(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記粘着テープ(T)は、前記被貼付体(L)に対する貼付面(T1)が前記テープ案内ローラ(11)の外周面(11p)に接触する態様で、前記テープ案内ローラ(11)に対してローラ軸線(11x)周りの一方の向きに架設されるとともに、前記被貼付体(L)に対する前記貼付面(t1)とは逆側の面(p1)が前記テープ貼付ローラ(12)の外周面(12p)に接触する態様で、前記テープ貼付ローラ(12)に対してローラ軸線(12x)周りの他方の向きに架設されることを特徴とする請求項1又は2に記載のテープ貼付ユニット。
前記テープ案内ローラ(11)と前記テープ貼付ローラ(12)が前記被貼付体(L)の表面に沿った方向に配列されるとともに、前記テープ貼付ローラ(12)の外周面(12p)が前記テープ案内ローラ(11)の外周面(11p)よりも前記被貼付体(L)の側に配置され、
前記粘着テープ(T)は、前記テープ案内ローラ(11)の前記外周面(11p)の前記被貼付体(L)とは反対側の部分上を通過した後に、前記テープ貼付ローラ(12)の前記外周面(12p)の前記被貼付体(L)側の部分により前記被貼付体(L)に貼り付けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のテープ貼付ユニット。
前記クランプ部材(13)は、前記固定位置(13F)に配置されたときに、前記テープ案内ローラ(11)の外周面(11p)上に配置された前記粘着テープ(T)の被案内領域(Ts)の下流端よりも上流側にずれた位置にあるテープ部分(Tv)に対して挟圧力を与えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のテープ貼付ユニット。
前記テープ貼付ローラ(12)に対して前記粘着テープ(T)の引き出し側に隣接して配置され、前記被貼付体(L)上に前記粘着テープ(T)を押し付ける押付位置(16P)、及び、前記被貼付体(L)から離反した離反位置(16S)のいずれかに選択的に配置可能に構成されるテープ押付ローラ(16)をさらに具備することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のテープ貼付ユニット。
前記テープ押付ローラ(16)は、前記テープ貼付ローラ(12)に対して前記テープ案内ローラ(11)とは反対側に離間した位置から前記テープ貼付ローラ(12)に向けて伸びる回動アーム(16a)の先端に軸支されていることを特徴とする請求項6に記載のテープ貼付ユニット。
前記貼付ブロック(15)が前記離反位置(15S)に配置されるとともに前記テープ案内ローラ(11)と前記クランプ部材(13)が前記粘着テープ(T)を挟持して前記供給経路(Fp)に沿った方向に固定したときに、前記テープ貼付ローラ(12)と前記被貼付体(L)との間に架設された前記粘着テープ(T)の架設部分(Tp)を切断するテープ切断手段(17)をさらに具備することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のテープ貼付ユニット。
上記のテープ貼付ユニット(110)と、前記被貼付体(L)を支持する支持台(101)と、前記テープ貼付ユニット(110)を前記支持台(101)に対して相対的に駆動するユニット駆動機構(150)と、を具備することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のテープ貼付装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の特許文献2に記載されたテープ貼付装置では、粘着テープTをクランプヘッド168によってクランプすることによって粘着テープTの貼付精度を確保することができるものの、クランプヘッド168がテープ貼付ローラ176に対してテープ支持ローラ157との間に配置されたり、テープ支持ローラ157とは反対側に配置されたりするといった複雑な動作を実現しなければならないとともに、このクランプヘッド168が粘着テープTをクランプするとともに切断できるように構成するために構造が複雑になり、テープ貼付ユニットの小型化や軽量化が難しくなるという問題点がある。特に、近年においては、製造ラインの自動化を図るために、粘着テープを用いて微細な部品や大量の部品を取り付けることが多くなってきているため、製造ラインの中にテープ貼付ユニットを組み込む必要がある。しかし、大型で重量の大きなテープ貼付ユニットをロボットアームなどの駆動機構の先端に取り付けることは難しく、特に、このようなテープ貼付ユニットを製造工程において高速に動作させることは事実上不可能である。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、小型化や軽量化を図ることのできるテープ貼付ユニットを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
斯かる実情に鑑み、本発明のテープ貼付ユニットは、粘着テープ(T)を被貼付体(L)に貼り付けるためのテープ貼付ユニット(110)であって、前記粘着テープ(T)を供給経路(Fp)に沿って案内するテープ案内ローラ(11)と、前記被貼付体(L)に対して前記粘着テープ(T)を貼り付けるテープ貼付ローラ(12)と、前記テープ案内ローラ(11)との間で前記粘着テープ(T)を挟持することにより前記粘着テープ(T)を前記供給経路(Fp)に沿った方向に固定可能な固定位置(13F)、及び、前記粘着テープ(T)を解放し、前記粘着テープ(T)を前記供給経路(Fp)に沿って供給可能とする解放位置(13R)のいずれかに選択的に配置可能に構成されるクランプ部材(13)と、前記テープ案内ローラ(11)、前記テープ貼付ローラ(12)及び前記クランプ部材(13)を相対的な位置関係が保持される態様で搭載するとともに、前記テープ貼付ローラ(12)により前記被貼付体(L)に対して前記粘着テープ(T)が貼り付け可能とされる接近位置(15C)、及び、前記テープ貼付ローラ(12)が前記被貼付体(L)から離反する離反位置(15S)のいずれかに選択的に配置可能に構成される貼付ブロック(15)と、を具備することを特徴とする。
