(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
樹脂のラテックスエマルションは、一般にPIEを用いて製造され、樹脂はまずメチルエチルケトン(MEK)とイソプロピルアルコール(IPA)等の溶剤混合物であってもよい有機溶剤に溶解され、その後任意に適当な塩基で中和され、その後いくらかの水(例えば、脱イオン水(DIW)または(DI水))をこの混合物に導入して、均質な油中水(W/O)分散体(連続した油中に分散された水滴)が形成されうる。続いて、追加の水を添加し、分散体を転相して水中油(O/W)ラテックスエマルションにする。蒸留等の大量のエネルギーを消費するラテックスの処理が、有機溶剤を除去するために用いられ、かつ最終的に、界面活性剤およびその他の保存料がラテックスに添加されうる。このラテックスは、トナー粒子製造のための乳化凝集(EA)法におけるものを含む様々な目的に使用されうる。
【0007】
目的の溶剤は、樹脂を溶解する生分解性乳酸エステルである。この乳酸エステルは、式、CH
3‐CH(OH)‐COORの乳酸エステルであり、式中、Rは、C
1から約C
10の直鎖または分岐、飽和または不飽和、または環状のアルキルを含む様々な炭化水素基を含みうる。したがって、例としては、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、およびシクロプロピルを含むプロピル、n‐ブチル、sec‐ブチル、イソブチル、およびtert‐ブチルを含むブチル等が挙げられる。環状化合物は、置換されていてもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよく、2以上の縮合していてもよい環等を含んでいてもよい。例としては、アリール、フェニル、シクロアルキル等が挙げられる。前記乳酸エステルが水および酸または塩基に触れると、樹脂または酸または緩衝剤によってH
+イオンが寄与され、前記バイオ溶剤である乳酸エステルが1以上の生成物に加水分解する。前記樹脂は、前記加水分解したバイオ溶剤の生成物に溶解しない。したがって、加水分解が持続してバイオ溶剤の有効濃度が減少するにつれ、一度溶解した樹脂が粒子を形成する。加水分解は、バイオ溶剤が使い果たされ、H
+の量が激減し、粒子の形成が終わり、あるいは設計上の選択としての任意のその他の節目まで継続しうる。酸は、加水分解を完了させるために添加されてもよい。反応の段階は、試薬または生成物の濃度を、当技術分野で周知の材料と方法、例えば、クロマトグラフィー等を用いて観察することによって評価されうる。前記樹脂粒子は、当技術分野で周知の方法を用いてエマルションから単離または分離されうる。前記バイオ溶剤は、実行中の加水分解産物を結合させることによって、例えば、エステル化反応によって、既知の材料と方法を用いて再生されうる。
【0008】
乳酸エチル(EL)、別名乳酸エチルエステルは、目的のバイオ溶剤の一例であり、かつ、完全に生分解性である。ELは、ワイン、鶏肉、および様々な果物を含む多種の食品に自然に少量含まれている。低毒性のため、ELは医薬品、食品添加物(FDAの承認済み)、および香料に使用される。さらに、ELは生物学的および工業原料から製造されうる。ELは、水とH
+の存在下で加水分解し、乳酸とエタノール(EtOH)を生じる。乳酸とEtOHはそれぞれ食品、医薬、および化粧品産業において使用される。
【0009】
したがって、目的のラテックス形成過程において、最大限の粒子形成を確保するため、前記バイオ溶剤の加水分解反応は、例えば、限定濃度の溶解樹脂からの次第に減少していくH
+濃度、次第に減少していく溶解樹脂濃度、次第に減少していくバイオ溶剤濃度、過剰濃度のH
+等のため、非可逆的である。得られる樹脂粒子は安定しており、この安定は粒子中および/または粒子上の界面活性剤の存在によるものでありうる。
【0010】
前記ラテックスエマルション中、残存するバイオ溶剤または生じた加水分解産物の濃度は、当技術分野で周知の材料と方法、例えば、クロマトグラフィー等、バイオ溶剤濃度または加水分解産物濃度については、ガスまたは液体クロマトグラフィー等を用いて反応中に観察されうる。
【0011】
