特許第6478049号(P6478049)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6478049
(24)【登録日】2019年2月15日
(45)【発行日】2019年3月6日
(54)【発明の名称】プッシュスイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/20 20060101AFI20190225BHJP
【FI】
   H01H13/20 A
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-239882(P2015-239882)
(22)【出願日】2015年12月9日
(65)【公開番号】特開2017-107708(P2017-107708A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2017年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(72)【発明者】
【氏名】小坂 謙
(72)【発明者】
【氏名】千葉 徹
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭55−069324(JP,U)
【文献】 国際公開第2011/086595(WO,A1)
【文献】 実開平04−085532(JP,U)
【文献】 特開2005−044673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/00−13/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に収納されたスイッチ部と、
前記スイッチ部を押圧操作するシャフト部を備えた操作部材と、
前記操作部材を前記ケース内で保持するホルダー部と、
前記シャフト部の一端部が前記ケースの外部に突出する操作初期位置に前記操作部材を弾性支持する付勢手段と、
を有し、
前記シャフト部の両端部側は前記ホルダー部に設けられたガイド部によって操作方向に往復動自在に支持されるとともに、前記シャフト部の長さ方向の中途部の側面を押圧し、前記シャフト部を前記ガイド部に押し付け支持する弾性支持部材が前記ホルダー部に設けられており、
前記操作部材を位置決めするストッパー部材が前記弾性支持部材の外方側に位置するように設けられ、前記弾性支持部材の外方への変形が前記ストッパー部材で阻止されるようにしたことを特徴とするプッシュスイッチ装置。
【請求項2】
前記シャフト部の側面には前記シャフト部の長さ方向に延びる凸条部が外周方向に90度の間隔をおいて形成されるとともに、前記ガイド部には前記凸条部と嵌合し、前記シャフト部をガイドする凹条部が外周方向に90度の間隔をおいて形成され、前記弾性支持部材が前記凸条部を押圧することにより、前記シャフト部が前記ガイド部に押し付け支持されていることを特徴とする請求項1に記載のプッシュスイッチ装置。
【請求項3】
前記シャフト部の側面には前記シャフト部の長さ方向に延びる凹条部が外周方向に90度の間隔をおいて形成されるとともに、前記ガイド部には前記凹条部と嵌合し、前記シャフト部をガイドする凸条部が外周方向に90度の間隔をおいて形成され、前記弾性支持部材が前記シャフト部の側面を押圧することにより、前記シャフト部が前記ガイド部に押し付け支持されていることを特徴とする請求項1に記載のプッシュスイッチ装置。
【請求項4】
前記弾性支持部材を前記凸条部間に嵌合させ、前記各凸条部の各側面を押圧することにより、前記シャフト部が交差する2方向から前記ガイド部に押し付け支持されていることを特徴とする請求項2に記載のプッシュスイッチ装置。
【請求項5】
前記弾性支持部材の先端にV字状の切り欠き部を形成し、前記切り欠き部を前記凸条部の先端に嵌合させ、前記凸条部の先端の側面を押圧することにより、前記シャフト部が交差する2方向から前記ガイド部に押し付け支持されていることを特徴とする請求項2に記載のプッシュスイッチ装置。
【請求項6】
ケース内に収納されたスイッチ部と、
前記スイッチ部を押圧操作するシャフト部を備えた操作部材と、
前記操作部材を前記ケース内で保持するホルダー部と、
前記シャフト部の一端部が前記ケースの外部に突出する操作初期位置に前記操作部材を弾性支持する付勢手段と、
を有し、
前記シャフト部の両端部側は前記ホルダー部に設けられたガイド部によって操作方向に往復動自在に支持されるとともに、前記シャフト部の長さ方向の中途部の側面を押圧し、前記シャフト部を前記ガイド部に押し付け支持する弾性支持部材が前記ホルダー部に設けられており、
前記シャフト部の側面には前記シャフト部の長さ方向に延びる凸条部が外周方向に90度の間隔をおいて形成されるとともに、前記ガイド部には前記凸条部と嵌合し、前記シャフト部をガイドする凹条部が外周方向に90度の間隔をおいて形成され、前記弾性支持部材が前記凸条部を押圧することにより、前記シャフト部が前記ガイド部に押し付け支持されており、
