成手段は、前記管状構造物の起始部から当該管状構造物の複数の末梢部までの経路を示す芯線と特定し、当該芯線を通る断面に基づいて断面画像を生成することを特徴とする請求項4に記載の医用画像診断装置。
前記表示手段は、前記第1の経路が示す前記管状構造物の起始部からの距離と、前記第2の経路が示す前記管状構造物の起始部からの距離とに応じて決定される並び順で、当該第1の経路と当該第2の経路とを表示することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の医用画像診断装置。
医用画像診断装置の表示手段が、医用画像から特定される分岐点を含む管状構造物の起始部から当該管状構造物の複数の末梢部までの経路を、当該末梢部ごとに表示する表示ステップと、
医用画像診断装置の表示倍率決定手段が、前記表示ステップで表示される第1の経路と同一の分岐点を有する第2の経路の表示倍率を、前記第1の経路が有する起始部と前記第1の経路が有する当該分岐点とが表示される位置に応じて決定する表示倍率決定ステップと
を備え、
前記表示ステップは、前記表示倍率決定ステップで決定された表示倍率で前記第2の経路を表示することを特徴とする医用画像診断装置の制御方法。
医用画像診断装置の表示手段が、医用画像から特定される分岐点を含む管状構造物の起始部から当該管状構造物の複数の末梢部までの経路を、当該末梢部ごとに表示する表示ステップと、
医用画像診断装置の表示倍率決定手段が、前記表示ステップで表示される第1の経路と同一の分岐点を有する第2の経路の表示倍率を、前記第1の経路が有する複数の当該分岐点が表示される位置に応じて決定する表示倍率決定ステップと
を備え、
前記表示ステップは、前記表示倍率決定ステップで決定された表示倍率で前記第2の経路を表示することを特徴とする医用画像診断装置の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。まず、第一の実施形態について説明する。
【0013】
図1は、医用画像診断装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。尚、
図1に示す医用画像診断装置100のハードウェア構成はこれに限らない。
【0014】
医用画像診断装置100は、CTやMRI等の二次元医用画像から三次元医用画像を生成し、三次元医用画像から管状構造物を特定してCPR画像を生成する装置である。医用画像診断装置100は、いわゆるパーソナルコンピュータであってもよいし、サーバ装置であってもよい。また、医用画像診断装置100はタッチパネルを備えるタブレット端末や携帯端末であってもよい。
【0015】
CPU101は、システムバス104に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0016】
また、ROM102あるいは外部メモリ111には、CPU101の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / OutputSystem)やオペレーティングシステムプログラムが記憶されている。また外部メモリ111には、各機能を実現するために必要な各種プログラム等が記憶されている。RAM103は、CPU101の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0017】
CPU101は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM103にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0018】
また、入力コントローラ105は、キーボードやマウス等のポインティングデバイスといった入力デバイス109からの入力を制御する。
【0019】
ビデオコントローラ106は、ディスプレイ110等の表示器への表示を制御する。表示器はCRTや液晶ディスプレイでも構わない。
【0020】
メモリコントローラ107は、ハードディスクやフレキシブルディスク或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるカード型メモリ等の外部メモリ111へのアクセスを制御する。外部メモリ111(記憶手段)は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶する。
【0021】
通信I/Fコントローラ108は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0022】
尚、CPU101は、例えばRAM103内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ110上での表示を可能としている。また、CPU101は、ディスプレイ110上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0023】
本発明の医用画像診断装置100が後述する各種処理を実行するために用いられる各種プログラム等は外部メモリ111に記録されており、必要に応じてRAM103にロードされることによりCPU101によって実行されるものである。さらに、本発明に係わるプログラムが用いる定義ファイルや各種情報テーブルは外部メモリ111に格納されている。
【0024】
図2は、医用画像診断装置100の機能構成の一例を示す図である。尚、
図2に示す各機能は、
図1に示す各ハードウェアや各種プログラム等により実現される構成要素である。また、医用画像診断装置100の機能構成は、これに限らない。
【0025】
医用画像診断装置100は機能部として、画像取得部200、操作受付部210、画像生成部220、表示制御部230、画像解析部240を備えている。
【0026】
画像取得部200は、X線CT装置やMRI装置等の各種のモダリティ装置により得られた二次元医用画像を取得する機能部である。尚、以下では画像取得部200がマルチスライスX線CT装置により得られる被検体の複数のCT画像を例にとって説明する。
【0027】
