特許第6477038号(P6477038)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6477038芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6477038
(24)【登録日】2019年2月15日
(45)【発行日】2019年3月6日
(54)【発明の名称】芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 10/02 20060101AFI20190225BHJP
【FI】
   C08G10/02
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-44603(P2015-44603)
(22)【出願日】2015年3月6日
(65)【公開番号】特開2016-164218(P2016-164218A)
(43)【公開日】2016年9月8日
【審査請求日】2018年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004466
【氏名又は名称】三菱瓦斯化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078732
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 保
(72)【発明者】
【氏名】荻原 雅司
(72)【発明者】
【氏名】渡部 裕稀
【審査官】 佐久 敬
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−247616(JP,A)
【文献】 特開平06−009742(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 4/00−16/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水の含有量が0〜60質量%であるトリオキサン及び芳香族炭化水素を、硫酸触媒及び炭素数1〜8の脂肪族アルコールの存在下、縮合反応させる工程を含み、前記芳香族炭化水素とトリオキサンとのモル比が1:2/3〜1:5/3である、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
【請求項2】
前記芳香族炭化水素が、キシレン及び/又はメシチレンである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
記トリオキサンと炭素数1〜8の脂肪族アルコールとのモル比が、1/3:0.1〜1/3:1である、請求項1又は2に記載の芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
【請求項4】
前記硫酸触媒が濃度96〜98質量%の濃硫酸である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
【請求項5】
前記縮合反応の反応時間が2〜6時間である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂中に酸素原子を一定割合含む芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂及びその製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
芳香族炭化水素を酸触媒下でホルムアルデヒドと反応させ芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂を製造することは公知であり、特にメタキシレンを硫酸触媒存在下にホルムアルデヒドと反応させて得た樹脂はキシレンホルムアルデヒド樹脂としてよく知られている(特許文献1参照)。このキシレンホルムアルデヒド樹脂はフェノール類、カルボン酸類、グリコール類等で変性して熱硬化性樹脂素材として各種用途に用いられたり、接着剤及び粘着剤等の粘着付与剤として用いられたり、更にエポキシ樹脂の希釈剤や塩化ビニル樹脂の可塑剤として用いられることが知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−168147号公報
【特許文献2】特開2001−261815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の製造方法においては、原料としてホルマリンが使用されているが、ホルマリンはホルムアルデヒド濃度が40〜60質量%の水溶液であり、仕込みの約半分を水が占めているため、仕込み時の反応容器の容積を圧迫し、一回の反応で得られる芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の収量が少ないという問題があった。
また、その他のホルムアルデヒド源としては、ホルムアルデヒドの重合物であるパラホルムアルデヒドがあるが、パラホルムアルデヒドは固体であり、融点が高いため、未反応のパラホルムアルデヒドの溶け残りが配管やバルブ等の目詰まりの原因となり、工業的に使用しにくいという問題がある。
