特許第6476478号(P6476478)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6476478
(24)【登録日】2019年2月15日
(45)【発行日】2019年3月6日
(54)【発明の名称】発光素子及び発光素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/38 20100101AFI20190225BHJP
【FI】
   H01L33/38
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-29900(P2017-29900)
(22)【出願日】2017年2月21日
(65)【公開番号】特開2018-137303(P2018-137303A)
(43)【公開日】2018年8月30日
【審査請求日】2017年2月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】503194244
【氏名又は名称】鼎元光電科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】陳怡宏
(72)【発明者】
【氏名】梁永隆
【審査官】 高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−176314(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0096646(US,A1)
【文献】 特開2013−115112(JP,A)
【文献】 特開2011−142231(JP,A)
【文献】 特開2015−065204(JP,A)
【文献】 特開2008−047871(JP,A)
【文献】 特開平07−178960(JP,A)
【文献】 特表2016−525282(JP,A)
【文献】 特開2016−072516(JP,A)
【文献】 特開2012−256811(JP,A)
【文献】 特開2014−138008(JP,A)
【文献】 特開2012−195406(JP,A)
【文献】 特開2009−003253(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一基板が設置される工程と、
エピタキシー層が前記第一基板上に形成される工程と、
導電性酸化物層が前記エピタキシー層上に形成される工程と、
第一接合金属層が前記導電性酸化物層上に形成される工程と、
第二基板が設置される工程と、
第二接合金属層が前記第二基板上に形成される工程と、
前記第一接合金属層及び前記第二接合金属層が結合される工程と、
前記第一基板が除去される工程と、
部分的な前記エピタキシー層が除去される工程と、
部分的な前記第一接合金属層、前記第二接合金属層、及び前記導電性酸化物層が除去される工程と、
絶縁層が形成されて、前記第二基板、前記第一接合金属層、前記第二接合金属層、前記導電性酸化物層、及び前記エピタキシー層が被覆される工程と、
前記第二基板、前記導電性酸化物層、及び前記エピタキシー層上の部分的な前記絶縁層が除去されて、部分的な前記第二基板の表面、前記導電性酸化物層の表面、及び前記エピタキシー層の表面が露出される工程と、
第一オーム接触層が前記第二基板の前記表面上に形成される工程と、
第二オーム接触層が前記エピタキシー層の前記表面上に形成される工程と、
第三オーム接触層が前記導電性酸化物層の前記表面上に形成される工程と、
導線が形成され、前記第一オーム接触層及び前記第二オーム接触層が接続される工程と、
前記第二基板の厚さを削減させる工程と、
実装技術により発光素子が回路基板に実装される工程と、を含み、
前記発光素子の厚さは80から350マイクロメートルの間であり、前記実装技術は表面実装技術を含み、前記第二基板は非導電性基板を含み、前記第二基板は透光基板または非透光基板を含むことを特徴とする、
発光素子の製造方法。
【請求項2】
部分的な前記エピタキシー層が除去される工程は、第一側辺及び第二側辺の前記エピタキシー層が除去され、部分的な前記導電性酸化物層が露出されることを含むことを特徴とする、請求項1に記載の発光素子の製造方法。
【請求項3】
部分的な前記第一接合金属層、前記第二接合金属層、及び前記導電性酸化物層の除去工程は、第一側辺の前記第一接合金属層、前記第二接合金属層、及び前記導電性酸化物層が除去されることを含むことを特徴とする、請求項2に記載の発光素子の製造方法。
【請求項4】
基板と、
前記基板の第一部分の表面上に設置される接合金属層と、
前記接合金属層上に設置される導電性酸化物層と、
前記導電性酸化物層の第一部分の表面上に設置されるエピタキシー層と、
前記接合金属層、前記導電性酸化物層、及び前記エピタキシー層の第一側辺、並びに前記エピタキシー層の第一部分の表面上に設置される絶縁層と、
前記基板の一第二部分の表面上に設置される第一オーム接触層と、
前記エピタキシー層の第二部分の表面上に設置される第二オーム接触層と、
前記導電性酸化物層の第二部分の表面上に設置される第三オーム接触層と、
