(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記携帯端末は、作業で用いられる周辺機器が取得した参照情報を取り込んで前記作業結果情報に組み込み可能であることを特徴とする請求項5に記載の作業承認支援システム。
前記携帯端末は、前記端末、または他の携帯端末から承認情報を受信して前記承認情報とともに前記作業結果情報を前記作業承認支援サーバ側に送信可能であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の作業承認支援システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、作業に対するリスクは一律ではなく、作業者の注意力によって変動するものである。また、作業者を監督する業者監督は、作業者の注意力に応じて個別にリスクに関する指示を行う必要があるが、作業者及び作業数が多くなれば指示する数も膨大となって業者監督の負担も増大する。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題点に着目し、承認手続負担及び指示負担を軽減するとともに、作業者ごとに個別に指示が可能となる作業承認支援方法、及び作業承認支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る作業承認支援方法は、作業を申請するための作業申請情報を照合して前記作業の承認を行うとともに、前記作業の作業要領を表す作業要領情報を送信する作業承認支援方法において、 前記作業要領情報とともに、前記作業を行う作業者への作業指示を表す作業指示情報を送信するものとし、前記作業と同一の過去の作業の誤りを作業者に抽出させる訓練を予め行わせ、その訓練結果に基づいて前記作業指示情報を送信するか否かの判断を行う
と共に、前記作業指示情報には、事故リスクが「高」、「中」、「低」とランク分けされたリスク情報が含まれ、前記事故リスクのランクが「高」とされる場合には、前記訓練結果に関わらず前記作業指示情報を送信することを可能にしたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る作業承認支援システムは、作業に関する管理情報が格納された作業管理データベースと、前記作業の作業要領を表す作業要領情報が格納された作業要領データベースと、前記作業の承認申請をするための作業申請情報を生成する端末と、前記作業申請情報と前記管理情報とを照合して作業許可信号を前記端末に送信するとともに、前記作業申請情報に係る作業と同一の作業に係る作業要領情報を前記端末に送信する作業承認支援サーバと、を有する作業承認支援システムにおいて、過去の作業実績を表す作業実績情報が格納された作業実績データベースが設けられ、前記作業要領データベースには、前記作業要領情報に関連付けられ、前記作業を行う作業者に対する指示
と共に前記作業における事故リスクが「高」、「中」、「低」とランク分けされたリスク情報が含まれた作業指示情報と、前記作業実績情報に基づいて生成された作業訓練情報と、が格納され、前記端末は、前記作業者の操作により前記作業申請情報に係る作業と同一の作業の作業手順を表す作業手順情報を、前記作業要領情報を基にして生成可能とされ、前記作業承認支援サーバは、前記作業訓練情報のうち前記作業申請情報に係る作業と同一の作業の訓練となる作業訓練情報を前記端末に送信するとともに、前記端末において前記作業訓練情報
を基にした前記作業者の訓練操作により生成された訓練結果情報を受信し、前記訓練結果情報に基づいて前記作業指示情報を前記端末に送信するか否かの判断を行う
と共に、前記作業指示情報に含まれる前記事故リスクのランクが「高」とされる場合には、前記訓練結果情報に関わらず前記作業指示情報を送信することを可能にしたことを特徴とする作業承認支援システム。
【0013】
上記方法及び上記構成により、作業前の承認手続きを自動で行うとともに、同一の作業であっても各作業者に対して異なる指示を与えることができるので、無駄な指示を排除して作業者に必要な指示のみを確実に送信することができる。したがって、承認手続負担及び指示負担を軽減するとともに、作業者ごとに個別に指示を行うことが可能となる。
【0014】
本発明において、前記端末は、前記作業者の健康情報を前記作業承認支援サーバに送信
可能とし、前記作業承認支援サーバは、
前記健康情報を受信した場合には、前記事故リスクのランクが「中」とされる場合にも、前記訓練結果情報に関わらず前記作業指示情報を送信することを可能にしたことを特徴とする。
上記構成により、通常は回避できる事故であっても健康状態によっては発生し得る事故について作業者に注意を促すことができる。
【0015】
本発明において、前記端末は、前記作業手順情報に基づいて前記作業者が作業を行うことにより生成した作業結果情報を前記作業承認支援サーバに送信可能とされ、前記作業承認支援サーバは、前記作業結果情報に基づいて、前記管理情報を更新することを特徴とする。
【0016】
上記構成において、作業結果情報は、その作業が終了したことを示す場合のみならず、その作業が何らかの原因で未完了であることを示す場合がある。したがって、作業承認支援サーバは、例えば、未完了とされた作業の終了後でなければ実施不可となる作業に係る作業申請に対しては、承認を留保することが可能となり、作業管理の錯綜を防止することができる。
