(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6476315
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】信号増幅回路
(51)【国際特許分類】
H03F 1/26 20060101AFI20190218BHJP
H03F 3/34 20060101ALI20190218BHJP
H03F 3/38 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
H03F1/26
H03F3/34 210
H03F3/38
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-553082(P2017-553082)
(86)(22)【出願日】2016年1月29日
(65)【公表番号】特表2018-517328(P2018-517328A)
(43)【公表日】2018年6月28日
(86)【国際出願番号】CN2016072813
(87)【国際公開番号】WO2016161839
(87)【国際公開日】20161013
【審査請求日】2017年11月7日
(31)【優先権主張番号】201510171099.6
(32)【優先日】2015年4月10日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512154998
【氏名又は名称】無錫華潤上華科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CSMC TECHNOLOGIES FAB2 CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 雪艶
(72)【発明者】
【氏名】張 威彦
(72)【発明者】
【氏名】陳 強
【審査官】
工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】
特表2016−528854(JP,A)
【文献】
特開2008−67050(JP,A)
【文献】
特開2005−156251(JP,A)
【文献】
特開平8−51328(JP,A)
【文献】
特開平3−181212(JP,A)
【文献】
実開昭58−96203(JP,U)
【文献】
米国特許第5739720(US,A)
【文献】
米国特許第4745594(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F1/26
H03F1/34
H03F3/34
H03F3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1入力端、第2入力端、第1スイッチ、第2スイッチ、第1可変抵抗器、第2可変抵抗器、第1キャパシタ、第2キャパシタ、第1出力端及び第2出力端を備え、前記第1入力端が前記第1スイッチと前記第1可変抵抗器を介して前記第1出力端に接続され、前記第2入力端が前記第2スイッチと前記第2可変抵抗器を介して前記第2出力端に接続され、前記第1キャパシタと前記第2キャパシタが互いに逆の極性でそれぞれ前記第1出力端と前記第2出力端との間に接続されているローパスフィルタ回路と、
第3入力端、第4入力端、第1演算増幅器、第2演算増幅器、第3スイッチ、第4スイッチ、第5スイッチ、第6スイッチ、第7スイッチ、第8スイッチ、第9スイッチ、第10スイッチ、第11スイッチ、第12スイッチ、第13スイッチ、第14スイッチ、第3出力端及び第4出力端を備え、前記第3入力端が、前記第3スイッチを介して前記第1演算増幅器の正入力端に接続され、前記第3入力端が、前記第4スイッチを介して前記第1演算増幅器の負入力端に接続され、前記第1演算増幅器の正出力端が前記第5スイッチを介して前記第3出力端に接続され、前記第1演算増幅器の負出力端が前記第6スイッチを介して前記第3出力端に接続され、前記第1演算増幅器の正入力端が前記第7スイッチを介して前記第1演算増幅器の負出力端に接続され、前記第1演算増幅器の負入力端が前記第8スイッチを介して前記第1演算増幅器の正出力端に接続され、前記第4入力端が、前記第9スイッチを介して前記第2演算増幅器の正入力端に接続され、また前記第10スイッチを介して前記第2演算増幅器の負入力端に接続され、前記第2演算増幅器の正出力端が前記第11スイッチを介して前記第4出力端に接続され、前記第2演算増幅器の負出力端が前記第12スイッチを介して前記第4出力端に接続され、前記第2演算増幅器の正入力端が前記第13スイッチを介して前記第2演算増幅器の負出力端に接続され、前記第2演算増幅器の負入力端が前記第14スイッチを介して前記第2演算増幅器の正出力端に接続されているバッファ回路と、
