(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1の実施形態]
図1〜
図6を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0016】
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態のPOSシステム100は、店舗に設置された店舗サーバ110と、2台のPOS端末装置120A(120B)とからなる。店舗サーバ110とPOS端末装置120A(120B)とは、有線通信もしくは無線通信が可能なように接続されている。
【0017】
本発明において、POS端末装置は1台であってもよいし、3台以上であってもよい。また、1台のPOS端末装置で、店舗サーバの機能をも有するものであってもよい。
【0018】
POSシステム100の店舗サーバ110は、ネットワーク(例えばISDN(Integrated Services Digital Network))600を介して、電子マネーA管理サーバ200A、電子マネーB管理サーバ200B、および電子マネーC管理サーバ200Cと通信可能である。
【0019】
電子マネー管理サーバは、電子マネーA、B、Cそれぞれの取引データをID(IDentification)番号毎に管理する。
【0020】
ネットワーク600は、データ通信可能な他の通信網(例えばインターネット)であってもよい。
【0021】
図2(a)を参照すると、店舗サーバ110は、コンピュータからなり、データ等を入力する入力部112、情報処理の結果等を表示する表示部113、他の装置との通信を行う通信部114、アプリケーションプログラム等を記憶する記憶部111aを有して全体の制御を行う制御部111を備えている。
【0022】
店舗サーバ110は、商品コードと商品に関する情報(商品名や価格等)とを対応付けたPLU(Price Look Up)ファイルを記憶しており、各POS端末装置からの商品コードの送信に応じて、商品に関する情報を送信したり、各POS端末装置から送信される売上データを管理したり、各POS端末装置から送信される電子マネーに関する情報を電子マネー管理サーバに送信したり、電子マネー管理サーバから送信される電子マネーに関する情報を各POS端末装置に送信する等の処理を行う。
【0023】
図2(b)を参照すると、POS端末装置120A(120B)は、コンピュータからなり、データ等を入力する入力部122、情報処理の結果等を表示する店員用表示部123aや顧客用表示部123b、レシート等を印刷する印刷部126、他の装置との通信を行う通信部124、IC(Integrated Circuit)チップを搭載したICカードや携帯端末装置等の電子マネー媒体と非接触通信もしくは接触通信を行うリーダライタ部125、アプリケーションプログラム等を記憶する記憶部121aを有して全体の制御を行う制御部121を備えている。
【0024】
尚、図示はしていないが、POS端末装置120A(120B)は、開閉可能なキャッシュドロワを有している。制御部121は、店員の操作に応じて、もしくは、必要時に自動的に、キャッシュドロワの開閉を制御する。精算のために顧客から受け取った現金は、店員によりキャッシュドロワに収納される。一方、釣銭がある場合、それに相当する額の現金が店員によりキャッシュドロワから取り出され、釣銭として顧客に引き渡される。
【0025】
本例において、店員用表示部123aや顧客用表示部123bは、タッチパネル付きディスプレイを有している。よって、入力部122の少なくとも一部は、これら表示部にボタンアサインが表示されるソフトウエアボタンによって構成されている。
【0026】
リーダライタ部125は、制御部121からの指示によって、電子マネー媒体に記憶されている電子マネーの残高を読み取ったり、商品代金支払いのために電子マネーの残高から商品代金の引き去りを行って、引き去り後の残高を書き込んだりする。
【0027】
POS端末装置120A(120B)は、顧客が購入する商品の登録を行い、現金や電子マネーで商品代金の精算を行う。また、POS端末装置120A(120B)は、電子マネーに関するデータを、店舗サーバ110を経由して電子マネーA管理サーバ200A、電子マネーB管理サーバ200Bおよび電子マネーC管理サーバ200Cと送受信する。