【0017】
本発明において、前記端末に接続可能とされ、前記作業手順情報を表示するとともに前記作業者の操作により前記作業結果情報を生成して前記端末に送信する携帯端末を有し、前記携帯端末は、前記作業手順情報とともに前記作業指示情報を表示可能であることを特徴とする。
上記構成により、作業者は現場での作業中でも指示を確認することができるので、事故の発生を低減することができる。
【0018】
本発明において、前記携帯端末は、作業で用いられる周辺機器が取得した参照情報を取り込んで前記作業結果情報に組み込み可能であることを特徴とする。
上記構成により、作業結果情報を容易に生成することができる。
【0019】
本発明において、前記携帯端末は、前記作業手順情報をコード化した情報を表示可能とすることを特徴とする。。
上記構成により、現場を撮影した画像データを作業結果情報に組み込まない場合であっても、作業手順情報をコード化した情報を表示した携帯端末とともに現場を撮影して画像データを生成することにより、画像データの仕分けを容易に行なうことができる。
【0020】
本発明において、前記携帯端末は、前記端末、または他の携帯端末から承認情報を受信して前記承認情報とともに前記作業結果情報を前記作業承認支援サーバ側に送信可能であることを特徴とする。
上記構成により、作業承認支援サーバは、承認のあった作業結果情報のみを承認して管理情報及び作業実績情報を更新することができ、作業後の承認手続きを簡素化することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る作業承認支援方法及び作業承認支援システムによれば、作業前の承認手続きを自動で行うとともに、同一の作業であっても各作業者に対して異なる指示を与えることができるので、無駄な指示を排除して作業者に必要な指示のみを確実に送信することができる。したがって、承認手続負担及び指示負担を軽減するとともに、作業者ごとに個別に指示を行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0024】
図1に、本実施形態の作業承認支援システムの構成図を示す。本実施形態の作業承認支援システム10は、作業発注元が扱う装置と、作業請負先が扱う装置を有し、両者がインターネット回線12を通じてデータの送受信を行う構成となっている。
【0025】
作業発注元が扱う装置は、作業承認支援サーバ14、作業管理データベース16、作業実績データベース18、作業要領データベース20、第1端末22である。作業責任者用の第1端末22は、作業を行う現場にある現場事務所に配置する。
【0026】
作業請負先が扱う装置は、業者監督用の第2端末24、作業者用の第3端末26(請求項に記載の端末)があり、現場事務所に配置されている。また、作業請負先が扱う装置としては、作業者等が用いる携帯端末28(タブレット型端末)があり、現場事務所から作業を行う現場に携行されるものである。なお、作業者には、実際に作業を行う者と、作業終了後に作業の良否をチェックする者(チェックマン)がいるが、作業により立場が入れ替わる場合がある。
【0027】
作業承認支援サーバ14、第1端末22、第2端末24、第3端末26は、インターネット回線12によりデータの送受信が可能となっている。また、携帯端末28は、タッチペン等による画面のタッチ操作により動作するものである。携帯端末28は、第3端末26に有線若しくは無線によりデータの送受信が可能となっており、作業者には一つの携帯端末28が割り当てられる。また、業者監督も作業現場に行く際には携帯端末28を携行する。そして、携帯端末28同士も双方向でデータの送受信を行うことができる。
【0028】
本実施形態の作業承認システムが行う作業承認支援方法は、作業を申請するための作業申請情報を照合して前記作業の承認を行うとともに、前記作業の作業要領を表す作業要領情報を送信する作業承認支援方法である。そして、前記作業要領情報とともに、前記作業を行う作業者への作業指示を表す作業指示情報を送信するものとし、前記作業と同一の過去の作業の誤りを作業者に抽出させる訓練を予め行わせ、その訓練結果に基づいて前記作業指示情報を送信するか否かの判断を行うことが特徴となっている。
【0029】
作業管理データベース16は、作業全般を管理するための管理情報を格納するものである。管理情報としては、作業請負先となる会社の識別情報、前記会社に従事する業者監督及び作業者の識別情報、作業現場の識別情報、作業対象物の識別情報、作業内容の識別情報等を包含する体制表の情報(マスターデータ)がある。
【0030】
図2に、本実施形態の作業承認支援システムの体制表の情報の例を示す。
図2に示すように、通常、一つの大きな工事に対して複数の業者監督が配属され、各業者監督がその工事の一部を監督する。
図2では、業者監督を筆頭としてA班とB班に分かれている。そして、各業者監督には複数の作業者が配属されるが、この場合、作業者の識別情報は業者監督の識別情報に関連付けられる。よって、作業者の識別情報の業者監督の識別情報への関連付けが作業請負先(業者監督)の権限で行われ、関連付けがなされた作業者の識別情報が作業管理データベース16に格納される。この場合、作業責任者の承認は必ずしも必要ではない。