前記弾性支持部材の先端にV字状の切り欠き部を形成し、前記切り欠き部を前記凸条部の先端に嵌合させ、前記凸条部の先端の側面を押圧することにより、前記シャフト部が交差する2方向から前記ガイド部に押し付け支持されていることを特徴とするプッシュスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プッシュボタン部の押し込み操作により、機器のオンオフ操作や機器の切り替えを行うプッシュスイッチ装置に関し、特に、車両用のストークスイッチ装置に用いて好適なプッシュスイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のプッシュスイッチ装置として、特許文献1に記載の技術が知られている。この技術は、ハウジングに圧縮コイルばねを介して往復動自在に組み込まれた操作棒を押し込み操作することにより、ハウジング内に設けられたスイッチをオンオフ操作するものである。
上記操作棒には弾性接触部が設けられており、この弾性接触部はハウジング内に設けられたガイド部に嵌め込まれ、上記操作棒の往復動がガイドされる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−197061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のプッシュスイッチ装置では、操作棒の往復動の被ガイド部となる弾性接触部は弾性部材により形成されており、操作棒の押し込み操作の仕方によっては弾性接触部が撓み、操作棒の位置が安定しない。
【0005】
このような構成によれば、スイッチの押し込み操作時のガタつきは防げても、操作棒をスムーズに押すことができず、スイッチの確実な押し込み操作を得ることができない。
【0006】
車両用のコンビネーションスイッチにおいては、走行中にスイッチを操作する頻度が高く、確実にスイッチをオンオフできるとともに操作フィーリングの良いスイッチが望まれている。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、スイッチの押し込み操作時のガタつきがなく、スイッチのオンオフ操作を確実に行うことができるプッシュスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明のプッシュスイッチ装置はケース内に収納されたスイッチ部と、前記スイッチ部を押圧操作するシャフト部を備えた操作部材と、前記操作部材を前記ケース内で保持するホルダー部と、前記シャフト部の一端部が前記ケースの外部に突出する操作初期位置に前記操作部材を弾性支持する付勢手段とを有し、前記シャフト部の両端部側は前記ホルダー部に設けられたガイド部によって操作方向に往復動自在に支持されるとともに、前記シャフト部の長さ方向の中途部の側面を押圧し、前記シャフト部を前記ガイド部に押し付け支持する弾性支持部材が前記ホルダー部に設けられており、前記操作部材を位置決めするストッパー部材が前記弾性支持部材の外方側に位置するように設けられ、前記弾性支持部材の外方への変形が前記ストッパー部材で阻止されるようにしたことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、前記スイッチ部のオンオフ操作を確実に行うことができる。また、前記シャフト部の中途部が前記ガイド部に弾性的に押し付けられているので、前記シャフト部と前記ガイド部の隙間が一方向に寄せられる。従って、前記シャフト部の前記ガイド部内でのガタつきを抑えることができ、前記シャフト部のスムーズな往復動を確保することができる。また、この構成によれば、前記弾性支持部材の外方への変形を防ぐことができ、前記シャフト部のスムーズな往復動を確保することができる。
【0010】
好適には、前記シャフト部の側面には前記シャフト部の長さ方向に延びる凸条部が外周方向に90度の間隔をおいて形成されるとともに、前記ガイド部には前記凸条部と嵌合し、前記シャフト部をガイドする凹条部が外周方向に90度の間隔をおいて形成され、前記弾性支持部材が前記凸条部を押圧することにより、前記シャフト部が前記ガイド部に押し付け支持されていることを特徴とする。
この構成によれば、前記シャフト部の凸条部と前記ガイド部の凹条部との間の隙間が一方向に寄せられる。従って、前記シャフト部の前記ガイド部内でのガタつきを抑えることができ、前記シャフト部のスムーズな往復動を確保することができる。
【0011】
好適には、前記シャフト部の側面には前記シャフト部の長さ方向に延びる凹条部が外周方向に90度の間隔をおいて形成されるとともに、前記ガイド部には前記凹条部と嵌合し、前記シャフト部をガイドする凸条部が外周方向に90度の間隔をおいて形成され、前記弾性支持部材が前記シャフト部の側面を押圧することにより、前記シャフト部が前記ガイド部に押し付け支持されていることを特徴とする。
