(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体基板を収容する容器は、収容物を収容する収容空間が前方寄りに形成されている等により、上下方向に見た場合の容器の重心が、底部における基準位置より前方に位置している場合がある。このように、容器の重心が3つの支持部の基準位置に対して前方に位置している場合は、地震により容器支持棚が揺れたときに支持体に支持されている容器が前方に転倒し易い。
【0005】
そこで、支持体に支持されている容器が前方に転倒し難い容器支持棚が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る容器支持棚の特徴構成は、半導体基板を収容する容器の底部を下方から支持する第一支持体を備えた容器支持棚において、
前記第一支持体に前記容器を搬送する搬送装置は、前記容器の前記底部における搬送用被支持部を下方から支持する第二支持体を備え、前記容器の前記底部は、上方に窪む3つの被支持部を備え、前記3つの被支持部は、前記底部の基準位置に対して放射状に配置され、上下方向に見て、前記容器の前記基準位置と前記容器の重心とが並ぶ方向を前後方向とし、前記前後方向における前記基準位置に対して前記容器の重心が存在する方向を前方とし、その反対方向を後方として、前記3つの被支持部のうちの2つが、前記容器の重心より前記前方に位置する前被支持部であり、前記3つの被支持部のうちの残り1つが、前記容器の重心より前記後方に位置する後被支持部であり、前記第一支持体は、
板状に形成された板状部材から成る板状部を備え、また、前記2つの前被支持部に下方から係合した状態で前記容器の前記底部を下方から支持する2つの前支持部と、前記容器の前記底部における重心より前記後方に位置する部分を下方から支持する
前記板状部と、前記第一支持体により支持した前記容器における前記搬送用被支持部と上下方向に重なる部分に形成されて前記第二支持体が上下方向に通過可能な切欠き部と、前記第一支持体により支持した前記容器の前端より前記前方に延在する延在部と、を備え
、前記延在部は、前記第一支持体により支持されている前記容器と前記前後方向に見て重複する規制部を有し、上下方向に見て、前記前後方向に対して直交する方向を幅方向とし、前記幅方向の一方向を第一幅方向とし、前記幅方向の他方向を第二幅方向として、前記第一支持体は、前記第一支持体により支持した前記容器における前記第一幅方向の端部より前記第一幅方向に延在すると共に前記幅方向に見て前記容器と重複する第一幅規制部を有する第一幅延在部と、前記第一支持体により支持した前記容器における前記第二幅方向の端部より前記第二幅方向に延在すると共に前記幅方向に見て前記容器と重複する第二幅規制部を有する第二幅延在部と、を備え前記規制部と前記第一幅規制部と前記第二幅規制部とは、前記板状部と一体的に形成され、それぞれ前記板状部材の端部を上方に折り曲げて形成されている点にある。
【0007】
この特徴構成によれば、支持体は、容器における3つの被支持部のうちの少なくとも2つの前被支持部に2つの前支持部が下方から係合している状態で、容器を支持している。2つの前被支持部は、容器の底部における基準位置に対して放射状に形成されているため、少なくとも2つの前被支持部に2つの前支持部を下方から係合させることで、2つの前支持部と後支持部とにより容器を規定位置に位置決めした状態で容器を支持できる。
また、容器の前端の下方には、第一支持体の延在部が存在しているため、前方に転倒しようとする容器を延在部により下方から受け止めることで、容器が前方に転倒することを規制できる。また、第一支持体に延在部を備えることで第一支持部が比較的大型になるが、第一支持体に切欠きを備えることで、搬送装置は、切欠きを上下方向に通過させるように第二支持体を移動させるようにして、容器を第1支持体との間で移載できる。
【0009】
また、この構成によれば、支持体に対して容器が前方に移動したときに、その移動する容器に規制体が接触することで容器の前方への移動を規制できる。そのため、支持体に対して容器が前方に移動したときに容器が支持体から落下することや容器が前方に転倒することを規制できる。