【0028】
次に、
図3〜
図6を参照して、第1の実施形態のPOSシステム100の動作、特に、第1の実施形態のPOS端末装置120A(120B)の動作について説明する。
【0029】
第1の実施形態のPOS端末装置120A(120B)によれば、おおむね次のような手順で精算が行われる。
【0030】
(A)POS端末装置120A(120B)が、顧客が購入する商品の代金の合計金額を算出する。
【0031】
(B)精算のために顧客から受け取った現金の金額である預り金額が入力されるか、あるいは、電子マネーA、電子マネーB、および電子マネーCのいずれかが指定されるかを待ち受ける。
【0032】
(C)合計金額のうちの、指定された電子マネーによる支払いを所望する任意の金額である所望金額を減算して残金(不足金)を算出し、残金(不足金)について現金による支払いを行い、その後、残金(不足金)について指定された以外の電子マネーによる支払いを行う。
【0033】
図3と
図4は、第1の実施形態によるPOS端末装置120A(120B)の制御部121が、顧客が購入する商品の登録を行い、商品代金の精算を行うまでに実行する処理のフロー図を示す。
【0034】
図5は、その際に店員用表示部123a(
図2(b))に表示される店員用操作画面の一例を示す。
図6は、その際に印刷部126(
図2(b))から発行されるレシートの一例を示す。
【0035】
ステップS101において、顧客が購入する商品の登録を行う。
【0036】
ステップS102において、商品登録が完了したか否かを判別する。商品登録が完了すれば(ステップS102のYes)、ステップS103に移行する。一方、商品登録が完了していなければ(ステップS102のNo)、ステップS101に戻る。
【0037】
ステップS103において、店舗サーバ110と協働して合計金額を算出して店員用表示部123a、顧客用表示部123b(
図2(b))に表示し、ステップS104に移行する。
【0038】
ステップS104において、店員が顧客から精算のための現金を預かり、店員により預かり金額が入力されたか否かを判別する。預かり金額が入力された場合(ステップS104のYes)は、ステップS105に移行する。一方、そうでない場合(ステップS104のNo)は、ステップS106に移行する。
【0039】
ステップS105において、現金による支払いを受け付ける。即ち、預り金額から合計金額を減算して残金(不足金)を算出し、ステップS108に移行する。
【0040】
ステップS106において、顧客からの電子マネーの指定の有無を判別する。顧客から電子マネーA、電子マネーB、および電子マネーCのいずれかを使用して支払う旨の意思表示があり、いずれかの電子マネーの指定があった場合(ステップS106のYes)は、ステップS107に移行する。一方、そうでない場合(ステップS106のNo)は、ステップS104に戻る。
【0041】
尚、顧客から電子マネーA、電子マネーB、および電子マネーCのいずれかを使用して支払う旨の意思表示があり、いずれかの電子マネーの指定があったとは、顧客が口頭でその旨を伝え、店員が店員用表示部123a(
図2(b))に表示される店員用操作画面(
図5参照)の電子マネーA、電子マネーB、および電子マネーCのいずれかのキーを押下した、もしくは、顧客が顧客用操作画面(図示せず)の電子マネーA、電子マネーB、および電子マネーCのいずれかのキーを押下したことを意味する。
【0042】
ステップS107において、指定された電子マネーによる支払いを受け付ける。即ち、指定された電子マネーの残高から合計金額を引き去り、ステップS108に移行する。
【0043】
ステップS108において、残金(不足金)の有無を判別する。残金(不足金)があれば(ステップS108のYes)、ステップS109に移行する。一方、そうでない場合(ステップS108のNo)は、ステップS114に移行する。
【0044】
ステップS109において、店員用表示部123aと顧客用表示部123bに残金を表示し、ステップS110に移行する。
【0045】
ステップS110において、店員が顧客から精算のための現金(追い金)を預かり、店員により預かり金額が入力されたか否かを判別する。預かり金額が入力された場合(ステップS110のYes)は、ステップS111に移行する。一方、そうでない場合(ステップS110のNo)は、ステップS112に移行する。
