特許第6478306号(P6478306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6478306
(24)【登録日】2019年2月15日
(45)【発行日】2019年3月6日
(54)【発明の名称】電子部品組込み基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20190225BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20190225BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20190225BHJP
【FI】
   H05K3/46 Q
   H01L23/12 B
   H01L23/12 501B
   H05K3/46 B
   H05K3/00 N
   H05K3/46 N
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-235199(P2013-235199)
(22)【出願日】2013年11月13日
(65)【公開番号】特開2014-107553(P2014-107553A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2016年10月31日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0137048
(32)【優先日】2012年11月29日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チュン、ユル キョ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドー ファン
(72)【発明者】
【氏名】リー、セウン ユン
(72)【発明者】
【氏名】シン、イー ナ
【審査官】 ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−032887(JP,A)
【文献】 特開2009−295949(JP,A)
【文献】 特表2008−503076(JP,A)
【文献】 特表2008−544510(JP,A)
【文献】 特開2013−175495(JP,A)
【文献】 特開2010−251688(JP,A)
【文献】 特開2005−223223(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/00
H05K 3/46
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の絶縁層にキャビティを形成するステップと、
前記第1の絶縁層の下面に形成され、前記キャビティの一部領域に延在し、少なくとも一つ以上のガイドホールを有する第1の金属パターンを形成するステップと、
前記キャビティの内部に電子部品を挿入し、前記第1の金属パターンに取り付けるステップと、
前記第1の絶縁層の下面に前記第1の金属パターンをカバーする第2の絶縁層を形成するステップと、
前記第2の絶縁層の下面に第1の回路パターンを形成するステップと、
前記第2の絶縁層を貫くビアホールを形成し、前記ガイドホールを通じて前記電子部品の下面の電極を露出させるステップと、
前記ビアホールの内部に、前記ガイドホールを通じて露出する前記電子部品の下面の前記電極と前記第1の回路パターンとを電気的に接触する第1のビアを形成するステップと、
前記第1の絶縁層の上面に、前記キャビティの形成領域を画定する第2の金属パターンを形成するステップと、
を含み、
前記ガイドホールの面積よりも前記電極の面積が大きい、電子部品組込み基板製造方法。
【請求項2】
前記電子部品は、前記第1の金属パターンの上面に絶縁性接着層を形成した状態で前記キャビティの内部に挿入される、請求項1に記載の電子部品組込み基板製造方法。
【請求項3】
前記電子部品は、前記電子部品の下面に絶縁性接着層を形成した状態で前記キャビティ内部に挿入される、請求項1または2に記載の電子部品組込み基板製造方法。
【請求項4】
前記第1の金属パターンを形成するステップは、
前記第1の絶縁層の下面に絶縁性接着層を接着するステップと、
前記絶縁性接着層の下面に金属層を形成するステップと、
前記金属層で前記ガイドホールが設けられる領域の金属材料を除去するステップと
を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の電子部品組込み基板製造方法。