【0009】
本発明において、前記粘着テープ(T)は、前記被貼付体(L)に対する貼付面(t1)が前記テープ案内ローラ(11)の外周面(11p)に接触する態様で、前記テープ案内ローラ(11)に対してローラ軸線(11x)周りの一方の向きに架設されるとともに、前記被貼付体(L)に対する前記貼付面(t1)とは逆側の面(p1)が前記テープ貼付ローラ(12)の外周面(12p)に接触する態様で、前記テープ貼付ローラ(12)に対してローラ軸線(12x)周りの他方の向きに架設されることが好ましい。この場合において、前記テープ案内ローラ(11)と前記テープ貼付ローラ(12)が前記被貼付体(L)の表面に沿った方向に配列されるときには、例えば、前記粘着テープ(T)は、前記テープ案内ローラ(11)の外周面(11p)の前記貼付体(L)の反対側の部分(上側部分)上を通過した後に、前記テープ貼付ローラ(12)の外周面(12p)の前記貼付体(L)側の部分(下側部分)により前記被貼付体(L)に貼り付けられる。
【0010】
本発明において、前記テープ案内ローラ(11)と前記テープ貼付ローラ(12)が前記被貼付体(L)の表面に沿った方向に配列されるとともに、前記テープ貼付ローラ(12)の外周面(12p)が前記テープ案内ローラ(11)の外周面(11p)よりも前記被貼付体(L)の側に配置され、前記粘着テープ(T)は、前記テープ案内ローラ(11)の前記外周面(11p)の前記被貼付体(L)とは反対側の部分(上側部分)上を通過した後に、前記テープ貼付ローラ(12)の前記外周面(12p)の前記被貼付体(L)側の部分(下側部分)により前記被貼付体(L)に貼り付けられることが好ましい。
【0011】
本発明において、前記クランプ部材(13)は、前記テープ案内ローラ(11)の外周面(11p)上に配置された前記粘着テープ(T)の被案内領域(Ts)の下流端よりも上流側にずれた位置にあるテープ部分(Tv)に対して挟圧力を与えることが好ましい。この場合に、前記クランプ部材(13)は、前記テープ案内ローラ(11)のローラ軸線(11x)に向けて前記挟圧力を与えることが望ましい。
【0012】
本発明において、前記クランプ部材(13)は、前記テープ案内ローラ(11)に対して前記被貼付体(L)とは反対側に配置されるとともに、前記テープ案内ローラ(11)の前記ローラ軸線(11x)に平行な回動軸線(13x)と、前記固定位置(13F)に配置されたときに前記回動軸線(13x)よりも前記テープ案内ローラ(11)の側にある前記クランプ部材(13)の部分に、前記粘着テープ(T)の供給される向きに回動することによって、前記クランプ部材(13)が前記固定位置(13F)に配置されたときに前記テープ案内ローラ(11)の外周面(11p)上にあるテープ部分(Tv)に当接して、前記テープ案内ローラ(11)の前記外周面(11p)との間で前記粘着テープ(T)を挟圧するように構成された挟圧部(13s)と、を備えることが望ましい。この場合において、前記クランプ部材(13)は、前記解放位置(13R)に配置されたときに前記供給経路(Fp)の前記テープ案内ローラ(11)から前記テープ貼付ローラ(12)に向かう部分に沿った面形状を備える案内部(13g)をさらに備えることが好ましい。この場合にはさらに、前記クランプ部材(13)が前記解放位置(13R)に配置されているときに、前記挟圧部(13s)は、前記粘着テープ(T)の前記供給経路(Fp)の前記テープ案内ローラ(11)から上流側の部分に沿った形状を備えることが望ましい。このようなクランプ部材(13)は、前記回動軸線(13x)を中心とし、前記挟圧部(13s)と前記案内部(13g)を半径部分とする扇状の外縁形状若しくは断面形状を備えることによって構成することができる。
【0013】
本発明において、前記テープ貼付ローラ(12)に対して前記粘着テープ(T)の引き出し側に隣接して配置され、前記被貼付体(L)上に前記粘着テープ(T)を押し付ける押付位置(16P)、及び、前記被貼付体(L)から離反した離反位置(16S)のいずれかに選択的に配置可能に構成されるテープ押付ローラ(16)をさらに具備することが好ましい。このテープ押付ローラ(16)は、上記押付位置(16P)において、粘着テープ(T)の末端部(Td)の貼付動作を実行する。また、以下のテープ切断手段(17)による粘着テープ(T)の切断のために、貼付ブロック(15)が離反位置(15S)に配置されているときにテープ貼付ローラ(12)との間で粘着テープ(T)の架設部分(Tp)を形成する。
【0014】
本発明において、前記テープ押付ローラ(16)は、前記テープ貼付ローラ(12)に対して前記テープ案内ローラ(11)とは反対側に離間した位置から前記テープ貼付ローラ(12)に向けて伸びる回動アーム(16a)の先端に軸支されていることが好ましい。
【0015】