【0011】
また、この構成によれば、支持体に対して容器が幅方向に移動したときに、その移動する容器に第一幅規制体や第二幅規制体が接触することで容器の幅方向への移動を規制できる。そのため、支持体に対して容器が幅方向に移動したときに容器が幅方向に転倒することを規制できる。また、容器における幅方向の端部の下方には、支持体における第一幅延在部や第二幅延在部が存在しているため、幅方向に転倒しようとする容器を第一幅延在部や第二幅延在部により下方から受け止めることで、容器が幅方向に転倒することを規制できる。
【0012】
また、前記第一支持体は、前記第一支持体に支持している前記容器の前方が、前記移動空間を向く姿勢で、前記容器を支持すると好適である。
【0013】
この構成によれば、支持体に支持されている容器が前方に転倒し難くすることで、容器が搬送装置の移動空間に落下することを抑制できる。そのため、例えば、地震等により容器収納棚が揺れた場合に、搬送装置の移動空間に落下する容器の数を抑えることができるため、地震後の復旧作業が行い易くなる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明にかかる容器支持棚としての容器収納棚を容器収納設備に用いた実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、容器収納設備は、容器Wを収納する収納部1Aを複数備えた容器収納棚1と、容器収納棚1の棚前方向X1に形成された移動空間Sを走行して容器Wを搬送する搬送装置としてのスタッカークレーン2と、を備えている。また、容器収納設備は、容器収納棚1やスタッカークレーン2が設置される領域の側周囲を覆う壁体Kと、壁体Kを貫通する状態で設置されて容器Wを搬送する搬送コンベヤ4と、を備えている。尚、本実施形態では、FOUP(Front Opening Unified Pod)を容器Wとしており、容器Wは、収容物として半導体基板(ウェハ)を収容する。
【0016】
図1に示すように、搬送コンベヤ4は、壁体Kの外側に位置する外側箇所4Aと壁体Kの内側に位置する内側箇所4Bとの間で容器Wを搬送するように構成されている。高い位置に設置されている搬送コンベヤ4の外側箇所4Aに対しては、天井搬送車6が容器Wの載せ降しを行い、低い位置に設置されている搬送コンベヤ4(図示せず)の外側箇所4Aに対しては、作業者が容器Wの載せ降しを行う。
【0017】
容器収納設備では、搬送コンベヤ4の外側箇所4Aに容器Wが載せられると、当該容器Wは、搬送コンベヤ4により外側箇所4Aから内側箇所4Bに搬送された後、スタッカークレーン2により搬送コンベヤ4の内側箇所4Bから容器収納棚1の収納部1Aに搬送される。また、容器収納設備では、スタッカークレーン2により容器Wが容器収納棚1の収納部1Aから搬送コンベヤ4の内側箇所4Bに搬送されると、当該容器Wは、搬送コンベヤ4にて内側箇所4Bから外側箇所4Aに搬送された後、天井搬送車6又は作業者により外側箇所4Aから降ろされる。
【0018】
以下、容器収納設備の各構成について説明するが、容器収納棚1と移動空間Sとが並ぶ方向を棚前後方向Xとし、容器収納棚1に対して移動空間Sが存在する方向を棚前方向X1とし、その反対方向を棚後方向X2として説明する。また、上下方向Zに見て、棚前後方向Xに対して直交する方向を幅方向Yとし、幅方向Yの一方向を第一幅方向Y1とし、幅方向Yの他方向(第一幅方向Y1の反対方向)を第二幅方向Y2として説明する。尚、容器Wについては、容器Wを収納部1Aに収納した状態に基づいて棚前後方向X及び幅方向Yを定義して説明する。
【0019】
〔容器〕
図2に示すように、容器Wは、半導体基板を収容する収容空間11を有する収容部12と、容器Wの上端部に備えられているフランジ部13と、収容部12の前面に形成された開口14を閉じる着脱自在な蓋体15と、が備えられている。このように、容器Wは、半導体基板を収容する収容空間11と、収容空間11に対して半導体基板を出し入れするための開口14と、を備えており、開口14は、収容空間11に対して棚前方向X1に備えられている。
