(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6476113
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】化粧品塗布具、デバイス、および関連する方法
(51)【国際特許分類】
A45D 34/04 20060101AFI20190218BHJP
【FI】
A45D34/04 515A
A45D34/04 515Z
A45D34/04 510A
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-524754(P2015-524754)
(86)(22)【出願日】2013年7月29日
(65)【公表番号】特表2015-527127(P2015-527127A)
(43)【公表日】2015年9月17日
(86)【国際出願番号】EP2013065918
(87)【国際公開番号】WO2014019989
(87)【国際公開日】20140206
【審査請求日】2016年6月29日
(31)【優先権主張番号】1257497
(32)【優先日】2012年8月1日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】61/698,775
(32)【優先日】2012年9月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マリーヌ・ルアルド
【審査官】
山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】
意匠登録第1394954(JP,S)
【文献】
特開2010−131329(JP,A)
【文献】
特開2005−087635(JP,A)
【文献】
特開平11−222274(JP,A)
【文献】
特開2006−326320(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0020027(US,A1)
【文献】
特開2006−262984(JP,A)
【文献】
米国特許第06220254(US,B1)
【文献】
特表2013−529534(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0315647(US,A1)
【文献】
国際公開第2012/001580(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0214284(US,A1)
【文献】
特開2012−55548(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品を使用者の唇に塗布する化粧品塗布具(10;210)であって、
− 把持支持体(14)に取り付けられるための、中心軸(A−A’)を有する取付け先端部(22)と、
− 化粧品塗布具(10)の軸方向正中面に平行な平面内で見たときに、前記中心軸(A−A’)から離れるように進む局所軸を有する第1湾曲セグメント(40)を含む製品塗布本体部(24)と、
を備え、
前記製品塗布本体部(24)が、前記中心軸(A−A’)に近付く局所軸を有し、かつ前記第1湾曲セグメント(40)とともに、前記中心軸(A−A’)に向けて方向付けられた凹部を有する湾曲を備える肘部であって、化粧品を受けるための第1窪み領域(56)を構成する肘部を画定する第2湾曲中間セグメント(42)を有し、
前記製品塗布本体部(24)が、前記第2湾曲中間セグメント(42)とともに、化粧品を受けるための第2窪み領域(58)であって、第2窪み領域(58)が前記第1窪み領域(56)の反対側に位置付けられ、前記中心軸(A−A’)の反対側に方向付けられた凹部を有する第2窪み領域(58)を画定する第3端部セグメント(44)を有し、
前記製品塗布本体部(24)と前記取付け先端部(22)とが、単一部品として作成され、前記製品塗布本体部(24)が、実質的に前記製品塗布本体部(24)の外面の全体を覆う外面フロックを有し、
前記製品塗布本体部(24)が中央オリフィス(60)を有し、
前記中央オリフィス(60)は、閉じた輪郭を有し、前記第1湾曲セグメント(40)及び前記第2湾曲中間セグメント(42)を通じて延在していることを特徴とする、化粧品塗布具(10;210)。
【請求項2】
前記第3端部セグメント(44)が、前記中心軸(A−A’)に略平行に延在することを特徴とする、請求項1に記載の化粧品塗布具(10;210)。
【請求項3】
前記第3端部セグメント(44)が、前記第1湾曲セグメント(40)と同じ方向において、前記中心軸(A−A’)から離れるように進むことを特徴とする、請求項1に記載の化粧品塗布具。
【請求項4】
