(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、
図1〜
図16を参照して説明する。
【0008】
[遊技機]
所定の基板の設けられる遊技機には、スロットマシン、パチンコ機、パロット、アレンジボール、雀球機など様々な種類があるが、本実施形態では、本発明をスロットマシンに適用した場合について説明する。
【0009】
本実施形態のスロットマシン1は、複数のリールを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得できる回胴式遊技機として構成されており、メイン基板、サブ基板などの所定の基板を備え、これらの基板はそれぞれ基板ケース内に収容された状態でスロットマシン内部に配設されている。
以下、本実施形態に係るスロットマシン1について詳述する。
【0010】
スロットマシン1は、前面に開口部を有する筐体1bと、開口部を開閉可能に覆う前扉1aとを有する通常のスロットマシンと同様の構成を備えるとともに、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
例えば、メダル投入口2から投入されるメダルの数(例えば、3枚)又は内部的に記憶したクレジットメダルからベットボタン2aの操作によって信号形式で投入されるメダルの数(例えば、3枚)に応じて遊技開始可能な状態となり、この状態でスタートレバー3が操作されると、各リール41a〜41cが回転を開始する。
回転開始後、各リール41が定速回転に達すると、各リール41a〜41cに対応する停止ボタン5a〜5cが押下操作可能となり、それぞれの停止ボタン5が操作されると、その操作タイミングとスタートレバー3の操作タイミングで行なわれる抽選処理の抽選結果とに応じた図柄の組合せで停止するように、各リール41a〜41cが停止制御される。
各リール41a〜41cが停止すると、停止した各リール41に表された図柄の組合せに基づいて入賞の有無が判定される。メダル払出に係る入賞図柄の組合せで停止したと判定されると、メダル払出装置7が駆動制御され、メダルの貯留されたホッパー7aからメダル払出口7bを介してメダルが払い出されるようになっている。
【0011】
このようなスロットマシン遊技は、
図3に示すように、メイン制御部9がベットボタン2a、メダルセレクタ2b、スタートレバー3、及び停止ボタン5等の入力手段からの入力信号を監視しながら、ドラムユニット4に備えるリール41a〜41cを回転駆動させるモータ(不図示)、メダル払出装置7等の出力手段を制御することで実現される。
メイン制御部9は、メイン基板とこれを収容する基板ケースとで構成され、例えば、筐体1bの内部壁面に取り付けられる。
【0012】
また、スロットマシン1では、スロットマシン遊技の進行に同期した遊技演出が行われる。例えば、ボーナス入賞したときに、スロットマシン1の前面側を構成する前扉1aに配設されたLEDランプ等を点灯させたり、スピーカ8から所定の効果音を出力させたり、あるいは、表示器L1(例えば、液晶表示器)から所定の映像を出力させたりするなどの演出が行われる。
このような遊技演出は、サブ制御部10がメイン制御部9から単方向通信により送信される制御コマンドに基づいてLED、スピーカ8、表示器L1等の演出手段を制御することで実現される(
図3参照)。
サブ制御部10は、サブ基板とこれを収容する基板ケースとで構成され、例えば、筐体1bの内部壁面に取り付けられる。
【0013】
このようなメイン制御部9及びサブ制御部10の基板ケースは、二つのケース部材が組み合わされた状態でそれぞれの基板を収容可能に形成され、二つのケース部材同士を離間不能に固定することにより、容易に開放できないようになっている。
以下、本発明に係る基板ケースをサブ制御部10に適用した実施形態について、それぞれ形態の異なるサブ制御部10A〜10C(第一〜第三実施形態)を例に挙げて、
図4〜
図16を参照しながら説明する。
【0014】
各サブ制御部10(10A〜10C)は、以下のような共通の構成を有している。
サブ制御部10は、サブ基板13と、これを収容する第一ケース部材11及び第二ケース部材12(以下、第一ケース部材11及び第二ケース部材12を基板ケースという)とで構成されている。
【0015】
サブ基板13は、
図5、
図9に示すように、CPU(中央演算処理装置)、ROM133及びRAMなどの記憶手段、I/OインターフェイスなどのIC部品、抵抗、コンデンサ、トランジスタ、雌コネクタ132aなどの様々な電子部品などが実装された実装面13aと、主に電子部品間の電気的な接続を行う銅箔パターンが形成されたパターン面13bとを有する両面プリント基板からなる。
