(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の信号線のそれぞれについての前記第1スイッチは、前記駆動部において前記複数の信号線のそれぞれについての前記第2スイッチが設けられる領域よりも前記液晶表示部の前記第1側端に近い領域に設けられ、
前記複数の信号線のそれぞれについての前記第2スイッチは、前記駆動部において前記複数の信号線のそれぞれについての前記第1スイッチが設けられる領域よりも前記液晶表示部の前記第2側端に近い領域に設けられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照して、本発明にかかる表示装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態)
(実施の形態にかかる表示装置)
図1は、実施の形態にかかる表示装置の一例を示す図である。
図1に示すように、実施の形態にかかる表示装置100は、液晶表示部110と、パッド121と、ロードライバ130と、カラムドライバ・セレクタ141と、制御回路160と、を備える。
【0014】
液晶表示部110は、複数の信号線および複数の走査線を有し、複数の信号線および複数の走査線の交差に対応してマトリクス状に画素が配置される液晶パネルである。また、液晶表示部110は、複数の信号線および複数の走査線へ入力された各信号に応じた画像を、マトリクス状の各画素により表示する。
【0015】
たとえば、液晶表示部110には、LCOS等の液晶パネルを用いることができる。
図1に示す例では、液晶表示部110における列方向のカラム(Column)ラインが信号線であり、液晶表示部110における行方向のロー(Row)ラインが走査線である。
図1においては、液晶表示部110の信号線を点線で示し、液晶表示部110の走査線については図示していない。たとえば、液晶表示部110における信号線150は、液晶表示部110における図面上の最も左側(第1列)の信号線である。
【0016】
液晶表示部110の各列の信号線は、それぞれ液晶表示部110の両側(図面上の上下)に電極を有する。以下の説明において、液晶表示部110における図面上の上方の側端(第1側端)を単に液晶表示部110の上方の側端と称する。液晶表示部110の上方の側端は、液晶表示部110の上方の一辺(端部)である。また、液晶表示部110における図面上の下方の側端(第2側端)を単に液晶表示部110の下方の側端と称する。液晶表示部110の下方の側端は、液晶表示部110の下方の一辺(端部)である。
【0017】
液晶表示部110の上方の側端には第1データ配線群101(第1配線群)が接続されており、液晶表示部110の各列の信号線に対して第1データ配線群101からデータ信号を入力可能である。後述するように、第1データ配線群101は、液晶表示部110の信号線へ入力されるデータ信号の電圧が“H”である場合に使用される配線群である。
【0018】
また、液晶表示部110の下方の側端には第2データ配線群102(第2配線群)が接続されており、液晶表示部110の各列の信号線に対して第2データ配線群102からも信号を入力可能である。後述するように、第2データ配線群102は、液晶表示部110の信号線へ入力されるデータ信号の電圧が“L”である場合に使用される配線群である。“L”は、“H”よりも低い電圧である。また、“H”および“L”とは極性が異なってもよい。
【0019】
第1データ配線群101および第2データ配線群102のそれぞれは、複数のデータ信号をパラレルで(並行して)伝送可能な配線群である。一例としては、第1データ配線群101および第2データ配線群102は、液晶パネルにLCOSを用いた場合、シリコン基板に作りこんだアルミニウム配線により実現することができる。
【0020】
たとえば、液晶表示部110における第1列の信号線150は、液晶表示部110の上方の側端に電極151を有し、液晶表示部110の下方の側端に電極152を有する。電極151は、第1データ配線群101に含まれる配線に接続されている。電極152は、第2データ配線群102に含まれる配線に接続されている。
【0021】
電極151,152はともに信号線150に接続されているため、信号線150に対するデータ信号を電極151,152のいずれから入力しても同様の表示結果が得られる。液晶表示部110の具体的な構成については後述する(たとえば
図2参照)。
【0022】
