(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0031】
<実施形態の構成>
以下に本発明の実施形態を説明する。概略として、実施形態の構成は以下の通りである。
・第1〜第4の実施形態:前回点灯から消灯までの点灯時間(以下、「前回点灯時間」という)に基づいて全ての点灯シーケンスが設定されるLED点灯装置及び照明装置
・第5〜第11の実施形態:原則として前回点灯時間に基づかずに点灯シーケンスが設定されるLED点灯装置及び照明装置
【0032】
<第1の実施形態>
図1に、本発明の第1の実施形態によるLED点灯装置1及び照明装置3のブロック図を示す。照明装置3は、LED点灯装置1及びLED2を含み、街路灯、道路灯、防犯灯等に適用される。LED2は、複数のLED素子が直列接続又は直並列接続されたLEDアレイである。LED点灯装置1は、電源部10、照度検出部20及び制御部30を含む。
【0033】
電源部10は、整流回路11及びDC/DCコンバータ12を備える。ダイオードブリッジからなる整流回路11によって交流電源ACからの入力電圧が全波整流され、その全波整流出力がDC/DCコンバータ12に入力される。DC/DCコンバータ12は、全波整流入力を所定の直流電流に変換し、可変の直流電流をLED2に供給する。DC/DCコンバータ12は、例えば、フライバックコンバータからなるスイッチング電源であってもよいし、昇圧チョッパ回路(力率改善回路)及び降圧チョッパ回路からなるスイッチング電源であってもよい。なお、電源部10に太陽電池、蓄電池等からの直流電圧が供給される場合には、整流回路11はダイオードに代替され、又は不要である。DC/DCコンバータ12の動作/非動作状態及び動作状態の場合の出力電流は制御部30によって制御される。
【0034】
照度検出部20は照度センサからなり、例えば、照明装置3の上部であってLED2の光が入射しない位置及び向きに設置される。照度検出部20は、照明装置3の周囲の環境照度を電気信号に変換して、この電気信号を制御部30に供給する。
【0035】
制御部30は、点滅制御部31、シーケンス生成部32、出力制御部33、計時部34及び記憶部35を備える。これらの各部はバスBによって相互に信号又はデータのやりとりが可能な態様で接続され、制御部30には、必要な入出力インターフェイスが適宜設けられているものとする。制御部30は、例えばマイコンによって構成され、点滅制御部31、シーケンス生成部32、出力制御部33及び計時部34の全部又は一部がCPUを構成する。計時部34はタイマからなり、記憶部35はデータ及びプログラムを記憶するためのメモリである。
【0036】
点滅制御部31は、照度検出部20から入力される環境照度を示す信号に応じて電源部10(DC/DCコンバータ12)の動作/非動作、すなわちLED2の点灯/消灯を制御する。具体的には、点滅制御部31は、環境照度が点滅用閾値以上である場合には、時間帯が昼間であるものとしてDC/DCコンバータ12を非動作状態とし、これによりLED2は消灯状態となる。一方、点滅制御部31は、環境照度が点滅用閾値未満である場合には、時間帯が夜間であるものとしてDC/DCコンバータ12を動作させ、これによりLED2が点灯状態となる。例えば、電源部DC/DCコンバータ12の非動作状態から動作状態への移行が日没付近となるように、照度検出部20の照度センサの感度及び点滅用閾値が設定される。この設定により、DC/DCコンバータ12の動作状態から非動作状態への移行も、概ね翌朝の日の出付近となる。点滅制御部31がDC/DCコンバータ12の動作を開始させてその動作を停止させるまで、すなわちLED2が点灯を開始してから消灯するまでの点灯時間は計時部34によって計時され、記憶部35に記憶される。
【0037】
シーケンス生成部32は、記憶部35に記憶されている前回点灯時間に基づいて、次回点灯のための新たな点灯シーケンス(LED2の光出力の変化の設定)を生成及び更新する。シーケンス生成部32は、新たな点灯シーケンスを次回点灯前に予め記憶部35に記憶させておいてもよいし、次回点灯中に逐次更新してもよい。点灯シーケンスの詳細は後述する。
【0038】
なお、照度検出部20に関して上述したように、前回点灯時間は、直近の1回分の点灯時間、すなわち前日の日の入時刻から当日の日の出時刻までの夜間長に対応するが、実際には、気象条件、照度センサの特性等に起因して前回点灯時間と夜間長との相関が変動する場合がある。このことを考慮して、前回点灯時間は、直近の1回を含む過去数回分の点灯時間の平均値、中央値等であってもよい。また、前回点灯時間として、基本的には直近の1回の点灯時間が採用されることが点灯シーケンス設定精度の観点から好ましいが、日の入時刻/日の出時刻が実質的に同じ(例えば、両者の差が5分以内又は10分以内程度)である数日前の点灯時間が採用されてもよい。いずれの場合であっても、以降において、「前回点灯時間」は前回点灯に対応する日の夜間長に実質的に等しいものとして説明を行う。言い換えると、点滅制御のための点滅用閾値が日の入時又は日の出時の環境照度に対応する値に設定されることにより、前回点灯時間と夜間長との相関性が増し、後述の全光期間の長さ又は合計期間長の設定精度が高まる。
【0039】
出力制御部33は、シーケンス生成部32によって更新された点灯シーケンスを記憶部35から読み出し、又はシーケンス生成部32によって逐次更新される点灯シーケンスの入力を受けて、その点灯シーケンスに従って電源部10(DC/DCコンバータ12)に出力電流を制御させる。すなわち、点滅制御部31がDC/DCコンバータ12を動作状態としている間において、出力制御部33によってDC/DCコンバータ12の出力電流、すなわちLED2の光出力が制御される。
【0040】
図2Aに、本実施形態における冬季の点灯シーケンスを示す。時刻t1は、点滅制御部31が電源部10の動作を開始させてLED2が点灯を開始する日の入付近の時刻に対応する。時刻t4は、点滅制御部31が電源部10の動作を停止させてLED2が消灯する日の出付近の時刻に対応する。点灯シーケンスは、時刻t1から時刻t2までの全光期間T1、時刻t2から時刻t3までの調光期間T2、及び時刻t3から時刻t4までの増光期間T3を有する。全光期間T1においては全光点灯が行われ、調光期間T2においては、例えば調光率50%の調光点灯が行われる。ただし、調光期間T2における調光率は50%に限定されない。増光期間T3においては、本実施形態では全光点灯が実行される。ただし、増光期間T3における増光点灯は、調光期間T2における調光率よりも高い調光率(例えば、75%程度)での調光点灯であってもよい。なお、本明細書において、「調光点灯」とは、全光点灯よりも暗い減光点灯を意味する。また、「全光点灯」は、調光率100%での点灯と同義である。
【0041】
ここで、調光期間T2の開始時(全光期間T1の終了時)である時刻t2(以下、「調光開始時刻t2」又は「調光開始時t2」ともいう)は、人の活動が減少して人通り及び交通量が減少し始める午前0時から午前2時の間、好ましくは午前0時30分から午前1時30分の間のいずれかの時刻であればよい。また、増光期間T3の開始時(調光期間T2の終了時)である時刻t3(以下、「増光開始時刻t3」又は「増光開始時t3」ともいう)は、人が活動を開始し、又は人の活動が増加し始める午前4時から午前6時の間、好ましくは午前4時30分から午前5時30分の間のいずれかの時刻であればよい。すなわち、調光開始時t2が午前1時前後に最適化されることを前提として、又は増光開始時t3が午前5時前後に最適化されることを前提として、調光期間T2は4時間程度であればよい。
【0042】
上記のような点灯シーケンスにより、人の活動が比較的少ない深夜の時間帯の調光期間T2には節電による省エネ効果が得られるとともに、人の活動が比較的多い夕方及び早朝の時間帯の全光期間T1及び増光期間T3には充分な明るさの照明によって防犯効果が高まる。すなわち、上記点灯シーケンスによって省エネ性と防犯性が両立される。
