特許第6476184号(P6476184)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6476184安定な水性コロイダルシリカ生成物、ならびにその製造および使用方法
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  • 特許6476184-安定な水性コロイダルシリカ生成物、ならびにその製造および使用方法 図000006
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6476184
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】安定な水性コロイダルシリカ生成物、ならびにその製造および使用方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/141 20060101AFI20190218BHJP
   D21H 13/38 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   C01B33/141
   D21H13/38
【請求項の数】13
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-534243(P2016-534243)
(86)(22)【出願日】2014年10月8日
(65)【公表番号】特表2016-539902(P2016-539902A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(86)【国際出願番号】US2014059724
(87)【国際公開番号】WO2015076946
(87)【国際公開日】20150528
【審査請求日】2017年10月5日
(31)【優先権主張番号】14/089,028
(32)【優先日】2013年11月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515050220
【氏名又は名称】エコラブ ユーエスエイ インク
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ ミンホア
(72)【発明者】
【氏名】ワン シン ジェーン ビー
(72)【発明者】
【氏名】ミラー レイモンド ディー ジュニア
【審査官】 西山 義之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−543303(JP,A)
【文献】 米国特許第06372089(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/00−33/193
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水および16から18重量パーセントのコロイダルシリカ固体を含み、4ら20cpsの範囲の粘度および26から40%の範囲のS値を有し、750から850m/gの範囲の比表面積を有する、水性コロイダルシリカ生成物。
【請求項2】
アルカリ金属をさらに含む、請求項1に記載の水性コロイダルシリカ生成物。
【請求項3】
前記アルカリ金属は、50:1から5:1の範囲のシリカ対アルカリ金属のモル比を提供するのに十分な量で存在する、請求項2に記載の水性コロイダルシリカ生成物。
【請求項4】
前記水性コロイダルシリカ生成物は、4ら18cpsの範囲の粘度を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性コロイダルシリカ生成物。
【請求項5】
前記水性コロイダルシリカ生成物は、17から18重量パーセントのコロイダルシリカ固体を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性コロイダルシリカ生成物。
【請求項6】
前記水性コロイダルシリカ生成物は、1:2から4:1の範囲の、重量パーセントコロイダルシリカ固体対cps粘度の比を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性コロイダルシリカ生成物。
【請求項7】
前記水性コロイダルシリカ生成物は、9から11の範囲のpHを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の水性コロイダルシリカ生成物。
【請求項8】
前記水性コロイダルシリカ生成物は、10から11の範囲のpHを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の水性コロイダルシリカ生成物。
【請求項9】
セルロースシートを製造する方法であって、
0.01から1.5重量パーセントのセルロース繊維を含むセルロース完成紙料を調製する工程、
前記セルロース完成紙料に、0.00005から1.5重量パーセント/セルロース完成紙料中の繊維の乾燥重量のコロイダルシリカ固体の濃度を達成するのに十分な量の請求項1に記載の水性コロイダルシリカ生成物、および0.001から5重量パーセント/セルロース完成紙料中の繊維の乾燥重量の水溶性ポリマ凝集剤の濃度を達成するのに十分な量の水溶性ポリマ凝集剤を添加する工程であって、前記水溶性ポリマ凝集剤は500,000から3000万ダルトンの範囲の分子量を有する、工程、ならびに
前記セルロース完成紙料を脱水し、セルロースシートを得る工程、
を含む、方法。
【請求項10】
前記セルロース完成紙料に添加される前記水性コロイダルシリカ生成物の量は、0.005から1重量パーセント/前記セルロース完成紙料中の繊維の乾燥重量のコロイダルシリカ固体濃度を達成するのに十分である、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記コロイダルシリカ生成物は、バッチ水性コロイダルシリカ生成物に対し、0.5から0.8の範囲の第1通過灰分歩留まり置換率を有する、請求項または10に記載の方法。
【請求項12】
前記コロイダルシリカ生成物は、微小粒子を前記セルロース完成紙料に、970kgのセルロース完成紙料中の繊維の乾燥重量につき0.41から0.54kgの濃度で投与した場合、バッチ水性コロイダルシリカ生成物に対し、少なくとも90%の第1通過灰分歩留まりを達成する、請求項または10に記載の方法。
【請求項13】
カチオン性デンプンが、前記セルロース完成紙料に、0.005から5重量パーセントのカチオン性デンプン/セルロース完成紙料中の繊維の乾燥重量のカチオン性デンプンの濃度を達成するのに十分な量で添加される、請求項12のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の少なくとも1つの実施形態は、高い固体量および低い粘度を有しながら、高い表面積および増強された安定性を維持する、コロイダルシリカゾルに関する。これはまた、そのようなコロイダルシリカゾルを製造するための半バッチ添加を含む新しいプロセスおよび紙の製造におけるそのようなコロイダルシリカゾルの使用に関する。発明の少なくとも1つの実施形態は、水性コロイダルシリカ生成物、水性コロイダルシリカ生成物を使用する方法、および水性コロイダルシリカ生成物を製造する方法に関する。水性コロイダルシリカ生成物は安定であり、16−18重量%の範囲のコロイダルシリカ固体濃度(すなわち、16−18重量%のSiO固体)を有し、従来の製造方法により製造された生成物で達成可能と考えられるものより、低い粘度を有する。
