【文献】
スマートで安全な交通インフラの実現を支援するさまざまなソリューション,BUSINESS COMMUNICATION 2011年11月号,日本,株式会社ビジネスコミュニケーション社,2011年 6月 1日,第48巻 第6号,pp.72-73
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
移動対象の過去の移動実績値に基づいて求められた移動需要予測値の総和と、前記移動対象を誘導すべき場所もしくは移動用設備、又は、移動対象を規制すべき場所もしくは移動用設備の位置情報とを対応付けた誘導規制情報を作成する誘導規制情報算出部と、
前記誘導規制情報を取得する取得部と、
移動用設備に関する情報と地図情報と利用者により設定された優先条件とに基づき、利用する移動用設備を含む目的地までの複数の移動経路を検索する移動経路検索部と、
前記取得部が取得した前記誘導規制情報に基づき、前記移動経路検索部の検索により得られた前記複数の移動経路の優先度を求める優先度算出部と、
前記優先度算出部によって求められた前記優先度に基づき、前記移動経路にインセンティブを付与するインセンティブ設定部と、
前記インセンティブ設定部によって付与されたインセンティブとともに、前記移動経路の経路案内を提供する経路案内部と、
を備え、
前記移動対象は前記利用者に提供される車両を含み、
前記移動用設備は、前記車両の提供または返却を行う複数の車両提供施設を含み、
前記優先条件は、料金、移動時間、移動距離、待ち時間、手荷物の有無、及び人数制限の有無のうち、優先すべき条件の順位を示す情報であり、
前記誘導規制情報算出部は、前記移動対象の過去の移動実績値に基づいて、前記車両提供施設が提供可能な前記車両が所定の下限数未満となると予測される場合は前記移動需要予測値を加点し、前記車両提供施設が提供可能な前記車両が所定の上限数以上となると予測される場合は前記移動需要予測値を減点し、
前記優先度算出部は、前記移動需要予測値の総和が大きいほど、前記優先度を高く設定し、
前記経路案内部は、前記優先条件を満たし、且つ、前記優先度が高い順に所定数の前記移動経路を提供することを特徴とする経路案内装置。
移動対象の過去の移動実績値に基づいて求められた移動需要予測値の総和と、前記移動対象を誘導すべき場所もしくは移動用設備、又は、移動対象を規制すべき場所もしくは移動用設備の位置情報とを対応付けた誘導規制情報を作成する誘導規制情報算出ステップと、
前記誘導規制情報を取得する取得ステップと、
移動用設備に関する情報と地図情報と利用者により設定された優先条件とに基づき、利用する移動用設備を含む目的地までの複数の移動経路を検索する移動経路検索ステップと、
前記取得ステップで取得した前記誘導規制情報に基づき、前記移動経路検索ステップの検索により得られた前記複数の移動経路の優先度を求める優先度算出ステップと、
前記優先度算出ステップで求められた前記優先度に基づき、前記移動経路にインセンティブを付与するインセンティブ設定ステップと、
前記インセンティブ設定ステップで付与されたインセンティブとともに、前記移動経路の経路案内を提供する経路案内ステップと、
を備え、
前記移動対象は前記利用者に提供される車両を含み、
前記移動用設備は、前記車両の提供または返却を行う複数の車両提供施設を含み、
前記優先条件は、料金、移動時間、移動距離、待ち時間、手荷物の有無、及び人数制限の有無のうち、優先すべき条件の順位を示す情報であり、
前記誘導規制情報算出ステップにおいて、前記移動対象の過去の移動実績値に基づいて、前記車両提供施設が提供可能な前記車両が所定の下限数未満となると予測される場合は前記移動需要予測値を加点し、前記車両提供施設が提供可能な前記車両が所定の上限数以上となると予測される場合は前記移動需要予測値を減点し、
前記優先度算出ステップにおいて、前記移動需要予測値の総和が大きいほど、前記優先度を高く設定し、
前記経路案内ステップにおいて、前記優先条件を満たし、且つ、前記優先度が高い順に所定数の前記移動経路を提供することを特徴とする経路案内方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態に係る経路案内システムの一例を示す。
図1は、本発明の一実施形態に係る経路案内システムの一例を示す概略図である。
図1に示す通り、経路案内システムは、それぞれネットワークを介して接続される複数のシェアカープール管理サーバ11,12…と、複数の充電ステーション管理サーバ21,22,23…と、複数の車載器31,32,33…と、充電式自動車用経路検索装置としての経路案内装置40と、端末50と、情報提供外部サーバ70とを備える。複数の車載器31,32,33…は、複数のシェアカー61,62,63…のそれぞれに搭載されている。これら複数の車載器31,32,33…、又は、複数のシェアカー61,62,63…には、予め決められた固有の識別情報(車両ID)が割り当てられている。
【0016】
複数のシェアカープール管理サーバ11,12…は、それぞれ対応付けられたシェアカープール101,102…での利用状況に関する設備情報を管理するサーバである。このシェアカープールは、カーシェアリング用のシェアカーを駐車させ、利用者にシェアカーを供給する設備(車両供給設備)である。このシェアカープールには、駐車中のシェアカーの電池、又は、シェアカーに着脱可能な電池に電力を供給する充電器が設定されるものであってもよい。
これら複数のシェアカープール管理サーバ11,12…は、ネットワークを介して、シェアカープールでの利用状況に関する情報を経路案内装置40に送信する。例えば、これら複数のシェアカープール管理サーバ11,12…は、それぞれ、シェアカープール101,102…に駐車しているシェアカーの電池残量、予約状況、利用状況を示す情報に、車両IDを対応付けた情報を経路案内装置40に送信する。これら複数のシェアカープール管理サーバ11,12…は、駐車しているシェアカーの車載器31,32,33…から電池残量を示す情報を取得する。これら複数のシェアカープール管理サーバ11,12…は、所定の入力部から予約状況又は利用状況を示す情報を受け付けることが可能である。
【0017】
充電ステーション管理サーバ21は、複数の充電器71,72,73…が設置される充電ステーション201での利用状況に関する設備情報を管理するサーバである。この充電ステーション201は、カーシェアリング用のシェアカーの電池に電力を供給する設備(充電設備)である。この充電ステーション201には、複数の充電器71,72,73…が設置されている。これら充電器71,72,73…のそれぞれには、充電中のシェアカーを駐車するための駐車スペースが用意されている。これら複数の充電器71,72,73…は、駐車中のシェアカーの電池、又は、シェアカーに着脱可能な電池に電力を供給する充電器である。
他の充電ステーション管理サーバ22,23…は、充電ステーション管理サーバ21と同様、充電ステーション202,203…での利用状況に関する設備情報を管理するサーバである。詳細な説明は省略する。
これら複数の充電ステーション管理サーバ21,22,23…は、ネットワークを介して、充電ステーションでの利用状況に関する情報を経路案内装置40に送信する。例えば、これら複数の充電ステーション管理サーバ21,22,23…は、充電ステーション201,202,203…に設置される充電器の予約状況又は利用状況を示す情報に、充電器IDを対応付けた情報を経路案内装置40に送信する。これら複数の充電ステーション管理サーバ21,22,23…は、所定の入力部から予約状況又は利用状況を示す情報を受け付けることが可能である。なお、充電器IDとは、充電ステーションに設置される充電器のそれぞれに割り当てらえる、予め決められた固有の識別情報である。