前記第2湾曲中間セグメント(42)が、前記中心軸(A−A’)と同一平面上にあるか、または交差することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧品塗布具(10;210)。
【請求項5】
前記製品塗布本体部(24)が、前記中心軸(A−A’)から横方向に離れて開口した側方切欠き(212)を画定することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧品塗布具(210)。
【請求項6】
前記製品塗布本体部(24)が、中央狭幅部(112)を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の化粧品塗布具。
【請求項7】
前記製品塗布本体部(24)が、拡幅中央領域(62)を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の化粧品塗布具(10;210)。
【請求項8】
前記中心軸(A−A’)を通る軸方向正中面の断面で、前記第1湾曲セグメント(40)の両縁部(51A、51B)が、同じ凹部に対して互いに平行に延在し、前記第2湾曲中間セグメント(42)の両縁部(55A、55B)が、有利には同じ凹部に対して互いに平行に延在し、前記第1湾曲セグメント(40)の前記両縁部(51A、51B)の前記凹部が、前記第2湾曲中間セグメント(42)の前記両縁部(55A、55B)の前記凹部とは反対側にあることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の化粧品塗布具(10;210)。
【請求項9】
前記製品塗布本体部(24)が、前記中心軸(A−A’)を通る対称面を有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の化粧品塗布具(10;210)。
【請求項10】
ユーザのケラチン表面に化粧品を塗布するデバイス(12)であって、
− 請求項1から9のいずれか一項に記載の化粧品塗布具(10;210)と、
− 把持支持体(14)であって、前記化粧品塗布具(10;210)の前記取付け先端部(22)が前記把持支持体(14)の中に受けられ、前記製品塗布本体部(24)が前記把持支持体(14)から延在する把持支持体(14)と、
を含むことを特徴とする、デバイス(12)。
【請求項11】
ケラチン表面に化粧品を塗布する方法であって、
− 請求項1から9のいずれか一項に記載の化粧品塗布具(10;210)を供給し、前記第1窪み領域(56)が前記化粧品を受けるステップと、
− 前記化粧品を載せるために、ユーザのケラチン表面に前記第1窪み領域(56)をあてがうステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項12】
前記供給ステップにおいて前記第2窪み領域(58)が前記化粧品を受け、
前記方法は、前記ユーザの前記ケラチン表面に前記第2窪み領域(58)をあてがって前記化粧品を載せるために、前記ケラチン表面に前記第1窪み領域(56)をあてがう前記ステップの後、前記化粧品塗布具(10;210)を反転させるステップを含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記化粧品がメイクアップ製品であり、前記方法が、化粧品を載せるために、前記ユーザの唇に前記化粧品塗布具(10;210)をあてがうステップを含むことを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
- 把持支持体に取り付けられることになる、中心軸を有する先端部と、
- 先端部と単一部品となった製品塗布本体部と、
を含む化粧品塗布具であって、この本体部が、塗布具の軸方向正中面に平行な平面内で見たときに、中心軸から離れるように進む局所軸を有する第1湾曲セグメントを含む、化粧品塗布具に関する。
【0002】
そのような塗布具は、たとえば、唇または皮膚など、ユーザのケラチン表面に化粧品を塗布するためのものである。化粧品とは、たとえば、メイクアップ製品、特にリップグロスである。
【0003】
より一般的には、「化粧品」とは、2009年11月30日の欧州議会および理事会の化粧品に関するEC規則第1223/2009号に定義された製品を意味する。
【0004】
この塗布具は、たとえば、把持支持体のロッドの端部に取り付けられる。把持支持体は、一般に化粧品貯蔵部内に受けられ、この貯蔵部内に塗布具が浸漬して収められている。
【0005】
既知の様式で、塗布具は、ロッドに差し込まれることになる先端部と、先端部と単一部品となった塗布本体部と、を備える。場合によっては、塗布本体部は、フロック加工されている。
