特許第6476452号(P6476452)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6476452-AVコンセント 図000002
  • 特許6476452-AVコンセント 図000003
  • 特許6476452-AVコンセント 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6476452
(24)【登録日】2019年2月15日
(45)【発行日】2019年3月6日
(54)【発明の名称】AVコンセント
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/02 20060101AFI20190225BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20190225BHJP
【FI】
   H02G3/02
   H01R13/52 D
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-31336(P2015-31336)
(22)【出願日】2015年2月20日
(65)【公開番号】特開2016-154401(P2016-154401A)
(43)【公開日】2016年8月25日
【審査請求日】2018年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】多賀 智久
【審査官】 北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−157112(JP,A)
【文献】 特開平06−060950(JP,A)
【文献】 特開2009−211832(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/02
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に取り付けられる配線ボックス内に収納されるAVコンセントであって、室内側に臨む表面にコンセント口を有する回路基板と、この回路基板の裏面に壁裏配線されるケーブルの端部に設けられたコネクタが接続されるソケットを有するものにおいて、上記回路基板の上方を覆う屋根型の庇を設け、配線ボックスに対して上方から滴下してきた液体が回路基板に及ぶことを防止すると共に、上記ケーブルの内、配線ボックスに対して上方から配線されるものの途中に環状のカラー部材を装着し、そのカラー部材を上記庇の上面に当接させることによって、この上方から配線されるケーブルを伝って流下する液体をカラー部材から庇へと導いて、液体がケーブルのコネクタからソケットへと流れないようにしたことを特徴とするAVコンセント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像信号や音声信号等のAV信号を取り出すことのできるコンセント口を備えたAVコンセントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のAVコンセントとして、例えば、壁面に取り付けられる配線ボックスに設置できるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなAVコンセントは、例えば特許文献2に示されているような配線ボックスに設置される場合が多い。この配線ボックスには通常、上下方向に配線用の電線管が連結され、電線管を通して配線されたコード等が配線ボックスに設置されるAVコンセントに接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−60950号公報(図1
【特許文献2】特開2010−288401号公報(図6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のAVコンセントはアナログ信号用のため単純な配線でAV信号を送ることができたが、近年では画像信号がデジタル化され、音声信号と合わせてHDMI方式(HDMIは登録商標、以下同じ)による送信が一般化している。このHDMI方式による信号を送信するには専用のケーブルを用い、かつ、そのケーブルの端部には専用のコネクタを取り付けておく必要がある。そのため、このコネクタが接続されるソケットを備えた基板をAVコンセント側に設ける必要がある。また、LANによる通信を行う場合にも、同様にLANケーブルの端部に設けられたコネクタが接続されるソケットをAVコンセント側に設ける必要がある。
【0006】
これら各種ケーブルを配線ボックスに対して上方から配線する場合には、上方に連結された電線管を伝って水などの液体が流下する場合が有り、その液体がAVコンセントまで流れるとAVコンセントが破損するなどの弊害が生じる。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、上方から配線ボックス内に液体が流下しても、その液体がAVコンセントに作用しないAVコンセントを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明によるAVコンセントは、壁面に取り付けられる配線ボックス内に収納されるAVコンセントであって、室内側に臨む表面にコンセント口を有する回路基板と、この回路基板の裏面に壁裏配線されるケーブルの端部に設けられたコネクタが接続されるソケットを有するものにおいて、上記回路基板の上方を覆う屋根型の庇を設け、配線ボックスに対して上方から滴下してきた液体が回路基板に及ぶことを防止すると共に、上記ケーブルの内、配線ボックスに対して上方から配線されるものの途中に環状のカラー部材を装着し、そのカラー部材を上記庇の上面に当接させることによって、この上方から配線されるケーブルを伝って流下する液体をカラー部材から庇へと導いて、液体がケーブルのコネクタからソケットへと流れないようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上の説明から明らかなように、本発明は、ケーブルを伝って流下する液体を庇に逃がので、液体がAVコンセントに作用することがない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明によるAVコンセントの室内側の外観を示す図
図2】第1のAVコンセントの壁裏側の外観を示す図
図3参考例としてのAVコンセントの壁裏側の外観を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照して、Wは室内に面している壁面で有り、この壁面にAVコンセントの前板1が設置されている。この前板1の裏側には周知の配線ボックス(図示せず)が配設されており、この配線ボックス内に後述するAVコンセントが取り付けられている。
【0013】
図2を参照して、AVコンセントの要部をなす回路基板2は樹脂製の取り付け用ブラケット11に固定されている。この取り付け用ブラケット11は上記配線ボックスに対してねじ止めされるものであり、この取り付け用ブラケット11が配線ボックスに固定されることによって、取り付け用ブラケット11を介して回路基板2が配線ボックスに固定されることになる。
【0014】
この回路基板2にはソケット3が実装されており、このソケット3にコネクタ41が取り外し自在に連結されている。このコネクタ41はデータ通信用のケーブル4の先端に取り付けられているものであり、図示のように、コネクタ41がソケット3に連結されることによってケーブル4内の各リード線が回路基板2の各所に電気的に接続されることになる。
【0015】
配線ボックスに対して上方からケーブル4が配線されるためには、配線ボックスの上部に電線管が連結されていることになるが、その電線管内を伝って水などの液体が配線ボックス内に流下してくると、その液体が回路基板2に掛かるおそれがある。そのため、取り付け用ブラケット11に庇12を設け、流下してきた液体をこの庇12で受けて左右に流すことによって液体が回路基板2にかからないようにした。また、ケーブル4を伝って液体が流下してくることが考えられるので、ケーブル4の途中にカラー部材であるグロメット42を装着し、さらにそのグロメット42を庇12の上面に接触させることにより、ケーブル4を伝って流下してきた液体をグロメット42で堰き止め、さらにその堰き止めた液体をグロメット42から庇12へと導いて、液体がソケット3内に流れ込まないようにした。
【0016】
このほかに参考例として、例えば図3に示すように、ケーブル4をソケット3より下方の位置で湾曲するように保持する保持部13を取り付け用ブラケット11に一体に設け、このケーブル4の先端に設けられているコネクタ41をソケット3に対して下方から係合させることによって、この上方から配線されるケーブル4を伝って流下する液体を湾曲部分から下方に滴下させれば、液体がケーブル4のコネクタ41からソケット3へと流れない。


【0017】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0018】
1 前板
2 回路基板
3 ソケット
4 ケーブル
12 庇
13 保持部
41 コネクタ
42 グロメット
図1
図2
図3