また、触媒として使用する硫酸は質量換算の濃度が98%の濃硫酸であるが、反応終了後はこのホルマリンの水と合わせた希硫酸として回収されるため、次の反応等に再利用することができず、廃硫酸となる。よって、反応系中で用いる水の量が多いほど発生する廃硫酸量が多くなり、環境負荷が高くなるという問題があった。
本発明は、従来の芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂に見られる上述の欠点がなく、原料仕込み時の容積効率の向上、及び最大仕込み容積反応時の生産性を向上させる製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討した結果、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の製造において、水の含有量が0〜60質量%であるトリオキサン及び芳香族炭化水素を硫酸触媒存在下、縮合反応させる工程を含むことにより、上述の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の製造においてホルムアルデヒド源としてトリオキサンを使用することで、ホルマリンを使用時と比較し得られる樹脂質量が増加し、廃硫酸量を削減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法においては、水の含有量が0〜60質量%であるトリオキサン及び芳香族炭化水素を硫酸触媒存在下、縮合反応させる工程を含む。
【0008】
本発明の縮合反応工程で使用する芳香族炭化水素としてはトルエン、エチルベンゼン、キシレンの3異性体(o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン)、メシチレン、プソイドキュメン、炭素数が10以上の単環芳香族炭化水素化合物、ナフタレン、メチルナフタレン、等の多環芳香族炭化水素化合物などがある。尚、これらの混合物も使用することが出来る。
これらは市販品を用いてもよい。
これらの中でもキシレン、メシチレンであることが、工業的に入手が容易な観点から好ましい。
【0009】
本発明の縮合反応工程で使用するトリオキサンは、ホルムアルデヒドが3分子連結したものである。用いるトリオキサンは水を含有していてもよく、トリオキサン中における水の含有量としては、0〜60質量%のものを使用する。60質量%以下である理由としては、この範囲であると十分な収量の芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂を得られるからである。
また、本発明の縮合反応工程においては、芳香族炭化水素とトリオキサンの量比については特に限定はないが、トリオキサンをホルムアルデヒド換算した値で、芳香族炭化水素:トリオキサン=1:0.5〜1:5であることが好ましく、1:1〜1:3がさらに好ましい。その理由としては、この範囲であると、得られる芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂中の酸素含有率が高くなり、未反応で残るホルムアルデヒドが少なくなるからである。
【0010】
本発明の縮合反応において用いられる硫酸触媒としては、濃硫酸が用いられる。その濃度としては、96〜98質量%のものであることが、工業的入手容易な観点から好ましい。硫酸触媒は市販品も容易に入手することができる。
また、本発明の縮合反応に用いられる硫酸触媒の使用量としては、トリオキサンに対し、濃度として10〜50質量%に調整することが、反応速度の観点から好ましい。
硫酸触媒の添加方法は、特に限定されず、一括して添加してもよいし、分割して添加してもよいが、分割して添加することが触媒添加時の発熱による液温上昇を防ぐ点から好ましい。
【0011】
本発明の縮合反応においては、炭素数1〜8の脂肪族アルコールを使用することができる。脂肪族アルコールは、縮合反応の末端停止剤として作用し、得られる芳香族ホルムアルデヒド樹脂の過度の高分子量化を抑えることができる観点から好適に用いられる。
脂肪族アルコールの炭素数としては、1〜8であることが工業的に入手容易な観点から好ましいが、その中でも炭素数1〜4のものを用いることが特に好ましい。
炭素数1〜8の脂肪族アルコールとして具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール(各異性体を含む)、ヘプタノール(各異性体を含む)、2−エチル−ヘキシルアルコール、n−オクタノール等の脂肪族アルコールが例示できるが、上述した理由により、メタノールであることが好ましい。
また、トリオキサンと炭素数1〜8の脂肪族アルコールの量比については特に限定はないが、トリオキサンをホルムアルデヒド換算した値で、トリオキサン:脂肪族アルコール=1:0.1〜1:1であることが好ましい。その理由としては、この範囲であると過度の高分子量化を抑える効果が高く、未反応として残るアルコール類が少なくなるからである。
【0012】
次に、本発明の縮合反応工程の反応条件について詳細に説明する。