【0006】
特許文献1および特許文献2には、ユーザの唇にメイクアップ製品を塗布するための上述のタイプの塗布具について記載されている。ユーザの唇の形状に合うように、この塗布本体部は、中心軸A-A'から離れるように進む局所軸を有する少なくとも1つの第1湾曲セグメントを含む。この第1セグメントによって、化粧品が受けられる窪み領域が画定されている。
【0007】
ユーザが貯蔵部から塗布具を引き抜き、窪み領域を唇と接触させると、その窪み領域に含まれていた化粧品が唇に載る。
【0008】
特許文献2に記載のデバイスは、完全に満足のいくものではない。確かに、第1セグメント、および窪み領域の形状は、ある量の化粧品を唇の広い表面に塗布するのに適している。しかし、この塗布具は、修整、または化粧品のより細かな塗布には適していない。
【0009】
特許文献3には、唇に製品を塗布するための別の塗布具について記載されている。特許文献4および特許文献5には、睫毛にマスカラを塗布するための塗布具用ブラシについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】WO2011/055299
【特許文献2】WO2011/043470
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0152419号
【特許文献4】FR2821532
【特許文献5】EP2229839
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の一目的は、化粧品を広い領域に塗布し、かつ細かい修整を実施することが何れも可能となる化粧品塗布具を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この趣旨で、本発明は、上述のタイプの塗布具であって、本体部が、中心軸に近付く局所軸を有し、かつ第1セグメントとともに第1窪み領域を画定する第2中間湾曲セグメントを有し、
本体部が、第1窪み領域とは反対側に、第2中間セグメントとともに第2窪み領域を画定する第3端部セグメントを有することを特徴とする、塗布具に関する。
【0013】
本発明による塗布具は、次の特徴の1つまたは複数を、単独で、または技術的に実施可能な任意の組合せで含むことができる。
- 第3セグメントは、中心軸に略平行に延在する。
- 第3セグメントは、中心軸から離れるように進む。
- 第3セグメントは、第1セグメントと同じ方向に、中心軸から離れるように進む。
- 第2セグメントは、中心軸と同一平面上にあるか、または交差する。
- 塗布本体部は、外面フロックを有する。
- 塗布本体部は、中央オリフィスを有する。
- 塗布本体部は、中実である。
- 塗布本体部は、中央狭幅部を有する。
- 塗布本体部は、拡幅中央領域を有する。
- 中心軸を通る軸方向正中面の断面で、第1セグメントの両縁部が、同じ凹部に対して互いに平行に延在し、第2セグメントの両縁部が、有利には同じ凹部に対して互いに平行に延在し、第1セグメントの両縁部の凹部が、第2セグメントの両縁部の凹部とは反対側にある。
- 塗布本体部は、中心軸を通る対称面を有する。
【0014】
本発明はまた、ユーザのケラチン表面に化粧品を塗布するデバイスであって、
- 上記で規定された塗布具と、
- 把持支持体であって、塗布具の先端部が把持支持体の中に受けられ、製品塗布本体部が把持支持体から突出する把持支持体と、
を含むことを特徴とする、デバイスに関する。
【0015】
本発明はまた、ケラチン表面に化粧品を塗布する方法であって、
- 上記で規定された塗布具を供給し、第1窪み領域が化粧品を受けるステップと、
- 化粧品を載せるために、ユーザのケラチン表面に第1窪み領域をあてがうステップと、
を含むことを特徴とする、方法に関する。
【0016】
本発明による方法は、次の特徴の1つまたは複数を、単独で、または技術的に実施可能な任意の組合せで含むことができる。
- 供給するステップにおいて第2窪み領域が化粧品を受け、この方法は、ユーザのケラチン表面に第2窪み領域をあてがい、化粧品を載せるために、ケラチン表面に第1窪み領域をあてがうステップの後、塗布具を反転させるステップを含む。
- 化粧品はメイクアップ製品であり、この方法は、化粧品を載せるために、ユーザの唇に塗布具をあてがうステップを含む。
【0017】
本発明は、単なる例として示す次の説明を、添付の図を参照しながら読めば、よりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明による第1塗布具の3/4斜視図である。
【
図4】本発明による第2塗布具の
図1に類似した図である。
【
図5】本発明による第2塗布具の
図2に類似した図である。
【
図6】本発明による第2塗布具の
