特許第6478085号(P6478085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東宏の特許一覧

<>
  • 特許6478085-養生シート用フレームの構造 図000002
  • 特許6478085-養生シート用フレームの構造 図000003
  • 特許6478085-養生シート用フレームの構造 図000004
  • 特許6478085-養生シート用フレームの構造 図000005
  • 特許6478085-養生シート用フレームの構造 図000006
  • 特許6478085-養生シート用フレームの構造 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6478085
(24)【登録日】2019年2月15日
(45)【発行日】2019年3月6日
(54)【発明の名称】養生シート用フレームの構造
(51)【国際特許分類】
   E21D 11/10 20060101AFI20190225BHJP
【FI】
   E21D11/10 Z
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-82724(P2014-82724)
(22)【出願日】2014年4月14日
(65)【公開番号】特開2015-203222(P2015-203222A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2016年6月9日
【審判番号】不服2018-995(P2018-995/J1)
【審判請求日】2018年1月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】594036135
【氏名又は名称】株式会社東宏
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】小林 雅彦
【合議体】
【審判長】 小野 忠悦
【審判官】 富士 春奈
【審判官】 井上 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−156133(JP,A)
【文献】 特開2000−192472(JP,A)
【文献】 特開平4−371673(JP,A)
【文献】 特開2007−231522(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D29/05-29/077, E21D11/00-19/06, E21D23/00-23/26, E04G21/00-21/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルの内面を養生する養生シートを取り付ける、トンネルの内面とほぼ相似形のフレームであって、
そのフレームは複数本の直材と、
両側の側面が平行ではない複数個の台形材とにより構成し、
予定のフレームの最終形状を形成するに適した角度を備えた台形材を選択し、
台形材の非平行板の側面に直材の端板を取り付けることで、直材を非直線状態に延長して組み立て、
結果としてトンネルの内面とほぼ相似形のフレームとして構成したことを特徴とする、
養生シート用フレームの構造。
【請求項2】
請求項1記載の台形材において、
その台形材を複数個、用意し、
各台形材は、台形材ごとに非平行板の延長線上の交差角度が異なるものである、
養生シート用フレームの構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は養生シート用フレームの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
打ち終わったコンクリートは、その水和反応により十分に強度を発現し、所要の耐久性、水密性、鋼材を保護する性能等の品質を確保し、有害なひび割れを生じないようにするために、打込み後一定期間は、コンクリートを適当な温度のもとで、十分湿潤状態に保ち、且つ有害な作用の影響を受けないようにすることが必要であり、そのための作業をコンクリートの養生という。
コンクリートは、打ち込み後ごく早い時期に表面が乾燥して内部の水分が失われると、セメントの水和反応が十分に行われず、また、特に表面だけが急激に乾燥すると、ひび割れの発生の原因となるからである。
トンネルのコンクリートにおいても、その湿潤状態に保ち、温度を制御する養生を行う必要がある。
そのための養生装置の一例を図6に示すと、養生シートを周囲に取り付けたフレームaを、トンネル軸方向に移動可能に配置し、打設直後のコンクリートbの表面に一定の間隔cを保持して養生シートdを位置させ、その間隔cに温風や加熱した水蒸気を供給する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−87481号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来の養生シート用フレームの構造にあっては、次のような問題点がある。
<1> トンネルの内周面を二分割、三分割したアーチ状の長尺部材を現場に搬入して組み立てて使用している。
<2> この長尺部材はH形鋼をアーチ状に曲げ加工して製造したものであり、トンネルの内径に沿って形成するから、トンネルごとに内径に合わせて製造する必要があって不経済である。