操作受付部210(選択受付手段)は、ディスプレイ110に表示される画面に対するユーザからの操作を受け付ける機能部である。入力デバイス109がユーザに操作されることで画面に表示される管状構造物に対する選択や各種指示、チェックボックスやラジオボタン等の選択フォームに対する選択を受け付ける。
【0028】
画像生成部220は、被検体の立体モデルを示す三次元医用画像やCPR画像を生成する機能部である。画像生成部220は、三次元医用画像生成部221、CPR画像生成部222を備えている。
【0029】
三次元医用画像生成部221は、画像取得部で取得する複数の二次元医用画像に基づいてボリュームレンダリング等の公知の手法により、三次元医用画像を生成する機能部である。また、ユーザからの指示に応じて三次元医用画像のボリュームデータの不透明度やCT値を変化させることにより、特定の構造だけを抽出して表示することができる。
【0030】
CPR画像生成部222(断面画像生成部)は、三次元化された医用画像中の対象となる管状構造物の少なくとも一部の範囲を示すCPR画像(断面画像)を生成する機能部である。CPR画像は、ストレートCPR画像とすることが好ましいが、Stretched CPR画像やProjected CPR画像であってもよい。CPR画像生成部222は、表示の要否に拘わらず管状構造物全体についてCPR画像を生成してもよいし、観察範囲として指定された範囲についてのみCPR画像を生成してもよい。観察範囲は自動的に決定してもよいし、ユーザからの指定入力に基づいて決定してもよい。
【0031】
表示制御部230は、ディスプレイ110における各種情報の表示を制御するための機能部である。表示制御部230は、表示部231、表示倍率決定部232を備えている。
【0032】
表示部231(表示手段)は、画像生成部220で生成される画像をディスプレイ110に表示する機能部である。表示倍率決定部232で画像の表示倍率が指定された場合には、その表示倍率に拡大または縮小して表示する。
【0033】
表示倍率決定部232(表示倍率決定手段)は、CPR画像生成部222で生成されるCPR画像の表示倍率を決定する機能部である。表示部231によってCPR画像を表示する場合には、表示倍率決定部232は、このCPR画像と同一の分岐点を持つ他のCPR画像上において、当該分岐点の位置を特定し、この位置に応じて表示倍率を決定する。
【0034】
画像解析部240は、画像生成部220で生成される三次元医用画像やCPR画像を解析する機能部である。画像解析部240は、管状構造物特定部241、起始部特定部242、末梢部特定部243、経路特定部244、分岐点特定部245、距離特定部246を備えている。
【0035】
管状構造物特定部241は、三次元医用画像生成部221で生成される三次元医用画像から、対象の管状構造物を特定するための機能部である。例えば、上行大動脈から左右の大腿動脈・大腿深動脈までの管状構造物を特定する場合には、CT値が100以上の物体において円形かつ中央のCT値が外側よりも高いという特徴を基に大動脈の中心部を検出する。そして、検出された部分から同様の特徴を持つ形状を全方位に向かって追跡し、この形状がなくなったら追跡を終了する。このとき、追跡が終了した心臓部の部分を大動脈の起始部と定義し、それ以外の部分を末梢部と定義する。この起始部から各末梢部までの管状構造物が上行大動脈から左右の大腿動脈・大腿深動脈であると特定できる。尚、対象の管状構造物を特定する方法はこれに限らない。公知のいずれの方法を用いてもよい。
【0036】
起始部特定部242は、管状構造物特定部241で追跡した結果、追跡が終了した心臓部の部分を起始部と特定するための機能部である。また、末梢部特定部243は、管状構造物特定部241で追跡した結果、追跡が終了した起始部以外の部分を末梢部と特定するための機能部である。
【0037】
経路特定部244は、管状構造物特定部241で特定した管状構造物の芯線(中心線)を、起始部特定部242で特定した起始部から、末梢部特定部243で特定した末梢部までの経路として特定する機能部である。管状構造物の芯線は、管状構造物の軸方向に対する垂直な断面の中心点(または重心点)の集まりである。この中心点を起始部から各末梢部まで特定し、中心点を接続することで芯線が特定できる。そして、この芯線を各末梢部までの経路として特定する。
【0038】
分岐点特定部245は、管状構造物特定部241で特定した管状構造物の芯線が分岐する部分を特定する機能部である。血管等の管状構造物は、木構造となっているため複数の経路に分岐する。分岐点特定部245は、この分岐点を芯線の分岐点から特定する。
【0039】
距離特定部246は、経路特定部244で特定した管状構造物の経路を通る2点間の距離を特定する機能部である。管状構造物を示す三次元医用画像は二次元医用画像から生成されているため、この二次元医用画像からDICOM(Digital Imaging and COmmunication in Medicine)の規格に応じて被検体の実測値を取得できる。この値に基づいて、管状構造物の経路を通る2点間の距離を特定する。
【0040】
次に、
図3から
図8を参照して、管状構造物を解析する処理の流れについて説明する。
【0041】
図3は、管状構造物を解析する処理の流れの一例を示すフローチャートである。ステップS301からステップS308の各ステップは、医用画像診断装置100のCPU101によって実行される。尚、
図3に示す処理内容や処理順はあくまで一例であり、これに限られない。
【0042】
ステップS301では、画像取得部200は、外部メモリ111に記憶される複数の二次元医用画像を取得する。あらかじめX線CT装置やMRI装置等のモダリティ装置から出力された二次元医用画像を外部メモリ111に記憶しておき、これを取得してもよいし、ネットワーク経由でモダリティ装置から取得してもよい。また、ユーザから指定された二次元医用画像を取得してもよいし、自動的に選択した医用画像を取得してもよい。
【0043】
ステップS302では、三次元医用画像生成部221は、ステップS301で取得した複数の二次元医用画像を用いて三次元医用画像を生成する。三次元医用画像は、複数の二次元医用画像に対してボリュームレンダリングを施すことで、被検体の三次元構造を示す三次元医用画像を生成する。ボリュームレンダリングは公知の技術を用いる。
【0044】