【背景技術】
【0002】
この本発明は、高い固体量および低い粘度を有しながら、高い表面積および増強された安定性を維持するコロイダルシリカゾルに関する。これはまた、そのようなコロイダルシリカゾルを製造するための半バッチ添加を含む新しいプロセスおよび紙の製造におけるそのようなコロイダルシリカゾルの使用に関する。本発明のコロイダルシリカゾルは、一意的に約16から約18重量%のSiO固体の範囲の高い固体量を、約4から約20cPsの範囲の粘度と共に示しながら、前記コロイダルシリカゾルは依然として、例えば、アルミニウムによる表面の修飾なしで、高い表面積および増強された安定性を維持する。その上、発明のコロイダルゾルは、米国特許第6,372,806号および6,372,089号に記載されるものなどの従来のシリカゾルプロセスとは異なる、新しい半バッチプロセスにより調製される。さらに、本発明のコロイダルシリカゾルは、有利なことに、多くの製紙完成紙料において優れた活性を示す。本発明のシリカゾルは、数ある領域の中でも、製紙業界において、例えば、歩留まり助剤および脱水助剤として有用である。
【0003】
対照的に、本発明は、上記参照特許の教示にはない、約16から約18重量パーセントのSiO固体の範囲の濃度を、約4から約20cpsの範囲の低い粘度と共に有するコロイダルシリカゾルの安定な組成物を提供する。本発明は、米国特許第5,368,833号に記載される、アルミニウムによる表面修飾なしで、高い表面積および増強された安定性を有する安定なシリカコロイダルゾルを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,372,806号明細書
【特許文献2】米国特許第6,372,089号明細書
【特許文献3】米国特許第5,368,833号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の例示的な実施形態では、本開示は、安定な水性コロイダルシリカ生成物に関する。コロイダルシリカゾルは、約16から約18重量パーセントのSiO固体の濃度で製造し、貯蔵することができ、室温で少なくとも30日間、典型的には少なくとも180日間安定なままであり得る。水性コロイダルシリカ生成物は、約4から約20cpsの範囲の粘度および26から40%の範囲のS値を有する。コロイダルシリカ固体は、700から850m/gの範囲の比表面積を有する。
【0006】
第2の例示的な実施形態では、本開示は、水性コロイダルシリカ生成物を製造する方法に関する。方法は、第1に、反応槽に、少なくとも40パーセント、好ましくは少なくとも50パーセントの、水素形態でのイオン交換容量を有する陽イオン交換樹脂を入れる工程を含み、ここで、反応槽は、プロセス中に形成されたコロイダルシリカをイオン交換樹脂から分離するために、反応槽の底部付近に、例えば、スクリーンを有する。第2に、反応槽に水を入れ、反応槽の内容物を撹拌する工程。第3に、前記反応槽の内容物の温度を70から200カ氏度の範囲、好ましくは100から160カ氏度の範囲にあるように調整する工程。第4に、第1の量のアルカリ金属ケイ酸塩を前記水および陽イオン交換樹脂に攪拌しながら添加し、よって、第1の部分の水性コロイダルシリカ生成物を含む第1の中間組成物を形成させる工程。第5に、0から90分後に、第2の量のアルカリ金属ケイ酸塩が、攪拌しながら第1の中間組成物に添加され、よって、第2の部分の水性コロイダルシリカ生成物を含む第2の中間組成物が形成される。約0分から24時間後、第1および第2の部分の水性コロイダルシリカ生成物が第2の中間組成物から分離され、よって水性コロイダルシリカ生成物が生成される。第1および第2の量のアルカリ金属ケイ酸塩は、総量を占め、第1の量は、総量の60から95重量パーセントの範囲である。第1の中間組成物は70から200カ氏度の範囲の温度および8から14の範囲のpHを有する。第1の量のアルカリ金属ケイ酸塩は、第1の添加を1から45分の間続けさせるのに十分な第1の速度で添加される。第2の中間組成物は70から200カ氏度の範囲の温度および9から11の範囲のpHを有する。第2の量のアルカリ金属ケイ酸塩は、第2の添加を5から120分の間続けさせるのに十分な第2の速度で添加される。
【0007】
第3の例示的な実施形態では、本開示は、セルロースシートを製造する方法に関する。方法は、0.01から1.5重量パーセントのセルロース繊維を含むセルロース完成紙料を調製する工程を含む。第1の例示的な実施形態で記載される、ある量の水性コロイダルシリカ生成物が、セルロース完成紙料に添加される。水性コロイダルシリカ生成物の量は、約0.00005から約1.5重量パーセント/セルロース完成紙料中の繊維の乾燥重量のコロイダルシリカ固体の濃度を達成するのに十分である。ある量の水溶性ポリマ凝集剤が、セルロース完成紙料に添加される。水溶性ポリマ凝集剤の量は、約0.001から約5重量パーセント/セルロース完成紙料中の繊維の乾燥重量の水溶性ポリマ凝集剤の濃度を達成するのに十分である。水溶性ポリマ凝集剤は、500,000から3000万ダルトンの範囲の分子量を有する。セルロース完成紙料はその後、脱水され、セルロースシートが得られる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の利点は、下記詳細な説明および添付図面を確認した後、関連技術分野における当業者に、より容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】対照サンプルと比べた場合の、本開示の発明の水性コロイダルシリカ生成物を組み入れた3バッチの改善された第1通過灰分歩留まりを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一般的な発明概念を包含する実施形態は様々な形態をとることができるが、本開示は、例示にすぎないと考えるべきであり、一般的な発明概念は、開示された実施形態に制限されることは意図されないという理解のもとに、以下、様々な実施形態について記載する。
【0011】
全てのパーセンテージ、部および比は、本明細書では、特に指定がない限り、総生成物の重量による。列挙される材料成分に関連する全てのそのような重量は、活性レベルに基づき、そのため、特に指定がない限り、市販材料に含まれ得る溶媒または副産物を含まない。
【0012】
本開示の単数形の特性または制限への言及は全て、対応する複数の特性または制限を含み、他に特に規定がなければ、または言及がなされた文脈により反対のことが明確に暗示されなければ、逆の場合も同じである。
【0013】
本明細書で使用される方法またはプロセス工程の全ての組み合わせは、他に特に規定がなければ、または言及がなされた文脈により反対のことが明確に暗示されなければ、任意の順序で実施することができる。
【0014】
本明細書で開示される全ての範囲およびパラメータ、例えば、限定はされないが、パーセンテージ、部、および比はそれらの中で想定され、含められるいずれかのおよび全てのサブレンジ、ならびに端点間の全ての数を含むことが理解される。例えば、「1から10」の言明された範囲は、1の最小値と10の最大値の間(これを含む)のいずれかのおよび全てのサブレンジ、すなわち、1以上の最小値で始まり(例えば1から6.1)、10以下の最大値で終わる(例えば2.3から9.4、3から8、4から7)全てのサブレンジ、および最終的に、範囲内に含まれる各数1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10を含むと考えるべきである。