【請求項5】
前記キャビティは、マスクホールの設けられた前記第2の金属パターンを前記第1の絶縁層の上面に結合した状態で、レーザを照射して形成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の電子部品組込み基板製造方法。
【請求項6】
前記第2の金属パターンの側壁及び前記キャビティの側壁は、同一面上に位置する、請求項1から5のいずれか一項に記載の電子部品組込み基板製造方法。
【請求項7】
第1の絶縁層にキャビティを形成するステップと、
前記第1の絶縁層の下面に形成され、前記キャビティの一部領域に延在し、少なくとも一つ以上のガイドホールを有する第1の金属パターンを形成するステップと、
電子部品の下面と前記第1の金属パターンとの間で接着を行うために絶縁性接着層を形成するステップと、
前記キャビティの内部に電子部品を挿入し、前記第1の金属パターンに取り付けるステップと、
前記第1の絶縁層の下面に前記第1の金属パターンをカバーする第2の絶縁層を形成するステップと、
前記第2の絶縁層の下面に第1の回路パターンを形成するステップと、
前記第2の絶縁層を貫くビアホールを形成し、前記ガイドホールを通じて前記電子部品の下面の電極を露出させるステップと、
前記ビアホールの内部に、前記ガイドホールを通じて露出する前記電子部品の下面の前記電極と前記第1の回路パターンとを電気的に接触する第1のビアを前記絶縁性接着層を貫いて形成するステップと、
を含み、
前記ガイドホールの面積よりも前記電極の面積が大きい、電子部品組込み基板製造方法。
【請求項8】
前記電子部品は、前記第1の金属パターンの上面に前記絶縁性接着層を形成した状態で前記キャビティの内部に挿入される、請求項に記載の電子部品組込み基板製造方法。
【請求項9】
前記電子部品は、前記電子部品の下面に前記絶縁性接着層を形成した状態で前記キャビティ内部に挿入される、請求項またはに記載の電子部品組込み基板製造方法。
【請求項10】
前記第1の金属パターンを形成するステップは、
前記第1の絶縁層の下面に前記絶縁性接着層を接着するステップと、
前記絶縁性接着層の下面に金属層を形成するステップと、
前記金属層で前記ガイドホールが設けられる領域の金属材料を除去するステップと
を含む、請求項からのいずれか一項に記載の電子部品組込み基板製造方法。
【請求項11】
前記キャビティは、マスクホールの設けられた第2の金属パターンを前記第1の絶縁層の上面に結合した状態で、レーザを照射して形成される、請求項から10のいずれか一項に記載の電子部品組込み基板製造方法。
【請求項12】
前記ビアホールは、前記第2の絶縁層にCOレーザを照射して形成される、請求項1から11のいずれか1項に記載の電子部品組込み基板製造方法。
【請求項13】
前記第1の絶縁層の上面に前記第2の金属パターンの上面及び前記電子部品の上面をカバーする第3の絶縁層を形成するステップをさらに含む、請求項5または11に記載の電子部品組込み基板製造方法。
【請求項14】
前記電子部品は、少なくとも2つ以上の外部電極を備え、前記第1の金属パターンは、前記外部電極の各々に対応して複数形成され、
前記第1の金属パターンは、ギャップによって互いに離間している、請求項1から13のいずれか一項に記載の電子部品組込み基板製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品が組み込まれた基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、市販中のスマートフォン、タブレットPCなどのモバイル機器はその性能が飛躍的に向上するにつれ、高い携帯性が要求される。そのため、モバイル機器に使われる電子部品の小型化、スリム化及び高性能化への研究が続いている。
【0003】
特許文献1などに示されているような電子部品組込み基板は、電子部品を基板内に組み込んで、その表面に付加的な部品を実装可能な空間を確保することになり、モバイル機器に搭載される各電子部品の小型化、スリム化及び高性能化を具現するための方法として脚光を浴びている。
【0004】
特に、半導体チップの性能が向上するほど、半導体チップに供給される電源の安定性が重要になる。そのため、いわゆるデカップリングコンデンサ(Decoupling capacitor)またはバイパスコンデンサ(Bypass capacitor)を半導体チップと電源供給線との間に設けて電源のノイズを除去し、電源電流が急変する状況でも半導体チップに安定な電流が供給されるようにしている。
【0005】