この構成によれば、前記シャフト部の凹条部と前記ガイド部の凸条部との間の隙間が一方向に寄せられる。従って、前記シャフト部の前記ガイド部内でのガタつきを抑えることができ、前記シャフト部のスムーズな往復動を確保することができる。
【0012】
好適には、前記弾性支持部材を前記凸条部間に嵌合させ、前記各凸条部の各側面を押圧することにより、前記シャフト部が交差する2方向から前記ガイド部に押し付け支持されていることを特徴とする。
この構成によれば、前記シャフト部の中途部が前記弾性突起部によって交差する2方向から前記ガイド部に弾性的に押し付けられるので、前記シャフト部のガタつきを2方向から抑えることができ、前記シャフト部のスムーズな往復動を確保することができる。
【0013】
好適には、前記弾性支持部材の先端にV字状の切り欠き部を形成し、前記切り欠き部を前記凸条部に嵌合させ前記凸条部の側面を押圧することにより、前記シャフト部が交差する2方向から前記ガイド部に押し付け支持されていることを特徴とする。
この構成によれば、前記シャフト部の中途部が前記弾性突起部によって異なる2方向から前記ガイド部に弾性的に押し付けられるので、前記シャフト部のガタつきを2方向から抑えることができ、前記シャフト部のスムーズな往復動を確保することができる。
【0014】
第2の発明のプッシュスイッチ装置は、ケース内に収納されたスイッチ部と、前記スイッチ部を押圧操作するシャフト部を備えた操作部材と、前記操作部材を前記ケース内で保持するホルダー部と、前記シャフト部の一端部が前記ケースの外部に突出する操作初期位置に前記操作部材を弾性支持する付勢手段とを有し、前記シャフト部の両端部側は前記ホルダー部に設けられたガイド部によって操作方向に往復動自在に支持されるとともに、前記シャフト部の長さ方向の中途部の側面を押圧し、前記シャフト部を前記ガイド部に押し付け支持する弾性支持部材が前記ホルダー部に設けられており、前記シャフト部の側面には前記シャフト部の長さ方向に延びる凸条部が外周方向に90度の間隔をおいて形成されるとともに、前記ガイド部には前記凸条部と嵌合し、前記シャフト部をガイドする凹条部が外周方向に90度の間隔をおいて形成され、前記弾性支持部材が前記凸条部を押圧することにより、前記シャフト部が前記ガイド部に押し付け支持されており、前記弾性支持部材の先端にV字状の切り欠き部を形成し、前記切り欠き部を前記凸条部の先端に嵌合させ、前記凸条部の先端の側面を押圧することにより、前記シャフト部が交差する2方向から前記ガイド部に押し付け支持されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、スイッチの押し込み操作時のガタつきがなく、スイッチのオンオフ操作を確実に行うことができるプッシュスイッチ装置を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態に係るプッシュスイッチ装置の外観側面図である。
図2】プッシュスイッチ装置のホルダー部と操作部材の部分を示す外観側面図である。
図3図2に示すプッシュスイッチ装置のプッシュボタン部の外観斜視図である。
図4図2に示すプッシュスイッチ装置のホルダー部の外観斜視図である。
図5】プッシュスイッチ装置の縦断面図である。
図6図2に示すプッシュスイッチ装置のシャフト部とスイッチ部の関係を示す外観側面図である。
図7図2に示すプッシュスイッチ装置の弾性支持片の部分を示す拡大側面図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るプッシュスイッチ装置のシャフト部とガイド部との関係を模式的に示す拡大横断面図である。
図9】本発明の第3実施形態に係るプッシュスイッチ装置のシャフト部と弾性支持部材との関係を模式的に示す拡大横断面図である。
図10】本発明の第4実施形態に係るプッシュスイッチ装置のシャフト部と弾性支持部材との関係を模式的に示す拡大横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るプッシュスイッチ装置の外観側面図である。図2は、図1に示すプッシュスイッチ装置の主要な構成要素の部分を示す側面図である。図3は、図2に示すプッシュスイッチ装置の操作部材の部分を示す外観斜視図である。図4は、図2に示すプッシュスイッチ装置のホルダー部の部分を示す外観斜視図である。図5は、図2に示すプッシュスイッチ装置の縦断断面図である。図6は、図2に示すプッシュスイッチ装置のシャフト部とスイッチ部の関係を示す外観側面図である。図7は、図2に示すプッシュスイッチ装置の一方の弾性支持片の部分を示す拡大側面図である。
【0018】