前記第一オーム接触層及び前記第二オーム接触層に電気的に接続される導線と、
前記第二オーム接触層及び前記第三オーム接触層に電気的に接続される回路基板と、を備え、
前記回路基板は、銀ペーストまたはクリーム半田により前記導線及び前記第三オーム接触層に電気的に接続され、発光素子の厚さは80から350マイクロメートルの間であり、前記基板は非導電性基板を含み、前記基板は透光基板または非透光基板を含むことを特徴とする、
発光素子。
【請求項5】
前記絶縁層は二酸化ケイ素または窒化ケイ素を含むことを特徴とする請求項4に記載の発光素子。
【請求項6】
前記絶縁層は、前記エピタキシー層の第三部分の表面上、及び前記エピタキシー層の第二側辺と前記第三オーム接触層との間に設置される部分を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の発光素子。
【請求項7】
前記導線の幅は半田ボールの直径より小さいことを特徴とする請求項4に記載の発光素子。
【請求項8】
前記非導電性基板はセラミック基板、窒化アルミニウム基板、または酸化アルミニウム基板を含むことを特徴とする請求項4に記載の発光素子。
【請求項9】
前記エピタキシー層と前記導電性酸化物層との間に設置される非導電性酸化物層を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の発光素子。
【請求項10】
前記非導電性酸化物層は、前記エピタキシー層及び前記導電性酸化物層に連通される少なくとも1つの接続孔を含むことを特徴とする請求項9に記載の発光素子。
【請求項11】
前記接続孔は金属材料であることを特徴とする請求項10に記載の発光素子。
【請求項12】
前記金属材料は、AuZn、AuBe、CrまたはAuを含むことを特徴とする請求項11に記載の発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子及び発光素子の製造方法に関し、更に詳しくは、回路設計及び対応するパッケージプロセスを利用し、チップスケールパッケージ(Chip Scale Package)を達成させる発光素子及び発光素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子の技術分野において、発光ダイオードは現在広く応用されている製品であり、様々な技術分野に応用されている。また、薄型化及び小型化の応用は広がっており、多くの製品がチップスケールパッケージ(Chip Scale Package)に向けて技術発展が続いている。例えば、現在発光ダイオードが応用される多くの製品にはフリップチップパッケージ(flip chip Package)が使用されてサイズの縮小及び薄型化を実現し、チップスケールパッケージを達成させている。
【0003】
図1Aは従来の発光ダイオードの構造を示す概略図である。発光ダイオード1は、透明基板11と、エピタキシー層12と、エピタキシー層13と、絶縁層14と、電極15と、電極16とを備える。図1Aの電極15及び電極16は水平式の電極構造であり、プロセス上、金属球17が電極16の上方に設置され、電極15、電極16の高さを一致させている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の電極16の上方に金属球17を設置させるプロセスは、電極15及び電極16の高低差が製品の歩留りの低下に繋がり、製造リスク及びコストが増加した。
【0005】
図1B図1Aに示す発光ダイオードの構造の改良を示す概略図である。図1Aにおいて、金属球17が設置されることで電極15及び電極16の高低差が生じる問題を克服するため、図1Bの発光ダイオード1構造では絶縁層14により凹溝が形成され、且つ電極16が凹溝中に設置され、電極15及び電極16の高さを一致させている。
しかしながら、このプロセスは、凹溝を増設させるプロセスを追加させなければならないばかりか、フリップチップパッケージプロセスにおいて使用される基板11及び図1Aのフリップチッププロセスは共に透光基板11が使用されるため、電極15及び電極16をパッケージに位置を合わせる難度が増す。
【0006】
さらに、発光ダイオードのプロセスでは、一般的にワイヤ・ボンディングにより電極に電気的に接続され、且つワイヤ・ボンディング及び発光ダイオード本体のパッケージの後、実装技術により回路基板上に設置されて表面実装部品(SMD)が形成される。一般的には、表面実装部品の完成品には、厚さが600um、400um、300um等の規格が存在する。
しかしながら、ワイヤ・ボンディングのプロセスでは、発光ダイオードの表面に半田ボールを使用してワイヤ・ボンディングを溶接せねばならず、面積を大きく占有するほか、続けてパッケージのプロセスを行う必要があり、発光ダイオード全体の体積が大きくなり、サイズの縮小及び薄型化の目的を達成できなかった。
【0007】
なお、フリップチップパッケージ(Flip−Chip)を使用してサイズの縮小及び薄型化を達成させる技術においては、共晶プロセス方式により発光ダイオード構造を形成させるため、共晶プロセスの設備の使用にはより高い標準が求められ、よって製造コストが増加した。
