(54)【発明の名称】デジタルコンテンツ編集装置、デジタルコンテンツ再生装置、デジタルコンテンツ復号装置、デジタルコンテンツ暗号化復号システムおよびデジタルコンテンツ暗号化復号方法
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
生成した複数のファイル群からなるデジタルコンテンツのうち、暗号化非対象のファイル群を配信装置にアップロードし、暗号化対象のファイル群を暗号化して記録媒体にコピーするデジタルコンテンツ編集装置と、前記デジタルコンテンツ編集装置で暗号化されたデジタルコンテンツのファイル群を復号し、前記暗号化されていないデジタルコンテンツのファイル群と統合して再生するデジタルコンテンツ再生装置とを有するデジタルコンテンツ暗号化復号システムであって、
前記デジタルコンテンツ編集装置は、
データを加工して複数のファイル群からなるデジタルコンテンツを生成するデジタルコンテンツ生成部と、
前記デジタルコンテンツ生成部が生成したデジタルコンテンツを構成するファイル群のうちの暗号化非対象のファイル群の一部のファイルをキーファイルとして利用して、前記デジタルコンテンツを構成するファイル群のうちの暗号化対象のファイル群を暗号化する暗号化部とを備え、
前記デジタルコンテンツ再生装置は、
前記デジタルコンテンツ編集装置から前記配信装置を介して配信される暗号化されていないデジタルコンテンツのファイル群の中から取得したキーファイルを利用して、記録媒体を介して取得する、前記デジタルコンテンツ編集装置で暗号化されたデジタルコンテンツのファイル群を復号する復号部と、
前記暗号化されていないデジタルコンテンツのファイル群と、前記復号部が復号したデジタルコンテンツのファイル群を統合して表示装置で再生させる再生部とを備える
ことを特徴とするデジタルコンテンツ暗号化復号システム。
生成した複数のファイル群からなるデジタルコンテンツのうち、暗号化非対象のファイル群を配信装置にアップロードし、暗号化対象のファイル群を暗号化して記録媒体にコピーするデジタルコンテンツ編集装置と、前記デジタルコンテンツ編集装置で暗号化されたデジタルコンテンツのファイル群を復号し、前記暗号化されていないデジタルコンテンツのファイル群と統合して再生するデジタルコンテンツ再生装置とによるデジタルコンテンツ暗号化復号方法であって、
前記デジタルコンテンツ編集装置において、
デジタルコンテンツ生成部が、データを加工して複数のファイル群からなるデジタルコンテンツを生成し、
暗号化部が、前記デジタルコンテンツ生成部が生成したデジタルコンテンツを構成するファイル群のうちの暗号化非対象のファイル群の一部のファイルをキーファイルとして利用して、前記デジタルコンテンツを構成するファイル群のうちの暗号化対象のファイル群を暗号化し、
前記デジタルコンテンツ再生装置において、
復号部が、前記デジタルコンテンツ編集装置から前記配信装置を介して配信される暗号化されていないデジタルコンテンツのファイル群の中から取得したキーファイルを利用して、一部を利用して、記録媒体を介して取得する、前記デジタルコンテンツ編集装置で暗号化されたデジタルコンテンツのファイル群を復号し、
再生部が、前記暗号化されていないデジタルコンテンツのファイル群と、前記復号部が復号したデジタルコンテンツのファイル群を統合して表示装置で再生させる
ことを特徴とするデジタルコンテンツ暗号化復号方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1のデジタルコンテンツ暗号化復号システム100の構成を説明する図である。
図1に示すように、デジタルコンテンツ暗号化復号システム100は、オーサリング装置1と、表示装置2と、配信装置3と、記録媒体4とを備える。
なお、ここでは、説明の便宜上、デジタルコンテンツ暗号化復号システム100においてやりとりされるコンテンツデータについてもあわせて
図1に示している。
【0012】
オーサリング装置1は、例えばPCなどであり、複数のファイル群からなるデジタルコンテンツの生成を行い、生成したデジタルコンテンツを構成するファイル群のうち、映像以外のデジタルコンテンツ(第一のデジタルコンテンツ)を配信装置3にアップロードする。また、デジタルコンテンツを構成するファイル群のうち、映像ファイル(第二のデジタルコンテンツ)を記録媒体にコピーする。なお、オーサリング装置1は、映像ファイルを暗号化して記録媒体4にコピーする。
【0013】
配信装置3は、例えばWebサーバなど、デジタルコンテンツなどのファイルをネットワークに公開して配信する。この実施の形態1のデジタルコンテンツ暗号化復号システム100においては、配信装置3は、オーサリング装置1からアップロードされた映像以外のデジタルコンテンツを受け取り、当該映像以外のデジタルコンテンツを、表示装置2からのアクセスに応じて配信する。
【0014】
記録媒体4は、データを記録して持ち運び可能なCD、DVDなどの光ディスクであり、オーサリング装置1からコピーされた、暗号化済みの映像ファイルを記録する。
【0015】
表示装置2は、例えばPCなどであり、配信装置3にアクセスして映像以外のデジタルコンテンツのファイル群をダウンロードし、また、記録媒体4の映像ファイルを参照して暗号化済みの映像ファイルの復号を行い、デジタルコンテンツの再生を行う。
【0016】
図2は、この発明の実施の形態1に係るデジタルコンテンツ編集装置11を搭載したオーサリング装置1の構成図である。
オーサリング装置1は、デジタルコンテンツ編集装置11と、入出力部12と、操作受付部13とを備える。
【0017】
操作受付部13は、制作者によるマウスなどを用いたGUI操作を受け付ける。
デジタルコンテンツ編集装置11は、例えば、Web学習教材のような映像、音声、テキストなどを含むデジタルコンテンツを制作するものであり、デジタルコンテンツ生成部111と暗号化部112とを備える。
デジタルコンテンツ生成部111は、入出力部12が受け付けた映像、音声、テキストなどのデータを取得し、操作受付部13が受け付けた制作者の指示内容に基づいて当該データを加工し、加工したデータを基にデジタルコンテンツを生成する。
暗号化部112は、デジタルコンテンツ生成部111が生成したデジタルコンテンツのファイル群の一部を暗号化する。
具体的には、暗号化部112は、キーファイル指定部1121を備え、キーファイル指定部1121が、デジタルコンテンツを構成するファイル群の中からキーファイルとして利用するファイルを指定すると、当該キーファイル指定部1121が指定したキーファイルでデジタルコンテンツを暗号化する。なお、キーファイルは1つでも複数であってもよい。
【0018】