【0018】
複数の車載器31,32,33…と、各車載器が搭載されている複数のシェアカー61,62,63…とは、車両IDによって紐付けられている。本実施形態において、シェアカーの一例として、充電式自動車のEV(electric car)車を利用した例について説明する。本発明はこれに限られず、シェアカーには、ガソリン等を利用した燃料自動車や、ハイブリッド自動車も含まれる。
これら複数の車載器31,32,33…は、ネットワークを介して、各車載器が搭載されるシェアカーの利用状況に関する設備情報を経路案内装置40に送信する。例えば、これら複数の車載器31,32,33…は、搭載されているシェアカーの電池残量を示す情報、衛星測位システムを用いて取得した車載器の現在位置を示す情報、又は、搭載されているシェアカーの予約状況もしくは利用状況を示す情報を取得し、これらシェアカーの電池残量、現在位置、予約状況もしくは利用状況を示す情報に、車両IDを対応付けた情報を経路案内装置40に送信する。
【0019】
経路案内装置40は、ネットワークを介して、シェアカープール管理サーバ11,12…、充電ステーション管理サーバ21,22,23…、車載器31,32,33…、端末50、及び情報提供外部サーバ70と接続されている。この経路案内装置40は、移動用設備に関する情報と地図情報とに基づき、利用する移動用設備を含む目的地までの複数の移動経路を検索する。この経路案内装置40は、誘導規制情報に基づき、検索により得られた複数の移動経路の優先度を求める。この経路案内装置40は、優先度に基づき、移動経路にインセンティブを付与する。この経路案内装置40は、付与されたインセンティブとともに、移動経路の経路案内を利用者に提供する。なお、移動用設備には、バス、電車、飛行機等の公共交通機関と、タクシー、レンタカー、シェアカー(シェアカープール又は充電ステーション)等が含まれる。
【0020】
ここで、誘導規制情報は、移動対象を誘導すべき場所もしくは移動用設備の位置を示す情報と、移動対象を規制すべき場所もしくは移動用設備の位置を示す情報とを含む情報である。移動対象を誘導すべき場所には、人又は車両を集めたい場所であって、例えば、観光スポット、ショッピングモール、所定の道路等が含まれる。移動対象を誘導すべき移動用設備とは、人又は車両を集めたい移動用設備であって、例えば、利用促進が求められるシェアカープール、レンタカーショップ、飛行機、又は特急電車等が含まれる。移動対象を規制すべき場所とは、人又は車両を分散させたい場所であって、例えば、渋滞する道路、お祭り又は花火大会等により混雑が予想される道路等が含まれる。移動対象を規制すべき移動用設備とは、人又は車両を分散させたい移動用設備であって、例えば、満車状態が予測されるシェアカープール又は充電ステーション等が含まれる。移動対象とは、移動する物体であって、例えば、人や乗り物(例えば、自家用車、タクシー、レンタ―、シェアカー、バス、電車、飛行機等)を含む。
【0021】
端末50は、本実施形態の充電式自動車管理システムにおいて予め登録されている利用者の端末である。この端末50は、例えば、携帯電話端末やスマートフォン、タブレット端末等である。この端末50は、入力部及び出力部として機能するタッチパネルを備える。
【0022】
情報提供外部サーバ70は、道路の渋滞情報、お祭り又は花火大会等の催事情報、観光スポットの位置を示す観光情報、ショッピングモール又はテーマパーク等の位置を示す商業施設情報等を取得し、経路案内装置40に送信するサーバである。
【0023】
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る経路案内装置40の構成例について説明する。
図2は、本実施形態に係る経路案内装置40の構成例を示すブロック図である。
図2に示す通り、経路案内装置40は、通信部401と、ダイナミックテーブル作成部402と、ダイナミックテーブル更新部403と、誘導規制情報算出部404と、移動経路検索部405と、優先度算出部406と、インセンティブ設定部407と、経路案内部408と、予約処理部409と、記憶部410とを備える。
【0024】
通信部401は、ネットワークを介して接続される装置と情報の送受信を行う。なお、経路案内装置40は、通信部401に替えて、操作部又はコネクタを介して情報を取得する入力インターフェースを備える構成であってもよい。また、通信部401は、例えば、移動対象を誘導すべき場所もしくは移動用設備、又は、移動対象を規制すべき場所もしくは移動用設備に関する誘導規制情報を外部から取得する取得部であってもよい。
【0025】
ダイナミックテーブル作成部402は、複数のシェアカープール管理サーバ11,12…、複数の充電ステーション管理サーバ21,22,23…、又は、複数の車載器31,32,33…から受信した情報に基づき、シェアカーを供給するシェアカープールの利用状況に関する設備情報を、記憶部410のシェアカープールのダイナミックテーブル411に書き込み、シェアカープールのダイナミックテーブル411を作成する。
このダイナミックテーブル作成部402は、複数のシェアカープール管理サーバ11,12…、複数の充電ステーション管理サーバ21,22,23…、又は、複数の車載器31,32,33…から受信した情報に基づき、シェアカーの電池に電力を供給する充電ステーションの利用状況に関する設備情報を、記憶部410の充電ステーションのダイナミックテーブル412に書き込み、充電ステーションのダイナミックテーブル412を作成する。
【0026】
ダイナミックテーブル更新部403は、入力するシェアカーの充電残量に基づき、シェアカープールのダイナミックテーブル411の設備情報を更新する。また、ダイナミックテーブル更新部403は、予約情報のダイナミックテーブル416が更新された場合、予約された移動計画の内容に基づき、シェアカープールのダイナミックテーブル411の設備情報、又は、充電ステーションのダイナミックテーブル412の設備情報を更新する。
【0027】
誘導規制情報算出部404は、誘導規制情報を取得する取得部である。この誘導規制情報算出部404は、求めた誘導規制情報を、記憶部410の誘導規制情報テーブル414に書き込む。
例えば、この誘導規制情報算出部404は、移動対象の移動需要予測値に基づき、誘導規制情報を求める。この移動経路検索部405は、過去に収集した移動対象の移動実績値に基づき、日にち、時間、曜日、季節等に応じた移動対象の移動需要予測値を求める。この誘導規制情報算出部404は、求めた移動需要予測値の総和を、誘導規制情報として求める。この誘導規制情報算出部404は、求めた誘導規制情報を、移動対象を誘導すべき場所もしくは移動用設備、又は、移動対象を規制すべき場所もしくは移動用設備の位置情報と対応付けて、誘導規制情報テーブル414に書き込む。この誘導規制情報が+の値である場合、誘導規制情報は、対応付けられている地域が誘導エリアであることを示す。誘導規制情報が−の値である場合、誘導規制情報は、対応付けられている地域が制限エリアであることを示す。
本実施形態において、誘導規制情報算出部404は、移動対象の集中により特定のエリアに移動対象が密集する程度、又は、移動対象の分散により特定のエリアに移動対象が散在する程度を、移動需要予測値として求める。
【0028】