コンデンサが組み込まれた基板に半導体チップを実装する場合、デカップリングコンデンサと半導体チップとの間の距離を最小化でき、高性能の半導体チップへの安定な電源の供給が可能になると共に小型化及びスリム化が可能になる。
【0006】
一方、特許文献1によれば、電子部品が入る位置にキャビティ(caV1ty)を加工した後、コンデンサを固定させ、絶縁材を用いて熱圧着し、組み込んだ後、レーザで微細ビアホール(micro V1a hole)を加工し、めっきによって電気的な接続を成す方式が示されている。
【0007】
詳しくは、基板に組み込まれた電子部品と基板の表面に設けられる回路パターンとの間を電気的に接続するため、レーザを用いてビアホールを加工した後、該ビアホールの内部にメッキなどの方法で導電性材料を充填する方式が通常適用されていた。
【0008】
このような通常の方法によれば、電子部品が基板に組み込まれる時発生する位置公差(placing tolerance)、ビアホールの加工公差、ビアホールの大きさなどの要因によって、組み込まれる電子部品に設けられるビア接触部の面積の最小条件が決まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国公開特許第2007−0101183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、電子部品の大きさが小さくなるほどビア接触部も小さくなり、電子部品が小型化されるほどビアと電子部品との間の整合エラーが深刻な問題になる。
【0011】
本発明は前記の問題点に鑑みて成されたものであって、基板に組み込まれる電子部品の電気的な接続性が改善された電子部品組込み基板を提供することに、その目的がある。
【0012】
また、本発明は、基板に組み込まれる電子部品の電気的な接続性が改善された電子部品組込み基板の製造方法を提供することに、その他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を解決するために、本発明の一実施形態による電子部品組込み基板は、キャビティを有する第1の絶縁層と、前記キャビティの内部に挿入され、少なくとも一つ以上の外部電極を有する電子部品と、前記第1の絶縁層の下面に形成され、前記電子部品が取り付けられ、前記外部電極の一部を露出させる少なくとも一つ以上のガイドホールを有する第1の金属パターンと、前記第1の絶縁層の下面に形成され、前記第1の金属パターンをカバーする第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層の下面に形成される第1の回路パターンと、前記ガイドホールを通じて露出する前記外部電極と前記第1の回路パターンとを電気的に接続する第1のビアとを含む。
【0014】
一実施形態によれば、前記第1の金属パターンは、前記外部電極の各々に対応して複数形成され、前記第1の金属パターンは、ギャップによって互いに離間している。
【0015】
また、一実施形態によれば、前記第1の金属パターンと前記第1の回路パターンとを電気的に接続する第2のビアをさらに含む。
【0016】
また、一実施形態によれば、前記第1の絶縁層の上面に形成され、前記キャビティの形成領域を画定する第2の金属パターンをさらに含む。
【0017】
一実施形態によれば、前記第2の金属パターンの側壁及び前記キャビティの側壁は、同一面上に位する。
【0018】
また、一実施形態によれば、前記第2の金属パターンは、前記キャビティの側壁から離間して配置される。
【0019】
また、一実施形態によれば、前記第1の絶縁層を貫いて、前記第1の金属パターンと第2の金属パターンとを電気的に接続するスルービアをさらに含む。
【0020】
また、一実施形態によれば、前記第1の絶縁層の上面に形成され、前記第2の金属パターン及び前記電子部品をカバーする第3の絶縁層と、前記第3の絶縁層の上面に形成される第2の回路パターンとをさらに含む。
【0021】
また、一実施形態によれば、前記第3の絶縁層を貫いて、前記外部電極と前記第2の回路パターンとを電気的に接続する第3のビアをさらに含む。
【0022】
また、一実施形態によれば、前記第3の絶縁層を貫いて前記第2の回路パターンと前記第2の金属パターンとを電気的に接続する第4のビアをさらに含む。
【0023】
また、一実施形態によれば、前記キャビティと前記電子部品との間の空間を満たす充填材をさらに含む。
【0024】
また、一実施形態によれば、前記第3の絶縁層と前記充填材とは、一体に形成される。
【0025】
また、一実施形態によれば、前記電子部品の下面と前記第1の金属パターンとの間に絶縁性接着層がさらに設けられ、前記第1のビアは、前記絶縁性接着層を貫いて前記外部電極に接触する。