なお、暗号化が行われた暗号化部112のデジタルコンテンツは、キーファイル指定部1121により指定されたキーファイルで暗号化された暗号化済み映像ファイルと、映像以外のファイル群、すなわち、映像以外のデジタルコンテンツで構成され、暗号化の際は、映像以外のデジタルコンテンツのファイル群の一部がキーファイルとして利用される(
図1参照)。
【0019】
入出力部12は、デジタルコンテンツを構成するファイル群のうち、映像以外のデジタルコンテンツを配信装置3にアップロードする。また、入出力部12は、デジタルコンテンツを構成するファイル群のうち、暗号化済み映像ファイルを記録媒体4にコピーする。
また、入出力部12は、ビデオカメラ等の外部の装置から、映像、音声、テキストなどのデータを受け付けて読み込み、デジタルコンテンツ編集装置11に出力する。デジタルコンテンツ編集装置11は、当該データからデジタルコンテンツの生成を行う。
【0020】
図3は、この発明の実施の形態1に係る表示装置2の構成図である。
表示装置2は、デジタルコンテンツ再生装置21と、記録部22と、操作受付部23と、データ取得部24とを備える。
【0021】
デジタルコンテンツ再生装置21は、復号部211と再生部212とを備え、復号部211と再生部212はそれぞれ、キーファイル取得部2111と映像参照部2121とをさらに備える。
デジタルコンテンツ再生装置21の復号部211は、記録媒体4内に格納されている暗号化済み映像ファイルを参照して、デジタルコンテンツを復号する。
具体的には、復号部211は、キーファイル取得部2111が、配信装置3からダウンロードして記録部22に記録されている映像以外のデジタルコンテンツのファイル群からキーファイルを取得し、当該キーファイルを用いて、記録媒体4から読み込んだ暗号化済み映像ファイルを復号する。
【0022】
デジタルコンテンツ再生装置21の再生部212は、デジタルコンテンツを再生する。
具体的には、再生部212は、映像参照部2121が参照した、復号された映像ファイルと映像以外のデジタルコンテンツのファイル群とを統合して、デジタルコンテンツを再生する。
【0023】
データ取得部24は、配信装置3上の映像以外のデジタルコンテンツにアクセスし、映像以外のデジタルコンテンツのファイル群をダウンロードする。また、ダウンロードした映像以外のデジタルコンテンツのファイル群を記録部22に一時的に保存させる。
【0024】
記録部22は、データ取得部24が配信装置3からダウンロードした、映像以外のデジタルコンテンツのファイル群を一時的に保存する。記録部22は、例えば、インターネット一時ファイルを格納するフォルダなどである。
操作受付部23は、視聴者によるマウスなどを用いたGUI操作を受け付ける。
【0025】
なお、この実施の形態1において、デジタルコンテンツ編集装置11が生成するデジタルコンテンツは、Webブラウザ上で表示できるファイル群である、HTMLファイルやJavaScriptファイル(JavaScriptは登録商標/以下、記載を省略する)、スタイルシートファイル、映像ファイル、音声ファイル、画像ファイル、テキストファイルなどから構成される。
映像ファイルは、ビデオカメラ等の外部の装置で撮影した映像ファイルを、デジタルコンテンツ編集装置11で加工したファイルである。
キーファイルは、HTMLファイルやJavaScriptファイル、スタイルシートファイル、映像ファイル、画像ファイル、テキストファイルなど、どのような形式のファイルでもよい。
【0026】
図4は、実施の形態1におけるオーサリング装置1のハードウェア構成を説明する図である。
図4に示すように、オーサリング装置1は、各種プログラムの命令を処理するCPU41と、オーサリング装置1の制御プログラムなどが格納されているROM42と、CPU41が行う演算の途中結果等を一時的に記憶する、高速に書き込み読み出しが可能なRAM43と、配信装置3との通信を行う通信を行う通信I/F装置44と、HDD45と、制作者からの各種指示が入力される入力装置46と、ドライブ装置47と、情報入力I/F装置48と、ディスプレイ装置49とを有している。
【0027】
CPU41は、ROM42に格納されているプログラム、または、HDD45に格納されているプログラムか、RAM43に格納されたプログラムに従って各種の処理を実施する。また、CPU41は、各処理に必要なデータをRAM43やHDD45に一時記憶する。CPU41は、オーサリング装置1全体の制御を行う。
すなわち、デジタルコンテンツ編集装置11のデジタルコンテンツ生成部111と暗号化部112と、入出力部12と、操作受付部13は、CPU41、システムLSI等の処理回路により実現される。
また、複数の処理回路が連携して上記機能を実行してもよい。
【0028】
通信I/F装置44は、ネットワークとの入出力を処理する。
入力装置46は、例えば、テンキー、キーボードなどを備え、この入力装置46を用いて、例えば、制作者からのGUI操作やデータなどが入力される。すなわち、入力装置46は、操作受付部13を構成する。
入力装置46は、制作者によって入力された各操作指示やデータをRAM43やHDD45に格納する。
【0029】
HDD45は、磁気メモリなどで構成され、例えば、CPU41による各種の処理に必要なプログラム群であるソフトウェアを格納する。なお、CPU41による各種の処理ソフトウェアを構成するプログラムは、予めコンピュータに専用のハードウェアで組み込んでもよいし、ROM42やHDD45に予め組み込んでもよい。
ドライブ装置47は、記録媒体4を適宜接続し、記録媒体4に暗号化済み映像ファイルをコピーする。
【0030】
情報入力I/F装置48は、外部の装置と接続するための通信I/Fである。情報入力I/F装置48は、CPU41によって制御されており、Bluetooth(登録商標)や赤外線通信、USB、クレイドル、SDカード、接触ICカード、非接触ICカード等を用いた通信I/Fを構成する。この情報入力I/F装置48を用いて、ビデオカメラ等の外部の装置から、映像、音声、テキストなどのデータが入力される。なお、ドライブ装置47を用いて、映像、音声、テキストなどのデータが入力されるようにしてもよい。また、映像、音声、テキストなどのデータは、通信I/F装置44を介して入力されるようにしてもよい。
情報入力I/F装置48、ドライブ装置47は、入出力部12を構成する。
ディスプレイ装置49は、各種情報を出力するものであり、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、または、CRT(cathode−ray tube)ディスプレイなどの表示装置で構成される。例えば、制作者は、ディスプレイ装置49の表示を確認しながら、入力装置46によりGUI操作やデータなどを入力する。
【0031】
図5は、実施の形態1における表示装置2のハードウェア構成を説明する図である。