ステップS303では、管状構造物特定部241は、ステップS302で生成された三次元医用画像が示す被検体から管状構造物を特定する。管状構造物の特定については、前述した通りである。
図4は、ステップS303で特定した管状構造物の一例である。管状構造物を特定するロジックでは不要な部分が抽出される可能性があるため、ユーザからの指示に応じて必要な部分だけを抽出してもよい。
【0045】
ステップS304では、起始部特定部242は、ステップS303で特定した管状構造物の起始部を特定する。起始部の特定については、前述した通りである。本実施形態の起始部は、大動脈起始部である。そのため、心臓部近辺の大動脈の開始点が起始部となる。また、三次元医用画像の三次元空間上での起始部の座標を
図7に示す起始部情報テーブル700に格納する。
【0046】
起始部情報テーブル700は、外部メモリ111またはRAM103に記憶され、起始部座標701を備えている。起始部座標701は、ステップS304で特定される起始部の三次元空間上での座標値が格納される項目である。
【0047】
ステップS305では、末梢部特定部243は、ステップS303で特定した管状構造物の各末梢部を特定する。末梢部の特定については、前述した通りである。本実施形態の末梢部は、各動脈の末梢部分である。厳密には末梢部は毛細血管に相当するが、本実施形態では、特定された管状構造物の枝分かれした末端を末梢部と定義する。また、三次元医用画像の三次元空間上での末梢部の座標を
図7に示す末梢部情報テーブル710に格納する。
【0048】
末梢部情報テーブル710は、外部メモリ111またはRAM103に記憶され、末梢部ID711、末梢部座標712、末梢部距離713を備えている。末梢部ID711は、末梢部ごとに割り振られる識別情報が格納される項目である。末梢部座標712は、末梢部の三次元空間上の座標値が格納される項目である。末梢部距離713は、起始部から末梢部までの経路の距離が格納される項目である。ステップS305では、末梢部ID711と末梢部座標712を格納する。
【0049】
ステップS306では、経路特定部244は、ステップS303で特定した管状構造物の起始部から各抹消部までの芯線をそれぞれ特定し、当該芯線を各末梢部までの経路として特定する。経路の特定は、前述した通りである。
図5は、管状構造物を模式的に表した図である。管状構造物の軸方向に対する垂直な断面の中心点(または重心点)が、中心点501a及び中心点501bである。この中心点501を起始部から各末梢部まで特定し、中心点501をそれぞれ接続することで芯線502が特定できる。そして、この芯線を各末梢部までの経路として特定する。また、三次元医用画像の三次元空間上での経路の座標は、
図7に示す経路情報テーブル720に格納する。
【0050】
経路情報テーブル720は、外部メモリ111またはRAM103に記憶され、経路ID721、経路座標722を備えている。経路ID721は、経路ごとに割り振られる識別情報が格納される項目である。経路座標722は、経路を構成する中心点501の三次元空間上の座標値が格納される項目である。
【0051】
更に、起始部から末梢部までの経路が確定したので、起始部から末梢部までの経路の距離を距離特定部246が特定し、末梢部距離713に格納する。末梢部に対応する経路は、末梢部座標712に格納されている座標値を含む経路座標722から特定できる。
【0052】
ステップS307では、分岐点特定部245は、ステップS306で特定した経路の分岐点を特定する。
図5に示すように、枝分かれする管状構造物は分岐点503を有する。
図5には分岐点503a、分岐点503b、分岐点503cの3つの分岐点が存在する。こうした部分を公知の技術により特定する。そして、起始部から各分岐点まで経路の距離を距離特定部246が特定する。また、三次元医用画像の三次元空間上での分岐点の座標と距離は、
図7に示す分岐点情報テーブル730に格納する。
【0053】
分岐点情報テーブル730は、外部メモリ111またはRAM103に記憶され、分岐点ID731、分岐点座標732、分岐点距離733を備えている。分岐点ID731は、分岐点ごとに割り振られる識別情報が格納される項目である。分岐点座標732は、三次元空間上での分岐点の座標値が格納される項目である。分岐点距離733は、起始部から分岐点まで経路の距離が格納される項目である。
【0054】
ステップS308では、表示部231は、
図4に示すようなステップS303で特定した管状構造物をディスプレイ110に表示すると共に、ステップS304からステップS307の各ステップで特定した起始部、末梢部、経路、分岐点を重畳表示する。これらを管状構造物に重畳表示した結果が、
図6である。ステップS304からステップS307の各ステップで各部を示す座標値を特定しているので、この座標値を
図7の各テーブルから取得し、これに基づいて重畳表示する。
図6の各部には、各部の名称やIDをあわせて記している。以下、
図6に記されているIDに従って説明を行う。
【0055】
また、表示部231は医用画像を診断するためのアプリケーションのウィンドウとして、
図8に示すCPR画像比較画面を生成し、ディスプレイ110に表示してもよい。CPR画像比較画面は、管状構造物表示領域801と、CPR画像表示領域802を備えている。管状構造物表示領域801では、特定した管状構造物と起始部、末梢部、経路、分岐点を重畳表示する。また、CPR画像表示領域802には、後述する処理で生成されるCPR画像を末梢部ごと、すなわち経路ごとに表示する。本実施形態ではCPR画像表示領域802は、CPR画像の一部を表示する表示領域として説明するが、これに限らない。このように1つのウィンドウに管状構造物表示領域801と、CPR画像表示領域802を設けることで複数のウィンドウを立ち上げる必要がなくなるので、効率的に操作を行うことができる。以下、CPR画像比較画面に基づいて説明を行う。
【0056】
次に、
図9から
図12を参照して、CPR画像を表示する処理の流れについて説明する。
【0057】
図9は、管状構造物の起始部から選択された末梢部までのCPR画像を表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。ステップS901からステップS910の各ステップは、医用画像診断装置100のCPU101によって実行される。尚、