【0031】
また、管理情報としては、作業の全体工程を管理する全体工程情報(工程表の情報)がある。全体工程情報によれば、作業請負先がいつどの作業を行うか、またその作業が完了したか否かが把握できるようになっている。作業内容としては、例えば、作業対象物に対する定期検査があるが、当該作業対象物に対する定期検査の回数を表す定検情報も、管理情報として、当該作業対象物の識別情報に関連付けられて格納されている。上述の情報は、作業発注元(作業責任者)の権限で作業管理データベース16に格納される。全体工程情報は、作業請負先から後述の作業結果情報が入力されると更新される。この場合の更新とは、作業請負先が請け負ったある一日分の作業が終了したこと、あるいは未了に終わったこと等を新たに記載することである。
【0032】
さらに、管理情報には、作業請負先が請け負った作業において、作業者をどの作業に担当させ、それをいつ行わせるかを表す現場工程情報(工程表の情報)があるが、これも全体工程情報に関連付けられて作業管理データベース16に格納されている。現場工程情報は、作業請負先(業者監督)の権限で作成して作業管理データベース16に格納される。
図3に、本実施形態の作業承認支援システム10の現場工程情報の例を示す。
図3に示すように、現場工程表では、ある一日において、どの作業者がどの作業をどの時間帯で行うかがわかるようになっている。
【0033】
図1に示すように、作業実績データベース18は、全ての作業請負先が行った過去の作業実績を表す作業実績情報を格納するものである。また過去の作業の際に起きた事故内容(作業対象物、作業分類等を包含する)を表す事故情報(後述の
図4参照)と、その原因を表す事故原因情報と、それを防止するための防止対策情報が、それぞれ作業実績情報に関連付けられて格納されている。作業実績情報は、作業請負先から後述の作業結果情報が入力されると更新されることになる。
【0034】
図4に、本実施形態の作業承認支援システムの事故に関する情報の例を示す。
図4に示すように、事故情報、事故原因情報、防止対策情報は、新たに事故が発生した場合に、業者監督により生成され、作業実績データベース18に格納される。また、防止対策情報は、事故の原因となった対象物の修理・交換等を包含するものとする。
【0035】
図1に示すように、作業要領データベース20は、作業者が作業を行う上で必要となるノウハウや、作業中に作業者が順守すべき関連法規等を包含する作業要領情報を格納するものである。実際の作業は、複数の単位作業を順に行っていくものであるが、作業要領情報は、単位作業ごとの作業手順や必要な周辺機器などの情報も包含している。また、例えば、作業が配電盤の点検である場合には、配電盤の配線図の情報も包含している。
【0036】
図5に、本実施形態の作業承認支援システムの作業指示情報の例を示す。作業要領データベース20には、作業ごと、及び作業を構成する単位作業ごとに業者監督が作業者に行う指示を網羅した作業指示情報が、作業要領情報(不図示)に関連付けられた状態で格納されている。また、作業指示情報には、将来起こりうる事故の発生割合を表すリスク情報と、将来起こりうる事故の要因を表す事故要因情報も関連づけられている。ここで、事故の要因とは、将来事故が確実に起きると判断できる要因のみならず、事故に至る虞があると思われる要因(装備不良や作業の手順を誤った等)を包含するものとする。例えば、
図5では、作業対象物Aの作業においては、事故が発生しうる要因が電気工事の際に配線を挿通する開口部を壁面に形成することであり、これに対応して安全ネットの設置や、安全帯の着用を指示すべきであることを意味している。作業対象物Bの作業においては、事故が発生しうる要因が溶接作業であるため、これに対応して消火器の配置と換気を指示すべきであることを意味している。また、作業が配電盤に対する定期検査ある場合、例えば配線を配電盤から外したのち現場写真を撮影してしまうと、もとの結線状態が不明になるため、これが要因となり、感電や、検査後の機器の損傷といった事故が発生しうる。リスク情報は、事故が起きる割合が高い順に「高」、「中」、「低」(不図示)とランク分けされている。
【0037】
さらに、作業要領データベース20には、作業者の訓練の用に供される作業訓練情報が格納されている。作業訓練情報は、作業実績情報に基づいて生成され、過去の作業において実際に行った、またはこれに類似した作業手順(単位作業の順番)や、使用した工具・機器の状態等を表す情報を有し、前述のリスク情報、作業指示情報に関連付けられている。なお、作業訓練情報、作業指示情報、リスク情報は、作業要領データベース20から分離して別のデータベースに格納してもよい。
【0038】
図1に示すように、第2端末24は、業者監督の操作により、作業内容や作業当日の作業者の作業分配(班分け)等の登録を行うための前述の現場工程情報を生成して作業承認支援サーバ14に出力するものである。第2端末24には、作業承認支援サーバ14を介して作業管理データベース16にアクセスし、管理情報を取得して画面に表示するアプリケーションがインストールされている(