第5入力端、第6入力端、第3演算増幅器、第1スイッチトキャパシタモジュール、第2スイッチトキャパシタモジュール、第3スイッチトキャパシタモジュール、第4スイッチトキャパシタモジュール、第1キャパシタモジュール、第2キャパシタモジュール、第1チョッパ変調器、第2チョッパ変調器、第3チョッパ変調器、第5出力端及び第6出力端を備え、各前記スイッチトキャパシタモジュールが、キャパシタと少なくとも4つのスイッチを有してスイッチトキャパシタ構造を形成し、各前記キャパシタモジュールが、並列に接続される可変キャパシタと少なくとも1つのスイッチを有し、各前記チョッパ変調器が、少なくとも4つのスイッチを有してチョッパ変調構造を形成し、前記第5入力端が、前記第1スイッチトキャパシタモジュールと前記第1チョッパ変調器を順次介して前記第3演算増幅器の正入力端に接続され、前記第6入力端が、前記第2スイッチトキャパシタモジュールと前記第1チョッパ変調器を順次介して前記第3演算増幅器の負入力端に接続され、前記第3演算増幅器の正入力端が、前記第2チョッパ変調器と前記第1キャパシタモジュールを順次介して前記第5出力端に接続され、前記第3演算増幅器の負入力端が、前記第2チョッパ変調器と前記第2キャパシタモジュールを順次介して前記第6出力端に接続され、前記第3演算増幅器の正入力端が、前記第3スイッチトキャパシタモジュールを介して前記第5出力端に接続され、前記第3演算増幅器の負入力端が、前記第4スイッチトキャパシタモジュールを介して前記第6出力端に接続され、前記第3演算増幅器の正出力端が、前記第3チョッパ変調器を介して前記第6出力端に接続され、前記第3演算増幅器の負出力端が、前記第3チョッパ変調器を介して前記第5出力端に接続されているスイッチトキャパシタ積分回路と、
前記第1入力端と前記第2入力端から増幅前の電圧信号が入力され、前記第1出力端が前記第3入力端に接続され、前記第2出力端が前記第4入力端に接続され、前記第3出力端が前記第5入力端に接続され、前記第4出力端が前記第6入力端に接続され、前記第5出力端と前記第6出力端から増幅後の電圧信号を出力するように構成され、増幅前の電圧信号のON/OFFを制御するための信号スイッチと、
を備えることを特徴とする信号増幅回路。
【請求項2】
各スイッチトキャパシタモジュールは、キャパシタと、第1制御スイッチ、第2制御スイッチ、第3制御スイッチ及び第4制御スイッチとを有し、前記キャパシタの第1極板が、前記第1制御スイッチを介して前記スイッチトキャパシタモジュールの入力端に接続され、また前記第2制御スイッチを介してグランドに接続され、前記キャパシタの第2極板が、前記第3制御スイッチを介して前記スイッチトキャパシタモジュールの出力端に接続され、また前記第4制御スイッチを介してグランドに接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の信号増幅回路。
【請求項3】
前記第1スイッチトキャパシタモジュール及び前記第2スイッチトキャパシタモジュールにおけるキャパシタは、可変キャパシタである
ことを特徴とする請求項1に記載の信号増幅回路。
【請求項4】
前記信号増幅回路は、さらに第1接続スイッチ、第2接続スイッチ、第3接続スイッチ及び第4接続スイッチを備え、前記第1スイッチトキャパシタモジュールにおけるキャパシタの両端が、それぞれ前記第1接続スイッチと前記第2接続スイッチを介して前記第3スイッチトキャパシタモジュールにおけるキャパシタの両端に並列に接続され、前記第2スイッチトキャパシタモジュールにおけるキャパシタの両端が、それぞれ前記第3接続スイッチと前記第4接続スイッチを介して前記第4スイッチトキャパシタモジュールにおけるキャパシタの両端に並列に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の信号増幅回路。
【請求項5】
前記可変キャパシタは、複数のキャパシタと複数のスイッチを有し、各キャパシタと各スイッチが直列に接続されてキャパシタ分岐を形成し、全てのキャパシタ分岐が並列接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の信号増幅回路。
【請求項6】
前記キャパシタモジュールの可変キャパシタにおけるスイッチは前記キャパシタモジュールの入力端の近くに設けられ、前記第1スイッチトキャパシタモジュールの可変キャパシタにおけるスイッチは前記第1スイッチトキャパシタモジュールの出力端の近くに設けられ、前記第2スイッチトキャパシタモジュールの可変キャパシタにおけるスイッチは前記第2スイッチトキャパシタモジュールの出力端の近くに設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の信号増幅回路。
【請求項7】
前記チョッパ変調器は、第1チョッパスイッチ、第2チョッパスイッチ、第3チョッパスイッチ及び第4チョッパスイッチを有し、前記チョッパ変調器の第1入力端が、前記第1チョッパスイッチを介して前記チョッパ変調器の第1出力端に接続され、また前記第2チョッパスイッチを介して前記チョッパ変調器の第2出力端に接続され、前記チョッパ変調器の第2入力端が、前記第3チョッパスイッチを介して前記チョッパ変調器の第2出力端に接続され、また前記第4チョッパスイッチを介して前記チョッパ変調器の第1出力端に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の信号増幅回路。
【請求項8】
信号スイッチを介してグランドに接続されるとともに、前記ローパスフィルタ回路の第1入力端と第2入力端に接続され、自身の抵抗変化を利用して増幅前の電圧信号として差動出力電圧を出力するセンサを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の信号増幅回路。
