【実施例】
【0065】
以下、実施例等により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0066】
<実施例1 球形結晶セルロース(セルフィア)−DL−メチオニン系のコーティング>
表1に示す4種の球形結晶セルロース(セルフィア:旭化成ケミカルズ社製)を核粒子として用い、その上に第1のコーティング、さらにその上へ第2のコーティングを施した。第1のコーティング工程と第2のコーティング工程のそれぞれにおいて蛍光X線を測定し、コーティング状態を評価した。
【0067】
【表1】
【0068】
モデル薬物として、蛍光X線で検出できる硫黄Sを含有するDL−メチオニンを用を用いて表2の処方で溶液を調製した。得られた溶液を、転動流動層造粒コーティング機(MP−01:パウレック社製)のトップスプレーの流動層モードで、表3に示す条件で表1に示す粒子にコーティングした。スプレー液濃度はコーティング液で固形分15%とした。スプレー速度、給気および排気温度等はスケールおよび機種に合わせて設定した。凝集や双子粒ができにくい条件系を選んだ。
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
上記コーティング条件でスプレーを行い蛍光X線測定用のコーティング顆粒を得た。サンプリングは予め決められた時点(スプレー液の33%、66%および100%量をスプレーした3時点)で行い、その際、蛍光X線測定が可能な量(約5g)を採取した。
【0072】
得られたサンプルを堀場製作所製のMESA−500(あるいはMESA−500W)での蛍光X線の測定に供した。MESA−500専用の測定セルに工程途中でサンプリングされた顆粒(約5g)を充填し、蛍光X線の影響を受けないフィルムでシールしたものを、フィルム面を下にしてセットし、真空にした後、斜めからの照射X線(5mm径)に対して反対側に発生した蛍光X線を測定した。
【0073】
測定は、真空下で検出器の高純度シリコンを液体窒素で冷却し、15kVのエネルギーで発生させたX線を照射し、主に100秒の累積カウント数でデータ取りを行った。測定は繰り返して再現性を確認しながら行ったデータであるが、カウント時間が短いと標準偏差(SD)が大きくなる傾向があるかどうかの確認を行った。
【0074】
蛍光X線の測定データを測定時間(50秒〜200秒)によるカウント測定値のバラツキでは、十分にSDが小さな条件であったことから、カウント時間は主に100秒とした。
【0075】
蛍光X線の測定対象としては、硫黄Sのシグナルを測定した。また、同時にマスクコーティング工程では、タルクに起因するケイ素SiおよびマグネシウムMgのシグナルも測定した。実施例3および実施例4ではモデル薬物である炭酸カルシウムのカルシウムCaのシグナルを主に測定した。
【0076】
MESA−500では、ロジウム(Rh)ターゲットからのシグナルが3keVあたりに大きく表れる。入射X線に起因する蛍光X線に付随して、サンプルに含有されている硫黄SのKα線のスペクトルが2.31keVに検出される。そのシグナルの大きさを一定時間(100秒)測定し、その蛍光X線のカウント数をcps/μAという単位で計測した。
【0077】
このように測定される蛍光X線のデータの特性のバラツキおよび再現性については、繰り返し測定することで、照射X線および蛍光X線に起因するバラツキ(ゆらぎ)の割に、再現性およびバラツキの少ない測定法であることがわかった。
【0078】
今回の測定は、デスク設置型の蛍光X線測定装置(MESA−500)を用いて行われたものである。工程から得られたサンプルについて、蛍光X線を測定した。サンプルの調製・測定装置への設置あるいは、サンプル室を真空状態にするのに若干時間がかかるが、実際は、粒子のコーティング工程は、流動層造粒機、転動流動層造粒コーティング機、ワースター等の機械を用いて行われ、一つの工程においてもスプレー時間のかかるものであるため、アットラインで測定に数分かかっても十分モニターすることと同じ結果が得られる。