図9に示す処理内容や処理順はあくまで一例であり、これに限られない。
【0058】
ステップS901では、操作受付部210は、管状構造物表示領域801に表示された管状構造物の末梢部に対する選択を受け付けたか否かを判定する。すなわち、
図6に示す末梢部D1から末梢部D11のいずれかに対する選択を受け付けたか否かを判定する。末梢部に対する選択を受け付けたと判定した場合には、ステップS902に処理を進める。末梢部に対する選択を受け付けたと判定しなかった場合には、ステップS902には処理を進めず、そのまま待機する。
【0059】
ステップS902では、経路特定部244は、選択を受け付けた末梢部に対応する経路を特定する。選択を受け付けた末梢部の末梢部座標712を特定し、この座標値が含まれる経路座標722が示す経路が、当該末梢部に対応する経路である。本実施形態では、あらかじめ起始部から末梢部までの経路を特定しておき、末梢部に対する選択を受け付けるとその末梢部に対応する経路が特定されるが、末梢部に対する選択を受け付けると起始部から選択を受け付けた末梢部までの経路を追跡するようにしてもよい。
【0060】
ステップS903では、距離特定部246は、後述する処理で生成するCPR画像を表示するCPR画像表示領域802の長辺の長さを特定する。CPR画像表示領域802の長辺は、
図8の長辺803に示す。ステップS903では、この長さのピクセル値を特定する。
【0061】
ステップS904では、CPR画像生成部222は、ステップS902で特定した経路のCPR画像をステップS903で特定した長さを用いて生成する。CPR画像の生成方法は、公知の技術を用いる。例えば、特開2004−283373、特開2011−206155、特開2012−24517である。この周知のアルゴリズムに従って、経路を示す芯線を含み、管状構造物を長手方向に沿って切断する曲面である、切断曲面を設定する。この切断曲面を投影してCPR画像を生成する。切断曲面を投影する際には、CPR画像の長辺がステップS903で特定した長さになるように生成する。こうすることで、生成されるCPR画像が小さくなりすぎないので、ユーザが閲覧しやすくなる。また、生成されるCPR画像は、ストレートCPR画像であることが好ましい。ストレートCPR画像であれば、
図10に示すように管状構造物の起始部から末梢部までがまっすぐに引き伸ばされた画像となるので、管状構造物の比較がしやすくなる。
【0062】
ステップS905では、表示制御部230は、ステップS902で特定した経路とは異なる他の経路のCPR画像がCPR画像表示領域802に表示されているか否かを判定する。他の経路のCPR画像が表示されていると判定した場合には、ステップS907に処理を進める。他の経路のCPR画像が表示されていると判定しなかった場合、すなわち、どの経路のCPR画像もCPR画像表示領域802に表示されていないと判定した場合には、ステップS906に処理を進める。
【0063】
ステップS906では、表示部231は、分岐点を含む管状構造物の起始部から当該管状構造物の末梢部までの経路を示すステップS904で生成したCPR画像を、CPR画像表示領域802に表示させる。まず、
図7に示すような表示領域情報テーブル740を参照し、表示領域情報テーブル740の末梢部ID711が空のレコードの表示領域ID741に基づいて、ステップS904で生成したCPR画像を表示するCPR画像表示領域802を決定する。そして、決定したCPR画像表示領域802に対して、ステップS904で生成したCPR画像を表示する。初期の表示倍率は100%である。
【0064】
表示領域情報テーブル740は、外部メモリ111やRAM103に記憶され、表示領域ID741、表示倍率742、末梢部ID711を備えている。表示領域ID741は、CPR画像表示領域802ごとに割り振られる識別情報が格納される項目である。表示倍率742は、CPR画像表示領域802に表示されるCPR画像の表示倍率が格納される項目である。末梢部ID711は、CPR画像表示領域802に表示されるCPR画像に対応する末梢部ID711が格納される項目である。末梢部ID711は、末梢部情報テーブル710の末梢部ID711と対応する。表示領域情報テーブル740は、CPR画像の表示を行う際に更新される。ステップS906では、この表示領域情報テーブル740の末梢部ID711に、表示するCPR画像の経路に対応する末梢部ID(末梢部情報テーブル710の末梢部ID711)がCPR画像表示領域802に対応するレコードに格納される。
【0065】
また、表示する際には、CPR画像に含まれる経路の起始部、分岐点、末梢部が識別可能となるようそれぞれをアイコン等で表示する。各部を表示する際には、
図7に示す各種情報(起始部からの距離や座標等)を用いることでアイコンの表示位置を決定し、これを表示する。また、CPR画像に含まれる経路がCPR画像表示領域802の中央付近に来るように表示位置を調整する。
【0066】
このようにして表示したCPR画像の一例を
図11に示す。本実施形態では、CPR画像比較画面のCPR画像表示領域802は2つ存在するのでこのうち、初めて生成されたCPR画像(例えば、
図10(a)に示す起始部から末梢部D7のCPR画像)をCPR画像表示領域802aに表示する。どの表示領域に表示するかは自動的に決定してもよいし、ユーザが指定した表示領域に表示するようにしてもよい。
【0067】
一方ステップS907では、分岐点特定部245は、ステップS902で特定した経路と表示中のCPR画像に対応する他の経路とにおいて、同一の分岐点を特定する。各経路の経路座標722を取得し、この経路座標722を比較する。すると各経路のうち、同一の経路が特定できるので、この同一の経路に含まれる分岐点を分岐点座標732から特定する。特定された分岐点座標732に対応する分岐点が各経路において同一の分岐点である。例えば、
図10に示す2つの経路(
図10(a)に示す起始部から末梢部D7のCPR画像と、
図10(b)に示す起始部から末梢部D3のCPR画像)の同一の分岐点を特定すると、分岐点B1、分岐点B2、分岐点B3の3つが特定される。
【0068】