図9参照)。このアプリケーションは、業者監督による端末のキー操作またはマウス操作により、取得した管理情報を選択して現場工程情報を生成し、作業承認支援サーバ14に送信できるようになっている。
【0039】
また、第2端末24は、業者監督の操作により、作業要領情報とこれに対応する作業指示情報を生成して第1端末22及び作業承認支援サーバ14に送信することができる(後述)。第2端末24で生成される作業要領情報及び作業指示情報は、その日に行われる作業が今まで行われたことのない作業に係る作業要領及び作業者に対する指示を包含するものである。また、新たに生成した作業要領情報に関連付けたリスク情報、事故要因情報も生成して第1端末22及び作業承認支援サーバ14に送信することができる。また、作業において何らかの事故が発生した場合、第2端末24は、業者監督の操作により、前述の事故情報、事故原因情報、防止対策情報を生成して作業承認支援サーバ14に送信することができる。
【0040】
第1端末22には、第2端末24から新たな作業要領情報等が送信され、作業責任者の判断により新たな作業要領情報等の内容に問題がなければ作業責任者の承認情報を第2端末24及び第3端末26に送信する。
【0041】
図6に、本実施形態の作業承認システムの第3端末と携帯端末の模式図を示す。第3端末26は、作業者の訓練操作により、作業訓練情報に基づいて訓練結果情報を生成して作業承認支援サーバ14に送信するものである(後述)。また、第3端末26は、作業者の操作により、当日に実際に行う作業の手順を表す後述の作業手順情報を作業要領情報に基づいて生成するものである(後述)。さらに、作業用の端末は、携帯端末28により生成された後述の作業結果情報を作業承認支援サーバ14に送信するものである。
【0042】
第3端末26には、作業承認支援サーバ14を介して作業要領データベース20から送信された作業訓練情報及び作業要領情報を表示するアプリケーションがインストールされている。このアプリケーションは、作業者による端末のキー操作またはマウス操作により、作業訓練情報を編集して訓練結果情報を生成し、これを作業承認支援サーバ14に送信できるようになっている。この作業訓練情報の編集とは、作業者が行う訓練操作のことであり、作業訓練情報により表示された作業手順及び作業に用いる用具等の状態に誤りがあるか否かを作業者が事故の要因として発見することを目的としている。また、第3端末26には、訓練結果情報に基づいて作業承認支援サーバ14から作業指示情報(防止対策情報も含まれる)が送信される。なお、作業者が自己の健康状態が万全でないと判断した場合に備えて、第3端末26は、健康情報を作業承認支援サーバ14に送信できるようになっている(
図10参照)。また、このアプリケーションは、作業者による端末のキー操作またはマウス操作により、作業承認支援サーバ14を介して作業要領情報を取得し、これを組み合わせて作業手順情報を生成することができる。また、作業手順情報は、第2端末24に送信され、業者監督が内容を確認する。そして、問題がなければ、業者監督の操作により、第2端末24から業者監督の承認信号を第3端末26に送信する。
【0043】
携帯端末28(タブレット)は、第3端末26から作業手順情報及び作業指示情報を入手するものである。そして、作業者が作業手順情報に従って実際の作業を行う際に、作業者の操作(タッチパネル操作等)により、作業手順情報に基づいて作業結果情報を生成し、第3端末26、若しくは他の作業者(または業者監督)が所有する携帯端末28に送信するものである。この携帯端末28には、作業手順情報及び作業指示情報を表示するとともに、作業結果情報を生成するためのアプリケーションがインストールされている。また携帯端末28は、携帯端末28の所有者の承認情報を送受信可能とされ、前述のアプリケーションが承認情報を表す模様(押印)を表示することができる(
図11参照)。
【0044】
ところで、作業を構成する単位作業には、作業対象物を撮影することも含まれる。一方、作業要領情報は、作業要領情報をコード化した情報を包含しており、作業手順情報もこのコード化した情報を包含している。よって、携帯端末28は、このコード化した情報を画面に表示(例えばQRコード(登録商標)等の二次元コード)することができる(
図11参照)。これにより、コードを表示した携帯端末28とともに現場を撮影して画像データを生成し、画像中のコードを解析・照合することにより、作業結果情報との対応付けができるようになっている。また、携帯端末28は、作業で用いられる周辺機器(計測器、カメラ等)が取得した参照情報を取り込んで作業結果情報に組み込む(作業結果情報の一部として生成する)ことも可能となっている。
【0045】
図1に示すように、作業承認支援サーバ14は、本実施形態の作業承認支援システム10全体を制御するものである。作業承認支援サーバ14は第3端末26から作業申請情報が送信されると、作業申請情報と管理情報(全体工程情報、現場工程情報)とを照合し、作業申請情報の内容が管理情報の内容に符合する場合には、作業許可信号を第3端末26に送信する。また、このとき、作業承認支援サーバ14は、作業申請情報に係る作業と同一の作業に係る作業訓練情報を第3端末26に送信する。また、作業申請情報に係る作業と同一の作業に係る作業訓練情報が存在しない場合には、その旨を示す情報を第2端末24及び第3端末26に送信する。