各成分の反応系への加え方としては、芳香族炭化水素、トリオキサン及び硫酸触媒を反応系に同時に添加してもよいし、芳香族炭化水素をトリオキサン及び硫酸触媒が存在する系に逐次添加する縮合反応としてもよい。
【0013】
反応温度は、特に限定されないが、用いる成分の融点以上の温度にて行うことが好ましい。その中でも反応系に存在する芳香族炭化水素、アルコール、水、トリオキサンが還流する温度で行うことが特に好ましい。例えば、芳香族炭化水素にメタキシレン、アルコールにメタノールを使用する場合、80〜120℃であることが好ましく、90〜110℃がさらに好ましい。
このような範囲にすることで、未反応の芳香族炭化水素が少なく経済的に、かつ工業的に有利な芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂が得られる。
【0014】
反応時間は、特に限定されないが、0.5〜10時間が好ましく、0.5〜5時間がより好ましく、2〜6時間がさらに好ましい。このような範囲にすることで、未反応の芳香族炭化水素が少なく経済的に、かつ工業的に有利な芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂が得られる。
【0015】
反応圧力は、特に限定されず、常圧でも加圧でもよい。本実施における縮合反応は、必要に応じて系内に窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスを通気してもよい。
【0016】
縮合反応においては必要に応じて、縮合反応に不活性な溶媒を希釈溶媒として使用できる。前記溶媒としては、ヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ジオキサン、ジブチルエーテル等のエーテル;2‐プロパノール等のアルコール;メチルイソブチルケトン等のケトン;エチルプロピオネート等のカルボン酸エステル;酢酸等のカルボン酸等が挙げられる。尚、これらの混合物も使用することが出来る。また、反応に用いる芳香族炭化水素も、系中で溶媒として作用する。
【0017】
希釈溶媒の使用量は、特に限定されないが、静置分離時に油層と水層の二相に分離できれば良い。
【0018】
反応終了後、必要に応じて芳香族炭化水素をさらに添加して希釈した後、静置することにより二相分離させ、油層である樹脂相、硫酸触媒を含む水相に分離した後、水相部分を抜き出した物を廃硫酸として処理し、樹脂相を水洗など行なうことで酸性触媒を完全に除去し、添加した芳香族炭化水素及び未反応の原料を蒸留等の一般的な方法で除去することにより、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂が得られる。
【0019】
上記縮合反応工程を含む製造方法により得られる芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂は、特に限定されないが、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が300〜1200であることが、溶剤への溶解性やハンドリングの観点から好ましい。
【実施例】
【0020】
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に特に限定はされない。なお、実施例、比較例において「%」、「部」は特別な記述をしない限りそれぞれ「質量%」、「質量部」を示す。
【0021】
得られた芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂の分子量は下記の方法により求めた。
<分子量>
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析により、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を求めた。
装置:Shodex GPC−101型(昭和電工(株)製)
カラム:LF−804×3
溶離液:THF 1ml/min
温度:40℃
【0022】
実施例1
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた底抜きが可能な内容積1リットルの四つ口フラスコにトリオキサン196.7部(ホルムアルデヒドとして6.6mol、三菱ガス化学(株)製)、純水49.1部、メタノール35.7部(1.1mol、三菱ガス化学(株)製)を仕込み、98質量%工業用硫酸72.2部(0.74mol、三菱ガス化学(株)製)を30分かけて滴下後、メタキシレン347.9部(3.3mol、三菱ガス化学(株)製)を一括で仕込み、その後、反応系をマントルヒーターにより加熱し、温度100℃前後で攪拌しながら、水を4時間加熱還流させた。その後、希釈溶媒としてメタキシレン340部(三菱ガス化学(株)製)を加え、静置して樹脂相と硫酸触媒を含有する水相(廃硫酸)とに分離した後、樹脂相を6回水洗し、水蒸気蒸留及び減圧蒸留の二段階に分けて蒸留を行い、希釈添加したメタキシレン及び未反応のメタキシレンを除去し、重量平均分子量900の芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂460部、廃硫酸190部を得た。