パッド121には、制御回路160から、液晶表示部110に画像を表示させるための各信号が入力される。パッド121は、入力された各信号に含まれるロードライバ130への制御信号を、制御配線群103を介してロードライバ130へ出力する。制御配線群103は、一例としては、上述した配線群と同様にアルミニウム配線により実現することができる。また、パッド121は、入力された各信号に含まれるカラムドライバ・セレクタ141へのデータ信号および制御信号をカラムドライバ・セレクタ141へ出力する。
【0023】
ロードライバ130は、液晶表示部110の行(Row)ごとに設けられた走査線の電極のいずれかに信号を入力することにより、液晶表示部110における書き換え対象の行を設定する。また、ロードライバ130は、液晶表示部110における書き換え対象の行を、パッド121から出力された制御信号に基づいて切り替える。
【0024】
カラムドライバ・セレクタ141は、パッド121から出力された各データ信号を、液晶表示部110の列(Column)ごとに設けられた信号線の電極に入力することにより、液晶表示部110に対して各列の書き換えを指示する駆動部である。このとき、実際に書き換えられる液晶表示部110の画素は、ロードライバ130によって書き換え対象として設定された行における各列の画素である。
【0025】
カラムドライバ・セレクタ141による各データ信号の入力は、パッド121から出力された制御信号によって制御される。また、カラムドライバ・セレクタ141は、各データ信号を液晶表示部110へ入力するタイミングを調整する同期処理等を行う。カラムドライバ・セレクタ141の構成については後述する(たとえば
図3参照)。
【0026】
また、カラムドライバ・セレクタ141は、液晶表示部110の各列の信号線について、入力するデータ信号の電圧によって、液晶表示部110の各列に対してデータ信号を入力する電極を切り替える。データ信号の電圧は、たとえば“H”(High)および“L”(Low)である。
【0027】
たとえば、カラムドライバ・セレクタ141は、信号線150へ入力するデータ信号が“H”である場合は第1データ配線群101を用いて電極151から信号線150へデータ信号を入力する。また、カラムドライバ・セレクタ141は、信号線150へ入力するデータ信号が“L”である場合は第2データ配線群102を用いて電極152から信号線150へデータ信号を入力する。
【0028】
また、液晶表示部110の各列のうちの信号線150とは異なる各列の信号線についても同様に、カラムドライバ・セレクタ141は、入力するデータ信号が“H”(第1電圧)である場合は第1データ配線群101を用いて液晶表示部110の上方の側端からデータ信号を入力し、入力するデータ信号が“L”(第2電圧)である場合は第2データ配線群102を用いて液晶表示部110の下方の側端からデータ信号を入力する。
【0029】
このように、表示装置100は、液晶表示部110の各信号線に対して、“H”のデータ信号を入力する場合は第1データ配線群101に含まれる配線を使用し、“L”のデータ信号を入力する場合は第2データ配線群102に含まれる配線を使用する。
【0030】
これにより、第1データ配線群101においては、“H”のデータ信号のみが伝送され、“H”のデータ信号と“L”のデータ信号とが混在しないため、データ信号間(配線間)の干渉によるノイズを抑えることができる。同様に、第2データ配線群102においては、“L”のデータ信号のみが伝送され、“H”のデータ信号と“L”のデータ信号とが混在しないため、データ信号間の干渉によるノイズを抑えることができる。
【0031】
また、第1データ配線群101は液晶表示部110の上方の側端に接続され、第2データ配線群102は液晶表示部110の下方の側端に接続されている。したがって、少なくとも液晶表示部110の付近においては、第1データ配線群101および第2データ配線群102は互いに離れて設けられる。これにより、第1データ配線群101と第2データ配線群102との間の干渉によるノイズを抑えることができる。
【0032】
このため、表示装置100によれば、液晶表示部110へパラレルに伝送される各信号について、データ信号間の干渉によるノイズを抑え、液晶表示部110における表示の精度を向上させることができる。たとえば、所望のデータが表示されないなどの液晶表示部110における表示不良を抑制することができる。
【0033】
