【実施例】
【0025】
以下実施例によって本発明をさらに詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは全て本発明の技術的範囲に包含される。なお、特に断らない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」をそれぞれ意味する。
【0026】
<不織布の目付>
JIS L 1906 5.2(2000)記載の方法に準拠し、20cm×20cmのサイズで測定した。
【0027】
<難燃性>
ISO3795, JIS D1201記載の方法に準拠し測定した。
上記評価方法に従い、標線から50mm以内かつ60秒以内(標線までに消えたものも含む)で消えるものについては○、標線から50mm以内かつ60秒以内で消えなかったものについては×として評価した。
【0028】
<剛軟度>
JIS L−1913 6.7.4(2010)に記載のガーレ式で測定した。
なお、試料は、試料の幅方向が、不織布製造時の幅方向と一致するように調製した。
【0029】
<つづり針強力>
5cm×20cmサイズの試験片を機械方向・機械幅方向に2枚を1本針ミシンで縫い合わせたものを3点採取する。テンシロンを用いて引張速度30cm/分・つかみ間隔10cmの条件で引張り試験を行い、破断強力の平均値を求めて、つづり針強力とする。
【0030】
<初期応力>
5cm×20cmサイズの試験片を機械方向・機械幅方向にそれぞれ5点採取する。テンシロンを用いて引張速度30cm/分・つかみ間隔10cmの条件で引張り試験を行い、破断強力の5%伸張時の応力の平均値を求めて、初期応力とする。
【0031】
<破れ評価>
つづり針強力の試験片を縫い合わせた時の不織布の針貫通部の破れの無いものを○、針貫通部の破れのあるものを×として評価した。
【0032】
<皺評価>
不織布の端部を持ち不織布を引張りながら、曲げた時の皺が無いものを○、皺の少ないものを△、皺が多く発生するものを×として評価した。
【0033】
[実施例1]
固有粘度0.63dl/gのポリエチレンテレフタレートを用い、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.3g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度2.9dtexの長繊維からなる目付70g/m
2のスパンボンド不織布を得た。次いで圧着面積率7%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、195℃、線圧30kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプの長繊維不織布を得た。
上記長繊維不織布をニードル密度58ケ/cm
2、ニードル針深度8mmにてニードルパンチによる交絡処理を行った不織布を得た。
塩化ビニルとアクリルの共重合体エマルジョン(塩ビ/アクリル=80/20;日信化学工業株式会社製「ビニブラン(登録商標)278」)が固形分で85%、三酸化アンチモン水分散液(sb2O2/H2O=60/40;日本精鉱株式会社製「STOX−W−60」)が固形分20%となるように、各成分をよく混合し、樹脂組成物を得た。
上記のニードルパンチ不織布に、ディッピング法によって、上記樹脂組成物を付着させて、樹脂の乾燥後付着量が20g/m
2の樹脂含浸不織布を得た。
各特性を上記方法で評価し、表1に示した。
【0034】
[実施例2]
固有粘度0.63dl/gのポリエチレンテレフタレートを用い、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.3g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度2.9dtexの長繊維からなる目付77g/m
2のスパンボンド不織布を得た。次いで圧着面積率7%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、195℃、線圧30kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプの長繊維不織布を得た。
上記長繊維不織布をニードル密度58ケ/cm
2、ニードル針深度8mmにてニードルパンチによる交絡処理を行った不織布を得た。
塩化ビニルとアクリルの共重合体エマルジョン(塩ビ/アクリル=80/20;日信化学工業株式会社製「ビニブラン(登録商標)278」)が固形分で85%、三酸化アンチモン水分散液(sb2O2/H2O=60/40;日本精鉱株式会社製「STOX−W−60」)が固形分15%となるように、各成分をよく混合し、樹脂組成物を得た。
上記のニードルパンチ不織布に、ディッピング法によって、上記樹脂組成物を付着させて、樹脂の乾燥後付着量が13g/m
2の樹脂含浸不織布を得た。
各特性を上記方法で評価し、表1に示した。
【0035】
[実施例3]
固有粘度0.63dl/gのポリエチレンテレフタレートを用い、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.3g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度2.9dtexの長繊維からなる目付67.5g/m