本発明において、前記貼付ブロック(15)が前記離反位置(15S)に配置されたときに前記テープ貼付ローラ(12)と前記被貼付体(L)との間に架設された前記粘着テープ(T)の架設部分(Tp)を切断するテープ切断手段(17)をさらに具備することが好ましい。このとき、前記テープ切断手段(17)による切断動作時には前記テープ案内ローラ(11)と前記クランプ部材(13)が前記粘着テープ(T)を挟持して前記供給経路(Fp)に沿った方向に固定することが望ましい。また、前記架設部分(Tp)は、前記テープ貼付ローラ(12)と前記テープ押付ローラ(16)の間に架設された部分であることが望ましい。
【0016】
本発明において、前記粘着テープ(T)は両面粘着テープであり、前記粘着テープ(T)の少なくとも片面には剥離シート(P)が貼着され、前記剥離シート(P)を回収する剥離シート回収手段(116)をさらに具備し、前記剥離シート(P)は、前記テープ貼付ローラ(12)の外周面(12p)上で前記粘着テープ(T)から剥離されることにより分離され、前記剥離シート回収手段(116)により回収されることが好ましい。
【0017】
本発明のテープ貼付装置(100)は、上記のテープ貼付ユニット(110)と、前記被貼付体(L)を支持する支持台(101)と、前記テープ貼付ユニット(110)を前記支持台(101)に対して相対的に駆動するユニット駆動機構(150)と、を具備する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、テープ貼付ユニットの小型化や軽量化を図ることができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、添付図面を参照して本発明に係るテープ貼付ユニットの実施形態について詳細に説明する。最初に、
図1及び
図2を参照して、本実施形態のテープ貼付ユニット110の全体構成の概略を説明する。本実施形態のテープ貼付ユニット110は、両面テープである粘着テープTを被貼付体Lに貼り付けるための貼付機構である。
【0021】
テープ貼付ユニット110は、軸線110xに沿って上方へ伸びる支持軸111によって支持された本体部112と、この本体部112の前面側に配置され、前面カバー113に覆われたテープ貼付機構114と、テープ貼付機構114に対して粘着テープTを供給するテープ供給機構115と、テープ貼付機構114から粘着テープTに貼着されていた剥離シートP(剥離紙、ライナーなど)を回収する剥離シート回収機構116とを具備している。なお、粘着テープT及び剥離シートPについては、
図1の拡大図(A)に示してある。粘着テープTは、表裏両面に粘着層が露出してなる両面粘着テープであり、好ましくは、基材層の両面に粘着層が形成されたものである。一方、剥離シートPは、一般的には剥離紙と呼ばれるものであり、多くの場合、粘着テープTの外面側に貼着された形のロール形態で供給される。剥離シートPが貼着されている状態では、粘着テープTの被貼付体Lに対する貼付面t1は粘着面であり、その逆側の面p1は剥離シートPの表面であるから非粘着面である。
【0022】
本体部112においては、テープ貼付ユニット110の全体を制御する制御部と、この制御部によって制御される貼付機構駆動部とが筐体の内部に収容されている。貼付機構駆動部は、後述するクランプ部材13を回動させるエアシリンダ14Aとリンク14Bなどからなる回動駆動部13cと、後述する貼付ブロック15を本体部112に対して上下方向に駆動して離反位置15Sと接近位置15Cのいずれかに選択的に配置するエアシリンダなどからなる上下駆動部(図示せず。)と、後述する回動アーム16aを介してテープ押付ローラ16を回動させ、テープ押付ローラ16を離反位置16Sと押付位置16Pのいずれかに選択的に配置するエアシリンダとリンクなどからなる回動駆動部(図示せず。)と、後述するテープ切断機構17を出没方向に駆動するエアシリンダなどからなる切断駆動部17cとを備えている。
【0023】
また、上記テープ供給機構115は、粘着テープTの巻取りロールを装着する供給リール117と、この供給リール117の回転軸に所定の回転抵抗を付与するスリップクラッチなどの回転抵抗付与器118と、供給リール117から引き出された粘着テープTに所定のテンションを付与するテンションローラ119と、このテンションローラ119から引き出された粘着テープTをテンションローラ119の回動位置に拘わらず一定位置から供給するためのテープ供給ローラ120とを備えている。
【0024】
一方、上記剥離シート回収機構116は、後述するテープ貼付ローラ12において粘着テープTから剥離され、分離された剥離シートPを、回収ローラ127を介して巻き取って回収する回収リール121と、この回収リール121の回転軸に接続されたスリップクラッチからなる回転伝達部122と、この回転伝達部122に接続された出力側プーリ123と、この出力側プーリ123に対して駆動ベルト124を介して接続された入力側プーリ125と、この入力側プーリ125を回転駆動する駆動モータ126とを備えている。この剥離シート回収機構116では、駆動モータ126により回収リール121が回転駆動され、これによって剥離シートPが巻き取られる。このため、粘着テープTが供給可能な状態にあれば、回収リール121の回転に供給リール117が連れ回ることによって粘着テープTが引き出されるようになっている。しかし、粘着テープTに或る程度の引き出し抵抗が付与されると、剥離シートPの巻取抵抗が大きくなって、回収リール121の回転抵抗が予め設定された値を越えると、回転伝達部122が滑って駆動モータ126の回転駆動力が伝達されなくなり、回収リール121が停止するように構成されている。
【0025】