たとえば、一般的に、LCOS等の液晶表示部が大型化するほど、駆動部から液晶表示部までのパラレル配線が長くなり、データ信号間の干渉によるノイズが大きくなる。また、液晶表示部が高解像度になるほど、駆動部から液晶表示部までのパラレル配線の配線間隔が狭くなり、データ信号間の干渉によるノイズが大きくなる。特に、駆動部から液晶表示部へ伝送される各データ信号が高周波であると、該各データ信号がデジタル信号であってもデータ信号間の干渉によるノイズが大きくなる。このため、液晶表示部における表示の精度が低下する。
【0034】
これに対して、表示装置100によれば、液晶表示部110が大画面であったり高解像度であったりしても、データ信号が“H”の場合は第1データ配線群101を用いて液晶表示部110の上方の側端から該データ信号を入力し、データ信号が“L”の場合は第2データ配線群102を用いて液晶表示部110の下方の側端から該データ信号を入力することができる。このため、隣り合うデータ信号間の電圧に差が生じることがなく干渉によるノイズを抑えることができる。
【0035】
なお、第1データ配線群101および第2データ配線群102は、互いに離れている部分が多いほど互いの干渉によるノイズを抑えることができる。このため、
図1に示すように、第1データ配線群101はカラムドライバ・セレクタ141に近い部分から図面上の上方に向かって配置し、第2データ配線群102はカラムドライバ・セレクタ141に近い部分から図面上の下方に向かって配置することが好ましい。
【0036】
また、表示装置100によれば、パラレルに伝送される各データ信号の同一極性への同時変化が少なくなるように画像データを符号化しなくても、データ信号間の干渉によるノイズを抑えることができる。このため、表示装置100によれば、パラレルに伝送される各データ信号の同一極性への同時変化を少なくするための符号化および復号化による各データ信号の遅延を回避し、液晶表示部110における表示の遅延(たとえばリアルタイム性の低下)を回避することができる。
【0037】
また、表示装置100によれば、パラレルに伝送される各データ信号の同一極性への同時変化を少なくするための符号化および復号化を行うための符号化回路および復号化回路を設けなくても、データ信号間の干渉によるノイズを抑えることができる。このため、装置の大型化(チップ面積の増大)や消費電流の増加を回避することができる。
【0038】
なお、ロードライバ130と液晶表示部110との間の各配線(ローライン)においては、液晶表示部110の各行のうちの書き換え対象を指示するためのものであり、複数の信号がパラレルに伝送されるものではないため、信号線間の干渉はない。
【0039】
また、
図1に示す構成において、第1データ配線群101および第2データ配線群102に含まれる各配線は、長さを揃えたり太さを調整したりすることにより、伝送特性がほぼ同一になるように形成されてもよい。これにより、液晶表示部110へ入力される各データ信号の品質を均一化し、液晶表示部110の表示品質を向上させることができる。
【0040】
図1に示した表示装置100は、液晶表示部110を用いて画像を表示する表示装置であるが、液晶表示部110を用いて光を空間変調する空間光変調装置としての側面を有する。たとえば、画像を光情報記憶媒体に照射してホログラムを形成することで情報を記憶するホログラフィックメモリにおいて、光を空間変調することによって画像を生成する空間光変調装置として表示装置100を用いることができる。ただし、表示装置100は、ホログラフィックメモリに限らず、たとえばプロジェクタや電子式ビューファインダ等にも適用可能である。
【0041】
(実施の形態にかかる液晶表示部の構成)
図2は、実施の形態にかかる液晶表示部の構成の一例を示す図である。
図1に示した液晶表示部110は、たとえば、
図2に示すようにn×nの画素を有する構成とすることができる。nは2以上の自然数である。一例としてはn=2100とすることができる。
図2に示す液晶表示部110は、具体的には、画素211〜21n,221〜22n,…,2n1〜2nnと、電極VCOMと、電極COM_1〜COM_nと、電極SEG−H_1〜SEG−H_nと、電極SEG−L_1〜SEG−L_nと、を備える。
【0042】
画素211〜21n,221〜22n,…,2n1〜2nnは、n×nのマトリクス状に設けられた各画素である。電極VCOMには、液晶表示部110の駆動電圧が入力される。電極VCOMへ入力された駆動電圧は画素211〜21n,221〜22n,…,2n1〜2nnへ供給される。電極COM_1〜COM_nは、液晶表示部110の行ごとに設けられたn個の電極であって、液晶表示部110のn本の走査線の各電極である。
