(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、支払いに対する操作者の煩わしさを解消し得る決済装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態は、セミセルフ式チェックアウトシステムの決済装置について例示する。因みに、セミセルフ式チェックアウトシステムは、入力ユニットである商品登録装置と、決済ユニットである決済装置とを分離し、商品登録装置については店員が操作し、決済装置については買物客が操作するようにしたものである。そしてこの実施形態は、決済装置が、現金支払いに対する決済機能と、クレジットカードまたは電子マネーカードを用いた非現金支払いに対する決済機能とを有する場合である。
【0009】
図1は、本実施形態におけるチェックアウトシステム10の斜視図である。チェックアウトシステム10は、少なくとも1台の商品登録装置11と、少なくとも1台の決済装置12とを含む。
図1においては、2台の商品登録装置11と4台の決済装置12とを含んだチェックアウトシステム10を示している。チェックアウトシステム10が、商品登録装置11及び決済装置12をそれぞれ何台含むかは任意であり、商品登録装置11と決済装置12との台数の比も任意である。商品登録装置11及び決済装置12は、スーパーマーケットなどの店舗のチェックアウトコーナーに設置される。
【0010】
商品登録装置11は、チェッカと呼ばれる役割を担った、上記店舗の店員21が、その操作者となる。決済装置12は、上記の店舗で販売される商品を購入する買物客22が、その操作者となる。ただし決済装置12は、店員21による操作を妨げるものではない。
【0011】
商品登録装置11は、
図1においては、作業テーブル23に取り付けられる。作業テーブル23は、矩形の天板を有する。複数の作業テーブル23が、天板の長手方向がほぼ並行するように配置されることにより、買物客22用の通路が形成される。
【0012】
商品登録装置11は、買上商品の登録処理、決済情報の生成、決済処理、ならびに決済情報の決済装置12への通知の各機能を備える。登録処理は、買物客22が購入する商品を買上商品として登録する処理である。決済処理は、買上商品の販売に係る取引を決済するための処理である。決済情報は、決済処理に必要となる情報である。決済情報は、登録処理によって登録された買上商品毎の個数及び金額と、各買上商品の合計個数及び合計金額とを含む。すなわち商品登録装置11は、商品販売に係るデータの入力ユニットとして機能する。また商品登録装置は、商品販売に係る取引の決済ユニットとして機能する場合もある。
【0013】
決済装置12は、商品登録装置11から決済情報が通知された場合に、当該決済情報に基づく決済処理を行う。すなわち決済装置12は、商品販売に係る取引の決済ユニットとして機能する。
【0014】
図2は商品登録装置11及び決済装置12のブロック図である。商品登録装置11及び決済装置12は、いずれもネットワークであるLAN(local area network)13に接続されている。ネットワークは、LAN13に代えて、インターネットや無線LANなどの別の通信網を用いることもできる。あるいは商品登録装置11と決済装置12との間でサーバを介して情報を授受する構成としてもよい。
【0015】
商品登録装置11は、CPU(central processing unit)11a、ROM(read-only memory)11b、RAM(random-access memory)11c、補助記憶ユニット11d、ドロワ開放ユニット11e、スキャナ11f、2つのタッチパネル11g1,11g2、プリンタ11h、2つのカードリーダライタ11i1,11i2、通信ユニット11j及び伝送システム11kを含む。
【0016】
CPU11a、ROM11b、RAM11c及び補助記憶ユニット11dは、伝送システム11kにより接続されてコンピュータを構成する。
CPU11aは、上記コンピュータの中枢部分に相当する。CPU11aは、ROM11b及びRAM11cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、商品登録装置11としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0017】
ROM11bは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM11bは、上記オペレーティングシステムを記憶する。ROM11bは、上記ミドルウェアまたはアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM11bは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
【0018】
RAM11cは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
【0019】
補助記憶ユニット11dは、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット11dは、CPU11aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU11aでの処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット11dとしては、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)などを使用できる。
【0020】
ROM11bまたは補助記憶ユニット11dに記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する制御処理に関して記述した制御プログラムを含む。商品登録装置11の譲渡は一般的に、制御プログラムがROM11bまたは補助記憶ユニット11dに記憶された状態にて行われる。しかし、制御プログラムがROM11bまたは補助記憶ユニット11dに記憶されない状態で、商品登録装置11が譲渡される場合もある。この場合には、制御プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して譲渡される。あるいはネットワークを介して制御プログラムが譲渡され、この制御プログラムが上記の別途に譲渡された商品登録装置11の補助記憶ユニット11dに書き込まれてもよい。
【0021】
ドロワ開放ユニット11eは、貨幣を収容するためのドロワを自動的に開放する。
