【文献】
Bioorganic & Medicinal Chemistry,2007年,15(15),p.5262-5274
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年5月13日に出願された米国仮特許出願第61/992,815号明細書に対する優先権の利益を主張し、その完全な開示が、その全体において、全ての目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、同定されたクラスの化合物、こうした化合物を含む医薬組成物、およびこうした化合物を哺乳類における関節傷害および関節炎から生じる関節損傷を治療するために使用する方法に関する。
【0003】
背景
骨関節炎(OA)は、最も一般的な筋骨格の障害を表す。およそ4000万人のアメリカ人が現在影響を受けており、この数は、向こう20年以内に、高齢者人口および寿命延長の結果として6000万人にまで増加し、身体障害の第4の主要原因となると予測されている。OAは、関節の軟骨(関節に潤滑性および緩衝性をもたらす細胞およびマトリックスを含む)と、関節の軟骨の下にある軟骨下骨との双方を含む関節の緩慢な退行性の崩壊を特徴とする。OAは、種々の病因的因子の結果と考えることができる。例えば、それは、異常な生体力学的ストレス、または関節の軟骨もしくは骨の、遺伝性もしくは後天性異常によって引き起こされうる。現在のOAの療法としては、経口NSAIDまたは選択的シクロオキシゲナーゼ2(COX−2)阻害薬での鎮痛、コルチコルステロイドおよびヒアルロナン等の作用剤での関節内(IA)注射、および外科的アプローチが挙げられる。
【0004】
関節損傷、例えば急性関節傷害、例えば半月板断裂もしくは靱帯断裂、または関節内骨折もまた、関節炎、例えば外傷後関節炎につながりうる。関節の軟骨は、修復能力が限られているため、検出できない小さい損傷でさえ、しばしば、時間が経つと悪化してOAにつながるおそれがある。関節傷害の現在の治療としては、損傷を受けた関節の再生に焦点を当てた手術および他の侵襲的な手順、ならびに痛みおよび炎症を減少させる作用剤での治療が挙げられる。
【0005】
間葉系幹細胞(MSC)が、成人の関節の軟骨中に存在しており、分離の際に、インビトロで、軟骨細胞および他の間葉系細胞への分化を受けるようにプログラムされることができ、軟骨の再生のために使用されることがある。幾分かは、このプロセスは、成長因子(TGFβ、BMP)、血清条件および細胞間接触によって調節される。国際公開第2011/008773号パンフレットは、関節炎および関節傷害を治療または予防するための、および間葉系細胞から軟骨細胞中への分化を誘導するための、ペプチド組成物、およびこれらの組成物の使用を記載している。さらに、国際公開第2012/129562号パンフレットは、関節炎および関節傷害の寛解のための、および間葉系細胞から軟骨細胞への分化を誘導するための、小分子化合物、組成物、およびこれらの組成物の使用を記載している。
【0006】
発明の概要
外科的技法および再生技術が、軟骨の修復、崩壊の緩慢化、および関節損傷の修復の改善においていくらかの進歩を遂げたものの、軟骨の有効な再生、関節損傷の治療、およびOAの寛解または予防のための、組成物および方法の改善が、依然として必要とされている。
【0007】
したがって、本発明は、式(I)
【0008】
【化1】
[式中、
「-----」は、単結合または二重結合を表し、
Aは、CR
8aR
8b、NR
9またはOであり、式中、R
8a、R
8bおよびR
9は、それぞれ独立に、水素またはC
1〜6アルキルであり、
Lは、
*−C(O)NR
10−または
*−C(O)O−であり、式中、「
*」は、Lの、Aを含有する二環式環への結合点を表し、R
10は、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
0は、水素およびC
1〜6アルキルから選択され、
R
1は、ハロ、シアノ、−C(O)R
11、−C(O)NR
12aR
12b、−C(O)ONR
12aR
12b、5員および6員のヘテロシクロアルキル、5員および6員のヘテロシクリル、フェニル、ならびに5員から9員のヘテロアリールから選択され、
式中、
R
11は、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
12aおよびR
12bは、それぞれ独立に、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
1の、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−C(O)R
13、−C(O)OR
13、−NR
14aR
14b、5員および6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
13は、水素、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、アミノおよびC
1〜6アルキルアミノから選択され、
R
14aおよびR
14bは、水素、C
1〜6アルキル、−C(O)R
15、−C(O)OR
15および−S(O)
2R
15からそれぞれ独立に選択され、式中、R
15は、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
1の、ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリール置換基は、ハロ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキルおよびヒドロキシから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されており、
R
3は、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、3員から6員のシクロアルキル、(159)、4員から7員のヘテロシクロアルキル、5員から10員のヘテロシクリル、フェニル、および5員から9員のヘテロアリールから選択され、
式中、
R
3の、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−C(O)R
16、−C(O)OR
16、−S(O)
2R
16、5員および6員のヘテロシクロアルキル、ならびにフェニルから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
16は、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
3のフェニルまたはヘテロシクロアルキル置換基は、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキルおよびC
1〜6ハロアルキルから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されており、
R
2およびR
4は、それぞれ、水素もしくはC
1〜6アルキルであり、またはR
2およびR
4は一緒になって、Aを含有する二環式環に縮合しているシクロプロピル環を形成し、またはR
2およびR
4は一緒になって結合を形成してR
2およびR
4が結合している2個の炭素の間に二重結合をもたらし、
R
5は、水素またはC
1〜6アルキルであり、またはR
5およびR
10は、それらが結合している原子と一緒になって、Aを含有する二環式環へ縮合している5員または6員の環を形成し、
R
6およびR
7は、それぞれ、水素もしくはC
1〜6アルキルであり、またはR
6およびR
7は一緒になって結合を形成してR
6およびR
7が結合している2個の炭素の間に二重結合をもたらす]
の化合物、または医薬として許容されるその塩、またはその立体異性体に関する。
【0009】
第2の態様では、本発明は、式Iまたはその下位の式の化合物を含有する医薬組成物であって、該化合物は、単一の立体異性体もしくはその立体異性体の混合物、または医薬として許容されるその塩の中に、1種または複数の好適な賦形剤との付加混合物で存在する、医薬組成物を提供する。
【0010】
第3の態様では、本発明は、関節内送達用に製剤化されている医薬組成物であって、医薬として有効な量の式Iまたはその下位の式の化合物を含み、該化合物は、単一の立体異性体もしくはその立体異性体の混合物、または医薬として許容されるその塩、および医薬として許容される賦形剤として存在する、医薬組成物に関する。
【0011】
第4の態様では、本発明は、対象を治療する方法であって、治療有効量の式Iもしくはその下位の式の化合物、医薬としてのその塩、またはその医薬組成物を投与するステップを含む方法を提供する。提供された方法は、関節損傷および/または関節炎を有する、または有するリスクがある対象を治療するステップを含み、これは、治療有効量の本発明の1種または複数の化合物、またはその医薬組成物を対象に投与するステップを含む。
【0012】
第5の態様では、本発明はさらに、それを必要とする哺乳類における関節炎または関節損傷を治療、寛解または予防する方法であって、患者の関節に、治療有効量の式Iもしくはその下位の式の化合物、医薬としてのその塩、またはその医薬組成物を投与するステップを含む方法を提供する。こうした方法が有益でありうる状態の例としては、関節炎(例えば骨関節炎、外傷性関節炎)および関節損傷(例えば急性関節傷害)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0013】
第6の態様では、本発明は、間葉系幹細胞から軟骨細胞への分化を誘導する方法であって、間葉系幹細胞を、十分な量の式Iもしくはその下位の式の化合物、医薬としてのその塩、またはその医薬組成物と接触させるステップを含む方法に関する。
【0014】
第7の態様では、本発明は、線維芽細胞中のコラーゲンの産生を増加させる方法であって、線維芽細胞を、十分な量の式Iもしくはその下位の式の化合物、医薬としてのその塩、またはその医薬組成物と接触させるステップを含む方法に関する。
【0015】
第8の態様では、本発明は、関節傷害を治療するための医薬の製造における、式Iもしくはその下位の式の化合物、医薬として許容されるその塩、またはその医薬組成物の使用に関する。
【0016】
第9の態様では、本発明は、式Iもしくはその下位の式の化合物、その塩およびプロドラッグ誘導体、またはその医薬組成物を調製する方法を提供する。
【0017】
別段の指定がない限り、用語「本発明の化合物」は、式(I)およびその下位の式の化合物、該化合物の塩、該化合物の水和物または溶媒和物、塩、ならびに全ての立体異性体(ジアステレオ異性体および鏡像異性体を含む)、互変異性体および同位体的に標識された化合物(重水素置換基を含む)を指す。本発明の化合物は、式I(またはその下位の式)の化合物およびその塩の多形をさらに含む。
【0018】
発明の詳細な記載
本発明は、少なくとも幾分かは、間葉系幹細胞から軟骨細胞への分化を刺激する新規なクラスの化合物の同定に基づく。国際公開第2012/129562号パンフレットは、化合物および組成物、ならびに関節炎および関節傷害を治療または予防するための、ならびに間葉系細胞から軟骨細胞への分化を誘導するための同化合物および同組成物の使用を記載している。したがって、本発明は、軟骨を修復するための、異なるクラスの化合物および組成物を提供する。さらに、本発明の化合物または組成物を関節、軟骨組織もしくは軟骨近傍組織中に、または全身的に投与することによって、関節炎または関節傷害を治療、予防または寛解させるための組成物および方法が提供される。さらに、本発明は、間葉系幹細胞から軟骨細胞への分化の誘導のための組成物および方法も提供する。
【0019】
定義
本明細書を解釈する目的では、以下の定義が適用されることになり、適当であればいつでも、単数で使用される用語はまた複数も含むことになり、逆もまた然りである。
【0020】
「アルコキシ」は、本明細書で使用される場合、−O−アルキル基(式中、アルキルは、本明細書中で定義されているものである)を指す。C
XアルコキシおよびC
X〜Yアルコキシは、本明細書で使用される場合、アルコキシ基(式中、XおよびYは、アルキル鎖中の炭素原子の数を示す)を説明している。C
1〜10アルコキシの代表的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシおよびデシルオキシが挙げられるがこれらに限定されない。アルコキシのアルキル部分は、任意選択で置換されてもよく、置換基としては、以下のアルキル基について記載されているものが挙げられる。
【0021】
「アルキル」は、本明細書で使用される場合、10個までの炭素原子を有する、全てが飽和の、分枝状または非分枝状の炭化水素鎖を指す。C
XアルキルおよびC
X〜Yアルキルは、本明細書で使用される場合、アルキル基(式中、XおよびYは、アルキル鎖中の炭素原子の数を示す)を説明している。例えばC
1〜10アルキルは、1〜10個の炭素原子を含有する、上に定義されたアルキル基を指す。C
1〜6アルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル等が挙げられるがこれらに限定されない。アルキルは、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキルアミノのような別の基と一緒に表され、アルキル部分は、アルキルについて記載されたのと同じ意味を有することになり、他の基へ結合される。例えば(C
6〜10)アリール(C
1〜3)アルキルとしては、ベンジル、フェニルエチル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、2−チエニルメチル、2−ピリジニルメチル等が挙げられる。
【0022】
本明細書中で具体的に別段の記載がない限り、アルキル基は、非置換であってもよく、または1つまたは複数の置換基で、こうした置換が化学的に意味をなす程度まで置換されてもよい。典型的な置換基としては、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、アミノ、アシル、アリール、アリールアルキルおよびシクロアルキル、またはこれらの基のうちの1つのヘテロ形態が挙げられるがこれらに限定されず、これらのうちのそれぞれは、特定の基のために適当である置換基で置換されうる。
【0023】
「アミノ」は、本明細書で使用される場合、−NH
2基を指す。アミノが「置換されている」または「任意選択で置換されている」と記載されているとき、該用語は、NR’R’’(式中、各R’およびR’’は、それぞれ独立に、Hであり、またはアルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、アリール、アリール、シクロアルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルの各基、またはこれらの基のうちの1つのヘテロ形態であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、アリール、アリールアルキルの各基のそれぞれ、またはこれらの基のうちの1つのヘテロ形態は、対応する基に好適であると本明細書に記載されている置換基で任意選択で置換されている)を含む。
【0024】
別段の指定がない限り、アミノ部分を含有する本発明の化合物は、それらの保護された誘導体を含んでもよい。アミノ部分のための好適な保護基としては、アセチル、tert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル等が挙げられる。
【0025】
「アルキルアミノ」は、本明細書で使用される場合、−NR
aR
b基(式中、R
aおよびR
bのうちの少なくとも1つまたは双方は、本明細書中に記載のアルキル基である)を指す。C
1〜4アルキルアミノ基としては、−NHC
1〜4アルキルおよび−N(C
1〜4アルキル)
2、例えば−NHCH
3、−N(CH
3)
2、−NH(CH
2CH
3)、−N(CH
2CH
3)
2等が挙げられる。
【0026】
「芳香族」は、本明細書で使用される場合、構成原子が不飽和環系を作り上げている部分を指し、環系中の全ての原子は、sp
2ハイブリッド化されており、pi電子の総数は、4n+2に等しい。芳香族環は、環原子が、炭素原子のみである、または炭素原子と非炭素原子とを含んでもよいようなもの(ヘテロアリールを参照されたい)であってもよい。
【0027】
「アリール」は、本明細書で使用される場合、6〜14個の環原子を含有して全ての環原子が炭素原子である、単環式または多環式の芳香族環アセンブリを指す。典型的には、アリールは、6員(環原子)の単環式の、10員から12員の二環式の、または14員の縮合された三環式の芳香族環系である。6員から14員のアリールとしては、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アズレニルおよびアントラセニルが挙げられるがこれらに限定されない。
【0028】
アリールは、非置換であってもよく、またはヒドロキシ、チオール、シアノ、ニトロ、C
1〜4アルキル、C
1〜4アルケニル、C
1〜4アルキニル、C
1〜4アルコキシ、チオC
1〜4アルキル、C
1〜4アルケニルオキシ、C
1〜4アルキニルオキシ、ハロゲン、C
1〜4アルキルカルボニル、カルボキシ、C
1〜4アルコキシカルボニル、アミノ、C
1〜4アルキルアミノ、ジ−C
1〜4アルキルアミノ、C
1〜4アルキルアミノカルボニル、ジ−C
1〜4アルキルアミノカルボニル、C
1〜4アルキルカルボニルアミノ、C
1〜4アルキルカルボニル(C
1〜4アルキル)アミノ、スルホニル、スルファモイル、アルキルスルファモイル、C
1〜4アルキルアミノスルホニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルからなる群から独立に選択される1〜5つ(例えば1つまたは2つまたは3つ)の置換基で置換されてもよく、式中、先に挙げた置換基のそれぞれは、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシルまたはC
1〜4アルコキシの各基から独立に選択される1つまたは複数の置換基でさらに置換されてもよい。
【0029】
「アリール」が「アリールアルキル」、「アリールオキシアルキル」、「アリールオキシカルボニル」、「アリールオキシ−カルボニルアルキル」のように、別の基と一緒に表されるとき、アリール部分は、「アリール」の、上に挙げた定義において説明したのと同じ意味を有することになる。
【0030】
「アルコキシ」は、本明細書で使用される場合、−O−アリール基(式中、アリールは、本明細書で定義されたものである)を指す。
【0031】
「二環式」または「ビシクリル」は、本明細書で使用される場合、2つの環が、縮合されており、単結合によって結合されており、または2個の架橋原子によって結合されている、2つの環の環アセンブリを指す。環は、カルボシクリル、ヘテロシクリル、またはこれらの混合物であってもよい。
【0032】
「架橋環」は、本明細書で使用される場合、2つの環に共通である2個の環原子が互いに直接結合しない多環式環系を指す。環系の1つまたは複数の環はまた、環原子としてヘテロ原子を含んでもよい。架橋環の非排他的な例としては、ノルボルナニル、オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、アダマンタニル等が挙げられる。
【0033】