【0008】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、チップスケールパッケージにより近付けるプロセスを提供するため、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に到った。
【0009】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものである。上記課題解決のため、本発明は、発光素子及び発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、上記目的を達成するための本発明に係る発光素子は、基板と、接合金属層と、導電性酸化物層と、エピタキシー層と、絶縁層と、第一オーム接触層と、第二オーム接触層と、第三オーム接触層と、導線と、回路基板とを備える。
接合金属層は基板の第一部分の表面上に設置される。導電性酸化物層は接合金属層上に設置される。エピタキシー層は導電性酸化物層の第一部分の表面上に設置される。絶縁層は、接合金属層、導電性酸化物層、及びエピタキシー層の第一側辺、及びエピタキシー層の第一部分の表面上に設置される。第一オーム接触層は基板の第二部分の表面上に設置される。第二オーム接触層はエピタキシー層の第二部分の表面上に設置される。第三オーム接触層は導電性酸化物層の第二部分の表面上に設置される。導線は第一オーム接触層及び第二オーム接触層に電気的に接続される。回路基板は、銀ペーストまたはクリーム半田により導線及び第三オーム接触層に電気的に接続される。発光素子の厚さは80から350マイクロメートルの間である。基板は非導電性基板を含み、前記基板は透光基板または非透光基板を含む。
【0011】
さらに、本発明が提供される発光素子の製造方法は、以下の工程を含む。第一基板が設置される工程。エピタキシー層が第一基板上に形成される工程。導電性酸化物層がエピタキシー層上に形成される工程。第一接合金属層が導電性酸化物層上に形成される工程。第二基板が設置される工程。第二接合金属層が第二基板上に形成される工程。第一接合金属層及び第二接合金属層が結合される工程。第一基板が除去される工程。部分的なエピタキシー層が除去される工程。部分的な第一接合金属層、第二接合金属層、及び導電性酸化物層が除去される工程。絶縁層が形成されて、第二基板、第一接合金属層、第二接合金属層、導電性酸化物層、及びエピタキシー層が被覆される工程。第二基板、導電性酸化物層、及びエピタキシー層上の部分的な絶縁層が除去され、部分的な第二基板的表面、導電性酸化物層の表面、及びエピタキシー層の表面が露出される工程。第一オーム接触層が第二基板の表面上に形成される工程。第二オーム接触層がエピタキシー層の表面上に形成される工程。第三オーム接触層が導電性酸化物層の表面上に形成される工程。導線が形成され、第一オーム接触層及び第二オーム接触層が接続される工程。第二基板の厚さを削減させる工程。実装技術により発光素子が回路基板に実装される工程。
発光素子の厚さは80から350マイクロメートルの間である。実装技術は表面実装技術を含む。第二基板は非導電性基板を含み、第二基板は透光基板または非透光基板を含む。
【発明の効果】
【0012】
上述したように、従来の技術では、金属球が電極の上方に設置され、凹溝が設けられることにより電極の高さを一致させているのに比較し、本発明では、導線が設置されるプロセスにより電極の高さがより精確に制御され、電極の高低差が生じる問題を回避させる。
また、本発明に係る発光素子は、導線が設置されるプロセスによりオーム接触層に接続され、ワイヤ・ボンディングによる接続は使用されないため、ワイヤ・ボンディングプロセスに必要なパッケージプロセスが減少し、これにより発光素子の体積が縮小される。
このほか、本発明に係る発光素子は、オーム接触層上に導線が形成された後、回路基板上に直接実装される工程が実行される。このため、パッケージの体積が縮小され、パッケージプロセスに必要な設備が減少し、製造コストも削減される。プロセスが簡略化され、製造の高速化の効果を有し、チップスケールパッケージの技術分野に広く応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】従来の発光ダイオードの構造を示す概略図である。
図1B図1Aに示す発光ダイオードの構造の改良を示す概略図である。
図2】本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を示すフローチャートである。
図3A】本発明の発光素子のプロセス構造を示すフローチャートである。
図3B】本発明の発光素子のプロセス構造を示すフローチャートである。
図3C】本発明の発光素子のプロセス構造を示すフローチャートである。
図3D】本発明の発光素子のプロセス構造を示すフローチャートである。
図3E】本発明の発光素子のプロセス構造を示すフローチャートである。
図3F】本発明の発光素子のプロセス構造を示すフローチャートである。
図3G】本発明の発光素子のプロセス構造を示すフローチャートである。