プッシュスイッチ装置1は、例えば車両用のストークスイッチ装置に用いられる。操作部材2を構成するプッシュボタン部3を図1中矢印A方向に押し込むことにより、機器の操作モードを切り替えることができる構成となっている。
プッシュスイッチ装置1は、つまみ部を構成する筒状のケース4を有し、ケース4内に収納された一対のスイッチ部5、6と、各スイッチ部5、6を押圧操作する操作部材2と、操作部材2をケース4内で保持するホルダー部8を備えている。
【0019】
操作部材2は、ポリアセタールなどの弾性変形可能な成型用樹脂からなり、一対のシャフト部10、11を有し、各シャフト部10、11の一端部側はケース4内から外部に突出し、この一端部側には操作部材2を構成するプッシュボタン部3が形成されている。そして、各シャフト部10、11はプッシュボタン部3の下面に垂下するように形成されている。
【0020】
各シャフト部10、11の側面には、シャフト部10、11の長さ方向に延びる凸条部12、13が外周方向に90度の間隔をおいて形成されている。
操作部材2には、操作部材2をホルダー部8の所定の位置に組み付けるための弾性部材からなる一対のストッパー片14、15が一対のシャフト部10、11を間に置きプッシュボタン部3の下面に垂下するように形成されている。
【0021】
ポリアセタールなどの弾性変形可能な成型用樹脂からなるホルダー部8には、シャフト部10、11を操作方向に往復動自在に支持するガイド部16、17が設けられている。
ガイド部16、17の内側面には、シャフト部10、11の凸条部12、13と嵌合し、シャフト部10、11をガイドする凹条部18、19が外周方向に90度の間隔をおいて形成されている。
各シャフト部10、11の凸条部12、13の一端部側12a、13aは、ガイド部16、17の凹条部18、19の一端部側18a、19aに嵌合支持されている。各シャフト部10、11の凸条部12、13の他端部側12b、13bは、ガイド部16,17の凹条部18,19の他端部側18b、19bに嵌合支持されている。
ホルダー部8の両外側部には、一対の係止突起部20、21が設けられている。操作部材2のストッパー片14、15には、操作部材2の操作方向に縦長の開口部14A、15Aが形成されている。
【0022】
操作部材2をホルダー部8に組み付ける場合、ストッパー片14、15の開口部14A、15Aがホルダー部8の係止突起部20、21に嵌合するように操作部材2を操作方向からホルダー部8に押し込む。そうすると、係止突起部20、21がストッパー片14、15の開口部14A、15Aに嵌合する。操作部材2は、係止突起部20、21が開口部14A、15A内の長さ方向の距離の範囲内で往復動自在となるようにホルダー部8に組み付けられている。
【0023】
各係止突起部20、21において、操作部材2の押し込み方向側となる上部には傾斜ガイド面20A、21Aが形成されるとともに、下部には水平係止面20B、21Bが形成されている。
操作部材2をホルダー部8に組み付けるとき、ストッパー片14、15は弾性力に抗して係止突起部20、21の傾斜ガイド面20A、21Aを乗り越える。開口部14A、15Aが係止突起部20、21の位置にくるとストッパー片14、15の弾性力により係止突起部20、21が開口部14A、15Aに自動的に嵌合し、操作部材2はホルダー部8の所定の位置に組み付けられる。従って、操作部材2のホルダー部8への組み付けをスムーズに行うことができる。
【0024】
係止突起部20、21が開口部14A、15Aに嵌合することにより、操作部材2の操作方向の移動距離が制限される。また、開口部14A、15Aの下端部14a、15aが係止突起部20、21の水平係止面20B、21Bに当接することにより、操作部材2のホルダー部8からの抜け落ちを防ぐことができる。開口部14A、15Aの下端部が係止突起部20、21の水平係止面20B、21Bに当接する位置は操作部材2のシャフト部10、11の操作初期位置となっている。
【0025】
ホルダー部8の下部には回路基板22が組み付けられている。回路基板22上には機器の操作モードを切り替えるための一対のスイッチ部5、6が組み付けられている。各スイッチ部5、6は、回路基板22上に搭載された図示しない固定接点と、固定接点を覆うように回路基板22上に取り付けられたゴム材からなる一対のドーム部材5A、6Aと、各ドーム部材5A、6Aの内部上面に取り付けられた図示しない可動接点とからなる。
【0026】
図6に示すように、各ドーム部材5A、6Aの外部上面には操作部材2の各シャフト部10、11の他端部が当接しており、各シャフト部10、11は各ドーム部材5A、6Aにより支持されている。そして、各ドーム部材5A、6Aは操作部材2の各シャフト部10、11を操作初期位置に弾性支持する付勢手段となっている。
なお、本発明は付勢手段は操作部材2を操作初期位置に弾性支持するものであればよく、材質、形状及び取り付け場所には限定されない。
【0027】