【0046】
一方、作業申請情報の内容が管理情報の内容に符合しない場合には、第2端末24及び第3端末26にその旨を示す情報を送信する。符号しない場合とは、作業申請情報に係る作業者がその作業の担当ではない場合、または作業申請情報に係る作業が、そのひとつ前の作業の後に行うべきものであって、その作業が未だ終了していない場合等がある。
【0047】
作業承認支援サーバ14は、第3端末26から訓練結果情報が送信されると、訓練結果情報と、先に送信した作業訓練情報との差分の情報を生成する。そして、差分の情報と、差分の情報と共通の作業に係る事故要因情報とを対比して事故の要因が解消されたか否かを判断する。例えば、作業を構成する単位作業の順番が事故要因情報にある正規の順番の情報と一致するか否かを判断する。また、訓練結果情報において作業者が記載した事故の要因が事故要因情報と一致するか否かを、キーワード等を抽出することにより判断する。これにより、事故の要因が解消されたと判断した作業及び単位作業に対応する作業指示情報は送信せず、未だ解消されていないと判断された作業及び単位作業に対応する作業指示情報を送信することができる。
【0048】
上記構成を有する本実施形態の作業承認支援システムは、作業前の承認手続きを自動で行うとともに、同一の作業であっても各作業者に対して異なる指示を与えることができるので、無駄な指示を排除して作業者に必要な指示のみを確実に送信することができる。したがって、承認手続負担及び指示負担を軽減するとともに、作業者ごとに個別に指示を行うことが可能となる。
【0049】
一方、事故要因情報にはリスク情報が関連付けられており、上述のように、事故リスクが「高」、「中」、「低」とランク分けされている。よって、訓練結果情報中の作業及び単位作業において事故の要因が解消されたと判断しても、事故リスクが「高」とされるものについては、訓練結果に関わらずこれに対応する作業指示情報を送信するようにすることができる。
【0050】
また、第3端末26から訓練結果情報とともに健康情報が送信された場合において、事故リスクが「中」とされるものについては、訓練結果に関わらずこれに対応する作業指示情報を送信するようにすることができる。これにより、通常は回避できる事故であっても健康状態によっては発生し得る事故について作業者に注意を促すことができる。
【0051】
作業承認支援サーバ14は、第3端末26から作業結果情報が送信されると、作業結果情報を作業実績情報に追加して作業実績情報を更新し、また管理情報を更新する。ただし、上述の更新は、作業者、業者監督、作業責任者からの承認情報が作業結果情報に包含された状態で作業承認支援サーバ14に送信された上で行われる。
【0052】
また、作業承認支援サーバ14は、第2端末24等から新たな作業要領情報等が送信されるとこれを作業要領データベース20に格納する。そして、作業承認支援サーバ14は、第2端末24等から事故情報等が送信されると、事故情報等を作業実績情報に関連付けた状態で作業実績データベース18に格納する。
【0053】
図7に、本実施形態の作業承認支援システムの承認フロー(その1)を示す。
図7は、承認を得た上で作業を行う場合において、過去に今回の作業と同一の作業がある場合のフロー図となっている。
【0054】
まず、第3端末26において作業管理データベース16(体制表)から作業者氏名を選択し(ステップ1)、同様に作業管理データベース16(工程表)から作業件名を選択し(ステップ2)、これらにより作業申請情報を生成して作業申請を行う(ステップ3)。作業申請に対して承認が得られると、作業申請に係る作業と同一の作業に係る作業訓練情報(後述)により作業者が作業の誤りを抽出する作業要領チェックを実施(後述の訓練結果情報を生成)する(ステップ4)。また、これに合わせて作業者が作業手順情報を生成する。
【0055】
訓練結果情報に基づいて作業指示の掲示(作業指示情報の送信)を端末において行い(ステップ5)、業者監督から作業手順情報に対する作業許可の連絡を受ける(業者監督からの承認情報を受信する)(ステップ6)。これにより、作業者の現場作業が承認され(ステップ7)、作業を開始する(作業手順情報に基づいて作業を行う)。
【0056】
全ての作業が終了すると作業結果情報が生成され、作業実績データベース18に格納された作業実績情報が作業結果情報により更新される(ステップ8)。また作業において何らかの事故が発生した場合は、事故に関する情報(事故情報等)が作業実績データベース18に格納される。さらに、作業結果情報により、作業管理データベース16の工程表において作業進捗が更新される(ステップ9)。
【0057】
図8に、本実施形態の作業承認支援システムの承認フロー(その2)を示す。
図8は、承認を得た上で作業を行う場合において、過去に今回の作業と同一の作業がない場合のフロー図となっている。
【0058】
ステップ1、2は、それぞれ上述のステップ1、2と同様である。そして作業申請に係る作業と同一の作業がない場合には、業者監督がその作業に係る作業要領情報及び作業者への指示となる作業指示情報等を作成して作業要領データベース20に格納する(ステップ4)。また作業責任者は業者監督が作成した作業要領等の内容を確認し(ステップ5)、問題がなければこれを承認して作業者への作業許可の連絡を行う(ステップ6)。これにより、作業者は業者監督が作成した作業要領等により作業を行い(ステップ7)、上述同様に作業実績情報の更新(ステップ8)、作業進捗の更新(ステップ9)を行う。