ステップS908では、分岐点特定部245は、ステップS907で特定した分岐点と起始部の各CPR画像上における位置(画像上の座標位置)を特定する。より具体的には、すでに表示されているCPR画像における当該分岐点と起始部の位置と、ステップS904で生成したCPR画像における当該分岐点と起始部の位置とを特定する。分岐点については、ステップS907で特定したいずれか分岐点の位置であればよい。
【0069】
ステップS909では、表示倍率決定部232は、ステップS908で特定した分岐点と起始部の位置に応じて、ステップS904で生成したCPR画像の表示倍率を決定する。
図10を例にとって説明する。ステップS904で生成されたCPR画像(
図10(b))の分岐点B1と、表示中のCPR画像(
図10(a))の分岐点B1とをこのままCPR画像表示領域802に表示すると
図24に示すようになる。
図24に示す通り、そのまま表示してしまうと、同一の分岐点(分岐点B1、分岐点B2、分岐点B3)の高さ(起始部から分岐点までのCPR画像上の長さ)が一致しない。そこで、ステップS908で特定した同一の分岐点の位置と同じ高さになる表示倍率を決定する。例えば、
図10(a)の分岐点B1の高さが50、
図10(b)の分岐点B1の高さが100である場合、表示倍率を50%とすれば
図10(b)の分岐点B1の高さが50となるので、ステップS909において表示倍率を50%と決定する。
【0070】
より具体的に説明すると、まず、表示中の第1の経路の起始部から当該第1の経路の分岐点(第2の経路と同一の分岐点)までのCPR画像上の経路の距離を特定する。次に、これから表示する第2の経路の起始部から第2の経路の分岐点(第1の経路と同一の分岐点)までのCPR画像上の経路の距離を特定する。そして特定したそれぞれの距離を比較し、第1の経路の当該分岐点と第2の経路の当該分岐点とがCPR画像上で同じ距離、つまり同じ高さになるような第2の経路の表示倍率を算出し、これを第2の表示経路の表示倍率として決定する。本実施形態では、起始部と共通する分岐点とを用いて表示倍率を特定したが、共通する分岐点が複数存在するのであれば、起始部の代わりにこの複数の分岐点を用いてもよい。例えば、分岐点B1と分岐点B2は
図10(a)の経路と
図10(b)の経路において共通であるため、分岐点B1から分岐点B2の距離をそれぞれのCPR画像から特定し、表示倍率を求めてもよい。
【0071】
ステップS910では、表示部231は、ステップS909で決定された表示倍率で、ステップS904で生成されたCPR画像をCPR画像表示領域802に表示する。表示領域情報テーブル740を参照し、CPR画像表示領域802に空きがなければ、生成した日時が古いCPR画像を削除し、これにより空いたCPR画像表示領域802に決定する。または、新たにCPR画像表示領域802を設けてもよい。そして、表示領域情報テーブル740の末梢部ID711に、表示するCPR画像の経路に対応する末梢部ID(末梢部情報テーブル710の末梢部ID711)をCPR画像表示領域802に対応するレコードに格納する。更に、ステップS909で決定した表示倍率を当該レコードの表示倍率742に格納する。これにより、生成したCPR画像を決定したCPR画像表示領域802に決定した表示倍率で表示する。
【0072】
また、本実施形形態では、CPR画像のサイズ(縦横のピクセル値)は保持したまま表示倍率を変更する形態として説明するが、CPR画像のサイズを変更してしまってもよい。このように、同一の分岐点が同じ高さになるよう表示倍率を変更して表示すると、
図12に示すようになる。
図12は、
図11に示すCPR画像比較画面のCPR画像表示領域802bに、新たなCPR画像(
図10(b)に示す起始部から末梢部D3のCPR画像)を表示した場合を示す。この2つのCPR画像は、
図24と同じ2つ経路のCPR画像(
図10(a)に示す起始部から末梢部D7のCPR画像と、
図10(b)に示す起始部から末梢部D3のCPR画像)である。ステップS909で決定した表示倍率を用いてステップS904で生成されたCPR画像を表示することで、他の経路と同一の分岐点の高さと、他の経路の当該分岐点の高さとを揃えて表示することが可能となる。
【0073】
次に、
図13と
図14を参照して、CPR画像の表示倍率を変更する処理の流れについて説明する。
【0074】
図13は、CPR画像表示領域802に表示されるCPR画像の表示倍率を変更する処理の流れの一例を示すフローチャートである。ステップS1301からステップS1304の各ステップは、医用画像診断装置100のCPU101によって実行される。尚、
図13に示す処理内容や処理順はあくまで一例であり、これに限られない。
【0075】
ステップS1301では、操作受付部210は、CPR画像表示領域802に表示されるいずれかのCPR画像の表示倍率を変更する指示を受け付けたか否かを判定する。表示倍率変更指示を受け付けたと判定した場合には、ステップS1302に処理を進める。表示倍率変更指示を受け付けたと判定しなかった場合には、ステップS1302に処理を進めず、そのまま待機する。
【0076】
ステップS1302では、表示部231は、ユーザから指示されたCPR画像の表示倍率742を、ユーザから指示された表示倍率に変更する。こうすることで、CPR画像表示領域802に表示されているCPR画像が拡大または縮小して表示される。
【0077】
ステップS1303では、表示制御部230は、ユーザから指定されたCPR画像の経路とは異なる他の経路のCPR画像がCPR画像表示領域802に表示されているか否かを判定する。他の経路のCPR画像が表示されていると判定した場合には、ステップS1304に処理を進める。他の経路のCPR画像が表示されていると判定しなかった場合、すなわち、どの経路のCPR画像もCPR画像表示領域802に表示されていないと判定した場合には、本一連の処理を終了する。
【0078】
ステップS1304では、表示部231は、ステップS1302で変更した表示倍率742に応じて、他の経路のCPR画像の表示倍率742を変更する。例えば、ステップS1302で表示倍率742が100%から50%に変更され、他の経路のCPR画像が40%で表示されていた場合には、表示倍率が1/2になるので、他の経路のCPR画像の表示倍率も1/2の20%に変更する。このように、同一の分岐点が同じ高さになるように表示倍率が調整されていたとしても、同じ高さを保つようにして他のCPR画像の表示倍率を連動して変更することができる。