サブ基板13の四隅にはネジ14a〜14dを挿入可能なネジ孔131a〜131dが設けられ、ネジ14a〜14dを介してサブ基板13を第一ケース部材11に取り付けることができるようになっている。
【0016】
第一ケース部材11及び第二ケース部材12(基板ケース)は、ポリカーボネートなどの透明な合成樹脂の射出成型品であり、これらを組み合わせた状態で中空内部にサブ基板13を収容可能に形成されている。
第一ケース部材11は、
図5、
図9に示すように、実装面13aと対向する上面壁部11aと、サブ基板13の外周縁を囲む外側壁部11bと、を備え、所定の深さを有する凹状形態を有している。
上面壁部11aには、雌コネクタ132a等を外部に露出させるための開口部111a,111bが設けられている。
また、上面壁部11aの裏側には、凹部112が形成されている(
図6、
図10参照)。
凹部112は、上面壁部11a裏面に凹設形成された溝状部であり、外側壁部11bよりも内側にオフセットした位置に平面視略矩形状に形成されている。
【0017】
第二ケース部材12は、
図5、
図9に示すように、パターン面13bと対向する底面壁部12aと、サブ基板13の外周縁を囲む内側壁部12bと、外側壁部11bの当接するフランジ部12cと、を備え、所定の深さを有する凹状形態を有している。
内側壁部12bは、凹部112に対応する位置であって、サブ基板13の外周縁よりも外側かつ外側壁部11bよりも内側に形成されている。
この内側壁部12bの先端部には、凹部112と凹凸嵌合する凸部121が形成されている(
図6、
図10参照)。
【0018】
[接着部]
このような共通の構成を有する各サブ制御部10(10A〜10C)は、以下のような接着部を有している。
接着部は、第一ケース部材11及び第二ケース部材12を離間させる方向(
図4、
図7、
図14において上下方向)に沿って延設されるとともにケース部材同士を組み合わされた状態において対向する壁面を有し、対向する壁面の間に介在する所定の接着剤Sにより、対向する壁面同士が接着されるように構成されている。
例えば、本実施形態では、凹凸嵌合する凹部112と凸部121とに接着部が設けられている。
【0019】
図6、
図10に示すように、凹部112に形成された面112b及び面112cと、凸部121に形成された面121b及び面121cとは、第一ケース部材11及び第二ケース部材12を離間させる方向に沿って延設され、第一ケース部材11及び第二ケース部材12を組み合わせた状態では、面112b及び面121b、面112c及び面121cが対向するようになっている。
これにより、例えば、凹部112に接着剤Sを充填させた状態で、凹部112に凸部121を嵌合させると、対向する面の間に介在する接着剤Sにより、対向する壁面同士、すなわち、面112bと面121b、及び、面112cと面121cの二組の面同士が接着されることになる。
【0020】
このような構成からなる接着部を備えることにより、以下のような作用効果を発揮する。
凹部112に接着剤Sを充填させた状態で、凹部112に凸部121を嵌合させると、上記二組の面同士に加えて、凹部112の底面112aと、凸部121の頂面121aも対向する面同士となり、これらの面同士も接着される。仮に接着部がこの底面112aと頂面121aのみとすると、これらの面は第一ケース部材11及び第二ケース部材12を離間させる方向に直交する面として形成されていることから、第一ケース部材11及び第二ケース部材12を離間させる外力を加えたときには、これらの離間を妨げる力は、接着剤S自体の接着力のみに依存することになる。
一方、本実施形態のように、離間させる方向に沿って延設された面同士を接着したときには、接着剤S自体の接着力に加え、面方向に沿ったせん断摩擦力が加わることになる。せん断摩擦力は、ケース部材同士の離間を妨げるように強力に作用することから、基板ケースを容易に開放することができなくなる。特に、本実施形態のように、対向する面を二組とすることで、第一ケース部材11と第二ケース部材12は強固に離間不能となる。
【0021】
また、本実施形態の接着部は、サブ基板13の外周縁よりも外側であって、サブ基板13を外部と遮断可能に設けられる外側壁部11bよりも内側に形成されている。
具体的には、
図6、
図10に示すように、先端に凸部121を有する内側壁部12bは、サブ基板13の外周縁よりも外側であって、外側壁部11bよりも内側に形成されている。
これにより、接着部(凹部112及び凸部121)にアクセスして接着剤Sを剥離させようとしても外側壁部11bが最初の障害となることから、基板ケースの開放をより困難にさせることができる。