図3に類似した図である。
【
図7】本発明による第3塗布具の
図2に類似した図である。
【
図8】本発明による第3塗布具の
図3に類似した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
塗布デバイス12に取り付けられた第1化粧品塗布具10が、
図1〜
図3に示されている。
【0020】
この塗布具は、リップグロス、アイシャドウ、ファンデーションなどの化粧用メイクアップ製品を塗布するため、または修整するためのものである。あるいは、塗布具10は、眼の周りのケア、またはキューティクルケアなどの美容ケア製品の塗布を目的とする。
【0021】
塗布具10とは別に、塗布デバイス12は、塗布具10を保持する把持支持体14と化粧品貯蔵部16とを備える。
【0022】
既知の様式で、把持支持体14は、ユーザの指の間で把持されることになる把手部材18と、把手部材18から突出したロッド20と、を備える。
【0023】
有利な実施形態では、把手部材18は、貯蔵部16を封止するキャップを成している。
【0024】
ロッド20は、塗布具10を受けるための軸方向ハウジングをその自由端に備えている。
【0025】
貯蔵部16は、化粧品を収容している。貯蔵部16は、有利には、塗布具10が貯蔵部16から引き抜かれるときに塗布具10をぬぐう(clean)ように塗布具10と協働するのに適した圧搾(squeezing)デバイス(図示せず)を備えている。
【0026】
図2および
図3に示すように、塗布具10は、把持支持体14内の取付け先端部22と、把持支持体14から突出した製品塗布本体部24と、を備える。
【0027】
この例では、塗布具10はまた、先端部22と塗布本体部24との間に配置された中間補強部(intermediate bracing portion)26を備える。
【0028】
先端部22は、
図2および
図3に縦方向に示す、軸A-A'の周りの略回転体形状を有する。
【0029】
図2および
図3に示す例では、先端部22は概ね円柱の形状を有する。
【0030】
中間部26は、先端部22から軸方向に突出している。中間部26は、先端部22を塗布本体部24に連結させている。この例では、中間部26は、正面から見て、軸A-A'から横方向に離れるように進む形状を有する。中間部26は、先端部22とともに、把持支持体14の下側補強肩部28を画定している。
【0031】
塗布本体部24は、たとえば、成型によって、または機械加工によって得られる。塗布本体部24は、たとえば、プラスチック材料、または金属材料で作成される。
【0032】
特に、塗布本体部24は、熱可塑性材料の射出成型によって単一部品として作成される。有利には、本体部24、先端部22、および存在する場合には中間部26は、材料の単一部品として一体に作成される。
【0033】
塗布本体部24は、外側フロックを備えている。このフロックは、複数の細かい繊維を、塗布本体部24の外面に付着させることによって形成されている。
【0034】
これらの繊維は、塗布本体部24の最大厚さの少なくとも1/10未満の直径を有し、塗布本体部24の最大厚さの1/10未満の長さを有する。
【0035】
したがって、フロックを形成している繊維の長さは、たとえば、0.2mm〜3mmの間、有利には1.5mm未満である。フロックを形成している繊維の繊度(the number of the fibers)は、一般に0.75dTex〜50dTexの間、有利には1dTex〜5dTexの間である。
【0036】
図2および
図3に示す例では、フロックは、実質的に本体部24の外面の全体を覆っている。
【0037】
本発明によれば、塗布本体部24は、本体部24の軸方向正中面に平行な平面の側面視において、中心軸A-A'から離れるように進む局所軸を有する第1湾曲セグメント40と、中心軸A-A'に近付く局所軸を有する第2湾曲中間セグメント42と、第3端部セグメント44と、を有する。
【0038】
この例では、第1セグメント40は、中心軸A-A'上に位置する近位端46と、中心軸A-A'から横方向に離れて位置する遠位端48と、を有する。
【0039】
第1セグメント40は、凹部が中心軸A-A'から離れる方向に向かう湾曲を有する。したがって、第1セグメント40は、第1セグメント40の湾曲中心50と軸A-A'との間に位置する。
【0040】
軸方向正中面に平行な平面に投影すると、第1セグメント40は、互いに略平行な2つの湾曲側縁部51A、51Bを有する。
【0041】
中間セグメント42は、中心軸A-A'に近付く局所軸を有する湾曲を有する。
【0042】
図3に示す例では、中間セグメント42は、第1セグメント40の遠位端48から延在し、中心軸A-A'近傍に、または中心軸A-A'上に位置する遠位端52をする。