【0026】
また、一実施形態によれば、前記第1のビアは、前記ガイドホールによって前記外部電極と自己整列(self-align)される。
【0027】
また、一実施形態によれば、前記第1の金属パターンは、前記外部電極と接触される。
【0028】
一実施形態によれば、前記第1のビアは、前記ガイドホールを通じて露出する外部電極及び前記第1の金属パターンと接触される。
【0029】
本発明の一実施形態による電子部品組込み基板製造方法は、第1の絶縁層にキャビティを形成するステップと、前記第1の絶縁層の下面に形成され、前記キャビティの一部領域に延在し、少なくとも一つ以上のガイドホールを有する第1の金属パターンを形成するステップと、前記キャビティの内部に電子部品を挿入し、前記第1の金属パターンに取り付けるステップと、前記第1の絶縁層の下面に前記第1の金属パターンを覆う第2の絶縁層を形成するステップと、前記第2の絶縁層を貫くビアホールを形成し、前記ガイドホールを通じて前記電子部品の下面を露出させるステップと、前記ビアホールの内部に前記電子部品の下面と接触する第1のビアを形成するステップとを含む。
【0030】
一実施形態によれば、前記ビアホールは、前記第2の絶縁層にCOレーザを照射して形成される。
【0031】
また、一実施形態によれば、前記電子部品は、前記第1の金属パターンの上面に絶縁性接着層を形成した状態で前記キャビティの内部に挿入される。
【0032】
また、一実施形態によれば、前記電子部品は、前記電子部品の下面に絶縁性接着層を形成した状態で前記キャビティの内部に挿入されてもよい。
【0033】
また、一実施形態によれば、前記第1の金属パターンを形成するステップは、前記第1の絶縁層の下面に絶縁性接着層を接着するステップと、前記絶縁性接着層下面に金属層を形成するステップと、前記金属層で前記ガイドホールが設けられる領域の金属材料を除去ステップとを含む。
【0034】
また、一実施形態によれば、前記キャビティは、マスクホールが設けられた第2の金属パターンを前記第1の絶縁層の上面に結合した状態でレーザを照射して形成される。
【0035】
また、一実施形態によれば、前記第1の絶縁層の上面に、前記第2の金属パターンの上面及び前記電子部品の上面をカバーする第3の絶縁層を形成するステップをさらに含む。
【0036】
また、一実施形態によれば、前記電子部品は、少なくとも2つ以上の外部電極を有し、前記第1の金属パターンは、前記外部電極の各々に対応して複数形成され、前記第1の金属パターンは、ギャップによって互いに離間している。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、電子部品の外部電極のサイズが従来より小さくなる場合にも、精微なビアホールの加工が可能なので、位置公差、ビアホール加工公差、ビアホールの大きさなどの要因によって、外部電極のサイズが小さくなるほど該外部電極とビアとの間の接続性が低くなるという従来の問題点を解決することができるという効果が奏す。
【0038】
また、電子部品をキャビティに取り付ける過程において、第1の金属パターンが電子部品を支持する役割をすることもでき、第1の金属パターンそれ自体が電子部品組込み基板の内部で導電経路を提供する回路パターンとしての機能をすることもできるというという効果が奏す。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1a】本発明の一実施形態による電子部品組込み基板を概略的に示す図面である。
図1b】本発明の一実施形態による電子部品組込み基板の変形例を概略的に示す図面である。
図1c】本発明の一実施形態による電子部品組込み基板の他の変形例を概略的に示す図面である。
図1d】本発明の一実施形態による電子部品組込み基板のさらに他の変形例を概略的に示す図面である。
図2a】本発明の一実施形態による電子部品組込み基板の要部を概略的に示す断面図である。
図2b】本発明の一実施形態による電子部品組込み基板の要部で電子部品を除いた状態を概略的に示す低面図である。
図2c】本発明の一実施形態による電子部品組込み基板の要部で電子部品を除いた状態を概略的に示す断面図である。
図3】本発明の他の実施形態による電子部品組込み基板を概略的に示す図面である。
図4】本発明のさらに他の実施形態による電子部品組込み基板を概略的に示す図面である。
図5】本発明のさらに他の実施形態による電子部品組込み基板を概略的に示す図面である。
図6a】本発明の一実施形態による電子部品組込み基板製造方法を概略的に示す順序図であって、キャビティに電子部品を挿入する前の状態を概略的に示す断面図である。