図5に示すように、表示装置2は、各種プログラムの命令を処理するCPU51と、表示装置2の制御プログラムなどが格納されているROM52と、CPU51が行う演算の途中結果等を一時的に記憶する、高速に書き込み読み出しが可能なRAM53と、配信装置3との通信を行う通信I/F装置54と、視聴者からの各種指示が入力される入力装置55と、HDD56と、記録媒体4からの情報を入力するドライブ装置57と、ディスプレイ装置58とを有している。
【0032】
CPU51は、ROM52に格納されているプログラム、または、HDD56に格納されているプログラムか、RAM53に格納されたプログラムに従って各種の処理を実施する。また、CPU51は、RAM53による各処理に必要なデータを一時記憶する。CPU51は、表示装置2全体の制御を行う。
すなわち、デジタルコンテンツ再生装置21の復号部211と再生部212と、操作受付部23と、データ取得部24は、CPU41、システムLSI等の処理回路により実現される。
また、複数の処理回路が連携して上記機能を実行してもよい。
【0033】
通信I/F装置54は、通信ネットワークとの入出力を処理する。
入力装置55は、例えば、テンキー、キーボードなどを備え、この入力装置55を用いて、例えば、視聴者からの記録媒体4の読み出しや書き込みといった各種指示やデータなどが入力される。すなわち、入力装置55は、操作受付部23を構成する。入力装置55は、視聴者によって入力された各指示やデータをRAM53やHDD56に格納する。
【0034】
HDD56は、磁気メモリなどで構成され、例えば、CPU51による各種の処理に必要なプログラム群であるソフトウェアを格納する。なお、CPU51による各種の処理のソフトウェアを構成するプログラムは、予めコンピュータに専用のハードウェアを組み込んでもよいし、ROM52やHDD56に予め組み込んでもよい。
また、記録媒体から上述したプログラムを取得するようにしてもよい。例えば、上記のプログラムが記録された記録媒体やメモリカードがドライブ装置57に適宜接続され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じてHDD56にインストールされるようにしてもよい。
記録部22は、HDD56を使用する。なお、これは一例にすぎず、記録部22は、DVD、メモリ等によって構成されるものであってもよい。
【0035】
ドライブ装置57は、記録媒体4を適宜接続し、記録媒体4に予め記録されている、暗号化済み映像ファイルを取得する。
ディスプレイ装置58は、各種情報を出力するものであり、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、または、CRT(cathode−ray tube)ディスプレイなどの表示装置で構成される。
【0036】
次に、この発明の実施の形態1のデジタルコンテンツ暗号化復号システム100の動作について説明する。
デジタルコンテンツ暗号化復号システム100の動作は、大きく、デジタルコンテンツの生成時と視聴時に分けることができる。従って、ここでは、オーサリング装置1によるデジタルコンテンツの制作の動作と、表示装置2によるデジタルコンテンツの視聴の動作を分けて、それぞれ説明する。
なお、以下の説明では、一例として、デジタルコンテンツとしてWeb学習教材等の教材コンテンツを視聴者に提供するものとする。
【0037】
図6は、この発明の実施の形態1に係るデジタルコンテンツ編集装置11を搭載したオーサリング装置1の動作を説明するフローチャートである。
操作受付部13は、制作者からのデジタルコンテンツ生成指示を受け付ける(ステップST601)。
このとき、制作者は、デジタルコンテンツのもととなる映像、音声、テキストなどのデータ、暗号化する映像ファイル、映像ファイル暗号化の際に利用するキーファイルを指示する。
【0038】
入出力部12が、ビデオカメラ等の外部の装置から、制作者によって指示された映像、音声、テキストなどのデータを受け付けて読み込み、デジタルコンテンツ編集装置11に出力すると、デジタルコンテンツ編集装置11のデジタルコンテンツ生成部111は、入出力部12から取得したデータに基づき、ステップST601で操作受付部13が制作者から受け付けた指示に従い、複数のファイル群からなるデジタルコンテンツを生成する(ステップST602)。具体的には、デジタルコンテンツ生成部111は、受け付けた指示に従い、CPU41がROM42またはHDD45に格納されているプログラムを読み取り、当該読み取ったプログラムに従って、デジタルコンテンツの生成を行う。
【0039】
デジタルコンテンツ編集装置11の暗号化部112のキーファイル指定部1121は、ステップST602でデジタルコンテンツ生成部111が生成したデジタルコンテンツのファイル群から、キーファイルとして利用するファイルを指定する(ステップST603)。
デジタルコンテンツは、HTMLファイルやJavaScriptファイル、スタイルシートファイル、映像ファイル、音声ファイル、画像ファイル、テキストファイルなどのファイル群から構成されている。キーファイル指定部1121は、ファイルパスの指定により、教材コンテンツを構成するファイル群の中から、キーファイルとして利用するファイルを指定する。なお、どのファイルをキーファイルとして利用するかは、制作者によって選択されており、キーファイル指定部1121は、当該制作者の選択したファイルを、キーファイルとして、教材コンテンツを構成するファイル群の中から指定する。また、キーファイルとするファイルは1つに限らず、複数であってもよい。
【0040】
暗号化部112は、ステップST603でキーファイル指定部1121が指定したキーファイルを利用して、ステップST601でデジタルコンテンツ生成部111が生成したデジタルコンテンツに含まれる映像ファイルを暗号化する(ステップST604)。なお、暗号化部112は、デジタルコンテンツに含まれる映像ファイルのうち、どの映像ファイルを暗号化するかは、制作者からの指示に従う。また、暗号化する対象となる暗号化対象ファイルは1つに限らず、複数であってもよい。
ここで、暗号化部112は、未暗号化の映像ファイルについては、デジタルコンテンツとして出力しない、または、出力後削除する。
また、映像ファイルの暗号化が行われたデジタルコンテンツは、内部に保有するメモリあるいはHDD45等に保存しておくようにする。
なお、ここでは、暗号化部112は、デジタルコンテンツに含まれる映像ファイルのうち、どの映像ファイルを暗号化するかは、制作者からの指示に従うものとするが、これに限らず、例えば、全ての映像ファイルを強制的に暗号化するものとしてもよいし、全ての映像ファイルを暗号化する、または、暗号化しない、のどちらかを制作者が選択するようにしてもよい。
