(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6478980
(24)【登録日】2019年2月15日
(45)【発行日】2019年3月6日
(54)【発明の名称】キャッシュベースのコンテンツ配信のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/266 20110101AFI20190225BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20190225BHJP
H04N 21/6543 20110101ALI20190225BHJP
H04N 21/433 20110101ALI20190225BHJP
【FI】
H04N21/266
G06F13/00 540P
H04N21/6543
H04N21/433
【請求項の数】20
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-516535(P2016-516535)
(86)(22)【出願日】2014年9月23日
(65)【公表番号】特表2016-539520(P2016-539520A)
(43)【公表日】2016年12月15日
(86)【国際出願番号】US2014057069
(87)【国際公開番号】WO2015042611
(87)【国際公開日】20150326
【審査請求日】2017年9月25日
(31)【優先権主張番号】61/881,048
(32)【優先日】2013年9月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511287994
【氏名又は名称】ヴィジブル ワールド リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100164530
【弁理士】
【氏名又は名称】岸 慶憲
(72)【発明者】
【氏名】ニーメイヤー ヘリット
【審査官】
後藤 嘉宏
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2013/0110636(US,A1)
【文献】
特開2012−203629(JP,A)
【文献】
特表2009−538485(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/029564(WO,A1)
【文献】
特表2015−531208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサと動作可能に通信する非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、
を備え、前記コンピュータ可読記憶媒体は、1又は2以上のプログラム命令を含み、該プログラム命令は、実行時に、前記プロセッサに、
各々が少なくとも1つのキャッシュ要素に動作可能に結合された複数の消費者装置にコンテンツをターゲッティングするコンテンツターゲッティング情報を受け取ることと、 少なくとも1つのコンテンツ識別子及び前記コンテンツのキャッシュされる部分を識別する情報を含む、前記複数の消費者装置の各々に対する少なくとも1つのキャッシュ命令を、前記コンテンツターゲッティング情報に基づいて生成することと、
前記少なくとも1つのキャッシュ命令を前記複数の消費者装置の各々に送信して、該複数の消費者装置の各々に、前記少なくとも1つのキャッシュ要素における前記少なくとも1つのキャッシュ識別子に関連する前記コンテンツの前記部分をキャッシュするように命令することと、
を行わせる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記コンテンツは、アドレス指定可能コンテンツを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのキャッシュ命令は、キャッシュポリシーサーバによって生成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記消費者装置は、スイッチ、ルータ、コンピュータ装置、テレビ、デジタルビデオレコーダ、モバイルコンピュータ装置である顧客構内設備のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンピュータ可読記憶媒体は、実行時に、前記プロセッサに、前記複数の消費者装置にキャッシュクリア命令を送信することをさらに行わせる1又は2以上のプログラム命令を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記コンテンツターゲッティング情報は、アドレス指定可能コンテンツサーバにコンテンツ要求が送信されたことに応答して受け取られる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記コンテンツ要求は、スケジュール及び所定期間の満了の少なくとも一方に応答して送信される、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
消費者装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサと動作可能に通信する非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、
を備え、前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体の少なくとも一部はキャッシュとして構成され、前記コンピュータ可読記憶媒体は、1又は2以上のプログラム命令を含み、該プログラム命令は、実行時に、前記プロセッサに、
少なくとも1つのキャッシュ識別子及びコンテンツのキャッシュされる部分を識別する情報を含む少なくとも1つのキャッシュ命令を受け取ることと、
前記少なくとも1つのキャッシュ命令で指定される前記コンテンツの前記部分を求めるコンテンツ要求を送信することと、
前記コンテンツの前記部分を受け取ることと、
前記コンテンツの前記部分を前記キャッシュに記憶することと、
を行わせる、
ことを特徴とする消費者装置。
【請求項9】