この誘導規制情報算出部404は、シェアカープールのダイナミックテーブル411又は充電ステーションのダイナミックテーブル412の予約状況及び利用状況に基づき、シェアカープール又は充電ステーションの混雑の程度を、利用需要の予測値として求める。この誘導規制情報算出部404は、混雑しているシェアカープール又は充電ステーション、例えば、その混雑度(利用率等)又は待ち時間が閾値以上である移動用設備に対して、混雑度に応じた+の予測値を割り当てる。一方、混雑していないシェアカープール又は充電ステーション、例えば、その混雑度又は待ち時間が閾値未満である移動用設備に対して、誘導規制情報算出部404は、混雑度に応じた−の予測値を割り当てる。この混雑しているシェアカープールには、シェアカーの利用予約が多いシェアカープール、確保されているシェアカーが少ないシェアカープール、又は、待ち時間が発生するシェアカープール等を含む。また、混雑している充電ステーションには、充電器の利用予約が多い充電ステーション、又は、待ち時間が発生する充電ステーション等を含む。この充電ステーションの待ち時間には、シェアカーの充電残量に応じた充電待ち時間も含む。
【0029】
また、誘導規制情報算出部404は、過去に情報提供外部サーバ70から受信した渋滞情報に基づき、道路の混雑の程度を、利用需要の予測値として求める。
移動対象が集中する状況としては、例えば、朝と夜の通勤時間帯では幹線道路に渋滞が発生する状況、休日になると郊外のショッピングモールまでの道路に渋滞が発生する状況、お花見の季節には桜の名所周辺に人と車両が集中する状況、お祭りの季節にはお祭りが開催される地域周辺に人と車両が集中する状況等がある。この誘導規制情報算出部404は、例えば、過去の渋滞情報に基づき、所定の曜日の時間帯における所定の幹線道路の位置情報に対応付けて、渋滞の長さに応じた+の予測値を割り当てる。
移動対象が分散するエリアとしては、例えば、店舗等がない郊外の道路、地元の人以外にはあまり知られていない道路等がある。この誘導規制情報算出部404は、例えば、過去の渋滞情報に基づき、所定の曜日の時間帯における所定の道路の位置情報に対応付けて、所定の−の予測値を割り当てる。
【0030】
上記に限られず、誘導規制情報算出部404は、予め決められた誘導規制情報を外部から通信部401を介して入力し、入力した誘導規制情報を、記憶部410の誘導規制情報テーブル414に書き込むものであってもよい。
例えば、各地域の自治体又は観光協会等が観光スポットに人を集めたい場合、誘導規制情報算出部404は、この観光地スポットの地域の位置情報に対応付けて、+の誘導規制情報(つまり、誘導エリアであることを示す情報)を割り当てる。
また、お祭りや花火大会により混雑が予想される場合、誘導規制情報算出部404は、この開催会場の周辺地域の位置情報に対応付けて、−の誘導規制情報(つまり、規制エリアであることを示す情報)を割り当てる。
【0031】
移動経路検索部405は、移動用設備に関する情報と地図情報とに基づき、利用する移動用設備を含む目的地までの複数の移動経路を検索する。
この移動経路検索部405は、公共交通機関が提供する時刻表、又は、移動対象の移動需要予測値(渋滞、シェアカーの予約、曜日、時間帯等)に基づき、移動経路を検索する。この移動経路検索部405は、設定された優先条件に基づき、この優先条件を満たす移動経路を検索するものであってもよい。この移動経路検索部405は、例えば、優先条件が移動時間である場合、全ての移動用設備を利用した移動経路のうち、移動時間が最短となる移動経路を検索する。また、優先条件が料金である場合、移動経路検索部405は、全ての移動用設備を利用した移動経路のうち、料金が最安値となる移動経路を検索する。
【0032】
また、この移動経路検索部405は、誘導規制情報に基づき、移動対象を誘導すべき場所もしくは移動用設備を経由する移動経路、又は、移動対象を規制すべき場所もしくは移動用設備を経由しない移動経路を検索する。例えば、移動経路検索部405は、検索により得られた移動経路の周辺を含む移動経路エリアにおいて、誘導エリア又は規制エリアが重複しているか否かを判定する。移動経路エリアと誘導エリアが重複している場合、移動経路検索部405は、この移動経路を経由する移動経路を検索する。移動経路エリアと規制エリアが重複している場合、移動経路検索部405はこの移動経路を経由しない移動経路を検索する。
【0033】
優先度算出部406は、誘導規制情報に基づき、移動経路検索部405の検索により得られた複数の移動経路の優先度を求める。この優先度算出部406は、例えば、誘導規制情報の値に応じて予め決められている優先度を求める。また、優先度算出部406は、例えば、移動対象の集中により誘導エリアに移動対象が密集する程度、又は、移動対象の分散により規制エリアに移動対象が散在する程度に応じて予め決められた優先度を求める。この優先度算出部406は、誘導規制情報又は密集もしくは散在する程度に応じて予め決められている重み付けにより、優先度を求めるものであってもよい。この優先度算出部406は、所定の誘導エリアの位置情報に対応付けられた優先度、又は、所定の規制エリアの位置情報に対応付けられた優先度を、通信部401を介して外部から取得するものであってもよい。
この優先度算出部406は、求めた優先度を高い順に並べて移動経路の優先順位を決定する。この優先度算出部406は、決定した優先順位と移動経路とを対応付けた情報を、移動経路テーブル415に書き込む。
【0034】
インセンティブ設定部407は、優先度算出部406によって求められた優先度に基づき、移動経路にインセンティブを付与する。このインセンティブ設定部407は、例えば、優先順位に応じて予め決められているインセンティブを、対応する移動経路に設定する。つまり、インセンティブ設定部407は、インセンティブが割り当てられている優先順位の移動経路に対してインセンティブを割り当て、インセンティブが割り当てられている優先順位以外の移動経路に対してはインセンティブを割り当てない。
また、このインセンティブ設定部407は、誘導規制情報、又は、移動対象の移動需要の実績値に基づき、移動経路に応じたインセンティブを求める。このインセンティブ設定部407は、例えば、誘導規制情報の値に応じて予め決められているインセンティブを求める。また、インセンティブ設定部407は、例えば、移動対象の集中により誘導エリアに移動対象が密集する程度、又は、移動対象の分散により規制エリアに移動対象が散在する程度に応じて予め決められたインセンティブを求める。このインセンティブ設定部407は、誘導規制情報又は密集もしくは散在する程度に応じて予め決められている重み付けにより、インセンティブを求めるものであってもよい。このインセンティブ設定部407は、所定の誘導エリアの位置情報に対応付けられたインセンティブ、又は、所定の規制エリアの位置情報に対応付けられたインセンティブを、通信部401を介して外部から取得するものであってもよい。
【0035】
経路案内部408は、インセンティブ設定部407によって付与されたインセンティブとともに、移動経路の経路案内を提供する。この経路案内部408は、インセンティブが付与されている移動経路の経路案内として、インセンティブを対応付けた移動条件(移動時間、移動距離、料金等)を表示し、インセンティブが付与されていない移動経路の経路案内として、移動条件(移動時間、移動距離、料金等)を表示する画像を作成し、端末50に送信する。
この経路案内部408は、設定された優先条件に基づき、この優先条件を満たす移動経路の経路案内をするものであってもよい。この経路案内部408は、例えば、優先条件が移動時間である場合、全ての移動用設備を利用した移動経路のうち、移動時間が最短となる移動経路を経路案内する。また、優先条件が料金である場合、経路案内部408は、全ての移動用設備を利用した移動経路のうち、料金が最安値となる移動経路を経路案内する。