「シクロアルキル」は、本明細書で使用される場合、3環員から14環員の、非芳香族の、飽和の単環式の、二環式の、三環式の、縮合した、架橋したまたはスピロ多環式の炭化水素環系を含む基を意味し、全ての環員は、炭素原子である。例示できる単環式シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプタニル、シクロオクタニル等が挙げられるがこれらに限定されない。例示できる二環式シクロアルキルとしては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、ボルニル、ノルボルナニル、デカヒドロナフチル、ビシクロ[2.2.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチルが挙げられる。例示できる三環式シクロアルキル基としては、例えばアダマンタニルが挙げられる。
【0034】
シクロアルキルは、非置換であってもよく、またはヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ、オキソ、アルキルイミノ、C
1〜4アルキル、C
1〜4アルケニル、C
1〜4アルキニル、C
1〜4アルコキシ、C
1〜4チオアルキル、C
1〜4アルケニルオキシ、C
1〜4アルキニルオキシ、ハロゲン、C
1〜4アルキルカルボニル、カルボキシ、C
1〜4アルコキシカルボニル、アミノ、C
1〜4アルキルアミノ、ジ−C
1〜4アルキルアミノ、C
1〜4アルキルアミノカルボニル、ジ−C
1〜4アルキルアミノカルボニル、C
1〜4アルキルカルボニルアミノ、C
1〜4アルキルカルボニル(C
1〜4アルキル)アミノ、スルホニル、スルファモイル、アルキルスルファモイル、C
1〜4アルキルアミノスルホニルからなる群から独立に選択される1つまたは2つまたは3つまたはそれを超える置換基で置換されてもよく、先に挙げた炭化水素基(例えばアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシの各残基)のそれぞれは、ハロゲン、ヒドロキシルまたはC
1〜4アルコキシの各基からの出現毎に独立に選択される1つまたは複数の残基でさらに置換されてもよい。
【0035】
「シアノ」は、本明細書で使用される場合、−CN基を指す。
【0036】
「EC
50」は、50%の効能をもたらす阻害薬または修飾剤のモル濃度を指す。
【0037】
「IC
50」は、50%の阻害をもたらす阻害薬または修飾剤のモル濃度を指す。
【0038】
「縮合環」は、本明細書で使用される場合、環アセンブリを含む環が、2つの環に共通である環原子が互いに直接結合するように結合している多環アセンブリを指す。縮合環アセンブリは、飽和、部分的に飽和、芳香族、炭素環式、複素環式等であってもよい。共通の縮合環の非排他的な例としては、デカリン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インドール、ベンゾフラン、プリン、キノリン等が挙げられる。
【0039】
「ハロ」または「ハロゲン」は、本明細書で使用される場合、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。
【0040】
「ハロアルキル」または「ハロ置換アルキル」は、本明細書で使用される場合、本明細書中で定義されているアルキルを指し、これは、本明細書中で定義されている1個または複数のハロ原子で置換されている。ハロアルキルは、モノハロアルキル、ジハロアルキル、またはペルハロアルキルを含むポリハロアルキルとすることができる。モノハロアルキルは、アルキル基内に、1つの、ヨード、ブロモ、クロロまたはフルオロを有することができる。ジハロアルキルおよびポリハロアルキルの各基は、アルキル内に、2つ以上の同じハロ原子または異なるハロ基の組合せを有することができる。C
XハロアルキルおよびC
X〜Yハロアルキル(式中、XおよびYは、アルキル鎖中の炭素原子の数を示す)が典型的に使用される。C
1〜4ハロアルキルの非限定的な例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチルおよびジクロロプロピルが挙げられる。C
1〜4ペルハロアルキル基は、ハロ原子で置き換えられた全ての水素原子を有するC
1〜4アルキル基を指す。
【0041】
「ヘテロアリール」は、本明細書で使用される場合、環原子としてN、OおよびSから選択される1〜8個のヘテロ原子を有して残りの環原子が炭素原子である、5員から14員の芳香族環アセンブリ(例えば5員から7員の単環式の、8員から10員の二環式の、または13員から14員の三環式の環系)を指す。こうしたヘテロアリール環の窒素原子は、任意選択で四級化されることができ、こうしたヘテロアリール環の硫黄原子は、任意選択で酸化されることができる。典型的な5員から7員のヘテロアリール基としては、チエニル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、ピロリニル、チアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾールイソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピラジニル、ピリミジニル等が挙げられる。二環式または三環式の8員から14員のヘテロアリールとしては、ベンゾ[b]フラン、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾイミダゾール、イミダゾ[4,5−c]ピリジン、キナゾリン、チエノ[2,3−c]ピリジン、チエノ[3,2−b]ピリジン、チエノ[2,3−b]ピリジン、キナゾリニル、プテリジニル、インドリジン、イミダゾ[1,2a]ピリジン、キノリン、キノリニル、イソキノリン、フタラジン、キノキサリン、ナフチリジン、ナフチリジニル、キノリジン、インドール、イソインドール、インダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾ[1,5−a]ピリジン、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン、イミダゾ[1,2−a]ピリミジン、イミダゾ[1,2−c]ピリミジン、イミダゾ[1,5−a]ピリミジン、イミダゾ[1,5−c]ピリミジン、ピロロ[2,3−b]ピリジン、ピロロ[2,3−c]ピリジン、ピロロ[3,2−c]ピリジン、ピロロ[3,2−b]ピリジン、ピロロ[2,3−d]ピリミジン、ピロロ[3,2−d]ピリミジン、ピロロ[2,3−b]ピラジン、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン、ピロロ[1,2−b]ピリダジン、ピロロ[1,2−c]ピリミジン、ピロロ[1,2−a]ピリミジン、ピロロ[1,2−a]ピラジン、トリアゾ[1,5−a]ピリジン、プテリジン、プリン、プリニル、カルバゾール、アクリジン、フェナジン、フェノチアゼン、フェノキサジン、1,2−ジヒドロピロロ[3,2,1−hi]インドール、インドリジン、ピリド[1,2−a]インドールおよび2(1H)−ピリジノンから誘導されるものが挙げられるがこれらに限定されない。
【0042】
ヘテロアリールは、非置換であってもよく、またはヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ、C
1〜4アルキル、C
1〜4アルケニル、C
1〜4アルキニル、C
1〜4アルコキシ、チオC
1〜4アルキル、C
1〜4アルケニルオキシ、C
1〜4アルキニルオキシ、ハロゲン、C
1〜4アルキルカルボニル、カルボキシ、C
1〜4アルコキシカルボニル、アミノ、C
1〜4アルキルアミノ、ジ−C
1〜4アルキルアミノ、C
1〜4アルキルアミノカルボニル、ジ−C
1〜4アルキルアミノカルボニル、C
1〜4アルキルカルボニルアミノ、C
1〜4アルキルカルボニル(C
1〜4アルキル)アミノ、スルホニル、スルファモイル、アルキルスルファモイル、C
1〜4アルキルアミノスルホニルから独立に選択される1つまたは複数の置換基で置換されてもよく、先に挙げた炭化水素基(例えばアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシの各残基)のそれぞれは、ハロゲン、ヒドロキシルまたはC
1〜4アルコキシの各基からの出現毎に独立に選択される1つまたは複数の残基でさらに置換されてもよい。
【0043】
ヘテロアリールが「ヘテロアリールオキシ」、「ヘテロアリールオキシアルキル」、「ヘテロアリールオキシカルボニル」のように、別の基と一緒に表されるとき、ヘテロアリール部分は、「ヘテロアリール」の、上に挙げた定義に記載されているのと同じ意味を有することになる。
【0044】
「ヘテロ原子」は、本明細書で使用される場合、炭素原子ではない原子を指す。ヘテロ原子の具体的な例としては、窒素、酸素および硫黄が挙げられるがこれらに限定されない。
【0045】
「ヘテロシクロアルキル」は、本明細書で使用される場合、1〜8個のヘテロ原子を環原子として含み、残りの環原子が炭素原子である、4員から15員の、飽和の単環式または多環式の環系を指す。ヘテロ原子は、N、OおよびS、好ましくはOおよびNから選択される。ヘテロシクロアルキルの窒素原子は、任意選択で四級化されることができ、ヘテロシクロアルキルの硫黄原子は、任意選択で酸化されることができる。ヘテロシクロアルキルとしては、縮合環または架橋環、ならびにスピロ環式環が挙げられる。典型的には、ヘテロシクロアルキルは、1〜3個のヘテロ原子を含有する4員から8員の単環式環、1〜5個のヘテロ原子を含有する7員から12員の二環式環系、または1〜7個のヘテロ原子を含有する10員から15員の三環式環系である。4員から6員のヘテロシクロアルキルの例としては、アゼチジン、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、モルホリン、1,4−ジチアン、ピペラジン、ピペリジン、1,3−ジオキソラン、イミダゾリジン、ピラゾリジニル、ピロリジン、テトラヒドロピラン、オキサチオラン、ジチオラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジチアン、オキサチアン、チオモルホリンから誘導されるものが挙げられる。二環式ヘテロシクロアルキルの例としては、オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0046】
ヘテロシクロアルキルは、非置換であってもよく、またはヒドロキシル、チオール、シアノ、ニトロ、オキソ、アルキルイミノ、C
1〜4アルキル、C
1〜4アルケニル、C
1〜4アルキニル、C
1〜4アルコキシ、C
1〜4チオアルキル、C
1〜4アルケニルオキシ、C
1〜4アルキニルオキシ、ハロゲン、C
1〜4アルキルカルボニル、カルボキシ、C
1〜4アルコキシカルボニル、アミノ、C
1〜4アルキルアミノ、ジ−C
1〜4アルキルアミノ、C
1〜4アルキルアミノカルボニル、ジ−C
1〜4アルキルアミノカルボニル、C
1〜4アルキルカルボニルアミノ、C
1〜4アルキルカルボニル(C
1〜4アルキル)アミノ、スルホニル、スルファモイル、アルキルスルファモイル、C
1〜4アルキルアミノスルホニルからそれぞれ独立に選択される1〜5つ(例えば1つまたは2つまたは3つ)の置換基で置換されてもよく、先に挙げた炭化水素基(例えばアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシの各残基)のそれぞれは、ハロゲン、ヒドロキシルまたはC
1〜4アルコキシの各基からの出現毎に独立に選択される1つまたは複数の残基でさらに置換されてもよい。ヘテロシクロアルキルが、「ヘテロシクロアルキル−アルキル」、「ヘテロシクロアルコキシ」、「ヘテロシクロアルキル−アリール」のような、他の基の一部を形成するとき、ヘテロアリール部分は、「ヘテロアリール」の、上に挙げた定義に記載されているのと同じ意味を有することになる。
【0047】
「ヘテロシクリル」または「複素環」は、本明細書で使用される場合、N、O、SO、SO
2、(C=O)およびS、好ましくはN、O、Sからなる群から選択されて各環中に1〜4個のさらなるヘテロ原子を任意選択で含有する、少なくとも1つのヘテロ原子部分を含有する、部分的に飽和の、または部分的に不飽和の、3員から14員の、単環式のまたは多環式の環系を指す。本明細書で定義されているヘテロシクリルはまた、全てが不飽和の環へ縮合している全てが飽和の環を含有する多環式環系も含む。単環式のヘテロシクリルの例としては、ピロリン、イミダゾリン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、2H−ピラン、4H−ピラン、3,6−ジヒドロ−2H−ピラン等から誘導されるものが挙げられる。多環式ヘテロシクリルの例としては、インドリン、3H−インドール、カルバゾール、インデン、ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシンフルオレン、フェノキサジン等から誘導されるものが挙げられる。
【0048】
ヒドロキシは、本明細書で使用される場合、−OH基を指す。
【0049】
「保護された誘導体」は、反応部位が保護基でブロックされている、阻害薬の誘導体を意味する。保護された誘導体は、阻害薬の調製において有用であり、またはそれら自体が阻害薬として活性でありうる。保護基の例としては、アセチル、テトラヒドロピラン、メトキシメチルエーテル、β−メトキシエトキシメチルエーテル、ρ−メトキシベンジル、メチルチオメチルエーテル、ピバロイル、シリルエーテル、カルボベンジルオキシ、ベンジル、tert−ブトキシカルボニル、ρ−メトキシフェニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル、アセタール、ケタール、アシラール、ジチアン、メチルエステル、ベンジルエステル、tert−ブチルエステルおよびシリルエステルが挙げられるがこれらに限定されない。好適な保護基の包括的なリストは、T.W. Greene, Protecting Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, John Wiley & Sons, Inc. 1999に見出すことができる。
【0050】
「非置換のまたは置換されている」または「任意選択で置換されている」は、本明細書で使用される場合、名付けられた基(group)または基(radical)の利用可能な価電子上で結合された置換基を示す。「非置換の」は、本明細書で使用される場合、名付けられた基(group)または基(radical)がさらなる非水素置換基を有することにならないことを示す。「置換されている」または「任意選択で置換されている」は、本明細書で使用される場合、名付けられた基(group)または基(radical)の利用可能な水素原子のうちの少なくとも1個が、非水素置換基で置き換えられた(または置き換えられてもよい)ことを示す。
【0051】
別段の指定がない限り、置換基の例としては、ハロ、ニトロ、シアノ、チオ、オキシ、ヒドロキシ、カルボニルオキシ、C
1〜6アルコキシ、6員から10員のアリールオキシ、5員から10員のヘテロアリールオキシ、カルボニル、オキシカルボニル、アミノカルボニル、アミノ、C
1〜6アルキルアミノ、スルホンアミド、イミノ、スルホニル、スルフィニル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、ヒドロキシC
1〜6アルキル、カルボニルC
1〜6アルキル、チオカルボニルC
1〜10アルキル、スルホニルC
1〜6アルキル、スルフィニルC
1〜6アルキル、C
1〜10アザアルキル、イミノC
1〜6アルキル、3員から12員のシクロアルキルC
1〜6アルキル、4員から15員のヘテロシクロアルキルC
1〜6アルキル、6員から10員のアリールC
1〜6アルキル、5員から10員のヘテロアリールC
1〜6アルキル、10員から12員のビシクロアリールC
1〜6アルキル、9員から12員のヘテロビシクロアリールC
1〜6アルキル、3員から12員のシクロアルキル、4員から12員のヘテロシクロアルキル、9員から12員のビシクロアルキル、3員から12員のヘテロビシクロアルキル、6員から12員のアリール、および5員から12員のヘテロアリールが挙げられるがこれらに限定されない。
【0052】
「スルホニル」は、本明細書で使用される場合、−S(O)
2−基を意味する。用語「スルホニル」が、一価の置換基を指すとき、置換されたスルホニル基−S(=O)
2R(式中、Rは、スルホン酸、スルホンアミド、スルホン酸エステルおよびスルホンを含む異なるスルホニル基を形成する硫黄原子担持の水素置換基または非水素置換基である)を代替的に指すことができることが留意されよう。
【0053】
【化2】
および
【0054】
【化3】
は、X基の、分子の他の部分への結合点を示す記号である。
【0055】
本明細書中の任意の定義は、複合構造基を記載するために、任意の他の定義との組合せで使用されてもよい。従来では、任意のこうした定義のトレイリングエレメントは、それが親部分へ結合するものである。例えば、複合基のアルコキシアルキルは、アルキル基を通して親分子へ結合しているアルコキシ基を表すことになる。
【0056】
本明細書中で付与されている定義の全ての点で、定義は、特定化されているものを超えるさらなる置換基が含まれてもよいという意味においてオープンエンドであると解釈されるべきであることが留意されよう。そのため、C
1アルキルは、1個の炭素原子があることを示しているが、炭素原子担持置換基が何であるかは示していない。そのため、C
1アルキルは、メチル(すなわち−CH
3)ならびに−CR
aR
bR
c(式中、R
a、R
bおよびR
cは、それぞれ独立に、水素または任意の他の置換基であり、式中、炭素に結合している原子は水素原子ではない)を含む。そのため、例えば−CF
3、−CH
2OHおよび−CH
2CNは、全てがC
1アルキルである。
【0057】
「軟骨細胞」は、軟骨の細胞を指す。軟骨細胞は、コラーゲンおよびプロテオグリカンから構成される軟骨性マトリックスを産生して維持する。軟骨細胞は、間葉系幹細胞(MSC)の分化から誘導される。MSCは、骨芽細胞、軟骨細胞および脂肪細胞を含むがこれらに限定されない、幾つかの異なるタイプの細胞へ分化させることができる多分化能の幹細胞である。分化は、特定化されている細胞のタイプが、より特定化されていない細胞のタイプから形成される方法であり、例えば軟骨細胞がMSCから形成される方法である。
【0058】
「ヒアルロン酸」は、ヒアルロン酸のエステル、ヒアルロン酸の塩を含むヒアルロン酸の誘導体を指し、用語ヒアルロナンもまた含む。この指定名称はまた、ヒアルロナンの低分子量および高分子量の双方の形態、ならびに架橋ヒアルロナンまたはヒランも含む。こうしたヒアルロナンの例は、Synvisc(商標)(Genzyme Corp.、マサチューセッツ州ケンブリッジ)、ORTHOVISC(商標)(Anika Therapeutics、マサチューセッツ州ウォーバーン)、およびHYALGAN(商標)(Sanofi−Synthelabo Inc.、ペンシルベニア州マルバーン)である。
【0059】
好ましい実施形態の説明
本発明は、新規のクラスの化合物、こうした化合物を含む医薬組成物、およびこうした化合物を関節傷害および関節炎から生じる関節損傷を治療または予防するために使用する方法を提供する。詳細には、該化合物は、急性関節損傷、骨関節炎、外傷性関節炎、変性椎間板疾患および全身性リウマチ関節炎を治療するために使用されうる。
【0060】
I.本発明の化合物
第1の実施形態では、本発明の化合物は、式I
【0061】
【化4】
[式中、
「-----」は、単結合または二重結合を表し、
Aは、CR
8aR
8b、NR
9またはOであり、式中、R
8a、R
8bおよびR
9は、それぞれ独立に、水素またはC
1〜6アルキルであり、
Lは、
*−C(O)NR
10−または
*−C(O)O−であり、式中、「
*」は、Lの、Aを含有する二環式環への結合点を表し、R
10は、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
0は、水素およびC
1〜6アルキルから選択され、
R
1は、ハロ、シアノ、−C(O)R
11、−C(O)NR
12aR
12b、−C(O)ONR
12aR
12b、5員および6員のヘテロシクロアルキル、5員および6員のヘテロシクリル、フェニル、ならびに5員から9員のヘテロアリールから選択され、
式中、
R
11は、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
12aおよびR
12bは、それぞれ独立に、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
1の、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、またはハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−C(O)R
13、−C(O)OR
13、−NR
14aR
14b、5員および6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
13は、水素、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、アミノおよびC
1〜6アルキルアミノから選択され、
R
14aおよびR
14bは、水素、C
1〜6アルキル、−C(O)R
15、−C(O)OR
15および−S(O)
2R
15からそれぞれ独立に選択され、式中、R
15は、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
1の、ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリール置換基は、ハロ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキルおよびヒドロキシから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されており、
R
3は、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、3員から6員のシクロアルキル、(159)、4員から7員のヘテロシクロアルキル、5員から10員のヘテロシクリル、フェニル、および5員から9員のヘテロアリールから選択され、
式中、
R
3の、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、またはハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−C(O)R
16、−C(O)OR
16、−S(O)
2R
16、5員および6員のヘテロシクロアルキル、ならびにフェニルから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
16は、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
3のフェニルまたはヘテロシクロアルキル置換基は、非置換であり、またはハロ、シアノ、C
1〜6アルキルおよびC
1〜6ハロアルキルから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されており、
R
2およびR
4は、それぞれ、水素もしくはC
1〜6アルキルであり、またはR
2およびR
4は一緒になって、Aを含有する二環式環へ縮合しているシクロプロピル環を形成し、またはR
2およびR
4は一緒になって結合を形成して、R
2およびR
4が結合している2個の炭素の間に二重結合をもたらし、
R
5は、水素またはC
1〜6アルキルであり、またはR
5およびR
10は、それらが結合している原子と一緒になって、Aを含有する二環式環へ縮合している5員または6員の環を形成し、
R
6およびR
7は、それぞれ、水素もしくはC
1〜6アルキルであり、またはR
6およびR
7は一緒になって結合を形成してR
6およびR
7が結合している2個の炭素の間に二重結合をもたらす]
のもの、または医薬として許容されるその塩、またはその立体異性体である。
【0062】
別の実施形態では、化合物は式IA
【0063】
【化5】
[式中、
「-----」は、単結合または二重結合を表し、
R
0は、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
1は、シアノ、−C(O)NR
12aR
12b、6員のヘテロシクロアルキル、6員のヘテロシクリル、フェニル、ならびに5員から9員のヘテロアリールから選択され、
式中、
R
12aおよびR
12bは、それぞれ独立に、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
1の、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−C(O)R
13、−C(O)OR
13、−NR
14aR
14b、5員および6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
13は、C
1〜6アルキル、アミノおよびC
1〜6アルキルアミノから選択され、
R
14aおよびR
14bは、水素、C
1〜6アルキル、−C(O)R
15、−C(O)OR
15および−S(O)
2R
15からそれぞれ独立に選択され、式中、R
15は、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
1の、ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリール置換基は、非置換であり、または、ハロ、ヒドロキシ、C
1〜6アルキルおよびC
1〜6ハロアルキルから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されており、
R
3は、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、5員および6員のシクロアルキル、(159)、5員および6員のヘテロシクロアルキル、6員および10員のヘテロシクリル、フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールから選択され、
式中、
R
3の、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−C(O)R
16、−C(O)OR
16、−S(O)
2R
16、5員および6員のヘテロシクロアルキル、ならびにフェニルから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
16は、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
3の、フェニルまたはヘテロシクロアルキル置換基は、非置換であり、または、ハロおよびシアノから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されており、
R
2およびR
4は、それぞれ独立に、水素もしくはC
1〜6アルキルであり、またはR
2およびR
4は一緒になって、二環式環へ縮合しているシクロプロピル環を形成し、またはR
2およびR
4は一緒になって結合を形成してR
2およびR
4が結合している2個の炭素の間に二重結合をもたらし、
R
5は、水素もしくはC
1〜6アルキルであり、またはR
5およびR
10は、それらが結合している原子と一緒になって、二環式環へ縮合している5員または6員の環を形成し、
R
6およびR
7は、それぞれ独立に、水素もしくはC
1〜6アルキルであり、またはR
6およびR
7は一緒になって結合を形成してR
6およびR
7が結合している2個の炭素の間に二重結合をもたらす]
のものである。
【0064】
上の実施形態による本発明の化合物の別の実施形態では、R
6は、水素である。
【0065】
上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物の別の実施形態では、R
7は、水素である。
【0066】
上の実施形態のいずれか1つによる別の実施形態では、本発明の化合物は、以下の式
【0067】
【化6】
のうちの1つから選択される式のものである。
【0068】
第1または第2の実施形態による別の実施形態では、本発明の化合物は、式IA
1
【0069】
【化7】
のものである。第1または第2の実施形態によるさらに別の実施形態では、本発明の化合物は、式IA
2
【0070】
【化8】
のものである。第1または第2の実施形態によるさらに別の実施形態では、本発明の化合物は、式IA
3
【0071】
【化9】
のものである。第1または第2の実施形態によるなおも別の実施形態では、本発明の化合物は、式IA
4
【0072】
【化10】
のものである。
【0073】
上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物のさらに別の実施形態では、R
0は、水素である。
【0074】
上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物のさらに別の実施形態では、R
5は水素である。
【0075】
上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物のさらに別の実施形態では、R
1は、6員のヘテロシクロアルキル、6員のヘテロシクリル、フェニル、ならびに5員から9員のヘテロアリールから選択され、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−C(O)R
13、−C(O)OR
13、−NR
14aR
14b、5員および6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、ならびに5員から6員のヘテロアリールから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
13は、C
1〜6アルキル、アミノおよびC
1〜6アルキルアミノから選択され、
R
14aおよびR
14bは、水素、C
1〜6アルキル、−C(O)R
15、−C(O)OR
15および−S(O)
2R
15からそれぞれ独立に選択され、式中、R
15は、C
1〜6アルキルであり、
R
1の、ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリール置換基は、非置換であり、または、ハロ、ヒドロキシ、C
1〜6アルキルおよびC
1〜6ハロアルキルから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されている。
【0076】
上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物の別の実施形態では、R
1は、フェニル、5員または6員のヘテロアリールであり、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−C(O)R
13、−C(O)OR
13、−NR
14aR
14b、5員および6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
13は、C
1〜6アルキル、アミノおよびC
1〜6アルキルアミノから選択され、
R
14aおよびR
14bは、水素、C
1〜6アルキル、−C(O)R
15、−C(O)OR
15からそれぞれ独立に選択され、式中、R
15は、C
1〜6アルキルであり、
R
1の、ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリール置換基は、非置換であり、または、ヒドロキシ、ハロ、C
1〜6アルキルおよびC
1〜6ハロアルキルから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されている。
【0077】
上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物の別の実施形態では、R
1は、シアノ、−C(O)NH
2、ピペリジニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピラニル、フェニル、ピラゾイル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニルおよびインダゾリルから選択され、ピペリジニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピラニル、フェニル、ピラゾイル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニルまたはインダゾリルは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−C(O)R
13、−C(O)OR
13、−NR
14aR
14b、5員および6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
13は、C
1〜6アルキル、アミノおよびC
1〜6アルキルアミノから選択され、
R
14aおよびR
14bは、水素、C
1〜6アルキル、−C(O)R
15、−C(O)OR
15および−S(O)
2R
15からそれぞれ独立に選択され、式中、R
15は、C
1〜6アルキルであり、
R
1の、ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリール置換基は、非置換であり、または、ヒドロキシ、ハロ、C
1〜6アルキルおよびC
1〜6ハロアルキルから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されている。
【0078】
上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物の別の実施形態では、R
1は、ピラゾイル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルおよびピラジニルから選択され、ピラゾイル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルもしくはピラジニルは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−C(O)R
13、−C(O)OR
13、−NR
14aR
14b、5員および6員のヘテロシクロアルキルおよびフェニルから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
13は、C
1〜6アルキル、アミノおよびC
1〜6アルキルアミノから選択され、
R
14aおよびR
14bは、水素、C
1〜6アルキル、−C(O)R
15、−C(O)OR
15からそれぞれ独立に選択され、式中、R
15は、C
1〜6アルキルであり、
R
1の、ヘテロシクロアルキルまたはフェニル置換基は、非置換であり、または、ヒドロキシ、ハロ、C
1〜6アルキルおよびC
1〜6ハロアルキルから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されている。
【0079】
上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物のなおも別の実施形態では、R
1は、ピラゾイル、ピリジニル、ピリミジニルおよびピラジニルから選択され、それらのそれぞれは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−C(O)R
13、−C(O)OR
13、−NR
14aR
14b、テトラヒドロピラニル、ヒロドキシ置換ピロリジニルから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
13は、C
1〜6アルキル、アミノまたはC
1〜6アルキルアミノであり、
R
14aおよびR
14bは、水素、C
1〜6アルキル、−C(O)R
15および−C(O)OR
15からそれぞれ独立に選択され、式中、R
15は、C
1〜6アルキルである。
【0080】
上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物のなおも別の実施形態では、R
1は、
【0081】
【化11】
から選択され、式中、「
*」は、R
1の、二環式コア環への結合点を表す。
【0082】
上の第1から第11の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物のなおも別の実施形態では、R
1は、
【0083】
【化12】
から選択され、式中、「
*」は、R
1の、二環式コア環の結合点を表す。
【0084】
上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物のなおも別の実施形態では、R
1は、
【0085】
【化13】
である。上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物のなおも別の実施形態では、R
1は、
【0086】
【化14】
である。上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物のなおも別の実施形態では、R
1は、
【0087】
【化15】
である。上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物のなおも別の実施形態では、R
1は、
【0088】
【化16】
である。上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物の別の実施形態では、R
1は、
【0089】
【化17】
である。
【0090】
上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物の別の実施形態では、R
1は、
【0091】
【化18】
である。上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物の別の実施形態では、R
1は、
【0092】
【化19】
である。上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物のなおも別の実施形態では、R
1は、
【0093】
【化20】
である。上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物のなおも別の実施形態では、R
1は、
【0094】
【化21】
である。
【0095】
上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物のなおも別の実施形態では、R
3は、フェニル、5員または6員のヘテロアリールであり、
R
3の、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、またはハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−C(O)R
16、−C(O)OR
16、−S(O)
2R