前記コンテンツは、アドレス指定可能コンテンツを含む、
請求項8に記載の消費者装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのキャッシュ命令は、キャッシュポリシーサーバによって生成される、
請求項8に記載の消費者装置。
【請求項11】
前記消費者装置は、スイッチ、ルータ、コンピュータ装置、テレビ、デジタルビデオレコーダ、モバイルコンピュータ装置である顧客構内設備のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の消費者装置。
【請求項12】
前記コンピュータ可読記憶媒体は、実行時に、前記プロセッサに、キャッシュクリア命令を受け取ったことに応答して前記キャッシュをクリアすることをさらに行わせる1又は2以上のプログラム命令を含む、
請求項8に記載の消費者装置。
【請求項13】
前記コンピュータ可読記憶媒体は、実行時に、前記プロセッサに、キャッシュポリシーサーバに状態メッセージを送信することをさらに行わせる1又は2以上のプログラム命令を含む、
請求項8に記載の消費者装置。
【請求項14】
前記状態メッセージは、前記キャッシュの容量を含む、
請求項13に記載の消費者装置。
【請求項15】
前記コンピュータ可読記憶媒体は、実行時に、前記プロセッサに、ブレーク信号又はキュートーンの一又は二以上を検出したことに応答して、アドレス指定可能コンテンツサーバにアドレス指定可能コンテンツ要求を送信することをさらに行わせる1又は2以上のプログラム命令を含む、
請求項8に記載の消費者装置。
【請求項16】
前記コンピュータ可読記憶媒体は、実行時に、前記プロセッサに、コンテンツ配信ネットワークにコンテンツダウンロード要求を送信して前記コンテンツの前記部分を取得することをさらに行わせる1又は2以上のプログラム命令を含む、
請求項8に記載の消費者装置。
【請求項17】
コンピュータ可読プログラムコードを有する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読プログラムコードは、
各々が少なくとも1つのキャッシュ要素に動作可能に結合された複数の消費者装置にコンテンツをターゲッティングするコンテンツターゲッティング情報を受け取るように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、
少なくとも1つのコンテンツ識別子及び前記コンテンツのキャッシュされる部分を識別する情報を含む、前記複数の消費者装置の各々に対する少なくとも1つのキャッシュ命令を、前記コンテンツターゲッティング情報に基づいて生成するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、
前記少なくとも1つのキャッシュ命令を前記複数の消費者装置の各々に送信して、該複数の消費者装置の各々に、前記少なくとも1つのキャッシュ要素における前記少なくとも1つのキャッシュ識別子に関連する前記コンテンツの前記部分をキャッシュするように命令するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、
を含むことを特徴とする非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記複数の消費者装置にキャッシュクリア命令を送信するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードをさらに含む、
請求項17に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記コンテンツターゲッティング情報は、アドレス指定可能コンテンツサーバにコンテンツ要求が送信されたことに応答して受け取られる、
請求項17に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記コンテンツ要求は、スケジュール及び所定期間の満了の少なくとも一方に応答して送信される、
請求項19に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2013年9月23日に出願された米国仮特許出願第61/881,048号の利益を主張するものであり、この仮特許出願の開示は、引用によってその全体が完全に記載されているかのように本明細書に組み入れられる。
【0002】
説明する技術は、一般に消費者装置への非線形コンテンツ配信に関し、具体的には、コンテンツの一部を消費者装置にキャッシュして、消費者装置へのコンテンツ配信の効率性の向上、及びそのリソース要件の低下を促すように構成された技術に関する。
【背景技術】
【0003】
テレビ番組、映画及び音楽などのコンテンツにアクセスするために線形プログラミングチャネルに依存する消費者は減ってきている。消費者は、即時のオンデマンドアクセスに対する期待をますます高めているので、ビデオオンデマンド(VOD)、デジタルビデオレコーダ(DVR)及びストリーミングなどの非線形技術を使用することがコンテンツ検索の標準モードになってきている。また、このような非線形技術は、消費者がテレビ及びモバイルコンピュータ装置などの複数の装置上でいつでもコンテンツにアクセスできるようにするクラウドプラットフォームを通じて提供されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、多くの場合、非線形プログラミングを提供する帯域幅の量は、消費者の需要を満たすほど十分でない。また、消費者装置の処理能力及び記憶能力も様々であるため、コンテンツの品質に一貫性がないことが多く、アクセスが頻繁に中断され、及び/又は長いダウンロード時間が必要になる。特に、コンテンツへのアクセスに幅広い装置及びオペレーティングシステムが日常的に使用されていることを考慮すると、一般に、これらの問題に対処しようと試みることができるソフトウェア及び/又はハードウェアを消費者装置に統合することは困難である。従って、非線形コンテンツプロバイダは、利用可能な幅広い消費者装置を介して消費者が非線形コンテンツに効率的かつ確実にアクセスできるようにした技術から恩恵を受けると思われる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