図6b】同じく、キャビティに電子部品を挿入した状態を概略的に示す断面図である。
図6c】同じく、第2の絶縁層及び第3の絶縁層を形成した状態を概略的に示す断面図である。
図6d】第2の絶縁層及び第3の絶縁層にビア及び回路パターンを形成した状態を概略的に示す断面図である。
図6e】ソルダレジスト及びソルダバンプが形成され、表面実装部品が結合された状態を概略的に示す断面図である。
図7a】本発明の他の実施形態による電子部品組込み基板製造方法を概略的に示す順序図であって、キャビティに電子部品を挿入する前の状態を概略的に示す断面図である。
図7b】同じく、キャビティに電子部品を挿入し、絶縁性接着層を用いて電子部品を固定した状態を概略的に示す断面図である。
図7c】第2の絶縁層及び第3の絶縁層を形成した状態を概略的に示す断面図である。
図7d】第2の絶縁層及び第3の絶縁層にビア及び回路パターンを形成した状態を概略的に示す断面図である。
図7e】ソルダレジスト及びソルダバンプが形成され、表面実装部品が結合された状態を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の好適な実施の形態は図面を参考にして詳細に説明する。次に示される各実施の形態は当業者にとって本発明の思想が十分に伝達されるようにするために例として挙げられるものである。従って、本発明は以下示している各実施の形態に限定されることなく他の形態で具体化される。そして、図面において、装置の大きさ及び厚さなどは便宜上誇張して表現される。明細書全体に渡って同一の参照符号は同一の構成要素を示している。
【0041】
本明細書で使われた用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は文句で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる「含む」とは、言及された構成要素、ステップ、動作及び/又は素子は、一つ以上の他の構成要素、ステップ、動作及び/又は素子の存在または追加を排除しないことに理解されたい。
【0042】
図1aは、本発明の一実施形態による電子部品組込み基板100を概略的に示す図面で、図2aは、本発明の一実施形態による電子部品組込み基板100の要部を概略的に示す断面図であり、図2bは、本発明の一実施形態による電子部品組込み基板100の要部で電子部品140を除いた状態を概略的に示す低面図で、図2cは、本発明の一実施形態による電子部品組込み基板100の要部で電子部品140を除いた状態を概略的に示す断面図である。
【0043】
図1a及び図2a〜図2cに示すように、本発明の一実施形態による電子部品組込み基板100は、第1の絶縁層110、電子部品140、第1の金属パターン120、第2の絶縁層150、第1の回路パターン及び第1のビアV1を含む。
【0044】
第1の絶縁層110は、電子部品140が挿入されるキャビティ111が設けられた絶縁材で具現され、通常のコア層でもよい。
【0045】
電子部品140は、能動素子またはコンデンサなどの受動素子でもよく、第1の絶縁層110に設けられたキャビティ111の内部にその全部または一部が挿入される。
【0046】
同図のように、電子部品140が2個の外部電極141及びボディ142が設けられたコンデンサであるものとして示したが、これに限定されるのではない。
【0047】
第1の金属パターン120は、電子部品140及び第1の絶縁層110の下面に結合され、ガイドホール121とギャップ122を備える。
【0048】
ガイドホール121は、円形、楕円形、三角形及び多角形など多様な形状に形成され、第1の金属パターン120の前面及び後面がガイドホール121によって貫通されるように形成され、電子部品140の外部電極141の一部を露出させる。
【0049】
ギャップ122は、第1の金属パターン120の左側領域と右側領域とを互いに電気的に分離させる機能をし、電子部品140の外部電極141が2個の場合、外部電極141が互いに電気的に接続されないようにする。
【0050】
外部電極141は、3個以上が設けられてもよい。この場合、第1の金属パターン120は、外部電極141の各々に対応して複数形成され、ギャップによって電気的に分離される。
【0051】
第2の絶縁層150は、第1絶縁層110の下面の一部、第1の金属パターン120の下面、ガイドホール121によって露出する外部電極141の下面、ギャップ122によって露出する電子部品140の下面などと接触される。
【0052】