図14は、ステップS1302とステップS1304で表示倍率を変更した場合の一例を示す。
図14は、
図12に示す各CPR画像のうち、CPR画像表示領域802aに表示されているCPR画像の表示倍率を変更した場合である。CPR画像表示領域802aに表示されているCPR画像の表示倍率を変更すると、CPR画像表示領域802bに表示されているCPR画像の表示倍率も連動して変更される。そのため、
図14に示すように同一の分岐点の高さが揃ったまま、拡大または縮小される。
【0079】
次に、
図15と
図16を参照して、CPR画像の表示位置を変更する処理の流れについて説明する。
【0080】
図15は、CPR画像表示領域802に表示されるCPR画像の表示位置を変更する処理の流れの一例を示すフローチャートである。ステップS1501からステップS1504の各ステップは、医用画像診断装置100のCPU101によって実行される。尚、
図15に示す処理内容や処理順はあくまで一例であり、これに限られない。
【0081】
ステップS1501では、操作受付部210は、CPR画像表示領域802に表示されるいずれかのCPR画像の表示位置を変更する指示を受け付けたか否かを判定する。表示位置変更指示を受け付けたと判定した場合には、ステップS1502に処理を進める。表示位置変更指示を受け付けたと判定しなかった場合には、ステップS1502に処理を進めず、そのまま待機する。
【0082】
ステップS1502では、表示部231は、ユーザから指示されたCPR画像の表示位置を、ユーザから指示された表示位置に変更する。こうすることで、CPR画像表示領域802に収まりきっていないCPR画像であっても、表示することができる。
【0083】
ステップS1503では、表示制御部230は、ユーザから指定されたCPR画像の経路とは異なる他の経路のCPR画像がCPR画像表示領域802に表示されているか否かを判定する。他の経路のCPR画像が表示されていると判定した場合には、ステップS1504に処理を進める。他の経路のCPR画像が表示されていると判定しなかった場合、すなわち、どの経路のCPR画像もCPR画像表示領域802に表示されていないと判定した場合には、本一連の処理を終了する。
【0084】
ステップS1504では、表示部231は、ステップS1502で変更された表示位置に応じて、他の経路のCPR画像の表示位置を変更する。すなわち、変更前の表示位置と変更後の表示位置の移動量や移動方向を特定し、この移動量や移動方向を用いて他の経路のCPR画像についても表示位置を連動して変更する。このとき、同一の分岐点の高さを保ったまま表示位置を変更する。つまり、表示位置を変更したとしても、ユーザが閲覧しやすいようにすることができる。
図16は、ステップS1502及びステップS1504によって、
図14の状態から表示位置を末梢部側に移動した場合を示す。
図14で表示されていた起始部と分岐点B1は表示領域外になり、分岐点B2、分岐点B3、更には分岐点B4、分岐点B5、末梢部D3が表示されている。また、同一の分岐点である分岐点B2と分岐点B3の高さは保持したままであることがわかる。このように、表示位置を移動しても同一の分岐点の高さを保持することで、ユーザが閲覧しやすくなる。
【0085】
以上説明したように、分岐点を含む管状構造物の経路を表示する際に、他の経路と同一の分岐点を含む経路を適切な表示倍率で表示することが可能となる。また、いずれかの経路の表示倍率の変更や表示位置の変更がなされたとしても、同一の分岐点が比較しやすい状態を保ったまま変更することが可能となる。
【0086】
尚、CPR画像比較画面で表示する経路は、起始部から選択された各末梢部を通る経路であるが、ユーザから指定された二点を通る経路であってもよい。この場合には、表示中の他の経路と同一の分岐点が存在しない可能性がある。そのため、表示中の他の経路と同一の分岐点が存在する場合には、ステップS1303及びステップS1304、ステップS1503及びステップS1504を実行する。一方、表示中の他の経路と同一の分岐点が存在する場合には、これらステップを実行しないといった形態であってもよい。また、経路を示すCPR画像は3つ以上表示できてもよい。
【0087】
次に、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態は、第一の実施形態の変形例である。そのため、第一の実施形態と同様の箇所については図面で同一の符号を振り、説明を省略する。
【0088】
第二の実施形態における医用画像診断装置100のハードウェア構成は、第一の実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0089】
図17は、第二の実施形態における医用画像診断装置100の機能構成の一例を示す図である。尚、
図17に示す各機能は、
図1に示す各ハードウェアや各種プログラム等により実現される構成要素である。また、医用画像診断装置100の機能構成は、これに限らない。また、
図2と同一の機能については説明を省略する。
【0090】
医用画像診断装置100は、
図2に示す機能部に加え、更に設定部1700を備えている。設定部1700は、医用画像診断装置100の動作設定を行うための機能部である。設定部1700は、設定変更を行うためのダイアログ(ウィンドウであってもよい)を生成し、表示部231の機能により表示させ、操作受付部210で受け付けた設定を外部メモリ111やRAM103に記憶しておく。そして、必要に応じて記憶した設定を読み出して、当該設定に応じて医用画像診断装置100の動作を切り替える。
【0091】
次に、
図18から
図20を参照して、設定変更する処理の流れについて説明する。
【0092】
図18は、設定変更画面を表示し、設定変更を行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。ステップS1801からステップS1804の各ステップは、医用画像診断装置100のCPU101によって実行される。尚、