説明する特定のシステム、装置及び方法は様々とすることができるので、本開示はこれらに限定されるものではない。説明において使用する用語は、特定のバージョン又は実施形態を説明するためのものにすぎず、範囲を限定するものではない。
【0006】
本明細書で使用する単数形の「1つの(英文不定冠詞)」及び「その(英文定冠詞)」は、文脈で別途明確に示していない限り、複数形の照応を含む。特に定めがない限り、本明細書で使用する全ての技術用語及び科学用語は、当業者が一般に理解している意味と同じ意味を有する。本開示には、本開示において説明する実施形態が先行発明によるこのような開示に先行しないことを認めていると解釈すべき内容は存在しない。本書で使用する「含む(comprising)」という用語は、「含むけれども限定されない(including, but not limited to)」を意味する。
【0007】
ある実施形態では、キャッシュベースのコンテンツ配信システムが、プロセッサと、このプロセッサと動作可能に通信する非一時的コンピュータ可読記憶媒体とを含むことができる。コンピュータ可読記憶媒体は、1又は2以上のプログラム命令を含むことができ、このプログラム命令は、実行時に、プロセッサに、各々が少なくとも1つのキャッシュ要素に動作可能に結合された複数の消費者装置にコンテンツをターゲッティングするコンテンツターゲッティング情報を受け取ることと、コンテンツターゲッティング情報に基づいて、少なくとも1つのコンテンツ識別子及び少なくとも1つのキャッシュ期間を含む、複数の消費者装置の各々に対する少なくとも1つのキャッシュ命令を生成することと、少なくとも1つのキャッシュ命令を複数の消費者装置の各々に送信して、複数の消費者装置の各々に、少なくとも1つのキャッシュ要素における少なくとも1つのキャッシュ識別子に関連する、少なくとも1つのキャッシュ部分によって指定されたコンテンツ部分をキャッシュするように命令することとを行わせる。
【0008】
ある実施形態では、コンテンツをキャッシュするように構成された消費者装置が、プロセッサと、このプロセッサと動作可能に通信する非一時的コンピュータ可読記憶媒体とを含むことができる。コンピュータ可読記憶媒体は、1又は2以上のプログラム命令を含むことができ、このプログラム命令は、実行時に、プロセッサに、少なくとも1つのキャッシュ識別子及び少なくとも1つのキャッシュ部分を含む少なくとも1つのキャッシュ命令を受け取ることと、少なくとも1つのキャッシュ識別子及び少なくとも1つのキャッシュ部分によって指定されたコンテンツ部分を求めるコンテンツ要求を送信することと、コンテンツ部分を受け取ることと、コンテンツ部分をキャッシュに記憶することとを行わせる。
【0009】
ある実施形態では、キャッシュベースのコンテンツ配信システムを管理するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードを有するコンピュータ可読記憶媒体が、各々が少なくとも1つのキャッシュ要素に動作可能に結合された複数の消費者装置にコンテンツをターゲッティングするコンテンツターゲッティング情報を受け取るように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、コンテンツターゲッティング情報に基づいて、少なくとも1つのコンテンツ識別子及び少なくとも1つのキャッシュ期間を含む、複数の消費者装置の各々に対する少なくとも1つのキャッシュ命令を生成するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、少なくとも1つのキャッシュ命令を複数の消費者装置の各々に送信して、複数の消費者装置の各々に、少なくとも1つのキャッシュ要素における少なくとも1つのキャッシュ識別子に関連する、少なくとも1つのキャッシュ部分によって指定されたコンテンツ部分をキャッシュするように命令するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードとを含むことができる。
【0010】
添付図面に関連して以下の詳細な説明を読むことにより、本発明の上記の及びその他の目的がさらに容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】いくつかの実施形態による例示的なコンテンツ配信管理システムを示す図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、アドレス指定可能広告コンテンツのための例示的なキャッシュメッセージを示す図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、コンテンツ配信管理システムにおける情報及びメッセージの流れを示す図である。
【
図4】本明細書において説明する様々な方法及び処理を実装するコンピュータ装置の様々な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
説明する技術は、一般に、非線形コンテンツ配信をキャッシュベースで管理するシステム及び方法に関する。一般に、コンテンツ(又は「コンテンツアセット」)は、媒体を通じて表現できるあらゆるタイプのデータ、情報又はメディアなどを含むことができる。例示的な媒体は、テレビ、ラジオ、及びこれらの放送、ケーブル、衛星及び/又はネットワーク(例えば、インターネット)形態などの視聴覚媒体を含むことができる。コンテンツの例としては、以下に限定されるわけではないが、ビデオ、オーディオ、映画、ビデオゲーム、テレビ及びラジオ番組、コマーシャル、ウェブサイト、画像、写真、テキスト、電子又はデジタル文書、触覚又は触感、情報フィード、ストリーミングメディア、及び/又はこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、コンテンツが、限定ではないが、アドレス指定可能広告を含むアドレス指定可能コンテンツであり、又はこのようなコンテンツを含むことができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、コンテンツ配信管理システム(「システム」)を、キャッシュ装置に動作可能に結合された顧客構内設備(CPE)を通じて消費者にコンテンツを提供するように構成することができる。