得られる溶液は、水溶性の加水分解産物、例えば、ELが前記溶剤として使用された場合にはエタノール(EtOH)と乳酸を含むので、前記溶剤からの樹脂粒子の分離は、例えば、濾過、遠心分離、デカンテーション等の、粒子状物質からの水性溶媒の任意の分離と同様に簡単でありうるものの、蒸留や噴霧乾燥等を含むその他の分離方法を用いてもよい。前記粒子は、いくらかのEtOHと乳酸、または、その他の乳酸エステルがバイオ溶剤として使用された場合にはその他の生成物を除去するために、水で何度も洗浄してもよい。前記乳酸とEtOHは、ELを製造するために再利用してもよく、ここで乳酸とEtOHはエステル化反応において反応し、ELを生じる。EtOHは、これに限定されないが、インクジェット印刷、化粧品、溶剤等を含むその他の用途に利用してもよく、乳酸は、薬品供給原料等として、食品工業に利用してもよい。
【0012】
別段の指示がない限り、本明細書と請求項で用いられている量と条件等を表すすべての数は、すべての例において、”約”という用語で修飾されていると理解されたい。”約”は、言及された値から10%程度の変動を示すことを意図とする。さらにここで用いられている用語は、”同等の”、”同様の”、”本質的”、”実質的”、”近似”、および”一致”、あるいはそれらの文法的変化であり、一般的に許容される定義を有し、または、少なくとも、”約”と同じ意味を有すると理解される。
【0013】
ここで、”バイオ系”とは、全体またはかなりの部分(例えば、化合物または生成物の約55重量%から約80重量%、化合物または生成物の約70重量%から約80重量%)において、生物学的産物または再生可能材料(植物、動物、および微生物材料を含む)からなる産物(食品や飼料以外)を意味する。
【0014】
ここで、接頭語”バイオ”は、全体または部分的に、植物、動物、および微生物材料を含む生物学的産物あるいはその誘導体を取り入れた方法、または、全体または部分的に、該生物学的産物あるいはその誘導体からなる試薬あるいは生成物に言及する。一般に、バイオ材料またはバイオ系材料は生分解性、すなわち、実質的にあるいは完全に生分解性であり、実質的にとは、50%を超える、60%を超える、70%を超える、あるいはそれより多い材料が、元の分子または組成から、生物学的あるいは環境の機構、例えば、細菌、動物、植物、光、温度、酸素等による作用で、数日中、数週間中、一年またはそれ以上、通常は2年ほどで分解されて別の形になることを意味する。”バイオ溶剤”は、ポリエステル等の樹脂を溶解する液体である。前記バイオ溶剤は、全体または部分的にバイオ系材料からなり、かつ生分解性である。
【0015】
樹脂
バイオ溶剤に溶解する任意の樹脂が、本開示のラテックスエマルションの形成に使用されうる。前記樹脂は、非晶性樹脂、結晶性樹脂、および/または、それらの組合せであってよい。前記樹脂は、例えば、米国特許第6593049号明細書および米国特許第6756176号明細書に記載の樹脂を含むポリエステル樹脂であってよい。米国特許第6830860号明細書に記載のような非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂の混合物もまた適切な樹脂に含まれうる。適切な樹脂は、高分子量および低分子量非晶性ポリエステル樹脂の混合物を含みうる。
【0016】
実施の形態において、前記樹脂は、ポリオールと多塩基酸を任意成分の触媒の存在下で反応させて得られるポリエステル樹脂であってよい。
【0017】
結晶性または非晶性ポリエステルを形成するために、適切なポリオールは、炭素数約2から約36の選択された脂肪族ポリオールを約40から約60モル%の量含む。
【0018】
多塩基酸またはポリエステルの例としては、選択されたビニル二酸またはビニルジエステルを例えば、約40から約60モル%の量含む。
【0019】
結晶性樹脂の例としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリイソブチレート、エチレン‐プロピレン共重合体、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、それらの混合物、等が挙げられる。