図18に示す処理内容や処理順はあくまで一例であり、これに限られない。
【0093】
ステップS1801では、操作受付部210は、設置を変更する指示を受け付けたか否かを判定する。設定変更指示を受け付けたと判定した場合には、ステップS1802に処理を進める。設定変更指示を受け付けたと判定しなかった場合には、ステップS1802に処理を進めず、そのまま待機する。
【0094】
ステップS1802では、表示部231は、設定部1700によって生成される
図19に示すような設定変更画面をディスプレイ110に表示する。設定変更画面は、表示設定チェックボックス1901、並び順設定チェックボックス1902、並び順設定ラジオボタン1903を備えている。表示設定チェックボックス1901にチェックを入れると、表示するCPR画像が複数ある場合には、各CPR画像が示す経路の同一の分岐点は同じ高さに揃えて表示するモードがONになる。並び順設定チェックボックス1902にチェックを入れると、表示するCPR画像が複数ある場合にそのCPR画像の並び順を並び順設定ラジオボタン1903で指定することが可能となる。並び順設定ラジオボタン1903は、複数のCPR画像を起始部からの経路が近い順に並べて表示するのか、複数のCPR画像を起始部から経路が遠い順に並べて表示するのかを選択できる。
【0095】
ステップS1803では、操作受付部210は、設定変更画面を介して設定変更の指示を受け付けたか否かを判定する。設定変更画面の各選択フォームで選択がなされた状態で、設定変更画面が備える変更ボタン1904の押下を受け付けたか否かを判定すればよい。設定変更の指示を受け付けたと判定した場合には、ステップS1804に処理を進める。設定変更の指示を受け付けたと判定しなかった場合には、ステップS1804に処理を進めず、そのまま待機する。
【0096】
ステップS1804では、設定部1700は、設定変更画面を介して受け付けた設定の変更を実行する。受け付けた設定は、
図20に示すような設定情報テーブル2000に格納する。設定情報テーブル2000は、外部メモリ111またはRAM103に記憶され、表示設定2001、並び順設定2002を備えている。表示設定2001は、表示設定チェックボックス1901がONなら1、OFFなら0が格納される項目である。並び順設定2002は、並び順設定チェックボックス1902がOFFなら0、並び順設定ラジオボタン1903で起始部からの経路が近い順で表示する旨が選択された場合には1、遠い順で表示する旨が選択された場合には2が格納される項目である。
【0097】
次に、
図21から
図23を参照して、第二の実施形態における、CPR画像を表示する処理の流れについて説明する。
【0098】
図21は、管状構造物の起始部から選択された末梢部までのCPR画像を表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。ステップS901からステップS910、及びステップS2101からステップS2105の各ステップは、医用画像診断装置100のCPU101によって実行される。尚、
図21に示す処理内容や処理順はあくまで一例であり、これに限られない。また、ステップS901からステップS910は、
図9と同様であるので説明を省略する。
【0099】
ステップS904の処理が完了するとステップS2101では、設定部1700は、表示設定2001が1であるか否かを判定する。つまり、表示するCPR画像が複数ある場合には、各CPR画像が示す経路の同一の分岐点は同じ高さに揃えて表示するモードがONであるか否かを判定する。同一の分岐点に合わせて表示するモードであると判定した場合には、ステップS905に処理を進める。同一の分岐点に合わせて表示するモードであると判定しなかった場合、すなわち表示設定2001が0であると判定した場合に、ステップS2102に処理を進める。このように、設定に応じて同一の分岐点の高さ合わせて表示するか否かを切り替えることができる。
【0100】
ステップS905において表示中の他の経路のCPR画像があると判定されなかった場合と、ステップS2101において同一の分岐点に合わせて表示するモードであると判定しなかった場合には、ステップS2102に処理を進める。ステップS2102では、並び順設定2002に応じてCPR画像の並び順を決定する処理を実行する。並び順決定処理の詳細は、後述する
図22に示す。
【0101】
ステップS2103では、表示部231は、ステップS904で生成されたCPR画像と表示中のCPR画像とを、ステップS2104で決定された並び順でCPR画像表示領域802に表示する。CPR画像表示領域802は前述したように複数存在するので、例えば、画面左側から画面右側に向かうにつれて起始部からの距離が遠くなるような順番になるよう、各CPR画像を表示するCPR画像表示領域802を決定する。これに応じて、表示領域情報テーブル740の表示倍率742と末梢部ID711を更新する。そして、決定したCPR画像表示領域802にCPR画像を表示する。また、CPR画像表示領域802に表示している経路の末梢部や当該経路が管状構造物上のどの部分に当たるのかを管状構造物表示領域801に表示させる。例えば、管状構造物で選択された末梢部に対応する管状構造物上の経路または当該末梢部と、当該末梢部に対応する経路のCPR画像が表示されるCPR画像表示領域802とを同じ文字列や記号、または色によって対応づけることで、対応関係を表示してもよい。管状構造物上での表示は、
図7の経路情報テーブル720と末梢部情報テーブル710とを用いることで実現可能である。
図23は、経路1や経路2といった文字列を、管状構造物の末梢部に対応する管状構造物上の経路と、当該末梢部に対応する経路のCPR画像が表示されるCPR画像表示領域802とに表示させている一例である。こうすることで、現在表示されているCPR画像が管状構造物上におけるどの経路なのかを特定することができる。更には、ステップS2103での表示は、表示中の他の経路が存在しているとしても、表示倍率を変更せずに表示する。すなわち、従来の表示形態で表示する。
【0102】