【0020】
図2及び
図3に示すように、容器Wの底部16は、上方に窪む3つの溝状の被支持部17を備えている。3つの被支持部17は長尺状に形成されており、3つの被支持部17は、基準位置P1に対して放射状に配置されている。
収容空間11は、その収容空間11に収容されている半導体基板の中心が、容器Wの棚前後方向Xの中心より棚前方向X1に位置するように形成されている。そのため、収容空間11に収容する半導体基板の枚数が増えるに従って容器Wの重心P2は棚前方向X1に移動する。
基準位置P1は、上下方向Zに見て容器Wの重心P2より棚後方向X2に設定されている。重心P2は、容器Wの収容空間11に収容可能な最大枚数の半導体基板を収容している状態における容器Wの重心である。本実施形態では、容器Wの収容空間11に全く半導体基板を収容していない状態の重心も、基準位置P1より棚前方向X1に位置している。
【0021】
上下方向Zに見て、容器Wの基準位置P1と容器Wの重心P2とが並ぶ方向が、容器Wの前後方向であり、容器Wの前後方向における基準位置P1に対して容器Wの重心P2が存在する方向が容器Wの前方であり、その反対方向が容器Wの後方である。容器Wを収納部1Aに収納している状態では、容器Wの前後方向と棚前後方向Xとが同じ方向であり、容器Wの前方と棚前方向X1とが同じ方向であり、容器Wの後方と棚後方向X2とは同じ方向である。
【0022】
底部16に備えられている3つの被支持部17のうちの2つは、容器Wの重心P2より棚前方向X1に位置しており、この2つの被支持部17が前被支持部17Aである。底部16に備えられている3つの被支持部17のうちの残り1つは、容器Wの重心P2より棚後方向X2に位置しており、この1つの被支持部17が後被支持部17Bである。
図3に示すように、2つの前被支持部17Aのうちの一方は、幅方向Yにおいて、底部16における容器Wの重心P2に対して第一幅方向Y1に備えられている。2つの前被支持部17Aのうちの他方は、幅方向Yにおいて、底部16における容器Wの重心P2に対して第二幅方向Y2に備えられている。これら2つの前被支持部17Aは、棚前後方向Xにおいて同じ位置に備えられている。後被支持部17Bは、幅方向Yにおいて、底部16における容器Wの重心P2と同じ位置に備えられている。
【0023】
容器Wが収納部1Aの第一支持体21により支持されている状態において、上下方向Zに見て、容器Wの底部16における第一支持体21と重複する部分を収納重複部18としている。また、容器Wがスタッカークレーン2の第二支持体36により支持されている状態において、上下方向Zに見て、容器Wの底部16における第二支持体36と重複する部分を搬送重複部19としている。2つの前被支持部17Aの夫々は、収納重複部18と搬送重複部19とに亘って形成されている。1つの後被支持部17Bは、少なくとも搬送重複部19に形成されており、本実施形態では、収納重複部18と搬送重複部19とに亘って形成されている。尚、搬送重複部19が、「搬送用被支持部」に相当する。
【0024】
〔容器収納棚〕
図1及び
図4に示すように、容器収納棚1は、容器Wを収納可能な複数の収納部1Aを上下方向Z及び幅方向Yに並ぶ状態で複数備えている。複数の収納部1Aの夫々は、容器Wの底部16を下方から支持する第一支持体21を備えている。このように、容器収納棚1には第一支持体21を備えている。
図4に示すように、容器収納棚1は、上下方向Zに沿う姿勢で設置された複数の縦枠体22Aと、幅方向Yに沿う姿勢で設置された横枠体22Bと、を備えており、これら縦枠体22Aと横枠体22Bとを組み合わせて枠組み22が形成されている。
枠組み22は、容器収納棚1における棚後方向X2側の端部に設置されており、第一支持体21は、横枠体22Bから棚前方向X1に延びる姿勢で横枠体22Bに支持されている。つまり、第一支持体21は、その棚後方向X2側の端部が横枠体22Bに連結された状態で枠組み22に支持されている。尚、壁体Kは、容器収納棚1の枠組み22に固定されている。