<3> 長尺の部材であるから、運搬に手数を要し効率的ではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記のような課題を解決する本発明の養生シート用フレームの構造は、トンネルの内面を養生する養生シートを取り付ける、トンネルの内面とほぼ相似形のフレームであって、そのフレームは複数本の直材と、両側の側面が平行ではない複数個の台形材とにより構成し、予定のフレームの最終形状を形成するに適した角度を備えた台形材を選択し、台形材の非平行板の側面に直材の端板を取り付けることで、直材を非直線状態に延長して組み立て、結果としてトンネルの内面とほぼ相似形のフレームとして構成したことを特徴とするものである。
また本発明の養生用フレームは、前記の複数の台形材を用意し、各台形材ごとに非平行板の延長線の交差角度が異なるものであるように構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の養生シート用フレームの構造は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<1> 現場ごとにトンネルの内面の形状が異なっても、台形材を変更するだけで、同一の直材を転用することができる。したがってきわめて経済的である。
<2> 従来のようにトンネルの内面形状を二分割、三分割したアーチ状部材を現場に運搬して組み立てる場合と比較すると、多数本に分割した直材を扱うために、運搬、組み立てがきわめて容易となる。例えば従来の長尺のアーチ状部材を運搬するのに3台の10t車を必要としたものが、短い直材を平行に積み上げることで、1台の10t車で運搬をすることができた。
<3> 直材が短かく、その間に台形材を介在させるから、現場での組み立て作業が簡単で安全である。
<4> 市販のパイプなどに曲げ加工を施す必要がなく、そのまま使用できるから、製造、保管、運搬、組み立て作業が容易、経済的であり安全である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の養生シート用フレームに使用する台形材の実施例の説明図。
図2】直材と台形材を現場で組み立てる状態の説明図。
図3】直材と台形材を組み立てた状態の平面図。
図4】直材と台形材で組み立てたフレームの実施例の正面図。
図5】非平行板の交差角度の相違の説明図。
図6】従来の養生シート用フレームの一例の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図面を参照にしながら本発明の養生シート用フレームの構造の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【実施例】
【0009】
<1>用途。
前記したように本発明の養生シート用フレームは、トンネルのコンクリートの打設が終わった段階で使用するものである。
打設直後のトンネルコンクリートの内面を養生するために、トンネルの内面とほぼ相似形のフレームで構成し、その外側に養生シートを取り付けて使用する。
【0010】
<2>構成部材。
本発明のフレームは複数本の直材1と、直材1の間に介在させる台形材2とによって構成する。
【0011】
<3>直材。
直材1はフレームの全体を構成する主要部材である。
直材1は、例えば長さ数mのパイプやH形鋼で構成する。
この直材1は従来のようにアーチを形成していないから、曲げ加工が不要であって、市販のパイプなどを切断してそのまま利用することができ、きわめて経済的である。
直材1の端部には直交する状態で端板11を取り付け、この端板11のボルト穴にボルトを通して、台形材2と一体化をはかる。
図面の実施例では直材1を2本の平行なパイプで構成し、両パイプ間を連結板12で連結して補強したものである。
【0012】
<4>台形材。
台形材2は鋼板で組み立てたブロック状の六面体の部材である。
台形材2は側面視が台形を呈し、両側の側面は平行ではない、非平行板21を備えている。
非平行板21の寸法、形状は、前記した直材1の端板11の寸法、形状と同一に形成する。
両側の非平行板21の間は長さの異なる平行板22で連結する。
非平行板21、および平行板22に直交する面は、壁板で閉塞して六面を備えた箱状体として形成することもできる。
非平行板21にはボルト穴23を開口して、前記した直材1の端板11のボルト穴とを貫通したボルトで一体化を図る。
【0013】
<5>組み立て。(図4
フレームを構成するには、直材1の間に台形材2を介在させて行う。
すなわち、台形材2の非平行板21の表面に、直材1の端板11をボルトで締結して取り付ける。
そのために、複数本の直材1を順次、非直線状態に延長して組み立てることができる。
その結果としてトンネルBの内面から養生空間Cだけ離れてほぼ相似形のフレームAを構成することができる。
このフレームAのトンネルB側に養生シートDを取り付け、養生空間Cに温風や加熱した蒸気を供給して養生を行う。
【0014】
<6>複数種類の台形材。(図5
その際に、複数の種類の台形材2を用意しておく。
複数の種類とは、非平行板21の延長線の交差する角度αが異なるものの意味である。
先にトンネルの形状が決まり、それを養生するフレームAの形状は決まっている。
そこで、台形材2を複数本の直材1の間に介在させた場合に、予定のフレームAの最終形状を形成するに適した交差角度αを備えた台形材2を選択する。
選択は工場や倉庫において行い、選択した台形材2の複数個と、複数本の直材1を現場に運搬して、上記のようにフレームを組み立てる。
運搬する対象は、アーチ状に曲がった長い部材は存在せず、複数本の比較的短い直線状の直材と、ブロック状の台形材2であるから、多数本を積み上げて運搬することができ、保管も取扱いも容易で経済的である。
【符号の説明】
【0015】
1:直材
11:端板
2:台形材
21:非平行板
図1
図2
図3
図4
図5
図6