16、5員および6員のヘテロシクロアルキルならびにフェニルから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
16、は、C
1〜6アルキルであり、
R
3の、フェニルまたはヘテロアリール置換基は、非置換であり、またはハロもしくはシアノから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されている。
【0096】
上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物のなおも別の実施形態では、R
3は、シクロヘキシル、ピペリジニル、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル、フェニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニルから選択され、シクロヘキシル、ピペリジニル、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル、フェニル、ピラゾリル、ピリジニルもしくはピリミジニルは、非置換であり、またはハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−C(O)R
16、−C(O)OR
16、−S(O)
2R
16、5員および6員のヘテロシクロアルキルならびにフェニルから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
16は、C
1〜6アルキルであり、
R
3の、フェニルまたはヘテロアルキル置換基は、非置換であり、または、ハロおよびシアノから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されている。
【0097】
上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物のなおも別の実施形態では、R
3は、
【0098】
【化22】
から選択され、式中、「
*」は、R
3の、二環式環への結合点を表す。
【0099】
上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物のなおも別の実施形態では、R
3は、
【0100】
【化23】
から選択され、式中、「
*」は、R
1の、二環式コア環への結合点を表す。
【0101】
上の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物のなおも別の実施形態では、R
3は、
【0102】
【化24】
である。なおも別の実施形態では、R
3は、
【0103】
【化25】
である。なおも別の実施形態では、R
3は、
【0104】
【化26】
である。なおも別の実施形態では、R
3は、
【0105】
【化27】
である。なおも別の実施形態では、R
3は、
【0106】
【化28】
である。なおも別の実施形態では、R
3は、
【0107】
【化29】
である。なおも別の実施形態では、R
3は、
【0108】
【化30】
である。なおも別の実施形態では、R
3は、
【0109】
【化31】
である。なおも別の実施形態では、R
3は、
【0110】
【化32】
である。なおも別の実施形態では、R
3は、
【0111】
【化33】
である。
【0112】
上の第1から第41の実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物のなおも別の実施形態では、R
10は、水素である。
【0113】
特別な一実施形態では、本発明の化合物は、式IB
【0114】
【化34】
[式中、
「-----」は、単結合または二重結合を表し、
R
1は、フェニル、5員または6員のヘテロアリールであり、
式中、
R
1の、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜4ハロアルキル、−C(O)R
13、−C(O)OR
13、−NR
14aR
14b、5員および6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
13は、C
1〜6アルキルまたはアミノであり、
R
14aおよびR
14bは、水素、C
1〜6アルキル、−C(O)R
15および−C(O)OR
15からそれぞれ独立に選択され、式中、R
15は、C
1〜4アルキルであり、
R
1の、ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリール置換基は、非置換であり、または、ハロ、ヒドロキシおよびC
1〜6アルキルから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
R
3は、フェニル、5員および6員のヘテロアリールであり、フェニルもしくはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−C(O)R
16、−C(O)OR
16、5員および6員のヘテロシクロアルキル、ならびにフェニルから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
16は、C
1〜6アルキルであり、
ヘテロシクロアルキルまたはフェニルは、非置換であり、またはハロおよびシアノから選択される1〜2つの置換基で置換されており、
R
2およびR
4は、独立に、水素もしくはC
1〜6アルキルであり、またはR
2およびR
4は一緒になって、二環式環へ縮合しているシクロプロピルを形成し、またはR
2およびR
4は一緒になって結合を形成してR
2およびR
4が結合している2個の炭素の間に二重結合をもたらす]
のもの、または医薬として許容されるその塩、またはその鏡像異性体、またはそのそれぞれの鏡像異性体の混合物である。
【0115】
上の特別な実施形態による一部の実施形態では、本発明の化合物は、式
【0116】
【化35】
から選択される式のものである。
【0117】
本発明の化合物が非対称の炭素原子(光学的中心)または二重結合を有していてもよく:鏡像異性体、ジアステレオマー、幾何異性体および個々の立体異性体、ならびに立体異性体の混合物が、全て、本発明の範囲内に包含されると意図されることが留意されよう。詳細には、本発明は、本発明の化合物が、鏡像異性体として富化された2つの鏡像異性体の混合物として、またはしばしば単一の鏡像異性体として得られてもよく使用されてもよい個々のジアステレオマーとして得られてもよく使用されてもよいことを企図する。本発明の一部の実施形態では、本明細書で単一の立体異性体として示されている式は、別段の指定がない限り、描かれた化合物の鏡像異性体、および鏡像異性体の混合物を含む。化合物が、単一のジアステレオマーまたは単一の鏡像異性体として記載されているところでは、化合物のサンプルは、依然として、少量の他のジアステレオマーまたは少量の逆の鏡像異性体を含有してもよいことが理解されよう。典型的には、化合物が、単一の、異性体、ジアステレオマーまたは鏡像異性体として記載されているところでは、特定化された構造が、描かれた化合物+その異性体の総重量の少なくとも90重量%を占め、好ましくは特定化された異性体、ジアステレオマーまたは鏡像異性体は、他の異性体を含む総重量の少なくとも95重量%を占める。
【0118】
本出願における本発明の化合物、立体異性体は、それらの構造式、ジアステレオマー識別子および鏡像異性体識別子により同定される。例えば、式IB1a’は、該化合物が式IB1(上を参照されたい)のものであると同定し、「a」は、特定のジアステレオマーを示し、「’」または「’’」は、特定の鏡像異性体を示す。さらに、提示を容易にするために、化合物は、鏡像異性体のうちの1つの、構造または名称によって表されるが、別段の指定がない限り、構造または名称は、鏡像異性体の混合物を指し示す。
【0119】
上の特別な実施形態による一部の実施形態では、本発明の化合物は、
【0120】
【化36】
を含む式IB1の立体異性体から選択される。
【0121】
上の特別な実施形態による一部の他の実施形態では、本発明の化合物は、
【0122】
【化37】
を含む式IB2の立体異性体から選択される。
【0123】
上の特別な実施形態による一部の他の実施形態では、本発明の化合物は、
【0124】
【化38】
を含む式IB3の立体異性体から選択される。
【0125】
一部の他の実施形態では、本発明の化合物は、
【0126】
【化39】
を含む式IBのうちの単一の立体異性体から選択される。
【0127】
一部の他の実施形態では、本発明の化合物は、
【0128】
【化40】
を含む式IBのうちの単一の立体異性体から選択される。
【0129】
上の特別な実施形態による一実施形態では、本発明の化合物は、式IB1a’’
【0130】
【化41】
の単一の立体異性体である。別の実施形態では、本発明の化合物は、式IB1b’
【0131】
【化42】
の単一の立体異性体である。別の実施形態では、本発明の化合物は、式IB1b’’
【0132】
【化43】
の単一の立体異性体である。別の実施形態では、本発明の化合物は、式IB1c’
【0133】
【化44】
の単一の立体異性体である。別の実施形態では、本発明の化合物は、式IB1d’
【0134】
【化45】
の単一の立体異性体である。別の実施形態では、本発明の化合物は、式IB1d’’
【0135】
【化46】
の単一の立体異性体である。別の実施形態では、本発明の化合物は、式IB2’
【0136】
【化47】
の単一の立体異性体である。別の実施形態では、本発明の化合物は、式IB2’’
【0137】
【化48】
の単一の立体異性体である。別の実施形態では、本発明の化合物は、式IB3b’
【0138】
【化49】
の単一の立体異性体である。別の実施形態では、本発明の化合物は、式IB3b’’
【0139】
【化50】
の単一の立体異性体である。
【0140】
上の特別な実施形態のいずれか1つおよび他の実施形態による本発明の化合物の一実施形態では、R
1は、5員または6員のヘテロアリールであり、非置換であり、またはハロ、C
1〜4アルキル、C
1〜4ハロアルキルおよびNHR
14bから独立に選択される1〜2つの置換基で置換され、式中、R
14bは、水素またはC
1〜4アルキルである。
【0141】
上の特別な実施形態のいずれか1つおよび他の実施形態による、本発明の化合物の別の実施形態では、R
1は、ピラゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルおよびピラジニルから選択され、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニルもしくはピラジニルは、非置換であり、または−NH
2、−NHC(O)OCH
3もしくはトリフルオロメチルで置換されている。
【0142】
上の特別な実施形態のいずれか1つおよび他の実施形態による、本発明の化合物の別の実施形態では、R
1は、
【0143】
【化51】
から選択され、式中、「
*」は、R
1の、二環式コア環への結合点を表す。
【0144】
上の特別な実施形態のいずれか1つおよび他の実施形態による、本発明の化合物のなおも別の実施形態では、R
3は、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、フェニル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−C(O)R
16、−C(O)OR
16から独立に選択される1〜2つの置換基で置換されているフェニルであり、式中、R
16は、C
1〜6アルキルであり、R
3のフェニル置換基は、非置換であり、または、ハロおよびシアノから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されている。
【0145】
上の特別な実施形態のいずれか1つによる本発明の化合物のなおも別の実施形態では、R
3は、
【0146】
【化52】
から選択され、「
*」は、R
1の、二環式コア環への結合点を表す。
【0147】
本発明による、化合物、または医薬として許容されるその塩、または対応するその鏡像異性体の具体的な例としては、(1R,2R,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−(エチルスルホンアミド)ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;エチル2−((1R,2S,3R,4S)−3−(3−(4−クロロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド)ベンゾエート;(1R,2R,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−3−(2−アミノピリジン−4−イル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1S,2R,3R,4R)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;メチル4−((1R,2S,3R,4S)−3−(3−(4−クロロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド)−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボキシレート;(1S,2S,3R,4R)−3−(2−アミノピリジン−4−イル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−(N−プロピオニルプロピオンアミド)ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;メチル(4−((1S,2S,3R,4R)−3−((3,4−ジクロロフェニル)カルバモイル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)ピリジン−2−イル)カルバメート;(1R,2R,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−プロピオンアミドピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;エチル4−((1R,2S,3R,4S)−3−(3−(4−クロロフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド)ベンゾエート;(1R,2R,3R,4S)−N−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−(ジメチルアミノ)ピリミジン−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3R,4S)−3−(2−シアノピリジン−4−イル)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1S,4S)−N−(2−クロロ−2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(ピリミジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−(ジメチルアミノ)ピリミジン−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;
メチル5−クロロ−2−((1R,2S,3R,4S)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド)ベンゾエート;(1R,2S,3S,4S)−3−(4−カルバモイルフェニル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3R,4S)−N−(2’−クロロ−2−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(2−クロロ−2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1S,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(4−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−3−(5−アミノピリジン−3−イル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1S,4S)−N−(2’−クロロ−2−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1S,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(2−メチルピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3R,4S)−N−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−(ジメチルアミノ)ピリミジン−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−3−(4−カルバモイルフェニル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(3aR,6R,7S,7aS)−2−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−(ピリジン−4−イル)−2,3,7,7a−テトラヒドロ−3a,6−エポキシイソインドール−1(6H)−オン;(1R,2R,3S,4S)−3−(2−アミノピリミジン−5−イル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1S,4R)−N−(2−フェニルピリミジン−5−イル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3R,4S)−N−(2−クロロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3R,4S)−N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−3−(2−シアノピリジン−4−イル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;エチル2−フルオロ−4−(3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド)ベンゾエート;(1S,4S)−3−(2−クロロピリジン−4−イル)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;エチル5−((1S,2S,3S,4R)−3−((3,4−ジクロロフェニル)カルバモイル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)ニコチネート;(1S,4S)−3−シアノ−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1R,4S)−N−(2−クロロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;エチル5−((1S,2S,3R,4R)−3−((3,4−ジクロロフェニル)カルバモイル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)ニコチネート;(1S,4S)−3−(2−アミノピリジン−4−イル)