【請求項9】
前記センサは、バリスタ素子を利用するホイートストンブリッジ回路から構成される加速度センサである
ことを特徴とする請求項8に記載の信号増幅回路。
【請求項10】
全ての前記スイッチは、いずれも半導体装置のスイッチであり、複数組みのスイッチ信号により制御されるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の信号増幅回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号処理分野に関し、特に信号増幅回路に関する。
【背景技術】
【0002】
MEMS加速度計は、MEMS技術を利用して製造されたものであり、コンパクト、軽量及び低消費電力等のメリットを有するため、振動検出、方位検出、一般消費者向け応用、動作認識等の分野に幅広く適用されている。
【0003】
ピエゾ抵抗型の加速度計は、PZT(圧電セラミック)の圧電効果を利用して製造されたものである。PZTは圧力を受けると、その抵抗値が変化する。ピエゾ抵抗をブリッジ接続することによって、抵抗値の変化を電圧の変化に変換させ、そして検出、増幅及び修正を行い、最後に加速度値に対応する2値デジタル信号を出力する。加速度計から出力された誘導電圧信号は、通常、数mv又は数十mvであり、非常に弱い。直接にAD変換回路(ADC)に入力されると、出力の動的範囲が狭く、出力精度が低くなる。このため、誘導電圧信号は、増幅させてからADCに入力する必要があり、最終的に誘起電圧に対応する正確なデジタル信号が得られる。
【0004】
従来の加速度計のアナログフロントエンド(読出し回路)は、通常、増幅回路とADCで構成される。クロック信号を制御する高調波周波数のノイズがシステムに混入し、また環境に数多くの低周波ノイズ(例えば、音声信号)が存在しているため、除去しないと、検出する加速度信号に影響を与える。フィルタ回路を使用すると、フィルタコンデンサが使用する抵抗及びキャパシタが存在するため、チップの面積が大きくなりすぎる。また、センサは、信号処理を行う過程において、ずっと作動状態のため、消費電力が大きくなる。
【0005】
フロントエンド増幅回路は、低周波の1/fノイズ及び入力オフセット電圧(offset)が除去されない、又は大型キャパシタを含むオートゼロ(Auto−Zero)と相関2重サンプリング(CDS)を利用するバッファ回路であるため、回路面積が大きくなり、容易に集積できない。
【0006】
増幅回路自身の1/fノイズ及び入力オフセット電圧(offset)は、同様に、信号と同じ比例に増幅されるため、信号対雑音比が下降し、動的性能が低くなる。増幅回路の固定ゲインは、センサの異なったレンジに対して、小さい信号に対する分解能が不十分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このため、回路の面積が小さく、消費電力が低く、ノイズの抑止効果がよく、ゲインが可変な信号増幅回路を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
信号増幅回路は、
第1入力端、第2入力端、第1スイッチ、第2スイッチ、第1可変抵抗器、第2可変抵抗器、第1キャパシタ、第2キャパシタ、第1出力端及び第2出力端を備え、第1入力端が第1スイッチと第1可変抵抗器を介して第1出力端に接続され、第2入力端が第2スイッチと第2可変抵抗器を介して第2出力端に接続され、第1キャパシタと第2キャパシタが、互いに逆の極性でそれぞれ第1出力端と第2出力端との間に接続されているローパスフィルタ回路と、
第3入力端、第4入力端、第1演算増幅器、第2演算増幅器、第3スイッチ、第4スイッチ、第5スイッチ、第6スイッチ、第7スイッチ、第8スイッチ、第9スイッチ、第10スイッチ、第11スイッチ、第12スイッチ、第13スイッチ、第14スイッチ、第3出力端と第4出力端を備え、第3入力端が第3スイッチを介して第1演算増幅器の正入力端に接続され、第3入力端が第4スイッチを介して第1演算増幅器の負入力端に接続され、第1演算増幅器の正出力端が第5スイッチを介して第3出力端に接続され、第1演算増幅器の負出力端が第6スイッチを介して第3出力端に接続され、第1演算増幅器の正入力端が第7スイッチを介して第1演算増幅器の負出力端に接続され、第1演算増幅器の負入力端が第8スイッチを介して第1演算増幅器の正出力端に接続され、第4入力端が、第9スイッチを介して第2演算増幅器の正入力端に接続され、また第10スイッチを介して第2演算増幅器の負入力端に接続され、第2演算増幅器の正出力端が第11スイッチを介して第4出力端に接続され、第2演算増幅器の負出力端が第12スイッチを介して第4出力端に接続され、第2演算増幅器の正入力端が第13スイッチを介して第2演算増幅器の負出力端に接続され、第2演算増幅器の負入力端が第14スイッチを介して第2演算増幅器の正出力端に接続されているバッファ回路と、