スキャナ11fは、商品の情報を読み取って、当該商品の商品コードを得る。スキャナ11fとしては、周知の種々のタイプのものをそのまま利用できる。スキャナ11fは、周知の種々のタイプうちの1つのみに対応していてもよいし、複数のタイプに対応していてもよい。すなわちスキャナ11fは、固定式またはハンディ式の2次元コードスキャナを含み得る。またスキャナ11fとしては、商品の画像から画像認識技術を利用して商品を識別するタイプのものを含み得る。
【0022】
2つのタッチパネル11g1,11g2のうち、一方のタッチパネル11g1は店員用であり、他方のタッチパネル11g2は客用である。タッチパネル11g1,11g2は、いずれも表示デバイス及びタッチセンサを含む。表示デバイスは、その表示画面を、GUI画面などの任意の画面とする。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU11aへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
【0023】
店員用のタッチパネル11g1は、表示画面が店員21の作業スペース側を向くように、作業テーブル23上に設けられる。客用のタッチパネル11g2は、表示画面が買物客22用の通路側を向くように、作業テーブル23上に設けられる。
【0024】
プリンタ11hは、レシート用紙に対して各種の文字列または画像などを印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタ11hとしては、例えばサーマルプリンタまたはドットインパクトプリンタなどを利用できる。
【0025】
2つのカードリーダライタ11i1,11i2のうち、一方のカードリーダライタ11i1は、決済用カードの1種であるクレジットカード用であり、他方のカードリーダライタ11i2は、同じく決済用カードの1種である電子マネーカード用である。
【0026】
クレジットカード用のカードリーダライタ11i1は、クレジットカードに記録されたデータを読み取る機能と、上記クレジットカードへデータを書き込む機能とを有する。クレジットカードは、一般に、接触型ICカードまたは磁気カードで構成される。したがってカードリーダライタ11i1は、接触型ICカードのリーダライタあるいは磁気カードのリーダライタである。なお、クレジットカードの場合、データを書き込む機能は、必ずしも必要としない。したがってクレジットカードに対しては、データを読み取る機能だけのカードリーダであってもよい。
【0027】
本実施形態では、接触型ICカードに対応したカードリーダライタをクレジットカード用のカードリーダライタ11i1とする。このカードリーダライタ11i1は、カード挿入口を有し、このカード挿入口に挿入されたクレジットカードのICチップから、クレジット決済に必要なデータを読み取る。
【0028】
電子マネーカード用のカードリーダライタ11i2は、電子マネーカードに記録されたデータを読み取る機能と、上記電子マネーカードへデータを書き込む機能とを有する。電子マネーカードは、一般に、非接触型ICカードで構成される。したがって、カードリーダライタ11i2は、非接触型ICカードのリーダライタである。非接触型ICカードのリーダライタは、アンテナ部を有する。このアンテナ部に電子マネーカードが翳されると、カードリーダライタ11i2は、電子マネーカードのICチップに記録された電子マネーの残高データを読み取ったり、当該ICチップに電子マネーの残高データを書き込んだりする。
【0029】
通信ユニット11jは、LAN13を介して接続される複数の決済装置12とデータ通信を行う。通信ユニット11jは、他の商品登録装置11とLAN13を介してデータ通信を行うこともできる。
【0030】
伝送システム11kは、CPU11a、ROM11b、RAM11c、補助記憶ユニット11d、ドロワ開放ユニット11e、スキャナ11f、タッチパネル11g1,11g2、プリンタ11h、カードリーダライタ11i1,11i2及び通信ユニット11jの間で授受されるデータを伝送する。伝送システム11kは、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
【0031】
このような商品登録装置11のハードウェアとしては、例えば既存のPOS端末を利用することが可能である。
【0032】
決済装置12は、CPU12a、ROM12b、RAM12c、補助記憶ユニット12d、自動釣銭機12e、スキャナ12f、タッチパネル12g、プリンタ12h、2つのカードリーダライタ12i1,12i2、通信ユニット12j及び伝送システム12kを含む。
【0033】
CPU12a、ROM12b、RAM12c及び補助記憶ユニット12dは、伝送システム12kにより接続されてコンピュータを構成する。
【0034】
CPU12aは、上記コンピュータの中枢部分に相当する。CPU12aは、ROM12b及びRAM12cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、決済装置12としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
【0035】
ROM12bは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM12bは、上記オペレーティングシステムを記憶する。ROM12bは、上記ミドルウェアまたはアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM12bは、CPU12aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
【0036】
RAM12cは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM12cは、CPU12aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM12cは、CPU12aが各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
【0037】
補助記憶ユニット12dは、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット12dは、CPU12aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU12aでの処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット12dとしては、例えばEEPROM、HDD、あるいはSSDなどを使用できる。
【0038】
ROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する制御処理に関して記述した制御プログラムを含む。決済装置12の譲渡は一般的に、制御プログラムがROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶された状態にて行われる。しかし、制御プログラムがROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶されない状態で、決済装置12が譲渡される場合もある。この場合には、制御プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して譲渡される。あるいはネットワークを介して制御プログラムが譲渡され、この制御プログラムが上記の別途に譲渡された決済装置12の補助記憶ユニット12dに書き込まれてもよい。
【0039】
自動釣銭機12eは、硬貨及び紙幣の投入口を備え、この投入口から投入された硬貨及び紙幣を収受する。この収受の際、自動釣銭機12eは、投入された硬貨及び紙幣の金種を識別し、金種別に投入枚数を計数する。さらに自動釣銭機12eは、硬貨及び紙幣の払出口を備え、この払出口に釣銭としての硬貨及び紙幣を排出する。
【0040】
スキャナ12fは、商品の情報を読み取って、当該商品の商品コードを得る。スキャナ12fとしては、周知の種々のタイプのものをそのまま利用できる。スキャナ12fは、周知の種々のタイプうちの1つのみに対応していてもよいし、複数のタイプに対応していてもよい。すなわちスキャナ12fは、固定式またはハンディ式の2次元コードスキャナを含み得る。またスキャナ12fとしては、商品の画像から画像認識技術を利用して商品を識別するタイプのものを含み得る。
【0041】
タッチパネル12gは、表示デバイス及びタッチセンサを含む。表示デバイスは、その画面を、GUI画面などの任意の画面とする。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU12aへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
【0042】
プリンタ12hは、レシート用紙に対して各種の文字列または画像などを印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタとしては、例えばサーマルプリンタまたはドットインパクトプリンタなどを利用できる。
【0043】
2つのカードリーダライタ12i1,12i2のうち、一方のカードリーダライタ12i1は、決済用カードの1種であるクレジットカード用であり、他方のカードリーダライタ12i2は、同じく決済用カードの1種である電子マネーカード用である。
【0044】
クレジットカード用のカードリーダライタ12i1は、クレジットカードに記録されたデータを読み取る機能と、上記クレジットカードへデータを書き込む機能とを有する。クレジットカードは、一般に、接触型ICカードまたは磁気カードで構成される。したがってカードリーダライタ12i1は、接触型ICカードのリーダライタあるいは磁気カードのリーダライタである。なお、クレジットカードの場合、データを書き込む機能は、必ずしも必要としない。したがってクレジットカードに対しては、データを読み取る機能に特化した、いわゆるカードリーダであってもよい。
【0045】
本実施形態では、接触型ICカードに対応したカードリーダライタをクレジットカード用のカードリーダライタ12i1とする。このカードリーダライタ12i1は、カード挿入口を有し、このカード挿入口に挿入されたクレジットカードのICチップから、クレジット決済に必要なデータを読み取る。
【0046】
電子マネーカード用のカードリーダライタ12i2は、電子マネーカードに記録されたデータを読み取る機能と、上記電子マネーカードへデータを書き込む機能とを有する。電子マネーカードは、一般に、非接触型ICカードで構成される。したがって、カードリーダライタ12i2は、非接触型ICカードのリーダライタである。非接触型ICカードのリーダライタは、アンテナ部を有する。このアンテナ部に電子マネーカードが翳されると、カードリーダライタ12i2は、電子マネーカードのICチップに記録された電子マネーの残高データを読み取ったり、当該ICチップに電子マネーの残高データを書き込んだりする。
【0047】
通信ユニット12jは、LAN13を介して接続される複数の商品登録装置11とデータ通信を行う。通信ユニット11jは、他の決済装置12とLAN13を介してデータ通信を行うこともできる。
【0048】
伝送システム12kは、CPU12a、ROM12b、RAM12c、補助記憶ユニット12d、自動釣銭機12e、スキャナ12f、タッチパネル12g、プリンタ12h、カードリーダライタ12i,12i2及び通信ユニット12jの間で授受されるデータを伝送する。伝送システム12kは、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
【0049】
このような決済装置12のハードウェアとしては、例えば既存のセルフPOS端末を利用することが可能である。
【0050】
上記の如く、入力ユニットである商品登録装置11と決済ユニットである決済装置12とを分離したチェックアウトシステム10は、
図3に示すデータメモリ領域31及び32を、商品登録装置11及び決済装置12のRAM11c、12cにそれぞれ形成する。
【0051】
データメモリ領域31は、商品コード、商品名、単価、個数及び金額の各データからなるレコードを複数格納する領域である。商品コードは、各商品を個々に識別するための固有のコードである。各商品には、例えばバーコードによって表される商品コードが付されている。商品名及び単価は、同一レコードの商品コードによって決定される商品の名称及び1点当たりの価格である。個数及び金額は、同一レコードの商品コードによって決定される商品の販売データ、すなわち販売個数とその個数分の販売金額である。
【0052】
チェックアウトシステム10は、図示しないが、LAN13を介してデータベースサーバを接続する。このデータベースサーバには、各商品の商品コードに関連付けて、商品名、単価等の商品情報を設定するための商品データベースがある。商品登録装置11または決済装置12において、商品コードが入力されると、CPU11a、12aは、その商品コードでデータベースサーバに商品情報を問い合わせる。この問合せを受けたデータベースサーバは、商品データベースにアクセスして、商品データベースから当該商品コードに関連付けられた商品情報を読み出す。そしてデータベースサーバは、LAN13を介して商品情報を商品登録装置11または決済装置12に通知する。商品登録装置11または決済装置12のCPU11a、12aは、データベースサーバから通知された商品情報を基に、商品販売に係るレコードを生成し、データメモリ領域31に格納する。
【0053】
このようなデータメモリ領域31は、取引メモリと称される。以下、商品登録装置11のものを取引メモリ31aで表わし、決済装置12のものを取引メモリ31bで表わす。