【0043】
電極SEG−H_1〜SEG−H_nは、液晶表示部110の上方の側端に、液晶表示部110の列ごとに設けられたn個の電極である。すなわち、電極SEG−H_1〜SEG−H_nは、液晶表示部110のn本の信号線の各電極である。たとえば、電極SEG−H_1は
図1に示した電極151に対応する。
【0044】
電極SEG−L_1〜SEG−L_nは、液晶表示部110における電極SEG−H_1〜SEG−H_nが設けられた側端とは反対側の側端(下方の側端)に、液晶表示部110の列ごとに設けられたn個の電極である。すなわち、電極SEG−L_1〜SEG−L_nは、液晶表示部110のn本の信号線の各電極である。たとえば、電極SEG−L_1は
図1に示した電極152に対応する。
【0045】
つぎに、画素211〜21n,221〜22n,…,2n1〜2nnのうちの画素211の構成について説明するが、その他の画素212〜21n,221〜22n,…,2n1〜2nnの構成についても同様である。画素211は、トランジスタ201と、コンデンサ202と、液晶セル203と、を備える。
【0046】
トランジスタ201は、たとえばTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)により実現することができる。トランジスタ201のゲートは電極COM_1に接続されている。トランジスタ201のソース(またはドレイン)は電極SEG−H_1,SEG−L_1に接続されている。トランジスタ201のドレイン(またはソース)はコンデンサ202に接続されている。
【0047】
コンデンサ202は、電荷蓄積用のコンデンサである。コンデンサ202の一端はトランジスタ201のドレイン(またはソース)および液晶セル203に接続されている。コンデンサ202の他端は接地されている。液晶セル203の一端はトランジスタ201のドレイン(またはソース)およびコンデンサ202に接続されている。液晶セル203の他端は電極VCOMに接続されている。液晶セル203にはたとえば強誘電性液晶を用いることができる。
【0048】
図2に示した構成により、液晶表示部110は、電極SEG−H_1〜SEG−H_nまたは電極SEG−L_1〜SEG−L_n(複数の信号線)と、電極COM_1〜COM_n(走査線)と、へ入力された各信号に応じた画像を画素211〜21n,221〜22n,…,2n1〜2nnにより表示することができる。
【0049】
(実施の形態にかかるカラムドライバ・セレクタの構成)
図3は、実施の形態にかかるカラムドライバ・セレクタの構成の一例を示す図である。
図1に示したカラムドライバ・セレクタ141は、たとえば、
図3に示すように、データ入力端子311〜31nと、制御信号入力端子321,322と、制御信号生成部330と、データバッファ部340と、データラッチ部350と、アナログスイッチ回路360と、データ出力端子371〜37n,381〜38nと、を備える。
【0050】
データ入力端子311〜31nは、液晶表示部110における各列の信号線に対応して設けられたn本の端子である。データ入力端子311〜31nには、パッド121からカラムドライバ・セレクタ141へ出力された信号のうちの、液晶表示部110における各列の信号線に対応する各データ信号が入力される。データ入力端子311〜31nは、入力された各データ信号をデータバッファ部340へ出力する。
【0051】
制御信号入力端子321,322には、パッド121からカラムドライバ・セレクタ141へ出力された信号のうちの制御信号が入力される。制御信号入力端子321,322は、入力された各制御信号を制御信号生成部330へ出力する。
【0052】
制御信号生成部330は、制御信号入力端子321,322から出力された各制御信号に基づいて、データバッファ部340およびデータラッチ部350を制御する各制御信号を生成する。そして、制御信号生成部330は、生成した各制御信号をそれぞれデータバッファ部340およびデータラッチ部350へ出力する。
【0053】