【0043】
なお、
図2Bに示すように、夏季の点灯シーケンスにおいては、日の出付近の時刻t4が、シーケンス生成部32によって更新される点灯シーケンスにおける増光開始時t3(午前5時付近)以前となる場合がある。この場合には、増光期間T3は実行されず、点灯シーケンスは調光期間T2で終了することになる。このように、必要な場合のみ増光期間が実行されるので、省エネ性が担保される。
【0044】
図3は、本実施形態の点灯シーケンスにおける時刻t2、時刻t3及び時刻t4と暦の関係を示す概略図である。横軸に季節を示し、縦軸に時刻を示す。上述したように、調光開始時t2は午前1時付近に設定され、増光開始時t3は午前5時付近に設定される。日の出時刻に対応する時刻t4は夏季には増光開始時t3よりも早くなることが示される。なお、時刻t2及び時刻t3の線は、実際には若干の変動幅を持つ折れ線となるが、
図3においては直線で近似されている。
【0045】
以降の説明において、点灯シーケンスにおける全光期間T1の長さを全光期間長L1といい、調光期間T2の長さを調光期間長L2といい、増光期間T3の長さを増光期間長L3というものとする。また、全光期間T1及び調光期間T2の合計の長さを合計期間長L1+L2というものとする。
【0046】
ここで、シーケンス生成部32は、日没が早い冬季には合計期間長L1+L2を増加させ、日没が遅い夏季には合計期間長L1+L2を減少させることによって、増光開始時刻t3を適正化する。言い換えると、調光期間長L2が固定値であるものとして、シーケンス生成部32は、日没が早い冬季には全光期間長L1を増加させ、日没が遅い夏季には全光期間長L1を減少させることによって、調光開始時刻t2を適正化する。このような点灯シーケンスを実現するために、シーケンス生成部32は、記憶部35に記憶されている前回点灯時間(前日から当日にかけての夜間長に対応する時間)に基づいて、次回点灯のための点灯シーケンスにおける合計期間長L1+L2又は全光期間長L1を夜間長の増減に対応させて増減させる。シーケンス生成部32における点灯シーケンス設定の具体的な態様について、以下に実施例1〜4を例示する。
【0047】
[実施例1]
実施例1では、更新される全光期間長L1は、前回点灯時間に対応する夜間長が12時間以上の時期(冬季を含む時期)においては8時間に設定され、夜間長が12時間未満の時期(夏季を含む時期)においては6.5時間に設定される。調光期間長L2は4時間に固定される。言い換えると、更新される合計期間長L1+L2は、夜間長が12時間以上の時期においては12時間に設定され、夜間長が12時間未満の時期においては10.5時間に設定される。
【0048】
表1に、2015年1月〜12月の東京における暦(国立天文台発表、以下同じ)の抜粋を参照して、左列から以下を示す。
・日付k−1(各月の5日及び21日)の日の入時刻:前回点灯の時刻t1に対応
・日付k(各月の6日及び22日)の日の出時刻:前回点灯の時刻t4に対応
・日付k−1から日付kにかけての夜間長:前回点灯時間に対応
・全光期間長L1:上述の設定
・調光期間長L2:4時間に固定
・日付kの日の入時刻:時刻t1に対応
・調光開始時刻t2:時刻t1に全光期間長L1を加算して得られた時刻
・増光開始時刻t3:時刻t2に調光期間長L2を加算して得られた時刻
なお、日付k+1の日の出時刻(時刻t4に対応)は、日付kの日の出時刻の±1分以内であるので表示を省略する。
【表1】
【0049】
表1から分かるように、調光開始時刻t2は、概ね午前0時9分から午前1時40分の間、すなわち午前1時±1時間の範囲に収まる。また、これに対応して、増光開始時刻t3は、概ね午前4時9分から午前5時40分の間、すなわち午前5時±1時間の範囲に収まる。このように、前日から当日にかけての夜間長の増減に対して全光期間長L1を増減させることにより、調光開始時刻t2及び増光開始時刻t3の季節変動が低減され、点灯シーケンス全体が適正化される。なお、増光開始時刻t3が日付k+1の日の出時刻t4(表示省略)より後になる5月6日〜8月6日を含む期間においては、増光期間T3は実行されない。
【0050】
[実施例2]
実施例2では、以下のように、更新される全光期間長L1が、前回点灯時間に対応する夜間長に対してより細かいステップで設定される。本実施例でも調光期間長L2は4時間に固定される。
夜間長13.5時間以上:全光期間長L1=8.5時間
夜間長13時間以上13.5時間未満:全光期間長L1=8.0時間
夜間長12.5時間以上13時間未満:全光期間長L1=7.75時間
夜間長12時間以上12.5時間未満:全光期間長L1=7.5時間
夜間長11.5時間以上12時間未満:全光期間長L1=7.25時間
夜間長11時間以上11.5時間未満:全光期間長L1=7.0時間
夜間長10.5時間以上11時間未満:全光期間長L1=6.75時間
夜間長10時間以上10.5時間未満:全光期間長L1=6.5時間
夜間長10時間未満:全光期間長L1=6.0時間
【0051】
表2に、表1と同様の項目について各時刻及び時間を示す。表1と同様に、日付k+1の日の出時刻(時刻t4に対応)は、日付kの日の出時刻の±1分以内であるので表示を省略する。
【表2】
【0052】
表2から分かるように、調光開始時刻t2は、概ね午前0時42分から午前1時27分の間、すなわち午前1時±30分の範囲に収まる。また、これに対応して、増光開始時刻t3は、概ね午前4時42分から午前5時27分の間、すなわち午前5時±30分の範囲に収まる。このように、前日から当日にかけての夜間長の増減に対して全光期間長L1を細かい階調で増減させることにより、調光開始時刻t2及び増光開始時刻t3の季節変動がより低減され、点灯シーケンス全体が適正化される。また、増光開始時刻t3が日付k+1の日の出時刻t4(表示省略)より後になる5月22日〜8月22日を含む期間においては、増光期間T3は実行されない。
【0053】
[実施例3]
実施例3では、更新される全光期間長Lが、夜間長(前回点灯時間)の半値に所定の補正時間を加算又は減算した値に設定される。具体的には、全光期間長L1=夜間長/2+La、の設定が採用され、本実施例では、補正時間La=1時間15分である。これは、東京の南中時刻が午前11時45分前後であり、その対称時刻となる夜の中心時刻が午後11時45分前後になることから、午前1時と午後11時45分の差分である1時間15分を補正時間Laとするものである。また、調光期間長L2=4時間であるから、合計期間長L1+L2=夜間長/2+5時間15分となる。本実施例は、夜間長が変動しても日の入と日の出の中心時刻は大きくは変動しないという知見に基づく。ただし、実際には、地球の公転、地軸の傾き等の種々の要因により、南中時刻、及びその対称時刻となる夜間長の半値に対応する時刻は年間を通じて幾らか変動することに留意する必要がある。なお、実施例1及び2の表1及び2に示す調光開始時刻t2の増減からも推察されるように、南中時刻(及び夜の中心時刻)の推移は、2月及び7月に遅い側の極値を有するとともに5月及び11月に早い側の極値を有し、2月の極値で最も遅い時刻となり、11月の極値で最も早い時刻となる。
【0054】
表3に、表1及び2と同様の項目について各時刻及び時間を示す。表1及び2と同様に、日付k+1の日の出時刻(時刻t4に対応)は、日付kの日の出時刻の±1分以内であるので表示を省略する。
【表3】
【0055】