【0046】
ステップS111において、預り金額から残金を減算して残金(不足金)を算出し、ステップS114に移行する。
【0047】
ステップS112において、顧客からの電子マネーの指定の有無を判別する。いずれかの電子マネーの指定があった場合(ステップS112のYes)は、ステップS113に移行する。一方、そうでない場合(ステップS112のNo)は、ステップS110に戻る。
【0048】
ステップS113において、指定された電子マネーの残高から、残金全額を引き去ることが可能か否かを判別する。指定された電子マネーの残高から、残金全額を引き去ることができた場合(ステップS113のYes)は、ステップS114に移行する。一方、残金全額を引き去ることができなかった場合(ステップS113のNo)は、ステップS109に戻る。
【0049】
尚、電子マネーの取引データは、店舗サーバ110を経由して、使用した電子マネーに対応する電子マネーA管理サーバ200A、電子マネーB管理サーバ200Bまたは電子マネーC管理サーバ200Cに送信される。
【0050】
ステップS114において、印刷部126(
図2(b))からレシート(
図6)を発行する。この時、釣銭があれば、店員は顧客に釣銭をレシートと共に渡す。
【0052】
購入商品の合計金額が220円である。一方、顧客が残高が1025円の電子マネーAで所望の任意の金額として25円を電子マネーで支払いたい場合である。顧客は、合計金額220円から電子マネーAでの支払い予定金額25円を差し引いた額である195円を現金で支払い、その後、電子マネーAで残金を支払う。この時に店員用表示部123a(
図2(b))に表示される店員用操作画面を
図5に示し、レシートを
図6に示す。
【0053】
上述の第1の実施形態のPOSシステムでは、電子マネーによる支払い金額を顧客が所望する任意の金額とすることができる。
【0054】
[第2の実施形態]
次に、
図7〜
図9、
図10、および
図11を参照して、本発明の第2の実施形態のPOS端末装置の動作について説明する。第2の実施形態のPOSシステムの構成、店舗サーバの構成、およびPOS端末装置の構成は、
図1と
図2に示すものと同一である。
【0055】
第2の実施形態のPOS端末装置120A(120B)によれば、おおむね次のような手順で精算が行われる。
【0056】
(A)POS端末装置が、顧客が購入する商品の代金の合計金額を算出する。
【0057】
(B)電子マネーの指定と顧客が電子マネーによる支払いを所望する任意の金額である所望金額の支払い予定金額とを受け付けるか、精算のための現金である預り金額が入力されるか、あるいは、電子マネーA、電子マネーB、および電子マネーCのいずれかが指定されるかを待ち受ける。
【0058】
(C)顧客は、電子マネーの指定と所望する任意の金額の支払い予定金額とを口頭で店員に申し出る、もしくは、顧客用操作画面(図示せず)で、電子マネーを指定し、所望する任意の金額の支払い予定金額を入力する。
【0059】
(D)その後、顧客は、合計金額のうちの、指定した電子マネーでの所望する任意の金額の支払い予定金額を減算した金額について現金による支払いを行う。
【0060】
(E)その後、残金(不足金)について、指定した電子マネーで支払いを行う。
【0061】
図7〜
図9は、第2の実施形態によるPOS端末装置120A(120B)の制御部121が、顧客が購入する商品の登録を行い、商品代金の精算を行うまでに実行する処理のフロー図を示す。
【0062】
図10(a)は、購入商品の合計金額を算出した後に、店員用表示部123a(
図2(b))に表示される店員用操作画面であり、
図10(b)は、精算が完了したときに、店員用表示部123a(
図2(b))に表示される店員用操作画面である。
図11(a)は、精算の途中で印刷部126(
図2(b))から発行される仮レシートであり、
図11(b)は、精算が完了したときに印刷部126(
図2(b))から発行されるレシートである。
【0063】
第2の実施形態は、第1の実施形態と、第1の実施形態のステップS103に相当するステップS203と、ステップS104に相当するステップS212との間に、ステップS204〜ステップS211が挿入されている点で、第1の実施形態のフロー図とは異なり、それ以外のステップの処理は同一である。換言すれば、