プッシュボタン部3を図1中矢印A方向に押し込むと各ドーム部材5A、6Aはシャフト部10、11により弾性力に抗して押し潰され可動接点が固定接点に接触する。可動接点が固定接点に接触することにより、機器の操作モードが切り替えられる。プッシュボタン部3の押し込み操作を開放するとシャフト部10、11はドーム部材5A、6Aの弾性力により自動的に操作初期位置に復帰する構成となっている。
【0028】
ホルダー部8において、係止突起部20、21が設けられている側壁の中途部は切り欠き形成され、ガイド部16、17の凹条部18、19の中途部には外部に露出する開口部23、24が形成されている。
【0029】
ホルダー部8において、開口部23、24が形成されている位置には開口部23、24に対峙するように弾性支持部材となる板バネからなる弾性支持片25、26が設けられている。弾性支持片25、26の基端部はホルダー部8に取り付けられている。弾性支持片25、26の基端部にはガイド部16、17の凹条部18、19に延長するガイド溝25A、26Aが形成されている。ガイド溝25A、26Aにはシャフト部10、11の凸条部12、13が嵌合されている。
弾性支持片25、26の先端には、ガイド部16,17の凹条部18、19によってガイドされるシャフト部10、11の凸条部12、13の先端面を押圧する押圧突起部27、28が設けられている。
【0030】
押圧突起部27、28がシャフト部10、11の凸条部12,13の先端面を図5中矢印B方向及び矢印C方向に押圧することにより、シャフト部10、11の凸条部12、13の側面が凹条部18、19の側壁に弾性的に押し当てられる状態となる。すなわち、凸条部12、13と凹条部18、19の間の隙間は一方向に寄せられ、シャフト部10、11がガイド部16、17に押し付け支持される状態になる。
【0031】
このような構成によれば、シャフト部10,11の両端部側はガイド部16、17によって支持されているのでスイッチ部5、6のオンオフ操作を確実に行うことができる。また、シャフト部10、11の中途部がガイド部16、17に弾性的に押し付けられているので、シャフト部10、11とガイド部16、17の隙間が一方向に寄せられる。従って、シャフト部10,11のガイド部16、17内でのガタつきを抑えることができ、シャフト部10、11のスムーズな往復動を確保することができる。
【0032】
ストッパー片14、15の先端側は弾性支持片25、26に対向するように設けられている。従って、操作部材2の往復動操作時において、押圧突起部27、28がシャフト部10、11から離れる方向に力が加わった場合でも、弾性支持片25、26はストッパー片14、15によって受け止められるので、弾性支持片25、26の外方側への変形を防ぐことができ、押圧突起部27、28のシャフト部10、11への押圧状態を維持できる。
【0033】
本発明はシャフト部10、11及びシャフト部10、11をガイドするガイド部16、17の形状は、横断面が円形状であってもよく、四角形状であってもよく、その形状には限定されない。また、本発明は弾性支持部材として、ゴム材からなる支持部材であってもよく、シャフト部10、11を弾性的に押圧する機能を有するものであればよい。
【0034】
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態に係るプッシュスイッチ装置のシャフト部とガイド部との関係を模式的に示す拡大横断面図である。第2実施形態に係るプッシュスイッチ装置において、シャフト部と弾性支持片以外の構成については、第1実施形態のプッシュスイッチ装置1と基本的に同じであり同一符号を用い詳細な説明は省略する。また、各シャフト部及び各ガイド部の関係は基本的に同じであり、一方のシャフト部及びガイド部との関係について説明する。
【0035】
プッシュスイッチ装置30において、シャフト部31は横断面が四角形状を成し、各側面にはシャフト部31の長さ方向に延びる凹条部32が形成されている。ガイド部33は横断面が四角形状を成し、各内側面にはガイド部33の長さ方向に延びる凸条34部が形成されている。凹条部32が凸条部34に嵌合することにより、シャフト部31はガイド部33によって往復動自在にガイドされている。ホルダー部8には弾性支持部材35が取り付けられている。弾性支持部材35はガイド部33の側壁に形成された開口部(図示は省略する)を介してシャフト部31の側面を図8中矢印D方向に押圧する構成となっている。従って、シャフト部31はガイド部33に押し付け支持された構成となっている。
【0036】
このような構成によっても、第1実施形態に係るプッシュスイッチ装置1と同じようにスイッチ部5、6のオンオフ操作を確実に行うことができる。また、シャフト部31の中途部がガイド部33に弾性的に押し付けられるので、シャフト部31の凹条部32とガイド部33の凸条部34の隙間が一方向に寄せられる。従って、シャフト部31のガイド部33内でのガタつきを抑えることができ、シャフト部31のスムーズな往復動を確保することができる。