【0041】
入出力部12は、ステップST604にて暗号化部112が暗号化した映像ファイル以外のデジタルコンテンツ、すなわち、映像以外のデジタルコンテンツ(キーファイルを含む)を、例えば、オーサリング装置1に実装したFTPクライアントソフトウェア及び配信装置3内に構成したFTPサーバなどを用いて、配信装置3にアップロードする(ステップST605)。
【0042】
入出力部12は、ステップST604にて暗号化部112が暗号化した映像ファイル、すなわち、暗号化済み映像ファイルを、例えば、OSに搭載されているライティング機能や、市販のライティングソフトウェアなどを用いて、記録媒体4にコピーする(ステップST606)。
【0043】
なお、ステップST602においてデジタルコンテンツ生成部111が生成したデジタルコンテンツの映像ファイルをステップST604において暗号化部112が暗号化した際、未暗号化の映像ファイルについては、デジタルコンテンツとして出力しない、または、出力後に削除されるので、デジタルコンテンツのファイル群を同一フォルダに格納して出力する場合でも、誤って未暗号化の映像ファイルを配信装置3にアップロードしたり、記録媒体4にコピーしたりすることを防ぐことができる。
【0044】
また、ここでは、どのファイルをキーファイルとして利用するかは、制作者によって選択されており、ステップST603において、キーファイル指定部1121は、選択されたキーファイルを、デジタルコンテンツを構成するファイル群の中から指定するものとしたが、これに限らない。
例えば、キーファイル指定部1121が、デジタルコンテンツを構成するファイル群の中から、1つまたは複数のファイルをランダムに選択し、当該選択したファイルを、キーファイルとして利用するファイルに指定するようにしてもよい。これにより、制作者は、キーファイルを選択する必要がなくなる。また、どのファイルがキーファイルとして利用されたかが隠ぺいされるため、キーファイルの特定が困難となり、暗号化ファイルのセキュリティを強固にすることもできる。
【0045】
また、ここでは、どの映像ファイルを暗号化するかは、制作者からの指示に従うものとしたが、これに限らない。
例えば、暗号化部112が、デジタルコンテンツを構成するファイル群の中から、1つまたは複数の暗号化対象ファイルを選択する暗号化対象ファイル選択部(図示省略)をさらに備え、ステップST604において暗号化を行う際に、暗号化部112は、当該暗号化対象ファイル選択部が選択した、1つまたは複数の暗号化対象ファイルを暗号化するようにしてもよい。なお、暗号化対象ファイル選択部が、どの映像ファイルを暗号化対象ファイルとするかは、例えば、強制的に全て暗号化するなどすればよい。これにより、制作者が暗号化対象の映像ファイルを選択する必要なく、映像ファイルの暗号化を行うことができる。また、映像ファイルは全て暗号化するように構成することで、制作者による暗号化忘れを防止することができる。
【0046】
また、一度出力した暗号化済み映像ファイルを再出力する際に、暗号化済み映像ファイル内のデータへの変更有無、または、デジタルコンテンツ生成部111での変更有無を確認する手段を設けるようにすることもできる。
具体的には、映像ファイルが暗号化されたデジタルコンテンツはその都度保存されているので、すでに出力済みのデジタルコンテンツとの比較を、当該保存されたデジタルコンテンツのファイルを利用して行うようにすることもできる。
また、デジタルコンテンツ生成部111で暗号化対象のファイルに対する変更操作が行われたかどうかを確認することができる。
これにより、暗号化済み映像ファイルの再出力時に、暗号化ファイル内のデータに変更がない、または、暗号化対象のファイルに対する変更操作が行われていなければ、暗号化済み映像ファイルを更新せず、変更がある場合のみ暗号化済み映像ファイルのデータを再出力するように制御でき、暗号化済み映像ファイル内のデータに変更がない場合の再出力処理時間を短縮することができる。
【0047】
なお、ステップST605において、映像以外のデジタルコンテンツの配信装置3へのアップロードが行われると、配信装置3では、社内イントラネットなどのネットワークに公開しているフォルダに、デジタルコンテンツがアップロードされる。この実施の形態1では、映像以外のデジタルコンテンツのファイル群をアップロードするため、アップロードの転送時間が少なく、また、配信装置3のハード容量も小さくすることができる。
また、例えば、配信装置3での表示装置2へのデジタルコンテンツの配信を終了すれば、暗号化済み映像ファイルを持っていてもキーファイルが入手できず、暗号化済み映像ファイルを復号できないため、期間限定でデジタルコンテンツを公開することもできる。なお、表示装置2での、キーファイルを利用した暗号化済み映像ファイルの復号処理の詳細については後述する。
また、例えば、配信装置3を、ユーザ認証サーバの配下に設定することで、社員証などでログインしたユーザのみがデジタルコンテンツにアクセスできるようにしてもよい。
また、例えば、配信装置3でアクセスログを記録するようにして、デジタルコンテンツの視聴ログを管理するようにしてもよい。
【0048】
また、ステップST606において、暗号化済み映像ファイルのコピーが行われると、記録媒体4では、暗号化済み映像ファイルを格納する。暗号化済み映像ファイルは、パスワードだけでなく、キーファイルを用いて暗号化されているので、第三者が、記録媒体4とパスワードを入手したとしても、配信装置3からキーファイルを入手できない限り、復号することはできない。
また、第三者が、記録媒体4、パスワード、キーファイルを入手したとしても、復号装置がなければ復号できない。
また、第三者が、記録媒体4、パスワード、キーファイル、復号装置を入手したとしても、復号装置がキーファイルを自動的に取得するように構成しているので、キーファイルを復号装置にどのように参照させるか解析できなければ、復号することはできない。
また、例えば、配布する記録媒体4内に、配信装置3へアクセスしてデジタルコンテンツをダウンロードするためのアクセス手段を格納することもできる。これにより、視聴者は、配信装置3上の映像以外のデジタルコンテンツと記録媒体4内の映像ファイルの整合性を意識する必要なく、記録媒体4を表示装置2に挿入して、アクセス手段を実行するだけで、デジタルコンテンツの視聴を開始することができる。表示装置2での、デジタルコンテンツの視聴動作については後述する。
【0049】
図7は、この発明の実施の形態1に係る表示装置2の動作を説明するフローチャートである。