図7、
図9におけるステップS201〜S203、ステップS212〜S222はそれぞれ、
図3、
図4(第1の実施形態)におけるステップS101〜S103、ステップS104〜S114とそれぞれ同じ処理内容である。したがって、第1の実施形態のフロー図とは異なる点のみを、以下に記す。
【0064】
ステップS203において合計金額を算出して店員用表示部123a、顧客用表示部123b(
図2(b))に表示した後、ステップS204において、電子マネーの指定と顧客が電子マネーによる支払いを所望する任意の金額、即ち、所望金額の支払い金額である支払い予定金額の入力の有無を判別する。電子マネーの指定と顧客が電子マネーによる支払いを所望する任意の金額である所望金額の支払い金額、即ち、支払い予定金額の入力があれば(ステップS204のYes)、ステップS205に移行する。一方、そうでなければ(ステップS204のNo)、ステップS212に移行する。
【0065】
店員用表示部123a(
図2(b))には、
図10(a)に示すように、店員が電子マネーを指定し、その支払い予定金額を入力するときの店員用操作画面が表示される。顧客用表示部123b(
図2(b))にも、同様の顧客用操作画面が表示される(図示せず)。
【0066】
ステップS205において、合計金額から電子マネーの支払い予定金額を減算して現金支払い分を算出し、ステップS206に移行する。
【0067】
ステップS206において、店員用表示部123a、顧客用表示部123b(
図2(b))に現金支払い分を表示して、ステップS207に移行する。
【0068】
ステップS207において、店員が顧客から精算のための現金を預かり、店員により預かり金額が入力されたか否かを判別する。預り金額の入力があった場合(ステップS207のYes)は、ステップS208に移行する。一方、そうでない場合(ステップS207のNo)は、ステップS207を繰り返す。
【0069】
ステップS208において、現金による支払いを受け付ける。即ち、預り金額から現金支払い分を減算して、ステップS209に移行する。
【0070】
ステップS209において、釣銭の有無を判別する。釣銭があれば(ステップS209のYes)、ステップS210に移行する。一方、そうでない場合(ステップS209のNo)は、ステップS211に移行する。
【0071】
ステップS210において、印刷部126(
図2(b))から仮レシート(
図11(a))を発行し、ステップS211に移行する。この時、店員は顧客に釣銭を仮レシートと共に渡す。
【0072】
ステップS211において、指定された電子マネーによる支払いを受け付ける。即ち、指定された電子マネーの残高から、支払い予定金額を引き去って、ステップS216に移行する。
【0073】
尚、ステップS210を削除して(この段階で、仮レシートを発行せず、また、釣銭を顧客に引き渡さない)、ステップS222において、レシート(本レシート)を発行すると共に、釣銭を顧客に引き渡すようにしてもよい。
【0074】
また、ステップS209を削除して、釣銭の有無にかかわらず、印刷部126(
図2(b))から仮レシート(
図11(a))を発行するようにしてもよい。
【0076】
購入商品の合計金額が220円である。一方、顧客が残高が1025円の電子マネーAで所望の任意の金額として25円を電子マネーで支払いたい場合である。顧客は、電子マネーAの指定と所望する支払い金額である支払い予定金額の25円を口頭で店員に申し出るか、顧客用表示部123a(
図2(b))に表示される顧客用操作画面(図示せず)で、電子マネーAを指定し、所望する支払い金額である支払い予定金額の25円を入力する。この後、顧客は、現金支払い分の195円に充当してもらうべく200円を店員に渡し、5円の釣銭と仮レシート(
図11(a))を受け取る。次に、顧客は、電子マネーAで支払い予定金額の25円を支払う。この時に店員用表示部123a(
図2(b))に、
図10(b)に示す店員用操作画面を表示し、印刷部126(
図2(b))から
図11(b)に示すレシートを発行する。
【0077】
上述の第2の実施形態のPOS端末装置によっても、電子マネーによる支払い金額を顧客が所望する任意の金額とすることができる。
【0078】
[第3の実施形態]
次に、
図12〜
図14、
図15、および