【0015】
序数(例えば、第1、第2、第3、など)は、本明細書では、同様である可能性のある本開示の様々な態様を説明するために使用され得る。例えば、2つの添加工程は、序数を使用して規定することができる(例えば、「第1の添加」および「第2の添加」)。使用される場合、序数は、1つの要素を他の似たような名前の要素から区別する目的で使用され、よって、似たような名前の要素に言及する際に明確さが得られる。序数は、本開示の文脈により明確に規定されない限り、必ずしも要素の順序を制限するものと解釈されるべきではない。
【0016】
本開示の組成物および生成物の様々な実施形態はまた、本明細書で記載されるいずれの任意的な材料成分または特徴も実質的に含まなくてもよく、ただし、残りの組成物または生成物は依然として、本明細書で記載される要求される材料成分または特徴の全てを含むことを条件とする。この状況では、他に特に規定がなければ、「実質的に含まない」という用語は、選択された組成物または生成物は、機能的な量より少ない任意的な材料成分、典型的には約1重量%未満、例えば約0.5重量%未満、例えば約0.1重量%未満、およびまた、ゼロ重量パーセントのそのような任意的な材料成分を含むことを意味する。
【0017】
組成物および生成物は、本明細書で記載される生成物の要求される要素、ならびに本明細書で記載されるまたは生成物用途において別様に有用な任意の追加のまたは任意的な要素を含み、これから構成され、またはこれから本質的に構成され得る。
【0018】
「水性」という用語は、本明細書では、他に特に規定がなければ、「油を含む」または「油中」とは対照的に、「水を含む」または「水中」を意味する修飾語句として解釈されることが意図される。この開示の目的上、「水」は液体水を示す。水性組成物は、液体水、液体水を溶媒として有する溶液、または液体水中の固体のスラリーであってもよい。特に、シリカゾルは、液体水中にコロイダルシリカ固体を含むので、水性組成物である。
【0019】
「コロイド」という用語は、本明細書では、他に特に規定がなければ、別の物質全体に実質的に均一に分散された極小粒子を含む物質として解釈されるべきであることが意図される。コロイドは、2つの別々の相から構成される:分散相(または内相)および中に分散相粒子が分散されている連続相(または分散媒)。分散相粒子は固体、液体、または気体であってもよい。分散相粒子は、約1から1,000,000ナノメートルの範囲の直径を有し得る。コロイドは、分散相粒子中に存在する表面化学により実質的に影響され得る。コロイドの例示的な実施形態は水性コロイダルシリカ生成物である。分散相粒子の例示的な実施形態はコロイダルシリカ固体である。
【0020】
「コロイダルシリカ」という用語は、本明細書では、他に特に規定がなければ、一次分散相粒子がケイ素含有分子を含むコロイドとして解釈されることが意図される。この定義は、参考文献:一般に、シリカの化学:シリカの溶解度、重合、コロイドおよび表面特性および生化学、ラルフK.アイラー、ジョン・ウィリー&サンズ社(1979)(The Chemistry of Silica: Solubility, Polymerization, Colloid and Surface Properties and Biochemistry of Silica, by Ralph K. Iler, John Wiley and Sons, Inc. (1979))、および特に312−599ページの全教示を含む。粒子が100nm超の直径を有する場合、粒子は「ゾル」「シリカゾル」「アクアゾル」または「ナノ粒子」と呼ばれ得る。
【0021】
「生成物」という用語は、本明細書では、他に特に規定がなければ、1つの化学反応または一連の化学反応から生成され、製造プロセスにおける材料成分として使用することができる物質として解釈されることが意図される。本明細書では、「生成物」は、一般に化学反応または一連の化学反応から得られる組成物の一部である。
【0022】
「水性コロイダルシリカ生成物」という用語(または「AqCSP」)は本明細書では、他に特に規定がなければ、1つの化学反応または一連の化学反応から生成され、製造プロセス、特に、製紙プロセスにおいて材料成分として使用することができる、水相中の分散されたシリカ粒子/凝集物を有する均質混合物として解釈されることが意図される。ある一定の実施形態では、「水性コロイダルシリカ生成物」はシリカゾルである。
【0023】
「シリカゾル」という用語は、本明細書では、他に特に規定がなければ、コロイダルシリカ粒子または凝集物を含む均質水性混合組成物として解釈されることが意図される。
【0024】
万一、上記定義または本出願の他のどこかで述べられる説明が、辞書で一般的に使用される、または参照により本出願に組み込まれる情報源において述べられる意味(明確または暗黙)と矛盾する場合には、出願および特許請求の範囲の用語は特に、一般的な定義、辞書定義、または参照により組み込まれた定義に従うのではなく、本出願における定義または記載に従い解釈されることが理解される。以上を考慮すると、万一、用語が、辞書によって解釈されるときに理解することができるのみである場合には、用語がカーク・オスマー化学技術大辞典、第5版、(2005)(ジョン・ウィリー&サンズ社(Wiley, John & Sons, Inc.)により発行)により規定される場合、その定義が、用語が特許請求の範囲でどのように定義されるべきかを支配するであろう。
【0025】
少なくとも1つの実施形態では、コロイダルシリカゾルは一意的に約16から約18重量%のSiO固体の範囲の高い固体量を、約4から約20cPsの範囲の粘度と共に示しながら、前記コロイダルシリカゾルは依然として、例えば、アルミニウムによる表面の修飾なしで、高い表面積および増強された安定性を維持する。その上、発明のコロイダルゾルは、米国特許第5,368,833号、第6,372,806号および第6,372,089号において記載されるものなどの従来のシリカゾルプロセスとは異なる、新しい半バッチプロセスにより調製される。さらに、本発明のコロイダルシリカゾルは有利なことに、多くの製紙完成紙料において優れた活性を示す。本発明のシリカゾルは、数ある領域の中でも、製紙業界において、例えば、歩留まり助剤および脱水助剤として有用である。
【0026】
少なくとも1つの実施形態は、上記参照特許の教示により達成されない、約16から約18重量パーセントのSiO固体の範囲の濃度を、約4から約20cpsの範囲の低い粘度と共に有するコロイダルシリカゾルの安定な組成物である。特にゾルは、アルミニウムの存在を排除し得るが、それにもかかわらず、米国特許第5,368,833号で記載されるそれらのゾルと同じ高さの、またはこれより高い表面積を有し、および/または、これと同じくらい安定であり、またはこれより安定である。
【0027】
少なくとも1つの実施形態は、水性コロイダルシリカ生成物に関する。水性コロイダルシリカ生成物は、水および16から18重量パーセントのコロイダルシリカ固体を含む。水性コロイダルシリカ生成物は、約4から約20cpsの範囲の粘度および26から40%の範囲のS値を有する。コロイダルシリカ固体は、700から850m/gの範囲の比表面積を有する。
【0028】