第5入力端、第6入力端、第3演算増幅器、第1スイッチトキャパシタモジュール、第2スイッチトキャパシタモジュール、第3スイッチトキャパシタモジュール、第4スイッチトキャパシタモジュール、第1キャパシタモジュール、第2キャパシタモジュール、第1チョッパ変調器、第2チョッパ変調器、第3チョッパ変調器、第5出力端及び第6出力端を備え、各スイッチトキャパシタモジュールが、キャパシタと少なくとも4つのスイッチを有してスイッチトキャパシタ構造を形成し、各キャパシタモジュールが、並列に接続される可変キャパシタと少なくとも1つのスイッチを有し、各チョッパ変調器が、少なくとも4つのスイッチを有してチョッパ変調構造を形成し、第5入力端が、第1スイッチトキャパシタモジュールと第1チョッパ変調器を順次介して第3演算増幅器の正入力端に接続され、第6入力端が、第2スイッチトキャパシタモジュールと第1チョッパ変調器を順次介して第3演算増幅器の負入力端に接続され、第3演算増幅器の正入力端が、第2チョッパ変調器と第1キャパシタモジュールを順次介して第5出力端に接続され、第3演算増幅器の負入力端が、第2チョッパ変調器と第2キャパシタモジュールを順次介して第6出力端に接続され、第3演算増幅器の正入力端が、第3スイッチトキャパシタモジュールを介して第5出力端に接続され、第3演算増幅器の負入力端が、第4スイッチトキャパシタモジュールを介して第6出力端に接続され、第3演算増幅器の正出力端が、第3チョッパ変調器を介して第6出力端に接続され、第3演算増幅器の負出力端が、第3チョッパ変調器を介して第5出力端に接続されているスイッチトキャパシタ積分回路と、
第1入力端と第2入力端から増幅前の電圧信号が入力され、第1出力端が第3入力端に接続され、第2出力端が第4入力端に接続され、第3出力端が第5入力端に接続され、第4出力端が第6入力端に接続され、第5出力端と第6出力端から増幅後の電圧信号を出力するように構成され、増幅前の電圧信号のON/OFFを制御するための信号スイッチと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
上記信号増幅回路は、スイッチ信号、第1スイッチ、第2スイッチのON/OFFを制御することによって回路の作動状態を分割することができるため、消費電力を節約するとともに、従来と同じ大きさの抵抗とキャパシタで非常に低い低周波数帯域を得ることを実現できる。また、周波数帯域を柔軟に制御できるとともに、面積及び消費電力を節約でき、ノイズをよりよく抑止できる。また、可変抵抗を利用して周波数帯域の可変範囲を広くさせることによって、異なるレンジの小さい信号に対しても十分な分解能を有することを実現した。第1キャパシタと第2キャパシタが互いに逆の極性でそれぞれ第1出力端と第2出力端との間に接続されているため、レイアウト設計へのノイズの混入を有効に抑止することができる。
【0010】
本発明の以下の図面は、本発明の一部として本発明を理解させるためのものである。図面に示す本発明の実施例及びその説明は、本発明の原理を解釈するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施例に係る信号増幅回路のモジュール模式図である。
【
図2】一実施例に係るセンサとローパスフィルタ回路の接続模式図である。
【
図3】一実施例に係る信号スイッチのスイッチ制御信号、第1スイッチと第2スイッチのスイッチ制御信号の1周期内の時系列模式図である。
【
図4】一実施例に係るバッファ回路の模式図である。
【
図5】一実施例に係るバッファ回路におけるスイッチ制御信号と出力信号の時系列模式図である。
【
図6】一実施例に係るスイッチトキャパシタ積分回路の模式図である。
【
図7】一実施例に係るスイッチトキャパシタ積分回路における各信号の時系列模式図である。
【
図8】一実施例に係る第1スイッチトキャパシタモジュール又は第2スイッチトキャパシタモジュールにおける可変キャパシタの模式図である。
【
図9】一実施例に係る第1キャパシタモジュール又は第2キャパシタモジュールにおける可変キャパシタの模式図である。
【
図10】一実施例に係る第1チョッパ変調器の模式図である。
【
図11】一実施例に係る第2チョッパ変調器又は第3チョッパ器の模式図である。
【
図12】
図7における各信号が制御するスイッチトキャパシタ積分回路の状態図である。
【
図13】
図7における各信号が制御するスイッチトキャパシタ積分回路の状態図である。
【
図14】
図7における各信号が制御するスイッチトキャパシタ積分回路の状態図である。
【
図15】
図7における各信号が制御するスイッチトキャパシタ積分回路の状態図である。
【
図16】
図7における各信号が制御するスイッチトキャパシタ積分回路の状態図である。
【
図17】
図7における各信号が制御するスイッチトキャパシタ積分回路の状態図である。
【
図18】
図7における各信号が制御するスイッチトキャパシタ積分回路の状態図である。
【
図19】
図7における各信号が制御するスイッチトキャパシタ積分回路の状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を理解し易くするために、図面を参照して本発明をより全面的に説明する。図面は本発明の好ましい実施例を示した。しかし、本発明は、数多くの異なる形態で実施でき、本明細書に記載された実施例に限るものではない。逆に、これらの実施例を提供することは、本発明の開示内容をより明瞭且つ完全にさせるためである。
【0013】