【0025】
図5及び
図6に示すように、第一支持体21は、1つの板状部23と、2つの補強部24と、2つの前支持部25と、を備えて構成されている。板状部23は板状に形成されており、その下方を向く面に2つの補強部24が締結部26を用いて連結されている。本実施形態では、板状部23と補強部24とを連結する締結部26としてリベットを用いている。
具体的には、板状部23と補強部24との夫々にリベット挿通用の孔が形成されている。そして、板状部23と補強部24とを上下方向に重ねた状態でこれらのリベット挿通用の孔にリベットを上方から挿通させた後、リベットの先端(下端)を潰してリベットの先端を棚前後方向Xや幅方向Yに押し広げ、リベットの頭と先端とで板状部23と補強部24とを上下方向に挟むようにして板状部23と補強部24とを連結している。このようにリベットを用いて板状部23と補強部24とを連結することで、例えば、板状部23と補強部24とを溶接により連結する場合のように板状部23や補強部24が熱によって変形することを回避できると共に板状部23と補強部24との連結に要するコストを抑えることができる。
【0026】
そして、
図2に示すように、補強部24の後端部が横枠体22Bに連結されている。
図5に示すように、板状部23は、切欠き27が形成されており、上下方向Zに見た形状が角ばったU字状に形成されている。前支持部25は、板状部23における切欠き27の周縁部の2か所に、板状部23の上面から上方に突出する状態で備えられている。尚、第一支持体21については詳細を後述する。
【0027】
〔スタッカークレーン〕
図1に示すように、スタッカークレーン2は、幅方向Yに沿って走行する走行台車31と、走行台車31に立設されたマスト32と、マスト32に沿って昇降する昇降体33と、昇降体33に支持された移載装置34と、を備えている。移載装置34は、移載対象箇所(収納部1Aや搬送コンベヤ4の内側箇所4B)と自己との間で容器Wを移載できるように構成されている。
【0028】
移載装置34には、容器Wの底部16を下方から支持する第二支持体36(
図3参照)と、当該第二支持体36を引退位置と突出位置とに出退移動させる出退操作装置(図示せず)と、を備えている。引退位置は、第二支持体36が昇降体33の真上に位置する位置であり、突出位置は、
図3に示すように第二支持体36を引退位置から棚後方向X2に突出させた位置である。
そして、移載装置34は、出退操作装置を縦軸心周りに回転させることで、第二支持体36の引退位置から突出する方向を、一対の容器収納棚1の一方が存在する方向と、一対の容器収納棚1の他方が存在する方向と、に択一的に選択自在に構成されている。そのため、移載装置34は、一対の容器収納棚1のいずれの収納部1Aに対しても各収納部1Aとの間で容器Wを移載できるように構成されている。
【0029】
図3に示すように、第二支持体36は、突出位置に突出した状態で昇降体33が昇降したときに第一支持体21の切欠き27を上下方向Zに通過可能な形状に形成されている。第二支持体36は、容器Wの2つの被支持部17に下方から係合して容器Wの底部16を支持する搬送支持部37が3つ備えられている。第二支持体36は、3つの搬送支持部37を容器Wの被支持部17に係合させた状態で容器Wを支持することで、容器Wを第二支持体36上における予め設定された支持位置に位置決めした状態で支持できるように構成されている。ちなみに、3つの搬送支持部37は、被支持部17における搬送重複部19に位置する部分を下方から支持しており、第二支持体36により、容器Wの底部16における搬送重複部19を下方から支持している。
【0030】
〔第一支持体の詳細〕
次に、第一支持体21について説明を加える。