次に、上記テープ貼付機構114について詳細に説明する。テープ貼付機構114には、図示上下方向に移動可能に構成された貼付ブロック15が設けられている。貼付ブロック15は、上記テープ供給ローラ120から供給された粘着テープTを下方より支持し、案内するテープ案内ローラ11と、このテープ案内ローラ11に対して粘着テープTの供給側(図示左側)に配置されるとともに、上記テープ案内ローラ11の外周面11pよりも下方に配置された外周面12pを備えるテープ貼付ローラ12と、テープ案内ローラ11に対して、粘着テープTの供給側(図示左側)にずれた斜め上方にある位置に配置されたクランプ部材13と、をそれぞれ相互の位置関係が保持される態様で軸支している。具体的には、テープ案内ローラ11及びテープ貼付ローラ12はそれぞれ上記位置でローラ軸線11x、12x(ローラ軸線12xは図示せず。)の周りを回転可能に軸支され、クランプ部材13は上記回転駆動部13cにより回動軸線13xの周りを回動可能となるように軸支されている。
【0026】
テープ供給リール117から引き出された粘着テープT及び剥離シートPは、テンションローラ119及びテープ供給ローラ120を介して図示左側に進み、テープ案内ローラ11の外周面11pの上側部分上を通過し、その後、テープ貼付ローラ12の外周面12pの下側部分上を通過する。そして、テープ貼付ローラ12の外周面12pの下側部分上で粘着テープTと剥離シートPが剥離して分離され、剥離シートPはテープ貼付ローラ12から上記回収ローラ127を経て回収リール121に巻き取られる。粘着テープTはテープ貼付ローラ12により被貼付体Lに貼着されるが、その詳細な貼付手順は後述する。
【0027】
貼付ブロック15は、上記上下駆動部により、被貼付体Lから離反した離反位置15Sと、被貼付体Lに接近した接近位置15Cとのいずれかに選択的に配置される。なお、離反位置15Sは、テープ貼付ローラ12が被貼付体Lの表面から離反し、一定の高さに配置されるように予め設定されていることが好ましい。一方、接近位置15Cは、テープ貼付ローラ12が被貼付体Lに接することのできる位置に設定される必要があるが、被貼付体Lの表面には凹凸が存在する可能性があり、また、当該表面が傾斜している場合もあることから、テープ貼付ユニット110全体が被貼付体L(下方)に向けて、ばねなどにより押し付けられた状態とされ、テープ貼付ローラ12が被貼付体Lの表面に圧接されるとともに当該表面に沿って或る程度の範囲において上下に追随するように構成されることが望ましい。
【0028】
クランプ部材13は、貼付ブロック15に対して回転可能に搭載されたエアシリンダなどの駆動手段14Aと、この駆動手段14Aの出力軸に回転可能に連結されたリンク14Bを含む回動駆動部13cによって、所定の角度範囲で回動駆動される。これにより、クランプ部材13は、テープ案内ローラ11の外周面11pとの間で粘着テープT及び剥離シートPを挟圧して、粘着テープTの供給経路Fpに沿った方向に固定する固定位置13Fと、テープ案内ローラ11の外周面11p上の粘着テープT及び剥離シートPから離反して、粘着テープT及び剥離シートPを解放し、自由に引き出し可能な状態とする解放位置13Rとのいずれかに配置される。すなわち、駆動手段14Aの駆動ロッドが突出すると、当該駆動手段14Aと、前記駆動ロッドに連結されたリンク14Bとの屈折角度が大きくなってクランプ部材13が固定位置13Fとされ、駆動手段14Aの駆動ロッドが引き込まれると、駆動手段14Aとリンク14Bとの屈折角度が小さくなってクランプ部材13が解放位置13Rとされる。固定位置13Fでは、
図1の拡大図(B)に点線で示すように、クランプ部材13に設けられた挟圧部13sがテープ案内ローラ11の外周面11p上の粘着テープT及び剥離シートPに当接し、外周面11pとの間でテープ部分Tvを挟圧して粘着テープT及び剥離シートPを固定する。
【0029】
ここで、クランプ部材13の挟圧部13sは、テープ案内ローラ11の外周面11p上に配置された粘着テープTの被案内領域Tsの下流端よりも上流側にあるテープ部分Tvを外周面11pとの間で挟圧し、固定する。ここで、前記テープ部分Tvは、クランプ部材13が固定位置(13F)に配置されたときに、テープ案内ローラ11の外周面11p上に配置されている部分であれば足りる。したがって、クランプ部材13が解放位置(13R)にあるときには、テープ部分Tvは、外周面11p上に配置される部分、すなわち、被案内領域Tsでなくてもよい。いずれにしても、テープ部分Tvは、被案内領域Tsの下流端よりも上流側にずれた位置に設けられる。なお、このとき、テープ案内ローラ11の外周面11pには粘着テープTの貼付面t1が当接し、クランプ部材13の挟圧部13sは粘着テープTに貼着された剥離シートPの表面p1に当接する。当該表面p1は非粘着面である。
【0030】
クランプ部材13は、
図1の拡大図(B)に示すように、回動軸線13xを中心とした扇形状の断面形状を有し、上記挟圧部13sと、回動軸線13xの周りに回転する方向に見て、挟圧部13sと対面する案内部13gとを備えている。すなわち、上記挟圧部13sと案内部13gを半径とする扇形状の外周形状(或いは、断面形状)を備えている。クランプ部材13が上記解放位置13Rに配置されているとき、挟圧部13xと案内部13gは、テープ案内ローラ11の外周面11p上に配置された粘着テープTの被案内領域Tsの前後の供給経路Fpに沿った経路方向に沿う面形状を備えている。
【0031】
テープ押付ローラ16は、テープ貼付ローラ12に対して、テープ案内ローラ11とは反対側に離間した位置から、テープ貼付ローラ12に向けて伸びる回動アーム16aの先端に回転可能に軸支されている。回動アーム16aは上記回動駆動部によって所定角度だけ回動するように構成され、この回動により、テープ押付ローラ16は、被貼付体Lに当接する押付位置16Pと、被貼付体Lから離反する離反位置16Sとのいずれかに選択的に配置される。なお、テープ押付ローラ16は、押付位置16Pに配置されているときに、被貼付体Lに対してばねなどによって押し付けられた状態とされ、これによって、被貼付体Lの表面に凹凸があったり当該表面が傾斜していたりしても、テープ押付ローラ16が或る程度の範囲内で上記表面に追従しながら被貼付体Lに対する押付力を維持できるようになっている。