特に断りがない限り、本明細書に使用される全ての技術及び科学用語は、当業者の通常の理解と同一である。本明細書に使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものであり、本発明を限定する旨のものではない。本明細書に使用される用語である「及び/又は」は、1つ又は複数の関連要素に係る任意及び全ての組合せを含む。
【0014】
以下の説明において、全てのスイッチは、複数組みのスイッチ信号によって制御される半導体装置スイッチであり、符号Φで各スイッチのスイッチ制御信号を表す。
【0015】
図1は一実施例に係る信号増幅回路のモジュール模式図である。
【0016】
図1に示すように、信号増幅回路は、ローパスフィルタ回路100、バッファ回路200、スイッチトキャパシタ積分回路300、センサ400、信号スイッチS、第1接続スイッチS1、第2接続スイッチS2、第3接続スイッチS3及び第4接続スイッチS4を備えている。
図1には、第1接続スイッチS1、第2接続スイッチS2、第3接続スイッチS3及び第4接続スイッチS4は示されていない。
【0017】
図2は一実施例に係るセンサとローパスフィルタ回路の接続模式図である。
【0018】
図2に示すように、ローパスフィルタ回路100は、第1入力端VIN1、第2入力端VIN2、第1スイッチM1、第2スイッチM2、第1可変抵抗器RF1、第2可変抵抗器RF2、第1キャパシタC1、第2キャパシタC2、第1出力端VO1及び第2出力端VO2を備える。
【0019】
第1入力端VIN1は、第1スイッチM1及び第1可変抵抗器RF1を介して第1出力端VO1に接続され、第2入力端VIN2は、第2スイッチM2及び第2可変抵抗器RF2を介して第2出力端VO2に接続されている。第1キャパシタC1と第2キャパシタC2は、互いに逆の極性(上下両極板が逆に設置される)でそれぞれ第1出力端VO1と第2出力端VO2との間に接続されている。
【0020】
離散系(離散システム)において、スイッチトキャパシタの周期的なサンプリングによって、信号の検出及び増幅を実現する。システムへのクロック信号を制御する高調波周波数のノイズの混入を防止するために、まずアンチエイリアスフィルタを使用して信号をフィルタリングする必要がある。また、環境において数多くの低周波ノイズ、例えば音声信号が存在しているため、除去しないと、検出する加速度信号に影響を与える。このため、信号の検出及び増幅を行う前に、ローパスフィルタ回路によってシステムの分解能を向上させる。
【0021】
図3は、一実施例に係る信号スイッチのスイッチ制御信号、第1スイッチと第2スイッチのスイッチ制御信号の時系列模式図である。
【0022】
図3に示すように、信号スイッチSのスイッチ制御信号がΦmであり、第1スイッチM1と第2スイッチM2のスイッチ制御信号がいずれもΦnである。周期パルス信号Φm、Φnでそれぞれセンサ400とローパスフィルタ回路100の作動を制御することによって、消費電力を節約できるとともに、従来と同じ大きさの抵抗及びキャパシタで低い周波数帯域を得られる。Tsは、周期Tpにおける信号スイッチSのON時間であり、パルスのデューティ比(Ts/Tp)は、実際の周波数帯域に影響を与える。デューティ比が低くなるにつれて、同じ周波数帯域を形成するために使用される抵抗及びキャパシタの値が小さくなり、面積及び消費電力が小さくなる。
【0023】
信号スイッチSのON時間TsをN段に分割するように設けることができ、即ちN×Ts’=Tsである。制御信号Φmの立ち上がりが制御信号Φnの立ち上がりTdより早く、制御信号Φmの立ち下がりが制御信号Φnの立ち下がりTdより遅いように設けられている。周波数帯域は、スイッチのON時間Tsと周期時間Tpとの比により定められる。
【0024】
第1可変抵抗器RF1と第2可変抵抗器RF2が抵抗の直並列を利用して抵抗値の変更を実現し、これによってフィルタの周波数帯域を変更する。第1キャパシタC1と第2キャパシタC2は、上下の極板が逆に接続されている2つのキャパシタであり、容量が等しく、レイアウトにおける出力差分端を対称に設けることができるため、コモンモードノイズの抑止に役立つ。
【0025】
図4は一実施例に係るバッファ回路の模式図である。
【0026】
図4に示すように、バッファ回路200は、第3入力端VIN3、第4入力端VIN4、第1演算増幅器A1、第2演算増幅器A2、第3スイッチM3、第4スイッチM4、第5スイッチM5、第6スイッチM6、第7スイッチM7、第8スイッチM8、第9スイッチM9、第10スイッチM10、第11スイッチM11、第12スイッチM12、第13スイッチM13、第14スイッチM14、第3出力端VO3及び第4出力端VO4を備える。
【0027】
第3入力端VIN3は、第3スイッチM3を介して第1演算増幅器A1の正入力端に接続され、第3入力端VIN3は、第4スイッチM4を介して第1演算増幅器A1の負入力端に接続され、第1演算増幅器A1の正出力端は、第5スイッチM5を介して第3出力端VO3に接続され、第1演算増幅器A1の負出力端は、第6スイッチM6を介して第3出力端VO3に接続され、第1演算増幅器A1の正入力端は、第7スイッチM7を介して第1演算増幅器A1の負出力端に接続され、第1演算増幅器A1の負入力端は、第8スイッチM8を介して第1演算増幅器A1の正出力端に接続されている。
【0028】