第1の回路パターン170は、第2絶縁層150の下面に形成され、第1のビアV1によって外部電極141の下面と電気的に接続される。
【0053】
第1の絶縁層110及び第2の絶縁層150に組み込まれた電子部品140は、第1ビアV1などによって外部の配線である第1の回路パターン170と電気的に接続される。
【0054】
一般に、第2の絶縁層150を形成した後に第1のビアV1を形成するためのビアホールを加工するが、電子部品140、特に外部電極141の下方の第2の絶縁層150にCOレーザを照射して、第1のビアV1を形成するためのビアホールを加工する。
【0055】
例えば、COレーザを用いてビアホールを加工する場合、約150μmのビア接触部面積が必要になり、電子部品を実装する時発生する約50μm程度の位置公差が発生する。そのため、ビア接触部のサイズは、最小200μm以上確保される必要がある。
【0056】
最近、普遍的に使われている1.0×0.5mm大きさのコンデンサは、外部電極の片側大きさを200μm以上で具現することができるため、従来の一般的な方法を適用しても大きい問題がなかった。
【0057】
しかし、コンデンサの大きさが0.6×0.3mmまたは0.4×0.2mmなどに小さくなると、該コンデンサの外部電極の大きさも120μm以下に減少される。このため、前述の一般的な方式でビアを形成するか、該ビアを用いて電気的な接続を具現しにくいという問題をもたらす。
【0058】
このような従来技術の問題を解決するために、本発明の一実施形態による電子部品組込み基板100では、ガイドホール121が設けられた第1の金属パターン120が電子部品140の下面に設けられるため、電子部品140の外部電極141のサイズが従来より小さくなる場合にも、第2の絶縁層150に照射されたCOレーザが第1の金属パターン120を通過することができなく、ガイドホール121部分の第2の絶縁層150だけ除去するようになることによって、精微なビアホールの加工が可能になる。
【0059】
また、前記第1のビアV1は、前記ガイドホール121によって前記外部電極141と自己整列(self−align)される。
【0060】
これによって、位置公差、ビアホール加工公差及びビアホールの大きさなどの要因によって、外部電極141のサイズが小さくなるほど外部電極141とビアとの間の接続性が低くなるという従来の問題点を解決することができる。
【0061】
続いて、図1aに示すように、第1の絶縁層110の上面一部には、第2の金属パターン130がさらに設けられる。
【0062】
第2の金属パターン130には、第1の絶縁層110のキャビティ111の上方領域に対応する部分が開放されてなされるマスクホール131が設けられる。
【0063】
すなわち、第1の絶縁層110にキャビティ111が設けられていない状態で、第2の金属パターン130を形成するための金属層が第1の絶縁層110の上面に形成された後、キャビティ111が形成される領域に対応する部分の金属層を除去してマスクホール131を形成し、第2の金属パターン130を形成するようになる。
【0064】
このように形成された第2の金属パターン130は、レーザドリル方式でキャビティ111を形成する過程においてマスクの役割をする。
【0065】
また、このように第2の金属パターン130をマスクとして用いてキャビティ111を形成すると、マスクホール131の側壁及びキャビティ111の側壁は、ほとんど等しい垂直線上に位置するようになる。
【0066】
勿論、レーザドリル方式の普遍的特性を考慮すれば、第1の絶縁層110が第2の金属パターン130に接する部分から下方に行くほどキャビティ111の幅が細くなるような形状が具現されることがある。
【0067】
また、図1dに示すように、マスクホール131の側壁とキャビティ111の側壁とは、必ず垂直線上に位置しなければならないのではない。
【0068】
一方、第1の絶縁層110の上面と下面とに第2の金属パターン130と第1の金属パターン120とが各々設けられた場合、必要によって第2の金属パターン130と第1の金属パターン120とを電気的に接続するためにスルービアVTなどがさらに設けられてもよい。
【0069】
また、電子部品140とキャビティ111との間の空間には、非電導性充填材112が充填される。この場合、第1の絶縁層110の上面、第2の金属パターン130の上面及び電子部品140の上面などを覆う第3の絶縁層160がさらに設けられる場合、第3の絶縁層160を成す材料が電子部品140とキャビティ111との間の空間に充填される。すなわち、非電導性充填材112と第3の絶縁層160を成す材料とは同じ材料でもよい。
【0070】