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1S,4S)−N−(2−クロロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1S,4S)−N−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3R,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(ピリミジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;メチル5−クロロ−2−((1S,4S)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド)ベンゾエート;(1R,2S,3S,4S)−N−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(ピリジン−3−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1S,4S)−3−(2−シアノピリジン−4−イル)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(ピリジン−3−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;エチル2−モルホリノ−4−((1R,2S,3R,4S)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド)ベンゾエート;(1R,2S,3S,4S)−3−(2−シアノピリジン−4−イル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3R,4S)−3−シアノ−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1S,4S)−N−(5−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−3−イル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1S,4R)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3S,4S)−3−(2−アミノピリミジン−5−イル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3R,4S)−3−(2−アミノピリジン−4−イル)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3R,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3S,4S)−3−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;エチル2−フルオロ−4−((1S,4R)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド)ベンゾエート;(1R,2R,3S,4S)−3−(6−アセトアミドピリジン−3−イル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(2−メチルピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3R,4S)−3−(ピリジン−4−イル)−N−(2,2’,4’−トリフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;tert−ブチル4−((1S,2S,3S,4R)−3−((3,4−ジクロロフェニル)カルバモイル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート;(1R,2R,3R,4S)−N−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,4S,5S)−N−(4’−クロロ−2’−シアノ−2−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−4−(ピリジン−4−イル)−8−オキサトリシクロ[3.2.1.02,4]オクタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(2’−クロロ−2−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1S,2S,3R,4R)−3−シアノ−N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3R,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(2−(ジメチルアミノ)ピリミジン−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,4S,5S)−N−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−4−(ピリジン−4−イル)−8−オキサトリシクロ[3.2.1.02,4]オクタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(ピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミ
ド;(1R,2R,3S,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(2−クロロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3S,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,4S,5S)−N−(2’−クロロ−2−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−4−(ピリジン−4−イル)−8−オキサトリシクロ[3.2.1.02,4]オクタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3R,4S)−3−(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;tert−ブチル4−((1S,2S,3R,4R)−3−((3,4−ジクロロフェニル)カルバモイル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート;(1R,2R,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;
(1R,2R,4S,5S)−N−(2−クロロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−4−(ピリジン−4−イル)−8−オキサトリシクロ[3.2.1.02,4]オクタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−3−(2−アミノピリジン−4−イル)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3R,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−1,4−ジメチル−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3R,4S)−3−(3−クロロ−2−フルオロピリジン−4−イル)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,4S,5S)−N−(2−クロロ−2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−4−(ピリジン−4−イル)−8−オキサトリシクロ[3.2.1.02,4]オクタン−2−カルボキサミド;(1S,4S)−3−(3−クロロ−2−フルオロピリジン−4−イル)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(2−クロロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−3−(2−クロロピリジン−4−イル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(2−クロロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1S,2R,3R,4R)−3−シアノ−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3S,4S)−3−(ピリジン−4−イル)−N−(2,2’,4’−トリフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1S,2S,3R,4R)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;1R,2S,3S,4S)−N−(2−クロロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;エチル4−((1R,2R,3S,4S)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド)ベンゾエート;(1R,2R,3S,4S)−3−(2−アミノピリジン−4−イル)−N−(2−クロロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−3−(2−アミノピリジン−4−イル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,4S,5S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(ピリジン−4−イル)−8−オキサトリシクロ[3.2.1.02,4]オクタン−2−カルボキサミド;(1S,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(3−フルオロピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3S,4S)−3−(2−アミノピリジン−4−イル)−N−(2−クロロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−3−(ピリジン−4−イル)−N−(2,2’,4’−トリフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1S,2R,3S,4R)−N2−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキサミド;(1R,2R,4S,5S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−4−(ピリジン−4−イル)−8−オキサトリシクロ[3.2.1.02,4]オクタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,4S,5S)−N−(2’−クロロ−2−シアノ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−4−(ピリジン−4−イル)−8−オキサトリシクロ[3.2.1.02,4]オクタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3S,4S)−3−(2−アミノピリジン−4−イル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,4S)−3−(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;エチル4−((1R,2S,3S,4S)−3−(2−アミノピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド)ベンゾエート;(1R,2R,3S,4S)−N−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1S,2S,3S,4R)−N−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(ピリジン−3−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1S,2S,3S,4R)−N−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1S,2S,3S,4R)−N−(2’−クロロ−2−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3R,4S)−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3R,4S)−N−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−((2R)−6−(トリフルオロメチル)ピペリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;エチル4−((1S,2S,3R,4S)−3−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド)ベンゾエート;エチル3−((1R,2S,3R,4S)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド)ベンゾエート;(1R,2S,3R,4S)−N−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−3−(4−メチルピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;
エチル4−((1S,4S)−3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド)ベンゾエート;(1S,4S)−N−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1S,2S,3R,4S)−N−(1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;メチル5−クロロ−2−((1S,2S,3R,4S)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド)ベンゾエート;(1S,2S,3R,4S)−3−(ピリジン−4−イル)−N−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3R,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3R,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1S,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;メチル4−フルオロ−3−((1S,2S,3R,4S)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド)ベンゾエート;(1S,2S,3R,4S)−3−(ピリジン−4−イル)−N−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1S,2R,3R,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(ピラジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;エチル4−((1R,4S)−3−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド)ベンゾエート;(1R,2R,3R,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(ピラジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3R,4S)−N−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3R,4S)−N−(1−アセチルピペリジン−4−イル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3R,4S)−N−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3R,4S)−N−(4−クロロ−2−シアノフェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;エチル4−((1R,2S,3R,4S)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド)ベンゾエート;(1R,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;エチル4−((1R,2S,3R,4S)−3−(5−メトキシピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド)ベンゾエート;(1R,2R,3R,4S)−N−(2−クロロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3R,4S)−N−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3R,4S)−N−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−3−(4−メチルピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3R,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3R,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,4S)−N−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;エチル4−((1R,2R,3R,4S)−3−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド)ベンゾエート;(1R,2S,3R,4S)−N−シクロヘキシル−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,4S)−N−(2−クロロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3R,4S)−N−(5−クロロ−4−メチルピリジン−2−イル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3R,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3R,4S)−N−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−5−イル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(ピラジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド、(1R,2S,3R,4S)−N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3R,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(4−メチルピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(2−((S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3R,4S)−N−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(ピラジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3R,4S)−N−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3R,4S)−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3R,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(4−メチルピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3R,4S)−N−(2−フルオロ−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2R,3R,4S)−N−(2,2’−ジフルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;(1R,2S,3R,4S)−N−(4−クロロピリジン−2−イル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド;エチル4−((1R,2R,3R,4S)−3−(ピラジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド)ベンゾエート;および(1R,2S,3R,4S)−N−(4−シアノフェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミドが挙げられるがこれらに限定されない。