表示装置2では、記録媒体4が挿入されたことを検知し、起動処理を実行する(ステップST701)。具体的には、視聴者が記録媒体4を表示装置2に挿入すると、表示装置2は、CPU51がROM52またはHDD56に格納されているプログラム、あるいは、記録媒体4に記録されているプログラムを読み取り、そのプログラムに従って、記録媒体4に記録されている暗号化コンテンツの再生やコンテンツ提供サービスの開始を指示する画面を作成し、ディスプレイ装置58に表示させる。
【0050】
操作受付部23は、視聴者からのコンテンツ提供サービス開始指示を受け付ける(ステップST702)。
具体的には、まず、入力装置55によって、視聴者からコンテンツ提供サービスの開始を選択する旨の指示が入力されると、操作受付部23は、当該指示を受け付ける。
操作受付部23が当該コンテンツ提供サービスの開始を選択する旨の指示を受け付けると、続いて、CPU51は、ROM52またはHDD56に格納されているプログラム、あるいは、記録媒体4に記録されているプログラムを読み取り、そのプログラムに従って、データ取得部24に、配信装置3からの映像以外のデジタルコンテンツダウンロードを指示する(ステップST703)。
【0051】
データ取得部24は、ステップST703において受け付けた映像以外のデジタルコンテンツダウンロード指示に基づき、配信装置3上の映像以外のデジタルコンテンツにアクセスし、映像以外のデジタルコンテンツのファイル群をダウンロードする(ステップST704)。具体的には、データ取得部24は、Webアクセスされたファイルをダウンロードする。データ取得部24が、CDやDVDに格納されたコンテンツ起動ファイルや、イントラHPなどのURLリンクから、デジタルコンテンツフォルダ内の、先頭アクセス用のHTMLファイルにアクセスすると、先頭アクセス用のHTMLファイルがダウンロードされる。その後、スクリプトによる画面遷移や、視聴者によるURLクリック操作によりアクセスされたHTMLファイルが適宜ダウンロードされる。また、音声ファイルなどのメディアファイルは、スクリプトによる指示や、視聴者によるURLクリック操作によりダウンロードされる。また、スクリプトファイルやスタイルシートファイルは、HTMLファイルのダウンロード時に、関連するファイルがダウンロードされる。
データ取得部24は、ステップST704でダウンロードした映像以外のデジタルコンテンツのファイル群を、記録部22に記録する(ステップST705)。
【0052】
CPU51は、ROM52またはHDD56に格納されているプログラム、あるいは、記録媒体4に記録されているプログラムを読み取り、そのプログラムに従って、記録媒体4の復号化に必要なパスワード入力と記録媒体4の復号化の指示を要求する画面を作成し、ディスプレイ装置58に表示させ、操作受付部23は、視聴者からのパスワード入力と記録媒体4の復号化の指示を受け付ける(ステップST706)。
【0053】
デジタルコンテンツ再生装置21の復号部211のキーファイル取得部2111は、記録部22に記録されている映像以外のデジタルコンテンツのファイル群からキーファイルを取得する(ステップST707)。具体的には、キーファイル取得部2111は、例えば、固定のキーファイルを利用する場合には、予めデジタルコンテンツ編集装置11とデジタルコンテンツ再生装置21とに定義されている、どのファイルをキーファイルとして利用するかの情報に基づき、キーファイルを取得する。また、例えば、可変のキーファイルを利用する場合には、制作時にキーファイルが決まるので、キーファイルを特定するための情報を、配信装置3にアップロードする映像以外のデジタルコンテンツまたは、暗号化して記録媒体4で配布する暗号化ファイルのファイル名、起動ファイルのファイル名などに、数字の羅列など第三者に分からない形で記録しておき、キーファイル取得部2111がこれを読みとってキーファイルを取得する。
復号部211は、ステップST701において記録媒体4から読み込んだ暗号化済み映像ファイルを取得し、ステップST706において受け付けたパスワードと、ステップST707においてキーファイル取得部2111が取得したキーファイルを用いて、当該暗号化済み映像ファイルを復号する(ステップST708)。
復号部211は、ステップST708において復号完了すると、再生部212にデジタルコンテンツ再生指示を出す(ステップST709)。
【0054】
デジタルコンテンツ再生装置21の再生部212は、ステップST708において復号部211が復号した映像ファイルと、記録部22に記録されている映像以外のデジタルコンテンツのファイル群とを統合して、当該統合したデジタルコンテンツを再生し、ディスプレイ装置58に表示させる(ステップST710)。具体的には、再生部212は、映像参照部2121が参照した、復号された映像ファイルと、映像以外のデジタルコンテンツのファイル群とを統合して、デジタルコンテンツを再生する。
【0055】
このように、この実施の形態1では、視聴者がデジタルコンテンツの視聴を行う際、表示装置2において、復号部211が記録部22に記録されているデジタルコンテンツのファイル群、すなわち、映像ファイル以外のデジタルコンテンツのファイル群から、キーファイルとして利用されたファイルを自動取得する。これにより、制作者は、デジタルコンテンツとは別にキーファイルを配布する必要がなく、また、データベースでキーファイルとデジタルコンテンツの対応付けを管理する必要もないため、デジタルコンテンツの管理・運用の負荷を削減することができる。
また、視聴者は、キーファイルを手動で選択する必要がなく、キーファイル設定の手順を必要とせずにデジタルコンテンツを視聴できるため、視聴時の負荷を削減することができる。
【0056】
また、キーファイルの存在を視聴者に隠ぺいできるため、悪意を持った視聴者が、キーファイルを不正にコピーして持ち出すことを防ぐことができる。
また、キーファイルの存在を視聴者が把握していたとしても、デジタルコンテンツを構成するファイル群のうち、どのファイルをキーファイルとして利用したかを隠ぺいすることで、キーファイルを不正にコピーして持ち出すことを防ぐことができる。
また、複数のファイルをキーファイルとして利用するようにした場合は、キーファイルの組み合わせ数により、セキュリティをより強固にすることができる。
【0057】
以上のように、この実施の形態1によれば、デジタルコンテンツのファイル群の一部をキーファイルとして利用して暗号化し、復号時はキーファイルを自動取得するようにすることで、制作者は、別途キーファイルを作成して管理・運用しなくても、デジタルコンテンツを制作・配信するだけで、キーファイルによる暗号化及び復号が可能となり、デジタルコンテンツを暗号化して配布する際の管理・運用負荷を削減することができる。また、視聴者は、キーファイル設定の手順を必要とせず簡単にデジタルコンテンツを視聴できる。
【0058】
実施の形態2.