CPEは、コンテンツの少なくとも一部をキャッシュ装置に記憶(又は「キャッシュ」)することができる。いくつかの実施形態では、キャッシュされるコンテンツが、将来的に消費者に提示されるように指定されたコンテンツを含むことができる。例えば、キャッシュされるコンテンツは、特定の番組及び/又は(例えば、午前、午後、夕方、夜間、ランチタイム、ゴールデンタイムなどの)放送時間区分などの最中に視聴者に提示されるように指定された広告を含むことができ、この広告は、指定の番組及び/又は放送時間区分などの前にキャッシュされる。いくつかの実施形態では、コンテンツアセットの一部のみをキャッシュ装置にキャッシュすることができる。いくつかの実施形態では、複数の異なるコンテンツアセットの一部をキャッシュ装置にキャッシュすることができる。これらの部分は、広告コンテンツアセットの最初の2秒などの特定の継続時間のキャッシュアセットを含むことができる。いくつかの実施形態では、システムを、特定のコンテンツアセットのいくつかの部分をキャッシュするようにCPEに命令するキャッシュメッセージをCPEに送信するように構成することができる。このようにして、キャッシュされたコンテンツアセットがCPEを介して消費される際に、コンテンツアセットの少なくとも一部を、ローカルストレージを通じて利用できるようにすることができる。
【0014】
本明細書では、広告コンテンツアセット、特にアドレス指定可能広告を用いた例を使用するが、本明細書では、いくつかの実施形態に従って動作できるあらゆるタイプのコンテンツが検討されるので、実施形態は、アドレス指定可能広告に限定されるものではない。
【0015】
いくつかの実施形態に従って説明するコンテンツ管理システムは、コンテンツ管理システムの外部の処理及び技術を含む処理及び技術に対して複数の技術的利点及び技術的効果をもたらす。1つの非限定的な技術的利点は、顧客構内設備などの特定の装置、及び/又は非線形コンテンツ配信ネットワークなどのネットワークが、コンテンツ管理システムによってさらに効果的かつ効率的に動作できるようになる点である。従って、いくつかの実施形態によるコンテンツ管理システムは、コンテンツの配信及び消費処理の効率性、正確性及びコスト性を高めることによってこれらの処理を改善するように動作することができ、コンテンツ及びコンテンツプロバイダとやりとりする消費者のユーザ体験を向上させることができる。
【0016】
図1に、いくつかの実施形態による例示的なコンテンツ配信管理システムを示す。
図1に示すシステム100は、インターネット又はクラウドコンピューティングシステム(「クラウド」)などのネットワーク105を含み、及び/又はネットワーク105と通信することができる。コンテンツ配信システム又はネットワーク(CDN)120は、消費者装置(又は顧客構内設備(CPE))125a〜nにコンテンツ(又はコンテンツアセット)を送信するように構成することができる。ネットワーク105及び/又はCDN120は、ユニキャスト、マルチキャスト、QAM、QPSK、MPEGトランスポートストリーム(例えば、MPEG−2)、IP(例えば、IPネットワークを介したIPマルチキャスト又はユニキャスト)、或いは現在当業者に知られている又は将来開発される他のいずれかの方法を介してコンテンツを送信するように構成することができる。
【0017】
ネットワーク105及び/又はCDN120は、ユーザ及び/又は加入者にコンテンツを提供するようにサービスプロバイダによって管理することができる。サービスプロバイダの非限定的な例としては、テレビ放送ネットワーク、ケーブルテレビネットワーク、衛星テレビネットワーク、インターネットサービスプロバイダ(ISP)、コンピュータ装置広告ネットワーク、メディア配信ネットワーク、クラウドコンピューティングネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、地上波ネットワーク、モバイルネットワーク、VODサービス、DVRサービス、及び/又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0018】
一般に、CPE125a〜nは、消費者がネットワーク105及び/又はCDN120、並びに関連設備にアクセスして通信するのを可能にするように構成されたいずれかの装置又は設備を含む。いくつかの実施形態では、CPE125a〜nが、コンテンツ提示装置であり、又はコンテンツ提示装置を含むことができる。一般に、コンテンツ提示装置は、視聴者又は他のタイプのコンテンツ消費者にコンテンツを提示することができる、現在当業者に知られている又は将来開発されるいずれかの装置である。コンテンツ提示装置の非限定的な例としては、テレビ、スマートテレビ、ラップトップ、携帯情報端末(PDA)、タブレットコンピュータ装置、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)、ディスプレイモニタ又は端末、ラジオ、音声装置、スピーカ、ヘッドフォン、触覚装置、電子読み取り装置(「電子リーダ」)、発光ダイオード(LED)装置、有機LED(OLED)装置、ウェアラブルスクリーン、セットトップボックス、衛星受信機、ビデオオンデマンド(VOD)受信機、コンテンツ受信機(例えば、米国カリフォルニア州クパチーノのApple社製のApple TV(R)、米国カリフォルニア州サラトガのRoku社製のRoku(R))、デジタルビデオレコーダ(DVR)、パーソナルビデオレコーダ(PVR)、ハードドライブ、フラッシュドライブ、ストレージサーバ、デジタルビデオディスク(DVD)装置、又はBlu−ray(TM)装置などが挙げられる。いくつかの実施形態では、CPE125a〜nが、スイッチ、ハブ、ルータ、ゲートウェイ(例えば、住居用ゲートウェイ、インターネットゲートウェイ、バーチャルゲートウェイ)、ネットワークアダプタ又は加入者ユニットなどの、コンテンツ提示装置にコンテンツを送信するように構成された装置及び/又は設備を含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、CPE125a〜nが、ローカル記憶装置又は「キャッシュ」を含むことができる。