(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献記載の建屋式の精米設備は、簡易な構成の建屋により、受入スペースの多様な使用によって幅広い様態に対応することが出来る構成であるが、堅牢度、外観などには改善の余地があった。
【0005】
本発明の課題は、屋外に設置される建屋の存在を目立たせ、不特定の人に認識し易く、また、雨水の処理がし易い建屋式の精米設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は次の解決手段を採用した。
請求項1記載の発明は、柱(26,27など)に平板状の床部(36,37)と側壁部と屋根(24)を組み付けて建屋(1)とし、建屋(1)の内部を前側の客室(3)と後側の機械室(4)に仕切る仕切壁(2)を設け、客室(3)の前側には利用者が出入りする利用者用出入り扉(21)を設け、建屋(1)の屋根(24)を前側から後側に向かって下がり傾斜状とし、屋根(24)は、利用者用出入り扉(21)より前方に突出し、その前端部側に軒部(25)を形成し、軒部(25)の前側に屋根(24)よりも上方に上端部が位置する前看板(K1)を取り付ける前看板取り付け部(40)を設け、屋根(24)の後端部は建屋(1)の後壁(19)より後方に位置する構成とし、屋根(24)の後端部から設定距離離間した位置に、屋根(24)の略左右幅全体にわたって延びる後看板(K3)を設け、後看板(K3)を支持する後看板取付部(42)は、少なくとも後看板(K3)の左右両側部を支持するように建屋(1)の背面に取り付け、屋根(24)の後端部から排出された雨水が後看板(K3)に当接して下方に落下排水可能にすべく、屋根(24)の後端部と後看板(K3)とが離間
する構成とし、前記建屋(1)の屋根(24)の左右両側に前後方向に延びる上柱部(28)を設け、左右方向に延びる横看板(K2)を取り付ける横看板用取付フレーム(51)を前記上柱部(28)の外側面に取り付け、クレーンで吊上げるための吊上げ用のフック(44)を、機械室(4)の前後方向中間位置と客室(3)の前後方向中間位置にそれぞれ設け、上柱部(28)の前部及び後部のそれぞれの下面に、運搬車にロープで固定するための荷台固定用フック(45)をそれぞれ着脱可能に設けたことを特徴とする建屋式の精米設備である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1記載の構成より、前看板(K1)が
軒部(25)の前側にあって屋根(24)より上方に突出するため、建屋(1)の外観を目立たせ易く、また、後看板(K3)により、建屋(1)の後方からも建屋(1)の存在を目立たせることができる。また、屋根(24)上の雨水が建屋(1)の後側に流れるので、客室(3)側に出入りする利用者に雨水がかかるのを防止できる。また、屋根(24)
全体の後端部から排出される雨水が後看板(K3)に当接して落下排水できるので屋根上の雨水の排水が良好になる。
また、屋根(24)の後端部は建屋(1)の後壁より後方に位置するため、後壁(19)に落下排水された雨水がかかり難くなり、後壁(19)の腐食の進行をし難くすることができる。
【0010】
また
、トラック等の運搬車の荷台に建屋(1)を搭載して運搬するときに、ロープを固定用フック(45)に掛けて前後から荷台に固定できるので、安全にトラックで運搬できる。また、建屋(1)のトラックによる輸送時に、トラックの荷台への積み下ろしに、クレーン等で吊上げ用のフック(44)を使用することができ、積み下ろし作業がしやすい。
【0011】
さらに
、建屋(1)を輸送するためにトラック等の運搬車の荷台へ建屋(1)を積み下ろす場合に、クレーン等で吊上げる際の前後バランスが良好であり、積み下ろし作業がしやすい。
また、建屋(1)を目的地まで運搬した後は荷台固定用フック(45)を外すことで建屋(1)の外観を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施例の精米設備の正面から見た客室を示す建屋式の精米設備の正面図である。
【
図2】
図1の精米設備の内部を説明するための、屋根を取り払った状態の精米設備の平面図である。
【
図3】
図1の精米設備の各設備の作業工程を説明する図である。
【
図6】
図1の精米設備を建屋部分の一部上面図である。
【
図7】
図1の精米設備の後看板を外した建屋の背面図である。
【
図8】