データバッファ部340は、制御信号生成部330からの制御信号に基づいて、データ入力端子311〜31nから出力されたn本のデータ信号を一時的に格納する。データラッチ部350は、制御信号生成部330からの制御信号に基づいて、データバッファ部340によって一時的に格納されたn本のデータ信号をラッチする。そして、データラッチ部350は、ラッチしたn本のデータ信号を、液晶表示部110の第1列〜第n列に対応する各データ信号としてアナログスイッチ回路360へ出力する。データバッファ部340およびデータラッチ部350により、液晶表示部110の第1列〜第n列に対応する各データ信号を液晶表示部110へ入力するタイミングを調整することができる。
【0054】
アナログスイッチ回路360は、アナログスイッチTG−H_1〜,…およびアナログスイッチTG−L_1,…を備える。アナログスイッチTG−H_1〜,…は、液晶表示部110の各信号線に対応して設けられたn個の第1スイッチである。アナログスイッチTG−L_1,…は、液晶表示部110の各信号線に対応して設けられたn個の第2スイッチである。アナログスイッチTG−H_1〜,…,TG−L_1,…のそれぞれは、たとえばTFTなどによって実現可能なトランスミッションゲートである。
【0055】
また、アナログスイッチ回路360は、アナログスイッチTG−H_1〜,…,TG−L_1,…を用いて、データラッチ部350から出力された第1列〜第n列に対応するデータ信号のそれぞれを、電圧に応じてデータ出力端子371〜37nおよびデータ出力端子381〜38nのいずれかへ振り分けて出力する。
【0056】
アナログスイッチ回路360の具体的な構成については後述するが(たとえば
図4参照)、ここではデータラッチ部350から出力された第1列に対応するデータ信号の振り分けについて説明する。アナログスイッチ回路360は、アナログスイッチTG−H_1,TG−L_1を用いて、データラッチ部350から出力された第1列に対応するデータを、該データの値が“H”であればデータ出力端子371へ出力し、該データの値が“L”であればデータ出力端子381へ出力する。
【0057】
データ出力端子371〜37nは、それぞれ液晶表示部110の上方の側端における電極SEG−H_1〜SEG−H_nに対応して設けられたn本の端子である。データ出力端子371〜37nは、アナログスイッチ回路360から出力された“H”のデータ信号を、
図1に示した第1データ配線群101を介して、それぞれ液晶表示部110の電極SEG−H_1〜SEG−H_nへ出力する。
【0058】
データ出力端子381〜38nは、それぞれ液晶表示部110の下方の側端における電極SEG−L_1〜SEG−L_nに対応して設けられたn本の端子である。データ出力端子381〜38nは、アナログスイッチ回路360から出力された“L”のデータ信号を、
図1に示した第2データ配線群102を介して、それぞれ液晶表示部110の電極SEG−L_1〜SEG−L_nへ出力する。
【0059】
(実施の形態にかかるアナログスイッチ回路の構成)
図4は、実施の形態にかかるアナログスイッチ回路の構成の一例を示す図である。
図4において、
図3に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図3に示したアナログスイッチ回路360は、たとえば、
図4に示すように、n個のアナログスイッチTG−H_1,…と、n個のアナログスイッチTG−L_1,…と、否定回路411〜41nと、電源VDDと、グランドGNDと、を備える。
【0060】
たとえば、アナログスイッチ回路360へ入力された、液晶表示部110の第1列に対応するデータ信号は、アナログスイッチTG−H_1および否定回路411のそれぞれへ入力される。アナログスイッチTG−H_1は、電源VDDとデータ出力端子371との間に設けられている。そして、アナログスイッチTG−H_1は、入力されたデータ信号が“H”である場合はオンとなって電源VDDとデータ出力端子371との間を接続する。また、アナログスイッチTG−H_1は、入力されたデータ信号が“L”である場合はオフとなって電源VDDとデータ出力端子371との間を切断する。
【0061】
これにより、アナログスイッチ回路360へ入力された第1列に対応するデータ信号が“H”である場合は、アナログスイッチTG−H_1からデータ出力端子371へデータ信号として“H”が出力される。また、アナログスイッチ回路360へ入力された第1列に対応するデータ信号が“L”である場合は、アナログスイッチTG−H_1はハイインピーダンスとなる。
【0062】