さらに、外側壁部11bと内側壁部12bとは互いに交差する(行き違う)ように、すなわち、外側壁部11bは下方に向かって延設され、内側壁部12bは上方に向かって延設されている。これにより、基板ケース外部からの侵入経路が屈折した迷路状の経路となることから、不正アクセスを阻止することができる。
また、接着部(凹部112及び凸部121)は、
図5、
図9に示すように、サブ基板13の外周縁ほぼ全体を囲むように配置されている。これにより、基板ケース四方からの侵入を阻止することができる。
また、内側壁部12bの内側に、さらにリブ114c、リブ122aを設けることもでき、これにより、外側壁部11bと内側壁部12bに加えて、サブ基板13を三重に囲むことができる(
図6参照)。
【0022】
また、
図6、
図10に示すように、接着状態にある内側壁部12bの根本付近(凹部112側)に、脆弱部113が形成されている。
本実施形態では、脆弱部113は、凹部112の近傍であって外側壁部11b側に形成され、他の部分より樹脂の厚みが薄肉形成された部分となっており、第一ケース部材11及び第二ケース部材12を離間させようとする外力を加えると所定の変形を行うようになっている。
例えば、第一ケース部材11及び第二ケース部材12を離間させようとする外力として、第一ケース部材11と第二ケース部材12の隙間にマイナスドライバー等を差し込んで、基板ケースを無理やりこじ開けようとする力を加えると、この力は、接着状態にある凹部112の近傍であって外側壁部11b側に位置する脆弱部113に応力として伝わりやすく、脆弱部113の変形を誘うようになっている。
例えば、
図6、
図10において、差し込んだドライバを下方に旋回させる力を加えると、外側壁部11bが外側に持ち上がり、そのときの応力は、脆弱部113に集中する。その結果、脆弱部113が破断、白化などの塑性変形をすることになり、不正アクセスをしようとした痕跡が残ることになる。
また、第一ケース部材11及び第二ケース部材12を離間させようとする外力を脆弱部113に集中させるためには、脆弱部113を有しない内側壁部12bの反対側の根本付近を強固に補強しておくことが好ましい。そのため、
図6に示すように、内側壁部12bの根本には、補強部121d,121eを形成し、離間させようとする外力を凹部112側に集中させるようになっている。
なお、脆弱部113は、内側壁部12bの根本付近(補強部側)であって、外側壁部11b側に設けることもできる。この場合、補強部121d,121eを有しない方が好ましい。
【0023】
また、このような接着部(凹部112及び凸部121)は、不正改造等の対象となりやすいロム133などの記憶手段の近傍には積極的に配置することが好ましい。
基板ケース設計上の都合等により、接着部を有しない領域として非接着領域を設けざるを得ない場合でも、ロム133などの記憶手段は、非接着領域に付近に配置されることなく、接着部を有する領域に配置させる。これにより、少なくとも外部からの不正アクセスから記憶手段を護ることができる。
また、
図6、
図10に示すように、リブ114a、114bでロム133などの記憶手段を囲んで、さらにアクセスを困難にすることもできる。
【0024】
また、基板ケースは、接着部(凹部112及び凸部121)が外部に臨むようにスロットマシン1に取り付けてあることが好ましい。
例えば、第二ケース部材12の底面部12aが筐体1bの内部壁面側に面するように取り付けることで、接着部側、すなわち、凹部112側が、外部に臨むようになる。
これにより、無理やり第一ケース部材11及び第二ケース部材12を離間させ、接着部を破壊させたときには、前扉1aを開放すると、上面壁部11a側、すなわち凹部112側が視認可能となることから、その痕跡を容易に発見することができる。
【0025】
また、接着部(凹部112及び凸部121)、すなわち、ケース部材同士が組み合わされた状態において対向する壁面は、鏡面状に形成されるのではなく、所定の表面粗さ(例えば、梨地加工、放電加工等)を有している方が好ましい。これにより、対向する面同士の接着力が鏡面状に形成されるよりも向上する。また、この表面粗さは、凹部112側には設けずに、凸部121側の面121b,121c(のうち少なくともいずれか一方の面、特に121c)に設けることが好ましい。凹部112は凸部121を囲む(挟む)ことから、これにより、凹部112と凸部121との境界が明確となり、無理やり第一ケース部材11及び第二ケース部材12を離間させようとした痕跡を発見しやすくなる。
また、接着部(凹部112及び凸部121)には、第一ケース部材11及び第二ケース部材12を離間させる方向に沿って凹設される溝を形成することが好ましい。このような溝を形成することにより、この溝に沿って接着剤Sが流れることから、対向する面同士の間に接着剤Sが確実に充填されることになる。