【0054】
データメモリ領域32は、合計個数と合計金額とを格納する領域である。合計個数は、取引メモリ31に格納された各レコードに記憶された個数の合計である。合計金額は、取引メモリ31に格納された各レコードの金額の合計である。
【0055】
このようなデータメモリ領域32は、合計メモリと称される。以下、商品登録装置11のものを合計メモリ32aで表わし、決済装置12のものを合計メモリ32bで表わす。
【0056】
図4は、商品登録装置11のCPU11aが、制御プログラムにしたがって実行する制御処理の主要な手順を示す流れ図である。
図5〜
図6は、その制御処理によって商品登録装置11のタッチパネル11g1,11g2に表示される種々の画面例を示す模式図である。
図7〜
図10は、決済装置12のCPU12aが、制御プログラムにしたがって実行する制御処理の主要な手順を示す流れ図である。
図11は、その制御処理によって決済装置12のタッチパネル12gに表示される画面例を示す模式図である。以下、これらの図を用いて、チェックアウトシステム10の動作について説明する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0057】
はじめに、商品登録装置11の動作について説明する。
商品登録装置11が、買上商品の登録処理を行うモードで起動されると、CPU11aは、
図4の流れ図に示す手順の制御処理を開始する。先ずCPU11aは、取引メモリ31a及び合計メモリ32aをクリアする(Act1)。次いでCPU11aは、店員用タッチパネル11g1及び客用タッチパネル11g2の画面の一部に登録画面を表示させる(Act2)。
【0058】
登録画面は、取引メモリ31a及び合計メモリ32aの内容を表し、登録処理の実施状況を店員21及び買物客22に確認させるものである。なお、CPU11aは、店員用タッチパネル11g1の画面のうちの登録画面とする領域外に、商品ボタン、小計ボタン等の各種のボタン画像を表示する。商品ボタンは、店員21が商品を指定する際に操作する。小計ボタンは、店員が小計金額の出力を指令する際に操作する。
【0059】
登録画面が表示された状態で、店員21は、例えばスキャナ11fまたは商品ボタンを操作して、買物客22が買い上げる商品の商品コードを順次入力する。そして、全ての買上商品の商品コードを入力し終えると、店員21は、小計ボタンにタッチする。
【0060】
登録画面を表示させたCPU11aは、買上登録すべき商品の商品コードが入力されるのを待ち受ける(Act3)。スキャナ11fまたは商品ボタンを介して商品コードが入力されると(Act3にてYES)、CPU11aは、その商品コードに関連付けられて商品データベースに設定されている商品名、単価等の商品情報を検出する。またCPU11aは、この単価に販売個数を乗算して販売金額を算出する。そしてCPU11aは、商品コード、商品名、単価、販売個数及び販売金額を含むレコードを、取引メモリ31aに登録する。またCPU11aは、販売個数及び販売金額を合計メモリ32aに加算する(Act4)。こうして、商品販売に係るレコードを取引メモリ31aに登録したならば、CPU11aは、取引メモリ31a及び合計メモリ32aの内容に準じるように、登録画面を更新する(Act5)。
【0061】
Act5にて登録画面を更新した後、CPU11aは、商品コードが入力されたか否かを確認する(Act6)。商品コードが入力されていない場合(Act6にてNO)、CPU11aは、小計ボタンがタッチされたか否かを確認する(Act7)。小計ボタンがタッチされていない場合(Act7にてNO)、CPU11aは再び、商品コードが入力されたか否かを確認する(Act6)。したがってCPU11aは、Act6及びAct7の処理において、商品コードが入力されるか、小計ボタンがタッチされるのを待ち受ける。
【0062】
Act6及びAct7の待ち受け状態において、商品コードが入力されると(Act6にてYES)、CPU11aは、Act4の処理に戻る。すなわちCPU11aは、その商品コードに関連付けられて商品データベースに設定されている商品情報を検出する。またCPU11aは、販売金額を算出する。そしてCPU11aは、商品コード、商品名、単価、販売個数及び販売金額を含むレコードを、取引メモリ31aに登録する。またCPU11aは、販売個数及び販売金額を合計メモリ32aに加算する(Act4)。さらにCPU11aは、取引メモリ31a及び合計メモリ32aの内容に準じるように、登録画面を更新する(Act5)。その後CPU11aは、商品コードが入力されるか、小計ボタンがタッチされるのを待ち受ける(Act6、Act7)。
【0063】
この待ち受け状態において、小計ボタンがタッチされた場合(Act7にてYES)、CPU11aは、この時点における取引メモリ31a及び合計メモリ32aの内容に基づいて決済情報を生成する(Act8:生成手段)。そしてCPU11aは、店員用タッチパネル11g1の画面の一部に転送先選択画面SC1(
図5を参照)を表示させる(Act10)。
【0064】
転送先選択画面SC1の一例を
図5に示す。転送先選択画面SC1は、表示エリアR11、R12、R13、R14、R15、R16と、ボタンB11、B12、B13、B14、B15、B16、B17と、を含む。
【0065】
表示エリアR11は、合計メモリ32aの合計個数及び合計金額を表示する。表示エリアR12は、種々のメッセージを表示する。ボタンB11、B12は、合計金額に対して値引きを適用することを店員21が指定するためのものである。ボタンB13は、店員用タッチパネル11g1の画面の一部領域を登録画面SC1に戻すことを店員21が指定するためのものである。
【0066】
表示エリアR13〜R16は、4つの決済装置12のそれぞれへの決済情報の転送の可否をそれぞれ表示する。ボタンB14〜B17は、4つの決済装置12のそれぞれへの決済情報の転送を店員21が指定するためのものである。決済装置12は、決済処理の実行中においては決済情報の転送を受け付けていない。このような状態にある決済装置12に関連付けられた表示エリアR13〜R16には、「転送不可」と表示される。逆に、決済情報の転送を受け付けている決済装置12に関連付けられた表示エリアR13〜R16には、「転送可能」と表示される。なお、ボタンB14〜B17は、関連付けられている決済装置12が決済情報の転送を受け付けているか否かに応じて表示形態を異ならせてもよい。若しくは、関連付けられている決済装置12が決済情報の転送を受け付けていない場合には、ボタンB14〜B17を非表示としてもよい。
【0067】