表3から分かるように、調光開始時刻t2は、概ね午前0時39分から午前1時10分の間、すなわち午前1時±30分の範囲に収まる。また、これに対応して、増光開始時刻t3は、概ね午前4時39分から午前5時10分の間、すなわち午前5時±30分の範囲に収まる。このように、前日から当日にかけての夜間長の半値に基づいて全光期間長L1をリニアに増減させることにより、調光開始時刻t2及び増光開始時刻t3の季節変動が更に低減され、点灯シーケンス全体が適正化される。また、増光開始時刻t3が日付k+1の日の出時刻t4(表示省略)より後になる5月6日〜8月6日を含む期間においては、増光期間T3は実行されない。
【0056】
また、各実施例の説明では日の入時刻で点灯が開始されるとともに日の出時刻に消灯が行われる設定を前提としているが、本実施例は、日の入時刻前に点灯が開始されるとともに日の出時刻後に消灯が行われる設定にも有効である。本実施例では、全光期間長L1又は合計期間長L1+L2の決定において、点灯時間が上記のように日の入の前及び日の出の後に拡張された場合にも点灯時間の中心時刻と夜間長の中心時刻は実質的に一致するので、夜間長の半値が変化しても得られる調光開始時刻t2及び増光開始時刻t3に変化は生じない。言い換えると、照度検出部20の照度センサの感度のばらつきが吸収される。
【0057】
[実施例4]
実施例4では、更新される全光期間長Lが、夜間長(前回点灯時間)の半値に所定の係数を乗算した値に設定される。具体的には、全光期間長L1=夜間長/2×α、の設定が採用され、本実施例では、係数α=1.2である。
【0058】
表4に、表1〜3と同様の項目について各時刻及び時間を示す。表1〜3と同様に、日付k+1の日の出時刻(時刻t4に対応)は、日付kの日の出時刻の±1分以内であるので表示を省略する。
【表4】
【0059】
表4から分かるように、調光開始時刻t2は、概ね午前0時39分から午前1時16分の間、すなわち午前1時±30分の範囲に収まる。また、これに対応して、増光開始時刻t3は、概ね午前4時39分から午前5時16分の間、すなわち午前5時±30分の範囲に収まる。このように、前日から当日にかけての夜間長の半値に基づいて全光期間長L1をリニアに増減させることにより、調光開始時刻t2及び増光開始時刻t3の季節変動が更に低減され、点灯シーケンス全体が適正化される。また、増光開始時刻t3が日付k+1の日の出時刻t4(表示省略)より後になる5月22日〜7月22日を含む期間においては、増光期間T3は実行されない。
【0060】
図4に、本実施形態のLED点灯装置1の動作のフローチャートを示す。本フローチャートの開始時点は昼間であり、今回点灯のための点灯シーケンスは既に記憶部35に記憶されているものとする。出力制御部33は、記憶部35に予め記憶されている点灯シーケンスを読み出して電源部10の出力電流を制御するものとする。
【0061】
ステップS5において、点滅制御部31が、照度検出部20によって検出される環境照度が点滅用閾値未満となったか否かを判別する。環境照度が点滅用閾値未満となった場合(ステップS5、Yes)、処理はステップS10に進む。
【0062】
ステップS10において、点滅制御部31が電源部10の動作を開始させ、LED2が点灯を開始する(時刻t1)。また、出力制御部33が、点灯シーケンスにおける全光期間T1の全光点灯を電源部10に開始させるとともに、計時部34が経過時間の計時を開始する。
ステップS12において、出力制御部33は、計時部34によって計時される経過時間を参照して全光期間T1が終了したか否かを判別する。全光期間T1が終了していない場合には(ステップS12、No)全光期間T1が継続され、全光期間T1が終了した場合には(ステップS12、Yes)処理はステップS20に進む。
【0063】
ステップS20において、出力制御部33は、点灯シーケンスにおける調光期間T2の調光点灯を電源部10に開始させる(時刻t2)。
ステップS22において、点滅制御部31は、照度検出部20によって検出される環境照度が点滅用閾値以上となったか否かを判別する。環境照度が点滅用閾値以上となった場合には(ステップS22、Yes)処理はステップS40に進み、環境照度が点滅用閾値未満である場合には(ステップS22、No)処理はステップS24に進む。
ステップS24において、出力制御部33は、計時部34によって計時される経過時間を参照して調光期間T2が終了したか否かを判別する。調光期間T2が終了していない場合には(ステップS24、No)調光期間T2が継続され、調光期間T2が終了した場合には(ステップS24、Yes)処理はステップS30に進む。
【0064】
ステップS30において、出力制御部33は、点灯シーケンスにおける増光期間T3の増光点灯(全光点灯)を電源部10に開始させる(時刻t3)。
ステップS32において、点滅制御部31は、照度検出部20によって検出される環境照度が点滅用閾値以上となったか否かを判別する。環境照度が点滅用閾値未満である場合には(ステップS32、No)増光期間T3が継続され、環境照度が点滅用閾値以上となった場合には(ステップS32、Yes)処理はステップS40に進む。
【0065】
ステップS40において、点滅制御部31は、電源部10の動作を停止させ、LED2は消灯する(時刻t4)。
ステップS50において、計時部34によって計時されたステップS5からステップS40までの経過時間が前回点灯時間として記憶部35に記憶される。
ステップS60において、シーケンス生成部32は、前回点灯時間に基づいて次回点灯のための点灯シーケンスを更新する。なお、ステップS60は、次回点灯までのいずれかの時点で実行されればよい。
【0066】
以上のように、本実施形態のLED点灯装置1は、LED2に可変の出力電流を供給する電源部10、環境照度を検出する照度検出部20、及び制御部30を備える。制御部30は、環境照度が点滅用閾値未満の場合に電源部10を動作状態とし、環境照度が点滅用閾値以上の場合に電源部10を非動作状態とする点滅制御部31と、点灯シーケンスを生成するシーケンス生成部32と、電源部10が動作状態である場合に点灯シーケンスに基づいて電源部10に出力電流を制御させる出力制御部33とを有する。点灯シーケンスは、点灯開始から順に、全光期間T1、調光期間T2及び増光期間T3を有し、増光期間T3には、調光期間T2の調光率よりも明るい調光率(例えば、100%)が適用される。したがって、人の活動が比較的少ない深夜の時間帯には調光期間T2による省エネ効果が得られるとともに、例えば冬季において、人が活動を開始する時間帯に屋外が未だ暗い場合であっても増光期間T3による充分な光量の照明によって防犯効果が高まる。このように、日没から夜明けまでの点灯シーケンス全体が季節に応じて適正化され、省エネ性及び防犯性を両立することが可能となる。
【0067】
また、LED点灯装置1は更に、LED2の点灯から消灯までの点灯時間を計測する計時部34及び前回の点灯時間である前回点灯時間を記憶する記憶部35を備える。シーケンス生成部32は、全光期間T1及び調光期間T2の合計期間長L1+L2を前回点灯時間に基づいて更新して新たな点灯シーケンスを生成するように構成される。このように、全光期間T1から調光期間T2への切換タイミング及び調光期間T2から増光期間T3への切換タイミングが、夜間長に対応する前回点灯時間に応じて適正化されるので、現在時刻の情報が利用可能でない場合であっても点灯シーケンスの適正化が可能となる。
【0068】
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、合計期間長L1+L2の更新において、調光期間長L2が固定された状態で全光期間長L1が調整される構成を示したが、本実施形態では、全光期間長L1及び調光期間長L2の双方が調整される構成を示す。本実施形態のLED点灯装置1及び照明装置3のブロック図は、第1の実施形態について示した
図1のブロック図と同じである。本実施形態と第1の実施形態とでは、シーケンス生成部32における点灯シーケンスの設定が異なる。
【0069】