図1の精米設備の建屋の上柱に取り付ける横看板の取付構成を示す部分側断面図である。
【
図9】
図1の精米設備の横看板用取り付けフレームを上柱と第二上柱に取り付ける取付部の部分斜視図である。
【
図10】
図1の精米設備の建屋の柱構造を示す斜視図である。
【
図11】
図1の精米設備の建屋の柱構造に客室扉と機械室扉などを取り付ける工程を示す斜視図である。
【
図12】
図1の精米設備を側面から見た建屋の後部を示す建屋部分側面図である。
【
図13】
図1の精米設備を背面から見た建屋を示す建屋部分背面図である。
【
図14】
図1の精米設備を側面から見た建屋の柱部分に後看板を取り付ける工程を示す建屋部分側面図である。
【
図15】
図1の精米設備の屋根の形状を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態の建屋式の精米設備について、以下説明する。
本実施の形態の精米設備では、
図2に示すように、建屋1は、仕切壁2により、利用者が出入りする客室3と装置各部を配置する機械室4に仕切られている。
【0014】
客室3側には、利用者が持参した玄米を機械室4側に配置された投入ホッパ5に投入する投入口を開閉する昇降式の開閉扉6と、利用者が精白度を選択する精白度選択スイッチ7と、料金投入口8と、釣銭返却口9と、精米運転の状況を表示する表示画面10と、精米処理された精白米を収容する白米タンク11を設ける。
【0015】
図2又は
図3に示すように、機械室4側には、投入ホッパ5内に投入された玄米を繰り出すロータリバルブ12と、玄米に混じる石を除去する石抜機13と、石抜きされた玄米を精米処理する精米機14を備える。また、ロータリバルブ12で繰り出された玄米を石抜機13に供給する第一昇降機15と、石抜機13で石抜き処理された玄米を精米機14に供給する第二昇降機16を設ける。また、精米機14で精米処理された精白米を収容する白米タンク11を備えている。
【0016】
次に建屋1の外観について説明する。
図4又は
図5に示すように、建屋1の正面には、利用者が客室3を出入りするための客室扉21を備えた建屋正面に設け、建屋1の側壁22には管理者が機械室2を出入りするための機械室扉23を設けている。建屋1の屋根24(
図7)は客室扉21より前側に突出し、屋根24の前端部は屋根24よりも上方に延びる軒部25(
図10)を形成し、軒部25の前側は前看板K1を設ける。
【0017】
図5に示すように、建屋1の側壁22の上側には横看板K2を設け、屋根24の後端部から設定距離離間する位置に後看板K3を設ける。後看板K3の下端部は屋根24よりも下方に位置して後壁19(
図7)と対向し、後看板K3の上端は屋根24よりも上方に位置する(
図12)。
【0018】
屋根24は
図15に示すように連続する凹凸状を折板状に形成し、その前端部を軒部25の背面に接続し、その後端部は建屋1の後壁19より後方まで延びている。そして、屋根24の前端部から後端部に向かって後斜め下がり姿勢に構成している。
【0019】
次に建屋1の柱構成について説明する。
図4と
図5と
図10に示すように、左右一対の前柱26及び後柱27を設け、前柱26の上端部と後柱27の上端部を前後方向に延びる左右一対の上柱28でそれぞれ連結する。上柱28は、前柱26より前方に突出し、その前端部を軒部25の背面に連結している。また、前柱26の下端部と後柱27の下端部を前後方向に延びる左右一対の下柱29でそれぞれ連結する。
【0020】
左右一対の上柱28の中間部と下柱29の中間部を一対の第一中間上下フレーム30及び一対の第二中間上下フレーム31の両端にそれぞれ連結する。左右の上柱28の後端部同士を後左右フレーム20で連結する。左右の上柱28の中間部を第一中間左右フレーム33と第二中間左右フレーム34と第三中間左右フレーム35の両端にそれぞれ連結する。また、一対の第一中間上下フレーム30の上端と第一中間左右フレーム33の両端をそれぞれ連結し、機械室4内の略前後方向の中間部を正面視で門構えに構成している。
【0021】
第二中間上下フレーム31の上端と第二中間左右フレーム34の両端をそれぞれ連結し、正面視で門構えに構成し、仕切壁2の外周を支持する構成とする。また、第三中間左右フレーム35の両端を前柱26の上端に連結し、正面視で門構えに構成している。
【0022】
図10に示すように、一対の下柱29の間には機械室床36と客室床37が配置される。また、第一中間上下フレーム30と第二中間上下フレーム31の間、及び第二中間上下フレーム31と前柱26の間等には補強フレームhが取り付けられる。