【0079】
さらに、実施例3および実施例4で使用した色素はコーティング量および率を見積るために処方しているが、抽出液の吸光度を、島津製作所製の紫外可視分光光度計UV−2500PCを用いて426nmにおける吸光度を測定することで含量を見積もった。
【0080】
図1に示すように、コーティング時間が長くなればなるほど、DL−メチオニンによる硫黄Sの蛍光X線が増加した。蛍光X線の増加の程度は、核粒子が大きくなるにつれて大きくなる。
【0081】
コーティング工程の常識として、同じ量のコーティング液を表面積の異なる核粒子にコーティングしていく場合、大きな粒子(表面積が小さい粒子)程多くコーティングされるため、DL−メチオニンの濃度(シグナル強度)が大きくなると考えられる。これは大きな錠剤と小さな錠剤を混合してフィルムコーティングを行った場合、大きな錠剤の方に多くコートされる現象からも理解できる。
【0082】
また、
図1に示す蛍光X線の強度の推移の傾き(増加量)は小さな核粒子程小さく、大きな核粒子程大きくなる。セルフィアの大きさ及び重さから換算した表面積の比と、この傾きの比をプロットすると良い相関が得られる。さらに、粒径の大きくなるほど直線性がなくなり、上に凸になる傾向がある。
【0083】
これは粒子のコート厚みの影響であり、ある一定の厚み(限界厚)以上でこのような影響がある。但し、入射X線の強度(今回は15kVで印加)を強くすれば限界厚は厚くなると考えられる。しかしながら、粒度が小さくコート厚みが小さい場合は十分に直線性があり、蛍光X線の値からコーティング量を推し量ることができる。
【0084】
蛍光X線を発する元素を含有するコーティング液をスプレーすることで、微粒子上にコートされた層の評価をするのであるが、蛍光X線の値がコーティング量に比例していることから、どれぐらいコーティングされたのかが判る。実施例1では、種々の大きさの粒子にコーティングしていくにつれて硫黄Sの蛍光X線強度が強くなり、厚みに比例した蛍光X線の値が得られる。
【0085】
<実施例2 マスクコーティング工程の例>
実施例1で得られたコーティング粒子の上に、さらにマスクコーティングを施した。
【0086】
コーティング顆粒の100%スプレーしたサンプル1320gに対して、タルク中心の表4の処方のスプレー液をコーティングに使用した。スケールは約1.9kgの小スケールであった。コーティング液濃度は固形分19%とした。スプレー条件を表5に示す。
【0087】
【表4】
【0088】
【表5】
【0089】
核粒子へのコーティングは実施例1と同じ装置と条件で行った。蛍光X線測定用のコーティング顆粒を、予め決められた時点(スプレー液の33%、66%および100%量をスプレーした3時点)で行い、その際蛍光X線測定が可能な量(約5g)を採取した。
【0090】
得られたサンプルについて、実施例1と同様に蛍光X線を測定した。蛍光X線の強度の時間変化を
図2に示す。蛍光X線の測定対象としては、硫黄Sのシグナルと、マスクコーティング中のタルクに起因するケイ素SiおよびマグネシウムMgのシグナルを測定した。実施例3および実施例4ではモデル薬物である炭酸カルシウムのカルシウムCaのシグナルを主に測定した。
【0091】
図2に示すように、マスクコーティングが進むにつれて、タルクに含有されているケイ素Si等により、DL−メチオニンの硫黄Sの蛍光X線が遮蔽されて減衰していく。
【0092】
種々のサイズの核粒子のコーティング顆粒にタルク(ケイ素とマグネシウムを含有)をコーティングすると、中のDL−メチオニンの硫黄Sに起因する蛍光X線が指数関数的に減衰する。その減衰の程度は粒子が大きくなる程コーティング(マスキング)効果が大きいため大きくなる。すなわち、粒度が大きいものほど表面積が小さくなり、コーティング量(厚)が大きくなるため容易に遮蔽されて減衰が強くなる。
【0093】
一方、タルクに含有されているケイ素Siの蛍光X線の強度は、マスクコーティング量が増加するにつれて増加する。