【0023】
実施例2
実施例1と同様の器具を用いて、トリオキサン196.7部(ホルムアルデヒドとして6.6mol、三菱ガス化学(株)製)、純水49.1部を仕込み、98質量%工業用硫酸63.0部(0.64mol、三菱ガス化学(株)製)を、30分かけて滴下後、メタキシレン347.9部(3.3mol、三菱ガス化学(株)製)を一括で仕込み、その後、反応系をマントルヒーターにより加熱し、温度100℃前後で攪拌しながら、水を4時間加熱還流させた。その後、希釈溶媒としてメタキシレン340部(三菱ガス化学(株)製)を加え、静置して樹脂相と硫酸触媒を含有する水相(廃硫酸)とに分離した後、樹脂相を6回水洗し、水蒸気蒸留及び減圧蒸留の二段階に分けて蒸留を行い、希釈添加したメタキシレン及び未反応のメタキシレンを除去し、重量平均分子量2003の芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂450部、廃硫酸150部を得た。
【0024】
実施例3
実施例1と同様の器具を用いて、トリオキサン196.7部(ホルムアルデヒドとして6.6mol、三菱ガス化学(株)製)、純水49.1部を仕込み、98質量%工業用硫酸72.2部(0.74mol、三菱ガス化学(株)製)を、30分かけて滴下後、メシチレン393.7部(3.3mol、三菱ガス化学(株)製)を一括で仕込み、その後、反応系をマントルヒーターにより加熱し、温度100℃前後で攪拌しながら、水を4時間加熱還流させた。その後、希釈溶媒としてメシチレン340部(三菱ガス化学(株)製)を加え、静置して樹脂相と硫酸触媒を含有する水相(廃硫酸)とに分離した後、樹脂相を6回水洗し、水蒸気蒸留及び減圧蒸留の二段階に分けて蒸留を行い、希釈添加したメシチレン及び未反応のメシチレンを除去し、重量平均分子量765の芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂465部、廃硫酸153部を得た。
【0025】
実施例4
実施例1と同様の器具を用いて、トリオキサン196.7部(ホルムアルデヒドとして6.6mol、三菱ガス化学(株)製)、純水49.1部、メタノール14.7部(0.46mol、三菱ガス化学(株)製)を仕込み、98質量%工業用硫酸66.8部(0.68mol、三菱ガス化学(株)製)を、30分かけて滴下後、メタキシレン347.9部(3.3mol、三菱ガス化学(株)製)を一括で仕込み、その後、反応系をマントルヒーターにより加熱し、温度100℃前後で攪拌しながら、水を4時間加熱還流させた。その後、希釈溶媒としてメタキシレン340部(三菱ガス化学(株)製)を加え、静置して樹脂相と硫酸触媒を含有する水相(廃硫酸)とに分離した後、樹脂相を6回水洗し、水蒸気蒸留及び減圧蒸留の二段階に分けて蒸留を行い、希釈添加したメタキシレン及び未反応のメタキシレンを除去し、重量平均分子量1600の芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂440部、廃硫酸171部を得た。
【0026】
比較例1
実施例1と同様の器具を用いて、40質量%ホルマリン(ホルムアルデヒド成分が40質量%の水溶液)315部(4.2mol、三菱ガス化学(株)製)を仕込み、98質量%工業用硫酸112.6部(1.1mol、三菱ガス化学(株)製)を、30分かけて滴下しメタキシレン222.6部(2.1mol、三菱ガス化学(株)製)を一括で仕込み、その後、反応系をマントルヒーターにより加熱し、温度100℃前後で攪拌しながら、水を4時間加熱還流させた。その後、希釈溶媒としてメタキシレン220部(三菱ガス化学(株)製)を加え、静置して樹脂相と硫酸触媒を含有する水相(廃硫酸)とに分離した後、樹脂相を6回水洗し、水蒸気蒸留及び減圧蒸留の二段階に分けて蒸留を行い、希釈添加したメタキシレン及び未反応のメタキシレンを除去し、重量平均分子量770の芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂288部、廃硫酸345部を得た。
【0027】
比較例2
実施例1と同様の器具を用いて、パラホルムアルデヒド137.1部(ホルムアルデヒドとして4.2mol、三菱ガス化学(株)製)、純水43.1部を仕込み、98質量%工業用硫酸52.2部(0.53mol、三菱ガス化学(株)製)を、30分かけて滴下しメタキシレン223.0部(2.1mol、三菱ガス化学(株)製)を一括で仕込み、その後、反応系をマントルヒーターにより加熱し、温度100℃前後で攪拌しながら、水を4時間加熱還流させた。その後、希釈溶媒としてメタキシレン220部(三菱ガス化学(株)製)を加え、静置して樹脂相と硫酸触媒を含有する水相(廃硫酸)とに分離した後、樹脂相を6回水洗し、水蒸気蒸留及び減圧蒸留の二段階に分けて蒸留を行い、希釈添加したメタキシレン及び未反応のメタキシレンを除去し、重量平均分子量2021の芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂293部、廃硫酸134部を得たが、四つ口フラスコの底抜き部分パラホルムアルデヒドの溶け残りが確認され、底抜き管の目詰まりが確認された。
【0028】
【表1】