【0026】
また、接着剤Sの材質等は特に限定されるものではないが、例えば、紫外線等により硬化する光硬化型接着剤を採用することが好ましい。
このような光硬化型接着剤を用いることにより、所望する波長の光を照射しない限り接着剤が硬化することがないので、接着部(凹部112及び凸部121)において接着剤Sが十分に充填されているかどうかを確認しながら(充填されていないときには再充填を行うなど)、確実に接着できる。
また、このような光硬化型接着剤を用いる場合には、接着部(凹部112及び凸部121)付近は所望する波長光が透光可能な樹脂を採用することは勿論であるが、本実施形態のように、接着部(凹部112及び凸部121)が基板ケース外に向けて突設されていることが好ましい。すなわち、本実施形態の凹部112は、上面壁部11aの一部をケース外方向に盛り上げるとともにその内側に溝状に形成されており、凸部121はそのような凹部112に嵌合するように構成されている(
図6、
図10参照)。これにより、接着部(凹部112及び凸部121)に向けて光を効率的に照射することができる。
【0027】
[カシメ構造]
サブ制御部10Bは、接着部に加えてカシメ構造を備えている。
カシメ構造は、閉状態の基板ケースを開放するとその痕跡が残るように第一ケース部材11と第二ケース部材12を固定する構造を有している。
本実施形態では、例えば、
図9、
図10に示すように、一方の第一ケース部材11はその上面壁部11aの裏側に、爪部151を有するカシメ部材15をネジ等により取り付け可能に形成されており、他方の第二ケース部材12は爪部151に係合可能な係合孔123を備えている。このような構成により、第一ケース部材11と第二ケース部材12を閉じ合わせると、
図10(b)に示すように、爪部151が係合孔123に引っ掛かる係合状態となり、第一ケース部材11と第二ケース部材12は開放不能に固定される。この係合状態は、第一ケース部材11又は第二ケース部材12の所定箇所等を破壊しない限り解除することができないことから、基板ケースを開放すると破壊痕が残ることになる。
このようなカシメ構造は、
図10に示すように、不正改造等の対象となりやすいロム133などの記憶手段の近傍に配置することが好ましい。本実施形態では、カシメ構造のさらに外側に接着部を設けてある。これにより、ロム133などの記憶手段を二重に保護することができる。
【0028】
[コネクタカバー]
サブ制御部10B、10Cは、それぞれ形態の異なるコネクタカバー11dを備えている。
それぞれのコネクタカバー11dは、雌コネクタ132aに雄コネクタ132bが接続された状態で雄コネクタ132bを雌コネクタ132aから脱抜不能に覆うように構成されている。
【0029】
サブ制御部10Bに備えるコネクタカバー11dは、第一ケース部材11に一体形成されている。具体的には、コネクタカバー11dは、第一ケース部材11の射出成型時に、上面壁部11aに一体的に成形されるようになっている。
コネクタカバーを第一ケース部材11と別体に形成すると、雄コネクタ132bを雌コネクタ132aから脱抜しようとしたとき、第一ケース部材11が破壊されることなくコネクタカバーのみが破壊されることがあり、このようなときに、破壊されたコネクタカバーを他の新しいコネクタカバーに取り替えられてしまうと、破壊の痕跡を残さずに不正改造されるおそれがある。
そこで、コネクタカバー11dを第一ケース部材11に一体形成することとし、雄コネクタ132bを雌コネクタ132aから脱抜しようとして、コネクタカバー11dを破壊したときに、その痕跡が第一ケース部材11に残るようにした。これにより、改造痕跡の有無を外観から判断することができる。
【0030】
サブ制御部10Bに備えるコネクタカバー11dは、雌コネクタ132aに雄コネクタ132bが接続された状態で双方のコネクタ132a,132bとともにケーブル132c及びケーブルを束ねる結束バンド132dごと覆うように構成されている。
このような構成を備えるために、コネクタカバー11dは、
図9及び11に示すように、コネクタ132a,132bの上面を覆う上面覆い部115aと、コネクタ132a,132bの四方を覆う側面覆い部115b〜115eと、ケーブル132cを基板ケース外に導出させるための開口部111aと、を備え、雌コネクタ132aに接続された状態の雄コネクタ132bがこれらの覆い部115a〜115eにより包囲される。また、コネクタカバー11dは、開口部111aに至るまでのケーブル132cを覆うケーブルカバー11eを備えている。
【0031】
上面覆い部115aは、ドーム状に形成されるとともに、