【0094】
遮蔽効果とコーティング量の関係が如実にわかる。一方、
図3に示すように、マグネシウムMgのシグナルもケイ素Siと同じ挙動を示すが、ケイ素Siに比べてマグネシウムMgの量が少なく、シグナル強度は弱いものであった。
【0095】
DL−メチオニンの硫黄Sに起因する蛍光X線は、タルク等のコーティングによって遮蔽される。その遮蔽によって硫黄Sのシグナルは指数関数的に減衰し、所定のコーティングによって小さな値となる。一方コーティングするタルクに起因する蛍光X線は増加して頭打ちになる。その微粒子表面へのコーティング量は、一つはシグナルの減衰で、その値は遮蔽の程度(コーティング量)に依存するので、その結果からコーティング量を見積もることが可能となる。
【0096】
<実施例3 乳糖水和物−炭酸カルシウム系の中スケールのコーティング>
実施例3および実施例4では、実施例1および実施例2の核粒子として使用した球形結晶セルロースのような球形度のよいものではなく、結晶乳糖水和物(80M)の微粉を除いたものを核粒子として使用した。この核粒子はDMV社の乳糖水和物の粒度の大きなもの(80メッシュグレード)であるが、米粒のような形をしている。粒度はレーザー式粒度測定機(LA−910およびLA−950:堀場製作所製)で測定した。平均粒径(D50%)は約200μmであった。
【0097】
この核粒子へ、炭酸カルシウムをモデル薬物として用いて、表6に示す処方でコーティングを行った。スケールは20kgの中スケールであった。スプレー液濃度はコーティング液で固形分約13%とした。スプレー条件を表7に示す。
【0098】
【表6】
【0099】
【表7】
【0100】
サンプリングは3kgのスプレー毎に行い、得られたサンプルを蛍光X線の測定に供した。すなわち、5時点のサンプリングを行った。
【0101】
得られたサンプルについて、実施例1と同様に蛍光X線を測定した。蛍光X線の強度の時間変化を
図4に示す。蛍光X線の測定対象としては、モデル薬物である炭酸カルシウムのカルシウムCaのシグナルを測定した。
【0102】
実施例3において炭酸カルシウムをコーティングし調製したサンプルについて、蛍光X線を測定した。カルシウムCaのシグナル推移を測定した結果、良好な直線性が3ロットについて得られていることがわかる。
【0103】
これは、粒子の大きさが実施例1および実施例2で用いた粒径200μmに相当するCP−102およびCP−203レベルのものであり、表面積があまり小さくないので、良好な直線性が得られたものである。3ロットの間の乖離もあまりないことから、この中間スケールの検討においても、本発明の手法は十分に適用できることがわかった。
【0104】
この場合も、コーティング量に比例した蛍光X線が得られ、その量は蛍光X線の強度で見積もることができる。一定の処方および条件で製造され、同じものができている限りこの結果から乖離した値は得られない。また、コーティング量が限界厚に近づくにつれて頭打ちのプロファイルになる。実施例3の場合は、限界厚以下のコーティング量になっている。
【0105】
<実施例4 乳糖水和物―炭酸カルシウム系の中スケールでのマスクコーティング>
実施例3で15kgのスプレー液をコーティングした顆粒の上にタルク主体の処方液をマスクコーティングした。表8に実施例4のマスクコーティングの処方を支援す。スケールは中スケール(約29kg)であった。スプレー液濃度は固形分19%とした。
【0106】
【表8】
【0107】
このマスクコーティングでは、約44kgのコーティング液をスプレーした。
【0108】
タルク主体のマスクコーティング液を用いて、以下の表9の条件でコーティングを行った。コーティング終了時の収量が約29kgとなる。
【0109】
【表9】
【0110】
サンプリングは30分毎に行い、210分のサンプルはスキップして最終の225分のサンプリングとしたので合計7時点となる。
【0111】
得られたサンプルについて、実施例1と同様に蛍光X線を測定した。蛍光X線の強度の時間変化を