具体的な結晶性樹脂は、ポリ(エチレン‐アジペート)、ポリ(プロピレン‐アジペート)、ポリ(ブチレン‐アジペート)、ポリ(ペンチレン‐アジペート)、ポリ(へキシレン‐アジペート)、ポリ(オクチレン‐アジペート)、ポリ(エチレン‐スクシネート)、ポリ(プロピレン‐スクシネート)、ポリ(ブチレン‐スクシネート)、ポリ(ペンチレン‐スクシネート)、ポリ(へキシレン‐スクシネート)、ポリ(オクチレン‐スクシネート)、ポリ(エチレン‐セバケート)、ポリ(プロピレン‐セバケート)、ポリ(ブチレン‐セバケート)、ポリ(ペンチレン‐セバケート)、ポリ(へキシレン‐セバケート)、ポリ(オクチレン‐セバケート)、ポリ(デシレン‐セバケート)、ポリ(デシレン‐デカノエート)、ポリ(エチレン‐デカノエート)、ポリ(エチレン‐ドデカノエート)、ポリ(ノニレン‐セバケート)、ポリ(ノニレン‐デカノエート)、コポリ(エチレン‐フマレート)‐コポリ(エチレン‐セバケート)、コポリ(エチレン‐フマレート)‐コポリ(エチレン‐デカノエート)、コポリ(エチレン‐フマレート)‐コポリ(エチレン‐ドデカノエート)、コポリ(2,2‐ジメチルプロパン‐1,3‐ジオール‐デカノエート)‐コポリ(ノニレン‐デカノエート)、ポリ(オクチレン‐アジペート)等のポリエステル系であってよい。ポリアミドの例としては、ポリ(エチレン‐アジパミド)、ポリ(プロピレン‐アジパミド)、ポリ(ブチレン‐アジパミド)、ポリ(ペンチレン‐アジパミド)、ポリ(ヘキシレン‐アジパミド)、ポリ(オクチレン‐アジパミド)、ポリ(エチレン‐スクシンイミド)、およびポリ(プロピレン‐セバカミド)が挙げられる。ポリイミドの例としては、ポリ(エチレン‐アジピミド)、ポリ(プロピレン‐アジピミド)、ポリ(ブチレン‐アジピミド)、ポリ(ペンチレン‐アジピミド)、ポリ(へキシレン‐アジピミド)、ポリ(オクチレン‐アジピミド)、ポリ(エチレン‐スクシンイミド)、ポリ(プロピレン‐スクシンイミド)、およびポリ(ブチレン‐スクシンイミド)が挙げられる。
【0020】
前記結晶性樹脂は、トナー成分の約1から約50重量%の量で存在しうる。前記結晶性樹脂は、例えば、約30℃から約120℃の種々の融点を有しうる。前記結晶性樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が、例えば、約1,000から約50,000、GPCで測定した重量平均分子量(Mw)が、例えば、約2,000から約100,000を有しうる。前記結晶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、例えば、約2から約6でありうる。
【0021】
重縮合触媒は、前記結晶性または非晶性ポリエステルのいずれかを形成する際に用いてもよく、テトラアルキルチタネート、ジブチル錫オキシド等のジアルキル錫オキシド、ジブチル錫ジラウレート等のテトラアルキル錫、および、ブチル錫オキシドヒドロキシド等のジアルキル錫オキシドヒドロキシド、アルミニウムアルコキシド、アルキル亜鉛、ジアルキル亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一錫、あるいはそれらの組合せを含む。かかる触媒は、例えば、ポリエステル樹脂を生成するために使用される原料多塩基酸またはポリエステルに基づいて約0.01モル%から約5モル%の量使用されうる。
【0022】
使用されうる不飽和非晶性樹脂の例としては、米国特許第6063827号明細書に開示された樹脂が挙げられる。
【0023】
前記非晶性樹脂は、例えば、トナー成分の約30から約100重量%の量で存在しうる。実施の形態において、前記ラテックスで用いられる前記非晶性樹脂または非晶性樹脂の組合せは、ガラス転移点(Tg)約30℃から約80℃を有しうる。実施の形態では、前記ラテックスで用いられる前記複合樹脂は、約130℃で溶融粘度約10から約1,000,000Pa
*Sを有しうる。
【0024】
トナーを製造するために使用されうるその他の適切な樹脂は、スチレン、アクリレート、例えば、アクリル酸アルキル、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n‐オクチル、アクリル酸n‐ブチル、アクリル酸2‐クロロエチル;アクリル酸β‐カルボキシエチル(β‐CEA),アクリル酸フェニル、メタクリレート、ブタジエン類、イソプレン類、アクリル酸類、アクリロニトリル類、スチレンアクリレート類、スチレンブタジエン類、スチレンメタクリレート類、等、例えば、α‐クロロアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、ブタジエン、イソプレン、メタクリロニトリル、アクリロニトリル、ビニルエーテル類、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルエチルエーテル等;ビニルエステル類、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、および酪酸ビニル;ビニルケトン類、例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等;ハロゲン化ビニリデン、例えば、塩化ビニリデン、塩化フッ化ビニリデン等;N‐ビニルインドール、N‐ビニルピロリドン、メタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、塩化ビニル‐N‐メチルピリジニウム、ビニルナフタレン、p‐クロロスチレン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、およびそれらの混合物を含む。
【0025】
1または2以上の樹脂が使用されうる。2以上の樹脂が使用される場合、前記樹脂は、任意の適切な比(例えば、重量比)、例えば、約1%(第一の樹脂)/99%(第二の樹脂)から約99%(第一の樹脂)/1%(第二の樹脂)でよい。
【0026】
トナーは、2種の非晶性ポリエステル樹脂と1種の結晶性ポリエステル樹脂を含んでもよい。前記3種の樹脂の重量比は、約30%の第一の非晶性樹脂/65%の第二の非晶性樹脂/5%の結晶性樹脂から約60%の第一の非晶性樹脂/20%の第二の非晶性樹脂/20%の結晶性樹脂でよい。
【0027】
トナーは、少なくとも2種の非晶性ポリエステル樹脂、高分子量樹脂と低分子量樹脂を含んでいてもよい。ここで、高分子量(HMW)非晶性樹脂はMw約35,000から約150,000を有していてもよく、低分子量(LMW)非晶性樹脂はMw約10,000から約30,000を有していてもよい。
【0028】
前記2種の樹脂の重量比は、約10%の第一の非晶性樹脂/90%の第二の非晶性樹脂から約90%の第一の非晶性樹脂/10%の第二の非晶性樹脂でよい。
【0029】
前記樹脂は、実施の形態において、樹脂分子の末端に存在しうる酸基を有していてもよい。存在しうる酸基は、カルボン酸基を含む。酸基の数は、前記樹脂を形成するために使用される材料と反応条件を調節することによって制御されうる。前記樹脂は、酸価約2mgKOH/g樹脂から約200mgKOH/g樹脂を有しうる。
【0030】
バイオ溶剤
任意の適切な乳酸エステル、例えば、乳酸エチルエステル(すなわち、乳酸エチル)が樹脂を溶解するために使用されうる。前記バイオ溶剤と混合される樹脂の量は、重量基準で、約3wt%から約4.5wt%、約3.25wt%から約4.25wt%、約3.5wt%から約4wt%でありうるものの、前記バイオ溶剤に前記樹脂が完全に溶解する限り、これらの範囲外の量も使用されうる。
【0031】
前記バイオ溶剤は、水と混和性であってもなくてもよく、沸点約30℃から約200℃を有しうる。
【0032】
界面活性剤
本開示の方法は、樹脂を前記バイオ溶剤に添加前または添加後に界面活性剤を前記バイオ溶剤に添加することを含む。実施の形態において、界面活性剤は前記バイオ溶剤に添加する前に樹脂と混合してもよい。
【0033】
1または2以上の界面活性剤が目的の方法またはその他のエマルションまたは混合物に使用されうる。前記界面活性剤は、イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤から選択されうる。陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤は、”イオン性界面活性剤”という用語で網羅される。前記界面活性剤は、約5重量%から約100重量%(純粋な界面活性剤)、約10重量%から約95重量%の濃度の固体または溶液として添加されうる。前記界面活性剤は、前記樹脂の重量に対して、約100%から約250%、約130重量%から約210重量%、樹脂の約150重量%から約190重量%の量で存在する。
【0034】