転送先選択画面SC1を表示させると、CPU11aは、決済情報の転送先とする決済装置12が指定されるのを待ち受ける(Act10)。なおCPU11aは、ここでの待ち受け状態において、他の操作が行われるなどの他の事象の発生を確認し、その発生事象に応じた処理に移行するようにしてもよい。例えば、ボタンB11、B12のいずれかが店員21によりタッチされると、CPU11aは、決済情報に含まれる合計金額を、その後の店員21による指示に応じて変更する。
【0068】
転送先選択画面SC3を確認した店員21は、表示エリアR13〜R16の情報を基に取引データを転送する決済装置12を決める。そして店員21は、転送先に決定した決済装置12に対応するボタンB14〜B17にタッチする。
【0069】
Act10の待ち受け状態において、転送先選択画面SC3のボタンB14〜B17のいずれかがタッチされると、CPU11aは、決済装置12が指定されたとみなす。決済装置12が指定されると(Act10にてYES)、CPU11aは、指定された決済装置12に対して決済情報を出力する(Act11:出力手段)。
【0070】
具体的にはCPU11aは、指定された決済装置12に設定された通信アドレスを送信先アドレスとし、自らに設定された通信アドレスを送信元アドレスとして、決済情報をLAN13へと出力するように通信ユニット11jを制御する。この制御により、送信先アドレス及び送信元アドレスが設定された決済情報がLAN13を介して送信される。そしてこの決済情報は、送信先アドレスが通信アドレスと一致する決済装置12にて受信される。決済情報を受信した決済装置12は、その決済情報の送信元アドレスを記憶することで、決済情報の送信元である商品登録装置を決定できる。
【0071】
決済情報を出力すると、CPU11aは、店員用タッチパネル11g1及び客用タッチパネル11g2の画面の一部に、報知画面SC2(
図6を参照)を表示させる(Act12)。報知画面SC2の一例を
図6に示す。報知画面SC2は、表示エリアR21、R22を含む。また、店員用タッチパネル11g1に表示される報知画面SC2は、ボタンB21を含む。客用タッチパネル11g2に表示される報知画面SC2は、ボタンB21を含まない。
【0072】
表示エリアR21は、セミセルフによる決済であることを店員21及び買物客22に認識させるための画像を表示する。なお、セミセルフによる決済とは、買物客22による操作に応じて決済装置12において決済処理を実行する決済形態である。表示エリアR22は、決済情報に含まれる合計個数及び合計金額を表すとともに、そのような内容を含んだ決済情報を4つの決済装置12のいずれに転送したかを表示する。ボタンB21は、報知画面SC2を閉じることを店員21が指定するためのものである。
【0073】
CPU11aは、ボタンB21がタッチされたことに応じて、
図4の流れ図に示した手順の情報処理を終える。そしてCPU11aは、再度Act1以降の処理を前述したのと同様に繰り返す。
【0074】
なお、決済情報の転送を受け付けていない決済装置12に関連付けられたボタンB14〜B17がタッチされた場合には、CPU11aは、Act10にてYESとは判定しない。かくしてCPU11aは、決済情報の転送を受け付けない決済装置12の指定は受け付けない。したがって、決済装置12の全てが、動作の停止状態とされるか、決済情報の転送を受け付けない動作状態とされているならば、CPU11aは、決済装置12の指定を待ち受けない。
【0075】
報知画面SC2を確認した店員21は、各決済装置12のうち、表示エリアR22に表示された決済装置12にて決済を行うべきことを買物客22に対して告知する。この告知を受けた買物客22は、指定された決済装置12へと移動し、決済のための操作を行う。なお、店員21が買物客22に対して告知するのでなく、商品登録装置11のプリンタ12で、表示エリアR22に表示された決済装置12の番号を印刷した紙を出力し、この紙を買物客22に渡すようにしてもよい。
【0076】
そこで次に、決済装置12の動作について説明する。
決済装置12が起動されると、CPU12aは、
図7〜
図10の流れ図に示す手順の制御処理を開始する。先ずCPU12aは、タッチパネル12gの画面を待機画面とする(Act21)。待機画面は、決済処理を行う状況にないことを表すものであり、どのような情報を表すかは任意であって良い。例えば待機画面は、決済処理を行うことができないことを表すメッセージを表すもの、あるいはスクリーンセーバーとして広告などを表す任意の画像を表示するものとすることが想定される。タッチパネル12gの画面を待機画面とした後、CPU12aは、決済情報を受信するのを待ち受ける(Act22)。
前述したように商品登録装置11のCPU11aは、
図4のAct11の処理において、通信ユニット11jからLAN13へと決済情報を送信する。この決済情報は、宛先となっている決済装置12に設けられた通信ユニット12jにて受信される。
【0077】
決済情報が受信されると(Act22にてYES)、CPU12aは、その決済情報を、取引メモリ31b及び合計メモリ32bに展開する(Act23)。すなわちCPU12aは、決済情報に含まれる商品名、単価、販売個数及び販売金額のレコードを、取引メモリ31bに格納する。同様にCPU12aは、決済情報に含まれる買上商品の合計個数及び合計金額を、合計メモリ32bに格納する。
【0078】
決済情報を、取引メモリ31b及び合計メモリ32bに展開したならば、CPU12aは、タッチパネル12gの画面の一部に決済画面SC3(
図11を参照)を表示させる(Act24)。
【0079】
決済画面SC3の一例を
図11に示す。決済画面SC3は、表示エリアR31、R32と、ボタンB31と、を含む。表示エリアR31は、決済方法の種類毎に操作ガイダンスを表示する。表示エリアR32は、合計メモリ32bに記憶された合計個数と合計金額とを、買物客22との取引点数及び取引金額として表示する。ボタンB31は、店員21を呼び出すことを買物客22が指定するためのものである。
【0080】
決済装置12は、自動釣銭機12eを利用した現金支払いと、クレジットカード用のカードリーダライタ12i1を利用したクレジット支払いと、電子マネーカード用のカードリーダライタ12i2を利用した電子マネー支払いと、の3種類の支払い方法に対応している。現金支払いに対しては、例えば「現金支払いの方は、現金を投入してください」との操作ガイダンスが表示エリアR31に表示される。クレジット支払いに対しては、例えば「クレジット支払いの方は、カードを挿入してください」との操作ガイダンスが表示エリアR31に表示される。電子マネー支払いに対しては、例えば「電子マネー支払いの方は、カードを近づけてください」との操作ガイダンスが表示エリアR31に表示される。
【0081】