第4入力端VIN4は、第9スイッチM9を介して第2演算増幅器A2の正入力端に接続され、第4入力端VIN4は、第10スイッチM10を介して第2演算増幅器A2の負入力端に接続され、第2演算増幅器A2の正出力端は、第11スイッチM11を介して第4出力端VO4に接続され、第2演算増幅器A2の負出力端は、第12スイッチM12を介して第4出力端VO4に接続され、第2演算増幅器A2の正入力端は、第13スイッチM13を介して第2演算増幅器A2の負出力端に接続され、第2演算増幅器A2の負入力端は、第14スイッチM14を介して第2演算増幅器A2の正出力端に接続されている。
【0029】
図5は、一実施例に係るバッファ回路におけるスイッチ制御信号と出力信号の時系列模式図である。
【0030】
図5に示すように、第3スイッチM3、第5スイッチM5、第8スイッチM8、第9スイッチM9、第11スイッチM11及び第14スイッチM14のスイッチ制御信号はΦ1であり、第4スイッチM4、第6スイッチM6、第7スイッチM7、第10スイッチM10、第12スイッチM12及び第13スイッチM13のスイッチ制御信号はΦ2であり、Φ1とΦ2は、互いに逆相の重なり合わない(no−overlap)クロック信号である。2つのクロック信号が切り替わると、信号が演算増幅器の正入力端と負入力端との間で切り替わる。これは、チョッパ(chopping)技術の特例である。
【0031】
Vos1とVos2は、演算増幅器の低周波の1/fノイズと入力オフセット電圧を表し、
図5に示すように、高周波のチョッパクロック信号で高周波に変調されている。VOは、Φ1の周波数と同一の周期信号であり、信号の直流成分がVINであり、信号幅がVos1-Vos2である。後段増幅回路(スイッチトキャパシタ積分回路300)は、VOUTに対して積分を行って、Vos1とVos2を除去することができるため、低周波ノイズの減少、システムの信号対雑音比の向上を実現できる。また、キャパシタを使用しないため、オートゼロ(Auto−zero)技術及び相関2重サンプリング(CDS)技術に比べて、面積を大幅に節約できる。そして、キャパシタのノイズが混入されないため、システムのノイズ性能がより高い。増幅器自身は、低ノイズの構造からなるため、高周波の熱雑音が非常に小さい。
【0032】
図6は、一実施例に係るスイッチトキャパシタ積分回路の模式図であり、
図7は、一実施例に係るスイッチトキャパシタ積分回路のおける各信号の時系列模式図である。
【0033】
図6と
図7に示すように、スイッチトキャパシタ積分回路300は、第5入力端VIN5、第6入力端VIN6、第3演算増幅器A3、第1スイッチトキャパシタモジュールSC1、第2スイッチトキャパシタモジュールSC2、第3スイッチトキャパシタモジュールSC3、第4スイッチトキャパシタモジュールSC4、第1キャパシタモジュールCF1、第2キャパシタモジュールCF2、第1チョッパ変調器CHP1、第2チョッパ変調器CHP2、第3チョッパ変調器CHP3、第5出力端VO5及び第6出力端VO6を備える。
【0034】
各スイッチトキャパシタモジュール(第1スイッチトキャパシタモジュールSC1、第2スイッチトキャパシタモジュールSC2、第3スイッチトキャパシタモジュールSC3及び第4スイッチトキャパシタモジュールSC4)は、キャパシタと、少なくとも4つの制御スイッチとを有してスイッチトキャパシタ構造を形成する。本実施例において、各スイッチトキャパシタモジュールは、キャパシタと、第1制御スイッチ、第2制御スイッチ、第3制御スイッチ及び第4制御スイッチとを有する。キャパシタの第1極板は、第1制御スイッチを介してスイッチトキャパシタモジュールの入力端に接続され、また第2制御スイッチを介してグランドに接続されている。キャパシタの第2極板は、第3制御スイッチを介してスイッチトキャパシタモジュールの出力端に接続され、また第4制御スイッチを介してグランドに接続されている。
【0035】
第1スイッチトキャパシタモジュールSC1と第2スイッチトキャパシタモジュールSC2のキャパシタ容量は、いずれもCiであり、いずれもCiで表される。第1スイッチトキャパシタモジュールSC1、第2スイッチトキャパシタモジュールSC2は、その第1制御スイッチ及び第4制御スイッチのスイッチ制御信号がΦa1であり、その第2制御スイッチ及び第3制御スイッチのスイッチ制御信号がΦa2である。Φa1とΦa2は、互いに逆相であり、重なり合わない(no−overlap)クロック信号である。
【0036】
第3スイッチトキャパシタモジュールSC3及び第4スイッチトキャパシタモジュールSC4のキャパシタ容量は、いずれもCffであり、いずれもCffで表される。第3スイッチトキャパシタモジュールSC3、第4スイッチトキャパシタモジュールSC4は、その第1制御スイッチ及び第4制御スイッチのスイッチ制御信号がΦb1であり、その第2制御スイッチ及び第3制御スイッチのスイッチ制御信号がΦb2である。
【0037】
図8は、一実施例に係る第1スイッチトキャパシタモジュール又は第2スイッチトキャパシタモジュールにおける可変キャパシタの模式図である。