少なくとも1つの実施形態は、水性コロイダルシリカ生成物を製造する方法に関する。方法は、第1に、反応槽に、少なくとも40パーセント、好ましくは少なくとも50パーセントの、水素形態でのイオン交換容量を有する陽イオン交換樹脂を入れる工程を含み、ここで、反応槽は、プロセス中に形成されたコロイダルシリカをイオン交換樹脂から分離するために、反応槽の底部付近に、例えば、スクリーンを有する。第2に、反応槽に水を入れ、反応槽の内容物を撹拌する工程。第3に、前記反応槽の内容物の温度を70から200カ氏度の範囲、好ましくは100から160カ氏度の範囲にあるように調整する工程。第4に、第1の量のアルカリ金属ケイ酸塩を前記水および陽イオン交換樹脂に攪拌しながら添加し、よって、第1の部分の水性コロイダルシリカ生成物を含む第1の中間組成物を形成させる工程。第5に、0から90分後に、第2の量のアルカリ金属ケイ酸塩が、攪拌しながら、第1の中間組成物に添加され、第2の部分の水性コロイダルシリカ生成物を含む第2の中間組成物が形成される。約0分から24時間後、第1および第2の部分の水性コロイダルシリカ生成物が第2の中間組成物から分離され、よって水性コロイダルシリカ生成物が生成される。第1および第2の量のアルカリ金属ケイ酸塩は、総量を占め、第1の量は、総量の60から95重量パーセントの範囲である。第1の中間組成物は70から200カ氏度の範囲の温度および8から14の範囲のpHを有する。第1の量のアルカリ金属ケイ酸塩は、第1の添加を1から45分の間続けさせるのに十分な第1の速度で添加される。第2の中間組成物は70から200カ氏度の範囲の温度および9から11の範囲のpHを有する。第2の量のアルカリ金属ケイ酸塩が、第2の添加を5から120分の間続けさせるのに十分な第2の速度で添加される。
【0029】
少なくとも1つの実施形態は、セルロースシートを製造する方法に関する。方法は、0.01から1.5重量パーセントのセルロース繊維を含むセルロース完成紙料を調製する工程を含む。第1の例示的な実施形態で記載される、ある量の水性コロイダルシリカ生成物が、セルロース完成紙料に添加される。水性コロイダルシリカ生成物の量は、約0.00005から約1.5重量パーセント/セルロース完成紙料中の繊維の乾燥重量のコロイダルシリカ固体の濃度を達成するのに十分である。ある量の水溶性ポリマ凝集剤が、セルロース完成紙料に添加される。水溶性ポリマ凝集剤の量は、約0.001から約5重量パーセント/セルロース完成紙料中の繊維の乾燥重量の水溶性ポリマ凝集剤の濃度を達成するのに十分である。水溶性ポリマ凝集剤は、500,000から3000万ダルトンの範囲の分子量を有する。セルロース完成紙料はその後、脱水され、セルロースシートが得られる。
【0030】
少なくとも1つの実施形態は、ある一定の化学的特性および物理的特性を有する水性コロイダルシリカ生成物に関する。当業者であれば、第2の例示的な実施形態の方法は、第1の例示的な実施形態を製造させるために使用してもよいことを容易に認識するであろうが、第1の例示的な実施形態は、第2の例示的な実施形態の方法に制限されるものと解釈されるべきではない。言い換えれば、水性コロイダルシリカ生成物は、第2の実施形態のものとは異なる方法により製造されてもよい。
【0031】
少なくとも1つの実施形態では、水性コロイダルシリカ生成物は、コロイダルシリカ固体を、水性コロイダルシリカ生成物の16から18重量パーセント、または16から17、または17から18の範囲の濃度で含む。ある一定の例示的な実施形態では、水性コロイダルシリカ生成物は、コロイダルシリカ固体を少なくとも16重量パーセント、または少なくとも16.2重量パーセント、または少なくとも16.5重量パーセント、または少なくとも16.6重量パーセント、または少なくとも16.7重量パーセント、または少なくとも16.8重量パーセント、または少なくとも16.9重量パーセント、または少なくとも17重量パーセント、または最大18重量パーセントまでの濃度で含む。
【0032】
水性コロイダルシリカ生成物の粘度は、水性コロイダルシリカ生成物の製造者および使用者にとって重要となり得る1つのパラメータである。水性コロイダルシリカ生成物は、製造プロセスにおいて有用となるためには、比較的容易に、カチオン性樹脂床およびパイプを通って流れる必要がある。本開示の第1の例示的な実施形態によれば、水性コロイダルシリカ生成物は、約4から約20cpsの範囲の粘度を有する。ある一定の実施形態では、水性コロイダルシリカ生成物は、少なくとも約4cps、および最大20cpsまで、または最大18cpsまで、または最大15cpsまで、または最大12cpsまで、または最大10cpsまで、または最大8cpsまでの粘度を有する。ある一定の実施形態では、水性コロイダルシリカ生成物は、4から18cps、または4から15cps、または4から10cpsの範囲の粘度を有する。
【0033】
水性コロイダルシリカ生成物のS値は、モニタされ、水性コロイダルシリカ生成物の使用者に報告され得る別のパラメータである。S値は、コロイド材料の微小凝集度の定量化である。S値の正確な定義は、シリカの化学:シリカの溶解度、重合、コロイドおよび表面特性および生化学、ラルフK.アイラー、ジョン・ウィリー&サンズ社(1979)で見出すことができる。本開示の第1の例示的な実施形態によれば、水性コロイダルシリカ生成物は26から40%の範囲のS値を有する。ある一定の実施形態では、水性コロイダルシリカ生成物は、少なくとも26%、または少なくとも27%、または少なくとも28%、または少なくとも29%、および最大40%まで、または最大39%まで、または最大38%まで、または最大37%まで、または最大36%まで、または最大35%まで、または最大34%まで、または最大33%まで、または最大32%まで、または最大31%まで、または最大30%までのS値を有する。ある一定の実施形態では、水性コロイダルシリカ生成物は28から40%、または29から39%の範囲のS値を有する。
【0034】
水性コロイダルシリカ生成物中のコロイダルシリカ固体の比表面積はモニタされ、水性コロイダルシリカ生成物の使用者に報告され得る1つのパラメータである。比表面積は、物質の、面積/重量また質量の単位で報告される(例えば、m/g)。本開示の第1の例示的な実施形態は、700から850m/gの範囲の比表面積を有するコロイダルシリカ固体を含む。ある一定の実施形態では、水性コロイダルシリカ生成物は少なくとも700m/g、または少なくとも750m/g、または少なくとも800m/g、および最大850m/gまでの比表面積を有するコロイダルシリカ固体を含む。ある一定の実施形態では、水性コロイダルシリカ生成物のコロイダルシリカ固体は、750から850m/g、または800から850m/gの範囲の比表面積を有する。
【0035】
水性コロイダルシリカ生成物は、少なくとも30日間安定であると考えられ得る。ある一定の実施形態では、水性コロイダルシリカ生成物は、少なくとも60日、または少なくとも90日、または少なくとも120日、または少なくとも180日、および、ある一定の実施形態では、最大360日以上まで安定である。ある一定の実施形態では、水性コロイダルシリカ生成物は、30から360日、または60から360日、または90から360日、または120から360日、または180から360日間安定である。「安定な」により、万一、水性コロイダルシリカ生成物はもはや攪拌されないという場合であっても、水性コロイダルシリカ生成物は、重量パーセントコロイダルシリカ固体、粘度、S値、および比表面積の1つ以上に関連するその物理的および化学的特性を、本明細書で規定される少なくとも最も広いレベルで保持することが意味される。言い換えれば、水性コロイダルシリカ生成物は、製紙プロセスなどの製造プロセスにおいて使用されるためのその能力を実質的に悪化させず、または失わない。