決済画面SC3を確認した買物客22は、現金で支払うのか、クレジットで支払うのか、電子マネーで支払うのか、を決める。現金で支払う場合、買物客22は、自動釣銭機12eに合計金額以上の現金を投入する。クレジットで支払う場合、買物客22は、クレジットカードをカードリーダライタ12i1に挿入する。電子マネーで支払う場合、買物客22は、電子マネーカードをカードリーダライタ12i2に近づける。
【0082】
決済画面SC3を表示させたCPU12aは、支払いに必要なデバイスを起動して、待ち受け状態とする(Act25)。現金支払いに必要なデバイスは、自動釣銭機12eである。CPU12aは、自動釣銭機12eを起動し、投入口に硬貨または紙幣が投入されるのを待ち受ける。クレジット支払いに必要なデバイスは、カードリーダライタ12i1である。CPU12aは、カードリーダライタ12i1を起動し、カード挿入口にクレジットカードが挿入されるのを待ち受ける。電子マネー支払いに必要なデバイスは、カードリーダライタ12i2である。CPU12aは、カードリーダライタ12i2を起動し、アンテナ部に電子マネーカードが翳されるのを待ち受ける。
【0083】
支払いに必要なデバイスを待ち受け状態としたCPU12aは、カードリーダライタ12i1によってクレジットカードのデータが読み取られたか否かを確認する(Act26)。クレジットカードのデータが読み取られていない場合(Act26にてNO)、CPU12aは、カードリーダライタ12i2によって電子マネーカードのデータが読み取られたか否かを確認する(Act27)。電子マネーカードのデータが読み取られていない場合(Act27にてNO)、CPU12aは、自動釣銭機12eに現金が投入されたか否かを確認する(Act28)。現金が投入されていない場合(Act28にてNO)、CPU12aは、Act26の処理に戻る。したがってCPU11aは、Act26乃至Act28の処理において、クレジットカードのデータが読み取られるか、電子マネーカードのデータが読み取られるか、現金が投入されるのを待機する。
【0084】
なお、上記の説明では、支払いに必要なデバイスが待ち受け状態となっているとき、先ず、クレジットカードのデータが読み取られたか否かを確認し、続いて電子マネーカードのデータが読み取られたか否かを確認し、続いて現金が投入されたか否かを確認したが、確認の順番は特に限定されるものではない。始めに電子マネーカードのデータが読み取られたか否かを確認してもよいし、現金が投入されたか否かを確認してもよい。
【0085】
支払いに必要なデバイスが待ち受け状態となっているとき、カードリーダライタ12i1によってクレジットカードのデータが読み取られると(Act26にてYES)、
図8に示すように、CPU12aは、クレジット支払い以外の待ち受け状態、すなわち電子マネー支払いの待ち受け状態と現金支払いの待ち受け状態とを解除する(Act31)。この処理により、カードリーダライタ12i2及び自動釣銭機12eの駆動が停止する。したがって、買物客22がカードリーダライタ12i2に電子マネーカードを翳しても、カードリーダライタ12i2は電子マネーカードのデータを読み取らない。同様に、買物客22が自動釣銭機12eに現金を投入しようとしても、シャッタ等により投入口を閉じることにより、自動釣銭機12eは現金を受け付けない。
【0086】
クレジット支払い以外の待ち受け状態を解除したならば、CPU12aは、カードリーダライタ12i1によって読み取られたクレジットカードのデータに基づいて、クレジット支払いによる決済処理を実行する(Act32)。この決済処理は、既存のPOS端末あるいはセルフPOS端末において既に実行されている処理と同様なので、ここでの説明は省略する。
【0087】
ここに、CPU12aを含むコンピュータ及びカードリーダライタ12i1は、商品販売により生じる代金を、非現金の支払いデータ、すなわちクレジットカードのデータを基に決済する第2の決済手段を構成する。また、CPU12aを含むコンピュータは、代金を含む決済情報が入力されたことに応じて現金による支払いデータの入力または非現金による支払いデータの入力を待ち受け、非現金の支払いデータであるクレジットカードのデータが入力されると、上記第2の決済手段を実行する制御手段を構成する。
【0088】
クレジット支払いによる決済処理が終了すると、CPU12aは、プリンタ12hを動作させてクレジット伝票を発行させる(Act33)。クレジット伝票が発行されると、CPU12aは、Act22にて受信した決済情報に対する処理を終える。そしてCPU12aは、再度Act21以降の処理を前述したのと同様に繰り返す。
【0089】
支払いに必要なデバイスが待ち受け状態となっているとき、カードリーダライタ12i2によって電子マネーカードのデータが読み取られると(Act27にてYES)、CPU12aは、
図9に示すように、電子マネー支払い以外の待ち受け状態、すなわちクレジット支払いの待ち受け状態と現金支払いの待ち受け状態とを解除する(Act41)。この処理により、カードリーダライタ12i1及び自動釣銭機12eの駆動が停止する。したがって、買物客22がカードリーダライタ12i1にクレジットカードを挿入しても、カードリーダライタ12i1はクレジットカードのデータを読み取ることなく、クレジットカードを排出する。同様に、買物客22が自動釣銭機12eに現金を投入しようとしても、シャッタ等により投入口を閉じることにより、自動釣銭機12eは現金を受け付けない。
【0090】
電子マネー支払い以外の待ち受け状態を解除したならば、CPU12aは、カードリーダライタ12i2によって読み取られた電子マネーカードのデータ、つまりは電子マネーの残高データに基づいて、電子マネー支払いによる決済処理を実行する(Act42)。この決済処理は、既存のPOS端末あるいはセルフPOS端末において既に実行されている処理と同様なので、ここでの説明は省略する。
【0091】
ここに、CPU12aを含むコンピュータ及びカードリーダライタ12i2は、商品販売により生じる代金を、非現金の支払いデータ、すなわち電子マネーの残高データを基に決済する第2の決済手段を構成する。また、CPU12aを含むコンピュータは、代金を含む決済情報が入力されたことに応じて現金による支払いデータの入力または非現金による支払いデータの入力を待ち受け、非現金の支払いデータである電子マネーの残高データが入力されると上記第2の決済手段を実行する制御手段を構成する。
【0092】
電子マネー支払いによる決済処理が終了すると、CPU12aは、代金の支払い金額に残金があるか否かを確認する(Act43)。電子マネーカードから読み取った電子マネー残高データの金額が、合計メモリ32に格納されている合計金額データの金額以上の場合、残金はない。しかし、電子マネー残高データの金額が合計金額データの金額よりも少ない場合には、その差額が残金となる。
【0093】
残金がある場合(Act43にてYES)、CPU12aは、決済画面SC3の表示エリアR32にその残金を表示する(Act44)。その後、CPU12aは、