一方、ステップS905において表示中の他の経路のCPR画像があると判定され、生成したCPR画像の表示倍率を決定した後に、ステップS2104に処理を進める。ステップS2104では、並び順設定2002に応じてCPR画像の並び順を決定する処理を実行する。並び順決定処理の詳細は、後述する
図22に示す。
【0103】
ステップS2105では、表示部231は、ステップS904で生成されたCPR画像と表示中のCPR画像とを、ステップS2104で決定された並び順でCPR画像表示領域802に表示する。ステップS904で生成されたCPR画像を表示する場合には、ステップS909で決定された表示倍率を用いてこれを表示する。CPR画像表示領域802は前述したように複数存在するので、例えば、画面左側から画面右側に向かうにつれて起始部からの距離が遠くなるような順番になるよう、各CPR画像を表示するCPR画像表示領域802を決定する。これに応じて、表示領域情報テーブル740の表示倍率742と末梢部ID711を更新する。そして、決定したCPR画像表示領域802にCPR画像を表示する。このようにして並び順を変更した結果が、
図23である。
図23は、
図12に示す並び順を、起始部からの距離が近い順に変更した一例である。画面左側に起始部に近い末梢部の経路が表示され、画面右側に起始部から遠い末梢部の経路が表示される。このようにすることで、ユーザが複数の経路を比較しやすくなる。尚、画面右側から画面左側に向かうにつれて起始部からの距離が遠くなるような順番でCPR画像を表示してもよい。
【0104】
図22は、並び順決定処理の詳細な処理の流れの一例を示すフローチャートである。ステップS2201からステップS2208の各ステップは、医用画像診断装置100のCPU101によって実行される。尚、
図22に示す処理内容や処理順はあくまで一例であり、これに限られない。また、ステップS2201からステップS2208は、
図22と同様であるので説明を省略する。
【0105】
ステップS2201では、設定部1700は、設定情報テーブル2000の並び順設定2002を取得する。そして、ステップS2202では、設定部1700は、ステップS2201で取得した並び順設定2002が示す設定が、起始部から近い順に表示する設定であるか否かを判定する。起始部から近い順に表示する設定であると判定した場合には、ステップS2203に処理を進める。そうでない場合には、ステップS2205に処理を進める。
【0106】
ステップS2203では、距離特定部246は、CPR画像表示領域802に表示する各CPR画像が示す各経路の起始部から末梢部までの距離を取得する。前述した末梢部情報テーブル710の末梢部距離713に起始部から各末梢部までの距離が格納されているので、表示する経路に対応する距離をここから取得する。尚、表示するCPR画像の起始部と末梢部とを特定し、距離を測定することで取得してもよい。
【0107】
ステップS2204では、表部231は、ステップS2203で取得した各経路の距離を比較し、距離が短い順(つまり起始部からの距離が近い順)になるようにCPR画像の並び順を決定する。
【0108】
ステップS2202では、設定部1700は、ステップS2201で取得した並び順設定2002が示す設定が、起始部から遠い順に表示する設定であるか否かを判定する。起始部から遠い順に表示する設定であると判定した場合には、ステップS2206に処理を進める。そうでない場合には、ステップS2208に処理を進める。
【0109】
ステップS2206では、距離特定部246は、CPR画像表示領域802に表示する各CPR画像が示す各経路の起始部から末梢部までの距離を取得する。前述した末梢部情報テーブル710の末梢部距離713に起始部から各末梢部までの距離が格納されているので、表示する経路に対応する距離をここから取得する。尚、表示するCPR画像の起始部と末梢部とを特定し、距離を測定することで取得してもよい。
【0110】
ステップS2207では、表部231は、ステップS2206で取得した各経路の距離を比較し、距離が長い順(つまり起始部からの距離が遠い順)になるようにCPR画像の並び順を決定する。
【0111】
ステップS2208では、表部231は、末梢部を選択した順になるように、CPR画像の並び順を決定する。末梢部を選択するごとにCPR画像が生成され、表示されるので、CPR画像を表示した順と換言することもできる。
【0112】
このようにして、表示するCPR画像の並び順を決定し、前述したステップS2103及びステップS2105において用いれば、設定に応じた並び順でCPR画像を表示することができる。
【0113】
以上説明したように、分岐点を含む管状構造物の経路を表示する際に、他の経路と同一の分岐点を含む経路を適切な表示倍率で表示することが可能となる。また、設定に応じて他の経路と同一の分岐点を含む経路を適切な表示倍率で表示するか否かを切り替えることが可能となる。
【0114】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0115】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
【0116】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0117】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0118】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0119】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0120】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0121】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0122】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0123】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0124】
なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。