図3H】本発明の発光素子のプロセス構造を示すフローチャートである。
図4】本発明の発光素子の構造を示す概略図である。
図5】本発明の他の発光素子の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面を参照して、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【実施例】
【0015】
図2図3A乃至図3Hは本発明に係る発光素子の製造方法のフローチャート及びプロセス構造のフローチャートである。
発光素子3の製造方法は以下の工程を含む。工程S2において、第一基板31が設置される。工程S4において、エピタキシー層32が第一基板31上に形成される。工程S6において、導電性酸化物層33がエピタキシー層32上に形成される。工程S8において、第一接合金属層34が導電性酸化物層33上に形成される。工程S10において、第二基板35が設置される。工程S12において、第二接合金属層36が第二基板35上に形成される。工程S14において、第一接合金属層34及び第二接合金属層36が結合される。工程S16において、第一基板31が除去される。工程S18において、部分的なエピタキシー層32が除去される。工程S20において、部分的な第一接合金属層34、第二接合金属層36、及び導電性酸化物層33が除去される。
工程S22において、絶縁層37が形成されて、第二基板35、第一接合金属層34、第二接合金属層36、導電性酸化物層33、及びエピタキシー層32が被覆される。工程S24において、第二基板35、導電性酸化物層33、及びエピタキシー層32上の部分的な絶縁層37が除去され、部分的な第二基板35の表面、導電性酸化物層33の表面、及びエピタキシー層32の表面が露出される。工程S26において、第一オーム接触層E1が第二基板35的表面上に形成され、第二オーム接触層E2がエピタキシー層32の表面上に形成される。工程S28において、第三オーム接触層E3が導電性酸化物層33の表面上に形成される。工程S30において、導線38が形成されて、第一オーム接触層E1及び第二オーム接触層E2が接続される。
【0016】
本発明において、第二基板35は非導電性基板を含み、且つ透光基板または非透光基板が使用される。
【0017】
上述の部分的なエピタキシー層32が除去される工程は、第一側辺及び第二側辺のエピタキシー層32が除去されて、部分的な導電性酸化物層33の表面が露出されることにより、絶縁層37が形成された後に第三オーム接触層E3が設置されることを含む。
【0018】
部分的な第一接合金属層34、第二接合金属層36、及び導電性酸化物層33が除去される工程は、第一側辺の第一接合金属層34、第一側辺の第二接合金属層36、及び第一側辺の導電性酸化物層33が除去されることにより、除去された後に絶縁層37が形成され、且つ第二基板35の表面上に第一オーム接触層E1が設置されることを含む。
【0019】
ちなみに、部分的な絶縁層37が除去された後、絶縁層371及び絶縁層372が形成され、部分的な第二基板35の表面、部分的なエピタキシー層32の表面、第一側辺の第一接合金属層34、第一側辺の第二接合金属層36、及び第一側辺の導電性酸化物層33が被覆される(図3F参照)。
【0020】
また、上述の第一オーム接触層E1、第二オーム接触層E2、及び第三オーム接触層E3には設置順序にその前後はなく、絶縁層371及び絶縁層372が形成された後に同時に設置される。
【0021】
上述の工程において、第二基板35の厚さが削減され、発光素子3全体の厚さが減少することを更に含む。発光素子3の全体の厚さは80から350マイクロメートルの間であり、実際の厚さは実務上の設計及び需要に基づいて製造され、比較すると、従来の技術における発光素子の厚さよりもずっと薄くなる。
第二基板35の削減される厚さは、銀ペーストまたはクリーム半田により回路基板及びオーム接触層の信号にスムーズに電気的に接続されるために十分であればよく、且つ表面実装技術により発光素子3が回路基板上に実装される。実装技術は表面実装技術を含み、本発明においてはこれに限定されない。
【0022】
より詳しくは、本発明の導線38は第一オーム接触層E1及び第二オーム接触層E2の信号の伝送に用いられるあらゆる導電性の材質を含む。このため、本発明は導線38により第一オーム接触層E1及び第二オーム接触層E2の間で伝送が行われる導電性があり、ワイヤ・ボンディングのプロセスにより第一オーム接触層E1及び第二オーム接触層E2が接続されるわけではないため、このように、パッケージ発光素子のプロセスが削減される。これにより、サイズの縮小及び薄型化の目的を達成させ、且つチップスケールパッケージの技術分野に更に応用可能になる。
【0023】
図4は本発明の発光素子の構造を示す概略図である。