【0032】
テープ切断機構17は、上記切断駆動部17cによって斜め下方に突出し、離反位置15Sに配置されたテープ貼付ローラ12と、押付位置16Pに配置されたテープ押付ローラ16(によって被貼付体Lに押し付けられたテープ部分)との間の粘着テープTの架設部分Tpを切断する。切断機構17の切断刃17aの姿勢及び出没方向は、架設部分Tpの架設方向と直交することが切断力を高める上で好ましい。
【0033】
テープ貼付機構114には、上記テープ貼付ローラ12の外周面12p上の粘着テープTが案内される位置及び当該位置よりもやや下側に向けてエアなどの気流を吹き付けることができるように構成された吹付ノズル18が設けられている。この吹付ノズル18から気流がテープ貼付ローラ12の粘着テープTが案内される位置付近に吹き付けられることにより、粘着テープTの先端部Taがテープ貼付ローラ12の外周面12p上から図示左下に向けて斜め下方に突出しているとき、上記先端部Taが垂直下方へ向けて垂れ下がることが防止される。特に、上記吹付ノズル18による気流の吹き付けは、粘着テープTが柔らかな材料で構成され、垂直下方に垂れ下がりやすいものである場合や、粘着テープTが片面粘着テープである場合(被貼付体Lへの貼付面t1にのみ粘着面が形成されたもの)である場合に、テープ先端部Taの垂れ下がりを回避する上で効果的である。
【0034】
上記のように構成されたテープ貼付ユニット110は種々の構成で用いることができるが、テープ貼付ユニット110を備えたテープ貼付装置100を構成する場合の一例を
図12に模式的に示す。このテープ貼付装置100においては、テープ貼付ユニット110の下方に配置された支持台101と、支持軸111を用いてテープ貼付ユニット110を吊り下げ、保持するユニット支持部102と、ユニット支持部102に保持されたテープ貼付ユニット110を支持台101に対してX軸及びY軸(平面方向)、θ軸(回転方向)についてそれぞれ相対的に移動可能に構成するユニット駆動部150とを具備する。このユニット駆動部150は、公知のXYθテーブル及び駆動モータなどによって構成できる。また、昇降駆動軸をさらに設けることなどにより、テープ貼付ユニット110を支持台101に対してZ軸(上下方向)にも移動可能に構成されることが好ましい。そして、上記支持台101上に被貼付体Lを配置(固定)することにより、ユニット駆動部150の動作態様に対応して、被貼付体Lの表面上に粘着テープTを貼り付けていくことができる。
【0035】
次に、上記のテープ貼付装置100を用いて被貼付体Lの表面に粘着テープTを貼り付けていく様子と、このときのテープ貼付ユニット110及びテープ貼付機構114の動作態様を、
図3乃至
図11を参照して説明する。
【0036】
図3には、粘着テープTの貼付を開始する前のテープ貼付機構114の状態を示す。このとき、貼付ブロック15は離反位置15Sに配置されている。また、クランプ部材13は固定位置13Fに配置され、テープ案内ローラ11の外周面11p上の粘着テープT及びこれに貼着された剥離シートPを固定している。また、粘着テープT及び剥離シートPがテープ案内ローラ11からテープ貼付ローラ12へ架設された先で、剥離シートPは、テープ貼付ローラ12から剥離シート回収機構116へ向かい、粘着テープTの先端部Taは、テープ貼付ローラ12の外周面12p上からテープ案内ローラ11とは反対側の斜め下方に向けて突出した状態とされている。この状態で突出した粘着テープTの先端部Taは、後述するように、離反位置15Sに配置された貼付ブロック15に搭載されたテープ貼付ローラ12と、押付位置16Pに配置されたテープ押付ローラ16との間に架設された粘着テープTの架設部分Tpをテープ切断機構17によって切断したことにより形成されたものである。このとき、テープ先端部Taが図示の斜め下方に突出した状態から自重などによって垂直下方に垂れ下がることを防止するために、吹付ノズル18から気流を吹き付けて、テープ先端部Taの傾斜姿勢が保たれるようにする。なお、このとき、テープ押付ローラ16は、被貼付体Lから離反した離反位置16Sに配置されている。
【0037】
最初に、テープ先端部Taの貼付開始動作を行う。この開始動作では、上述のようにクランプ部材13により粘着テープTが固定される。そして、上記貼付ブロック15が上記上下駆動部により降下し、離反位置15Sから接近位置15Cに移行する。これにより、テープ貼付ローラ12の外周面12pは被貼付体Lの表面に圧接され、上記テープ先端部Taは被貼付体Lの表面に押し付けられる。このとき、テープ先端部Taが上述のようにテープ案内ローラ11とは反対側(図示左側)の斜め下方に突出していたことにより、テープ貼付ローラ12の外周面12pが当接する被貼付体Lの表面位置Lpよりも、テープ先端部Taの先端縁Tbの被貼付体Lの表面上の位置は、テープ案内ローラ11とは反対側(図示左側)にずれた位置に配置される。このとき、テープ先端部Taを先端縁Tbまで完全に被貼付体Lに貼り付けるために、クランプ部材13を解放位置13Rに移行させてから、
図5に示すように、テープ貼付ユニット110を被貼付体Lに対してテープ案内ローラ11とは反対側(図示左側、テープ貼り付けの向きとは逆向き、後退方向)に相対的に移動させ、テープ貼付ローラ12によってテープ先端部Taの先端縁Tbまでの先端貼付動作A
1を行う。