図10に示す補強フレームh以外にも適宜の箇所に設けられるが、全ての補強フレームhについての説明は省略する。
【0023】
次に看板K1、K2、K3の取り付け構造について説明する。
前看板K1を取り付ける軒部25は
図10に示すように平面視でコ型に形成され、軒部25の左右後部25aを前柱26の前面に取り付ける構成である。軒部25の前面部分25bに前看板取付プレート40を取りつける。本実施の形態の前看板K1は電飾看板であり、前看板取付プレート40には電飾用の部材41を取り付けている。前看板K1は軒部25の左右幅略全体にわたって覆う構成とし、その上部をアーチ状に形成している。前看板取付プレート40及び軒部25の前面部分25bも前看板K1の形状に沿う形状に形成している。
【0024】
後看板K3は、左右の後柱27からそれぞれ後方に突出する後看板取付プレート42で支持されている。
図6に示すように、後看板取付プレート42は左右の後柱27にそれぞれ取り付ける基部42aと、後方に突出する突出部42bと、突出部42bの後端から左右方向に延びる後看板取り付け部42cで構成されている。
【0025】
図5、
図12及び
図13に示すように、後看板K3の上端部は屋根24より高い位置にあり、後看板K3の下端部は屋根24より低い後壁19と対向する位置にある。そして、後看板K3の背面と屋根24の後端部は後看板取付プレート42を介して互いに離間して対向する構成としている。後看板K3の左右方向は屋根24と略同じ幅に形成している。
【0026】
図10に示すように、前柱26と第一中間上下フレーム30の間に亘って前後方向に延びる第二上柱50を上柱28の下部に取り付ける。また、
図9に示すように、横看板K2を取り付ける横看板用取付フレーム51を上柱28の外側面と第二上柱50の外側面に亘って、上柱28と第二上柱50を覆うように取り付けている。横看板K2の上端は上柱28の上端面と面位置を略合わせている。
【0027】
次に、フック44、45の取り付け構成について説明する。
吊上げ用フック44(44a、44b)を上柱28の上面部に前後方向に複数取り付けている(
図5参照)。本実施の形態では上柱28に前後方向に2つ設けており、後吊上げ用フック44aを第一中間左右フレーム33の隣接位置に設け、前吊上げ用フック44bを第二中間左右フレーム34と第三中間左右フレーム35の間の位置に設けている。すなわち、機械室4の前後方向中間位置と、客室3の前後方向中間位置に吊上げ用フック44a、44bを設けており、建屋1の輸送時にトラックの荷台への積み下ろし時にクレーン等(図示せず)で吊り上げる際に前後バランスが良好であり、積み下ろし作業がし易い。
【0028】
また、本実施の形態の固定用フック45(45a、45b)は前後方向に2つ設けており、前固定用フック45aは軒部25の左右後部25aの下面部に設け(
図5参照)、後固定用フック45bは上柱28の後端部の下面部に設け(
図5、
図7参照)ている。
【0029】
そのため、トラックの荷台(図示せず)に建屋1を搭載し、運搬するときに、ロープを固定用フック45に掛けて前後から荷台に固定できるので、安全にトラックで運搬できる。また、
図14に示すように、固定用フック45はナット等の締結具46で着脱可能に構成することで、建屋1を目的まで運搬した後は固定用フック45を外すことで、建屋の外観を良好にすることができる。
【0030】
以下、本実施の形態の精米設備の建屋1の特徴について述べる。
屋根24に降った雨水は、後傾斜姿勢の屋根24に沿って、後方に流れる。そして、屋根24の後端部から排出された雨水は、後看板K3又は後看板取付プレート42に当接して、下方に落下排水される。
【0031】
そのため、雨水を確実に落下排水することができ、建屋1に隣接する他の建屋や構造物に雨水がかかり難い。また、屋根24の後端部は建屋1の後壁19より後方に位置するため、後壁19に雨水がかかり難くなり、後壁19の腐食の進行をし難くすることができる。また、後壁19に設けている換気扇54(
図7)に雨水がかかり難くすることができる。また、屋根24の前端部は前看板K1を取り付ける軒部25が屋根24よりも上方に突出しているので屋根24に降った雨水が客室3に出入りする利用者にかかるのを防止できる。
【0032】
本実施の形態では前看板K1のみが電飾看板であるが、横看板K2と後看板K3を電飾看板にすることが可能である。