【0036】
予約処理部409は、端末50を介して、移動経路検索部405により作成された移動経路の内容が予約された場合、端末50から受信した予約を指示する情報に基づき、移動経路に含まれる移動用設備(例えば、シェアカー、レンタカー、電車、バス、飛行機)の予約を受け付ける。この予約処理部409は、受け付けた予約の内容を、記憶部410の予約情報のダイナミックテーブル416に書き込む。
【0037】
記憶部410は、経路案内装置40の処理に必要な種々の情報を記憶する。この記憶部410は、例えば、シェアカープールのダイナミックテーブル411と、充電ステーションのダイナミックテーブル412と、時刻表スタティックテーブル413と、誘導規制情報テーブル414と、移動経路テーブル415と、予約情報のダイナミックテーブル416と、を備える。なお、各テーブルの詳細については、図面を参照して後述する。
また、記憶部410は、地図情報と、移動条件情報とを保持する。地図情報は、一般的な地理を示す地図に、移動用設備の位置情報(例えば、バス停、駅、空港、シェアカープール又は充電ステーションの位置を示す情報)が対応付けられた情報である。
移動条件情報は、各移動用設備又は徒歩により、検索により得られた経路を移動した場合の移動時間、移動距離、料金又は消費電力を算出するための情報である。
【0038】
この記憶部410は、設備情報として、移動用設備の利用料金を算出するための情報、シェアカー又は充電ステーションでの待ち時間を算出するための情報を記憶する。この利用料金を算出するための情報には、時刻表スタティックテーブル413に記憶されている公共交通機関の利用料金、充電電力量に応じて決められる利用料金、又は、シェアカーもしくは充電器の利用時間に応じて決められる利用料金を示す情報が含まれる。待ち時間を算出するための情報には、移動用設備の乗り継ぎの待ち時間や、充電器の種類もしくは電池に応じて決められている充電時間が含まれる。なお、ダイナミックテーブルの予約状況又は利用状況を示す情報は、待ち時間を算出するための情報ということもできる。
なお、記憶部410は、経路案内装置40の外部の構成であってもよい。この場合、経路案内装置40は、外部の記憶部から、上述した記憶部410に格納されている情報を取得する。
【0039】
次に、
図3を参照して、シェアカープールのダイナミックテーブル411の一例について説明する。
図3は、シェアカープールのダイナミックテーブル411の一例を示す図である。このシェアカープールのダイナミックテーブル411は、複数のシェアカープール101,102…ごとに作成されるダイナミックテーブルである。
図3に示すシェアカープールのダイナミックテーブル411は、シェアカープール101についての利用状況に関する設備情報を格納するテーブルである。
図3に示す通り、シェアカープールのダイナミックテーブル411は、車両ID、電池残量、予約状況、及び、利用状況を示す情報を、それぞれ対応付けるテーブルである。
この車両IDを示す情報は、シェアカープール101に駐車されているシェアカーの車両IDを示す情報である。
電池残量を示す情報は、各シェアカーの電池の残量を示す情報である。
予約状況を示す情報は、各シェアカーの予約状況を示す情報である。この予約状況を示す情報は、シェアカーが貸し出されている期間を示す情報であって、例えば、乗車地点においてシェアカーを貸し出す時刻と、降車地点においてシェアカーを返却する時刻を示す情報を含む。
利用状況を示す情報は、各シェアカーの利用状況を示す情報である。この利用状況を示す情報は、現在時刻において、各シェアカーが利用されている状態(つまり、シェアカープールにいない状態)であるか、又は、各シェアカーが利用されていない状態(つまり、シェアカープールにおいて待機状態)であるかを示す情報である。
【0040】
次に、
図4を参照して、充電ステーションのダイナミックテーブル412の一例について説明する。
図4は、充電ステーションのダイナミックテーブル412の一例を示す図である。この充電ステーションのダイナミックテーブル412は、複数の充電ステーション201,202,203…ごとに作成されるダイナミックテーブルである。
図4に示す充電ステーションのダイナミックテーブル412は、充電ステーション201についての利用状況に関する設備情報を格納するテーブルである。
図4に示す通り、充電ステーションのダイナミックテーブル412は、充電器ID、予約状況、及び、利用状況を示す情報を、それぞれ対応付けるテーブルである。
この充電器IDを示す情報は、充電ステーション201に設置されている充電器の充電器IDを示す情報である。
予約状況を示す情報は、各充電器の予約状況を示す情報である。この予約状況を示す情報は、充電器が使用中である期間を示す情報であって、例えば、充電器の使用開始時刻と、使用終了時刻を示す情報を含む。
利用状況を示す情報は、各充電器の利用状況を示す情報である。この利用状況を示す情報は、現在時刻において、各充電器が使用中であるか、又は、使用中でないかを示す情報である。
【0041】
時刻表スタティックテーブル413は、図示しないが、バス、電車、飛行機等の公共交通機関の時刻表を示す情報と、料金を示す情報とを対応付けるテーブルである。
【0042】
次に、
図5を参照して、誘導規制情報テーブル414の一例について説明する。
図5は、誘導規制情報テーブル414の一例を示す図である。
図5に示す通り、誘導規制情報テーブル414は、位置情報と誘導規制情報とを対応付けるテーブルである。
位置情報は、誘導エリア又は規制エリアの位置を示す情報である。
誘導規制情報は、位置情報が示す位置が、誘導エリアであるか、又は、規制エリアであるのかを示す情報である。本実施形態において、誘導規制情報が正の値である場合、誘導エリアであることを示し、誘導規制情報が負の値である場合、規制エリアであることを示す。本発明はこれに限られず、誘導規制情報が閾値以上である場合、誘導エリアであることを、誘導規制情報が閾値未満である場合、規制エリアであることを、それぞれ示すものであってもよい。
【0043】
次に、
図6を参照して、移動経路テーブル415の一例について説明する。
図6は、移動経路テーブル415の一例を示す図である。
図6に示す通り、移動経路テーブル415は、移動経路番号と、移動経路内容と、移動時間と、料金と、優先順位と、ポイント付与度合い(割引)と、ポイント付与相当料金とを、それぞれ対応付けるテーブルである。図示の例では、移動経路1〜6に関する情報が格納されている。
優先順位は、優先度算出部406によって決定される移動経路の優先順位である。
ポイント付与度合い(割引)は、インセンティブ設定部407によって付与される料金の割引インセンティブの内容を示す情報である。
ポイント付与相当料金は、インセンティブ設定部407によってインセンティブが付与された後の割引料金を示す情報である。
【0044】
次に、
図7を参照して、予約情報のダイナミックテーブル416の一例について説明する。
図7は、予約情報のダイナミックテーブル416の一例を示す図である。この予約情報のダイナミックテーブル416は、予約ごと、例えば、各移動用施設に対応付けて作成されるダイナミックテーブルである。
図7に示す通り、予約情報のダイナミックテーブル416は、シェアカープール101が備えるシェアカーについての予約情報を格納するテーブルである。この予約情報のダイナミックテーブル416は、車両ID、利用者ID、出発地、目的地、予約時間、予約経路、経由地点、電池残量、及びインセンティブ内容を示す情報を、それぞれ対応付けるテーブルである。
車両IDを示す情報は、利用予約されているシェアカーの車両IDを示す情報である。