図5に示す。蛍光X線の測定対象としては、モデル薬物である炭酸カルシウムのカルシウムCaのシグナルを測定した。
【0112】
図5に示すように、マスクコーティング量が増加するにしたがって、カルシウムCaの蛍光X線シグナルが減少していくのがわかる。3ロットの結果を見ても再現性があり、同様の指数関数的な減衰が起こっていることがわかる。
【0113】
ここで得られた結果は、実施例2の硫黄Sに比べて減衰の程度が大きくはないものであるが、これは硫黄SとカルシウムCaの蛍光X線のシグナルに対する、タルクのケイ素Siの影響が、異なるためであることがわかる。従って、選択する元素の性質が大きく影響していることがわかる。
【0114】
以上の結果から、中スケールの検討においても、蛍光X線が粒子コーティング工程の、適時で詳細なモニターに十分適応できることがわかった。さらに顆粒にいくつか他の元素が含まれてあり、それらも同時にモニターできれば、より有力な工程情報が得られるものと考える。
【0115】
この場合も、カルシウムCaに起因する蛍光X線が指数関数的に減衰し、その近似曲線の指数関数の数値から、厚みあるいはコーティング量の見積もりができる。補足にある情報からコーティング量とか厚みに関する情報が得られる。
【0116】
<比較例1>
【0117】
実施例3で作製されたコーティング溶液には食用黄色4号が含まれている(表6)。実施例4のマスクコーティング工程における蛍光X線測定に用いたサンプルについて、色素の濃度の推移を測定した。色素濃度は、1gのサンプルを100mLの水に分散し、抽出した液を0.45μmのフィルターでろ過後、島津UV−2500PCを用いて波長426nmで測定した。
【0118】
図6に示すように、
図5に示すカルシウムCaの蛍光X線強度の減少に比べて、マスクコーティング量の増加による濃度分の減少しか示さない。すなわち、
図5の蛍光X線の結果では、マスクコーティング終了時に、初期の50%程度強度が落ちているが、
図6では、色素である食用黄色4号の量は単純にコーティングによって増加する処方の減少のみを反映しており、初期の30%ぐらいしか減少していない。この20%の差は粒子上でのコーティングのモルフォロジー(試料の構造)の違いによるシグナルを反映している。
【0119】
通常、均一に配合された物質の蛍光X線の強度は、その混合物中の蛍光X線を発する物質の濃度(マトリックス効果等の共存する他元素の影響がなければ)に起因する強度になる。しかしながら、同じ構造の微粒子のコーティング層にある物質が蛍光X線を発する場合は、その一部分の元素に起因する
図5と
図6の値の違いにより、単純にコーティングに伴う処方量の増加あるいは減少以外の、その被検査粒子群の個々の粒子の状態を反映したために起こる蛍光X線の変化から、粒子にコーティングされた物質のコーティング状態が判る。すなわち、コーティングが十分に為されていない場合は、コーティング量が少ないあるいは膜厚が薄いために起こる蛍光X線の減少が起こり、逆の場合は増加が起こる。
【0120】
<比較例2>
実施例4のマスクコーティング工程における蛍光X線測定に用いたサンプルについて、モデル薬物である炭酸カルシウムを近赤外分光法(NIR)で測定した。得られた近赤外スペクトルはブロードな吸収を示した。通常、炭酸カルシウムの近赤外における吸収が弱くブロードなので、そのスペクトルを解釈するにはケモメトリックス等の処理を施す必要がある。実施例4の検査対象粒子群に含まれる炭酸カルシウムの含有量は、マスクコーティングの初期であっても数%であるので、十分にNIRで検出できる濃度ではなかった。
【0121】
さらに、NIRあるいはRamanの測定では、粒子の大きさによる効果、照射光による影響、ラマン散乱が強いもの、蛍光の弱いものとか種々の制限がある。また、有機化合物で原子間の結合に起因する振動の吸収がある場合に容易に導入できる工程分析方法であるので蛍光X線で検出できないものも検出できる反面、NIR、ラマンおよびテラヘルツで検出できないものも蛍光X線では検出できるものがある。