ところで、夜明け前の薄暗い時間帯においては、人の目の視認能力が低下する。これは、人の目が桿体細胞及び錐体細胞を有し、桿体細胞は光に対する高い感度を有して暗所で機能し、錐体細胞は色彩の識別が可能で明所で機能するが、薄暗い時間帯にはこれら双方の神経の働きが低下することによる。そこで、本実施形態は、特に、上記のように視界が悪くなりがちな夜明け前の時間帯に増光点灯を行い、歩行者、ドライバー等の安全性向上を図るものである。
【0070】
図5B及び
図5Bに、本実施形態における冬季及び夏季の点灯シーケンスをそれぞれ示す。
図5B及び
図5Bのいずれにおいても、点灯シーケンスは、日没付近の時刻t1から時刻t2までの全光期間T1、時刻t2から時刻t3までの調光期間T2、及び時刻t3から日の出付近の時刻t4までの増光期間T3を有する。全光期間T1においては全光点灯が行われ、調光期間T2においては調光率50%程度の調光点灯が行われ、増光期間T3においては全光点灯が行われる。本実施形態においても、調光期間T2における調光率は50%に限定されず、増光期間T3における全光点灯の代わりに、調光期間T2よりも高い調光率での調光点灯が行われてもよい。本実施形態においては、時刻t1から時刻t4までの長さにかかわらず、点灯シーケンスの終了前に必ず増光期間T3が含まれ、増光期間長L3が前回点灯時間に応じて増減される。シーケンス生成部32における点灯シーケンス設定の具体的な態様について、以下に実施例5及び6を例示する。
【0071】
[実施例5]
実施例5では、シーケンス生成部32は、前回点灯時間に対応する前日から当日にかけての夜間長に所定の割合βを乗じた値を合計期間長L1+L2として採用する。具体的には、合計期間長L1+L2=夜間長×βとし、本実施形態では一例として、β=0.94である。これにより、夜明け前の時間帯に対応する部分、すなわち点灯シーケンスの終端の6%(=1−β)の部分が増光期間T3に割り当てられる。なお、全光期間長L1は、上記第1の実施形態の実施例1〜4のいずれかと同様に設定されればよく、本実施例では実施例2の場合と同じであるものとする。
【0072】
図6は、本実施例の点灯シーケンスにおける時刻t2、時刻t3及び時刻t4と暦の関係を示す概略図である。横軸に季節を示し、縦軸に時刻を示す。上述したように、調光開始時刻t2は午前1時付近に設定され、増光開始時刻t3は常に点灯シーケンスの終了前に設定される。時刻t3の曲線は、日の出時刻に対応する時刻t4の曲線とほぼ相似する。
【0073】
表5に、2015年1月〜12月の東京における暦の抜粋を参照して、左列から以下を示す。
・日付k−1(各月の5日及び21日)の日の入時刻:前回点灯の時刻t1に対応
・日付k(各月の6日及び22日)の日の出時刻:前回点灯の時刻t4に対応
・日付k−1から日付kにかけての夜間長:前回点灯時間に対応
・全光期間長L1:第1の実施形態の実施例2と同じ(参照)
・合計期間長L1+L2:上記の設定
・日付kの日の入時刻:時刻t1に対応
・調光開始時刻t2:時刻t1に全光期間長L1を加算して得られた時刻(参照)
・増光開始時刻t3:時刻t1に合計期間長L1+L2を加算して得られた時刻
なお、日付k+1の日の出時刻(時刻t4に対応)は、日付kの日の出時刻の±1分以内であるので表示を省略する。
【表5】
【0074】
表5から分かるように、増光開始時刻t3は、日の出時刻t4の約35分から50分前となる。すなわち、35分から50分間程度の増光期間T3が日の出前に確保され、夜明け前の時間帯における歩行者、ドライバー等の視界向上によって安全性が高まる。
【0075】
[実施例6]
実施例6では、シーケンス生成部32は、前回点灯時間に対応する前日から当日にかけての夜間長に所定の一次関数を適用して得た値を合計期間長L1+L2として採用する。具体的には、合計期間長L1+L2=γ×夜間長+Lbとし、本実施形態では一例として、γ=0.65、Lb=3.0時間である。このような関数の適用により、日の出時刻に対応する時刻t4の前に増光開始時t3を設定でき、かつ冬季における増光開始時t3を早めることができる。具体的には、年間を通じて増光開始時t3が午前5時前に設定される。なお、γ=0.5、Lb=5時間15分(=1時間15分+4時間)とすれば、第1の実施形態の実施例3と同じ合計期間長L1+L2を得ることになる。全光期間長L1は、上記第1の実施形態の実施例1〜4のいずれかと同様に設定されればよく、本実施例では実施例2の場合と同じであるものとする。
【0076】
図7は、本実施例の点灯シーケンスにおける時刻t2、時刻t3及び時刻t4と暦の関係を示す概略図である。横軸に季節を示し、縦軸に時刻を示す。上述したように、調光開始時t2は午前1時付近に設定され、増光開始時t3は常に点灯シーケンスの終了前でかつ午前5時前に設定される。
【0077】
表6に、表5と同様の項目について各時刻及び時間を示す。表5と同様に、日付k+1の日の出時刻(時刻t4に対応)は、日付kの日の出時刻の±1分以内であるので表示を省略する。
【表6】
【0078】
表6から分かるように、増光期間T3は、遅くとも日の出時刻の約20分前には確保されるとともに、人の活動が増加し始める午前5時付近よりも前に開始される。これにより、夜明け前の時間帯における歩行者、ドライバー等の視界向上により安全性が高まるとともに、早朝における防犯性も高まる。
【0079】
以上のように、本実施形態のLED点灯装置1によると、更新される合計期間長L1+L2が、前回点灯時間未満となる範囲で、前回点灯時間に対応する夜間長の増減に対応して増減するように設定される。これにより、季節にかかわらず、夜明け前の薄暗い時間帯における増光点灯が実行され、歩行者、ドライバー等の視界向上により安全性を高めることができる。また、夜明け前の増光点灯により一定の防犯効果も期待される。この防犯効果については、実施例6に示したように、夜間長から合計期間長L1+L2を導出するための関数を適正化することにより、増光期間T3の開始時刻を人の活動時間に対してより適合させることができ、早朝における防犯性が更に向上する。このように、日没から夜明けまでの点灯シーケンス全体を季節に応じて適正化して省エネ性及び防犯性を両立することが可能となる。また、調光期間T2から増光期間T3への切換タイミングが、夜間長に対応する前回点灯時間に応じて適正化されるので、現在時刻の情報が利用可能でない場合であっても点灯シーケンスの適正化が可能となる。
【0080】
<第3の実施形態>
上記第1の実施形態では、増光開始時t3が午前5時付近で略一定となるように点灯シーケンスが設定される構成を示し、上記第2の実施形態では、増光開始時t3が日の出時刻t4より前となるように点灯シーケンスが設定される構成を示した。本実施形態では、夜間長が長い冬季には増光開始時t3が午前5時付近で略一定となり、夜間長が短い夏季には増光開始時t3が日の出時刻t4より前となるように点灯シーケンスが設定される構成を示す。本実施形態のLED点灯装置1及び照明装置3のブロック図は、第1の実施形態について示した
図1のブロック図と同じである。本実施形態と第1及び第2の実施形態とでは、シーケンス生成部32における点灯シーケンスの設定が異なる。
【0081】
概略として、本実施形態における点灯シーケンスは、冬季を含む期間においては第1の実施形態の
図2Aに示すものと同様であり、夏季を含む期間においては第2の実施形態の
図5Bに示すものと同じである。本実施形態においても、点灯シーケンスは、日没付近の時刻t1から時刻t2までの全光期間T1、時刻t2から時刻t3までの調光期間T2、及び時刻t3から日の出付近の時刻t4までの増光期間T3を有する。全光期間T1、調光期間T2及び増光期間T3における点灯状態並びに点灯時間と夜間長の関係は、上記第1及び第2の実施形態において示したものと同様である。
【0082】