また、必要によって、第1の金属パターン120と第1回路パターン170との間には、第1のビアV1他にも第2のビアV2など多数のビアがさらに設けられてもよい。第2のビアV2などは、第2の絶縁層150を貫く。
【0071】
また、第3の絶縁層160の上面に第2の回路パターン180が設けられる場合、第2の金属パターン130と第2の回路パターン180とを電気的に接続する一つ以上の第4のビアV4が設けられてもよい。
【0072】
一方、第1の回路パターン170の下面に第1のソルダレジスト191が設けられ、第1の回路パターン170と接触するソルダバンプSBを設けて半導体チップなどの表面実装部品10と接続されてもよい。また、第2の回路パターン180の上面に第2のソルダレジスト192及びソルダバンプSBが設けられる。なお、表面実装部品10は、接続ピン11を備えてよい。また、接続ピン11とソルダバンプSBとを接続してよい。
【0073】
図1bは、本発明の一実施形態による電子部品組込み基板100の変形例を概略的に示す図面で、図1cは、本発明の一実施形態による電子部品組込み基板100の他の変形例を概略的に示す図面である。
【0074】
図1bに示すように、ビアホール加工偏差、電子部品140の位置公差などの要因によって、第1のビアV1−1がガイドホール121の中心から脱した領域に形成されても、電子部品140の外部電極141と第1の回路パターン170との問で安定な電気的接続性が確保されることを理解されたい。
【0075】
また、図1cに示すように、第1の金属パターン120がビアホール加工過程におけるマスクの役割をすることによって、ビアホールの直径が大きくなっても、ガイドホール121内部の領域では正確にビアホールが加工される。このため、該加工されたビアホールを充填して形成される第1のビアV1-2も電子部品140の外部電極141との接触面積を最大化しながら結合される可能性があることを理解されたい。
【0076】
また、図1cに示す第1のビアV1-2は、第1の金属パターン120にも接触され、第1の金属パターン120も外部電極141に接触される。外部電極141と第1の回路パターン170との間の電荷移動経路の幅が従来に比べて遥かに広くなるようになる。
【0077】
また、本発明の一実施形態による第1の金属パターン120は、電子部品140をキャビティ111に取り付ける過程で電子部品140を支持する役割をする。
【0078】
図3は、本発明の他の実施形態による電子部品組込み基板200を概略的に示す図面である。
【0079】
図3に示すように、本の実施形態による電子部品組込み基板200は、前述の実施形態と異なり、電子部品140と第1の金属パターン120との間に絶縁性接着層210がさらに設けられる。
【0080】
絶縁性接着層210は、電子部品140の下面に塗布された状態で、電子部品140をキャビティ111に挿入する方式で形成されるか、第1の金属パターン120の上面に絶縁性接着層210が設けられた状態で電子部品140を挿入する方式によって形成される。
【0081】
図4は、本発明のさらに他の実施形態による電子部品組込み基板300を概略的に示す図面である。
【0082】
図4に示すように、前述の実施形態と異なり、電子部品140の上面で第3の絶縁層160を通じて外部と電気的に接続される第3のビアV3がさらに形成される。
【0083】
図5は、本発明のさらに他の実施形態による電子部品組込み基板を概略的に示す図面である。
【0084】
図5に示すように、前述の実施形態と異なり、絶縁性接着層210が第1の金属パターン120と第1絶縁層110との間、及び第1の金属パターン120と電子部品140との間に設けられる。
【0085】
すなわち、第1の絶縁層110の下面に第1の金属パターン120を結合させるための目的に絶縁性接着層210が設けられる。
【0086】
前述の第1のビアV1は、絶縁性接着層210を貫いて電子部品140の下面または外部電極141の下面に電気的に接続されなければならない。
【0087】
図6a〜図6eは各々、本発明の一実施形態による電子部品組込み基板100の製造方法を概略的に示す順序図であって、図6aは、キャビティ111に電子部品140を挿入する前の状態を概略的に示す断面図で、図6bは、キャビティ111に電子部品140を挿入した状態を概略的に示す断面図であり、図6cは、第2の絶縁層150及び第3の絶縁層160を形成した状態を概略的に示す断面図で、図6dは、第2の絶縁層150及び第3の絶縁層160にビア及び回路パターンを形成した状態を概略的に示す断面図で、図6eは、ソルダレジスト及びソルダバンプSBが形成され、実装部品10が結合された状態を概略的に示す断面図である。