利用者IDを示す情報は、利用予約している利用者の利用者IDを示す情報である。
出発地を示す情報と目的地を示す情報は、利用者が予約した出発地と目的地を示す情報である。
予約時間を示す情報は、シェアカーが貸し出されている期間を示す情報であって、例えば、乗車地点においてシェアカーを貸し出す時刻と、降車地点においてシェアカーを返却する時刻を示す情報を含む。
予約経路を示す情報は、利用者により予約された移動計画に含まれる経路を示す情報である。
経由地点を示す情報は、予約経路が示す経路に含まれる経由地点を示す情報である。この経由地点には、経路の途中でシェアカーの電池に電力を供給する充電ステーション、又は、シェアカーを交換するため経路の途中で他のシェアカーを供給するシェアカープールが含まれる。
電池残量を示す情報は、利用予約されているシェアカーの電池の残量を示す情報である。
インセンティブの内容は、インセンティブ設定部407によって付与されたインセンティブの内容を示す情報である。
【0045】
次に、
図8を参照して、本実施形態に係る経路案内装置40が検索により得た移動経路の一例について説明する。
図8は、本実施形態に係る経路案内装置40が検索により得た移動経路の一例を示す図である。
ここでは、
図8を参照して、移動経路1〜6の経路内容について説明する。
移動経路1は、出発地からA地点の空港まで徒歩で移動し、A地点の空港からB地点の空港まで飛行機で移動し、B地点の空港からC地点のレンタカーショップまで徒歩で移動し、C地点のレンタカーショップでレンタカーを借りて目的地まで移動する移動経路である。C地点のレンタカーショップから目的地までの移動経路の一部が、規制エリアと重複している。
移動経路2は、出発地からD地点の駅まで徒歩で移動し、D地点の駅からE地点の駅まで電車で移動し、E地点の駅からF地点のバス停まで徒歩で移動し、F地点のバス停からG地点のバス停までバスで移動し、G地点のバス停から目的地まで徒歩で移動する移動経路である。
【0046】
移動経路3は、出発地からH地点のシェアカープールまで徒歩で移動し、H地点のシェアカープールで借りたシェアカーで、I地点の充電ステーションを経由して目的地まで移動し、J地点のシェアカープールでシェアカーを返却する移動経路である。I地点の充電ステーションから目的地までの移動経路の一部が、規制エリアと重複している。
移動経路4は、出発地からH地点のシェアカープールまで徒歩で移動し、H地点のシェアカープールで借りたシェアカーで、L地点のシェアカープールを経由して他のシェアカーに乗り換え、目的地まで移動し、J地点のシェアカープールでシェアカーを返却する移動経路である。L地点のシェアカープールから目的地までの移動経路の一部が、誘導エリアと重複している。
【0047】
移動経路5は、出発地からH地点のシェアカープールまで徒歩で移動し、H地点のシェアカープールで借りたシェアカーで、I地点の充電ステーションを経由して目的地まで移動し、K地点のシェアカープールでシェアカーを返却する移動経路である。I地点の充電ステーションから目的地までの移動経路が、規制エリアと重複している。K地点のシェアカープールが、誘導エリアと重複している。
移動経路6は、出発地からH地点のシェアカープールまで徒歩で移動し、H地点のシェアカープールで借りたシェアカーで、L地点のシェアカープールを経由して他のシェアカーに乗り換え、目的地まで移動し、K地点のシェアカープールでシェアカーを返却する移動経路である。L地点のシェアカープールから目的地までの移動経路の一部が、誘導エリアと重複している。K地点のシェアカープールが、誘導エリアと重複している。
【0048】
次に、
図9を参照して、本実施形態に係る経路案内方法の一例について説明する。
図9は、本実施形態に係る経路案内方法の一例について説明するためのフローチャートである。
(ステップST101)
経路案内装置40のダイナミックテーブル作成部402は、複数のシェアカープール管理サーバ11,12…、複数の充電ステーション管理サーバ21,22,23…、又は、複数の車載器31,32,33…から受信した情報に基づき、シェアカープールのダイナミックテーブル411と充電ステーションのダイナミックテーブル412を作成し、記憶部410に格納する。このダイナミックテーブル作成部402は、これに限られず、設備情報として、シェアカー又は充電ステーションの利用料金を算出するための情報、又は、シェアカー又は充電ステーションの待ち時間を算出するための情報を受信した場合、これら情報を記憶部410に格納するダイナミックテーブルを作成してもよい。
【0049】
(ステップST102)
経路案内装置40のダイナミックテーブル更新部403は、所定のタイミングで、充電ステーション管理サーバ21,22,23…、シェアカープール管理サーバ11,12…、車載器31,32,33…から送信される設備情報に基づき、記憶部410に格納されているダイナミックテーブル、例えば、シェアカープールのダイナミックテーブル411、と充電ステーションのダイナミックテーブル412を更新する。このダイナミックテーブル更新部403は、例えば、各ダイナミックテーブルを作成した時刻から所定時間が経過した場合、又は、前回の更新から所定時間が経過した場合、各ダイナミックテーブルを更新する。
【0050】
(ステップST103)
次いで、端末50の所有者である利用者が、出発地と目的地を端末50に入力する。この端末50は、受け付けた出発地と目的地を示す情報を経路案内装置40に送信する。ここで、端末50は、出発予定時刻、到着予定時刻、又は、優先条件等を受け付け、受け付けた情報を経路案内装置40に送信するものであってもよい。この優先条件は、移動経路を検索する際に優先すべき条件であって、例えば、料金、移動時間、移動距離のうち、優先されるべき条件の順位を示す情報である。なお、本発明はこれに限られず、優先条件として、待ち時間が最短となること、手荷物が不要であること、又は、人数制限がないことが決められているものであってもよい。
【0051】
(ステップST104)
経路案内装置40の移動経路検索部405は、受信した出発地と目的地を示す情報に基づき、記憶部410の地図情報とダイナミックテーブルを参照して、利用する移動用設備(バス、電車、飛行機、シェアカー、レンタカー等)を含む目的地までの移動経路を検索する。そして、経路案内装置40の優先度算出部406が、検索により得られた移動経路の優先度を求める。経路案内装置40のインセンティブ設定部407は、優先度算出部406によって求められた優先度に基づき、移動経路に対してインセンティブを付与する。なお、処理の詳細については後述する。
そして、経路案内装置40の経路案内部408は、インセンティブ設定部407によって付与されたインセンティブとともに、移動経路検索部405の検索により得られた移動経路の経路案内を示す情報を、端末50に送信する。
(ステップST105)
端末50は、経路案内装置40から移動経路の経路案内を示す情報を受信し、少なくとも1つの移動経路の経路案内を示す情報を自身の画面に表示する。このとき、端末50は、インセンティブが付与されている移動経路に対しては、インセンティブを対応付けて表示する。
(ステップST106)
そして、利用者が、端末50のタッチパネルを介して、表示されている移動経路のうちいずれか1つを選択して、選択した移動経路内で利用する移動用設備の予約を指示する。
この端末50は、利用者から選択された移動経路内で利用する移動用設備の予約を受け付け、選択された移動経路内で利用する移動用設備の予約を指示する情報を経路案内装置40に送信する。
【0052】
(ステップST107)