図16を参照して、本発明の第3の実施形態のPOS端末装置の動作について説明する。第3の実施形態のPOSシステムの構成、店舗サーバの構成、およびPOS端末装置の構成は、
図1と
図2に示すものと同一である。
【0079】
第3の実施形態のPOS端末装置120A(120B)によれば、おおむね次のような手順で精算が行われる。
【0080】
(A)POS端末装置が、顧客が購入する商品の代金の合計金額を算出する。
【0081】
(B)電子マネーの指定と顧客が電子マネーによる支払いを所望する任意の金額である所望金額の支払い予定金額とを受け付けるか、精算のための現金の金額である預り金額が入力されるか、あるいは、電子マネーA、電子マネーB、および電子マネーCのいずれかが指定されるかを待ち受ける。
【0082】
(C)顧客は、電子マネーの指定と所望する任意の金額の支払い予定金額とを口頭で店員に申し出る、もしくは、顧客用操作画面(図示せず)で、電子マネーを指定し、所望する任意の金額の支払い予定金額を入力する。
【0083】
(D)その後、顧客は、合計金額のうちの、指定した電子マネーでの所望する任意の金額の支払い金額の電子マネーによる支払いを行う。
【0084】
(E)その後、残金(不足金)について、現金もしくは他の電子マネーで支払いを行う。
【0085】
図12〜
図14は、第3の実施形態によるPOS端末装置120A(120B)の制御部121が、顧客が購入する商品の登録を行い、商品代金の精算を行うまでに実行する処理のフロー図を示す。
【0086】
図15(a)は、購入商品の合計金額を算出した後に、店員用表示部123a(
図2(b))に表示される店員用操作画面であり、
図15(b)は、精算が完了したときに、店員用表示部123a(
図2(b))に表示される店員用操作画面である。
図16(a)は、精算の途中で印刷部126(
図2(b))から発行される仮レシートであり、
図16(b)は、精算が完了したときに印刷部126(
図2(b))から発行されるレシートである。
【0087】
第3の実施形態は、第1の実施形態と、第1の実施形態のステップS103に相当するステップS303と、ステップS104に相当するステップS311との間に、ステップS304〜ステップS308が挿入されている点で、第1の実施形態のフロー図とは異なり、それ以外のステップの処理は同一である。換言すれば、
図12、
図14におけるステップS301〜S303、ステップS311〜S321はそれぞれ、
図3、
図4(第1の実施形態)におけるステップS101〜S103、ステップS104〜S114とそれぞれ同じ処理内容である。したがって、第1の実施形態のフロー図とは異なる点のみを、以下に記す。
【0088】
ステップS303において合計金額を算出して店員用表示部123a、顧客用表示部123b(
図2(b))に表示した後、ステップS304において、電子マネーの指定と顧客が電子マネーによる支払いを所望する任意の金額、即ち、所望金額の支払い金額である支払い予定金額の入力の有無を判別する。電子マネーの指定と顧客が電子マネーによる支払いを所望する任意の金額、即ち、所望金額の支払い金額である支払い予定金額の入力があれば(ステップS304のYes)、ステップS305に移行する。一方、そうでなければ(ステップS304のNo)、ステップS311に移行する。
【0089】
店員用表示部123a(
図2(b))には、
図15(a)に示すように、店員が電子マネーを指定し、その支払い予定金額を入力するときの店員用操作画面が表示される。顧客用表示部123b(
図2(b))にも、同様の顧客用操作画面が表示される(図示せず)。
【0090】
ステップS305において、指定の電子マネーの残高から支払い予定金額を引き去ることができるか否かを判別する。指定の電子マネーの残高から支払い予定金額を引き去ることができた場合(ステップS305のYes)は、ステップS306に移行する。一方、残高不足等で支払い予定金額を引き去ることができなかった場合(ステップS305のNo)は、指定の電子マネーの残高から支払い予定金額を引き去ることができなかった旨を店員用表示部123a、顧客用表示部123b(
図2(b))に表示し、ステップS304に戻る。
【0091】
ステップS306において、印刷部126(
図2(b))から仮レシート(
図16(a))を発行すると共に、店員用表示部123a、顧客用表示部123b(