図8は、本実施形態の点灯シーケンスにおける時刻t2、時刻t3及び時刻t4と暦の関係を示す概略図である。横軸に季節を示し、縦軸に時刻を示す。調光開始時t2は、第1の実施形態の実施例1から4のいずれかにおける時刻t2と同様であればよく、午前1時付近に設定される。増光開始時t3は、日の出時刻が比較的遅い冬季を含む期間Wにおいては午前5時付近に設定され、日の出時刻が比較的早い夏季を含む期間Sにおいては日の出時刻t4よりも前に設定される。シーケンス生成部32における点灯シーケンス設定の具体的な態様について、以下に実施例7を例示する。
【0083】
[実施例7]
実施例7では、シーケンス生成部32は、まず、第1の実施形態の実施例3における合計期間長L1+L2と同じ期間長X1、及び第2の実施形態の実施例5における合計期間長L1+L2と同じ期間長X2を演算する。すなわち、期間長X1=夜間長/2+5時間15分(=1時間15分+4時間)であり、期間長X2=0.94×夜間長である。そして、シーケンス生成部32は、期間長X1と期間長X2のうちの短い方を合計期間長L1+L2として採用する。これにより、
図8に示すような時刻t3の線が得られる。なお、期間長X1=期間長X2である場合には、どちらが採用されてもよい。
【0084】
より詳細には、実施例3の表3及び実施例5の表5にそれぞれ示す時刻t3の比較が参照される。2月21日以前及び10月22日以降を含む期間においては、期間長X1(表3参照)<期間長X2(表5参照)となるので、この期間が期間Wである。したがって、期間Wでは、合計期間長L1+L2として期間長X1が適用され、表3に示す時刻t3が採用される。一方、3月5日〜10月5日を含む期間においては、期間長X1(表3参照)>期間長X2(表5参照)となるので、この期間が期間Sである。したがって、期間Sでは、合計期間長L1+L2として期間長X2が適用され、表5に示す時刻t3が採用される。なお、本実施例を、実施例3と実施例5の複合形態として説明したが、実施例1、2又は4と実施例5の複合形態としてもよい。
【0085】
以上のように、本実施形態のLED点灯装置1によると、シーケンス生成部32は、点灯シーケンスにおける増光開始時刻t3が午前5時±1時間の範囲、好ましくは午前5時±30分の範囲に含まれるように設定される場合の合計期間長L1+L2である期間長X1、及び更新される合計期間長L1+L2が前回点灯時間未満となる範囲で前回点灯時間の増減に対応して増減するように設定される場合の合計期間長L1+L2である期間長X2を演算し、期間長X1及びX2のうちの短い方を合計期間長L1+L2として適用する。これにより、人の活動が増加し始める時間帯における増光点灯による防犯性の向上、及び夜明け前の薄暗い時間帯における歩行者、ドライバー等の視界向上による安全性の向上の双方が確実に実現される。また、調光期間T2から増光期間T3への切換タイミングが、夜間長に対応する前回点灯時間に応じて適正化されるので、現在時刻の情報が利用可能でない場合であっても点灯シーケンスの適正化が可能となる。
【0086】
<第4の実施形態>
上記第1の実施形態では、所定の地域(例えば、東京)において点灯シーケンスが適正化される構成を示したが、本実施形態では、経度の差に起因する暦の地域差を考慮して点灯シーケンスが適正化される構成を示す。
【0087】
ここで、表7に、東京及び福岡の2015年3月21日、6月21日、9月21日及び12月21日における日の入時刻、日の出時刻及び夜間長を示す。
【表7】
【0088】
表7から分かるように、夜間長は緯度に依存し、経度には依存しないため、緯度差が小さい東京と福岡とでは各日付における夜間長の差は小さい。一方、東京よりも西方に位置する福岡の日の入/日の出時刻は、経度差に起因して東京の日の入/日の出時刻よりも35〜40分程度遅い。そこで、日没が相対的に早い東京を含む東日本における全光期間長をL1e、日没が相対的に遅い福岡を含む西日本における全光期間長をL1w、調光期間長を双方についてL2とした場合に、L1e+L2>L1w+L2、すなわち、L1e>L1wとなるように点灯シーケンスが設定される。そして、夜間長は、東日本においても西日本においても概ね同じであるので、全光期間長L1eと全光期間長L1wの差分は季節によらず一定であればよい。
【0089】
図9に、本実施形態によるLED点灯装置1及び照明装置3のブロック図を示す。第1の実施形態における構成要素と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付す。本実施形態のLED点灯装置1は切換部40を備える。切換部40は、相対的に東側の地域(東日本)及び相対的に西側の地域(西日本)のいずれか一方における使用を選択するためのものである。
【0090】
切換部40は、例えば、ディップスイッチ等の機械スイッチであってもよいし、制御部30のマイコン又はその周辺回路によって接続構成が可変の実装部品であってもよい。切換部40が機械スイッチである場合にはその切換設定はユーザ、製造者等によって行われ、切換部40が実装部品である場合にはその切換設定は製造者によって行われる。あるいは、切換部40は交流電源ACの電源周波数を検出する検出回路であってもよい。この場合、切換部40はシーケンス生成部32に対して、検出される電源周波数が50Hzの場合には東日本用の点灯シーケンスを選択させ、検出される電源周波数が60Hzの場合には西日本用の点灯シーケンスを選択させる。このように、切換部40が検出回路である場合には、切換動作は自動で行われる。
【0091】
シーケンス生成部32は、切換に応じて東日本用又は西日本用の点灯シーケンスを記憶部35から読み出し、又はそれを導出するための式を記憶部35から読み出して前回点灯時間に基づいて点灯シーケンスを生成する。なお、増光開始時刻t3は、社会活動の習慣が同じである地域、例えば日本国内の各地域に対して同一であることが好ましい。したがって、調光開始時刻t2が適正化されることを前提として、調光期間長L2は地域によらず同じであればよい。
【0092】
図10に、東日本用(上段)及び西日本用(下段)の、例えば冬季の点灯シーケンスを示す。東日本用の点灯シーケンスは、日没付近の時刻t1eから時刻t2までの全光期間T1、時刻t2から時刻t3までの調光期間T2、及び時刻t3から日の出付近の時刻t4eまでの増光期間T3を有する。西日本用の点灯シーケンスは、日没付近の時刻t1wから時刻t2までの全光期間T1、時刻t2から時刻t3までの調光期間T2、及び時刻t3から日の出付近の時刻t4wまでの増光期間T3を有する。第1の実施形態と同様に、各点灯シーケンスにおいて、全光期間T1においては全光点灯が行われ、調光期間T2においては調光率50%程度の調光点灯が行われ、増光期間T3においては全光点灯が行われる。上述したように、西日本の時刻t1w及び時刻t4wは東日本の時刻t1e及び時刻t4eより遅いが、本実施形態では、点灯開始時刻にかかわらず両点灯シーケンスの調光開始時刻t2が近似するとともに増光開始時刻t3が近似するように点灯シーケンスが調整される。
【0093】
例えば、上記第1の実施形態の実施例1〜4のいずれかを本実施形態に適用する場合には、L1w=L1e−Lcとして、補正時間Lcを数十分程度とすれば、それぞれの点灯シーケンスの調光開始時刻t2の差が縮小されるとともに増光開始時刻t3の差も同様に縮小される。ちなみに、第2の実施形態の実施例5においては、点灯シーケンスの終端の(1−β)%が増光期間T3に設定されるので、増光開始時刻t3と日の出時刻に対応する時刻t4との関係は経度差に影響されない(緯度差にも影響されない)。したがって、実施例5における増光開始時刻t3の設定は、経度差(又は緯度差)のある各地域に対して修正なしで適用可能であることを注記しておく(ただし、調光開始時刻t2は修正されることが好ましい)。また、第2の実施形態の実施例6においては、西日本用の合計期間長L1w+L2を導出するための式における係数Lbが、東日本用の合計期間長L1e+L2を導出するための式における係数Lbよりも小さい値に設定されればよい。この場合の両者の差分は、上記補正時間Lcであればよい。