2のスパンボンド不織布を得た。次いで圧着面積率7%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、195℃、線圧30kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプの長繊維不織布を得た。
上記長繊維不織布をニードル密度58ケ/cm
2、ニードル針深度8mmにてニードルパンチによる交絡処理を行った不織布を得た。
塩化ビニルとアクリルの共重合体エマルジョン(塩ビ/アクリル=80/20;日信化学工業株式会社製「ビニブラン(登録商標)278」)が固形分で75%、三酸化アンチモン水分散液(sb2O2/H2O=60/40;日本精鉱株式会社製「STOX−W−60」)が固形分25%となるように、各成分をよく混合し、樹脂組成物を得た。
上記のニードルパンチ不織布に、ディッピング法によって、上記樹脂組成物を付着させて、樹脂の乾燥後付着量が22.5g/m
2の樹脂含浸不織布を得た。
各特性を上記方法で評価し、表1に示した。
【0036】
[実施例4]
固有粘度0.63dl/gのポリエチレンテレフタレートを用い、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.3g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度2.9dtexの長繊維からなる目付81g/m
2のスパンボンド不織布を得た。次いで圧着面積率7%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、195℃、線圧30kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプの長繊維不織布を得た。
上記長繊維不織布をニードル密度58ケ/cm
2、ニードル針深度8mmにてニードルパンチによる交絡処理を行った不織布を得た。
塩化ビニルとアクリルの共重合体エマルジョン(塩ビ/アクリル=80/20;日信化学工業株式会社製「ビニブラン(登録商標)278」)が固形分で90%、三酸化アンチモン水分散液(sb2O2/H2O=60/40;日本精鉱株式会社製「STOX−W−60」)が固形分10%となるように、各成分をよく混合し、樹脂組成物を得た。
上記のニードルパンチ不織布に、ディッピング法によって、上記樹脂組成物を付着させて、樹脂の乾燥後付着量が9g/m
2の樹脂含浸不織布を得た。
各特性を上記方法で評価し、表1に示した。
【0037】
[実施例5]
固有粘度0.63dl/gのポリエチレンテレフタレートを用い、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.3g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度2.9dtexの長繊維からなる目付63g/m
2のスパンボンド不織布を得た。次いで圧着面積率7%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、195℃、線圧30kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプの長繊維不織布を得た。
上記長繊維不織布をニードル密度58ケ/cm
2、ニードル針深度8mmにてニードルパンチによる交絡処理を行った不織布を得た。
有機リン系化合物が固形分で70%、アクリル系乳化重合物(アクリル樹脂/水=60/40;東洋インキ株式会社「トークリルS−2」)が固形分30%となるように、各成分をよく混合し、樹脂組成物を得た。
上記のニードルパンチ不織布に、ディッピング法によって、上記樹脂組成物を付着させて、樹脂の乾燥後付着量が27g/m
2の樹脂含浸不織布を得た。
各特性を上記方法で評価し、表1に示した。
【0038】
[比較例1]
固有粘度0.63dl/gのポリエチレンテレフタレートを用い、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.3g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度2.9dtexの長繊維からなる目付58g/m
2のスパンボンド不織布を得た。次いで圧着面積率7%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、195℃、線圧30kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプの長繊維不織布を得た。
上記長繊維不織布をニードル密度58ケ/cm
2、ニードル針深度8mmにてニードルパンチによる交絡処理を行った不織布を得た。
塩化ビニルとアクリルの共重合体エマルジョン(塩ビ/アクリル=80/20;日信化学工業株式会社製「ビニブラン(登録商標)278」)が固形分で65%、三酸化アンチモン水分散液(sb2O2/H2O=60/40;日本精鉱株式会社製「STOX−W−60」)が固形分35%となるように、各成分をよく混合し、樹脂組成物を得た。
上記のニードルパンチ不織布に、ディッピング法によって、上記樹脂組成物を付着させて、樹脂の乾燥後付着量が32g/m
2の樹脂含浸不織布を得た。
各特性を上記方法で評価し、表1に示した。
【0039】
[比較例2]
固有粘度0.63dl/gのポリエチレンテレフタレートを用い、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.3g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度2.9dtexの長繊維からなる目付86g/m