【0036】
アルミニウムまたはアルミニウム含有化合物が、時として、コロイダルシリカ固体の表面積を処理するために水性コロイダルシリカ生成物に添加され、これにより、水性コロイダルシリカ生成物が安定化される。本明細書で開示される、水性コロイダルシリカ生成物の実施形態は、一般にアルミニウムを含まず、それらの安定性を維持するためにアルミニウムまたはアルミニウム含有化合物で処理される必要はない。ある一定の実施形態では、水性コロイダルシリカ生成物はアルミニウムを含まず、少なくとも30日、または少なくとも60日、または少なくとも90日、または少なくとも120日、または少なくとも180日、および最大360日までの間安定である。ある一定の実施形態では、水性コロイダルシリカ生成物は、30から360日、または60から360日、または90から360日、または120から360日、または180から360日の間安定である。「アルミニウムを含まない」という用語は、水性コロイダルシリカ生成物は微量にすぎないアルミニウムまたはアルミニウム含有化合物しか含まず、例えば、500ppm未満のアルミニウムしか含まないことを示す。
【0037】
水性コロイダルシリカ生成物のある一定の実施形態では、水性コロイダルシリカ生成物は、アルカリ金属またはアルカリ金属含有化合物をさらに含む。アルカリ金属またはアルカリ金属含有化合物は、アルカリ金属イオン、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属塩の形態、または当業者に知られている別の形態であってもよい。水性コロイダルシリカ生成物のある一定の実施形態を製造するために使用される好適なアルカリ金属含有化合物は、本明細書で記載されるように、アルカリ金属ケイ酸塩である。水性コロイダルシリカ生成物中に存在し得るアルカリ金属の例示的な実施形態としては、ナトリウム、カリウム、リチウムおよびそれらの組み合わせが挙げられる。水性コロイダルシリカ生成物のある一定の実施形態はナトリウム含有化合物をさらに含む。
【0038】
アルカリ金属またはアルカリ金属含有化合物をさらに含む水性コロイダルシリカ生成物の実施形態では、アルカリ金属またはアルカリ金属含有化合物は、水性コロイダルシリカ生成物中に、5:1から50:1、または5:1から30:1、または5:1から25:1、または5:1から20:1、または5:1から15:1の範囲のシリカ対アルカリ金属のモル比を提供するのに十分な量で存在し得る。ある一定の実施形態では、水性コロイダルシリカ生成物は、少なくとも8:1および最大50:1まで、または最大30:1まで、または最大25:1まで、または最大20:1まで、または最大15:1までのSiO対アルカリ金属のモル比を有する。
【0039】
水性コロイダルシリカ生成物のある一定の実施形態は9から11の範囲のpHを有する。水性コロイダルシリカ生成物のpHはさらに10から11の範囲であってもよい。
【0040】
少なくとも1つの実施形態は、水性コロイダルシリカ生成物を製造する方法に関する。一実施形態では、上記方法(複数可)のいずれも、本開示の第1の例示的な実施形態の水性コロイダルシリカ生成物を製造するために使用することができる。しかしながら、上記方法は、上記水性コロイダルシリカ生成物のみを製造するためだけに制限されない。さらに、アルカリ金属ケイ酸塩の添加は2工程で実施されるので、水性コロイダルシリカ生成物を製造する方法は、「バッチ」とは対照的に「半バッチ」として記載することができる。
【0041】
少なくとも1つの実施形態では、第1の量のアルカリ金属ケイ酸塩が、水および部分的に再生された陽イオン交換樹脂に攪拌しながら、70から200カ氏度の範囲の温度で添加され、よって、第1の部分の水性コロイダルシリカ生成物を含む第1の中間組成物が形成される。第1の中間組成物は8から14、または8から12、または9から11のpH、および、ある一定の実施形態では、少なくとも8、または少なくとも9または少なくとも10、および最大14まで、または最大13まで、または最大12まで、または最大11までのpHを有する。第1の量のアルカリ金属ケイ酸塩が、水および陽イオン交換樹脂に、添加を、1から45分、または2から30分、およびある一定の実施形態では、少なくとも1分、または少なくとも2分、および最大45分まで、または最大30分まで、または最大20分まで、または最大10分までの間続けさせるのに十分な速度で添加される。
【0042】
第1の量のアルカリ金属ケイ酸塩が添加された後、第2の量のアルカリ金属ケイ酸塩が、攪拌しながら、70から200カ氏度の範囲の温度で、第1の中間組成物に添加され、よって、第2の部分の水性コロイダルシリカ生成物を含む第2の中間組成物が形成される。第2の量は、第1の量のアルカリ金属ケイ酸塩の添加が完了した直後(例えば、0分)から、第1の量の添加後最大90分までの任意の時間で添加されてもよい。第2の中間組成物は8から11、または9から11の範囲のpHを有する。第2の量のアルカリ金属ケイ酸塩は、添加を、5から120分、または10から60分の間、およびある一定の実施形態では、少なくとも5分、または少なくとも10分、または少なくとも15分、最大120分まで、または最大90分まで、または最大60分まで、または最大45分まで、または最大30分までの間続けさせるのに十分な第2の速度で添加される。
【0043】
水性コロイダルシリカ生成物を製造する方法のある一定の実施形態では、第2の中間組成物は、0分から24時間、ある一定の実施形態では少なくとも0分、または少なくとも15分、または少なくとも30分、最大24時間まで、または最大18時間まで、または最大12時間まで、または最大6時間まで、または最大3時間まで、または最大2時間までの間攪拌させられる。水性コロイダルシリカ生成物を製造する方法のある一定の実施形態では、第1または第2中間生成物、または両方は、当業者に知られている任意の1つのまたは複数の様式で攪拌させてもよく、限定はされないが、羽根車またはパドル混合、再循環、エアースパージング、振動、槽振盪、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0044】
0分から24時間の攪拌後、第1および第2の部分の水性コロイダルシリカ生成物が第2の中間組成物から分離され、よって水性コロイダルシリカ生成物が生成される。ある一定の実施形態では、水性コロイダルシリカ生成物の第2の中間組成物からの分離は濾過を使用して実施される。
【0045】