発光素子4は、基板41と、接合金属層42と、導電性酸化物層43と、エピタキシー層44と、絶縁層451と、絶縁層452と、第一オーム接触層E1と、第二オーム接触層E2と、第三オーム接触層E3と、導線46とを備える。接合金属層42は基板41の第一部分の表面上に設置される。導電性酸化物層43は接合金属層42上に設置される。エピタキシー層44は導電性酸化物層43の第一部分の表面上に設置される。絶縁層451は、接合金属層42、導電性酸化物層43及びエピタキシー層44の第一側辺、並びにエピタキシー層44の第一部分の表面上に設置される。第一オーム接触層E1は基板41の第二部分の表面上に設置される。第二オーム接触層E2はエピタキシー層44の第二部分の表面上に設置される。第三オーム接触層E3は導電性酸化物層43の第二部分の表面上に設置される。導線46は第一オーム接触層E1及び第二オーム接触層E2に電気的に接続される。
【0024】
図5は本発明の他の発光素子の構造を示す概略図である。
上述したように、本発明に係る発光素子は、エピタキシー層44と導電性酸化物層43との間に設置される非導電性酸化物層47を更に備える。非導電性酸化物層47は、窒化ケイ素(SiNy)、酸化窒化ケイ素(SiON)、または二酸化ケイ素の内の少なくとも1種類以上を含む。また、非導電性酸化物層47は少なくとも1つの接続孔471を備え、エピタキシー層44及び導電性酸化物層43に連通され、エピタキシー層44にオーム接触が形成される。また、接続孔471は金属材料であり、AuZn、AuBe、Cr、またはAuなどの金属材料を含む。
【0025】
本発明のある実施形態では、基板41は非導電性基板を含む。非導電性基板は、セラミック基板、窒化アルミニウム基板、または酸化アルミニウム基板を含む。また、本発明において、基板41には透光基板或いは非透光基板が使用される。
【0026】
絶縁層451は二酸化ケイ素または窒化ケイ素を含み、第一オーム接触層E1及び第二オーム接触層E2を隔絶させるために使用される。本発明の他の実施形態では、絶縁層452は、エピタキシー層44の第三部分の表面上、及びエピタキシー層44の第二側辺と第三オーム接触層E3との間に設置される部分を更に含み、第三オーム接触層E3を更に隔絶させてショートの発生を防ぐ。
【0027】
導線46の幅はワイヤ・ボンディングプロセスにおける半田ボールの直径よりも小さい。一般的には、ワイヤ・ボンディングのプロセスに使用される半田ボールの直径は100umより大きい。但し、本発明では、ワイヤ・ボンディングのプロセスは不要であるため、実務上の需要及び設計に基づいて様々な幅の導線が簡単に製造できる。例えば、幅が5マイクロメートル以上の導線が製造可能である。比較すると、半田ボールの直径よりもずっと小さいため、コスト削減の効果を達成させる。
【0028】
発光素子4は表面実装技術(Surface−mount technology)により回路基板に実装され、回路基板が第二オーム接触層E2及び第三オーム接触層E3に電気的に接続され、且つ銀ペースト(Adhesive)またはクリーム半田(Solder paste)により導線46及び第三オーム接触層E3が電気的に接続される。
本発明において、発光素子4の全体の厚さは80から350マイクロメートルの間であり、その実際の厚さは実務上の設計及び需要に基づいて製造される。従来の技術に比べて、発光素子の厚さが大幅に減少する。
【0029】
総合すると、従来の技術では、金属球が電極の上方に設置され、凹溝が設けられることにより電極の高さを一致させているのに比べ、本発明では、導線が設置されるプロセスにより電極の高さがより精確に制御でき、電極の高低差が生じる問題を回避させている。また、本発明に係る発光素子は、導線が設置されるプロセスによりオーム接触層に接続され、ワイヤ・ボンディングにより接続されるわけではないため、ワイヤ・ボンディングプロセスに必要なパッケージプロセスが減少し、これにより発光素子の体積が縮小する。また、本発明に係る発光素子は、オーム接触層上に導線が形成された後、回路基板上に直接実装される工程が実行され、これによりパッケージの体積が縮小し、パッケージプロセスに必要な設備が減少し、さらには製造コストも削減される。プロセスの簡略化及び高速製造の効果を達成させ、チップスケールパッケージの技術分野に広く応用可能である。
【0030】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0031】
1 発光ダイオード
11 基板
12 エピタキシー層
13 エピタキシー層
14 絶縁層
15 電極
16 電極
17 金属球
3 発光素子
4 発光素子
31 第一基板
32 エピタキシー層
44 エピタキシー層
33 導電性酸化物層
43 導電性酸化物層
34 第一接合金属層
35 第二基板
36 第二接合金属層
37 絶縁層
371 絶縁層
372 絶縁層
451 絶縁層
452 絶縁層
38 導線
46 導線
41 基板
42 接合金属層
47 非導電性酸化物層
471 接続孔
E1 第一オーム接触層
E2 第二オーム接触層
E3 第三オーム接触層
S2 工程
S4 工程
S6 工程
S8 工程
S10 工程
S12 工程
S14 工程
S16 工程
S18 工程
S20 工程
S22 工程
S24 工程
S26 工程
S28 工程
S30 工程
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図4
図5