【0059】
図9に、本実施形態の作業承認支援システムの端末の表示例を示す。
図9に示すように、第2端末24の画面、第3端末26の画面には、共通のブラウザ(アプリケーション)が表示される。しかし、端末を扱う際のログイン情報等によりブラウザの上部の操作は業者監督に制限され、ブラウザの下部の操作は作業者に制限される。
【0060】
まず、業者監督が端末を操作する場合の例について説明する。例えば、
図9のブラウザの上部にはすでに終了した作業に係る現場工程情報が表示されている。業者監督がブラウザの操作部分の「新規」をクリックすると、新たな現場工程情報を生成するためのフォーム(不図示)が表示され、さらに「作業工程」をクリックして作業内容を、管理情報を用いてフォーム内に組み込む操作を行う。作業内容の作成に必要な管理情報は、アプリケーションにより作業管理データベース16からダウンロードできるようになっている。そして、複数の作業内容がある場合には「分割」をクリックして一つの班を複数の班に分割し、もとに戻す場合には「結合」をクリックして一つの班に戻す操作を行う。また、各班が作業を行う時間帯をフォーム内に組み込む操作も行う。上述の操作において、班単位ではなく、作業者ごとに個別に現場工程情報を生成することもできる(
図3参照)。最後に「作業分配」をクリックすることで現場工程情報が生成されて作業承認支援サーバ14に送信され、作業管理データベース16に登録される。なお、
図9では定期検査(定検)に係る作業を例としており、フォーム(不図示)中には管理情報中の定検情報に係る回数を自動的に1回足した情報(18回)が表示されることになる。
【0061】
次に、作業者が端末を操作する場合の例について説明する。上述同様にアプリケーションは、作業申請情報の生成に必要な管理情報をダウンロードできるようになっている。そして、作業者が「作業申請」をクリックすると、作業申請情報を生成するためのフォーム(不図示)が表示され、作業者の操作により作業申請内容を、管理情報を用いてフォーム内に組み込む。なお、前述同様に、
図8では、定期検査に係る作業を例としており、管理情報中の定検情報に係る回数を自動的に1回足した情報(18回)が表示されている。
【0062】
作業者が「作業要領」をクリックすることで、作業申請情報が作業承認支援サーバ14に送信される。そして、作業承認支援サーバ14は、作業申請情報が管理情報に符合すると判断した場合に、作業申請情報に係る作業と同一の作業に係る作業訓練情報を第3端末26に送信し、端末には作業訓練情報に係るブラウザが表示される(
図10参照)。
【0063】
そして、作業者による作業訓練及び作業手順情報の生成が終了して「書類持出」をクリックすると、その訓練結果に応じて作業承認支援サーバ14から作業指示情報が送信される。また、作業手順情報は第2端末24にも送信されており、作業手順情報に対する業者監督の承認情報を第3端末26が受信することにより、作業手順情報及び作業指示情報が携帯端末28に送信可能となる。
【0064】
図10に、本実施形態の作業承認支援システムの端末における訓練操作、及び作業手順情報を作成する例を示す。前述のように作業者が「作業要領」をクリック(
図9)すると、
図10に示すブラウザが表示される。初期状態では、作業訓練情報により、「作業件名」、「作業対象」、「作業完成度」、「使用工具」の欄のみが表示される。「トラブル事例」は、作業者が事故の要因となることを書き込む欄であり、前述の事故要因情報に対応するものである。また。「作業手順」は、作業者が今回の作業の作業手順を書き込む欄である。
【0065】
作業者は、今回表示された作業において何らかの誤りがあるか否か検討する。「作業完成度」の欄に表示された作業は、配電盤の定期検査である。そして、その作業には、配線を取り外す前に正規の通電となっているかどうかを確認する「導電確認」、配線を描画する「スケッチ」、検査で用いた計測器用の計測線等が外され配電盤の接続状態が基に戻っているか否か等を確認する「配線点検」、配線と配線の間や配線と大地との間の漏電の有無を確認する「絶縁抵抗」、配電盤の写真を撮影する「配線写真」という単位作業があり、上記の順に単位作業が行われたことを示している。
図10では、作業者が、「配線点検」と「配線写真」の順番が逆であることを見抜き、「配線点検」において「図面を確認せずに配線」したことを見抜いてその旨記載したが、「電圧計校正期間切れ」については見抜けなかったという内容となる訓練結果情報を生成した場合を示している。また、
図10は、作業者の健康状況も良好であるとして「健康状況確認」の欄をクリックした場合を示している。これにより、作業承認支援サーバ14から「電圧計校正期間切れ」となる事故要因情報に対応する作業指示情報が送信され、「作業注意点」の欄に「計測時、電圧計校正要注意」なる文言が表示される。
【0066】