少なくとも1つの実施形態では、濾過は、懸濁材料を液体担体媒質から除去するように構成され、配列された別の型の液体/固体分離装置を用いて実施される。これは、任意の濾過装置、例えばスクリーン、溝付き/穴あきパイプ、メンブランまたは同様の粗濾過装置、またはそれらの組み合わせにより達成されてもよい。代表例としてはサンドフィルタ、濾紙、メンブランフィルタ、RO、NF、UF、MF、浸水式フィルタ、圧力フィルタ、(遠心分離機、サイクロン、ハイドロサイクロン、電気集塵装置、重力セパレータ、ミストエリミネータ、スクリーナ、スチームトラップ、吸収体、吸着体、バイオフィルタ、クリスタライザ、除湿器、蒸留塔、乾燥機、蒸発器、抽出器、加湿器、イオン交換カラム、ストリッパー)、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。少なくとも1つの実施形態では、フィルタは論文、WJコロスらによるメンブランおよびメンブランプロセスのための専門用語、メンブランサイエンスジャーナル、(Terminology for Membranes and Membrane Processes, by WJ Koros et al., Journal of Membrane Science)120巻、149−159頁(1996年)で開示される濾過技術の1つ以上を含む。少なくとも1つの実施形態では、フィルタは、ウェブサイト:http://encyclopedia.che.engin.umich.edu/Pages/SeparationsChemical/SeparationsChemical.html(2013年10月17日にアクセス)で記載される化学分離プロセスの任意の1つ以上および/またはウェブサイト:http://encyclopedia.che.engin.umich.edu/Pages/SeparationsMechanical/SeparationsMechanical.html(2013年10月17日にアクセス)で記載される機械的プロセスの任意の1つ以上を含む。メンブランフィルタは、ポリマ、セラミック、鋼またはガラス材料から製造されてもよい。
【0046】
一実施形態によれば、例えば、水性コロイダルシリカ生成物を製造する方法では、第1の量および第2の量のアルカリ金属ケイ酸塩は総量を占め、第1の量は、総量の60から95重量パーセント、または65から90重量パーセント、または70から80重量パーセントの範囲であり、ある一定の実施形態では、総量の、少なくとも60重量パーセント、または少なくとも65重量パーセント、または少なくとも70重量パーセント、最大95重量パーセントまで、または最大90重量パーセントまで、または最大85重量パーセントまでまたは最大80重量パーセントまで、または最大75重量パーセントまでである。
【0047】
一般に、第2の例示的な実施形態の方法において添加されるアルカリ金属ケイ酸塩(その第1および第2の量の両方)はケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される。ある一定の実施形態では、アルカリ金属ケイ酸塩はケイ酸ナトリウムである。第1および第2の量のアルカリ金属ケイ酸塩は一般に同じ組成物である(例えば、一般に、同じ化学組成、同じ物理的性質、同じ不純物、などを有する)が、第1および第2の量は、理論的には異なる物理的および化学的特性を有する組成物とすることができる。例えば、第1の量はケイ酸ナトリウムであり、第2の量はケイ酸カリウムである。ある一定の実施形態では、第1および第2の量のアルカリ金属ケイ酸塩は同じ組成物である。例えば、第1の量はケイ酸ナトリウムであり、第2の量は同じ型のケイ酸ナトリウムである。
【0048】
出発材料成分(すなわち、アルカリ金属ケイ酸塩、陽イオン交換樹脂、水、など)の品質は水性コロイダルシリカ生成物においていくらかの変化を与える可能性があるが、方法は予想外に、製紙業界に対して、例えば歩留まり助剤および脱水助剤として特に有益な特性を有する水性コロイダルシリカ生成物を生成した。アルカリ金属ケイ酸塩はいくつもの従来の材料、例えば水ガラスとすることができる。アルカリ金属ケイ酸塩における、SiO対NaO、またはKO、またはLiO、または、NaO、KOおよびLiOの組み合わせのモル比は、15:1から1:1の範囲とすることができ、好ましくは2.5:1から3.9:1の範囲にある。そのようなアルカリ金属ケイ酸塩溶液は、典型的には10を超える、典型的には少なくとも11のpHを有するであろう。そのようなアルカリ金属は不純物を含む可能性があり、限定はされないがアルミニウム、鉄、カルシウム、マグネシウム、塩化物および硫酸のイオンが挙げられる。前記アルカリ金属ケイ酸塩中の固体含量はSiOとして約15から40重量パーセントの範囲とすることができる。
【0049】
水性コロイダルシリカ生成物を製造するのに使用される水は特に制限されず、任意の合理的な軟真水(すなわち、ブライン(brine)ではなく、2000μS/cm未満の伝導度を有する)とすることができる。ある一定の実施形態では、水は水道水、井戸水、蒸留水、脱イオン水、他の精製水、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0050】
第2の例示的な実施形態の方法において使用される陽イオン交換樹脂は特に制限されない。ある一定の実施形態では、陽イオン交換樹脂は弱酸カチオン性樹脂であることが好ましく、アンバーライト(Amberlite)(登録商標)IRC84SPが挙げられるが、これに限定されない。
【0051】
ある一定の実施形態では、陽イオン交換樹脂は、前の製造プロセスから再生後に再利用してもよい。陽イオン交換樹脂は、有機または無機酸を使用して再生させてもよい。陽イオン交換樹脂を再生させるために使用することができる酸の例示的な実施形態としては下記が挙げられるが、それらに限定されない:硫酸、塩酸、リン酸、または二酸化炭素などの材料、およびそれらの組み合わせ。好適な有機酸の例としては下記が挙げられるが、それらに限定されない:酢酸、ギ酸およびプロピオン酸。ある一定の実施形態では、無機および有機塩が、樹脂を再生させるための弱酸として使用され、またはコロイダルシリカ生成物粘度を低減させるために使用され得る。好適な塩の例としては、下記が挙げられるが、それらに限定されない:硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸カリウム、酢酸カリウム、リン酸三ナトリウムおよびリン酸一水素ナトリウム。
【0052】
陽イオン交換樹脂は、特に制限されない、水素形態でのイオン交換容量を有するが、ある一定の実施形態では、陽イオン交換樹脂は、水素形態での、40から100%、または50から100%または60から100%、およびある一定の実施形態では少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%のイオン交換容量を有する。
【0053】
予想外に、第2の実施形態による方法は、16から18重量パーセントのコロイダルシリカ固体、4から20cpsの範囲の粘度、26から40%の範囲のS値を有し、コロイダルシリカ固体が、700から850m/gの範囲の比表面積を有する、水性コロイダルシリカ生成物を製造することができることが示されており、全て、ケイ酸または限外濾過を使用しない。
【0054】
第2の例示的な実施形態のある一定の実施形態では、第1または第2の中間組成物、水性コロイダルシリカ生成物、または前記のいずれか、または全ては、8から11の範囲のpHを有し、pHはさらに9から11の範囲であってもよい。
【0055】
第2の例示的な実施形態のある一定の実施形態では、第1および第2の中間組成物は、100から160カ氏度の範囲の温度を有する。
【0056】
第2の例示的な実施形態のある一定の実施形態では、アルカリ金属ケイ酸塩を添加する第1の速度は、第1の量のアルカリ金属ケイ酸塩の添加を1から45分続けさせるのに十分である。第2の例示的な実施形態のある一定の実施形態では、アルカリ金属ケイ酸塩を添加する第2の速度は、第2の量のアルカリ金属ケイ酸塩の添加を5から120分続けさせるのに十分である。
【0057】
本明細書で記載される水性コロイダルシリカ生成物は、限定はされないが、下記を含むいくつかの製造プロセスの任意の1つ以上において使用してもよい:製紙プロセス、例えば、歩留まりおよび濾水、パルプ脱水、水処理および廃水処理プロセス、例えばスラッジ脱水、水性無機スラリーの浄化および脱水、精製所乳化破壊など、例えば、ビール、ワイン、ジュース、および糖浄化のための食品および飲料プロセス。本明細書で記載される水性コロイダルシリカ生成物は、製紙プロセスにおいて使用するのに特に好適である。
