特許第6476172号(P6476172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6476172特に風力発電機用の、パワーウイング翼の飛行開始のためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6476172
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】特に風力発電機用の、パワーウイング翼の飛行開始のためのシステム
(51)【国際特許分類】
   F03D 5/00 20060101AFI20190218BHJP
   B64C 27/04 20060101ALI20190218BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20190218BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   F03D5/00
   B64C27/04
   B64C39/02
   B64D27/24
【請求項の数】6
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-518647(P2016-518647)
(86)(22)【出願日】2014年6月5日
(65)【公表番号】特表2016-522349(P2016-522349A)
(43)【公表日】2016年7月28日
(86)【国際出願番号】IT2014000154
(87)【国際公開番号】WO2014199406
(87)【国際公開日】20141218
【審査請求日】2017年5月29日
(31)【優先権主張番号】TO2013A000480
(32)【優先日】2013年6月12日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】509162458
【氏名又は名称】カイト ゲン リサーチ エス.アール.エル.
【氏名又は名称原語表記】KITE GEN RESEARCH S.R.L
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(72)【発明者】
【氏名】イッポリート,マッシーモ
【審査官】 冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−291428(JP,A)
【文献】 国際公開第1992/020917(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0276941(US,A1)
【文献】 米国特許第07582981(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0078097(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 5/00
B64C 27/04
B64C 39/02
B64D 27/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に風力発電機(5)用の、パワーウイング翼(7)の飛行開始のためのシステム(1)であって、
―制御用タイロッド(9)を介して、ウインチあるいは前記パワーウイング翼(7)としてのウイングプロフィル(7)の飛行のための他の制御機構に、動作可能なように接続された、少なくとも一のウイングプロフィル(7)と;
―少なくとも一のウイングプロフィル(7)に離脱可能な接続手段(13)を介して接続され、かつ、前記ウイングプロフィル(7)を飛行状態になるまで輸送するのに適した、少なくとも一の自立型輸送飛行ベクトル(11)であって、前記離脱可能な接続手段(13)は少なくとも一の牽引索(15)を構成要素とし、前記牽引索(15)は前記自立型輸送飛行ベクトル(11)に接続される第一の端と、前記第一の端に接続され、少なくとも一の作動可能な係合/離脱装置(17)を備える反対側の第二の端を有し、該作動可能な係合/離脱装置(17)は前記ウイングプロフィル(7)上に配置された個々の係合点に及び該係合点から係合/離脱するのに適した自立型輸送飛行ベクトル(11)、とを含み、
前記作動可能な係合/離脱装置(17)は少なくとも一の電磁フックであり、前記ウイングプロフィル(7)上に配置された前記係合点は前記電磁フックに磁気的に接続されるのに適した金属材で作られた対応する部品であり;
また、前記ウイングプロフィル(7)は、前記自立型輸送飛行ベクトル(11)と前記ウイングプロフィル(7)との相対位置を高周波の三角測量するのに適した、少なくとも一の計測システム(19)、好ましくは超音波型(21)を含む、
ことを特徴とするシステム(1)。
【請求項2】
前記作動可能な係合/離脱装置(17)の前記係合点は前記ウイングプロフィル(7)の長手方向に延びる縁(18)に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム(1)。