【0038】
次に、
図5に示すように、クランプ部材13が解放位置13Rに配置されている状態で3、先端貼付動作A
1とは逆に、テープ貼付ユニット110を被貼付体Lに対してテープ案内ローラの側(図示右側、テープ貼付けの向き、前進方向)に相対的に移動させ、テープ供給機構115から粘着テープTを引き出しながらテープ貼付ローラ12によって被貼付体Lの表面上に粘着テープTを貼り付けていく引出貼付動作A
2を行う。
【0039】
上記の引出貼付動作A
2が終了すると、
図6に示すように、離反位置16Sに配置されていたテープ押付ローラ16が押付位置16Pに移行し、接近位置15Cに配置されていた貼付ブロック15が離反位置15Sに移行する。このとき、テープ押付ローラ16が押付位置16Pに配置された後に貼付ブロック15が接近位置15Cから離反位置15Sへ移行することが好ましいが、双方の移行動作がほぼ同時に行われてもよい。なお、このときにテープ貼付ローラ12が被貼付体Lの表面から離反することによって粘着テープTが被貼付体Lの表面に貼着された状態で、粘着テープTは、解放位置13Rにあるクランプ部材13を通過して引き出されながら、図示のように被貼付体Lの表面上の貼着端縁から垂直上方へ伸びるように配置される。
【0040】
その後、
図7に示すように、テープ貼付ユニット110を前進方向へさらに移動させることによって、粘着テープTをさらに引き出しながらテープ押付ローラ16で粘着テープTを被貼付体Lに押し付け、テープ貼付ローラ12とテープ押付ローラ16との間に粘着テープTが直線状に架設されるようにする。すなわち、この段階において、両ローラ12と16の間を斜めに伸びる直線状の粘着テープTの架設部分Tpが形成される。このような動作手順の一例としては、
図13に示すように、テープ押付ローラ16の離反位置16Sから押付位置16Pへの移行、及び、貼付ブロック15の接近位置15Cから離反位置15Sへの移行が実施された後に、クランプ部材13の離反位置13Sから固定位置13Fへの移行が実施され、最後に、テープ貼付ユニット110の前進方向へ移動により直線状の架設部分Tpの形成が行われる。
【0041】
上記のテープ貼付動作の終了時の動作態様は、上記の
図6及び
図7に示す態様に限られない。上記の動作態様は標準的な粘着層の粘着力や基材(粘着層を除いた部分)の強度を備えた粘着テープTに対して設定されたものであるが、粘着力が弱い場合や基材の強度が弱い(伸びやすい)場合においては、
図10及び
図11に示す別の動作態様を用いることができる。まず、
図10に示すように、クランプ部材13を固定位置13Fに移行させてテープ案内ローラ11の外周面11p上の粘着テープT及び剥離シートPを挟圧し、固定する。その後、テープ貼付ユニット110を被貼付体Lに対して被貼付体Lに対する粘着テープTの貼り付けの向きとは逆向き(後退方向)に移動させ、テープ貼付ローラ12を、既に被貼付体Lの表面上に粘着テープTが貼り付けられた領域の最先端位置から戻すことによって、テープ貼付ローラ12の被貼付体Lに対する当接位置と、テープ案内ローラ11とクランプ部材13とによる粘着テープTの挟圧固定位置との間で、粘着テープT及び剥離シートPを弛ませる。
【0042】
次に、
図11に示すように、貼付ブロック15が離反位置15Sに移行させる。このとき、
図14に示すように、貼付ブロック15が離反位置15Sに移行してからテープ押付ローラ16が押付位置16Pに移行する。ただし、
図10に示す時点で、テープ押付ローラ16が既に離反位置16Sから押付位置16Pに移行済みであってもよい。そして、クランプ部材13が解放位置13Rに移行した後に、テープ貼付ユニット110が被貼付体Lに対して粘着テープTの貼り付けの向き(前進方向)に移動する。これにより、粘着テープTが、被貼付体Lから離間したテープ貼付ローラ12と、被貼付体Lの表面上に当接したテープ押付ローラ16との間において斜め直線状に架設された状態とされる。以上説明した動作手順は、
図14に示される。この動作手順を用いることにより、粘着テープTの被貼付体Lの表面上に一旦貼り付けされた領域が、貼付ブロック15の接近位置15Cから離反位置15Sへの移行時(上昇時)に、剥離されにくくなるとともに、同じ移行時(上昇時)に、粘着テープTに大きな張力を与えずに済む。したがって、このような動作態様は、粘着テープTの粘着層の粘着力が弱い場合には、被貼付体Lに一旦貼り付けられたテープ部分の剥離を防止する上で好ましく、粘着テープTの基材層の強度が弱い(伸びやすい)場合には、基材層に過大な負荷(張力)によるダメージ(損傷)を与えることを防止する上で好ましい。
【0043】
上述のようにして、
図7又は
図11に示す状態で、クランプ部材13を解放位置13Rから固定位置13Fに移行させた後に、
図8に示すように、テープ貼付ローラ12とテープ押付ローラ16との間の粘着テープTの架設部分Tpをテープ切断機構17によって切断する。テープ切断機構17は、先端に取り付けた切断刃17aを切断駆動部17cによって架設部分Tpに向けて突出させることにより、
図9に示すように、粘着テープTを切断し、テープ先端部Taと、テープ末端部Tdとを形成する。その後、テープ貼付ユニット110を被貼付体Lに対して前進させることにより、テープ押付ローラ16によってテープ末端部Tdを被貼付体Lに貼り付ける。これによって、粘着テープTの被貼付体Lへの貼付動作は完了する。その後、さらに別の位置に粘着テープTを貼り付ける場合には、
図3の状態で突出しているテープ先端部Taを所望の場所において被貼付体Lに貼り付けて新たな貼付動作を開始する。
【0044】
なお、本実施形態では、