図13に示すように、断面略円弧形状を有している。ドーム状内部空間は、ケーブル132cを緩く湾曲させた状態で収容可能な空間を有している。これにより、ケーブル132cを無理やり屈曲させる必要がないことからケーブル132cに応力が加わらないため断線等の不具合を防止できる。
また、上面覆い部115aがドーム状に形成されることにより、例えば、
図7、
図8に示すように、コネクタカバー11d近傍に、回動可能に軸支された蓋部材11cを設けたときにも、上面覆い部115aが蓋部材11cの回動を阻害することなく、蓋部材11cを90度以上開放することができる。
【0032】
側面覆い部115cは、コネクタ132a,132bの長手方向側面を覆うとともに基板ケースの内外を隔てる外側壁部11bの一部として構成されている。
また、側面覆い部115eは、コネクタ132a,132bの短手方向側面(
図11中の右側面)を覆うとともに、その一部にケーブル132cをケーブルカバー11eへ導くための導出孔115fを備えている。
導出孔115fは、ケーブル132c通過可能かつ結束バンド132d通過不能な大きさの開口面積を有している。これにより、雄コネクタ132bを雌コネクタ132aから脱抜しようとしてケーブル132cを引っ張っても、結束バンド132dが導出孔115fの周縁に当接することから、引っ張り力が雄コネクタ132bまで伝わらず、雄コネクタ132bの脱抜を防止するようになっている。
また、コネクタ132a,132bから導出孔115fを経て開口部111aへ至るまでの通路がケーブル132cのケーブル導出路となるが、この通路は、
図12、
図13に示すように、直線通路とはならずに、クランク状に屈曲形成されている。
これにより、開口部111aからピアノ線などの長物を使ってコネクタ132a,132bへのアクセスを試みようとしたときに、クランク状の通路によってアクセスが阻まれ侵入を困難にすることができる。
【0033】
一方のサブ制御部10Cに備えるコネクタカバー11dは、
図15に示すように、第一ケース部材11とは別体に形成されるものの、脱抜不能に装着されるようになっている(
図14参照)。
コネクタカバー11dは、
図16に示すように、コネクタ132a,132bの上面を覆う上面覆い部116aと、垂下リブ116bとを備えている。
垂下リブ116bには、凹状の返し部116c、爪部116dが形成されている。
第一ケース部材11の上面壁部11aには、雌コネクタ132a、雄コネクタ132b及びケーブル132cを外部に露出させる開口部111aが形成されている(
図15参照)。
開口部111aは、コネクタカバー11dを装着可能な取付凹部であり、
図16に示すように、上面壁部11aとほぼ面一となる天面117a、上面覆い部116aの裏面が当接する当接部117b、爪部116dと係合する係合孔117cが形成されている。
このような構成により、コネクタカバー11dを垂下リブ116b側から開口部111aに挿入して、爪部116dが係合孔117cと係合すると、爪部116dは外部から操作不能となり、コネクタカバー11dが開口部111aに脱抜不能に装着される。これにより、雌コネクタ132aに雄コネクタ132bが接続された状態で雄コネクタ132bが雌コネクタ132aから脱抜不能に覆われることになる。
【0034】
また、爪部116dの外部からの操作をさらに困難にするために以下のような構成を備えている。
まず、
図16に示すように、コネクタカバー11d装着時において、上面覆い部116aの上面よりも天面117aの方が高く形成されている。これにより、上面覆い部116aを開口部111aから摘み上げることが困難になる。
また、垂下リブ116bに凹状の返し部116cが形成されていることから、上面覆い部116aと開口部111aとの隙間からのピアノ線などの長物を侵入させても返し部116cに当接してしまい侵入が阻止されることになる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン1によれば、接着部、コネクタカバーを備えることにより、基板ケースのセキュリティ性を向上させることができる。
【0036】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0037】
例えば、接着部を本実施形態では、対向する壁面として二組設けたが一組でもよい。
また、二つのケース部材を離間させる方向とは、閉状態の基板ケースを開状態にするときに二つのケース部材に作用させる力の方向であり、閉状態が開状態となれば足りるので、その方向はある程度の角度範囲を有している。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機であっても、所定の基板を収容可能な基板ケースを備える限り、本発明の遊技機に該当する。