【0058】
方法は、ガーリーA.スムックによるパルプおよび紙技術者のためのハンドブック、アンガスワイルド出版社、(Handbook for Pulp and Paper Technologists, by Gary A. Smook, Angus Wilde Publicatiosn Inc., )(2001年)に記載されるコロイダルシリカを使用するための方法およびプロセスのいずれか1つ、いくつか、または全てに従い、使用してもよい。加えて、水性コロイダルシリカ生成物はセルロース完成紙料に製紙プロセスのウェットエンドで添加することができ、これによりセルロース完成紙料中、その結果としてセルロースシート中のフィラー(「灰分」)の歩留まりが増強され、一方、水のセルロース完成紙料からの濾水がさらに助けられる。
【0059】
本開示の少なくとも1つの実施形態は、セルロースシートを製造する方法に関する。方法は、セルロース完成紙料の総重量に基づき(すなわち、水を含む)、0.01から1.5重量パーセントのセルロース繊維を含むセルロース完成紙料を調製する工程を含む。ある量の本明細書で記載される水性コロイダルシリカ生成物、およびある量の水溶性ポリマ凝集剤が、セルロース完成紙料に添加される。セルロース完成紙料に添加される水性コロイダルシリカ生成物の量は、約0.00005から約1.5重量パーセント/セルロース完成紙料中の繊維の乾燥重量のコロイダルシリカ固体の濃度を達成するのに十分である。言い換えれば、セルロース完成紙料中の100ポンド(lb)の繊維(乾燥重量)ごとに、0.00005から1.5ポンドのコロイダルシリカ固体が存在するだろう。セルロース完成紙料に添加される水溶性ポリマ凝集剤の量は、約0.001から約5重量パーセント/セルロース完成紙料中の繊維の乾燥重量の水溶性ポリマ凝集剤の濃度を達成するのに十分である。水溶性ポリマ凝集剤は、500,000から3000万ダルトンの範囲の分子量を有する。セルロース完成紙料はその後、当業者に知られている様式で脱水され、よって、セルロースシートが得られる。その代わりに、カチオン性デンプンが完成紙料に、合成ポリマ凝集剤の代わりに、またはこれに加えて、完成紙料中の繊維の乾燥重量に基づき、約0.005から約5.0重量パーセントの量で添加されてもよい。より好ましくは、デンプンは、完成紙料中の繊維の乾燥重量に基づき、約0.5から約1.5重量パーセントの量で添加される。さらに別の実施形態では、凝結剤が、完成紙料に、凝集剤および/またはデンプンの代わりに、またはこれに加えて、製紙完成紙料中の繊維の乾燥重量に基づき、約0.005から約1.25重量パーセントの量で添加されてもよい。好ましくは、凝結剤は、完成紙料中の繊維の乾燥重量に基づき、約0.025から約0.5重量パーセントの量で添加される。
【0060】
セルロースシートを製造する方法のある一定の実施形態では、水性コロイダルシリカ生成物が、セルロース完成紙料に添加される。
【0061】
第3の例示的な実施形態によるある一定の実施形態で使用するのに好適な水溶性ポリマ凝集剤の非限定的な例としては、カチオン性、アニオン性、両性、および双性イオンポリマが挙げられる。カチオン性水溶性ポリマ凝集剤の例としては、カチオン化デンプン、ならびに下記モノマを含むホモポリマおよびコポリマが挙げられる:メタクリル酸ジメチルアミノエチル(「DMAEM」)、アクリル酸ジメチルアミノエチル(「DMAEA」)、アクリル酸ジエチルアミノエチル(「DEAEA」)、メタクリル酸ジエチルアミノエチル(「DEAEM」)、または硫酸ジメチルまたは塩化メチルと共に生成されるそれらの四級アンモニウム形態、マンニッヒ反応修飾ポリアクリルアミド、ジアリルシクロヘキシルアミン塩酸塩(「DACHAHCl」)、塩化ジアリルジメチルアンモニウム(「DADMAC」)、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム(「MAPTAC」)、およびアリルアミン(「ALA」)。
【0062】
ある一定の実施形態では、セルロース完成紙料に添加される水性コロイダルシリカ生成物の量は、0.00005から1.5重量パーセント、または0.0005から1重量パーセント、または0.005から0.05重量パーセント/セルロース完成紙料中の繊維の乾燥重量、ある一定の実施形態では、少なくとも0.00005、または少なくとも0.0005、または少なくとも0.005、または少なくとも0.05、最大0.5重量パーセントまで、または最大1重量パーセントまで、または最大1.5重量パーセントまで/セルロース完成紙料中の繊維の乾燥重量のコロイダルシリカ固体濃度を達成するのに十分である。
【0063】
第1通過灰分歩留まり(「第1通過灰分歩留まり(First pass ash retention)」または「FPAR」)は、セルロース完成紙料中、その結果としてセルロースシート中の填料歩留まりを決定する時に、製紙業者にとって重要な1つのパラメータである。セルロース完成紙料に添加される水性コロイダルシリカ生成物により、第1通過灰分歩留まりの増加が可能になり、一方、セルロース完成紙料からの濾水には悪影響はない。実際、本開示の水性コロイダルシリカ生成物は、セルロース完成紙料からの濾水を助けることが見出されている。
【0064】
さらに、第1通過灰分歩留まりは、第1通過灰分歩留まり置換率を計算するために使用することができる。第1通過灰分歩留まり置換率は、本開示の水性コロイダルシリカ生成物を使用した場合の、当技術分野で知られているバッチプロセス(例えば、米国特許第6,372,089号および第6,372,806号)を使用して製造された水性コロイダルシリカ生成物を使用した場合と比較した、等価の第1通過灰分歩留まりを達成するために必要とされる微小粒子投与の量の比である。第1通過灰分歩留まり置換率は下記式1において示される:
【0065】
【数1】
【0066】
式1から推定できるように、および図1に示されるように、FPAR置換率が1未満である場合に、第1通過灰分歩留まりの改善が見られる。「バッチ」水性コロイダルシリカ生成物を使用し、90%の第1通過灰分歩留まりを達成するセルロースシートでは、90%FPARを達成するために要求される微小粒子投与量は、乾燥セルロース繊維に基づき、およそ1.6ポンドの微小粒子/1トンのセルロース完成紙料である。ある一定の実施形態では、本開示の水性コロイダルシリカ生成物を、同じコロイダルシリカ固体量/繊維の乾燥重量で組み入れたセルロースシートは、90%FPARを、約0.9から約1.2ポンドの微小粒子/1トンのセルロース完成紙料中の繊維の乾燥重量で達成することができることが示されている。よって、ある一定の実施形態では、発明の水性コロイダルシリカ生成物を組み入れたセルロースシートに対するFPAR置換率は約0.5から約0.8の範囲である。
【実施例】
【0067】
前記は下記実施例を参照することにより、よりよく理解することができ、それらの実施例は、説明目的のために提示され、本発明の範囲を制限することは意図されない。特に実施例は、発明本来の原理の代表例を示し、これらの原理は、これらの実施例で列挙される特定の状況に厳密には制限されない。その結果、発明は、本明細書で記載される実施例に対する様々な変更および改変を包含し、そのような変更および改変は本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに、かつその意図される利点を減少させずに可能であることが理解されるべきである。そのため、そのような変更および改変は添付の特許請求の範囲に含められることが意図される。