【0043】
中間セグメント42は、凹部が中心軸A-A'から離れるように向かう湾曲を有する。したがって、第2セグメント42は、前記セグメント42の湾曲中心54と中心軸A-A'との間に位置する。
【0044】
軸方向正中面に平行な平面に投影すると、第2セグメント42は、互いに略平行な2つの湾曲側縁部55A、55Bを有する。
【0045】
この例では、第1セグメント40および第2セグメント42は、遠位端48で、中心軸A-A'の方に向かう凹部を有する湾曲を備える肘部51を互いに画定している。
【0046】
したがって、第1セグメント40と第2セグメント42とは、軸A-A'とセグメント40および42との間に位置する、化粧品を受けるための第1窪み領域56を画定している。
【0047】
第3セグメント44は、第2セグメント42の遠位端52から延在する。
【0048】
図3に示す例では、第3セグメント44は、中心軸A-A'に沿って略直線的に延在する。第3セグメント44は、この例では、軸A-A'に沿って測ると、第2セグメント42の長さよりも短く、かつ第1セグメント40の長さよりも短い長さを有する。
【0049】
第2セグメント42および第3セグメント44は、第1窪み領域56とは反対側に、化粧品を受けるための第2窪み領域58を互いに画定している。第2窪み領域58は、軸A-A'とは反対に向かう凹部を有する。
【0050】
正面から見て、塗布本体部24は、概ね中空のプレート形状を有する。塗布本体部24は、そこを貫通する中央オリフィス60を有する。
【0051】
したがって、本体部24はその厚さよりも大きい幅を有する。
【0052】
塗布本体部24は、
図2の下から上へ、第1セグメント40および第2セグメント42によって形成された近位部分62と、第3セグメント44によって形成された遠位部分64と、を含む。遠位部分64は、軸A-A'の方へと収束している。
【0053】
オリフィス60は、近位部分62に、第1セグメント40および第2セグメント42を貫通して延在している。オリフィス60は、閉じた輪郭を有する。
【0054】
軸A-A'を通る平面に投影した正面から見て、オリフィス60は、一般に、塗布本体部24の全長の20%〜80%の間の長さ、有利には30%の長さを有する。
【0055】
塗布本体部24は、中心軸A-A'を通る対称面を備える。
【0056】
塗布本体部24は、触れると変形可能であるように可撓性である。したがって、塗布本体部24は、先端部22に対して中心軸A-A'に垂直な軸の周りでねじることによって変形可能である。
【0057】
次に、本発明による第1塗布具10の動作について説明する。
【0058】
まず、ユーザは、把持支持体14を用いて、化粧品が充填された塗布具10を容器16から引き抜く。
【0059】
塗布本体部24の外面にあるフロックによって、特に領域56および58に化粧品が保持される。
【0060】
次いで、ユーザは、ケラチン表面へ、特にはユーザの唇へ塗布本体部24を向ける。ユーザは、ある量の化粧品をケラチン表面のかなりの範囲にわたって配置するように、ケラチン表面を第1窪み領域56に入れ込む。
【0061】
次いで、ユーザは、塗布本体部24をケラチン表面に対して動かすように把手部材18を操作し、化粧品が塗布されるのを可能にする。
【0062】
ユーザがより細かい塗布、または修整を施したい場合は、ユーザは、第2窪み領域58がケラチン表面と向かい合うように塗布具10を反転させる。次いで、ユーザは、第3セグメント44を用いて、ケラチン表面に、より少量の化粧品をより高い精度で塗布する。
【0063】
したがって、塗布具10は特に使用が簡単であり、かつユーザのニーズに従って製品を自在に塗布することを可能にする。
【0064】
本発明による第2塗布具110が、
図4〜
図6に示されている。
【0065】
図1〜
図3に示す塗布具10とは異なり、塗布具110は、全体が変形したロッド形状を有する。塗布具110は、中実本体部によって形成されている。
【0066】
上記のように、第1セグメント40は、側面視において、中心軸A-A'から離れるように進む局所軸を有する。しかし、第1塗布具10とは異なり、第1セグメント40の湾曲は、中心軸A-A'の方に向かう凹部を有する。したがって、中心軸A-A'は、湾曲中心50と、セグメント40との間に位置する。
【0067】
上記のように、軸方向正中面に投影すると、第1セグメント40の側縁部51Aと51Bとは互いに略平行である。
【0068】
第1塗布具10とは異なり、第2セグメント42は、中心軸A-A'と交差する局所軸を有する湾曲を有する。セグメント42の湾曲は、中心軸A-A'の方に向かう凹部を有する。したがって、中心軸A-A'は、第2セグメント42の長さの少なくとも一部分にわたって、セグメント42と湾曲中心54との間に位置する。