適切な陰イオン性界面活性剤の例としては、これらに限定されないが、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルベンゼンアルキルスルフェートおよびスルホネート、アルキルジフェニルオキシドジスルホン酸およびその塩、アビエチン酸、花王より入手可能のネオゲンR(登録商標)およびネオゲンSC(登録商標)、テイカ株式会社より入手可能のテイカパワー(登録商標)、ダウ・ケミカルより入手可能のダウファックス(登録商標)の例えばアルキルジフェニルオキシドジスルホネートである2A1;ドデシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム(すなわち、オハイオ州シンシナティ、Pilot Chemical Co.より入手可能のCALFAX(登録商標))等とそれらの混合物が挙げられる。
【0035】
適切な陽イオン性界面活性剤の例としては、これらに限定されないが、塩化ジアルキルベンゼンアルキルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルベンジルメチルアンモニウム、臭化アルキルベンジルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、臭化セチルピリジニウム、臭化C
12,C
15,C
17‐トリメチルアンモニウム、4級化ポリオキシエチルアルキルアミンのハロゲン化物塩、塩化ドデシルベンジルトリエチルアンモニウム、MIRAPOL(登録商標)およびALKAQUAT(登録商標)(Alkaril Chemical Companyより入手可能)、サニゾール(登録商標)(塩化ベンザルコニウム、花王ケミカルより入手可能)等とそれらの混合物が挙げられる。
【0036】
適切な非イオン性界面活性剤の例としては、これらに限定されないが、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、メタロース、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ジアルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール(ANTAROX 890(登録商標),IGEPAL CA−210(登録商標),IGEPAL CA−520(登録商標),IGEPAL CA−720(登録商標),IGEPAL CO−890(登録商標),IGEPAL CO−720(登録商標),IGEPAL CO−290(登録商標),IGEPAL CA−210(登録商標),およびANTAROX 897(登録商標)としてサノフィより入手可能)等とそれらの混合物が挙げられる。
【0037】
製造
本方法は、樹脂、混合物でも2以上のバイオ溶剤でもよいバイオ溶剤、および界面活性剤を含む混合物を任意に高温で形成し、樹脂混合物を形成することを含みうる。樹脂類は、前記混合物を形成する前に予備混合してもよい。前記高温は、前記樹脂(類)のTgまたは融点付近またはそれ以上でありうる。
【0038】
したがって、実施の形態において、本開示の方法は、1以上の樹脂と界面活性剤をバイオ溶剤と接触させて樹脂混合物を形成し、任意に前記樹脂混合物を加熱して高温にし、任意にH
+を生じる酸を前記混合物に添加し、任意に前記混合物を撹拌または振動させ、前記混合物に水を添加して前記バイオ溶剤を加水分解させて樹脂粒子の形成を誘導し、さらに前記樹脂粒子を捕集することを含みうる。
【0039】
界面活性剤は、任意に高温で、前記バイオ溶剤に混合または溶解されうる。界面活性剤はバイオ溶剤と重量基準で、約5wt%から約7.5wt%、約5.5wt%から約7wt%、約6wt%から約6.5wt%の量で混合される。十分に溶解されたのち、樹脂は前記溶液に添加される。
【0040】
混合は、当業者の知識の範囲内で、任意の手段を用いて行われうる。例えば、混合は、アンカーブレードインペラを備えたガラスケトル、押出機、すなわちニ軸スクリュー押出機、Haakeミキサー等の混練機、バッチ反応器、あるいは、粘性材料を良く混合して均質かほぼ均質な混合物を形成することができる任意のその他の装置において行われうる。
【0041】
撹拌は、必須ではないが、前記バイオ溶剤への樹脂の溶解を確保する、および/または均質な調合液が得られるのに十分な撹拌速度で行われうる。低速度も用いられうる。いかなる撹拌も溶解が起こるまで、または、均質な調合液が得られるまで継続されうる。
【0042】