実施の形態1では、デジタルコンテンツの制作時、デジタルコンテンツのファイル群の一部をキーファイルとしてデジタルコンテンツを暗号化するようにしていたが、この実施の形態2では、仮想的なリムーバブルディスクとして表示装置2にマウント可能な仮想ディスクファイルに、保護対象のファイルを格納して暗号化する、仮想ディスク暗号化方式を利用する実施の形態について説明する。
【0059】
図8は、この発明の実施の形態2のデジタルコンテンツ暗号化復号システム100の構成を説明する図である。
なお、
図8においても、実施の形態1で説明した
図1同様、説明の便宜上、デジタルコンテンツ暗号化復号システム100においてやりとりされるコンテンツデータについてもあわせて
図8に示している。
図8で示す、この発明の実施の形態2のデジタルコンテンツ暗号化復号システム100の構成については、実施の形態1において
図1を用いて説明した構成と同様であるので、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
この実施の形態2のデジタルコンテンツ暗号化復号システム100では、実施の形態1のデジタルコンテンツ暗号化復号システム100とは、やりとりされるコンテンツデータの内容が異なるのみであるので、異なる部分についてのみ説明する。
【0060】
オーサリング装置1では、映像ファイル自体を暗号化するのではなく、仮想ディスクファイル内に映像ファイルを格納して、仮想ディスクファイルを暗号化し、記録媒体4にコピーする。
表示装置2では、配信装置3にアクセスして映像以外のデジタルコンテンツをダウンロードし、また、記録媒体4の暗号化済み仮想ディスクファイルを参照して、暗号化済み仮想ディスクファイルの復号を行い仮想ディスクとしてマウントし、デジタルコンテンツの再生を行う。
【0061】
この発明の実施の形態2のオーサリング装置1の構成は、実施の形態1において
図2を用いて説明した構成と同様であるので、重複した説明を省略する。
図9は、この発明の実施の形態2の表示装置2の構成図である。
図9に示す表示装置2は、実施の形態1において
図3を用いて説明した表示装置2と比べ、デジタルコンテンツ再生装置21の復号部211が、マウント部2112とアンマウント部2113とをさらに備える点が異なるのみである。その他の構成については、
図3で説明したものと同様であるため、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
【0062】
マウント部2112は、復号部211が復号した記録媒体4内の仮想ディスクファイルを参照し、表示装置2内に、仮想ディスクとしてマウントする。
アンマウント部2113は、マウント部2112がマウントした仮想ディスクを、暗号化された仮想ディスクファイルの状態にアンマウントする。
【0063】
この実施の形態2のオーサリング装置1、表示装置2のハードウェア構成は、それぞれ、実施の形態1において、
図4,
図5を用いて説明したものと同様であるので重複した説明を省略する。
なお、マウント部2112、アンマウント部2113は、CPU51、システムLSI等の処理回路により実現される。
また、複数の処理回路が連携して上記機能を実行してもよい。
【0064】
次に、動作について説明する。
図10は、この発明の実施の形態2に係るデジタルコンテンツ編集装置11を搭載したオーサリング装置1の動作を説明するフローチャートである。
なお、
図10のステップST1002〜ステップST1003、ステップST1005については、実施の形態1で説明した
図6のステップST602〜ステップST603、ステップST605の動作と同様であるため、重複した説明を省略し、実施の形態1とは異なる動作についてのみ以下説明する。
【0065】
操作受付部13は、制作者からのデジタルコンテンツ生成指示を受け付ける(ステップST1001)。具体的な内容は、実施の形態1で説明した
図6のステップST601と同様である。ただし、このステップST1001では、制作者は、デジタルコンテンツのもととなる映像、音声、テキストなどのデータ、暗号化する映像ファイル、映像ファイル暗号化の際に利用するキーファイルに加え、仮想ディスクの容量を指定する。
【0066】
ステップST1002でデジタルコンテンツ生成部111が複数のファイル群からなるデジタルコンテンツを作成し、ステップST1003でキーファイル指定部1121がキーファイルを指定すると、暗号化部112は、デジタルコンテンツ生成部111が制作したデジタルコンテンツに含まれる映像ファイルを仮想ディスクファイルに格納し、キーファイル指定部1121が選択したキーファイルを利用して、当該仮想ディスクファイルを暗号化する(ステップST1004)。
実施の形態1では、暗号化部112は、映像ファイル自体を暗号化していたが、この実施の形態2では、暗号化部112は、映像ファイル自体を暗号化するのではなく、仮想ディスク内に映像ファイルを格納して、映像ファイルが格納された仮想ディスクファイルを暗号化する。
【0067】
なお、この際、暗号化部112は、ステップST1001において制作者から受け付けた仮想ディスクの容量に応じて、映像ファイルを格納する仮想ディスクファイルの容量を指定する。また、仮想ディスクファイル内に格納する映像ファイルについては、制作者からの指示に従う。また、この実施の形態2でも、実施の形態1同様、暗号化部112は、仮想ディスクファイル内に格納しない映像ファイルについては、デジタルコンテンツ出力時に出力しない、または、出力後に削除するようにする。
【0068】
入出力部12は、内部に保存されたデジタルコンテンツのうち、ステップST1004にて暗号化部112が暗号化した、映像ファイルが格納された暗号化済み仮想ディスクファイルを、例えば、OSに搭載されているライティング機能や、市販のライティングソフトウェアなどを用いて、記録媒体4にコピーする(ステップST1006)。
【0069】