【0088】
図6aに示すように、第1の絶縁層110の下面に第1の金属パターン120が形成される。
【0089】
第1の金属パターン120には、ガイドホール121及びギャップ122が設けられる。
【0090】
また、第1の絶縁層110の上面には、マスクホール131の設けられた第2の金属パターン130が結合され、この場合、マスクホール131にレーザを照射して第1の絶縁層110にキャピテイ111を形成してもよい。
【0091】
図6bに示すように、第1の絶縁層110のキャビティ111の内部に電子部品140が挿入される。
【0092】
同図のように、電子部品140は、コンデンサなどの受動素子で、ここに限定されるのではない。
【0093】
また、同図では、電子部品140の全てがキャビティ111の内部に挿入された場合を例示しているが、電子部品140の一部が、キャビティ111の外部に突出するように挿入されてもよい。
【0094】
図6cに示すように、電子部品140がキャビティ111の内部に挿入された状態で、その下部に第2の絶縁層150が形成され、その上部に第3の絶縁層160が形成される。
【0095】
図6dに示すように、第2の絶縁層150及び第3絶縁層160にビアV1、V2、V3、V1'が形成され、第1の回路パターン170及び第2の回路パターン180と電子部品140または第2の金属パターン130とが電気的に接続される。
【0096】
電子部品140の外部電極141の下面は、ガイドホール121によって露出している状態なので、外部電極141と第1の回路パターン170との間を接続する第1のビアV1は、外部電極141の大きさが小さくなっても電子部品140の位置公差やビアホール加工公差にもかかわらず安定な電気的接続を具現するようになる。
【0097】
図6eに示すように、第1の回路パターン170の下面に第1のソルダレジスト191が設けられ、第1の回路パターン170と接触するソルダバンプSBを設けて半導体チップなどの表面実装部品10と接続されてもよい。
【0098】
また、第2の回路パターン180の上面に第2のソルダレジスト192及びソルダバンプSBが設けられてもよい。
【0099】
図7a〜図7eは各々、本発明の他の実施形態による電子部品組込み基板200製造方法を概略的に示す順序図であって、図7aはキャビティ111に電子部品140を挿入する前の状態を概略的に示す断面図で、図7bは、キャビティ111に電子部品140を挿入し、絶縁性接着層210を用いて電子部品140を固定した状態を概略的に示す断面図であり、図7cは、第2の絶縁層150及び第3の絶縁層160を形成した状態を概略的に示す断面図で、図7dは、第2の絶縁層150及び第3の絶縁層160にビア及び回路パターンを形成した状態を概略的に示す断面図で、図7eは、ソルダレジスト及びソルダバンプSBが形成され、表面実装部品10が結合された状態を概略的に示す断面図である。
【0100】
図7a〜図7eに示すように、前述の実施形態と異なり、キャビティ111に電子部品140を挿入する前に電子部品140の下面に絶縁性接着層210を塗布するか、第1の金属パターン120の上面に絶縁性接着層210を塗布した状態で電子部品140と第1金属パターン120とが結合される。
【0101】
また、図5に示すように、絶縁性接着層210は、第1金属パターン120と第1絶縁層110との間及び第1の金属パターン120と電子部品140との間に設けられることによって、第1の絶縁層110の下面に第1の金属パターン120を結合させる機能及び電子部品140の下面を第1の金属パターン120の上面に結合させる機能をする。
【0102】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0103】
10 表面実装部品
11 接続ピン
100 電子部品組込み基板
110 第1の絶縁層
111 キャビティ
120 第1の金属パターン
121 ガイドホール
122 ギャップ
130 第2の金属パターン
131 マスクホール
140 電子部品
141 外部電極
142 ボディ
150 第2の絶縁層
160 第3の絶縁層
170 第1の回路パターン
180 第2の回路パターン
191 第1のソルダレジスト
192 第2のソルダレジスト
V1 第1のビア
V2 第2のビア
V3 第3のビア
V4 第4のビア
VT スルービア
SB ソルダバンプ
210 絶縁性接着層
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e
図7a
図7b
図7c
図7d
図7e