図2に示すように、第一支持体21は、2つの前被支持部17Aに下方から係合した状態で容器Wの底部16を下方から支持する2つの前支持部25と、容器Wの底部16における重心P2より棚後方向X2に位置する部分を下方から支持する板状部23と、を備えている。板状部23は、容器Wにおける底部16の後端部16Aを支持しており、この板状部23が、容器Wの底部16における重心P2より棚後方向X2に位置する部分を下方から支持する後支持部に相当する。
【0031】
そして、第一支持体21は、2つの前支持部25と板状部23とにより、2つの前被支持部17Aが後被支持部17Bより上方に位置する傾斜姿勢で、容器Wを支持する。ここで、「傾斜姿勢」とは、基準姿勢の容器Wに対して容器Wの姿勢が後方に傾いている姿勢を表わしている。説明を加えると、基準姿勢は、3つのキネマティックピンにより容器Wの被支持部17が支持されている状態において、前被支持部17Aにおけるキネマティックピンが下方から接触する部分と、後被支持部17Bにおけるキネマティックピンが下方から接触する部分と、が同じ高さに位置している姿勢である。そして、傾斜姿勢は、上述のように2つの前支持部25(キネマティックピン)を含む3つのキネマティックピンにより容器Wの被支持部17を支持している状態を想定して、前被支持部17Aにおける前支持部25が下方から接触する部分が、後被支持部17Bにおけるキネマティックピンが下方から接触する部分より上方に位置している姿勢である。
【0032】
板状部23における容器Wと上下方向Zに見て重複する部分は、その上面が平坦で且つ水平となっている。そして、2つの前支持部25は、第一対象部41と第二対象部42との上下方向Zの間隔Lが、0mmを超え且つ1mm以下となる高さに形成されている。第一対象部41は、容器Wが第一支持体21に支持されている状態において、容器Wにおける2つの前被支持部17Aと棚前後方向Xで同じ位置に位置し且つ最も下方に位置する容器Wの部分としている。また、第二対象部42は、容器Wが第一支持体21に支持されている状態において、板状部23の上面における第一対象部41の直下に位置する部分としている。要するに、容器Wが第一支持体21に支持されている状態で、第一対象部41と第二対象部42とは上下方向Zに離間しているがその離間距離(間隔L)は1mm以下に抑えられている。本実施形態では、2つの前支持部25は、間隔Lが1mmとなる高さに形成されている。
【0033】
第一支持体21は、その棚前後方向Xの長さが容器Wの棚前後方向Xの長さより長く形成されている。そして、第一支持体21は、第一支持体21の棚前方向X1の前端より棚後方向X2に容器Wの前端が位置すると共に、第一支持体21の棚後方向X2の後端より棚前方向X1に容器Wの前端が位置するように、容器Wを支持している。
つまり、第一支持体21は、第一支持体21により支持している容器Wの前端よりも棚前方向X1に延在する延在部としての前延在部43を備えている。この前延在部43は、第一支持体21により支持されている容器Wと棚前後方向Xに見て重複する規制部としての前規制部44を有している。前規制部44は、その上端が第一支持体21により支持している容器Wの前被支持部17Aよりも上方に位置する高さで、且つ、容器Wの高さの1/5を超えない高さに形成されている。ちなみに、前規制部44の高さは、容器Wを支持している第二支持体36が引退位置から突出位置に移動するときや突出位置から引退位置に移動するときに、前規制部44が第二支持体36に支持されている容器Wに干渉しない高さであればよい。
【0034】
第一支持体21は、その幅方向Yの長さが容器Wの幅方向Yの長さより長く形成されている。そして、第一支持体21は、第一支持体21の第一幅方向Y1の端部より第二幅方向Y2に容器Wの第一幅方向Y1の端部が位置すると共に、第一支持体21の第二幅方向Y2の端部より第一幅方向Y1に容器Wの第二幅方向Y2の端部が位置するように、容器Wを支持している。