【0148】
本発明の化合物が、医薬として許容される塩の形態にあってもよいことが留意されよう。本発明の化合物が、単一の鏡像異性体、または対応する鏡像異性体の混合物を含んでもよいことが、さらに留意されよう。
【0149】
本発明のさらなる化合物を、下の実施例に詳細に記す。
【0150】
本明細書で使用される場合、用語「光学異性体」または「立体異性体」は、本発明の所与の化合物のために存在してもよい種々の立体の異性体の配置の任意のものを指し、幾何異性体を含む。置換基が、炭素原子のキラル中心で結合されてもよいことが理解されよう。用語「キラル」は、それらの鏡像パートナー上に重ねることができない性質を有する分子を指し、一方、用語「アキラル」は、それらの鏡像パートナー上に重ねることができる分子を指す。したがって、本発明は、化合物の、鏡像異性体、ジアステレオマー、または対応する鏡像異性体の混合物、およびラセミ体を含む。「鏡像異性体」は、重ねることができない互いの鏡像である一組の立体異性体である。一般に、1:1混合物の、一組の鏡像異性体が、「ラセミの」混合物である。該用語は、適当なところで、ラセミの混合物を指し示すために使用される。「ジアステレオ異性体」は、少なくとも2個の非対称の原子を有するが互いの鏡像ではない立体異性体である。絶対的な立体化学が、Cahn系、Ingold系、Prelog R−S系により特定される。化合物が純粋な鏡像異性体であるとき、各キラルの炭素での立体化学は、RまたはSのいずれかによって特定されうる。その絶対的な配置が未知である分割された化合物は、それらが、ナトリウムDラインの波長にて偏光面を回転させる方向(右旋性または左旋性)に応じて、(+)または(−)に指し示されうる。本明細書に記載されている一定の化合物は、1つまたは複数の非対称の中心または軸を含有し、そのため、絶対的な立体化学の点で(R)−または(S)−であると定義されうる、鏡像異性体、ジアステレオマーおよび他の立体異性体の形態を起こすことができる。
【0151】
出発材料および手順の選択に依って、化合物は、可能性のある異性体のうちの1つの形態で、またはそれらの混合物として、例えば非対称の炭素原子の数に依って、純粋な光学異性体、または異性体の混合物、例えばラセミ体とジアステレオ異性体との混合物として存在することができる。本発明は、ジアステレオマーの混合物、鏡像異性体の混合物、および光学的に純粋な形態を含む全てのこうした可能性のある異性体を含むことが意味される。光学的に活性な(R)異性体および(S)異性体は、キラル合成素子またはキラル試薬を使用して調製されてもよく、または従来技術を用いて分解されてもよい。化合物が二重結合を含有する場合、置換基は、E配置であってもZ配置であってもよい。化合物が非置換のシクロアルキルを含有する場合、シクロアルキル置換基は、cis配置であってもtrans配置であってもよい。全ての互変異性の形態もまた含まれることが意図される。
【0152】
本発明の化合物の任意の非対称原子(例えば炭素等)が、ラセミ体でまたは鏡像異性体として富化されて、例えば(R)配置、(S)配置または(R、S)配置で存在することができる。特定の実施形態では、各非対称原子は、(R)配置または(S)配置において、少なくとも50%の鏡像異性体過剰率、少なくとも60%の鏡像異性体過剰率、少なくとも70%の鏡像異性体過剰率、少なくとも80%の鏡像異性体過剰率、少なくとも90%の鏡像異性体過剰率、少なくとも95%の鏡像異性体過剰率、または少なくとも99%の鏡像異性体過剰率を有する。不飽和二重結合を伴う原子での置換基は、可能であれば、cis−(Z)形態またはtrans−(E)形態で存在してもよい。
【0153】
したがって、本明細書で使用される場合、本発明の化合物は、可能性のある、異性体、回転異性体、アトロプ異性体、互変異性体、またはそれらの混合物のうちの1つの形態にあることができ、例えば実質的に純粋な幾何(cisまたはtrans)異性体、ジアステレオマー、光学異性体(対掌体)、ラセミ体、またはそれらの混合物とすることができる。
【0154】
立体化学の決定の方法、および立体異性体の分離は、当技術分野で周知である(例えば、"Advanced Organic Chemistry", 4th edition, March, Jerry, John Wiley & Sons, New York, 1992を参照されたい)。任意の得られた異性体混合物は、例えばクロマトグラフィーおよび/または画分の結晶化によって、構成要素の物理化学的な差異をベースにして、純粋なまたは実質的に純粋な幾何学異性体または光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体へと分離されうる。
【0155】
任意の、得られた、最終生成物または中間体のラセミ体は、既知の方法によって、例えば光学的に活性な酸または塩基で得られるそのジアステレオマーの塩の分離によって、光学的対掌体へと分解されることができ、光学的に活性な酸性または塩基性化合物を遊離する。詳細には、塩基性部分がこうして採用されて、本発明の化合物を、それらの光学的対掌体へと分解し、これは例えば、光学的に活性な酸、例えば酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジ−O,O’−ρ−トルオイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸またはカンファー−10−スルホン酸で形成された塩の、画分の結晶化によって行われる。ラセミの生成物はまた、キラルクロマトグラフィー、例えばキラル吸着剤を用いた高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によっても分解されうる。
【0156】
本明細書で使用される場合、用語「塩」は、本発明の化合物の酸付加塩または塩基付加塩を指す。「塩」としては、具体的には、「医薬として許容される塩」が挙げられる。用語「医薬として許容される塩」は、本発明の化合物の生物学的な有効性および性質を保持し、典型的には、生物学的にもそうでなくても望ましくないことがない塩を指す。多くの事例において、本発明の化合物は、アミノ基および/もしくはカルボキシル基またはそれに類似した基の存在のおかげで酸塩および/または塩基塩を形成することが可能である。
【0157】
医薬として許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸で形成されることができ、例えば、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、臭化物/臭化水素酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、カンファースルホン酸塩、塩化物/塩酸塩、クロルテオフィロネート(chlortheophyllonate)、クエン酸塩、エタンジスルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、馬尿酸塩、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフトエート(naphthoate)、ナプシレート(napsylate)、ニコチン酸塩、硝酸塩、オクタデカン酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびトリフルオロ酢酸塩である。
【0158】
そこから塩が誘導されうる無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。
【0159】
そこから塩が誘導されうる有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸等が挙げられる。医薬として許容される塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基で形成されうる。
【0160】
そこから塩が誘導されうる無機塩基としては、例えば、アンモニウム塩、および周期表の1族から12族の金属が挙げられる。特定の実施形態では、塩は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛および銅から誘導され、特に好適な塩としては、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩が挙げられる。
【0161】
そこから塩が誘導されうる有機塩基としては、例えば、第一級、第二級および第三級アミン、天然に出現する置換アミンを含む置換アミン、環式アミン、塩基性イオン交換樹脂等が挙げられる。特定の有機アミンとしては、イソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リジン、メグルミン、ピペラジンおよびトロメタミンが挙げられる。
【0162】
本発明の、医薬として許容される塩は、従来技術の化学的方法によって、塩基性部分または酸性部分から合成されうる。一般に、こうした塩は、これらの化合物の遊離酸の形態を、化学量論的な量の適当な塩基(例えば水酸化、炭酸、重炭酸等の、Na、Ca、MgまたはK)と反応させることによって、またはこれらの化合物の遊離塩基の形態を、化学量論的な量の適当な酸と反応させることによって調製されうる。こうした反応は、典型的に、水中で、または有機溶媒中で、またはこの2種の混合物中で実施される。一般に、実行可能なところでは、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒質の使用が望ましい。さらなる好適な塩のリストは、例えば“Remington's Pharmaceutical Sciences”, 20th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., (1985)、および“Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use” by Stahl and Wermuth (Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002)に見出されうる。
【0163】
さらに、本発明の化合物はまた、それらの塩も含めて、それらの水和物の形態で得られることもでき、またはそれらの結晶化のために使用される他の溶媒も含むことができる。本発明の化合物は、本来的にまたは設計によって、医薬として許容される溶媒(水を含む)を伴う溶媒和物を形成してもよく、したがって、本発明は、溶媒化および非溶媒化の形態の双方を包括することが意図される。用語「溶媒和物」は、本発明の化合物(医薬として許容されるその塩を含む)の、1つまたは複数の溶媒分子との、分子の複合体を指す。こうした溶媒分子は、当医薬分野で一般に使用されるものであり、これは、レシピエントに無毒であることが既知であり、例えば水、エタノール等である。用語「水和物」は、溶媒分子が水であるところの複合体を指す。
【0164】
本発明の化合物は、それらの塩、水和物および溶媒和物も含めて、本来的にまたは設計によって多形を形成してもよい。
【0165】
本明細書で付与されている任意の式はまた、化合物の、非標識の形態ならびに同位体的に標識された形態を表すことが意図される。同位体的に標識された化合物は、1個または複数の原子が、選択された原子質量または質量番号を有する原子で置き換えられること以外では、本明細書中で付与されている式で描かれた構造を有する。本発明の化合物中へ組み入れられうる同位体の例としては、水素の、炭素の、窒素の、酸素の、リンの、フッ素のおよび塩素の、同位体、例えば、それぞれ、
2H、
3H、
11C、
13C、
14C、
15N、
18F、
31P、
32P、
35S、
36Cl、
125Iが挙げられる。本発明は、本明細書で定義している、同位体的に標識された種々の化合物を含み、例えばその中へ放射性同位体、例えば
3Hおよび
14Cが存在するもの、またはその中へ非放射性同位体、例えば
2Hおよび
13Cが存在するものを含む。こうした、同位体的に標識された化合物は、代謝の研究(
14Cで)、反応動態の研究(例えば
2Hもしくは
3Hで)、検出または画像技術、例えば薬物または基質組織分布アッセイを含むポジトロン放射形断層撮影(PET)もしくは単一光子放射形コンピュータ断層撮影(SPECT)において、または患者の放射線治療において有用である。特に、
18Fまたは標識された化合物が、PETまたはSPECT研究のためにとりわけ望ましいことがある。式(I)の、同位体的に標識された化合物は、一般に、当業者に既知の従来技術によって調製されることができ、または先に採用した非標識の試薬の場所において、同位体的に標識された適当な試薬を使用する、添付の実施例および調製法に記載されているものと類似した方法によって調製されうる。さらに、より重い同位体、具体的には重水素(すなわち
2HまたはD)での置換が、代謝安定性がより大きいことから生じる一定の治療上の利点、例えばインビボの半減期の増加、または投薬必要量の減少、または治療指数における改善を与えることができる。この関連での重水素は、式(I)の化合物の置換基とみなされることが理解されよう。こうした、より重い同位体、具体的には重水素の濃度は、同位体の富化因子によって定義されうる。用語「同位体の富化因子」は、本明細書で使用される場合、特定化される同位体の、同位体依存度と自然依存度との間の比を意味する。本発明の化合物中の置換基が重水素を示す場合、こうした化合物は、それぞれの指定された重水素原子についての同位体の富化因子を、少なくとも3500(それぞれの指定された重水素原子にて52.5%の重水素の組み入れ)、少なくとも4000(60%の重水素の組み入れ)、少なくとも4500(67.5%の重水素の組み入れ)、少なくとも5000(75%の重水素の組み入れ)、少なくとも5500(82.5%の重水素の組み入れ)、少なくとも6000(90%の重水素の組み入れ)、少なくとも6333.3(95%の重水素の組み入れ)、少なくとも6466.7(97%の重水素の組み入れ)、少なくとも6600(99%の重水素の組み入れ)または少なくとも6633.3(99.5%の重水素の組み入れ)、有する。
【0166】
本発明による、医薬として許容される溶媒和物としては、結晶化の溶媒が同位体的に置換されていてもよく、例えばD
2O、d
6−アセトン、d
6−DMSOが挙げられる。
【0167】
本発明の化合物、すなわち水素結合のためのドナーおよび/またはアクセプターとして作用することが可能な基を含有する式(I)の化合物は、好適な共結晶形成剤で共結晶を形成することが可能でありうる。これらの共結晶は、既知の、共結晶を形成する手順により、式(I)の化合物から調製されてもよい。こうした手順としては、共結晶形成剤での、結晶化条件下での、式(I)の溶液化合物中の、粉砕、加熱、共昇華、共溶融、または接触が挙げられ、それによって形成された共結晶の単離化が挙げられる。好適な共結晶形成剤としては、国際公開第2004/078163号パンフレットに記載されているものが挙げられる。そのため、本発明は、式(I)の化合物を含む共結晶をさらに提供する。
【0168】
II.本発明の化合物の調製
本発明はまた、本発明の化合物の、調製の方法も含む。記載している反応物では、反応物中のそれらの望まれない沈殿を回避するために、反応性官能基、例えばヒドロキシ、アミノ、イミノ、チオまたはカルボキシの各基を、これらが最終生成物において所望であるところで、保護することが必要でありうる。従来技術の保護基は、標準的な実践に伴って使用されることができ、例えばT.W. Greene and P. G. M. Wuts in "Protective Groups in Organic Synthesis", John Wiley and Sons, 1991を参照されたい。
【0169】
典型的には、式(I)の化合物は、下に提供する合成ルート1〜6に従って調製することができ、R
1およびR
3ならびに式は、本発明の、発明を実施するための形態において定義しているものである。以下の反応スキームは、本発明の化合物の、例示的であって限定的でない合成の説明であるものとして付与される。本発明の化合物の、合成の詳細な説明は、下の実施例において付与される。
【0170】
一般の合成ルート1
【0171】
【化53】
*該生成物は、示している式と、それらの対応する鏡像異性体との混合物を含む。
反応条件
a.中間体I−1は、プロピオル酸メチルから、臭素化、続いてフランとのディールス−アルダー反応によって調製することができる。臭素化の方法は、既知であり、銀の触媒、例えばアセトンまたはMEK等の極性溶媒中の硝酸銀の存在下で、N−ブロモスクシンイミドまたは類似の臭素化剤を使用する。ディールス−アルダー環化付加が、過剰なフラン中での穏やかな加熱(約80℃)で起こる。
b.化合物I−2は、パラジウム触媒を使用するI−1の水素化によって、酢酸エチル等の非プロトン性溶媒中、低圧水素下で調製することができる。
c.化合物I−3は、I−2から、従来技術の条件下でメチルエステルの加水分解、続いてt−ブチルエステルの形成によって調製することができる。加水分解は、アルコール、およびTHF等の水混和性共溶媒を典型的に含有する溶媒混合物中で水性塩基を使用する穏やかな条件下で(例えば水酸化リチウム、室温)起こる。t−ブチルエステルの形成は、トルエン中の過剰なDHFジ−t−ブチルアセタールでの穏やかな加熱(例えば40〜80℃)等の既知の条件下で達成することができる。