経路案内装置40の予約処理部409は、端末50から受信した情報に基づき、利用者により選択された移動経路の内容に基づき、予約を受理する処理を実行する。ここで、選択した移動経路内で利用する移動用設備にインセンティブが付与されている場合、予約処理部409は、予約した利用者に対して、インセンティブを付与する。言い換えると、予約処理部409は、予約情報のダイナミックテーブル416に、予約する移動経路の内容と、この移動経路に付与されたインセンティブの内容を示す情報とを対応付けた情報を格納する。
【0053】
次に、
図10を参照して、
図10に示した経路案内方法に含まれる経路案内処理の一例について説明する。
図10は、
図9に示した経路案内方法に含まれる経路案内処理の一例を示すフローチャートである。
(ステップST201)
移動経路検索部405は、端末50から受信した出発地と目的地を示す情報に基づき、記憶部410の地図情報を参照して、所定の移動用設備(バス、電車、飛行機、シェアカー、レンタカー等)のうち少なくとも1つを利用して出発地から目的地まで行くための経路を検索する。
具体的に説明すると、移動経路検索部405は、出発地と目的地が設定された場合、地図情報を参照して、出発地から一定距離の範囲内にある乗車地点の移動用設備と、目的地から一定距離の範囲内にある降車地点の移動用設備とを検索する。また、移動経路検索部405は、地図情報を参照して、乗車地点の移動用設備から降車地点の移動用設備までの経路を検索する。この移動経路検索部405は、この経路の途中で経由する移動用設備を検索する。そして、移動経路検索部405は、地図情報を参照して、この出発地から乗車地点までの経路、及び、降車地点から目的地もしくは目的地から降車地点までの経路を検索する。そして、移動経路検索部405は、出発地から目的地まで連続した移動用設備を用いた経路を求める。出発地から目的地まで複数の移動手段(例えば、徒歩、バス、電車、飛行機、シェアカー、レンタカー等)を用いる場合、これら複数の移動手段による経路に基づき、出発地から目的地まで連続した移動用設備を用いた経路を求める。
【0054】
例えば、移動経路検索部405は、時刻表スタティックテーブルと地図情報を参照して、出発地からA地点の空港まで徒歩で移動し、A地点の空港からB地点の空港まで飛行機で移動し、B地点の空港からC地点のレンタカーショップまで徒歩で移動し、C地点のレンタカーショップでレンタカーを借りて目的地まで移動する移動経路1を検索により得る。
この移動経路検索部405は、時刻表スタティックテーブルと地図情報を参照して、出発地からD地点の駅まで徒歩で移動し、D地点の駅からE地点の駅まで電車で移動し、E地点の駅からF地点のバス停まで徒歩で移動し、F地点のバス停からG地点のバス停までバスで移動し、G地点のバス停から目的地まで徒歩で移動する移動経路2を検索により得る。
この移動経路検索部405は、地図情報を参照して、出発地からH地点のシェアカープールまで徒歩で移動し、H地点のシェアカープールで借りたシェアカーで、I地点の充電ステーションを経由して目的地まで移動し、J地点のシェアカープールでシェアカーを返却する移動経路3を検索により得る。
この移動経路検索部405は、地図情報を参照して、出発地からH地点のシェアカープールまで徒歩で移動し、H地点のシェアカープールで借りたシェアカーで、L地点のシェアカープールを経由して他のシェアカーに乗り換え、目的地まで移動し、J地点のシェアカープールでシェアカーを返却する移動経路4を検索により得る。
【0055】
(ステップST202)
次いで、移動経路検索部405は、情報提供外部サーバ70から受信した渋滞情報、記憶部410のシェアカープールのダイナミックテーブル411もしくは充電ステーションのダイナミックテーブル412を参照して、移動経路1〜4の移動経路に対応する移動需要予測値を求める。この移動需要予測値には、渋滞している道路を示す渋滞情報、シェアカープールに確保されているシェアカーの予約状況、充電ステーションに備えられている充電器の予約状況を含む。
【0056】
そして、移動経路検索部405は、求めた移動需要予測値に基づき、移動経路の移動条件を求める。
例えば、移動経路検索部405は、地図情報と移動条件情報に基づき、移動経路3を移動した場合の移動距離、移動時間、利用料金、及び消費電力を求める。この移動経路検索部405は、出発地からH地点までの移動距離と予め決められた歩行速度に基づき、出発地からH地点までの徒歩での移動時間を求める。この移動経路検索部405は、H地点のシェアカープールからI地点の充電ステーションを経由して目的地までの移動距離と予め決められたシェアカーの走行速度に基づき、目的地までのシェアカーの移動時間を求める。この移動経路検索部405は、徒歩での移動時間とシェアカーの移動時間を加算した時間を、移動経路3の移動時間として求める。
【0057】
そして、移動経路検索部405は、経路中で利用する移動用設備に応じて予め決められている種類の移動需要予測値を用いて、移動時間の遅延時間を求める。この移動経路検索部405は、地図情報と移動条件情報に基づき求めた移動時間に遅延時間を加算した値を、移動需要に応じた移動時間として求める。
例えば、移動経路検索部405は、渋滞情報に基づき、移動経路3のI地点と目的地までの道路が走行予定日の走行予定時間帯において渋滞していると判定した場合、この渋滞していると判定した道路における混雑量を求める。なお、混雑量は、例えば、渋滞の距離であって、渋滞情報に含まれている情報であってもよい。この移動経路検索部405は、求めた混雑量に応じて予め決められている遅延時間だけ目的地への到着が遅れることを求める。なお、移動経路検索部405は、求めた混雑量と走行予定日時(曜日も含む)に応じて予め決められている遅延時間を求めるものであってもよい。
また、移動経路検索部405は、充電ステーションのダイナミックテーブル412に基づき、走行予定日のI地点の到着予定時刻において充電器の利用が混雑しているか否かを判定する。例えば、充電ステーションに設けられた充電器のうちの利用中の充電器の割合が閾値以上である場合、移動経路検索部405は、充電ステーションが混雑していると判定する。この場合、移動経路検索部405は、I地点の到着予定時刻における充電器の利用の混雑量を求める。この移動経路検索部405は、求めた混雑量と予約状況に基づき、充電器が利用可能となるまでの待ち時間(つまり、遅延時間)を求める。
このようにして、移動経路検索部405は、地図情報と移動条件情報に基づき求めた移動時間に、遅延時間(待ち時間を含む)を加算した値を、移動需要に応じた移動時間として求める。
【0058】
また、移動経路検索部405は、地図情報と移動条件情報に基づき、移動経路4を移動した場合の移動距離、移動時間、利用料金、及び消費電力を求める。この移動経路検索部405は、出発地からH地点までの移動距離と予め決められた歩行速度に基づき、出発地からH地点までの徒歩での移動時間を求める。この移動経路検索部405は、H地点のシェアカープールからL地点のシェアカープールを経由して目的地までの移動距離と予め決められたシェアカーの走行速度に基づき、目的地までのシェアカーの移動時間を求める。この移動経路検索部405は、徒歩での移動時間とシェアカーの移動時間を加算した時間を、移動経路4の移動時間として求める。
【0059】
そして、移動経路検索部405は、経路中で利用する移動用設備に応じて予め決められている種類の移動需要予測値を用いて、移動時間の遅延時間を求める。この移動経路検索部405は、地図情報と移動条件情報に基づき求めた移動時間に遅延時間を加算した値を移動需要に応じた移動時間を求める。