つまり、第一支持体21は、第一支持体21により支持した容器Wにおける第一幅方向Y1の端部より第一幅方向Y1に延在する第一幅延在部45を備えている。この第一幅延在部45は、幅方向Yに見て容器Wと重複する第一幅規制部46を有している。また、第一支持体21は、第一支持体21により支持した容器Wにおける第二幅方向Y2の端部より第二幅方向Y2に延在する第二幅延在部47を備えている。この第二幅延在部47は、幅方向Yに見て容器Wと重複する第二幅規制部48を有している。第一幅規制部46及び第二幅規制部48は、前規制部44と同じ高さに形成されている。
【0035】
幅方向Yに見て、第一支持体21における縦枠体22Aと重複する部分は、第一支持体21における第一幅規制部46や第二幅規制部48が備えられている部分に比べて、幅方向Yに幅狭に形成されている。
【0036】
このように、容器Wにおける2つの被支持部17に2つの前支持部25を下方から係合させた状態で第一支持体21により容器Wの底部16を支持することで、第一支持体21によって容器Wを規定位置に位置決めした状態で容器Wを支持できる。そして、第一支持体21に切欠き27と前延在部43とが備えられているため、スタッカークレーン2が第一支持体21との間で容器Wの移載を可能としながら、第一支持体21に支持されている容器Wが棚前方向X1に転倒し難くできる。
【0037】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、容器の底部における重心より前方に位置する部分を後支持部により下方から支持する構成として、後支持部としての板状部により容器の後端部を下方から支持する構成としたが、後支持部による容器を支持する構成はこれに限定されない。つまり、例えば、後支持部を、板状部から上方に突出するとともに板状部からの突出量が前支持部より小さい形状に形成して、後被支持部に下方から係合した状態で容器の底部を下方から支持してもよい。また、板状部に複数の突起を形成して、この複数の突起により容器の後端部を下方から支持する構成としてもよい。
【0038】
(2)上記実施形態では、第一支持部により支持した容器の姿勢を、容器の前方が棚前方向を向く姿勢としたが、第一支持部により支持した容器の姿勢を、容器の前方が棚幅方向の第一方向に向く姿勢や、容器の前方が棚幅方向の第二方向に向く姿勢や、容器の前方が棚後方向を向く姿勢としてもよい。
【0039】
(3)上記実施形態では、第一支持体に、第一幅延在部と第二幅延在部とを備えたが、第一支持体に、第一幅延在部と第二幅延在部とのうちの一方のみを備えてもよく、また、第一支持体に、第一幅延在部と第二幅延在部との双方を備えないようにしてもよい。
また、第一支持体に、前規制部と第一幅規制部と第二幅規制部とを備えたが、第一支持体に、前規制部と第一幅規制部と第二幅規制部とのうちの一部のみ(例えば前規制部のみ)を備えてもよく、また、第一支持体に、前規制部と第一幅規制部と第二幅規制部との全てを備えないようにしてもよい。
【0040】
(4)上記実施形態では、第一支持体を上下方向及び幅方向に並ぶ状態で容器支持棚に複数備えたが、第一支持体を上下方向にのみ並ぶ状態で容器支持棚に複数備えてもよく、また、第一支持体を幅方向にのみ並ぶ状態で容器支持棚に複数備えてもよい。搬送装置をスタッカークレーンとしたが、第一支持体を上下方向にのみ並ぶ状態で容器支持棚に複数備えた場合は、搬送装置を、幅方向に走行しない昇降装置により構成してもよく、また、第一支持体を幅方向にのみ並ぶ状態で容器支持棚に複数備えた場合は、搬送装置を、床面上を走行する自動搬送車により構成してもよい。
【0041】
(5)上記実施形態では、容器を、工場内で搬送されるFOUPとしたが、容器を、工場間で搬送されるFOSB等の他の半導体基板用の容器でもよい。
【0042】
(6)上記実施形態では、第一支持体に1つの板状部と2つの補強部を備えて2つの補強部を枠組みに連結したが、第一支持体を枠組みに連結する構成はこれに限定されない。つまり、例えば、1つの板状部と2つの補強部とに代えて、1つの板状部と1つの補強部材とを第一支持体に備えて、この1つの補強体を枠組みに連結してもよく、また、1つの板状部と2つの補強部とに代えて、1つの板状部材を第一支持体に備えて、この1つの板状部材を枠組みに連結してもよい。