【請求項3】
前記ウイングプロフィル(7)の前記飛行開始は、2又はそれ以上の前記自立型輸送飛行ベクトル(11)の連係動作によって補助されることを特徴とする請求項1に記載のシステム(1)。
【請求項4】
前記自立型輸送飛行ベクトル(11)は、一又はそれ以上のプロペラを持つヘリコプターであり、好ましくはクワッドコプター、オクトコプター又はマルチコプターであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項5】
前記自立型輸送飛行ベクトル(11)は電気供給をともなうことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項6】
システム(1)は、少なくとも一の前記自立型輸送飛行ベクトル(11)のための少なくとも一の着陸、保管及びエネルギー再チャージステーションを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に風力発電機用の、パワーウイング翼の飛行開始のためのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
種々の応用分野が知られており、その分野において、地上に風がないときのカイトサーフィンに例えられるように、パワーウイングプロフィルの飛行を開始させることが必要でありうる。このような応用分野の一つは、電気エネルギー風力発電機を扱うものであり、そこではそのようなウイングプロフィルの飛行を利用しており、例えばWO2008004261、WO2007122650、EP1672214、WO2008120257に開示されている:実際、ある高さでは、そのようなプロフィルの飛行をサポートするのに十分な風量が常に利用可能であるものの、これに反して、地上においては、自動的な発進あるいは外部の助けなしにウイングプロフィルの飛行を開始するのに風が十分でない状況が起こり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は特に風力発電機に関して、地上に十分な風がないときにもパワーウイング翼の飛行開始を可能とするシステムを提供することにより、上記の従来技術の問題を解決することであり、好ましくはクワッドコプターで構成された少なくとも一の自立型輸送飛行ベクトルによって、前記プロフィルの飛行において飛行状態をサポートでき及び/又はプロフィル自身が飛行できるために十分な風がある高さまでそのようなプロフィルを運ぶ役割を担うものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の上記及び他の目的と有利な点は、以下の記述に明らかにされるが、請求項1に記載されたパワーウイング翼の飛行開始のためのシステムによって得られる
【0005】
本発明の好ましい実施態様と重要なバリエーションは従属請求項の主題である。
すべての記載された請求項は本発明の記述のうち不可欠の部分であるが、本発明は本記述に限定されるものではない。
【0006】
多数のバリエーションや改良が(たとえば、同等な機能を持つ、形状や、大きさや、配置や部品などに関する)ここに記載された請求項に示された発明の範囲から逸脱することなく、記述されたものに対して作られ得るのは明らかでありこれらはすべて本発明に含まれる。
【0007】
本発明はいくつかの好ましい実施態様によって、実施例に請求の範囲が限定されないことを条件に、含まれる図を参考にして、よりよく説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明によるシステムに従って、本発明による飛行をスタートするステップを示している図である。
図2】本発明によるシステムに従って、本発明による飛行をスタートするステップを示している図である。
図3】本発明によるシステムに従って、本発明による飛行をスタートするステップを示している図である。
図4】本発明による飛行をスタートするシステムの他の実施態様を示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
これらの図を参照すれば、特に風力発電機5用の、パワーウイング翼7の飛行開始のためのシステム1が以下の構成を含むことがわかる、
―それぞれの従来技術による制御用タイロッド9を介して、適切なウインチ又はウイングプロフィル7の飛行のための他の制御機構(図示せず)に、動作可能なように接続された、少なくとも一のウイングプロフィル7と;
―少なくとも一のウイングプロフィル7に離脱可能な接続手段13を介して接続され、かつ、前記ウイングプロフィル7を飛行状態になるまで輸送するのに適した、少なくとも一の自立型輸送飛行ベクトル11。
【0010】