例えば、移動経路検索部405は、シェアカープールのダイナミックテーブル411に基づき、走行予定日のL地点の到着予定時刻においてシェアカーが所定台数(例えば1台)以上確保されているか否かを判定する。所定台数以上確保されていないと判定された場合、移動経路検索部405は、L地点の到着予定時刻におけるシェアカーの利用の混雑量を求める。この移動経路検索部405は、求めた混雑量と予約状況に基づき、シェアカーが利用可能となるまでの待ち時間(つまり、遅延時間)を求める。そして、移動経路検索部405は、地図情報と移動条件情報に基づき求めた移動時間にシェアカーが利用可能となるまでの待ち時間を加算した値を、移動需要に応じた移動時間として求める。
【0060】
また、移動経路検索部405は、地図情報と時刻表のスタティックテーブルと移動条件情報に基づき、移動経路1を移動した場合の移動距離、移動時間、及び利用料金を求める。この移動経路検索部405は、出発地からA地点までの移動距離とB地点からC地点までの移動距離の和と予め決められた歩行速度に基づき、出発地からA地点、B地点からC地点までの徒歩での移動時間を求める。この移動経路検索部405は、A地点からB地点までの飛行時間とC地点から目的地までの走行時間を求める。この移動経路検索部405は、徒歩での移動時間と飛行機での飛行時間とレンタカーでの走行時間との和を、移動経路1の移動時間として求める。
【0061】
また、移動経路検索部405は、地図情報と時刻表のスタティックテーブルと移動条件情報に基づき、移動経路2を移動した場合の移動距離、移動時間、及び利用料金を求める。この移動経路検索部405は、出発地からD地点までの移動距離とF地点からG地点までの移動距離の和と予め決められた歩行速度に基づき、出発地からD地点、E地点からF地点までの徒歩での移動時間を求める。この移動経路検索部405は、D地点からE地点までの電車の走行時間と、F地点からG地点までのバスの走行時間を求める。この移動経路検索部405は、徒歩での移動時間と電車での走行時間とバスでの走行時間との和を、移動経路2の移動時間として求める。
【0062】
(ステップST203)
次に、優先度算出部406は、移動経路1〜4のそれぞれの移動時間帯において、移動経路1〜4およびその周辺エリアも含む移動経路エリアに対応する誘導規制情報を、記憶部410から読み出す。この記憶部410には、事前に誘導規制情報算出部404によって求められた誘導規制情報が格納されている。
【0063】
(ステップST204)
そして、優先度算出部406は、取得した誘導規制情報に基づき、移動経路検索部405の検索により得られた移動経路のそれぞれの優先度を求める。
例えば、優先度算出部406は、移動経路1のうちレンタカーが走行する移動経路の一部が規制エリアと重複していると判定する。この場合、優先度算出部406は、この規制エリアに応じたマイナスの評価値を、移動経路1の優先度として割り当てる。
また、優先度算出部406は、移動経路4のうちシェアカーが走行する移動経路の一部が誘導エリアと重複していると判定する。この場合、優先度算出部406は、この誘導エリアに応じたプラスの評価値を、移動経路4の優先度として割り当てる。
【0064】
(ステップST205)
そして、移動経路検索部405は、移動経路1〜4の経路の周辺に、誘導エリアもしくは規制エリアがあるか否かを判定する。
(ステップST206)
移動経路1〜4のうち、いずれかの移動経路の周辺に、誘導エリアもしくは規制エリアがあると判定した場合、移動経路検索部405は、この誘導エリアを経由する移動経路、もしくは、この規制エリアを経由しない移動経路を検索する。
例えば、移動経路検索部405は、経路3と経路4の降車位置の周辺に、誘導エリア内に含まれるK地点のシェアカープールがあると判定する。この場合、移動経路検索部405は、経路3と経路4において、降車地点のJ地点のシェアカープールをK地点のシェアカープールに置き換えた移動経路を検索する。ここで、経路案内装置40は、以下に示す移動経路5と移動経路6を検索により得る。
つまり、移動経路検索部405は、地図情報を参照して、出発地からH地点のシェアカープールまで徒歩で移動し、H地点のシェアカープールで借りたシェアカーで、I地点の充電ステーションを経由して目的地まで移動し、K地点のシェアカープールでシェアカーを返却する移動経路5を検索により得る。
また、移動経路検索部405は、地図情報を参照して、出発地からH地点のシェアカープールまで徒歩で移動し、H地点のシェアカープールで借りたシェアカーで、L地点のシェアカープールを経由して他のシェアカーに乗り換え、目的地まで移動し、K地点のシェアカープールでシェアカーを返却する移動経路6を検索により得る。
【0065】
そして、経路案内装置40は、検索により得られた移動経路5と移動経路6について、ステップST202〜205の処理を実行する。
つまり、移動経路検索部405は、情報提供外部サーバ70から受信した渋滞情報、又は、記憶部410のシェアカープールのダイナミックテーブル411もしくは充電ステーションのダイナミックテーブル412を参照して、移動経路5,6に対応する移動需要予測値を求める。そして、移動経路検索部405は、求めた移動需要予測値に基づき、移動経路5,6の移動条件(移動距離、移動時間、利用料金、及び消費電力)を求める。
次いで、優先度算出部406は、移動経路5,6のそれぞれの移動時間帯において、移動経路5,6およびその周辺エリアも含む移動経路エリアに対応する誘導規制情報を、記憶部410から読み出す。そして、優先度算出部406は、取得した誘導規制情報に基づき、移動経路検索部405の検索により得られた移動経路5,6のそれぞれの優先度を求める。
【0066】
(ステップST207)
そして、優先度算出部406は、求めた優先度に基づき、移動経路1〜6の優先順位を決定し、移動経路テーブル415に書き込む。インセンティブ設定部407は、優先度算出部406が決定した優先順位に基づき、移動経路1〜6のインセンティブを求める。
【0067】
(ステップST208)
次いで、経路案内部408は、移動経路テーブル415を参照して、インセンティブ設定部407により付与されたインセンティブとともに、移動経路検索部405の検索により得られた移動経路の経路案内を端末50に提供する。この経路案内部408は、優先順位が高い順に、移動経路を提供するものであってもよく、利用者により優先条件が設定されている場合、この優先条件を満たす移動経路を利用者に提供するものであってもよい。例えば、優先条件として料金が安いことが設定されている場合、経路案内部408は、インセンティブにより料金が割り引かれた後の割引料金を比較して、料金が安い順に、もしくは、最も安い料金の移動経路を経路案内するものであってもよい。
【0068】
図8に示す移動経路1〜6では、優先順位1,2位の移動経路6,4に対してインセンティブによる割引がなされている。なお、優先順位3位の移動経路2についてはインセンティブによる割り割引がない。経路案内部408は、この優先順位1〜3の移動経路の経路案内を端末50に提供することができる。この経路案内部408は、優先順位1〜3以外の移動経路は経路案内を提供しないようにするものであってもよい。また、経路案内部408は、
図6に示す移動経路のうち、優先条件として料金が設定されている場合、料金が安い方から順位に上位3位までの移動経路6,4,3,5の経路案内を提供するものであってもよい。
【0069】
なお、本発明は上述の構成に限られない。例えば、誘導規制情報算出部404は、現在時刻から所定時間後の移動需要予測値に基づき、シェアカープールに移動させたいシェアカーの台数と制限時間を決定し、このシェアカープールを誘導エリアとする誘導規制情報を与えるものであってもよい。