否定回路411は、入力されたデータ信号を反転させてアナログスイッチTG−L_1へ出力する。アナログスイッチTG−L_1は、グランドGNDとデータ出力端子381との間に設けられている。そして、アナログスイッチTG−L_1は、入力されたデータ信号が“H”である場合はオンとなってグランドGNDとデータ出力端子381との間を接続する。また、アナログスイッチTG−L_1は、入力されたデータ信号が“L”である場合はオフとなってグランドGNDとデータ出力端子381との間を切断する。
【0063】
これにより、アナログスイッチ回路360へ入力された第1列に対応するデータ信号が“H”である場合は、アナログスイッチTG−L_1はハイインピーダンスとなる。また、アナログスイッチ回路360へ入力された第1列に対応するデータ信号が“L”である場合は、アナログスイッチTG−L_1からデータ出力端子381へデータ信号として“L”が出力される。
【0064】
したがって、アナログスイッチ回路360へ入力された第1列に対応するデータ信号が“H”である場合は、データ出力端子371から液晶表示部110の電極SEG−H_1へ“H”のデータ信号が出力され、データ出力端子381から液晶表示部110の電極SEG−L_1へはデータ信号が出力されない。
【0065】
また、アナログスイッチ回路360へ入力された第1列に対応するデータ信号が“L”である場合は、データ出力端子381から液晶表示部110の電極SEG−L_1へ“L”のデータ信号が出力され、データ出力端子371から液晶表示部110の電極SEG−H_1へはデータ信号が出力されない。
【0066】
アナログスイッチ回路360へ入力された第1列に対応するデータ信号と同様に、アナログスイッチ回路360へ入力された第2列〜第n列のデータ信号は、それぞれアナログスイッチTG−H_2,…および否定回路412〜41nへ入力される。そして、第1列に対応するデータ信号と同様に、第2列〜第n列のデータ信号は、“H”である場合はそれぞれデータ出力端子372〜37nから出力され、“L”である場合はそれぞれデータ出力端子382〜38nから出力される。
【0067】
図4に示した構成により、液晶表示部110の信号線へ入力すべきデータ信号が“H”の場合は第1データ配線群101を用いて液晶表示部110の上方の側端から該データ信号を入力することができる。また、液晶表示部110の信号線へ入力すべきデータ信号が“L”の場合は第2データ配線群102を用いて液晶表示部110の下方の側端から該データ信号を入力することができる。
【0068】
また、
図3,
図4に示したように、第1データ配線群101に接続されたアナログスイッチTG−H_1〜,…は、カラムドライバ・セレクタ141におけるアナログスイッチTG−L_1,…が設けられる領域よりも、液晶表示部110の上方の側端に近い領域(図面上の上半分の領域)に設けられる。
【0069】
また、第2データ配線群102に接続されたアナログスイッチTG−L_1,…は、カラムドライバ・セレクタ141におけるアナログスイッチTG−H_1〜,…が設けられる領域よりも、液晶表示部110の下方の側端に近い領域(図面上の下半分の領域)に設けられる。
【0070】
これにより、カラムドライバ・セレクタ141(駆動部)の付近においても、第1データ配線群101および第2データ配線群102を互いに離して設けることができる。このため、第1データ配線群101および第2データ配線群102のうちの互いに離れている部分を多くし、データ信号間の干渉によるノイズをより抑えることができる。
【0071】
(液晶表示部へ入力される駆動電圧の波形)
図5は、液晶表示部へ入力される駆動電圧の波形の一例を示す図である。
図5において、横方向は時間を示し、縦方向は電圧を示す。期間F1,F2は互いに連続する期間である。駆動波形501,502は、それぞれ
図2に示した液晶表示部110の電極COM_1,COM_2へ入力される各信号(駆動電圧)の波形である。Vgは、液晶表示部110の各画素のゲートへ入力されるゲート電圧を示す。一例としては、Vgは5[V]とすることができる。
【0072】
駆動波形503,504は、それぞれ
図2に示した液晶表示部110の電極SEG−H_1,SEG−H_2へ入力される各信号(駆動電圧)の波形である。駆動波形505,506は、それぞれ
図2に示した液晶表示部110の電極SEG−L_1,SEG−L_2へ入力される各信号(駆動電圧)の波形である。VS−Hは、ロジック信号のH電圧(第1電圧)である。VS−Lは、ロジック信号のL電圧(第2電圧)である。一例としては、VS−Hを3[V]、VS−Lを−3[V]とすることができる。別の例としては、VS−Hを6[V]、VS−Lを0[V]とすることができる。Hi−Zはハイインピーダンスを示す。