水は、バイオ溶剤の水に対する比が、重量または体積基準のいずれかで、約1:6から約1:2、約1:5.5から約1:2.5、約1:5から約1:3で前記混合物に添加され、バイオ溶剤の加水分解と樹脂エマルションの形成を誘導する。しかしながら、これらの比以外の量の水も設計上の選択として使用することができ、技術者が、バイオ溶剤の加水分解および/または粒子の形成の進行を監視してもよい。
【0043】
必須ではないものの、前記エマルションの形成後、追加の界面活性剤または水、または任意成分の中和剤を前記エマルションに添加してもよい。
【0044】
粒子の形成が完了したとき、例えば、試薬濃度、加水分解産物濃度、または固形分にさらなる変化が見られなくなったとき、または、設計上の選択としての任意の節目で、前記樹脂粒子は、濾過、デカンテーション、遠心分離等の既知の方法で、懸濁液から取り出される。前記液体は、例えば、蒸留等によって分離され、本明細書で教示されたように再生利用されてもよく、例えば、バイオ溶剤を再生するか、または、得られたバイオ溶剤の分解産物(類)を既知の目的のために利用してもよい。
【0045】
前記樹脂の所望の特性(すなわち、約200nm等の粒径、および低残留バイオ溶剤濃度)は、前記樹脂、バイオ溶剤、界面活性剤、処理パラメータ(すなわち、反応器温度、真空度、および処理時間)等を調節することによって達成されうる。
【0046】
トナー
得られたラテックスは、その後当業者の知識の範囲内で、任意の方法を用いてトナーを形成するために利用されうる。前記ラテックスエマルションは、乳化/凝集(EA)および融合法等の適切な方法によってトナーを形成するために、当技術分野で周知の、任意に分散体中の任意成分の着色剤と、任意成分のワックス等と接触されてもよい。
【0047】
着色剤
種々の既知の適切な着色剤、例えば、染料、顔料、染料混合物、顔料混合物、染料と顔料の混合物、等が前記トナーに含まれうる。実施の形態において、前記着色剤は、前記トナー中に、例えば、前記トナーの0から約35重量%含まれうるものの、着色剤の量はこの範囲外であってもよい。
【0048】
適切な着色剤の例として、カーボンブラック、例えば、REGAL 330(登録商標)(キャボット)、Carbon Black 5250および5750(コロンビヤンケミカルズ)、Sunsperse Carbon Black LHD 9303(サンケミカルズ);マグネタイト類、例えば、MobayマグネタイトMO8029(商標)、MO8060(商標);Columbianマグネタイト;MAPICO BLACKS(商標)および表面処理マグネタイト;PfizerマグネタイトCB4799(商標)、CB5300(商標)、CB5600(商標)、MCX6369(商標);Bayerマグネタイト、BAYFERROX 8600(商標)、8610(商標);Northern Pigmentsマグネタイト、NP−604(商標)NP−608(商標);Magnoxマグネタイト(商標)B−100(商標)または(商標)B−104(商標);等に言及できる。着色顔料としては、シアン、マゼンタ、黄、赤、緑、茶、青、またはそれらの混合物が選択されうる。通常、シアン、マゼンタ、または黄色顔料または染料またはそれらの混合物が使われる。前記顔料は、通常水系分散体として使用される。
【0049】
ワックス
任意に、トナー粒子の形成において、ワックスもまた前記樹脂と着色剤と混合されてもよい。前記ワックスは、単一種類のワックスまたは2種以上の異なるワックスの混合物を含んでいてもよいワックス分散体で提供されうる。
【0050】
含まれる場合、前記ワックスは、例えば、トナー粒子の約1重量%から約25重量%の量で存在しうるものの、ワックスの量はこの範囲外であってもよい。ワックス分散体が使用されるとき、前記ワックス分散体は、乳化凝集トナー組成物に通常用いられる任意の種々のワックスを含みうる。選択されうるワックス類は、例えば、平均分子量約500から約20,000を有するものを含む。
【0051】
中和剤
前記樹脂は、予備凝集混合物への溶解を増進させるために、弱塩基または緩衝剤と混合されてもよい。この中和剤は、前記樹脂の酸基を中和するために使用されうるので、本明細書の中和剤は、”塩基性中和剤”とも称されうる。任意の適切な塩基性中和試薬を使用してよく、かつ、無機塩基性中和剤と有機塩基性中和剤の両方を含んでもよい。適切な塩基性中和剤は、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、それらの組合せ、等が含まれうる。適切な塩基性中和剤はまた、1以上の窒素原子を有し、環の任意の炭素の位置で置換されていてもよい単環式化合物および多環式化合物も含みうる。