図2に示すように、粘着テープTの幅Twが或る程度の範囲内で変化しても対応できるように構成されているため、切断刃17aも幅広に構成される。また、切断刃17aの切断性能を高めるためには、図示のように刃先を鋸刃状(ジグザグ状)となるように形成するか、或いは、波状となるように形成することが好ましい。
【0045】
以上のように構成された本実施形態のテープ貼付ユニット110では、粘着テープTを被貼付体Lに貼り付けるために、テープ案内ローラ11、テープ貼付ローラ12及びクランプ部材13を相互の相対的な位置関係が保持される態様で搭載した貼付ブロック15が、接近位置15Cと離反位置15Sのいずれかに選択的に配置可能に構成されている。これにより、テープ案内ローラ11、テープ貼付ローラ12及びクランプ部材13は、相対的な位置関係が保持されたままで動作するため、常に安定した供給経路Fpで粘着テープTを供給することができるとともに、貼付ブロック15の接近位置15Cと離反位置15Sのいずれかへの選択的な配置によって貼付動作の有無を容易に切り替えできる。また、クランプ部材13による粘着テープTの固定と解放がテープ貼付箇所(テープ貼付ローラ12)とは別の位置(テープ案内ローラ11)において簡易な機構で実現できることにより、貼付性能を確保しつつ貼付ヘッド構造を簡易に構成できるから、テープ貼付ユニット110の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0046】
また、粘着テープTは、被貼付体Lに対する貼付面がテープ案内ローラ11の外周面11pに接触する態様で、テープ案内ローラ11に対してローラ軸線11x周りの一方の向き(粘着テープTが供給される向きに見たときに
図1で反時計回り)に架設されるとともに、被貼付体Lに対する貼付面t1とは逆側の面p1がテープ貼付ローラ12の外周面12pに接触する態様で、テープ貼付ローラ12に対してローラ軸線12x周りの他方の向き(粘着テープTが供給される向きに見たときに
図1で時計回り)に架設される。これにより、クランプ部材13の挟圧作用による固定と解放が貼付面t1とは逆側の面p1に対して行われるため、粘着テープTを確実に固定するために十分な挟圧力を付与しても、クランプ部材13の解放位置13Rへの移行時に支障を生じにくい。すなわち、上記の逆側の面p1は本実施形態では非粘着面であるため、クランプ部材13の挟圧部13sが離反するときに粘着テープTを道連れにしてテープ案内ローラ11の外周面11pから離反させることはない。
【0047】
なお、本実施形態のように逆側の面は非粘着面であることが好ましいが、本願発明においては、貼付面と同様の粘着面であってもよい。仮に逆側の面が粘着面であっても、挟圧部13sの粘着テープTに対する接触面積は小さいので、貼付面t1が粘着面であることによって、粘着テープTはテープ案内ローラ11の外周面11pに貼着された状態となるため、クランプ部材13の挟圧部13sが離反する際の粘着テープTの連れ込みは生じにくい。なお、テープ案内ローラ11の外周面11pは粘着面に当接するため、テフロン(登録商標)コーティングなどの貼り付き難い素材で形成された粘着面に対する貼り付き力が小さい面とすることが好ましい。このような面が好ましい点は、クランプ部材13の挟圧部13sについても同様である。
【0048】
特に、本実施形態では、テープ案内ローラ11とテープ貼付ローラ12が被貼付体Lの表面に沿った方向に配列されるとともにテープ貼付ローラ12の外周面12p(の図示下端部)がテープ案内ローラ11の外周面11p(の図示下端部)よりも被貼付体Lの側に配置され、粘着テープTは、テープ案内ローラ11の外周面11pの上側部分(被貼付体Lとは反対側の部分)上を通過した後に、テープ貼付ローラ12の外周面12pの下側部分(被貼付体L側の部分)により被貼付体Lに貼り付けられる。これにより、テープ案内ローラ11の被貼付体Lとの接触を回避しつつ、クランプ部材13による挟圧箇所をテープ案内ローラ11の上側(被貼付体Lとは反対側)に配置できるため、テープ案内ローラ11、テープ貼付ローラ12及びクランプ部材13の相互間隔を小さく設定することができる。したがって、テープ貼付ユニット110のさらなる小型化及び軽量化を図ることができる。
【0049】
本実施形態では、クランプ部材13が被案内領域Tsの下流端よりも上流側にずれた位置にあるテープ部分Tvに対して挟圧力を与えることにより、テープ案内ローラ11から粘着テープTが供給される向きに粘着テープTに引き出し力が加わると、粘着テープTによりクランプ部材13にも加わる上記供給される向きの力により、クランプ部材13はテープ案内ローラ11のローラ軸線11xに向けて押し付けられ、クランプ部材13がテープ案内ローラ12に喰い込むように作用する。したがって、クランプ部材13が固定位置13Fにあるときの粘着テープTの引き出し方向の位置ずれが防止されるため、粘着テープTを確実に供給される向きに固定することができる。なお、上記挟圧力はローラ軸線11xに向けて付与されることが効率的に固定力を与える上で最も好ましい。
【0050】
さらに、クランプ部材13は、テープ案内ローラ11に対して被貼付体Lとは反対側に配置されるとともに、テープ案内ローラ11のローラ軸線11xに平行な回動軸線13xと、固定位置13Fにおいて回動軸線13xよりもテープ案内ローラ11の側にあるクランプ部材13の部分に、粘着テープTの供給される向きに回動することによって、クランプ部材13が固定位置13Fにあるときにテープ案内ローラ11の外周面11p上にある被案内領域Tsのテープ部分Tvに当接して、テープ案内ローラ11の外周面11pとの間で粘着テープTを挟圧するように構成された挟圧部13sとを備える。このことにより、クランプ部材13が回動することによって挟圧部13sがテープ案内ローラ11の外周面11p上にあるテープ部分Tvに当接して挟圧し、粘着テープTを供給経路Fpに沿った方向に固定するため、クランプ部材13及びその動作範囲をコンパクトに構成することができるから、テープ貼付ユニット110の小型化がさらに容易になる。また、上記テープ部分Tvに挟圧力を与えることにより、粘着テープTを引き出そうとすると、挟圧部13sがテープ部分Tvに喰い込む方向に作用するため、確実なテープ固定状態を実現できる。