【0073】
駆動波形503〜506における点線部分は、ハイインピーダンス(Hi−Z)となっている状態を示す。駆動波形503,505は、ともに液晶表示部110の第1列に対応する信号の波形であるため、常に一方のみがハイインピーダンスの状態となっている。駆動波形504,506は、ともに液晶表示部110の第2列に対応する信号の波形であるため、常に一方のみがハイインピーダンスの状態となっている。
【0074】
(液晶表示部における画素の変化)
図6および
図7は、液晶表示部における画素の変化の一例を示す図である。
図6,
図7は、
図2に示した液晶表示部110の各画素のうちの画素211,212,221,222を示している。
図6,
図7は、それぞれ期間F1,F2において、
図5に示した駆動波形501〜506が入力された場合における画素211,212,221,222の状態を示している。
図5に示した駆動波形501〜506を液晶表示部110へ入力することにより、画素211,212,221,222が
図6,
図7のように変化する。
【0075】
期間F1においては、
図6に示すように、画素211,212,221がSEG−H_1またはSEG−H_2からのH電圧(第1電圧)によって明(白)の状態となり、画素222がSEG−L_2からのL電圧(第2電圧)によって暗(黒)の状態となっている。また、期間F1に続く期間F2においては、
図7に示すように、画素211,222がSEG−H_1またはSEG−H_2からのH電圧(第1電圧)によって明(白)の状態となり、画素212,221がSEG−L_1またはSEG−L_2からのL電圧(第2電圧)によって暗(黒)の状態となっている。
【0076】
(実施の形態にかかる液晶表示装置の他の例)
図8は、実施の形態にかかる液晶表示装置の他の例を示す図である。
図8において、
図1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図1においては液晶表示部110の各列の信号線に対して、パッド121およびカラムドライバ・セレクタ141によってデータ信号を入力する構成について説明した。
【0077】
図8においては、さらにパッド122およびカラムドライバ・セレクタ142を表示装置100に設ける場合について説明する。この場合に、パッド121には、制御回路160から、液晶表示部110のうちの図面上の左半分の画素に画像を表示させるための各信号が入力される。また、パッド122には、制御回路160から、液晶表示部110のうちの図面上の右半分の画素に画像を表示させるための各信号が入力される。以下の説明において、液晶表示部110のうちの図面上の左半分の領域を単に液晶表示部110の左半分と称する。また、液晶表示部110のうちの図面上の右半分の領域を単に液晶表示部110の右半分と称する。
【0078】
第1データ配線群101のうちの液晶表示部110の左半分の信号線に接続された配線群は、カラムドライバ・セレクタ141に接続される。また、第1データ配線群101のうちの液晶表示部110の右半分の信号線に接続された配線群は、カラムドライバ・セレクタ142に接続される。
【0079】
また、第2データ配線群102のうちの液晶表示部110の左半分の信号線に接続された配線群は、カラムドライバ・セレクタ141に接続される。また、第2データ配線群102のうちの液晶表示部110の右半分の信号線に接続された配線群は、カラムドライバ・セレクタ142に接続される。
【0080】
パッド121は、上述のように、制御回路160から入力された各信号に含まれるカラムドライバ・セレクタ141へのデータ信号および制御信号をカラムドライバ・セレクタ141へ出力する。パッド122は、パッド121と同様に、制御回路160から入力された各信号に含まれるカラムドライバ・セレクタ142へのデータ信号および制御信号をカラムドライバ・セレクタ142へ出力する。
【0081】
カラムドライバ・セレクタ141は、パッド121から出力された制御信号に応じて、パッド121から出力されたデータ信号を、液晶表示部110の列ごとに設けられた信号線(液晶表示部110の左半分のみ)の電極に入力することにより、液晶表示部110の左半分の各列の書き換えを指示する。
【0082】