図2(b))に現金支払い分を表示して、ステップS307に移行する。
【0092】
ステップS307において、店員が顧客から精算のための現金を預かり、店員により預かり金額が入力されたか否かを判別する。預り金額の入力があった場合(ステップS307のYes)は、ステップS308に移行する。一方、そうでない場合(ステップS307のNo)は、ステップS307を繰り返す。
【0093】
ステップS308において、現金による支払いを受け付ける。即ち、預り金額から現金支払い分を減算して、ステップS321に移行する。
【0094】
尚、ステップS306において、仮レシートを発行せずに、現金支払い分を表示するのみとしてもよい。
【0096】
購入商品の合計金額が220円である。一方、顧客が残高が1025円の電子マネーAで所望の任意の金額として25円を電子マネーで支払いたい場合である。顧客は、電子マネーAの指定と所望する支払い金額である支払い予定金額の25円を口頭で店員に申し出るか、顧客用表示部123a(
図2(b))に表示される顧客用操作画面(図示せず)で、電子マネーAを指定し、所望する支払い金額である支払い予定金額の25円を入力する。この後、顧客は電子マネーAで支払い予定金額の25円を支払い、仮レシート(
図16(a))を受け取る。次に、顧客は、現金支払い分の195円に充当してもらうべく200円を店員に渡し、5円の釣銭とレシート(
図16(b))を受け取る。この時に店員用表示部123a(
図2(b))に、
図15(b)に示す店員用操作画面を表示し、印刷部126(
図2(b))から
図16(b)に示すレシートを発行する。
【0097】
上述の第3の実施形態のPOS端末装置によっても、電子マネーによる支払い金額を顧客が所望する任意の金額とすることができる。
【0098】
[第4の実施形態]
次に、
図17〜
図19、
図20、および
図21を参照して、本発明の第4の実施形態のPOS端末装置の動作について説明する。第4の実施形態のPOSシステムの構成、店舗サーバの構成、およびPOS端末装置の構成は、
図1と
図2に示すものと同一である。
【0099】
第4の実施形態のPOS端末装置120A(120B)によれば、おおむね次のような手順で精算が行われる。
【0100】
(A)POS端末装置が、顧客が購入する商品の代金の合計金額を算出する。
【0101】
(B)顧客が所望する現金の支払い予定金額を受け付けるか、精算のための現金である預り金額が入力されるか、電子マネーA、電子マネーB、および電子マネーCのいずれかが指定されるかを待ち受ける。
【0102】
(C)顧客は、所望する現金の支払い予定金額を口頭で店員に申し出る、もしくは、顧客用操作画面(図示せず)で、所望する現金の支払い予定金額を入力する。
【0103】
(D)その後、顧客は、合計金額のうちの、所望する現金の支払い予定金額の支払いを行う。
【0104】
(E)その後、残金(不足金)について、電子マネーを指定して支払いを行う。
【0105】
第4の実施形態では、第2の実施形態や第3の実施形態とは異なり、所望する現金の支払い予定金額を入力することによって、電子マネーによる支払い金額が定まる。電子マネーによる支払い金額は、顧客が、いずれかの電子マネーでの所望する任意の金額の支払い金額である。
【0106】
図17〜
図19は、第4の実施形態によるPOS端末装置120A(120B)の制御部121が、顧客が購入する商品の登録を行い、商品代金の精算を行うまでに実行する処理のフロー図を示す。
【0107】
図20(a)は、購入商品の合計金額を算出した後に、店員用表示部123a(
図2(b))に表示される店員用操作画面であり、
図20(b)は、精算が完了したときに、店員用表示部123a(
図2(b))に表示される店員用操作画面である。
図21(a)は、精算の途中で印刷部126(
図2(b))から発行される仮レシートであり、
図21(b)は、精算が完了したときに印刷部126(
図2(b))から発行されるレシートである。
【0108】
第4の実施形態は、第1の実施形態と、第1の実施形態のステップS103に相当するステップS403と、ステップS104に相当するステップS410との間に、ステップS404〜ステップS409が挿入されている点で、第1の実施形態のフロー図とは異なり、それ以外のステップの処理は同一である。換言すれば、