d.化合物I−3は、溶解性金属還元、例えば緩やかに酸性の水性混合物中の亜鉛との反応を用いて、従来技術により化合物I−4へ脱臭素化する。THF等の好適な共溶媒を使用し、ギ酸または酢酸等の緩酸を使用する。該反応は、0℃から室温にて実行することができる。
e.化合物I−4のt−ブチルエステルを、ジオキサン等の好適な極性非プロトン性溶媒中で、塩酸、硫酸、リン酸等の強酸を使用して酸性条件下で加水分解して遊離カルボン酸を得ることができる。従来技術のアミド形成条件を、アミドI−5を作成するために使用することができる。例えば、カルボン酸を、所望のアニリンおよび脱水剤、例えばピリジン中のカルボジイミド(DCC、EDCI)および触媒のDMAPで処理することができる。
f.化合物I−5の、アリールボロン酸エステルでのアリール化は、ジオキサン中、水性塩基を伴うロジウムダイマー触媒およびBINAPで、約100℃でのマイクロ波加熱で達成することができる。アリール化は、分離できるcis異性体とtrans異性体との混合物を付与し、trans異性体が典型的に一次生成物であり、これに伴ってアリール基が該生成物のエーテル架橋へ同時に添加される。
【0172】
一般の合成ルート2
【0173】
【化54】
*該生成物は、式IB1a’’と、対応する鏡像異性体との混合物である。
反応条件
a.一般的な合成ルート1で作製した化合物I−2は、水性酢酸中、亜鉛で、穏やかな条件下、例えば0℃から室温にて臭素化することができる。
b、cまたはd.化合物I−7の、アリールボロン酸エステルでのアリール化を、二量体のロジウム触媒+BINAP、およびジオキサン中の水性塩基で、約100℃でのマイクロ波加熱で実行する。アリール化は、分離できるcis異性体とtrans異性体との混合物を付与し、trans異性体が典型的に一次生成物であり、アリール基が、生成物のエーテル架橋へ同時に添加される。遊離カルボン酸への加水分解は、水性塩基および有機共溶媒で達成することができ、これは、アリール化として同じポット中で達成するか、またはエステルを単離化して次いで別のステップにおいて加水分解できるかのいずれかである。
e.アミド生成物の形成は、既知のアミド形成条件を用いて、酢酸エチル+DMF等の有機溶媒中、例えば酸+所望のアニリンまたはアミンを、T3P(プロピルホスホン酸の無水物)およびアミン塩基(ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン)で、室温にてまたは約100℃までの昇温にて処理して達成することができる。
【0174】
一般の合成ルート3
【0175】
【化55】
反応条件
a.中間体5aは、中間体I−2から、標準の鈴木カップリング条件を用いて調製することができる。典型的には、臭化物とボロン酸エステルと塩基とテトラキスとの、3:1の1,4−ジオキサン:水中混合物を、マイクロ波反応器中、30分間温めた(約100℃)。
b.化合物5bは、5aから、メチルエステルの加水分解によって、従来技術の条件下、調製することができる。加水分解は、アルコール、およびTHF等の水混和性共溶媒を典型的に含有する溶媒混合物中で水性塩基を使用する穏やかな条件下(例えば水酸化リチウム、室温)で起こる。
c.アミド生成物の形成は、既知のアミド形成条件を用いて、例えば酸+所望のアニリンまたはアミンを、T3P(プロピルホスホン酸無水物)およびアミン塩基(ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン)で、酢酸エチル等の有機溶媒中、室温にてまたは約80℃までの昇温にて処理して達成することができる。
d.化合物IB1dは、パラジウム触媒を使用するIB2の水素化によって、酢酸エチル等の溶媒中、低圧水素下で調製することができる。
e.化合物IB1b(鏡像異性体IB1b’およびIB1b’’)は、モルホリン中、IB1dの溶液を温める(約80℃)ことによって調製することができる。
【0176】
一般の合成ルート4
【0177】
【化56】
反応条件
a.中間体5aは、中間体I−2から、標準の鈴木カップリング条件を用いて調製することができる。典型的には、臭化物とボロン酸エステルと塩基とテトラキスとの、3:1の1,4−ジオキサン:水中混合物を、マイクロ波反応器中、30分間温めた(約100℃)。
b.化合物5bは、5aから、メチルエステルの加水分解によって、従来技術の条件下、調製することができる。加水分解は、アルコール、およびTHF等の水混和性共溶媒を典型的に含有する溶媒混合物中、水性塩基を使用する穏やかな条件下(例えば水酸化リチウム、室温)で起こる。
c.アミド生成物の形成は、既知のアミド形成条件を用いて、例えば酸+所望のアニリンまたはアミンを、T3P(プロピルホスホン酸無水物)およびアミン塩基(ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン)で、酢酸エチル等の有機溶媒中、室温にてまたは約80℃までの昇温にて処理して達成することができる。
d.化合物IB1d(鏡像異性体IB1d’およびIB1d’’)は、パラジウム触媒を使用するIB2の水素化によって、酢酸エチル等の溶媒中、低圧水素下で調製することができる。
【0178】
一般の合成ルート5
【0179】
【化57】
反応条件
a.中間体5aは、中間体I−2から、標準の鈴木カップリング条件を用いて調製することができる。典型的には、臭化物とボロン酸エステルと塩基とテトラキスとの、3:1の1,4−ジオキサン:水中混合物を、マイクロ波反応器中、30分間温めた(約100℃)。
b.化合物5bは、5aから、メチルエステルの加水分解によって、従来技術の条件下、調製することができる。加水分解は、アルコール、およびTHF等の水混和性共溶媒を典型的に含有する溶媒混合物中、水性塩基を使用する穏やかな条件下(例えば水酸化リチウム、室温)で起こる。
c.アミド生成物の形成は、既知のアミド形成条件を用いて、例えば酸+所望のアニリンまたはアミンを、T3P(プロピルホスホン酸無水物)およびアミン塩基(ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン)で、酢酸エチル等の有機溶媒中、室温にてまたは約80℃までの昇温にて処理して達成することができる。
【0180】
一般の合成ルート6
【0181】
【化58】
本発明は、本プロセスの任意の変形をさらに含み、該変形では、その任意の段階にて獲得可能な中間生成物を出発材料として使用して残りのステップを実施し、または該変形では、出発材料をその場で反応条件下で形成し、または該変形では、反応成分を、それらの塩または光学的に純粋な材料の形態で使用する。
反応条件
a.中間体6bは、中間体6aから、既知のシクロプロパン化条件を用いて調製することができる。典型的には、トリメチルスルホオキソニウムヨージドの、DMSO等の溶媒中混合物を、NaHで処理し、続いて6aで処理し、終夜、穏やかに温めた(約50℃)。
b.化合物6cは、6bから、従来技術の脱保護条件によって調製することができる。典型的には、DCM等の溶媒中の6bの溶液をTFAで処理し、室温で撹拌した。
c.IB3bの形成は、既知のアミド形成条件を用いて、例えば酸+所望のアニリンまたはアミンを、HATU(1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート)およびアミン塩基(ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン)で、EtOAc等の有機溶媒中、室温にてまたは約80℃までの昇温にて処理して達成することができる。
【0182】
本発明の化合物および中間体はまた、当業者に一般に既知である方法に従って、互いへと転換されうる。
【0183】
III.本発明の化合物および組成物の治療用使用の方法ならびに指示
本発明は、それを必要とする哺乳類における関節傷害の関節炎を治療、寛解または予防する方法であって、哺乳類に治療有効量の本発明の化合物を投与するステップを含み、対象は、関節損傷または関節炎を有する、またはそのリスクがある、方法を提供する。本発明はまた、ヒトの患者における関節炎または関節傷害を治療、寛解または予防する方法であって、患者の関節に、有効量の本発明の化合物を含む組成物を投与し、それにより患者における関節炎または関節傷害を治療、寛解または予防するステップを含む方法も提供する。一部の実施形態では、患者は、関節炎または関節傷害を有する。一部の実施形態では、個体は、関節炎または関節傷害を有していないが、そのリスクがある。一部の実施形態では、関節炎は、骨関節炎、外傷性関節炎または自己免疫性関節炎である。一部の実施形態では、投与される組成物は、ヒアルロン酸をさらに含む。
【0184】
本発明の化合物はまた、間葉系幹細胞(MSC)から軟骨細胞への分化を誘導するのに有用でもある。一部の実施形態では、本発明は、間葉系幹細胞から軟骨細胞への分化を誘導する方法であって、間葉系幹細胞を十分な量の本発明の化合物と接触させて、それにより幹細胞から軟骨細胞への分化を誘導するステップを含む方法を提供する。
【0185】
MCSは、骨芽細胞、軟骨細胞および脂肪細胞を含むがこれらに限定されない幾つかの異なるタイプの細胞へ分化させることができる多分化能の幹細胞である。分化は、それによって、特定化されている細胞のタイプが、より特定化されていない細胞のタイプから形成される方法であり、例えば軟骨細胞がMSCから形成される方法である。一部の実施形態では、該方法は、インビトロで実施される。一部の実施形態では、該方法は、哺乳類においてインビボで実施され、該幹細胞が哺乳類中に存在する。
【0186】
一部の実施形態では、接触は、マトリックスまたは生体適合性スキャフォールド中で起こる。一部の実施形態では、化合物との接触は、1つまたは複数のさらなる軟骨形成因子と併せて起こる。他の実施形態では、化合物との接触は、アンジオポエチン様タンパク質3(ANGPTL3)、経口サケカルシトニン、SD−6010(iNOS阻害薬)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、コラーゲン加水分解物、FGF18、BMP7、酢酸ルサラチド、アボカドダイズ不けん化物(ASU)、ステロイド、および非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、ならびにヒアルロン酸から選択される作用剤と併せて起こる。
【0187】
MSCから軟骨細胞への分化の誘導は、任意の好適な量の本発明の化合物を使用して達成することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、有効成分の具体的な適用法および効能に応じて、約0.1mg〜約10000mg、例えば1.0mg〜1000mg、例えば10mg〜500mgの量で存在することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、膝への関節内注射において、0.1μM〜約100μMの濃度で存在することができる。
【0188】
本発明の化合物、組成物および方法が、例えば外傷性事象または腱もしくは靱帯裂傷から起きる損傷を含む、任意のタイプの関節軟骨損傷(例えば関節損傷もしくは傷害)を治療、寛解または予防するのに使用されてもよいことが企図されよう。一部の実施形態では、本発明の化合物または組成物は、例えば、関節炎もしくは関節損傷もしくは関節傷害の遺伝歴もしくは家族歴がある場合、または関節の外科手術の前もしくはその間に、関節炎または関節損傷を予防または寛解させるために投与される。一部の実施形態では、本発明の化合物、組成物および方法は、関節損傷を治療するために使用される。特定の実施形態では、関節損傷は、外傷性関節傷害である。他の実施形態では、関節損傷は、年齢または不活動から起きる損傷である。さらに他の実施形態では、関節損傷は、自己免疫性障害から起きる損傷である。本発明の一部の実施形態では、本発明の化合物、組成物および方法は、骨関節炎を治療、寛解または予防するために使用されてもよい。一部の実施形態では、化合物、組成物および方法は、関節炎を有するまたは得るリスクがある対象における関節炎を寛解または予防するために使用される。一部の実施形態では、化合物、組成物および方法は、関節損傷を有するまたは得るリスクがある対象における関節損傷を寛解または予防するために使用される。
【0189】
一部の実施形態では、本発明の化合物、組成物および方法は、例えば外傷性傷害または軟骨疾患に起因して損傷を受けた軟骨性組織における、軟骨細胞の増殖、および軟骨の産生を刺激する方法を提供する。特定の実施形態では、本発明の化合物、組成物および方法は、関節における軟骨の損傷、例えば関節でつながれた表面、例えば脊椎、肩、ひじ、手首、指の関節、腰、膝、足首、および足の関節の治療に有用である。治療が有益でありうる疾患または障害の例には、骨関節炎、リウマチ関節炎、他の自己免疫性疾患、または離断性骨軟骨炎が挙げられる。加えて、軟骨の損傷または破損が一定の遺伝性または免疫性障害の結果として起こり、軟骨の形成不良がヒトにおける小人症の形態で見られることが多く、かつ/または軟骨の損傷または破損が再建手術の結果であることが多く、そのため、化合物、組成物および方法は、単独でもまたは他のアプローチとの併用であっても、これらの患者における有用な療法となろう。
【0190】
本発明の化合物、組成物および方法が、種々の軟骨性障害および/またはこうした状態に伴う症状または影響を治療、寛解または予防するために使用されてもよいことがさらに企図されよう。本発明の化合物、組成物および方法による治療、寛解および/または予防についての例示できる状態または障害としては、全身性紅斑性狼瘡、リウマチ関節炎、若年性慢性関節炎、骨関節炎、変形性椎間板疾患、脊椎関節症、エーラースダンロス症候群、全身性硬化症(強皮症)または腱の疾患が挙げられるがこれらに限定されない。伴う影響の寛解のための化合物での治療が有益でありうる他の状態または障害としては、特発性炎症性筋疾患(皮膚筋炎、多発筋炎)、シェーグレン症候群、全身性血管炎、サルコイドーシス、自己免疫溶血性貧血(免疫性汎血球減少、発作性夜間ヘモグロビン尿症)、自己免疫血小板減少(特発性血小板減少性紫斑病、免疫介在性血小板減少)、甲状腺炎(バセドウ病、橋本病、若年性リンパ球性甲状腺炎、萎縮性甲状腺炎)、真性糖尿病、免疫介在性腎疾患(糸球体腎炎、尿細管間質性腎炎)、中枢神経系および抹消神経系の脱髄性の疾患、例えば多発性硬化症、特発性脱髄性多発性ニューロパチーまたはギランバレー症候群、および慢性炎症性脱髄性多発性ニューロパチー、肝胆道の疾患、例えば感染性肝炎(A型、B型、C型、D型、E型の肝炎、および他の非肝臓指向性ウイルスの肝炎)、自己免疫慢性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変症、肉芽腫性肝炎、および硬化性胆管炎、炎症性大腸疾患(潰瘍性大腸炎:クローン病)、グルテン過敏性腸症、およびウィップル病、水疱性皮膚疾患を含む自己免疫性または免疫介在性の皮膚疾患、多形性紅斑および接触皮膚炎、乾癬、アレルギー性疾患、例えば、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、食品性過敏症およびじんま疹、肺の免疫学的疾患、例えば好酸球性肺炎、特発性肺線維形成、および過敏性肺炎、移植片拒絶および移植片対宿主病を含む、移植に伴う疾患が挙げられる。
【0191】
一部の実施形態では、本発明の化合物および組成物は、単独で、またはタンパク質放出拡大のための好適な担体と複合されてのいずれかで、関節の滑液中への直接注射によって、全身投与(経口のもしくは静脈内の)によって、または軟骨の欠損部中に直接に適用される。一部の実施形態では、化合物または組成物は、生体適合性マトリックスまたはスキャフォールド中に投与される。本発明の化合物、組成物および方法はまた、罹患関節にて、外科的手順と併せても使用されうる。本発明の化合物または組成物の投与は、外科的手順の前に、その間にもしくはそれと併せて、かつ/またはその後に、起こってもよい。例えば、本発明の化合物、組成物および方法は、自己のまたは同種の軟骨細胞移植(ACI)のための培養液において軟骨細胞集団を増殖するために使用されうる。軟骨細胞は、本発明の化合物および組成物の投与からなる併用治療で任意選択で移植されうる。これらの手順において、例えば、軟骨細胞は、損傷を受けた関節の、傷害を受けていないわずかな負荷保持領域から、関節鏡によって回収されることができ、かつ任意選択で本発明の化合物および組成物の存在下で、かつ/または移植前に細胞数を増やすための他の成長因子の存在下で、インビトロで培養されうる。次いで、増殖された培養液は、任意選択で本発明の化合物および組成物と付加混合され、かつ/または関節腔に置かれ、または欠損部中へ直接置かれる。特定の実施形態では、(任意選択で本発明の化合物と)増殖された培養液は、マトリックスまたは膜の中で懸濁された関節腔へ置かれる。他の実施形態では、本発明の化合物および組成物は、軟骨形成細胞を含有する1つもしくは複数の骨膜もしくは軟骨膜の移植片との併用で使用されることができ、かつ/または移植された軟骨細胞もしくは軟骨細胞前駆体細胞をその場所に保持することに役立つ。一部の実施形態では、本発明の化合物および組成物は、関節の洗浄、骨髄の刺激、アブレーション関節形成術、軟骨下骨の穿孔、または近傍の軟骨下骨の微細破壊を含むがこれらに限定されない他の手順と併せて、軟骨の損傷を修復するために使用される。任意選択で、以下の、本発明の化合物および組成物の投与、ならびに軟骨の成長、さらなる外科的治療が、新たに形成された軟骨の表面を好適に輪郭づけるのに有益でありうる。
【0192】
コラーゲンが、真皮の一次構造成分である。コラーゲンは、皮膚の健康にとって重要であり、しわおよび皮膚老化の皮膚治療において、火傷患者のための治癒補助剤として広く使用されてきた。コラーゲンは、線維芽細胞中で産生され、ヒトとウシとの双方のコラーゲンが広く使用されている。本発明の化合物および/または組成物が、ヒトの皮膚の線維芽細胞中でコラーゲンの発現を促進できることが企図されよう。したがって、本発明は、線維芽細胞を本発明の化合物または組成物と接触させてそれにより線維芽細胞中のコラーゲンの産生を増加させることによって線維芽細胞中のコラーゲンの産生を増加させる方法を提供する。接触は、治療されることになる領域における化合物の直接注射によるインビボであってもよい。接触は、線維芽細胞の集団中へのインビトロであってもよい。
【0193】
「患者」は、本明細書で使用される場合、本発明の治療用化合物を投与される任意の対象を指す。本発明の化合物、組成物および方法が哺乳類を治療するのに使用されてもよいことが企図されよう。本明細書で使用される場合、「対象」は、ヒト、飼育のおよび農場の動物、ならびに動物園の、スポーツのまたはペットの動物、例えば家畜(例えばウシ)、ウマ、イヌ、ヒツジ、ブタ、ウサギ、ヤギ、ネコ等を含む任意の哺乳類を指す。本発明の一部の実施形態では、対象は、ヒトである。特定の実施形態では、対象は、ウマである。他の実施形態では、対象は、イヌである。
【0194】
本発明の化合物の用語「治療有効量」は、対象の生物学的または医学的な反応、例えば酵素またはタンパク質の活性の低下もしくは阻害、または症状を寛解させる、状態を緩和する、疾患の進行を緩慢にするもしくは遅らせる、または疾患を予防する等を誘発することになる本発明の化合物の量を指す。非限定的な一実施形態では、用語「治療有効量」は、対象に投与されたときに、(1)状態または障害または疾患を少なくとも部分的に緩和、阻害、予防および/または寛解させることに有効である、本発明の化合物の量を指す。別の非限定的な実施形態では、用語「治療有効量」は、細胞へもしくは組織へ、または非細胞性生物材料へ、または培地へ投与されたときに、軟骨形成を促進するのに有効である、本発明の化合物の量を指す。