カラムドライバ・セレクタ142は、パッド122から出力された制御信号に応じて、パッド122から出力されたデータ信号を、液晶表示部110の列ごとに設けられた信号線(液晶表示部110の右半分のみ)の電極に入力することにより、液晶表示部110の右半分の各列の書き換えを指示する。
【0083】
カラムドライバ・セレクタ142の構成は、カラムドライバ・セレクタ141の構成(たとえば
図3,
図4参照)と同様である。ただし、
図8に示す構成において、カラムドライバ・セレクタ141,142のそれぞれが処理するデータ信号の数はn/2となり、それに伴い、
図3,
図4に示したカラムドライバ・セレクタ141,142の各端子や各スイッチの数も半分にすることができる。
【0084】
このように、液晶表示部110に画像を表示させるための各信号を、パッド121およびカラムドライバ・セレクタ141と、パッド122およびカラムドライバ・セレクタ142と、に分割して処理してもよい。このような構成においても、データ信号が“H”の場合は第1データ配線群101を用いて液晶表示部110の上方の側端から該データ信号を入力し、データ信号が“L”の場合は第2データ配線群102を用いて液晶表示部110の下方の側端から該データ信号を入力することで、データ信号間の干渉によるノイズを抑えることができる。
【0085】
図8においては、液晶表示部110の各信号線を、液晶表示部110の左半分と右半分を1:1で分割してそれぞれカラムドライバ・セレクタ141とカラムドライバ・セレクタ142に対応させる構成について説明した。ただし、液晶表示部110の各信号線の分割比率は1:1に限らず任意に決定することができる。
図9に示す構成についても同様である。
【0086】
(実施の形態にかかる液晶表示装置のさらに他の例)
図9は、実施の形態にかかる液晶表示装置のさらに他の例を示す図である。
図9において、
図8に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、“H”のデータ信号を液晶表示部110へ伝送する第1データ配線群101のうち、液晶表示部110の左半分の信号線に対応する配線群は液晶表示部110の上方の側端に接続され、液晶表示部110の右半分の信号線に対応する配線群は液晶表示部110の下方の側端に接続される構成としてもよい。
【0087】
また、“L”のデータ信号を液晶表示部110へ伝送する第2データ配線群102のうち、液晶表示部110の左半分の信号線に対応する配線群は液晶表示部110の下方の側端に接続され、液晶表示部110の右半分の信号線に対応する配線群は液晶表示部110の上方の側端に接続される構成としてもよい。
【0088】
このような構成においても、液晶表示部110の左半分の信号線について、データ信号が“H”の場合は第1データ配線群101を用いて液晶表示部110の上方の側端から該データ信号を入力し、データ信号が“L”の場合は第2データ配線群102を用いて液晶表示部110の下方の側端から該データ信号を入力することで、データ信号間の干渉によるノイズを抑えることができる。
【0089】
また、液晶表示部110の右半分の信号線について、データ信号が“H”の場合は第1データ配線群101を用いて液晶表示部110の下方の側端から該データ信号を入力し、データ信号が“L”の場合は第2データ配線群102を用いて液晶表示部110の上方の側端から該データ信号を入力することで、データ信号間の干渉によるノイズを抑えることができる。
【0090】
図1,
図8,
図9に示したように、第1データ配線群101および第2データ配線群102の各配線方法についての様々な変形が可能である。
【0091】
このように、実施の形態にかかる表示装置100によれば、液晶表示部110へパラレルに伝送される各データ信号について、同一極性への同時変化が少なくなるように符号化しなくても、データ信号間の干渉によるノイズを抑えることができる。このため、液晶表示部110における表示の遅延を抑えつつ、液晶表示部110における表示の精度を向上させることができる。
【0092】
なお、液晶表示部110がn×nの画素を有する構成について説明したが、液晶表示部110がm×nの画素(m≠n)の画素を有する構成としてもよい。この場合は、たとえば
図2に示した電極COM_1〜COM_nに代えて、行ごとのm個の電極COM_1〜COM_mが設けられる。
【0093】
以上説明したように、本願発明にかかる表示装置によれば、表示の遅延を抑えつつ表示の精度を向上させることができる。