【0094】
以上のように、本実施形態のLED点灯装置1は、東日本及び西日本のいずれか一方における使用を選択するための切換部40を更に備え、西日本が選択された場合の全光期間長L1w(したがって、合計期間長L1w+L2)が、東日本が選択された場合の全光期間長L1e(したがって、合計期間長L1e+L2)よりも短くなるように設定される。これにより、上記第1から第3の実施形態における有利な効果の下、経度差に起因する暦の東西地域差に適応したLED点灯装置1及び照明装置3が実現される。
【0095】
<第5の実施形態>
上記第1乃至第4の実施形態では、計時部としてタイマを用いて前回点灯時間に基づいて点灯シーケンスが決定される構成を示したが、本実施形態では、計時部として現在時刻を出力する時計を用いて現在時刻に基づいて点灯シーケンスが決定される構成を示す。
【0096】
概略として、本実施形態における点灯シーケンスは、第1の実施形態の
図2A又は
図2Bに示すものと実質的に同様である。本実施形態においても、点灯シーケンスは、日没付近の時刻t1から時刻t2までの全光期間T1、時刻t2から時刻t3までの調光期間T2、及び時刻t3から日の出付近の時刻t4までの増光期間T3を有する。全光期間T1、調光期間T2及び増光期間T3における点灯状態並びに点灯時間と夜間長の関係は、上記各実施形態において示したものと同様である。
【0097】
また、本実施形態の点灯シーケンスにおける時刻t2、時刻t3及び時刻t4と暦の関係は第1の実施形態の
図3と実質的に同様である。ただし、第1の実施形態と異なり、本実施形態においては、図示の通り、時刻t2及び時刻t3の直線に変動幅はない。本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、夏季の点灯シーケンスにおいて、日の出付近の時刻t4が増光開始時刻t3以前となる場合には、増光期間T3は実行されず、点灯シーケンスは調光期間T2で終了することになる。
【0098】
図11に、本実施形態によるLED点灯装置1及び照明装置3のブロック図を示す。第1の実施形態における構成要素と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付す。本実施形態のLED点灯装置1は計時部50を備える。計時部50は時計からなり、現在時刻tcを制御部30に出力する。なお、計時部50は制御部30に含まれていてもよい。また、計時部(タイマ)34は、点灯シーケンス設定の処理には直接使用されない。
【0099】
計時部50が出力する現在時刻tcが午前1時±30分の所定の設定時刻t2(例えば、午前1時00分)に達した時点で、シーケンス生成部32は点灯シーケンスの全光期間T1を終了させて調光期間T2を開始させる。そして、現在時刻tcが午前5時±30分の所定の設定時刻t3(例えば、午前5時00分)に達した時点で、シーケンス生成部32は点灯シーケンスの調光期間T2を終了させて増光期間T3を開始させる。シーケンス生成部32における点灯シーケンスの具体的な設定について、以下に実施例8を例示する。
【0100】
[実施例8]
実施例8では、調光開始時刻t2が午前1時00分に設定され、増光開始時刻t3が午前5時00分に設定される。表8に、2015年1月〜12月の東京における暦の抜粋を参照して、左列から以下を示す。
・日付k−1の日の入時刻:時刻t1に対応
・調光開始時刻t2:午前1時00分に固定
・増光開始時刻t3:午前5時00分に固定
・日付kの日の出時刻:時刻t4に対応
【表8】
【0101】
表8から分かるように、増光開始時刻t3は午前5時00分に設定されているので、時刻t3が日の出時刻t4以後になる4月22日〜8月6日を含む期間においては、増光期間T3は実行されない。
【0102】
以上のように、本実施形態のLED点灯装置1は、現在時刻tcを出力する計時部50を更に備え、現在時刻tcが午前5時±30分の所定の設定時刻t3に達した時点で増光期間T3が開始されるように構成される。このように、点灯シーケンスが現在時刻tcに従って生成されるので、時計機能を有する計時部50を設けるための若干の追加コストがかかるものの、調光開始時刻t2及び増光開始時刻t3が、暦の複雑な挙動、照度検出部20の照度センサの検出誤差等の影響を受けることはなく、高精度な点灯シーケンス設定が実現される。
【0103】
<第6の実施形態>
上記第2の実施形態では、点灯期間の終端部分の所定割合が増光期間T3に割り当てられて増光開始時刻t3が決定される構成を示したが、本実施形態では、前回消灯時刻及び現在時刻に基づいて増光開始時刻t3が決定される構成を示す。本実施形態のLED点灯装置1及び照明装置3のブロック図は、第5の実施形態について示した
図11のブロック図と同じである。
【0104】
概略として、本実施形態における点灯シーケンスの態様は、第2の実施形態のものと実質的に同じである。すなわち、本実施形態の点灯シーケンスは
図5A及び
図5Bに示すものと実質的に同様であり、点灯シーケンスにおける時刻t2、時刻t3及び時刻t4と暦の関係は
図6に示すものと実質的に同様である。本実施形態においても、点灯シーケンスは、日没付近の時刻t1から時刻t2までの全光期間T1、時刻t2から時刻t3までの調光期間T2、及び時刻t3から日の出付近の時刻t4までの増光期間T3を有する。全光期間T1、調光期間T2及び増光期間T3における点灯状態並びに点灯時間と夜間長の関係は、上記各実施形態において示したものと同様である。調光開始時刻t2は、上記第5の実施形態と同様に、例えば午前1時に設定されればよい。
【0105】
シーケンス生成部32は、記憶部35に記憶された日付k−1の前回点灯における消灯時刻を参照して、前回消灯時刻の所定時間前(例えば、40分前)の時刻を増光開始時刻t3として設定する。例えば、前回消灯時刻が午前5時20分であった場合、シーケンス生成部32は、この40分前に対応する午前4時40分を増光開始時刻t3として設定する。そして、日付kの次回点灯において、計時部50によって出力される現在時刻tcが時刻t3(本例では午前4時40分)になった時点で、シーケンス生成部32は点灯シーケンスの調光点灯T2を終了させて増光期間T3を開始させる。これにより、日付kの次回点灯において、日の出時刻t4よりも40分程度前の時刻t3から増光期間T3が実行される。
【0106】
以上のように、本実施形態のLED点灯装置1によると、LED2の前回消灯時刻が記憶部35に記憶され、現在時刻tcが前回消灯時刻の所定時間前に対応する時刻に達した時点で増光期間T3が開始される。これにより、第2及び第5の実施形態と同様に、季節にかかわらず、夜明け前の薄暗い時間帯における増光点灯が実行され、歩行者、ドライバー等の視界向上により安全性を高めることができる。また、夜明け前の増光点灯により一定の防犯効果も期待される。
【0107】
<第7の実施形態>
上記第6の実施形態では、前回消灯時刻及び現在時刻に基づいて増光期間T3が開始される構成を示したが、本実施形態では前回消灯時刻及びその後の経過時間に基づいて増光期間T3が開始される構成を示す。本実施形態のLED点灯装置1及び照明装置3のブロック図は、第1の実施形態について示した
図1のブロック図と同じである。
【0108】
概略として、本実施形態における点灯シーケンスの態様は、第2及び第6の実施形態のものと実質的に同じである。すなわち、本実施形態の点灯シーケンスは
図5A及び
図5Bに示すものと実質的に同様であり、点灯シーケンスにおける時刻t2、時刻t3及び時刻t4と暦の関係は
図6に示すものと実質的に同様である。本実施形態においても、点灯シーケンスは、日没付近の時刻t1から時刻t2までの全光期間T1、時刻t2から時刻t3までの調光期間T2、及び時刻t3から日の出付近の時刻t4までの増光期間T3を有する。全光期間T1、調光期間T2及び増光期間T3における点灯状態並びに点灯時間と夜間長の関係は、上記各実施形態において示したものと同様である。調光開始時刻t2は、上記第2の実施形態と同様に、例えば午前1時付近に設定されればよい。