【0052】
上記の塩基性中和剤を、酸基を有する樹脂と組み合わせて用いることにより、中和率約25%から約300%が達成されうる。前記中和率は、前記樹脂に存在する酸基に対する、前記塩基性中和剤によって供給された塩基性基のモル比に100%を乗じて算出されうる。
【0053】
トナー製造
前記トナー粒子は、当業者の知識の範囲内で任意の方法によって製造されうる。トナー粒子製造に関する実施の形態は、EA法に関して後述しているが、米国特許第5290654号明細書および米国特許出願5302486号明細書に開示の、懸濁およびカプセル化法等の化学的方法を含む任意の適切なトナー粒子製造方法を用いてもよい。トナーは、バッチ反応器、マイクロリアクター、連続反応器、任意のその他の装置を用いた任意のその他の方法、またはそれらの組合せで製造されうる。
【0054】
実施の形態において、トナー組成物は、任意成分の着色剤、任意成分のワックス、および任意のその他の所望のまたは必要な試薬の混合物と、上述のように製造された樹脂を含むエマルションを、任意に上述の界面活性剤とともに凝集させ、その後前記凝集粒子混合物を融合させることを含む方法等のEA法によって製造されうる。得られる混合物のpHは、例えば酢酸、硝酸等の酸で、pH約2から約5に調節してもよい。
【0055】
樹脂、任意成分の着色剤、任意成分のワックス、任意成分の中和剤等を含むトナーを形成するための混合物の製造に続いて、粒子形成を増進させるために凝集剤を前記混合物に添加してもよい。任意の適切な凝集剤がトナー粒子を形成するために使用されうる。適切な凝集剤は、例えば、二価カチオンまたは多価カチオン物質の水溶液を含む。前記凝集剤は、例えば、無機カチオン性凝集剤、例えば、ポリハロゲン化アルミニウム類、例えば、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、または対応する臭化物、フッ化物、またはヨウ化物、ポリケイ酸アルミニウム類、例えば、ポリスルホケイ酸アルミニウム(PASS)、および、塩化アルミニウム、亜硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、臭化マグネシウム、塩化銅、硫酸銅、およびそれらの組合せを含む水溶性金属塩類でよい。実施の形態では、前記凝集剤は、前記樹脂のTg以下の温度で前記混合物に添加されうる。
【0056】
前記凝集剤は、トナー形成のために用いられる前記混合物に、例えば、前記混合物中の前記樹脂の約0.1重量%から約10重量%の量で添加されうる。
【0057】
前記粒子は、所望の粒径が得られるまで凝集する。粒径は、成長過程で、例えば、コールターカウンターを用いて、平均粒径について監視されうる。前記凝集は、前記高温を維持することにより、または、例えば約40℃から約100℃の温度にゆっくりと昇温し、前記混合物をその温度に約0.5時間から約6時間撹拌しながら維持することによって続行し、前記凝集粒子を提供しうる。
【0058】
前記トナー粒子の所望のサイズが達成されれば、前記混合物のpHは、塩基または緩衝剤でpH約3から約10に調節し、トナー成長を凍結、すなわち停止してもよい。使用される塩基は、任意の適切な塩基、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、それらの混合物等でよい。実施の形態では、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)等のキレート剤を添加して、pHを上記した所望の値に調節するのを促進してもよい。
【0059】
シェル樹脂
実施の形態では、凝集後、融合の前に、樹脂コーティングを前記凝集粒子に施し、その周りにシェルを形成してもよい。上述の、または、当技術分野で周知の任意の樹脂が前記シェルとして利用されうる。上述のポリエステル非晶性樹脂ラテックスが前記シェルに含まれてもよく、異なる樹脂と組み合わせられ、その後樹脂コーティングとして前記粒子に添加されてシェルを形成してもよい。
【0060】