図7に示すAct25の処理に戻る。すなわちCPU12aは、支払いに必要なデバイスを再度起動して、待ち受け状態とする。そしてCPU11aは、再度Act26以降の処理を前述したのと同様に繰り返す。
【0094】
ここに、CPU12aを含むコンピュータは、第2の決済手段を実行したが代金に残金があるとき、現金による支払いデータの入力待ち受けを再設定する手段を含む。
【0095】
残金が無い場合(Act43にてNO)、CPU12aは、プリンタ12hを動作させてレシートを発行させる(Act45)。レシートが発行されると、CPU12aは、Act22にて受信した決済情報に対する処理を終える。そしてCPU12aは、再度Act21以降の処理を前述したのと同様に繰り返す。
【0096】
支払いに必要なデバイスが待ち受け状態となっているとき、自動釣銭機12eに現金が投入されると(Act28にてYES)、CPU12aは、
図10に示すように、現金支払い以外の待ち受け状態、すなわちクレジット支払いの待ち受け状態と電子マネー支払いの待ち受け状態とを解除する(Act51)。この処理により、カードリーダライタ12i1及びカードリーダライタ12i2の駆動が停止する。したがって、買物客22がカードリーダライタ12i1にクレジットカードを挿入しても、カードリーダライタ12i1はクレジットカードのデータを読み取ることなく、クレジットカードを排出する。同様に、買物客22がカードリーダライタ12i2に電子マネーカードを翳しても、カードリーダライタ12i2は電子マネーカードのデータを読み取らない。
【0097】
現金支払い以外の待ち受け状態を解除したならば、CPU12aは、自動釣銭機12eに投入された現金の金額データに基づいて、現金支払いによる決済処理を実行する(Act52)。この決済処理は、既存のPOS端末あるいはセルフPOS端末において既に実行されている処理と同様なので、ここでの説明は省略する。
【0098】
ここに、CPU12aを含むコンピュータ及び自動釣銭機12eは、商品販売により生じる代金を、入力された現金の支払いデータ、すなわち投入された現金の金額データを基に決済する第1の決済手段を構成する。また、CPU12aを含むコンピュータは、代金を含む決済情報が入力されたことに応じて現金による支払いデータの入力または非現金による支払いデータの入力を待ち受け、非現金のデータである電子マネーの残高データが入力されると、上記第2の決済手段を実行する制御手段を構成する。
【0099】
現金支払いによる決済処理が終了すると、CPU12aは、代金の支払い金額に残金があるか否かを確認する(Act53)。自動釣銭機12eに投入された現金の金額が、合計メモリ32に格納されている合計金額データの金額以上の場合、残金はない。しかし、投入された現金の金額が合計金額データの金額よりも少ない場合には、その差額が残金となる。
【0100】
残金がある場合(Act53にてYES)、CPU12aは、決済画面SC3の表示エリアR32にその残金を表示する(Act54)。その後、CPU12aは、
図7に示すAct25の処理に戻る。すなわちCPU12aは、支払いに必要なデバイスを再度起動して、支払い待機状態とする。そしてCPU11aは、再度Act26以降の処理を前述したのと同様に繰り返す。
【0101】
ここに、CPU12aを含むコンピュータは、第1の決済手段を実行したが代金に残金があるとき、非現金による支払いデータの入力待ち受けを再設定する手段を含む。
【0102】
残金が無い場合(Act53にてNO)、CPU12aは、プリンタ12hを動作させてレシートを発行させる(Act55)。レシートが発行されると、CPU12aは、Act22にて受信した決済情報に対する処理を終える。そしてCPU12aは、再度Act21以降の処理を前述したのと同様に繰り返す。
【0103】
上記の如く動作するチェックアウトシステム10が導入された店舗においては、買物客22が購入する商品の登録処理を、店員21が商品登録装置11を操作して行う。この登録処理により、商品登録装置11では、買上商品の代金を含む決済情報が生成される。決済情報は、商品登録装置11のタッチパネル11g1に表示される転送先選択画面SC1から店員21によって選択された1つの決済装置12に転送される。決済情報を受信した決済装置12においては、決済画面SC3が表示される。
【0104】
買物客22は、店員21の指示、あるいは商品登録装置11のタッチパネル11g2に表示される報知画面SC2の情報に従い、決済情報が転送された決済装置12の手前に移動する。そして買物客22は、決済画面SC3に表示されている代金の支払いを決済装置12に対して行う。
【0105】
ここで、買物客22は、代金を現金または非現金(クレジット、電子マネー)で支払うことができる。現金で支払う場合、買物客22は、自動釣銭機12eに現金を投入する。非現金のうち、クレジットで支払う場合、買物客22は、カードリーダライタ12i1にクレジットカードを挿入する。非現金のうち、電子マネーで支払う場合、買物客22は、カードリーダライタ12i2に電子マネーカードを翳す。
【0106】
決済情報を受信した決済装置12では、支払いに必要なデバイスが起動して、待ち受け状態となっている。すなわち、自動釣銭機12eと、カードリーダライタ12i1及び12i2とが起動しており、決済装置12は、自動釣銭機12eに現金が投入されるか、カードリーダライタ12i1にクレジットカードが挿入されるか、カードリーダライタ12i2に電子マネーカードが翳されるのを待ち受けている。
【0107】
したがって、買物客22が自動釣銭機12eに現金を投入すると、自動釣銭機12eの作用により、投入された現金の総額が算出される。そして、代金以上の現金が投入されると、プリンタ12hによりレシートが発行されて、決済が完了する。このとき、買物客22は、現金支払いを宣言するためのキーまたはボタンを操作する必要はない。
【0108】
一方、買物客22がカードリーダライタ12i1にクレジットカードを挿入した場合には、カードリーダライタ12i1の作用によりクレジットカードのデータが読み取られる。そして、クレジットカードが認証されると、プリンタ12hによりクレジット伝票が発行されて、決済が完了する。このとき、買物客22は、クレジット支払いを宣言するためのキーまたはボタンを操作する必要はない。
【0109】
同様に、買物客22がカードリーダライタ12i2に電子マネーカードを翳した場合には、カードリーダライタ12i2の作用により電子マネーカードから電子マネーの残高データが読み取られる。そして、残高データから代金分が減額されるとともに、プリンタ12hによりレシートが発行されて、決済が完了する。このとき、買物客22は、電子マネー支払いを宣言するためのキーまたはボタンを操作する必要はない。