【0109】
シーケンス生成部32は、計時部34によって計測される日付k−1の前回消灯時刻からの経過時間を参照して、経過時間が所定時間(例えば、23時間20分後)に達した時点で増光期間T3を開始させる。例えば、前回消灯時刻が午前4時50分であった場合、シーケンス生成部32は、この23時間20分後の午前4時10分に増光期間T3を開始させる。これにより、日付kの次回点灯において、日の出時刻t4よりも40分程度前から増光期間T3が実行される。
【0110】
以上のように、本実施形態のLED点灯装置1は、前回消灯時からの経過時間が計時部34によって計測され、経過時間が所定時間に達した時点で増光期間T3が開始される。これにより、第2及び第6の実施形態と同様に、季節にかかわらず、夜明け前の薄暗い時間帯における増光点灯が実行され、歩行者、ドライバー等の視界向上により安全性を高めることができる。また、夜明け前の増光点灯により一定の防犯効果も期待される。また、本実施形態では、時計からなる計時手段を用いる必要がないので、LED点灯装置1及び照明装置3の構成の簡素化が可能となる。
【0111】
<第8の実施形態>
上記第7の実施形態では、前回消灯時刻及びその後の経過時間に基づいて増光期間T3が開始される構成を示したが、本実施形態では、日の出前に環境照度が若干明るくなった時点で増光期間T3が開始される構成を示す。本実施形態のLED点灯装置1及び照明装置3のブロック図は、第1の実施形態について示した
図1のブロック図と同じである。
【0112】
概略として、本実施形態における点灯シーケンスの態様は第2、第6及び第7の実施形態と同様である。すなわち、点灯シーケンスは
図5A及び
図5Bに示すものと実質的に同様であり、点灯シーケンスにおける時刻t2、時刻t3及び時刻t4と暦の関係は
図6に示すものと実質的に同様である。本実施形態においても、点灯シーケンスは、日没付近の時刻t1から時刻t2までの全光期間T1、時刻t2から時刻t3までの調光期間T2、及び時刻t3から日の出付近の時刻t4までの増光期間T3を有する。全光期間T1、調光期間T2及び増光期間T3における点灯状態並びに点灯時間と夜間長の関係は、上記各実施形態において示したものと同様である。調光開始時刻t2は、上記第2、第6及び第7の実施形態と同様に、例えば午前1時付近に設定されればよい。
【0113】
シーケンス生成部32は、調光期間T2において、照度検出部20によって検出される環境照度が増光用閾値以上となったか否かを判別する。本明細書において、増光用閾値は、点滅用閾値に対応する照度よりも低い照度に対応し、かつ深夜時間帯の照度(例えば、時刻t2における照度)よりも高い照度に対応する閾値であるものとする。環境照度が増光用閾値以上となった時点で、シーケンス生成部32は、点灯シーケンスの調光期間T2を終了させて増光期間T3を開始させる。
【0114】
以上のように、本実施形態のLED点灯装置1によると、照度検出部20によって検出される環境照度が、点滅用閾値よりも低い増光用閾値以上となった時点で増光期間T3が開始されるように構成される。これにより、第2の実施形態と同様に、季節にかかわらず、夜明け前の薄暗い時間帯における増光点灯が実行され、歩行者、ドライバー等の視界向上により安全性を高めることができる。また、夜明け前の増光点灯により一定の防犯効果も期待される。また、本実施形態では、点灯シーケンスを生成するために時計、タイマ等の計時手段を用いる必要がないので、LED点灯装置1及び照明装置3の構成の更なる簡素化が可能となる。
【0115】
<第9の実施形態>
上記第5の実施形態では、増光開始時刻t3が午前5時で一定となるように点灯シーケンスが設定される構成を示し、上記第6から第8の実施形態では、増光開始時刻t3が日の出時刻t4より前となるように点灯シーケンスが設定される構成を示した。本実施形態では、夜間長が長い冬季には増光開始時刻t3が午前5時で一定となり、夜間長が短い夏季には増光開始時刻t3が日の出時刻t4より前となるように点灯シーケンスが設定される構成を示す。本実施形態のLED点灯装置1及び照明装置3のブロック図は、第5の実施形態について示した
図11のブロック図と同じである。
【0116】
概略として、本実施形態における点灯シーケンスの態様は、第3の実施形態のものと実質的に同じである。すなわち、点灯シーケンスは、冬季を含む期間においては
図2A(第1の実施形態)に示すものと同様であり、夏季を含む期間においては
図5B(第2の実施形態)に示すものと同じであり、点灯シーケンスにおける時刻t2、時刻t3及び時刻t4と暦の関係は
図8(第3の実施形態)に示すものと実質的に同様である。本実施形態においても、点灯シーケンスは、日没付近の時刻t1から時刻t2までの全光期間T1、時刻t2から時刻t3までの調光期間T2、及び時刻t3から日の出付近の時刻t4までの増光期間T3を有する。全光期間T1、調光期間T2及び増光期間T3における点灯状態並びに点灯時間と夜間長の関係は、上記各実施形態において示したものと同様である。調光開始時刻t2は、上記第5の実施形態と同様に、例えば午前1時に設定されればよい。
【0117】
一態様として、調光期間T2において、計時部50によって出力される現在時刻tcが午前5時±30分の所定の設定時刻(例えば、午前5時00分)に達した時点、又は記憶部35に記憶されている前回消灯時刻の所定時間前(例えば、40分前)に対応する時刻に達した時点で、シーケンス生成部32は点灯シーケンスの調光点灯T2を終了させて増光期間T3を開始させる。これにより、日の出時刻が比較的遅い期間(期間W)では増光開始時刻t3は所定の設定時刻(午前5時00分)となり、日の出時刻が比較的早い期間(期間S)では増光開始時刻t3は前回消灯時刻の所定時間前(40分前)に対応する時刻となる。
【0118】
他の態様として、調光期間T2において、計時部50によって出力される現在時刻tcが午前5時±30分の所定の設定時刻(例えば、午前5時00分)に達した時点、又は計時部34によって測定される前回消灯時からの経過時間が所定の設定時間(例えば、23時間20分)に達した時点のいずれか早い時点で、シーケンス生成部32は点灯シーケンスの調光点灯T2を終了させて増光期間T3を開始させる。これにより、日の出時刻が比較的遅い期間(期間W)では増光開始時刻t3は所定の設定時刻(午前5時00分)となり、日の出時刻が比較的早い期間(期間S)では増光開始時刻t3は前回消灯時から所定の設定時間経過後(23時間20分後)の時刻となる。
【0119】
他の態様として、調光期間T2において、計時部50によって出力される現在時刻tcが午前5時±30分の所定の設定時刻(例えば、午前5時00分)に達した時点、又は照度検出部20によって検出される環境照度が増光用閾値以上となった時点のいずれか早い時点で、シーケンス生成部32は点灯シーケンスの調光点灯T2を終了させて増光期間T3を開始させる。これにより、日の出時刻が比較的遅い期間(期間W)では増光開始時刻t3は所定の設定時刻(午前5時00分)となり、日の出時刻が比較的早い期間(期間S)では増光開始時刻t3は環境照度が増光用閾値以上となった時刻となる。
【0120】