前記シェル樹脂は、当業者の知識の範囲内で任意の方法によって前記凝集粒子に施されうる。前記シェルを形成するために使用される樹脂は、上述の任意の界面活性剤、当技術分野で周知の開始剤、分岐剤、伝導性化合物等を含むエマルションであってもよい。前記樹脂を有するエマルションは、凝集粒子の外部にシェルが生じるように、上述の凝集粒子と混合されてもよい。
【0061】
前記シェルは、前記ラテックス粒子の約10重量%から約40重量%の量で存在しうる。
【0062】
融合
前記所望の粒径までの凝集と、任意の任意成分のシェルの適用に続いて、前記粒子は、その後所望の最終形状に融合されてもよく、前記融合は、例えば、前記混合物を、トナー粒子を形成するために使用された前記樹脂のTgおよび/または融点またはそれより高温でありうる約45℃から約100℃の温度に加熱することによって達成される。融合は、約0.01から約9時間にわたって行われうる。
【0063】
凝集および/または融合ののち、前記混合物は室温(RT)、例えば約20℃から約25℃に冷却されうる。前記冷却は、要求に応じて迅速でもゆっくりでもよい。適切な冷却方法は、反応器の周囲のジャケットに冷水を導入することを含みうる。冷却後、前記トナー粒子は任意に水洗および続いて乾燥されてもよい。乾燥は、例えば、凍結乾燥を含む、乾燥のための任意の適切な方法によって行われうる。
【0064】
添加剤
前記トナー粒子は、正または負電荷制御剤を、例えば、トナーの約0.1から約10重量%の量で含んでいてもよい。適切な電荷制御剤の例として挙げられるのは、ハロゲン化アルキルピリジニウム類を含めて4級アンモニウム化合物;重硫酸塩類;米国特許第4298672号明細書に開示された化合物を含むアルキルピリジニウム化合物;米国特許第4338390号明細書に開示された組成物を含む有機スルフェートおよびスルホネート組成物;セチルピリジニウムテトラフルオロボレート;ジステアリルジメチルアンモニウムメチルスルフェート;アルミニウム塩類、例えば、ボントロンE84(商標)またはE88(商標)(オリヱント化学工業);それらの組合せ等である。
【0065】
流動添加剤もまた、前記トナー粒子と混合されうる。例として挙げられるのは、金属酸化物、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム類、酸化セリウム類、酸化錫、それらの混合物等;コロイドおよび非晶性シリカ類、例えば、AEROSIL(登録商標)、金属塩類およびステアリン酸亜鉛およびステアリン酸カルシウムを含めて脂肪酸金属塩類、または長鎖アルコール類、例えばUNILIN 700、およびそれらの混合物である。
【0066】
前記外部添加剤の各々は、前記トナーの約0.1重量%から約5重量%の量で存在しうるものの、添加剤の量はこれらの範囲外でもよい。
【0067】
実施の形態では、本開示のシェルを有する乾燥トナー粒子は、外部表面添加剤を除いて、以下の特性を有しうる:
(1)体積平均径(”体積平均粒子径”とも言う)が約3から約25μm;
(2)数平均幾何サイズ分布(GSDn)および/または体積平均幾何サイズ分布(GSDv)が約1.05から約1.55;および
(3)真円度が約0.93から約1、実施の形態では、約0.95から約0.99(例えば、Sysmex FPIA 2100分析器で測定)。
【0068】
実施の形態では、前記トナー粒子の最終的なサイズは、大きさが約8μm未満、約7μm未満、約6μm未満でありうる。
【0069】
トナー粒子の前記特性は、任意の適切な技術と装置、例えば、ベックマンコールターマルチサイザー3によって測定されうる。
【0070】
前記トナーは、電子写真、乾式電子写真、または当技術分野で周知のその他の画像装置で使用されうる。
【0071】
以下、本主題を限定されない実施例により詳細に説明する。別段の指示がない限り、部と百分率は重量による。
【実施例】
【0072】
ダウファックス(登録商標)2A1界面活性剤10gを乳酸エチル160gに10分間機械的に混合して分散させた。その後、非晶性樹脂6gをこの溶液に加え、樹脂の溶解が均質になるまでさらに30分間混合を続けた。続いて、この樹脂溶液を水と重量比1:4で混合し、ラテックスを得た。この粒子をNanotracでサイズについて測定したところ、D50が234nmで単峰性のピークを有していた。
【0073】
対照の試料は、MEKを溶剤とした同一の手順で得た。ラテックスは製造されず、樹脂は一つの黄色塊として凝固した。