【0037】
(第3実施形態)
図9は、本発明の第3実施形態に係るプッシュスイッチ装置のシャフト部と弾性支持片との関係を模式的に示す拡大横断面図である。第3実施形態に係るプッシュスイッチ装置においてシャフト部と弾性支持片以外の構成については、第1実施形態のプッシュスイッチ装置1と基本的に同じであり同一符号を用い詳細な説明は省略する。また、各シャフト部及び各ガイド部の関係は基本的に同じであり、一方のシャフト部及びガイド部との関係について説明する。
【0038】
プッシュスイッチ装置40において、ホルダー部8に取り付けられた弾性支持部材41は、図9中矢印E方向から、シャフト部10の中心に対して45度の角度で凸条部12、12間に押し込まれ、各凸条部12、12間に嵌合されている。この弾性支持部材41の嵌合により、シャフト部10は交差する2方向からガイド部16に押し付けられる構成となっている。
【0039】
このような構成によれば、第1実施形態に係るプッシュスイッチ装置1と同じようにスイッチ部5、6のオンオフ操作を確実に行うことができる。また、シャフト部10の中途部が弾性支持部材41によって交差する2方向からガイド部16に弾性的に押し付けられているので、シャフト部10の図10中矢印X方向及びY方向のガタつきを抑えることができ、シャフト部10のスムーズな往復動を確保することができる。また、一つの弾性支持部材41により、シャフト部10を交差する2方向からガイド部16に押し付けることができ、スペース効率が良い。
【0040】
(第4実施形態)
図10は、本発明の第4実施形態に係るプッシュスイッチ装置のシャフト部と弾性支持片との関係を模式的に示す拡大横断面図である。第4実施形態に係るプッシュスイッチ装置において、シャフト部と弾性支持片以外の構成については、第1実施形態のプッシュスイッチ装置1と基本的に同じであり同一符号を用い詳細な説明は省略する。また、各シャフト部及び各ガイド部の関係は基本的に同じであり、一方のシャフト部及びガイド部との関係について説明する。
【0041】
プッシュスイッチ装置50において、ホルダー部8に取り付けられた弾性支持部材51の先端にはV字状の切り欠き部51Aが形成されている。弾性支持部材51は、図10中矢印F方向から、凸条部12の先端に押し付けられている。弾性支持部材51の切り欠き部51Aはシャフト部10の凸条部12の先端に嵌合され、凸条部12の先端面を押圧している。この弾性支持部材51の押圧により、シャフト部10は交差する2方向からガイド部16に押し付けられる構成となっている。
【0042】
このような構成によっても、第3実施形態に係るプッシュスイッチ装置40と同じようにスイッチ部5のオンオフ操作を確実に行うことができる。また、シャフト部10の中途部が弾性支持部材51によって交差する2方向からガイド部16に弾性的に押し付けられているので、シャフト部10の図11中矢印X方向及びY方向のガタつきを抑えることができ、シャフト部10のスムーズな往復動を確保することができる。また、一つの弾性支持部材41により、シャフト部10を交差する2方向からガイド部16に押し付けることができ、スペース効率が良い。
【0043】
本発明は上述した実施形態には限定されない。すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
上述した実施形態では、本発明を車両用のストークスイッチ装置に用いられるプッシュスイッチ装置に適用した場合を例示したが、その他の電子機器等のプッシュスイッチ装置として本発明を適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、電子機器等のプッシュスイッチ装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1、30、40、50・・・・・プッシュスイッチ装置
2・・・・・・・・・・・・・・操作部材
4・・・・・・・・・・・・・・ケース
5、6・・・・・・・・・・・・スイッチ部
5A、6A・・・・・・・・・・ドーム部材(付勢手段)
8・・・・・・・・・・・・・・ホルダー部
10、11、31・・・・・・・シャフト部
12、13、34・・・・・・・凸条部
12a、13a・・・・・・・・一端部側
12b、13b・・・・・・・・他端部側
14、15・・・・・・・・・・ストッパー片
16、17、33・・・・・・・・・・ガイド部
18、19、32・・・・・・・凹条部
18a、19a・・・・・・・・一端部側
18b、19b・・・・・・・・他端部側
25、26・・・・・・・・・・弾性支持片
27、28・・・・・・・・・・押圧突起部
35、41、51・・・・・・・弾性支持部材
51A・・・・・・・・・・・・切り欠き部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10