以上のように、本実施形態のLED点灯装置1は、現在時刻を出力する計時部50を備える。そして、現在時刻tcが午前5時±30分の所定の設定時刻に達した時点又は前回消灯時刻の所定時間前に対応する時刻に達した時点のいずれか早い時点で増光期間T3が開始される。あるいは、現在時刻tcが午前5時±30分の所定の設定時刻に達した時点又は前回消灯時からの経過時間が所定時間に達した時点のいずれか早い時点で増光期間T3が開始される。あるいは、現在時刻tcが午前5時±30分の所定の設定時刻に達した時点又は照度検出部20によって検出される環境照度が点滅用閾値よりも低い増光用閾値以上となった時点のいずれか早い時点で増光期間T3が開始される。これにより、所定の設定時刻又は日の出前の時刻のいずれか早い時刻で増光期間T3が開始される。したがって、人の活動が増加し始める時間帯における増光点灯による防犯性の向上、及び夜明け前の薄暗い時間帯における歩行者、ドライバー等の視界向上による安全性の向上の双方が確実に実現される。
【0121】
<第10の実施形態>
上記第9の実施形態の一態様として、夜間長が長い冬季には現在時刻に応じて増光開始時刻t3が午前5時で一定となり、夜間長が短い夏季には環境照度に応じて増光開始時刻t3が日の出時刻t4より前となるように点灯シーケンスが設定される構成を示した。本実施形態では、夜間長が長い冬季には前回点灯時間に応じて増光開始時刻t3が午前5時で略一定となり、夜間長が短い夏季には環境照度に応じて増光開始時刻t3が日の出時刻t4より前となるように点灯シーケンスが設定される構成を示す。本実施形態のLED点灯装置1及び照明装置3のブロック図は、第1の実施形態について示した
図1のブロック図と同じである。
【0122】
概略として、本実施形態における点灯シーケンスの態様は、第3の実施形態のものと実質的に同じである。すなわち、点灯シーケンスは、冬季を含む期間においては
図2A(第1の実施形態)に示すものと同様であり、夏季を含む期間においては
図5B(第2の実施形態)に示すものと同じであり、点灯シーケンスにおける時刻t2、時刻t3及び時刻t4と暦の関係は
図8(第3の実施形態)に示すものと実質的に同様である。本実施形態においても、点灯シーケンスは、日没付近の時刻t1から時刻t2までの全光期間T1、時刻t2から時刻t3までの調光期間T2、及び時刻t3から日の出付近の時刻t4までの増光期間T3を有する。全光期間T1、調光期間T2及び増光期間T3における点灯状態並びに点灯時間と夜間長の関係は、上記各実施形態において示したものと同様である。調光開始時刻t2は、上記第1の実施形態と同様に、例えば午前1時付近に設定されればよい。
【0123】
シーケンス生成部32は、第1の実施形態と同様に、増光開始時刻t3が午前5時±1時間、好ましくは午前5時±30分となるように合計期間長L1+L2を演算する。そして、点灯開始時刻t1に合計期間長L1+L2を加算した時刻又は照度検出部20によって検出される環境照度が増光用閾値以上となる時刻のいずれか先に到来する時刻において、シーケンス生成部32は点灯シーケンスの調光点灯T2を終了させて増光期間T3を開始させる。これにより、日の出時刻が比較的遅い期間(期間W)では増光開始時刻t3は午前5時付近となり、日の出時刻が比較的早い期間(期間S)では増光開始時刻t3は環境照度が増光用閾値以上となった時刻となる。
【0124】
以上のように、本実施形態のLED点灯装置1によると、点灯シーケンスにおける増光開始時刻t3が午前5時±1時間の範囲、好ましくは午前5時±30分の範囲に含まれるように設定された合計期間長L1+L2がシーケンス生成部32によって演算され、点灯開始時t0から合計期間長L1+L2を経過する時点又は照度検出部20によって検出される環境照度が点滅用閾値よりも低い増光用閾値以上となる時点のいずれか早い時点で増光期間T3が開始される。これにより、人の活動が増加し始める時間帯における増光点灯による防犯性の向上、及び夜明け前の薄暗い時間帯における歩行者、ドライバー等の視界向上による安全性の向上の双方が確実に実現される。また、調光期間T2から増光期間T3への切換タイミングが、夜間長に対応する前回点灯時間に応じて適正化されるので、現在時刻の情報が利用可能でない場合であっても点灯シーケンスの適正化が可能となる。
【0125】
<第11の実施形態>
上記第5の実施形態では、調光開始時刻t2及び増光開始時刻t3が年間を通じて固定の時刻に設定される構成を示したが、本実施形態では、調光開始時刻t2及び増光開始時刻t3が暦に基づいて変動する時刻に設定される構成を示す。本実施形態のLED点灯装置1及び照明装置3のブロック図は、第5の実施形態について示した
図11のブロック図と同じである。
【0126】
本実施形態では、計時部50はカレンダー及び時計機能を有し、現在の日付Dc及び現在時刻tcを制御部30に出力する。記憶部35には、カレンダーの各日付Dに対応する調光期間T2の設定開始時刻t2(D)及び増光期間T3の設定開始時刻t3(D)が予め記憶されている。設定開始時刻t2(D)及び設定開始時刻t3(D)は、例えば、日付Dの暦上の日の出時刻(各表参照)に基づいて事前に決定される。年間を通じた設定開始時刻t2(D)及び設定開始時刻t3(D)は任意に設定され、例えば、
図6に示す時刻t2及び時刻t3を再現するようなデータとして設定される。現在の日付Dcの現在時刻tcが設定開始時刻t2(D)に達した時点で、シーケンス生成部32は点灯シーケンスの全光期間T1を終了させて調光期間T2を開始させる。そして、現在の日付Dcの現在時刻tcが設定開始時刻t3(Dc)に達した時点で、シーケンス生成部32は点灯シーケンスの調光期間T2を終了させて増光期間T3を開始させる。
【0127】
以上のように、本実施形態のLED点灯装置1によると、現在の日付D及び現在時刻tcが計時部50によって出力され、各日付Dに対応する増光期間T3の設定開始時刻t3(D)が記憶部35に記憶される。そして、現在時刻tcが、現在時刻tcが属する現在の日付Dcに対応する設定開始時刻t3(Dc)に達した時点で増光期間T3が開始される。これにより、暦に応じた点灯シーケンス設定が実現され、季節を通じて精度の高い点灯シーケンス設定が可能となる。また更に、特定の日又は地域に対応した柔軟な点灯シーケンス設定が可能となり、例えば、平日と休日で異なる点灯シーケンス(各期間の期間長、開始時刻、調光率等が異なる点灯シーケンス)を採用すること、東日本と西日本で異なる点灯シーケンスを採用すること等が可能となる。
【0128】
<変形例>
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、本発明は、例えば以下に示すように種々の態様に変形可能である。
【0129】
(1)点灯時間の特定に関する変形
上記各実施形態においては、日の入時刻で点灯が開始されるとともに日の出時刻に消灯される設定を示したが、日の入時刻前に点灯が開始されるとともに日の出時刻後に消灯される設定にも本発明は適用可能である。実施例1及び2においては、点灯時間の拡張に応じて全光期間長L1を増加させればよく、実施例3〜11においては、点灯時間の拡張に伴う実質的な修正は不要である。
【0130】
(2)調光期間長L2の変形
上記第1の実施形態では、調光期間長L2が固定値であるものとしたが、調光期間長L2は変動値であってもよい。例えば、夜間長(前回点灯時間)の増減に対応して調光期間長L2が増減するようにして、増光開始時刻t3が、日の出時刻に対応する時刻t4よりも前になるようにしてもよい。これにより、第2の実施形態の実施例6と同様の効果を得ることができる。
【0131】
(3)光出力の切換態様の変形
上記各実施形態では、点灯シーケンスにおける時刻t1、t2、t3及びt4の各時刻において、光出力が1段のステップで切り換えられる構成を示したが、各時刻における光出力の切換は多段階に行われてもよいし、連続的になだらかに行われるように構成してもよい。
【0132】
(4)適用される関数の変形
上記各実施形態においては、合計期間長L1+L2、全光期間長L1又は調光期間長L2を決定するために種々の関数を用いたが、これらは一例であり、他の関数が使用されてもよい。例えば、第2の実施形態においては、合計期間長L1+L2を導出するために夜間長の一次関数を用いたが、二次関数、対数関数、三角関数等、他の関数が用いられてもよい。