【0069】
さらに、第1塗布具10とは異なり、塗布具110の第3セグメント44は、湾曲している。第3セグメント44は、中心軸A-A'から離れるように進む局所軸を有する湾曲を有する。第3セグメント44の湾曲の凹部は、中心軸A-A'とは反対に向かう。
【0070】
上記のように、第1窪み領域56は、第1セグメント40と第2セグメント42との間に画定されている。第2窪み領域58は、第2セグメント42と第3セグメント44との間に画定されている。
【0071】
正面から見て、第1塗布具10とは異なり、塗布具110の近位部分62は、遠位部分64の最大幅lm2よりも小さく、かつ近位部分62の最大幅lm1よりも小さい幅l1の中央狭幅部112を有する。
【0072】
中央狭幅部の最小幅l1は、たとえば、近位部分の最大幅lm1の10%〜85%の間であり、かつ遠位部分64の最大幅lm2の10%〜85%の間である。
【0073】
一例では、l1は1.5mm〜3mmの間、たとえば約2mmであり、lm1は、2mm〜5mmの間、たとえば約3.5mmであり、lm2は、2mm〜5mmの間、たとえば約3.5mmである。
【0074】
さらに、第2塗布具110の動作は、第1塗布具10の動作と同等のものである。
【0075】
側面視において、本発明による塗布具10、110の二重湾曲によって、窪み領域56、58に、本質的にあまり圧搾されない貯蔵領域を形成することによって、塗布具10、110を少なくとも2つの向きで直観的に使用することが可能となる。
【0076】
この形状によって、塗布具10、110を快適に使用できる融通性が与えられる。
【0077】
これらの塗布具10、110は、成型し、次いでフロック加工を施すことによって簡単に作製される。これらの塗布具10、110は、特にユーザの唇にグロスまたは口紅を塗布するのに適しているが、アイシャドウ塗布具として、または眼の周りのケア、キューティクルケア、もしくはファンデーション用の塗布具として、または修整のために使用することができる。
【0078】
本発明による第3塗布具210が、
図7および
図8に示されている。この塗布具210は、
図2〜
図3に示す塗布具10の均等物である。
【0079】
塗布具10と同様に、この塗布具210は、中心軸A-A'から離れるように進む局所軸を有する第1湾曲セグメント40と、中心軸A-A'に近付く局所軸を有する第2中間湾曲セグメント42と、この例では、中心軸A-A'に沿って略直線的に延在する第3端部セグメント44と、を有する。
【0080】
塗布具210の塗布本体部24は、上述の塗布具10の外面フロックと同じタイプの外面フロックを備えている。
【0081】
このフロックは、実質的に塗布本体部24の外面の全体を覆っている。
【0082】
「実質的に…全体を」とは、有利には、フロックが本体部24の外面の90%超、特には95%超を覆っていることを意味する。
【0083】
正面から見て、本体部24は、中央オリフィス60がそこを貫通している概ね中空のプレート形状を有する。
【0084】
塗布具10とは異なり、塗布本体部24は、この場合、正面から見て略菱形の外形輪郭を有する。
【0085】
したがって、塗布本体部24は、第1セグメント40と第2セグメント42の一部分とを備えるV形の近位部分62と、第2セグメント42の第2部分と第3セグメント44とによって形成された逆V形の遠位部分64と、を有する。
【0086】
塗布本体部24には、その外形輪郭上に、切欠き212が横方向に画定されている。この切欠き212は、有利には、近位部分62と遠位部分64との間の、キャビティ60の中間部とは反対側に位置する。
【0087】
切欠き212は、軸A-A'から横方向に離れて開口している。
【0088】
塗布本体部24はまた、切欠き212とは反対側に、キャビティ60内に軸A-A'の方へと横方向に突出した内方突出部214を備える。
【0089】
さらに、第3塗布具210の動作は、第1塗布具10の動作と同等のものである。
【符号の説明】
【0090】
10 第1化粧品塗布具
12 塗布デバイス
14 把持支持体
16 化粧品貯蔵部
18 把手部材
20 ロッド
22 取付け先端部
24 製品塗布本体部
26 中間補強部分
28 下側補強肩部
40 第1湾曲セグメント
42 第2湾曲中間セグメント
44 第3端部セグメント
46 近位端
48 遠位端
50、54 湾曲中心
51 肘部
51A、51B、55A、55B 湾曲側縁部
52 遠位端
56 第1窪み領域
58 第2窪み領域
60 中央オリフィス
62 近位部分、拡幅中央領域
64 遠位部分
110 第2塗布具
112 中央狭幅部
210 第3塗布具
212 切欠き
214 内方突出部