図10では、注意点は一つだけ記載されているが、実際には複数表示される。また、作業者の健康状況が良好ではなく、「健康状況確認」の欄をクリックしなかった場合には、通常は回避できる事故であっても健康状態によっては発生し得る事故について送信・表示して作業者に注意を促すことができる。また「作業完成度」の欄の(%)の欄に示す割合は、例えば作業訓練情報中の事故の要因の個数と、作業者が実際に見抜いた事故の要因の個数と、の割合により算出することができる。しかし、各要因による未必の事故の重大性を鑑みて各要因に個別に重みづけをしてもよい。この割合の情報は、作業承認支援サーバ14において算出され、第3端末26に送信される。さらに、前述のようにリスク情報において「高」とランクされた事故要因に対応する作業指示情報は、訓練結果に関わらず作業承認支援サーバ14が第3端末26に送信して「作業注意点」の欄に表示してもよい。
【0067】
また、上述のブラウザの「作業手順」の欄を用いて作業手順情報を生成する。ここで生成する作業手順情報は、作業訓練情報と同じ作業のものであり、かつ作業者の訓練結果を反映(作業手順や使用工具を修正)したものになる。また作業手順情報の生成に必要な作業要領情報は、第3端末26のアプリケーションが作業要領データベース20からダウンロードすることができる。このように形成された作業手順情報には、作業承認支援サーバ14から送信された作業指示情報が対応し、今回の作業について業者監督が指示すべき内容が第3端末26と携帯端末28に自動的に入力されることになる。
【0068】
図11、
図12に、本実施形態の作業承認支援システムの携帯端末における操作の例を示す。携帯端末28を立ち上げ、作業者のログイン情報を入力すると、
図11に示すように、作業手順情報を表示するブラウザ(アプリケーション)が表示される。本実施形態では、同じ日に一人の作業者が複数の作業を行う場合は、その作業ごとに作業手順情報が生成することになるので、「選択」をタッチすることで、これから行う作業の作業手順情報の一覧が表示され、そのうちの一つを選択する。作業手順情報としては、作業者名、現場名、号機番号、定検回数、作業件名等の管理情報が表示され、「チェックシート」の欄には、検査対象の配電盤の接続先の機器(隔離弁)の情報(管理情報)が表示される。また、作業手順情報として、配線図の情報と、作業者が撮影した作業現場を画像が表示される。さらに、業者監督からの承認情報を既に受信しているので、「運用経路」の欄の一番上の「業者監督」の横の空欄には、承認情報による押印が表示されている。
【0069】
本実施形態で例として説明する配電盤の定期検査(定検)は、作業手順に従って単位作業を行い、配電盤から配線を取り外す「解線」を行って配電盤の清掃や部品交換等を行い、配線をもとの状態に接続する「復旧」を行う流れとなっている。また、本実施形態では、前述の一連の単位作業とその後に行う「解線」を一つの作業手順情報(「解線」)として生成し、「復旧」を別の作業手順情報(「復旧」)として生成しており、各作業手順情報に係る作業が終了するたびに、チェックマン、業者監督、作業責任者との間で、作業者が行った作業に対する承認作業等が行われる。
【0070】
作業者は「作業手順」の項目を順にタッチしていくことにより、単位作業を実施していく。まず「導電確認」タッチして、配電盤の導電確認を、計測器(電圧計)を用いて行う。このとき、配線図の情報が拡大表示されるとともに、作業指示情報である「計測時、電圧校正日要注意」と表示される(
図12参照)。これにより、使用する計測器に表示された校正の有効期間日を確認し、その計測器が正常に使用可能であるかどうか確認することができる。
【0071】
次に、作業者は、計測器(電圧計)携帯端末28に接続する。そして、各配線の電気接点における計測器による計測値(電圧)を携帯端末28に表示して正常であるか否か確認し、正常であればその電気接点の表示位置にチェックマークを入れていく。そして、全ての電気接点について同様の作業を行うことにより「導電確認」が終了する。このとき、その電気接点における計測値が正常(または異常)であるという情報(参照情報)、及び計測値の情報(参照情報)が作業結果情報の一部として生成される。
【0072】
ところで、配線図の情報が実際の配線状態と異なる場合、または初めての定検により配線図の情報が存在しない場合には、「スケッチ」(
図11)をタッチすることにより、配線図を描画するためのブラウザが立ち上がり、配線図を描画することができる(
図12)。作業手順情報に配線図の情報が包含されている場合は、そのブラウザが立ち上がると配線図がすでに描画された状態になっており、ブラウザ上部にある描画ツールを用いて配線図を修正することができる。また、配線図の情報が存在しない場合は、描画ツールを用いて初めから描画することができる。そして、新たに作成した配線図に基づいて上述の「導電確認」作業を行うことができるとともに、新たに作成した配線図の情報が作業結果情報の一部として生成されることになる。
【0073】
図11に示すように、「配線写真」をタッチすると、ブラウザの右下にあるQRコード(登録商標)が拡大表示(不図示)され、カメラを用いて配電盤の写真をQRコード(登録商標)とともに撮影する。撮影後のカメラを携帯端末28に接続し、ブラウザ下部の「写真取込(2)」の欄をクリックすることにより、携帯端末28に画像データ(参照情報)が送信され、「現場写真(解線)」の欄に作業現場の画像が表示される。この画像データ(参照情報)も作業結果情報の一部として生成されることになる。