図8に示すように、第1スイッチトキャパシタモジュールSC1及び第2スイッチトキャパシタモジュールSC2におけるキャパシタは、可変キャパシタCiである。可変キャパシタCiは、複数のキャパシタ(Ci0、Ci1…Cin)と複数のスイッチ(ki0、ki1…kin)を有し、各キャパシタ(Cin)と各スイッチ(kin)とが直列に接続されてキャパシタ分岐を形成し、全てのキャパシタ分岐が並列接続されている。キャパシタ分岐のスイッチのON/OFFでキャパシタを加入することによって、可変キャパシタを実現する。
【0038】
第1スイッチトキャパシタモジュールSC1の可変キャパシタにおけるスイッチ(ki0、ki1…kin)は、第1スイッチトキャパシタモジュールSC1の出力端の近くに設けられ、第2スイッチトキャパシタモジュールSC2の可変キャパシタにおけるスイッチ(ki0、ki1…kin)は、第2スイッチトキャパシタモジュールSC2の出力端の近くに設けられている。スイッチ両端の電圧値が自身の抵抗値に影響するため、スイッチを演算増幅器の入力端(第1スイッチトキャパシタモジュールSC1の場合は第1スイッチトキャパシタモジュールSC1の出力端であり、第2スイッチトキャパシタモジュールSC2の場合は第2スイッチトキャパシタモジュールSC2の出力端である)の近くに設ける必要がある。入力信号が変化しても、演算増幅器の入力端が常に同相レベルに近いため、スイッチ両端の電圧が影響を受けず、スイッチ特性が変わらず、増幅の倍数が影響を受けない。
【0039】
第1スイッチトキャパシタモジュールSC1におけるキャパシタCiの両端は、それぞれ第1接続スイッチS1と第2接続スイッチS2を介して第3スイッチトキャパシタモジュールSC3におけるキャパシタCffの両端に並列に接続され、第2スイッチトキャパシタモジュールSC2におけるキャパシタCiの両端は、それぞれ第3接続スイッチS3と第4接続スイッチS4を介して第4スイッチトキャパシタモジュールSC4におけるキャパシタCffの両端に並列に接続されている。第1接続スイッチS1、第2接続スイッチS2、第3接続スイッチS3及び第4接続スイッチS4のスイッチ制御信号は、Φpである。
【0040】
図9は、一実施例に係る第1キャパシタモジュール又は第2キャパシタモジュールにおける可変キャパシタの模式図である。
図9に示すように、各キャパシタモジュール(第1キャパシタモジュールCF1と第2キャパシタモジュールCF2)は、可変キャパシタCfと1つのスイッチ(その制御信号Φrで表す)を有し、可変キャパシタCfとスイッチΦrとが並列に接続されている。可変キャパシタCfは、複数のキャパシタ(Cf0、Cf1…Cfn)と複数のスイッチ(kf0、kf1…kfn)を有してもよく、各キャパシタ(Cfn)と各スイッチ(kfn)が直列に接続されてキャパシタ分岐を形成し、全てのキャパシタ分岐が並列接続されている。キャパシタ分岐のスイッチのON/OFFでキャパシタを加入することによって、可変キャパシタを実現する。上記と同じように、キャパシタモジュールの可変キャパシタCfにおけるスイッチ(kf0、kf1…kfn)は、キャパシタモジュールの入力端の近く(演算増幅器の入力端の近くに相当)に設けられている。
【0041】
各チョッパ変調器(第1チョッパ変調器CHP1、第2チョッパ変調器CHP2及び第3チョッパ変調器CHP3)は、少なくとも4つのチョッパスイッチを有してチョッパ変調構造を形成する。本実施例においては、4つのチョッパスイッチを有し、それによりチョッパ変調構造を形成する。チョッパ変調器は、第1チョッパスイッチK1、第2チョッパスイッチK2、第3チョッパスイッチK3及び第4チョッパスイッチK4を有し、チョッパ変調器の第1入力端vin1が第1チョッパスイッチK1を介してチョッパ変調器の第1出力端vo1に接続され、また第2チョッパスイッチK2を介してチョッパ変調器の第2出力端vo2に接続され、チョッパ変調器の第2入力端vin2が第3チョッパスイッチK3を介してチョッパ変調器の第2出力端vo2に接続され、また第4チョッパスイッチK4を介してチョッパ変調器の第1出力端vo1に接続されている。
【0042】
図10は、一実施例に係る第1チョッパ変調器の模式図であり、
図11は、一実施例に係る第2チョッパ変調器又は第3チョッパ器の模式図である。
図10と
図11に示すように、第1チョッパ変調器CHP1は、そのスイッチK1、K3のスイッチ制御信号がΦch1aであり、K2、K4のスイッチ制御信号がΦch1bである。Φch1aとΦch1bは、互いに逆相であり、重なり合わない(no−overlap)クロック信号である。第2チョッパ変調器CHP2、第3チョッパ変調器CHP3は、それらのスイッチK1、K3のスイッチ制御信号がΦch2aであり、K2、K4のスイッチ制御信号がΦch2bである。Φch2aとΦch2bは、互いに逆相であり、重なり合わない(no−overlap)クロック信号である。
【0043】