【0051】
また、クランプ部材13は、解放位置13Rに配置されたときに供給経路Fpのテープ案内ローラ11からテープ貼付ローラ12に向かう部分に沿った形状を備える案内部13gをさらに備えることから、クランプ部材13が解放位置13Rに配置されているときに案内部13gに沿った粘着テープTの供給経路Fpに粘着テープTを容易に架設することが可能になる。この場合にはさらに、クランプ部材13が解放位置13Rに配置されているときに、挟圧部13sも、粘着テープTの供給経路Fpのテープ案内ローラ11から上流側の部分に沿った形状を備えることから、テープ貼付ユニット110に対する粘着テープTの初期架設作業をさらに容易に行うことが可能になる。
【0052】
本実施形態では、被貼付体L上に粘着テープTを押し付ける押付位置16P、及び、被貼付体Lから離反した離反位置16Sのいずれかに選択的に配置可能に構成されるとともに、貼付ブロック15が離反位置15Sに配置されたときに押付位置16Pに配置されるテープ押付ローラ16をさらに具備することにより、テープ貼付ローラ12が粘着テープTを被貼付体Lに貼り付けていないとき、すなわち、貼付ブロック15が離反位置15Sに配置されているときに、テープ押付ローラ16によって被貼付体L上に粘着テープTを押し付けることができる。例えば、テープ貼付ユニット110を被貼付体Lに対して相対的に移動させることにより、テープ押付ローラ16により粘着テープTの末端部Tdを被貼付体L上に貼り付けることができる。また、テープ押付ローラ16により被貼付体L上に貼り付けられた粘着テープTを押さえ付けることができ、これにより、例えば、貼付ブロック15が接近位置15Cから離反位置15Sへ移行する際にテープ貼付ローラ12が被貼付体Lの表面から離反することによる粘着テープTの被貼付体Lからの剥離が過剰な範囲で生ずることを防止することができる。
【0053】
ここで、上記テープ押付ローラ16は、テープ貼付ローラ12に対してテープ案内ローラ11とは反対側に離間した位置からテープ貼付ローラ12に向けて伸びる回動アーム16aの先端に軸支されていることにより、テープ押付ローラ16及びその周囲構造と、貼付ブロック15及びその周囲構造との間の干渉を回避しやすくなるため、テープ押付ローラ16とテープ貼付ローラ12を相互に接近させることができる。したがって、テープ貼付ユニット110をさらにコンパクトに構成できる。
【0054】
また、本実施形態では、貼付ブロック15が離反位置15Sに配置されたときにテープ貼付ローラ12とテープ押付ローラ16との間に架設された粘着テープTの架設部分Tpを切断するテープ切断機構17をさらに具備することにより、上記架設部分Tpをテープ切断機構17により切断したときに、被貼付体Lから離反した位置にあるテープ貼付ローラ12から粘着テープTの先端部Taが被貼付体Lに向けて突出した状態ではあるが被貼付体Lには届かない状態とすることができるため、次回の貼付動作に対する準備状態をもたらすことができる。また、既に被貼付体Lに貼り付けた粘着テープTの末端部Tdを、テープ押付ローラ16によって最後まで貼り付けることができる。このとき、テープ切断機構17による切断動作時にはテープ案内ローラ11とクランプ部材13が粘着テープTを挟持して供給経路Fpに沿った方向に固定することにより、クランプ部材13により粘着テープTが固定されるため、テープ切断機構17による架設部分Tpの切断をさらに容易に行うことができる。
【0055】
本実施形態では、粘着テープTの少なくとも片面には剥離シートPが貼着され、剥離シートPを回収する剥離シート回収機構116をさらに具備し、剥離シートPは、テープ貼付ローラ12の外周面12p上で粘着テープTから剥離されることにより分離され、剥離シート回収機構116により回収されることにより、両面粘着テープを被貼付体Lに貼り付けすることの可能なテープ貼付ユニット110とすることができる。
【0056】
尚、本発明のテープ貼付ユニット及びテープ貼付装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、両面粘着テープTを被貼付体Lに貼り付ける場合について説明しているが、通常の片面粘着テープを貼り付ける場合にも用いることができる。
【0057】
また、上記実施形態では、テープ押付ローラ16を用いて、粘着テープTの末端部Tdを貼り付けたり、テープ貼付ローラ12との間で架設部分Tpを形成したりし、この架設部分Tpを切断しているが、テープ押付ローラ16は必須構成ではなく、例えば、被貼付体Lへの貼付端縁とテープ貼付ローラ12との間で粘着テープTの架設部分Tpを形成し、上記貼付端縁を切断するようにしてもよい。
【0058】
さらに、上記実施形態のテープ貼付装置100では、被貼付体Lを支持する支持台101と、テープ貼付ユニット110を支持するユニット支持部102とを相対的に駆動するユニット駆動部150によって支持台101上の被貼付体Lに粘着テープTを貼り付けるようにしているが、適宜の駆動ロボットによりテープ貼付ユニット110を移動可能に取り付け、製造ライン上の被製造物などの任意の被貼付体Lに対してテープ貼付動作を行うように構成されたものであってもよい。