【0074】
また画像中のQRコード(登録商標)を解読した情報も併せて表示され、現場写真と作業対象との対応付けを確認することができる。次に、「絶縁抵抗」をタッチして、配線と配線との間、配線と大地との間の漏電の有無を確認する。この場合も、配線図を拡大表示(
図12参照)して点検位置にチェックマークをつける作業を行い、この作業により「絶縁抵抗」に係る参照情報を生成することができる。
【0075】
「配線点検」をタッチすると、作業者は、「絶縁抵抗」測定で使用した測定器に付随する計測線が外されて配電盤における配線状態がもとに戻り測定器が原状復帰しているか、あるいはそれが未完であるか等を確認する。
【0076】
全ての作業手順が終了すると作業結果情報が生成される。そして、作業者は、配電盤から配線を取り外す「解線」を行う。その後、作業者は、「運用経路」の上から2番目の「作業者」の横の空欄をタッチして作業者の承認情報による押印を表示する。これにより「解線」に伴う作業が全て終了し、作業者の承認情報を包含した作業結果情報が送信される。
【0077】
作業者からの作業結果情報をチェックマン(作業者)が有する携帯端末28が受信すると、チェックマンは「作業手順」のうち「配線点検」のみをチェックし、この場合、作業者が行った「配線点検」と同様の点検を行う。また、チェックマンは、「解線」を行った配電盤が、作業手順情報が対象とする配電盤に一致するか否か点検する。そして、チェックマンは、上記点検において問題がないと判断すれば、「運用経路」の「チェックマン」の横の空欄をタッチしてチェックマンの承認情報による押印を表示し、作業者及びチェックマンの承認情報を包含する作業結果情報を業者監督(若しくは作業責任者)が使用する携帯端末28に送信する。
【0078】
業者監督(若しくは作業責任者)は、現場においてチェックマン同様に「配線点検」の状態、「解線」の状態を点検するとともに、作業結果情報の内容(作業が作業要領に従って手順通りに行われたか否か)を点検する。そして、問題がないと判断すれば「業者監督」の横の空欄をタッチして承認情報による押印を表示し、作業者、チェックマン、業者監督の承認情報を、作業者の携帯端末28に送信する。また、確認のために上述の承認作業を作業者、作業責任者、業者監督の順で行う。これにより、「解線」の作業が終了するので、作業者は、電気接点(配電盤の端子盤、配線の端部)の清掃や、予定の使用期間を過ぎた機器(ブレーカ、配線、端子盤等)の交換、その前に実施された「導通確認」や「絶縁抵抗」で新たに問題が発見された機器の取り換え等を行う。
【0079】
次に、作業者は配線をもとの状態に接続する「復旧」を行う。携帯端末28に表示された「選択」(
図11)をタッチして「復旧」に係る作業手順情報を表示し、「復旧」に係る作業要領情報及び作業指示情報に基づいて作業を行う。作業が終了すると、前述同様に作業結果情報が生成され、作業者が承認情報をともに作業結果情報を送信する。
【0080】
図13に、本実施形態の作業承認支援システムの携帯端末に表示される作業承認の変形例を示す。本実施形態のように「解線」と「復旧」が連続して行う作業である場合は、
図13に示すように、2つの作業を連続するように表示することも可能である。例えば、
図11の形態端末に表示された「運用経路」をタッチすることにより、
図13に示すブラウザを立ち上げて承認情報(押印)をより詳細に表示することもできる。これにより、
図13に示すように、チェックマン、業者監督、作業責任者が前述同様に承認作業を行い、これに続いて確認のための承認作業を作業者、作業責任者、業者監督の順で行う。これにより「復旧」の作業手順が終了させることができる。なお、図示は省略するが、
図11において「作業手順」において、「解線」と「復旧」に係る単位作業を連続して表記することも可能である。
【0081】
携帯端末28(または携帯端末28に接続した第3端末26)は、全ての承認情報を包含する作業結果情報(「解線」、「復旧」)を作業承認支援サーバ14に出力することができる。そして、作業承認支援サーバ14は、作業結果情報を参照して作業が完全に終了した(または未了であった)ことを確認した上で管理情報及び作業実績情報を更新する。もちろん、「解線」に係る作業結果情報と、「復旧」に係る作業結果情報は別々に送信してもよい。なお、作業結果情報において新たに生成された配線図の情報を包含する場合には、配線図の情報を対応する作業要領情報に上書きして作業要領情報を更新する。
【0082】
なお、過去にない新たな作業に係る作業要領情報を作成して作業責任者の事前の承認が必要な場合が発生したり、過去に行われた作業と同様の作業であっても作業責任者の事前の承認が必要な作業を行う場合がある。この場合は、
図13に示すように、作業責任者から承認信号を受信することにより、「発行」の欄において作業責任者の承認信号(押印)を表示することも可能である。また、作業責任者が管理情報、作業実績情報が更新されたことを承認する承認信号を送信することもできる。この場合は、
図13に示すように、「作業責任者保管」の欄において、作業責任者の承認信号(押印)を表示することが可能である。