例えば、誘導規制情報算出部404は、現在時刻から2時間後のK地点のシェアカープールにおいて、4台以上のシェアカーの利用が予測されることを示す移動需要予測値を求めたとする。現在時刻においては、K地点のシェアカープールには、シェアカーが2台しかなく、2時間後までに2台増加する必要がある。この場合、誘導規制情報算出部404は、現在時刻から2時間後まで、K地点のシェアカープールにシェアカーを乗り捨てる利用に対して所定の値の+の誘導規制情報を割り当てる。つまり、誘導規制情報算出部404は、シェアカーの降車地点とする利用するK地点のシェアカープールの位置情報に、誘導エリアを示す情報を対応付ける。
これにより、インセンティブ設定部407は、経路5,6に対してインセンティブを付与する。よって、降車地点のシェアカープールとして、J地点のシェアカープールを利用する移動経路3,4に比べて、K地点のシェアカープールを利用する移動経路5,6の方が、料金を安くすることができる。従った、移動経路5,6を利用する利用者の増加が期待できる。
なお、誘導規制情報算出部404は、K地点のシェアカープールのシェアカーの台数が目標台数(例えば4台)に到達した場合、K地点のシェアカープールを誘導エリアとする誘導規制情報を、誘導規制情報テーブル414から削除するものであてもよい。これにより、K地点は誘導エリア及び規制エリアのいずれでもなくなる。つまり、誘導規制情報算出部404は、所定の誘導目標値まで到達した場合、誘導エリアに設定されている地域に対して、誘導エリアの設定の解除を行う。また、誘導規制情報算出部404は、所定の制限目標値まで到達した場合、制限エリアに設定されている地域に対して、制限エリアの設定の解除を行う。
【0070】
本実施形態に係る経路案内装置40は、移動対象を誘導すべき場所もしくは移動用設備、又は、移動対象を規制すべき場所もしくは移動用設備に関する誘導規制情報に基づき、移動経路検索部405の検索により得られた複数の移動経路の優先度を求め、求められた優先度に基づき、移動経路にインセンティブを付与する。
この構成により、経路案内装置40は、集中する人又は車両の動きを分散させるための移動経路の経路案内を提供することができる。これにより、集中する人又は車両の動きを分散して、交通渋滞の緩和や移動用設備利用の効率化を図ることができる。
また、経路案内装置40は、利用者の希望(優先条件を満たす移動経路の経路案内の提供)と、地域や事業者の希望(渋滞の緩和、観光スポット、商業施設又は催事への人の誘導)とを、両方実現した移動経路の経路案内を実現することができる。
【0071】
また、本実施形態に係る経路案内装置40のインセンティブ設定部407は、誘導規制情報に基づき、移動経路に応じたインセンティブを求める。なお、誘導規制情報算出部404は、誘導規制情報として、誘導したい度合い、又は、規制したい度合いに応じた段階的な値を付与することができる。この構成により、誘導エリアに対して段階的な誘導のレベルを設定し、誘導エリア同士の優先順位を決定することができる。同様に、規制エリアに対して段階的な規制のレベルを設定し、規制エリア同士の優先順位を決定することができる。
また、本実施形態に係る経路案内装置40のインセンティブ設定部407は、移動対象の移動需要の実績値に基づき、移動経路に応じたインセンティブを求める。このインセンティブ設定部407は、常に渋滞している幹線道路に対しては、移動対象の移動需要の実績値に基づき、割引率の高い、もしくは、付与ポイント数が高いインセンティブを付与することができる。この構成により、移動対象の移動需要の実績として、誘導が困難である地域に対しては、高いインセンティブを割り当てることにより、誘導の可能性を高めることができる。
【0072】
また、本実施形態に係る経路案内装置40の移動経路検索部405は、誘導規制情報に基づき、移動対象を誘導すべき場所もしくは移動用設備を経由する移動経路、又は、移動対象を規制すべき場所もしくは移動用設備を経由しない移動経路を検索する。この構成により、経路案内装置40は、誘導エリアに対して人又は車両の動きを集中させ、又は、規制エリアに対して人又は車両の動きを分散させることができる。
【0073】
また、本実施形態に係る経路案内装置40の移動経路検索部405は、公共交通機関が提供する時刻表、及び、移動対象の移動需要予測値(渋滞、シェアカーの予約、曜日、時間帯)に基づき、移動経路を検索する。この構成により、経路案内装置40は、利用可能な全ての移動用設備のうち、最適な移動経路の経路案内を提供することができる。
【0074】
また、本実施形態に係る経路案内装置40の誘導規制情報算出部404は、誘導規制情報テーブル414の誘導規制情報を、時間帯、曜日、季節、地域に応じて書き換える。この構成により、所定の時間、曜日、季節、地域に応じて、誘導エリア、又は、規制エリアに変更することができる。よって。誘導規制情報算出部404は、時間、曜日、季節、催事等で変化する人又は車両の流れに応じた誘導規制情報を割り当てることができる。
【0075】
また、本実施形態に係る経路案内装置40の移動経路検索部405は、地図情報と設備情報に基づき、利用する移動用設備を含む目的地までの経路を検索することができる。これにより、経路案内装置40は、目的地までの経路において、利用する移動用設備を決定し、決定した経路と、利用する移動用設備とを、利用者に提供することができる。よって、利用者は、目的地と到着地を指定するだけで、目的地までの経路において利用する移動用設備を知ることができる。
【0076】
また、本実施形態に係る経路案内装置40のダイナミックテーブル更新部403は、端末、シェアカープール、充電ステーション、又は車載器から受信した情報に基づき、ダイナミックテーブルを更新することができる。これにより、シェアカーの利用により変動する設備情報、例えば、シェアカープールに確保されているシェアカーの利用台数とその利用可能時間帯、充電ステーションにおいて利用可能な充電器とその利用可能時間帯、シェアカーの充電残量等が時々刻々と変化する場合であっても、最新の利用状況に応じた情報をダイナミックテーブルに反映することができる。
また、本実施形態に係る経路案内装置40の移動経路検索部405は、ダイナミックテーブル更新部403によって更新されるダイナミックテーブルを参照して、出発地から目的地までの経路を検索し、検索により得られた経路中で利用するシェアカープールを特定する。これにより、移動経路検索部405は、最新の利用状況に応じた移動経路を検索し、利用者に提供することができる。
【0077】
また、本実施形態に係る経路案内装置40の移動経路検索部405は、地図情報と設備情報に基づき、出発地又は現在位置と経路中の最初のシェアカープールとの間の移動経路、又は、目的地と経路中の最後のシェアカープールとの間の移動経路を含む移動計画を作成する。例えば、利用者の現在位置から最初のシェアカープールまで、徒歩で行くのか、電車で行くのか、その経路を含む移動計画を作成する。これにより、利用者は、目的地と到着地を指定するだけで、目的地までの経路において利用するシェアカープール又は充電ステーションを知ることができる。
【0078】
なお、本発明における経路案内装置40の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより工程を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0079】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。