2のスパンボンド不織布を得た。次いで圧着面積率7%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、195℃、線圧30kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプの長繊維不織布を得た。
上記長繊維不織布をニードル密度58ケ/cm
2、ニードル針深度8mmにてニードルパンチによる交絡処理を行った不織布を得た。
塩化ビニルとアクリルの共重合体エマルジョン(塩ビ/アクリル=80/20;日信化学工業株式会社製「ビニブラン(登録商標)278」)が固形分で95%、三酸化アンチモン水分散液(sb2O2/H2O=60/40;日本精鉱株式会社製「STOX−W−60」)が固形分5%となるように、各成分をよく混合し、樹脂組成物を得た。
上記のニードルパンチ不織布に、ディッピング法によって、上記樹脂組成物を付着させて、樹脂の乾燥後付着量が4g/m
2の樹脂含浸不織布を得た。
各特性を上記方法で評価し、表1に示した。
【0040】
[比較例3]
固有粘度0.63dl/gのポリエチレンテレフタレートを用い、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.3g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度2.9dtexの長繊維からなる目付160g/m
2のスパンボンド不織布を得た。次いで圧着面積率7%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、195℃、線圧30kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプの長繊維不織布を得た。
上記長繊維不織布をニードル密度58ケ/cm
2、ニードル針深度8mmにてニードルパンチによる交絡処理を行った不織布を得た。
塩化ビニルとアクリルの共重合体エマルジョン(塩ビ/アクリル=80/20;日信化学工業株式会社製「ビニブラン(登録商標)278」)が固形分で80%、三酸化アンチモン水分散液(sb2O2/H2O=60/40;日本精鉱株式会社製「STOX−W−60」)が固形分20%となるように、各成分をよく混合し、樹脂組成物を得た。
上記のニードルパンチ不織布に、ディッピング法によって、上記樹脂組成物を付着させて、樹脂の乾燥後付着量が40g/m
2の樹脂含浸不織布を得た。
各特性を上記方法で評価し、表1に示した。
【0041】
[比較例4]
固有粘度0.63dl/gのポリエチレンテレフタレートを用い、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.3g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度2.9dtexの長繊維からなる目付144g/m
2のスパンボンド不織布を得た。次いで圧着面積率7%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、195℃、線圧30kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプの長繊維不織布を得た。
上記長繊維不織布をニードル密度58ケ/cm
2、ニードル針深度8mmにてニードルパンチによる交絡処理を行った不織布を得た。
塩化ビニルとアクリルの共重合体エマルジョン(塩ビ/アクリル=80/20;日信化学工業株式会社製「ビニブラン(登録商標)278」)が固形分で90%、三酸化アンチモン水分散液(sb2O2/H2O=60/40;日本精鉱株式会社製「STOX−W−60」)が固形分10%となるように、各成分をよく混合し、樹脂組成物を得た。
上記のニードルパンチ不織布に、ディッピング法によって、上記樹脂組成物を付着させて、樹脂の乾燥後付着量が16g/m
2の樹脂含浸不織布を得た。
各特性を上記方法で評価し、表1に示した。
【0042】
[比較例5]
固有粘度0.63dl/gのポリエチレンテレフタレートを用い、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.3g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度2.9dtexの長繊維からなる目付38g/m
2のスパンボンド不織布を得た。次いで圧着面積率7%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、195℃、線圧30kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプの長繊維不織布を得た。
上記長繊維不織布をニードル密度58ケ/cm
2、ニードル針深度8mmにてニードルパンチによる交絡処理を行った不織布を得た。
塩化ビニルとアクリルの共重合体エマルジョン(塩ビ/アクリル=80/20;日信化学工業株式会社製「ビニブラン(登録商標)278」)が固形分で85%、三酸化アンチモン水分散液(sb2O2/H2O=60/40;日本精鉱株式会社製「STOX−W−60」)が固形分15%となるように、各成分をよく混合し、樹脂組成物を得た。
上記のニードルパンチ不織布に、ディッピング法によって、上記樹脂組成物を付着させて、樹脂の乾燥後付着量が7g/m
2の樹脂含浸不織布を得た。
各特性を上記方法で評価し、表1に示した。
【0043】
【表1】