図17、
図19におけるステップS401〜S403、ステップS410〜S420はそれぞれ、
図3、
図4(第1の実施形態)におけるステップS101〜S103、ステップS104〜S114とそれぞれ同じ処理内容である。したがって、第1の実施形態のフロー図とは異なる点のみを、以下に記す。
【0109】
ステップS403において合計金額を算出して店員用表示部123a、顧客用表示部123b(
図2(b))に表示した後、ステップS404において、顧客が所望する現金による支払い金額である支払い予定金額の入力の有無を判別する。顧客が所望する現金による支払い金額である支払い予定金額の入力があれば(ステップS404のYes)、ステップS405に移行する。一方、そうでなければ(ステップS404のNo)、ステップS410に移行する。
【0110】
店員用表示部123a(
図2(b))には、
図20(a)に示すように、店員が現金による支払い予定金額を入力するときの店員用操作画面が表示される。顧客用表示部123b(
図2(b))にも、同様の顧客用操作画面が表示される(図示せず)。
【0111】
ステップS405において、店員が顧客から精算のための現金を預かり、店員により預かり金額が入力されたか否かを判別する。預り金額の入力があった場合(ステップS405のYes)は、ステップS406に移行する。一方、そうでない場合(ステップS405のNo)は、ステップS405を繰り返す。
【0112】
ステップS406において、現金による支払いを受け付ける。即ち、預り金額から支払い予定金額を減算して、ステップS407に移行する。
【0113】
ステップS407において、釣銭の有無を判別する。釣銭があれば(ステップS407のYes)、ステップS408に移行する。一方、そうでない場合(ステップS407のNo)は、ステップS409に移行する。
【0114】
ステップS408において、印刷部126(
図2(b))から仮レシート(
図21(a))を発行し、ステップS409に移行する。この時、店員は顧客に釣銭を仮レシートと共に渡す。
【0115】
ステップS409において、指定された電子マネーによる支払いを受け付ける。即ち、指定された電子マネーの残高から、残金(不足金)を引き去って、ステップS414に移行する。
【0116】
尚、ステップS408を削除して(この段階で、仮レシートを発行せず、また、釣銭を顧客に引き渡さない)、ステップS420において、レシート(本レシート)を発行すると共に、釣銭を顧客に引き渡すようにしてもよい。
【0117】
また、ステップS407を削除して、釣銭の有無にかかわらず、印刷部126(
図2(b))から仮レシート(
図21(a))を発行するようにしてもよい。
【0119】
購入商品の合計金額が220円である。一方、顧客が残高が1025円の電子マネーAで所望の任意の金額として25円を支払いたい場合である。顧客は、所望する現金による支払い金額である支払い予定金額の195円を口頭で店員に申し出るか、顧客用表示部123a(
図2(b))に表示される顧客用操作画面(図示せず)で、所望する支払い金額である支払い予定金額の195円を入力する。この後、顧客は現金で支払い予定金額の195円に充当してもらうべく200円を店員に渡し、5円の釣銭と仮レシート(
図21(a))を受け取る。次に、顧客は、残金の25円を電子マネーAで支払い、レシート(
図21(b))を受け取る。この時に店員用表示部123a(
図2(b))に、
図20(b)に示す店員用操作画面を表示し、印刷部126(
図2(b))から
図21(b)に示すレシートを発行する。
【0120】
上述の第4の実施形態のPOS端末装置によっても、電子マネーによる支払い金額を顧客が所望する任意の金額とすることができる。
【0121】
尚、第1の実施形態〜第4の実施形態のPOS端末装置の処理のフローにおいて、顧客が購入する商品の合計金額を算出した後、もしくは合計金額を算出するまでのいずれかのステップの前後で、顧客が希望する電子マネー媒体の電子マネーの残高を読み取って、顧客用表示部123b(
図2(b))に表示するようにしてもよい。
【0122】
また、第1の実施形態〜第4の実施形態のPOS端末装置において、使用可能な電子マネーの種類を3種類としたが、使用可能な電子マネーの種類は、1種類でも、2種類でも、4種類以上でもよい。