いくつかの実施形態では、キャッシュを、CPE125a〜n、又はCPEに関連するコンテンツ提示装置を通じて提示するコンテンツを記憶するように構成することができる。いくつかの実施形態では、コンテンツの消費前にコンテンツをローカルキャッシュに記憶又は「キャッシュ」することができる。キャッシュ装置としては、以下に限定されるわけではないが、非一時的記憶媒体、RAM、ROM、フラッシュ、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートディスク(SSD)ドライブ、SCSI又はリモートストレージなどを含む、現在当業者に知られている又は将来開発されるいずれかのタイプの記憶装置を挙げることができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、CDN120を通じて提供されるコンテンツの少なくとも一部を、アドレス指定可能コンテンツとすることができる。一般に、アドレス指定可能コンテンツは、コンテンツ、CPE(及び/又はCPEがコンテンツ提示装置でない場合にはコンテンツ提示装置)、CPEに関連する消費者、サービスプロバイダに関連する様々な特性、或いはアドレス指定可能コンテンツをターゲッティングするために使用できる他のいずれかの特性に基づいて、1又は2以上のターゲット(CPE)にアドレス指定することができる。例えば、いくつかのアドレス指定可能コンテンツは、年齢、性別、結婚歴、所得水準、学歴、職業又は履歴データ(例えば、購入履歴、コンテンツ消費履歴など)などの、CPEに関連する消費者の人口動態情報に基づいてCPEにターゲッティングすることができる。別の例では、アドレス指定可能コンテンツを、特定のサービスプロバイダに関連するCPEにターゲッティングすることができる。さらなる例では、アドレス指定可能コンテンツを、アドレス指定可能コンテンツを効率的にダウンロードして処理できる特定のリソース又はハードウェアなどの何らかの特性を有するCPEにターゲッティングすることができる。
【0021】
システムは、アドレス指定可能コンテンツのターゲッティング、構築及び/又は選択を行うためのコンテンツターゲッティング情報を記憶する外部データベース及び/又は第三機関データベースを含む様々なデータベース135a〜nを含み、及び/又はこれらのデータベース135a〜nにアクセスすることができる。例えば、データベース135a〜nは、人口動態情報、(例えば、コンテンツターゲッティング情報に基づいてコンテンツを構築するための)コンテンツセグメント、ミクロ動向データ、或いはアドレス指定可能コンテンツをターゲッティングするために使用できる他のいずれかの情報又は処理を含むことができる。
【0022】
システム100は、コンテンツの配信を管理するように構成されたコンテンツ管理コンピュータ装置又はサーバ115を含むことができる。いくつかの実施形態では、コンテンツ管理サーバ115を、アドレス指定可能コンテンツを管理するように構成された「アドレス指定可能」コンテンツサーバとして構成することができる。アドレス指定可能コンテンツサーバ115は、アドレス指定可能コンテンツをCPE125a〜nへの配信のためにCDN120に設定するように構成することができる。
【0023】
従来のシステムでは、アドレス指定可能コンテンツを開始する場合、CPE125a〜nが、コンテンツ管理サーバ115にメッセージを提出し、コンテンツ管理サーバ115が、どのコンテンツの再生/どのコンテンツへのアクセスを行うべきかをCPE125a〜nに命令することができる。その後、CPE125a〜nは、CDN120からアドレス指定可能コンテンツを取得することができる。しかしながら、この従来の処理は非効率的であり、効果が低いことが多い。例えば、ネットワーク105及び/又はCDN120の帯域幅はしばしば制限され、従って全てのアドレス指定可能コンテンツを全てのCPE125a〜nにオンデマンドでほぼリアルタイムに同時にストリーミングできないことが多い。別の例では、インターネットプロトコル(IP)ネットワークなどのネットワークを介して配信されるコンテンツは、例えば潜在的なサービス品質(QOS)問題に対処するためにバッファ時間を必要とする。線形プログラミングシステムなどの従来のシステムでは、アドレス指定可能コンテンツの開始(例えば、実際の発生時にブレーク信号又は「キュー」を発行するアドレス指定可能広告ブレーク)の通知が十分でない。
【0024】
しかしながら、いくつかの実施形態では、CPE125a〜nを、アドレス指定可能コンテンツを含むコンテンツをローカルキャッシュから取得するように構成することができる。システム100は、とりわけどのアドレス指定可能コンテンツをキャッシュすべきかに関するキャッシュメッセージをCPE125a〜nに送信するように構成されたキャッシュポリシーコンピュータ装置又はサーバ110を含むことができる。いくつかの実施形態では、キャッシュポリシーサーバ110が、どのCPEがどのアドレス指定可能コンテンツをコンテンツ管理サーバ115から視聴できるか、及びCPE125a〜n又は関連するコンテンツ消費装置がいつ広告を消費できるかなどの他の情報を決定することができる。いくつかの実施形態では、キャッシュポリシーサーバ110が、低帯域幅期間(例えば、午前2:00)などの所定の時間に、及び/又はスケジュールに基づいて、コンテンツ管理サーバ115に問い合わせを行うことができる。このような実施形態では、キャッシュポリシーサーバ110が、8時間、24時間又は1週間などの特定の継続期間にわたり、CPE125a〜nのためのアドレス指定可能コンテンツを決定することができる。このようにして、CPE125a〜nは、指定期間にわたる全てのコンテンツをキャッシュすることができる。このような実施形態では、一日の終わりなどの各期間の最後にCPE125a〜nのキャッシュをクリアすることができる。他の実施形態では、キャッシュポリシーサーバ110が、アドレス指定可能ブレーク(又は所定の期間内にアドレス指定可能ブレークが迫っている旨の信号)に応答して、CPE125a〜nのためのアドレス指定可能コンテンツを決定することができる。
【0025】
キャッシュメッセージは、アドレス情報、コンテンツ情報、サーバ情報、ネットワーク情報、クラウド情報又はCDN情報などの様々なタイプの情報を含むことができる。