【0068】
実施例1:
発明のコロイダルシリカゾルの調製。発明の水性コロイダルシリカ生成物(表1におけるサンプル7−15)を、下記の通りに記載される実験室規模の半バッチ手順を用いて調製した。反応槽に600mLのアンバーライト(登録商標)IRC84SPイオン交換樹脂(ダウ(Dow)から入手可能)をそのナトリウム形態で入れる。樹脂を水素形態に再生させるための製造者の手順に従い、再生は少なくとも40パーセント完了する。樹脂を水ですすぎ清浄にし、水を切る。190−380グラムの水を槽に入れ、槽の内容物の混合を開始し、樹脂を懸濁させる。次に、反応器の内容物を100−160°Fまで加熱する。反応槽に(約2−20分の期間にわたって)186−505グラムのケイ酸ナトリウム(3.26のSiO対NaOのモル比および11.2のpHを有する)を入れる。1−45分後、反応槽に(約5−30分の期間にわたって)13−160グラムのケイ酸ナトリウムを入れる。反応槽中の内容物をさらに10−180分間撹拌する。その後、内容物を反応槽から除去し、コロイダルシリカ生成物をイオン交換樹脂から、フィルタバッグを介して分離する。
【0069】
従来のバッチプロセスを使用したコロイダルシリカゾルの調製。バッチ方法を使用して製造された比較サンプル(サンプル1−6)のため。反応槽に600mLのアンバーライト(登録商標)IRC84SPイオン交換樹脂(ダウから入手可能)をそのナトリウム形態で入れる。樹脂を水素形態に再生させるための製造者の手順に従い、再生は少なくとも40パーセント完了する。樹脂を水ですすぎ清浄にし、水を切る。190−380グラムの水を槽に入れ、槽の内容物の混合を開始し、樹脂を懸濁させる。次に、反応器の内容物を100−160°Fまで加熱する。反応槽に(約2−20分の期間にわたって)266−532グラムのケイ酸ナトリウム(3.26のSiO対NaOのモル比および11.2のpHを有する)を入れる。反応槽中の内容物をさらに10−180分間撹拌する。その後、内容物を反応槽から除去し、コロイダルシリカ生成物をイオン交換樹脂から、フィルタバッグを介して分離する。
【表1】
【0070】
表1から見てわかるように、少なくとも16%のコロイダルシリカ固体を達成する、従来のバッチ方法により調製したサンプル(例えば、サンプル1−6)は全て、粘度に関して要求される上限を満たすことができない。しかしながら、本明細書で概略が示される半バッチ方法を用いて調製したサンプル7−15は全て、予想外に、16−18重量パーセントのコロイダルシリカ固体を達成しながら、粘度(4−20cP)、S値(26−35%)、およびコロイダルシリカ固体の比表面積(700−850 m/g)に対して列挙された要求制限を満たした。
【0071】
実施例2:
実施例2では、発明の水性コロイダルシリカ生成物(表2におけるサンプル16−29)を、下記パイロット規模半バッチ手順を用いて調製した。反応槽に、185ガロンのアンバーライト(登録商標)IRC84SPイオン交換樹脂(ダウから入手可能)をそのナトリウム形態で入れる。樹脂を水素形態に再生させるための製造者の手順に従い、再生は少なくとも40パーセント完了する。樹脂を水ですすぎ清浄にし、水を切る。683−1158ポンドの水を槽に入れ、槽の内容物の混合を開始し、樹脂を懸濁させる。次に、反応器の内容物を100−160°Fまで加熱する。反応槽に(約2−20分の期間にわたって)574−1320ポンドのケイ酸ナトリウム(3.26のSiO対NaOのモル比および11.2のpHを有する)を入れる。1−45分後、反応槽に(約5−30分の期間にわたって)41−417ポンドのケイ酸ナトリウムを入れる。反応槽中の内容物をさらに10−180分間撹拌する。その後、内容物を反応槽から、スクリーンを介して底部から除去する。
【表2】
【0072】
表2からわかるように、パイロット規模サンプルの各々は、コロイダルシリカ固体が約18%もの高さであっても(サンプル16)、要求されるパラメータを達成した。
【0073】
実施例3:
対照サンプルおよび実施例2のサンプル17−19を、各々の第1通過灰分歩留まりに関する比較実験において使用した。サンプルの各々をセルロース完成紙料上に投与した。
【0074】
見てわかるように、サンプル17−19の各々については、90%の第1通過灰分歩留まりを、対照サンプルと比べて、およそ0.5から0.8という多さの微小粒子投与量(FPAR置換率)を使用して達成することができる。これらの結果は図1においてグラフにより明示される。
【表3】
【0075】
見てわかるように、発明の製造方法を用いて調製した発明の水性コロイダルシリカ生成物は、対照サンプルに比べて優れた結果を提供した。
【0076】
用語「含む」「含有する」または「含んでいる」という用語が明細書または特許請求の範囲で使用される限りでは、それらは、その用語が特許請求の範囲において暫定語として使用された場合に解釈される「備える(comprising)」という用語と同様に包括的であることが意図される。さらに、「または」という用語が使用される限りでは(例えば、AまたはB)、「AまたはBまたはAおよびBの両方」を意味することが意図される。出願人が「AまたはBのみであって、両方ではない」こと示すことを意図する場合には、「AまたはBのみであって、両方ではない」という用語が使用されるであろう。よって、本明細書での「または」という用語の使用は、包括的使用であり、排他的使用ではない。また、「中」または「中に」という用語が明細書または特許請求の範囲において使用される限りでは、加えて「上」または「上に」を意味することが意図される。
【0077】
一般的な発明概念を、少なくとも一部は、その様々な例示的な実施形態を記載することにより説明してきた。これらの例示的な実施形態はかなり詳細に記載されているが、出願人は、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に制限する、または多少なりとも限定することを意図しない。さらに、様々な発明概念は、互いに組み合わせて使用してもよい(例えば、第1、第2、第3、第4、などの例示的な実施形態の1つ以上が、互いに組み合わせて使用され得る)。加えて、特定的に開示された実施形態と関連するとして列挙された任意の特定の要素は、特定の要素の組み入れが、実施形態の明示条件に相反しない限り、全ての開示された実施形態と共に使用するのに利用可能であると解釈されるべきである。追加の利点および改変は、当業者に容易に明らかになる。よって、開示は、そのより広い態様において、その中で提示された具体的詳細、代表的な装置、または図示され、記載された例示的な例に限定されない。したがって、そのような詳細からの逸脱は、一般的な発明概念の趣旨または範囲から逸脱せずに可能である。
【0078】
本明細書で言及される全ての特許、特許出願、科学論文、任意の他の参照材料は、それらの全体が、参照により組み込まれる。さらに、発明は、本明細書で言及される、本明細書で記載されるおよび/または本明細書に組み込まれる様々な実施形態のいくつかまたは全ての任意の可能な組み合わせ包含する。加えて、発明は、本明細書で言及される、本明細書で記載されるおよび/または本明細書に組み込まれる様々な実施形態の任意の1つまたはいくつかを特定的に排除する任意の可能な組み合わせを包含する。
図1