第5入力端VIN5は、第1スイッチトキャパシタモジュールSC1、第1チョッパ変調器CHP1を順次介して第3演算増幅器A3の正入力端に接続され、第6入力端VIN6は、第2スイッチトキャパシタモジュールSC2、第1チョッパ変調器CHP1を順次介して第3演算増幅器A3の負入力端に接続されている。第3演算増幅器A3の正入力端は、第2チョッパ変調器CHP2、第1キャパシタモジュールCF1を順次介して第5出力端VO5に接続され、第3演算増幅器A3の負入力端は、第2チョッパ変調器CHP2、第2キャパシタモジュールCF2を順次介して第6出力端VO6に接続されている。第3演算増幅器A3の正入力端は、第3スイッチトキャパシタモジュールSC3を介して第5出力端VO5に接続され、第3演算増幅器A3の負入力端は、第4スイッチトキャパシタモジュールSC4を介して第6出力端VO6に接続されている。第3演算増幅器A3の正出力端は、第3チョッパ変調器CHP3を介して第6出力端VO6に接続され、第3演算増幅器A3の負出力端は、第3チョッパ変調器CHP3を介して第5出力端VO5に接続されている。
【0044】
図12〜
図19は、
図7における各信号が制御するスイッチトキャパシタ積分回路の状態図であり、それぞれ状態1〜8に対応する。VoffpとVoffnは、それぞれ演算増幅器の正入力端の偏差電圧と負入力端の偏差電圧である。
状態1と状態2:VP−VN=−(Voffp−Voffn)
状態3:VP−VN=Voffn×(2×Cff/Cf+1)−Voffp×(2×Cff/Cf+1)
状態4:VP−VN=(2×Cff/Cf−1)×(Voffn−Voffp)、そしてCff=1/2×Cfになると、出力がゼロになる。
状態5:VP−VN=Ci/Cf×(Voffp−Voffn)
状態6:VP−VN=(Ci/Cf−2)×(Voffp−Voffn)
状態7:VP−VN=2×(Voffn−Voffp)
状態8:VP−VN=0
状態8の後に、状態5から状態8までのステップを繰り返す。積分周期を選択する場合、入力信号がなければ、必ず出力がゼロになるようにして、増幅器の入力オフセット電圧と低周波の1/fノイズを除去する。
【0045】
信号スイッチSは、増幅前の電圧信号のON/OFFを制御するものである。第1入力端VIN1と第2入力端VIN2から増幅前の電圧信号が入力され、第1出力端VO1が第3入力端VIN3に接続され、第2出力端VO2が第4入力端VIN4に接続され、第3出力端VO3が第5入力端VIN5に接続され、第4出力端VO4が第6入力端VIN6に接続され、第5出力端VO5と第6出力端VO6が増幅後の電圧信号を出力するように構成されている。具体的には、センサ400は、信号スイッチSを介してグランドに接続され、またローパスフィルタ回路100の第1入力端VIN1と第2入力端VIN2に接続され、自身の抵抗変化を利用して増幅前の電圧信号として差動出力電圧を出力するように構成されている。本実施例において、センサ400は、バリスタ素子を利用するホイートストンブリッジ回路から構成される加速度センサである。
【0046】
上記信号増幅回路は、例えば携帯電話、タブレット等のスマートデジタル機器に適用できる。
【0047】
上記信号増幅回路は、スイッチ信号、第1スイッチ、第2スイッチのON/OFFを制御することによって回路の作動状態を分割することができるため、消費電力を節約するとともに、従来と同じ大きさの抵抗とキャパシタで非常に低い低周波数帯域を得ることを実現した。また、周波数帯域を柔軟に制御できるとともに、面積及び消費電力を節約でき、ノイズをよりよく抑止できる。また、可変抵抗を利用して周波数帯域の可変範囲を広くすることによって、異なるレンジの小さい信号に対しても十分な分解能を有することを実現した。第1キャパシタと第2キャパシタが互いに逆の極性でそれぞれ第1出力端と第2出力端との間に接続されているので、レイアウト設計へのノイズの混入を有効に抑止することができる。
【0048】
2つの演算増幅器(第1演算増幅器と第2演算増幅器)により差分バッファ回路を構成するため、後段増幅回路が複数回サンプリングしてもフィルタコンデンサに蓄積された電荷に影響を与えないことを確保できる。バッファ回路の構造は、チョッパ技術(chopping)を利用でき、バッファ回路におけるスイッチのON/OFFを制御することによって、1/fノイズと入力オフセット電圧(offset)を除去することができる。また、キャパシタの使用を回避できるため、チップ面積を減少させ、ノイズをより小さくすることができる。
【0049】
スイッチトキャパシタ積分回路は、回路におけるスイッチをOFFにさせることによって、主にチョッパ技術(chopping)とオートゼロ(Auto−Zero)を利用して、増幅器の入力オフセット電圧(offset)の除去及び1/fノイズの減少を実現する。また、積分周期を変更させてゲイン変化を実現することばかりではなく、入出力のキャパシタの比を調整することでゲイン可変を実現することができるので、微弱信号のノイズの抑止をより良く実現できる。入力キャパシタと出力キャパシタとの比が増加すると、増幅の倍数が増加し、プロセス変化による影響を受けず、動作電圧と温度による影響を受けないため、異なるレンジにより増幅の倍数が異なる問題を解決し、微弱信号の分解能が向上した。
【0050】
以上の実施例は、本発明の幾つかの実施形態のみを示し、その説明が比較的具体的な及び詳細なものだが、本発明の保護範囲を制限するものではないと理解すべきである。無論、当業者は、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り、幾つかの変形及び変更を実施でき、これらも本発明の保護範囲に該当する。このため、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準じる。