図2に、いくつかの実施形態による、アドレス指定可能広告コンテンツの例示的なキャッシュメッセージを示す。
図2に示すように、キャッシュメッセージ205は、様々なフィールド210〜230を含むことができる。CPE_IDフィールド210は、MAC、IPアドレス、シリアル番号、又はシステム100によって提供される識別子を含む一意のアドレスなどの消費者装置識別子及び/又はCPE識別子として構成することができる。いくつかの実施形態では、キャッシュポリシーサーバ110が、CPE_IDフィールド210を用いてキャッシュメッセージ205をアドレス指定することができる。ADV_IDフィールド215は、CPE125a〜nがコンテンツを識別できるようにするためのコンテンツ識別子として構成することができる。ADV_ADDRフィールド220は、ADV_IDフィールド215によって識別されたコンテンツをCPE125a〜nが配置できるようにするためのコンテンツアドレス識別子として構成することができる。CACHE_IDフィールド220は、CPE125a〜nに、RAM、ストレージディスク(HDD又はSDD)又はフラッシュなど、及び/又はこれらの組み合わせなどの特定のキャッシュ位置にコンテンツをキャッシュするように命令するよう構成することができる。PORTIONフィールド230は、最初の2秒、最初の10秒、又はコンテンツアセット全体などの、キャッシュすべきコンテンツ部分を識別することができる。キャッシュメッセージ205は、
図2に示すものよりも多くの又は少ないフィールドを含むこともできる。いくつかの実施形態では、キャッシュメッセージ205が、フィールドの値が指定されていない場合に使用できる、各フィールドのデフォルト値を有することができる。例えば、PORTIONフィールド230のデフォルト値は、「full(全部)」(コンテンツアセット全体をキャッシュする)に設定することができる。いくつかの実施形態では、キャッシュメッセージ205が、指定時間、放送時間区分又は番組などの最中にCPE125a〜eにコンテンツを提示させるように構成された命令(図示せず)を含むことができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、コンテンツメッセージ205を、複数のコンテンツアセットに関する情報を伝えるように構成することができる。例えば、コンテンツメッセージ205は、複数のコンテンツアセットを指定できるように複数のADV_IDフィールド215及びADV ADDRフィールド225を有することができる。複数コンテンツアセットの実施形態では、コンテンツメッセージ205が、複数のコンテンツアセットのキャッシュ位置及びキャッシュ部分を指定できるように、複数のコンテンツアセットに対応する複数のCACHE_IDフィールド220及び/又はPORTIONフィールド230を含むこともできる。いくつかの実施形態では、複数のコンテンツアセット、アドレス、キャッシュ、部分、又は複数のコンテンツアセットのための同様のものを指定するように構成された、フィールド内の複数の文字列又は命令(例えば、連結文字列又は区切り文字列)を通じて複数のコンテンツアセットを処理することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、CPE125a〜nが、コンテンツメッセージで指定されたコンテンツアセットをキャッシュすることができる。例えば、CPE125a〜nには、CPEが10秒間のアドレス指定可能広告(又は他のコンテンツ)を特定のアドレスにダウンロードしてCPEのRAMに記憶することを指定するコンテンツメッセージを送信することができる。CPE125a〜nは、アドレス指定可能ブレークを検出した場合、このアドレス指定可能ブレーク中にどのアドレス指定可能広告をコンテンツ管理サーバ115から再生すべきかを決定する。再生するようにスケジュールされたアドレス指定可能広告がCPE125a〜nのキャッシュに存在する場合、CPEは、アドレス指定可能広告の提示(例えば、再生)を開始する。CPE125a〜nのキャッシュ装置は、キャッシュメッセージ(すなわち、キャッシュメッセージ205のPORTIONフィールド230)によって指定されたキャッシュ部分を維持するように構成することができる。例えば、アドレス指定可能広告が10秒間キャッシュされている場合、CPE125a〜nは、アドレス指定可能広告をキャッシュ装置から再生し始める一方で、キャッシュ装置は、例えば現在再生されているフレームから10秒間のキャッシュをCPEが維持するように、アドレス指定可能広告をキャッシュし続ける。
【0028】
いくつかの実施形態では、キャッシュポリシーサーバ110、コンテンツ管理サーバ115及びCDN120を、システム100の別個のコンポーネントとして構成することができる。いくつかの実施形態では、キャッシュポリシーサーバ110、コンテンツ管理サーバ115及びCDN120を異なるサービスプロバイダによって運用することができる。いくつかの実施形態では、キャッシュポリシーサーバ110、コンテンツ管理サーバ115、及びCDN120のうちの2つ又は3つ以上を、単一のコンポーネントとして構成することができる。いくつかの実施形態では、キャッシュポリシーサーバ110、コンテンツ管理サーバ115、及びCDN120のうちの2つ又は3つ以上を、分散型ネットワークのユニットとして構成することができる。
【0029】
図3に、いくつかの実施形態による、コンテンツ配信管理システムにおける情報及びメッセージの流れを示す。
図3に示すように、キャッシュポリシーサーバ310は、CPE325のコンテンツ管理サーバ(又は「アドレス指定可能コンテンツサーバ」)315にコンテンツ要求Aを送信することができる。コンテンツ要求Aは、スケジュール、時刻、所定の継続時間の満了又は新たなコンテンツの利用可能性などの様々な因子に基づいて送信することができる。
【0030】