なお、ここでは、仮想ディスクの容量について、暗号化部112は、制作者から受け付けた仮想ディスクの容量に応じて指定するものとしたが、これに限らず、例えば、デジタルコンテンツ編集装置11に、仮想ディスクファイルに格納する保護対象のファイル、すなわち、映像ファイルの容量に応じて、仮想ディスクファイルの容量を決める仮想ディスク容量設定部(図示省略)をさらに備え、暗号化部112は、当該仮想ディスク容量設定部の決めた容量に応じて仮想ディスクの容量を指定するようにしてもよい。これにより、仮想ディスクの容量を制作者が指定せず、自動設定することができる。
【0070】
ステップST1005において、映像以外のデジタルコンテンツの配信装置3へのアップロードが行われると、配信装置3では、社内イントラネットなどのネットワークに公開しているフォルダに、デジタルコンテンツがアップロードされる。具体的な動作については、実施の形態1と同様である。
【0071】
ステップST1006において、暗号化済み映像ファイルのコピーが行われると、記録媒体4では、暗号化済み映像ファイルを格納する。具体的な動作については、実施の形態1と同様である。
【0072】
図11は、この発明の実施の形態2に係る表示装置2の動作を説明するフローチャートである。
なお、
図11のステップST1101〜ステップST1107については、実施の形態1で説明した
図7のステップST701〜ステップST707の動作と同様であるため、重複した説明を省略し、実施の形態1とは異なる動作についてのみ以下説明する。
【0073】
復号部211は、ステップST1106において視聴者がパスワード入力画面に入力することで受け付けたパスワードと、ステップST1107においてキーファイル取得部2111が取得したキーファイルを用いて、ステップST1101において記録媒体4から読み込んだ暗号化済み仮想ディスクファイルを復号する(ステップST1108)。
【0074】
デジタルコンテンツ再生装置21の復号部211のマウント部2112は、ステップST1108において復号部211が復号した仮想ディスクファイルを参照し、表示装置2に、仮想ディスクとしてマウントする(ステップST1109)。
【0075】
復号部211は、ステップST1108において仮想ディスクファイルを復号し、ステップST1109において復号した仮想ディスクファイルを仮想ディスクとしてマウントすると、再生部212にデジタルコンテンツ再生指示を出す(ステップST1110)。具体的な動作は、
図7のステップST709と同様である。
【0076】
デジタルコンテンツ再生装置21の再生部212は、ステップST1109においてマウント部2112が表示装置2にマウントした仮想ディスクに格納された映像ファイルと、記録部22に記録されている映像以外のデジタルコンテンツのファイル群とを統合して、当該統合したデジタルコンテンツを再生し、ディスプレイ装置58に表示させる(ステップST1111)。
【0077】
なお、ステップST1109でマウント部2112がマウントした仮想ディスクは、デジタルコンテンツ再生後、復号部211のアンマウント部2113により、仮想ディスクがアンマウントされ暗号化された仮想ディスクファイルの状態に戻る。
【0078】
また、この実施の形態2では、以上の構成に加え、例えば、
図12に示すように、表示装置2のデジタルコンテンツ再生装置21が不可視化設定部2131と不可視化設定監視部2132とを有する不可視化制御部213をさらに備えた構成とし、不可視化設定部2131により、仮想ディスクマウント中にレジストリの設定を書き換えて、仮想ディスクがマウントされているドライブの不可視化を行ってもよい。これにより、仮想ディスクマウント中に、仮想ディスク内のファイルを閲覧・コピーされることを防ぐことができる。
また、不可視化設定監視部2132により、仮想ディスクを不可視化するレジストリの設定項目を監視し、不可視化設定監視部2132が、不可視化の設定項目を書き換えたと判断した場合に、復号部211は、強制的にアンマウントするようアンマウント部2113に指示するようにしてもよい。これにより、不可視化の設定が解除された場合も、不可視化設定監視部2132が、不可視化設定が解除されたと判断し、復号部211が、アンマウント部2113に仮想ディスクをアンマウントさせることで、仮想ディスク内のファイルを保護することができる。
【0079】
また、マウント部2112は、仮想ディスクを任意のドライブにマウントするようにしてもよく、その場合、以上の構成に加え、表示装置2のデジタルコンテンツ再生装置21に、マウント部2112によってマウントされたドライブのドライブレターを取得するドライブレター取得部(図示省略)をさらに備えるようにしてもよい。これにより、復号部211は、取得したドライブレターの情報を配信装置3に送信し、デジタルコンテンツから映像ファイルを参照するパスを動的に生成することができる。
通常、映像ファイル自体を暗号化した場合、デジタルコンテンツに複数の映像ファイルが含まれていると、デジタルコンテンツから映像ファイルを参照するたびに復号処理が行われ、復号処理による再生開始のタイムラグが生じる。
また、復号後のファイルは、暗号化されていない状態でHDDなどに保存されるため、視聴者による閲覧・コピーが可能となる。
一方、仮想ディスクによる暗号化は、仮想ディスク復号後の映像ファイル自体は暗号化されないため、複数の映像がデジタルコンテンツに含まれる場合でも、復号処理なく再生開始できる。また、仮想ディスクは、マウント中のドライブにアクセスすることでしか復号データにアクセスできず、アンマウント後、HDDなどに復号データを残さない。
そのため、マウント中のドライブを不可視化すれば、視聴者による閲覧・コピーを防ぐことができる。
【0080】
以上のように、この実施の形態2によれば、実施の形態1同様、デジタルコンテンツのファイル群の一部をキーファイルとして利用して暗号化し、復号時はキーファイルを自動取得するようにすることで、制作者は、別途キーファイルを作成して管理・運用しなくても、デジタルコンテンツを制作・配信するだけで、キーファイルによる暗号化及び復号が可能となり、デジタルコンテンツを暗号化して配布する際の管理・運用負荷を削減することができる。また、視聴者は、キーファイル設定の手順を必要とせず簡単にデジタルコンテンツを視聴できる。
【0081】
実施の形態3.