【0110】
このように本実施形態によれば、現金による決済機能と、クレジットまたは電子マネー等の非現金による決済機能とを備えた決済装置12において、決済の際に支払方法を選択する操作を不要にできる。したがって、支払いに対する操作者(本実施形態の場合には買物客22)の煩わしさを解消することができる。
【0111】
ところで本実施形態では、支払いに必要なデバイスが待ち受け状態にある決済装置12において、買物客22が、例えば自動釣銭機12eに現金を投入すると、非現金による支払いに必要なデバイス、つまりはカードリーダライタ12i1及び12i2の待ち受け状態が解除される。したがって、例えば自動釣銭機12eに現金を投入した後で誤ってカードリーダライタ12i2に電子マネーカードを翳してしまっても、電子マネーカードのデータが読み取られることはない。同様に、例えばカードリーダライタ12i1を挿入した後で、誤って自動釣銭機12eに現金を投入しようとしても、現金の投入が阻止される。
【0112】
しかしその一方で、買物客22が例えば電子マネーによる支払いを選択して、電子マネーカードをカードリーダライタ12i2に翳したが、買上商品の代金に対して電子マネーの残高が不足している場合があり得る。この場合、決済装置12では、不足分が残金としてタッチパネル12gに表示される。また、待ち受け状態が解除されていたデバイスの待ち受け状態が再設定される。すなわち、自動釣銭機12aとカードリーダライタ12i1とが待ち受け状態となる。したがって、残金については、現金で支払うことも可能であるし、クレジットカードで支払うことも可能である。また、電子マネーをチャージすることで、電子マネーによって支払うことも可能である。
【0113】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば前記実施形態では、非現金による支払い方法をクレジット支払いと電子マネー支払いに限定したが、非現金による支払方法はこれに限定されるものではない。例えばポイントカードを用いたポイントでの支払い、プリペイドカードを用いたプリペイド金額での支払い等に対応したものであってもよい。
【0114】
また前記実施形態では、セミセルフ式のチェックアウトシステムを例示したが、本発明は必ずしもセミセルフ式のチェックアウトシステムに限定されるものではない。例えば決済ユニットを店員が操作する方式のチェックアウトシステムであっても、前記実施形態と同様の決済装置12を採用することができる。また、入力ユニットと決済ユニットが分離しておらず一体となったチェックアウトシステム、いわゆる対面式のPOS端末あるいはセルフ式のPOS端末に対しても、決済装置12の機能を盛り込むことが可能である。
【0115】
また前記実施形態は、商品の販売に係る取引のチェックアウトシステムを例示したが、例えば駐車場、スポーツ施設等の利用料、遊園地等の入場料などの役務提供に係る取引のチェックアウトシステムにも同様に適用できるものである。
【0116】
なお、決済装置12の譲渡は一般に、制御プログラム等のプログラムがROMに記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、コンピュータ装置が備える書き込み可能な記憶デバイスに、このコンピュータ装置とは個別に譲渡された制御プログラム等がユーザなどの操作に応じて書き込まれてもよい。制御プログラム等の譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールまたはダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0117】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]商品販売または役務提供により生じる代金を、現金による支払いデータを基に決済する第1の決済手段と、前記代金を、非現金による支払いデータを基に決済する第2の決済手段と、前記代金を含む決済情報が入力されたことに応じて前記現金による支払いデータの入力または前記非現金による支払いデータの入力を待ち受け、前記現金による支払いデータが入力されると前記第1の決済手段を実行し、前記非現金による支払いデータが入力されると前記第2の決済手段を実行する制御手段と、を具備したことを特徴とする決済装置。
[2]前記制御手段は、前記現金による支払いデータの入力により前記第1の決済手段を実行する際には前記非現金による支払いデータの入力待ち受け状態を解除し、前記非現金による支払いデータの入力により前記第2の決済手段を実行する際には前記現金による支払いデータの入力待ち受け状態を解除することを特徴とする付記[1]記載の決済装置。
[3]前記制御手段は、前記第2の決済手段を実行したが前記代金に残金があるとき、前記現金による支払いデータの入力待ち受け状態を再設定することを特徴とする付記[2]記載の決済装置。
[4]前記制御手段は、前記第1の決済手段を実行したが前記代金に残金があるとき、前記非現金による支払いデータの入力待ち受け状態を再設定することを特徴とする付記[2]記載の決済装置。
[5]入力ユニットと、決済ユニットとを備え、前記入力ユニットは、商品販売または役務提供に係るデータの入力を受け付け、入力されたデータを基に前記商品販売または役務提供により生じる代金を含む決済情報を生成する生成手段と、前記生成手段により生成された決済情報を前記決済ユニットに出力する出力手段と、を具備し、前記決済ユニットは、前記代金を、現金による支払いデータを基に決済する第1の決済手段と、前記代金を、非現金による支払いデータを基に決済する第2の決済手段と、前記代金を含む決済情報が入力されたことに応じて前記現金による支払いデータの入力または前記非現金による支払いデータの入力を待ち受け、前記現金による支払いデータが入力されると前記第1の決済手段を実行し、前記非現金による支払いデータが入力されると前記第2の決済手段を実行する制御手段と、を具備したことを特徴とするチェックアウトシステム。
[6]商品販売または役務提供により生じる代金を、現金による支払いデータを基に決済する第1の決済手段と、前記代金を、非現金による支払いデータを基に決済する第2の決済手段と、を備えた決済装置のコンピュータに、前記代金を含む決済情報が入力されたことに応じて前記現金による支払いデータの入力または前記非現金による支払いデータの入力を待ち受ける機能、前記現金による支払いデータの入力または前記非現金による支払いデータの入力を待ち受けている状態で前記現金による支払いデータが入力されると前記第1の決済手段を実行する機能、及び前記現金による支払いデータの入力または前記非現金による支払いデータの入力を待ち受けている状態で前記非現金による支払いデータが入力されると前記第2の決済手段を実行する機能、を実現させるための制御プログラム。