アドレス指定可能コンテンツサーバ315は、どのアドレス指定可能コンテンツをCPE325によって再生できるかを決定することができる。例えば、アドレス指定可能コンテンツサーバ315は、ルール、処理又はアルゴリズムなどを用いて、どのアドレス指定可能コンテンツがCPE325に適しているかを決定することができる。アドレス指定可能コンテンツサーバ315は、CPE325のためのアドレス指定可能コンテンツを、8時間、24時間又は1週間などの一定期間にわたって決定することができる。アドレス指定可能コンテンツサーバ315は、(例えば、午前、午後、夕方、夜間、ラッシュアワー、ゴールデンタイムなどの)特定の放送時間区分中、特定の番組中、又は(例えば、天候、前のコンテンツ、CPE又は再生装置などの)他のいずれかの特性などの、CPE325がアドレス指定可能コンテンツを再生するための他の特性を決定することもできる。アドレス指定可能コンテンツサーバ315は、キャッシュポリシーサーバ310に、コンテンツ、コンテンツアドレス及び再生命令情報を含む消費者装置コンテンツ情報と共にコンテンツメッセージBを送信することができる。
【0031】
キャッシュポリシーサーバ310は、消費者装置コンテンツ情報に基づいて構成されたキャッシュメッセージCをCPE325に送信することができる。CPE325は、キャッシュメッセージCを受け取ったことに応答して、キャッシュメッセージCで指定されたアドレス指定可能コンテンツ部分を取得するためのコンテンツダウンロード要求DをCDN320に送信することができる。CDNは、ダウンロード要求Dで要求されたコンテンツEをCPE325に送信することができる。ダウンロード要求Dは、CDN320が、例えばキャッシュメッセージCによって要求された通りにアドレス指定可能コンテンツを特定してCPEに送信できるほどの十分な情報を含むことができる。CPE325は、キャッシュメッセージCで命令されたコンテンツをキャッシュすることができる。
【0032】
CPE325は、アドレス指定可能ブレークを検出したことに応答して、アドレス指定可能コンテンツサーバ315にアドレス指定可能コンテンツ要求Fを送信することができる。アドレス指定可能コンテンツサーバ315は、アドレス指定可能ブレーク中に再生すべきアドレス指定可能コンテンツを含むアドレス指定可能コンテンツメッセージGをCPE325に送信することができる。CPE325は、アドレス指定可能コンテンツメッセージGで指定されたアドレス指定可能コンテンツがCPEにキャッシュされているかどうかを判定することができる。アドレス指定可能コンテンツがCPE325にキャッシュされている場合、CPEは、アドレス指定可能コンテンツをキャッシュから再生し始めることができ、アドレス指定可能コンテンツの全体がキャッシュされていない場合、CPEは、CDN320にコンテンツダウンロード要求Dを送信して、キャッシュに記憶されていないアドレス指定可能コンテンツ部分を取得することができる。アドレス指定可能コンテンツがCPE325にキャッシュされていない場合、CPEは、CDN320にコンテンツダウンロード要求Dを送信して、キャッシュに記憶されていないアドレス指定可能コンテンツを取得することができる。CDN320は、コンテンツダウンロード要求Dを受け取ったことに応答して、CPE325にコンテンツEを送信することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、キャッシュポリシーサーバ310を、CPE325に「クリアキャッシュ」メッセージHを送信するように構成することができる。「クリアキャッシュ」メッセージHは、キャッシュ装置にキャッシュされているコンテンツの少なくとも一部を削除するようにCPE325に命令するよう構成することができる。キャッシュポリシーサーバ310は、コンテンツの再生、キャッシュメッセージCの送信、所定期間の満了、スケジュールされた期間、アドレス指定可能コンテンツサーバ315からの命令、CPE325のキャッシュが一杯である旨、又は記憶スペースが閾値未満である旨の指示などの様々な条件に基づいて、CPE325に「クリアキャッシュ」メッセージHを送信することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、キャッシュポリシーサーバ310、アドレス指定可能コンテンツサーバ315、CPE325及びCDN320が、
図3に示すメッセージ及び情報に加えて、他のメッセージ及び/又は情報を交換することもできる。例えば、キャッシュポリシーサーバ310、アドレス指定可能コンテンツサーバ315、CPE325及びCDN320は、リソースレベル、キャッシュ容量又は新たな利用可能コンテンツなどの状態メッセージを送信することができる。いくつかの実施形態では、アドレス指定可能コンテンツサーバ315が、キャッシュすべきCPE325にコンテンツターゲッティング情報(すなわち、アドレス指定可能コンテンツ決定命令)を送信することができる。このような実施形態では、アドレス指定可能コンテンツサーバ315が毎日の「コンテンツ選択」メッセージを送信し、これをキャッシュに記憶することができる。このようにして、CPE325は、アドレス指定可能コンテンツサーバ315に要求する代わりにアドレス指定可能コンテンツの選択を行うために、アドレス指定可能ブレークが近付く毎に「決定識別子」を受け取ることができる。
【実施例】
【0035】
実施例1
非線形コンテンツ配信システムを、CPEとクラウドとの間の十分な帯域幅のユニキャストシステムにおいて、アドレス指定可能広告ブレーク毎に5秒間のプリロールを使用するように構成する。CPEは、キャッシュに利用できる限られたRAMを有し、ローカルディスクキャッシュを有していない。キャッシュポリシーサーバは、アドレス指定可能ブレーク毎のプリロール時に、どのアドレス指定可能広告をアドレス指定可能コンテンツサーバからCPEにおいて再生すべきかを決定することができる。キャッシュポリシーサーバは、アドレス指定可能コンテンツを受け取るように構成されたCPEにキャッシュポリシーメッセージを送信することができる。各CPE又はCPEのセグメント(例えば、人口動態セグメント又はその他のアドレス指定可能コンテンツセグメント)は、これらのCPEのアドレス指定可能コンテンツ要件に特有の個々のキャッシュポリシーメッセージを受け取ることができる。例えば、キャッシュメッセージは、(a)CPEがキャッシュすべき広告、(b)どのキャッシュ装置が広告をキャッシュすべきか(例えば、RAM)、及び(c)どの広告部分をキャッシュすべきか(例えば、2秒)を含むことができる。CPEは、キャッシュメッセージを受け取ったことに応答して、アドレス指定可能ブレークの5秒前に、指定された広告の最初の2秒をRAMにキャッシュし始めることができる。CPEは、指定された広告をRAMから再生することができ、RAMのキャッシュは、広告の再生後にクリアすることができる。