【0122】
このように蛍光X線で測定できるものは、蛍光X線を発光する元素がある限り、かなりの感度で再現性良く測定できる。この感度および特異性のよさがこの方法の利点の一つであり、考古学等の貴重な試料の小さなポイントでの元素分析(定性・定量)を可能にしている。
【0123】
以上のように、蛍光X線によって粒子コーティング工程で製せられた粒子を粒子群(同じ構造の集合体)のようなバルクの形で測定でき、その粒子の構造に起因するシグナルが得られることがわかった。
【0124】
本発明を要約すれば、以下の通りである。
【0125】
(1)本発明に従った工程分析方法は、核粒子上にコーティング層が形成された被検査粒子群の蛍光X線を測定する蛍光X線測定工程と、蛍光X線測定工程において測定された蛍光X線に基づいて被検査粒子群のコーティング状態を評価する評価工程とを含み、少なくとも核粒子とコーティング層のいずれか一方は、蛍光X線を発する元素を含有する薬物および/または添加物を含む。
【0126】
(2)本発明に従った上記(1)の工程分析方法においては、蛍光X線測定工程は、少なくとも、第1のコーティング時間または第1のコーティング量と、第2のコーティング時間またはコーティング量とにおいて行われることが好ましい。
【0127】
(3)本発明に従った上記(1)または(2)の工程分析方法は、核粒子上にコーティング層を形成するコーティング工程を含み、蛍光X線測定工程は、コーティング工程の間に複数回行われることが好ましい。
【0128】
(4)本発明に従った上記(1)から(3)の工程分析方法においては、蛍光X線測定工程は、コーティング工程の間に連続して行われることが好ましい。
【0129】
(5)本発明に従った上記(1)から(4)の工程分析方法においては、評価工程における評価に基づいてコーティング工程におけるコーティング層の形成を制御することが好ましい。
【0130】
(6)本発明に従った上記(1)から(5)の工程分析方法においては、評価工程における評価はコーティング量の評価であることが好ましい。
【0131】
(7)本発明に従った上記(1)から(6)の工程分析方法においては、コーティング層は、蛍光X線を発する元素を含有する薬物および/または添加物を含むことが好ましい。
【0132】
(8)本発明に従った上記(1)から(7)の工程分析方法においては、コーティング層は少なくとも第1の層と第2の層とを含み、第1の層は蛍光X線を発する第1の元素を含有する薬物および/または添加物を含み、第2の層は蛍光X線を発する第2の元素を含有する薬物および/または添加物を含み、第1の元素と第2の元素は互いに異なることが好ましい。
【0133】
(9)本発明に従った上記(1)から(6)の工程分析方法においては、コーティング層は、蛍光X線を実質的に発しない、または、弱い蛍光X線を発する軽元素で構成されていることが好ましい。
【0134】
(10)本発明に従った上記(1)から(8)の工程分析方法においては、核粒子は、蛍光X線を発する元素を含有する薬物および/または添加物を含むことが好ましい。
【0135】
(11)本発明に従った上記(1)から(8)工程分析方法においては、核粒子は、蛍光X線を実質的に発しない、または、弱い蛍光X線を発する軽元素で構成されていることが好ましい。
【0136】
(12)本発明に従った上記(1)から(11)の工程分析方法においては、蛍光X線を発する元素は原子番号が11以上の元素であることが好ましい。
【0137】
(13)本発明に従った上記(9)または(11)の工程分析方法においては、蛍光X線を実質的に発しない、または、弱い蛍光X線を発する軽元素は、原子番号が10以下の元素であることが好ましい。
【0138】
以上に開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態と実施例ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。