実施の形態1では、表示装置2のデジタルコンテンツ再生装置21内に復号部211と再生部212とを備え、デジタルコンテンツ再生装置21が、映像ファイルの復号とデジタルコンテンツの再生とを行う実施の形態について説明したが、この実施の形態3では、デジタルコンテンツ再生装置21と別にデジタルコンテンツ復号装置を備え、デジタルコンテンツ再生装置21では、復号は行わず、デジタルコンテンツ復号装置での復号処理の制御を行うようにする実施の形態について説明する。
【0082】
この実施の形態3に係るデジタルコンテンツ編集装置11を搭載したオーサリング装置1を備えるデジタルコンテンツ暗号化復号システム100の構成、および、デジタルコンテンツ暗号化復号システム100においてやりとりされるコンテンツデータについては、実施の形態1で
図1を用いて説明したものと同様であるので、重複した説明を省略する。
また、この実施の形態3に係るデジタルコンテンツ編集装置11を搭載したオーサリング装置1の構成についても、実施の形態1において
図2を用いて説明したものと同様であるため、重複した説明を省略する。
【0083】
図13は、この発明の実施の形態3の表示装置2の構成図である。
図13に示す表示装置2は、実施の形態1において
図3を用いて説明した表示装置2と比べ、デジタルコンテンツ復号装置25をさらに備え、当該デジタルコンテンツ復号装置25が、復号部211を有している点が異なる。また、デジタルコンテンツ再生装置21は、復号部211ではなく復号装置制御部214を備える点が異なる。
その他の構成については、実施の形態1において
図3を用いて説明した表示装置2と同様であるため、同様の構成については同じ符号を付して重複した説明を省略する。
【0084】
図13において、デジタルコンテンツ復号装置25が備える復号部211およびキーファイル取得部2111は、実施の形態1で説明した復号部211およびキーファイル取得部2111と同様の構成であり、当該復号部211が備えられる場所が、デジタルコンテンツ再生装置21からデジタルコンテンツ復号装置25へと変わっただけである。
【0085】
復号装置制御部214は、復号装置起動部2141と、復号装置終了部2142とを備える。
復号装置起動部2141は、デジタルコンテンツ復号装置25に対し、復号処理開始の指示信号を出力する。
復号装置終了部2142は、デジタルコンテンツ復号装置25に対し、復号処理終了の指示信号を出力する。
【0086】
この実施の形態3のオーサリング装置1、表示装置2のハードウェア構成は、それぞれ、実施の形態1において、
図4,
図5を用いて説明したものと同様であるので重複した説明を省略する。
なお、復号装置起動部2141、復号装置終了部2142は、CPU51、システムLSI等の処理回路により実現される。
また、複数の処理回路が連携して上記機能を実行してもよい。
【0087】
次に動作について説明する。
なお、この発明の実施の形態3に係るオーサリング装置1の動作は、実施の形態1において
図6を用いて説明したものと同様であるため、重複した説明を省略する。
映像以外のデジタルコンテンツの配信装置3へのアップロードが行われた際の配信装置3の動作、および、暗号化済み映像ファイルのコピーが行われた際の記録媒体4の動作についても、実施の形態1と同様である。
【0088】
図14は、この発明の実施の形態3に係る表示装置2の動作を説明するフローチャートである。
なお、
図14のステップST1401〜ステップST1405、ステップST1407,ステップST1408,ステップST1410,ステップST1411については、実施の形態1で説明した
図7のステップST701〜ステップST705、ステップST707,ステップST708,ステップST709,ステップST710の動作と同様であるため、重複した説明を省略し、実施の形態1とは異なる動作についてのみ以下説明する。
【0089】
ステップST1405において、データ取得部24が、ダウンロードした映像以外のデジタルコンテンツを記録部22に記録すると、デジタルコンテンツ再生装置21の復号装置制御部214の復号装置起動部2141は、デジタルコンテンツ復号装置25に対して、復号処理開始の指示信号を出力する(ステップST1406)。またこのとき、CPU51は、ROM52またはHDD56に格納されているプログラム、あるいは、記録媒体4に記録されているプログラムを読み取り、そのプログラムに従って、記録媒体4の復号化に必要なパスワード入力と記録媒体4の復号化の指示を要求する画面を作成し、ディスプレイ装置58に表示させ、視聴者からのパスワードの入力を受け付ける。
【0090】
デジタルコンテンツ復号装置25は復号処理開始の指示信号を受信すると、復号部211が、ステップST1406で受け付けたパスワードと、ステップST1407でキーファイル取得部2111が記録部22を参照して取得したキーファイルを用いて暗号化済みの映像ファイルの復号を行い(ステップST1408)、復号した映像ファイルをデジタルコンテンツ再生装置21へ出力する。
なお、ステップST1407,ステップST1408の具体的な動作は、
図7のステップST707,ステップST708と同様である。
【0091】
デジタルコンテンツ復号装置25から、復号した映像ファイルが出力されると、デジタルコンテンツ再生装置21の復号装置制御部214の復号装置終了部2142は、デジタルコンテンツ復号装置25に対して、復号処理終了の指示信号を出力する(ステップST1409)。
【0092】
このように、この実施の形態3では、デジタルコンテンツ再生装置21と、デジタルコンテンツ復号装置25とを別の装置としたことで、デジタルコンテンツ再生装置21は、ネットワークで配信してWebブラウザで閲覧できるJavaScriptのようなスクリプトで構成することができ、別途、表示装置2に実装したデジタルコンテンツ復号装置25を利用して暗号化ファイルを復号することができる。
これにより、提供先によって画面レイアウトや再生制御、どのようなメディアを利用するかなど要求が異なる再生部を復号部と切り離して開発することができる。
【0093】
また、デジタルコンテンツ再生装置21に、デジタルコンテンツ復号装置25の起動を開始・終了させる復号装置制御部214を設けることで、デジタルコンテンツ再生装置21と連動してデジタルコンテンツ復号装置25を制御することができる。これにより、視聴者は、デジタルコンテンツの再生の操作をするだけでよく、復号については意識する必要がなくなる。
【0094】
なお、ここでは、実施の形態1に実施の形態3を適用するものとして説明したが、これに限らず、実施の形態2に実施の形態3を適用して、例えば、
図13で説明した復号部211に、マウント部2112とアンマウント部2113とをさらに備えるように構成することもできる。
【0095】
以上のように、この実施の形態3によれば、実施の形態1同様、デジタルコンテンツのファイル群の一部をキーファイルとして利用して暗号化し、復号時はキーファイルを自動取得するようにすることで、制作者は、別途キーファイルを作成して管理・運用しなくても、デジタルコンテンツを制作・配信するだけで、キーファイルによる暗号化及び復号が可能となり、デジタルコンテンツを暗号化して配布する際の管理・運用負荷を削減することができる。また、視聴者は、キーファイル設定の手順を必要とせず簡単にデジタルコンテンツを視聴できる。
また、自動的に復号の処理が行われるので、視聴者は、デジタルコンテンツの再生の操作をするだけでよく、復号については意識する必要がなくなる。
【0096】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。