好ましくは、前記離脱可能な接続手段13は少なくとも一の牽引索15を構成要素として持ち、前記牽引索15は前記自立型輸送飛行ベクトル11に接続される第一の端と、少なくとも一の作動可能な係合/離脱装置17を備える、前記第一の端に対する反対側の第二の端を有し、該作動可能な係合/離脱装置17はウイングプロフィル7上に配置された個々の係合点に及び該係合点から係合/離脱するのに適しており、該係合点は例えばウイングプロフィル7自身の連結端に沿って配置される。好ましい他の実施態様によれば、図4から解るように、ウイングプロフィル7の飛行の始動を可能とするため、作動可能な係合/離脱装置17の係合点はウイングプロフィル7の出口端18に沿って配置することができる。そのため、ウイングプロフィル7は、ひとたび所望の高さに到達し自立型輸送飛行ベクトル11から離脱されると、重力の力を利用して、正しい方向に沿って落下スピードを得ることができ、起こり得る失速状態から容易に脱することができる。
【0011】
好ましくは、前記作動可能な係合/離脱装置17は少なくとも一の電磁フックであり、前記ウイングプロフィル7上に配置された前記係合点は前記電磁フックに磁気的に接続されるのに適した金属材で作られた対応する部品である。明らかに、牽引索15の長さは、例えば4mから6mの間の長さが、それ自身のプロペラによって生じた流れが必然的にウイングプロフィル7に影響を与えることなく自立型輸送飛行ベクトル11の飛行における操作の自由性を確保するのに最も適している。
【0012】
図4に具体的に示されているように、ウイングプロフィル7のサイズや重量が比較的大きい場合、前記自立型輸送飛行ベクトル11の2機又はそれ以上多くの機数の連係動作でウイングプロフィル7の飛行開始を補助することが出来る。そのような多数機の場合、ウイングプロフィル7の形状は、2機又はそれ以上の機数の自立型輸送飛行ベクトル11によって、ウイングプロフィル7自身の連結端または出口端18の異なる点に働く複合的な牽引力による歪みによって支配されるので、ウイングプロフィル7の形状を変化させずに保持するために、本発明によるシステム1の前記ウイングプロフィル7はさらに少なくとも一の計測システム19、例えば超音波型21を含み得、前記複数の自立型輸送飛行ベクトル11とウイングプロフィル7との相対位置を高周波の三角測量をする。
【0013】
本発明によるシステム1の好ましい具体例において、前記自立型輸送飛行ベクトル11は、一又はそれ以上のプロペラを持つヘリコプターであり、例えば、クアッドコプタ―、オクトコプター、マルチコプターなどであり、さらに好ましくは、電気供給を伴う。実際、自立型輸送飛行ベクトル11の電気供給は大変適している、というのは、ウイングプロフィル7の飛行のスタートのための操作はほんの数分以内に完了できるので、前記ベクトル11のエネルギー的な自立と両立でき、ベクトル11が飛行しウイングプロフィル7を切り離した後、自立して、適当な再チャージステーションに戻ることを可能にする。そのような目的のため、本発明によるシステム1はさらに少なくとも一の前記自立型輸送飛行ベクトル11用の少なくとも一の着陸、保管、エネルギー再チャージステーション(図示せず)を構成要素として含む。
【0014】
さらに本発明はすでに述べたように、好ましくは本発明によるシステム1で使用した、特に風力発電機5のためのパワーウイング翼7の飛行の開始のためのプロセスに及ぶ。前記システム1は従来技術による制御用タイロッド9を介して、適切なウインチ又は該当するウイングプロフィル7の飛行用の他の制御機構(図示せず)に作動可能に接続された少なくとも一のウイングプロフィル7を構成要素として含み、また少なくとも一のウイングプロフィル7に離脱可能な接続手段13を介して接続し及び前記ウイングプロフィル7を飛行状態になるまで輸送するのに適した、少なくとも一の自立型輸送飛行ベクトル11を構成要素として含む。具体的には本発明によるプロセスは以下のステップを含む、
―パワーウイングプロフィル7は失速状態からスタートし(例えば図1に示した状態)、前記パワーウイングプロフィル7の付近に少なくとも一の自立型輸送飛行ベクトル11を準備するステップ、
―前記パワーウイングプロフィル7を前記自立型輸送飛行ベクトル11に離脱可能な接続手段13を介して係合するステップ(図2に例を示す)、
―前記自立型輸送飛行ベクトル11によって、牽引して前記パワーウイングプロフィル7を飛行状態になるまで輸送するステップ、その際対応する制御タイロッド9を適切にほどくよう注意し(図3に例を示す)、
―前記パワーウイングプロフィル7にとって、プロフィル7の飛行の支援及び/又は飛行に十分な風がある高さに到達したとき、前記パワーウイングプロフィル7から前記自立型輸送飛行ベクトル11を離脱するステップ。
【0015】
場合によっては、本発明のプロセスは前記自立型輸送飛行ベクトル11の着陸、保管、エネルギー再チャージステーションへの帰還のステップを含みうる。
【0016】
本発明はコンピュータで演算したとき自立的にかつ自動的に以上に述べたプロセスのステップの一部又は全部を行うプログラムコード手段を含む少なくとも一の計算機用プログラムに及ぶことは明らかである。

図1
図2
図3
図4