【0036】
実施例2
非線形コンテンツ配信システムが、CPEとクラウドとの間の十分な帯域幅のユニキャストシステムを含む。CPEは、キャッシュに利用できる限られたRAMを有し、ローカルディスクキャッシュを有していない。キャッシュポリシーサーバは、所定の時刻である午前2:00に、24時間の指定期間にわたってどのアドレス指定可能広告をアドレス指定可能コンテンツサーバからCPEにおいて再生すべきかを決定することができる。キャッシュポリシーサーバは、24時間にわたるアドレス指定可能コンテンツを指定するキャッシュポリシーメッセージをCPEに送信することができる。各CPE又はCPEのセグメントは、そのアドレス指定可能コンテンツ要件に特有の個々のキャッシュポリシーメッセージを受け取ることができる。キャッシュメッセージは、(a)CPEがキャッシュすべき広告、(b)どのキャッシュ装置が広告をキャッシュすべきか(例えば、RAM)、及び(c)どの広告部分をキャッシュすべきか(例えば、2秒)を含むことができる。CPEは、キャッシュメッセージを受け取ったことに応答して、指定期間にわたる指定された広告の最初の2秒をRAMにキャッシュし始めることができる。CPEは、指定された広告をRAMから再生することができ、RAMのキャッシュは、24時間後にクリアすることができる。
【0037】
実施例3
非線形コンテンツ配信システムが、CPEとクラウドとの間の限られた帯域幅のユニキャストシステムを含む。CPEは、ローカルディスクキャッシュにアクセスすることができる。キャッシュポリシーサーバは、所定の時刻である午前2:00に、24時間の指定期間にわたってどのアドレス指定可能広告をアドレス指定可能コンテンツサーバからCPEにおいて再生すべきかを決定することができる。キャッシュポリシーサーバは、24時間にわたるアドレス指定可能コンテンツを指定するキャッシュポリシーメッセージをCPEに送信することができる。各CPE又はCPEのセグメントは、そのアドレス指定可能コンテンツ要件に特有の個々のキャッシュポリシーメッセージを受け取ることができる。キャッシュメッセージは、(a)CPEがキャッシュすべき広告、(b)どのキャッシュ装置が広告をキャッシュすべきか(例えば、ディスク)、及び(c)どの広告部分をキャッシュすべきか(例えば、「全部」)を含むことができる。CPEは、キャッシュメッセージを受け取ったことに応答して、広告全部をディスクにキャッシュし始めることができる。CPEは、指定された広告をディスクから再生することができ、ディスクのキャッシュは、24時間後にクリアすることができる。
【0038】
図4は、上述した様々なコンピュータ処理及びシステムを収容又は実装するために使用できる例示的な内部ハードウェアのブロック図である。バス400は、図示の他のハードウェアコンポーネント同士を相互接続するメイン情報ハイウェイとしての役割を果たす。CPU405は、システムの中央処理装置であり、プログラムの実行に必要な計算及び論理演算を行う。CPU405は、本開示で使用する用語で言うと、例示的な処理装置、コンピュータ装置又はプロセッサである。リードオンリメモリ(ROM)430及びランダムアクセスメモリ(RAM)435は、例示的な記憶装置を構成する。
【0039】
コントローラ420は、システムバス400を介して1又は2以上の任意の記憶装置425とインターフェイス接続する。これらの記憶装置425は、例えば、外部又は内部DVDドライブ、CD ROMドライブ、ハードドライブ、フラッシュメモリ又はUSBドライブなどを含むことができる。上述したように、これらの様々なドライブ及びコントローラは任意の装置である。また、記憶装置425は、いずれかのソフトウェアモジュール又は命令、補助データを記憶するための個別ファイル、一群の結果又は補助データを記憶するための共通ファイル、或いは結果情報、補助データ、及び上述したような関連情報を記憶するための1又は2以上のデータベースを含むように構成することもできる。
【0040】
ROM410及び/又はRAM415には、上述したような提示設定の決定、構成、送信又は復号などに関連する機能ステップのいずれかを実行するためのプログラム命令、ソフトウェア、又は対話式モジュールを記憶することができる。任意に、プログラム命令は、コンパクトディスク、デジタルディスク、フラッシュメモリ、メモリカード、USBドライブ、Blu−ray(商標)ディスクなどの光ディスク記憶媒体、及び/又はその他の記録媒体などの有形コンピュータ可読媒体に記憶することもできる。
【0041】
任意のディスプレイインターフェイス430は、バス400からの情報をディスプレイ435上にオーディオ、ビジュアル、グラフィック又は英数字フォーマットで表示させることができる。この情報は、現在の作業票及び関連するタスクに関する情報を含むことができる。外部装置との通信は、様々な通信ポート470を用いて行うことができる。例示的な通信ポート470は、インターネット又はローカルエリアネットワークなどの通信ネットワークに接続することができる。
【0042】
ハードウェアは、キーボード450などの入力装置、或いはマウス、ジョイスティック、タッチ画面、リモコン装置、ポインティングデバイス、ビデオ入力装置及び/又はオーディオ入力装置などの他の入力装置455からデータを受け取れるようにするインターフェイス475を含むこともできる。
【0043】
上記で開示した様々な特徴及び機能、並びにその他の特徴及び機能、又はこれらの代替物は、望むように組み合わせて、他の多くの異なるシステム又は応用に形を変えることができると理解されるであろう。また、現在では予見又は予想できない様々な代替形態、修正形態、変形形態又は改善形態が後から当業者によって実現されることもあり、これらの代替形態、変形形態及び改善形態も以下の特許請求の範囲に含まれると理解されるであろう。
【符号の説明】
【0044】
100 システム
105 ネットワーク
110 キャッシュポリシーサーバ
115 コンテンツ管理サーバ
120 コンテンツ配信ネットワーク(CDN)
125a〜n 顧客構内設備(CPE)
135a〜n データベース