【0195】
本明細書で使用される場合、用語「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、「治療」および「寛解させる(amelieorate)」および「寛解させる(amelieorating)」は、緩解、緩和、症状を減らすこと、または症状、損傷、病態もしくは状態を患者にとってより耐えられるものにすること、症状もしくは状態の頻度もしくは期間を減らすこと、または幾つかの状況では、症状もしくは状態の発症を予防すること等の任意の客観的もしくは主観的パラメーターを含む、損傷、病態、状態または症状(例えば痛み)の治療または寛解における成功の兆しを指す。症状の治療または寛解は、例えば身体検査の結果を含む任意の客観的または主観的パラメーターに基づくことができる。
【0196】
本明細書で使用される場合、対象は、生物学的に、医学的に、または生活の質において治療が有益であろう場合に、その治療を「必要とする」。
【0197】
「のリスクが高まる」は、患者が、特定の疾患または状態について上記の平均的なリスクを有することを指し、高まるリスクは、存在する健康状態、遺伝歴または家族歴、存在するまたは先行する損傷、それぞれの動作または状態の結果である。
【0198】
本明細書で使用される場合、用語「接触」は、少なくとも2種の異なる種を、それらが反応できるように、接触へ持ち込むプロセスを指す。しかしながら、得られた反応生成物は、添加された試薬間の反応から直接生成されることができ、または反応混合物において生成されうる1種または複数の添加された試薬からの中間体から生成されうることが認識されるべきである。
【0199】
本明細書で使用される場合、「投与する」は、特定の関節への投与を指す。
【0200】
IV.医薬組成物、医薬、キット
本発明の化合物を含む治療用組成物は、本発明の範囲内にある。そのため、一実施形態では、本発明は、本発明の、治療有効量の化合物、その塩、またはその立体異性体、および医薬として許容される賦形剤もしくは担体を含む医薬組成物を提供する。
【0201】
別の実施形態では、本発明は、関節内送達用に製剤化されている医薬組成物を提供し、該組成物は、医薬として有効な量の化合物、その塩または立体異性体、および医薬として許容される賦形剤を含む。
【0202】
一部の実施形態では、医薬組成物はまた、アンジオポエチン様タンパク質3(ANGPTL3)、経口サケカルシトニン、SD−6010(iNOS阻害薬)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、コラーゲン加水分解物、FGF18、BMP7、アボカドダイズ不けん化物(ASU)またはヒアルロン酸も含むことができる。ANGPTL3は、より詳細に、国際公開第2011/008773号パンフレット(その全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0203】
一部の実施形態では、医薬組成物は、ヒアルロン酸またはその誘導体をさらに含む。
【0204】
本明細書で使用される場合、用語「医薬として許容される担体」は、任意のおよび全ての、溶媒、ディスパーション培地、コーティング剤、界面活性剤、抗酸化剤、保存剤(例えば抗菌剤、抗真菌剤)、等張化剤、吸収遅延化剤、塩、保存剤、薬物安定剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、潤滑剤、甘味剤、芳香剤、染料等およびそれらの組合せが挙げられ、これらは、当業者には既知である(例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289- 1329および同文献の次の版を参照されたい)。任意の従来技術の担体が有効成分と不適合である場合を除き、治療用組成物または医薬組成物におけるその使用が企図される。
【0205】
投与に好適な製剤は、水性および非水性の溶液;抗酸化剤、バッファ、静菌薬、および製剤を等張化させる溶質を含有することができる等張化無菌溶液;ならびに懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤および保存剤を含むことができる水性および非水性の無菌懸濁液が挙げられるがこれらに限定されない賦形剤を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量の本発明の化合物を、投与様式、送達方式、および所望の投薬量についての好適度で選択される医薬として許容される製剤との添加混合物中に含む。例えばRemingtonの文献を参照されたい。医薬組成物中の主要なビヒクルまたは担体は、元来、水性または非水性のものとすることができる。例えば、注射に好適なビヒクルまたは担体は、水、生理食塩水または人工脳脊髄液とすることができ、非経口投与のための組成物中で一般的な他の材料で任意選択で補充される。例えばバッファは、例えば組成物を生理的なpHに、またはわずかに低いpHに、典型的には約pH5から約pH8の範囲内に維持するために使用されてもよく、任意選択で、ソルビトール、血清アルブミンまたは他のさらなる成分を含んでもよい。特定の実施形態では、本発明の化合物を含む医薬組成物は、適当な賦形剤(例えばスクロース)を使用する凍結乾燥形態での貯蔵のために調製されうる。
【0206】
好適な固体の賦形剤としては、炭酸マグネシウム;ステアリン酸マグネシウム;タルク;ペクチン;デキストリン;デンプン;トラガカント;低融点のワックス;カカオバター;炭水化物;ラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトール、トウモロコシ、コムギ、コメ、ジャガイモまたは他の植物からのデンプンを含むがこれらに限定されない糖;セルロース、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースナトリウム;ならびにアラビアゴムおよびトラガカントを含むゴム;ならびにゼラチンおよびコラーゲンを含むがこれらに限定されないタンパク質が挙げられるがこれらに限定されない。所望であれば、崩壊剤または可溶化剤、例えば架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムが添加されてもよい。
【0207】
液体形態の調製物としては、溶液、懸濁液およびエマルション、例えば水、または水/プロピレングリコール溶液が挙げられる。注射用では、液体の調製物が、水性ポリエチレングリコール溶液にある溶液として製剤化されうる。
【0208】
使用に好適な水性溶液は、有効成分を水に溶解させ、所望の通りに、好適な着色剤、香料、安定剤および増粘剤を加えることによって調製されうる。経口使用に好適な水性懸濁液は、微細に分割された有効成分を、粘性材料(例えば、天然または合成のゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアゴム)と共に、または分散剤または湿潤剤[例えば天然に出現するホスファチド(例えばレシチン)、酸化アルキレンと脂肪酸との縮合生成物(例えばステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えばヘプタデカエチレンオキシエタノール)、エチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物(例えばモノ−オレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール)、またはエチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合生成物(例えばモノ−オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)]と共に、水中に分散させることによって作製されうる。水性懸濁液はまた、1種または複数の保存剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn−プロピル、1種または複数の着色剤、1種または複数の芳香剤、および1種または複数の甘味剤、例えばスクロース、アスパルテームまたはサッカリンも含有することができる。製剤は、モル浸透圧濃度のために調整されうる。
【0209】
一実施形態では、本発明の化合物は、本発明の化合物の制御放出または持続放出をもたらして次いで蓄積注射を介して送達されうる、注射可能なミクロスフェア、生体侵食性粒子、ポリマー化合物、ビーズまたはリポソームまたは他の生体適合性マトリックス等の作用剤と共に製剤化されてもよい。例えば、本発明の化合物は、リポソーム中に封入されてもよく、または微粒子もしくはミクロカプセルとして製剤化されてもよく、または生分解性ポリマー、ハイドロゲル、シクロデキストリン(例えば、Gonzalez et al., 1999, Bioconjugate Chem., 10, 1068-1074; Wang et al.、国際公開第03/47518号パンフレットおよび国際公開第03/46185号パンフレットを参照されたい)、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)(PLGA)およびPLCAミクロスフェア(例えば米国特許第6,447,796号明細書および米国特許出願番号第2002/130430号明細書を参照されたい)、生分解性ナノカプセル、および生体付着性ミクロスフェア等の他のビヒクル中へ組み入れられてもよく、またはタンパク質性ベクター(O’haraおよびNormand、国際公開第00/53722号パンフレット)によって、またはコンジュゲートの使用によって製剤化されてもよい。なおも他の好適な送達機構としては、移植可能な送達装置が挙げられる。
【0210】
本発明の別の態様では、関節損傷の治療用の医薬としての使用のために提供された化合物または医薬組成物が企図される。特定の実施形態では、関節炎または関節損傷の寛解用の医薬としての使用のための本発明の化合物が提供される。一部の実施形態では、関節炎は、骨関節炎、外傷性関節炎または自己免疫性関節炎である。一部の実施形態では、関節損傷は、外傷性関節傷害、自己免疫性損傷、年齢に関連した損傷、または不活動に関連した損傷である。
【0211】
医薬は、本発明の化合物に加えて、第2の作用剤をさらに含んでもよい。第2の作用剤は、1種または複数のさらなる軟骨形成因子[例えば経口サケカルシトニン、SD−6010(iNOS阻害薬)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、コラーゲン加水分解物、酢酸ルサラチド、アボカドダイズ不けん化物(ASU)、国際公開第2012/129562号パンフレットに記載の化合物カルトゲニン、ステロイド、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)等]であってもよい。一部の実施形態では、医薬としては、アンジオポエチン様タンパク質3(ANGPTL3)、経口サケカルシトニン、SD−6010(iNOS阻害薬)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、コラーゲン加水分解物、FGF18、BMP7、酢酸ルサラチド、アボカドダイズ不けん化物(ASU)、ステロイド、および非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、ならびにヒアルロン酸から選択される作用剤が挙げられる。
【0212】
さらに提供されるのは、本発明の化合物を含むキットである。一実施形態では、提供されるのは、単回用量投与ユニットを作製するためのキットである。該キットは、乾燥した固体である本発明の化合物を含む第1の容器と、水性の再溶解製剤を有する第2の容器とを含む。特定の実施形態では、1つの容器は、単一チャンバの予充填された注射器を含む。他の実施形態では、該容器は、複数チャンバの予充填された注射器を包含する。
【0213】
V.投与方法および投薬量
一般に、本発明の化合物は、当技術分野で既知の、通常の許容される様式のうちの任意のものを介して、単独で、または1種または複数の治療剤との併用でのいずれかで、治療有効量で投与されることになる。
【0214】
本発明の化合物および組成物は、単独で、またはタンパク質の拡大放出のための好適な担体と複合されてのいずれかで、関節の滑液中への直接注射によって、全身投与(経口でまたは静脈内に)によって、または軟骨欠損部中に直接、適用されうる。一部の実施形態では、化合物または組成物は、生体適合性マトリックスまたはスキャフォールド中に投与される。本発明の化合物、組成物および方法はまた、罹患関節で、外科的手順と併せて使用されうる。本発明の化合物の投与は、外科的手順の前に、その間にもしくはそれと併せて、かつ/またはその後に、起こってもよい。例えば、本発明の化合物、組成物および方法は、自己のまたは同種の軟骨細胞移植(ACI)のための培養液中の軟骨細胞集団を増殖するために使用されうる。軟骨細胞は、任意選択で、ポリペプチドの投与と本発明の組成物の投与とからなる併用治療で移植されうる。これらの手順において、例えば、軟骨細胞は、移植前に細胞の数を増加させるために、損傷を受けた関節の、傷害を受けていないわずかな負荷保持領域から、関節鏡により回収されることができ、任意選択で本発明の化合物および組成物および/または他の成長因子の存在下で、インビトロで培養されうる。次いで、増殖された培養液は、任意選択で本発明の化合物および組成物と付加混合され、かつ/または関節腔に置かれ、または欠損部中へ直接置かれる。特定の実施形態では、(任意選択で本発明の化合物で)増殖された培養液は、マトリックスまたは膜の中で懸濁された関節腔へ置かれる。他の実施形態では、本発明の化合物および組成物は、軟骨形成細胞を含有する1つもしくは複数の骨膜のもしくは軟骨膜の移植片との併用で使用されることができ、かつ/または移植された軟骨細胞もしくは軟骨細胞前駆体細胞をその場所に保持することに役立つ。一部の実施形態では、本発明の化合物および組成物は、関節の洗浄、骨髄の刺激、アブレーション関節形成術、軟骨下骨の穿孔、または近傍の軟骨下骨の微細破壊を含むがこれらに限定されない他の手順と併せて、軟骨の損傷を修復するために使用される。任意選択で、本発明の化合物および組成物の投与および軟骨の成長の後に、新たに形成された軟骨の表面を好適に輪郭づけるのにさらなる外科的治療が有益でありうる。
【0215】
本発明の化合物を、罹患関節に送達する任意の方法が使用されうる。本発明の実践において、組成物は、非経口的に投与されてもよく、例えば関節内に(すなわち関節中へ)、静脈内に、筋肉内に、皮下に注射され;例えば膜中に、マトリックス中に、装置中に等、射出されまたは移植されてもよい。注射される、射出されるまたは移植されるとき、送達は、好適な組織または関節中へ直接行われることができ、送達は、直接ボーラス送達または連続送達であってもよい。一部の実施形態では、送達は、罹患関節近傍に位置された好適な組織中であることができる。一部の実施形態では、送達は、拡散を介してもよく、または定時放出ボーラスを介してもよい。一部の実施形態では、制御された放出系(例えばポンプ)が、治療目的箇所の近傍に、例えばポリペプチドが投与される関節に置かれうる。他の実施形態では、組成物は、摂取、例えば吸入または経口送達のために選択されうる。
【0216】
本発明の医薬製剤は、塩として提供されることができ、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等を含むがこれらに限定されない多くの酸で形成されうる。塩は、対応する遊離塩基形態である水性または他のプロトン性溶媒中で、より可溶性である傾向がある。他の事例では、調製物は、使用前にバッファと合わされている、pHが4.5〜5.5の範囲の、1mM〜50mMのヒスチジン中の凍結乾燥粉末、0.1%〜2%のスクロース、2%〜7%のマンニトールであってもよい。
【0217】
化合物の製剤は、溶液、懸濁液、ゲル、エマルション、固体として、または脱水粉末もしくは凍結乾燥粉末として、無菌のバイアル中に貯蔵されうる。製剤は、アンプルおよびバイアル等の、単位投薬量または複数回投薬量に封止された容器中に存在することができる。一部の実施形態では、製剤は、単一チャンバまたは複数チャンバの予め充填された注射器(例えば液体注射器、リゾ注射器)で提供されうる。溶液および懸濁液は、無菌の、粉末、細粒、および先に記載した種類の錠剤から調製されうる。
【0218】
上に挙げた疾患または障害を治療するための本発明の化合物の用量は、投与方法、対象の年齢および/または体重、ならびに治療されることになる対象の状態に応じて様々であり、最終的には担当の内科医または獣医によって決定されることになる。対象に投与される用量は、本発明との関連において、時間が経っても対象における有益な反応に効果を与えるのに十分なものでなければならない。こうした用量は、「治療有効量」である。したがって、適当な用量は、採用される特定の化合物の効能、および対象の状態によって、ならびに体重、または治療されることになる領域の表面積によって決定されてもよい。用量のサイズもまた、特定の対象における特定の化合物の投与に伴う任意の副作用の、存在、性質および程度によって決定されることになる。投与は、単回用量または分割用量を介して、または移植装置もしくはカテーテルを介する持続点滴として達成されうる。投薬の頻度は、使用される製剤における本発明の化合物の薬物動態パラメーターに依ることになる。臨床医は、所望の治療効果を達成するために、投薬量を調整し、かつ/または投与を修正してもよい。
【0219】
膝への関節軟骨内注射のための典型的な投薬量は、上で検討された因子に応じて、約0.1μM〜約100μMの範囲であってもよい。本発明の化合物および組成物はまた、1種または複数の治療剤との併用において効果的に使用されうる。
【0220】
本発明の化合物と併用で使用されうる化合物の非限定的な例としては、ヒアルロン酸もしくはその誘導体または塩、成長因子(例えばFGF18、BMP7)、軟骨形成剤[例えば経口サケカルシトニン、SD−6010(iNOS阻害薬)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、コラーゲン加水分解物、酢酸ルサラチド、アボカドダイズ不けん化物(ASU)、他の軟骨形成促進剤(例えば国際公開第2012/129562号パンフレットに記載の化合物カルトゲニン)、ステロイド、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)等]が挙げられる。一部の実施形態では、組成物はまた、アンジオポエチン様タンパク質3(ANGPTL3)を含むことができる。ANGPTL3は、国際公開第2011/008773号パンフレット(その全体を本明細書に組み込む)に、より詳細に記載されている。第2の作用剤の選択は、いずれの治療効果も改善するまたは強化するための、所望の療法または効果に依ることになろう。
【0221】
用語「医薬併用物」は、本明細書で使用される場合、1種を超える有効成分を混合するまたは併用することから得られる生成物を意味し、有効成分の、固定された併用物、および非固定の併用物の双方を含む。用語「固定された併用物」は、有効成分、例えば式Iの化合物と共作用剤とが、双方とも患者へ同時に、単一実体物または単回投薬で投与されることを意味する。用語「非固定の併用物」は、有効成分、例えば本発明の化合物と共作用剤とが、双方とも患者に、別々の実体物として、同時に、継続時間内に、または特定の時間制限なしに続けて、のいずれかで投与されることを意味し、こうした投与は、患者の体内で、2種の化合物の、治療に有効なレベルを付与する。こうした投与はまた、カクテル療法、例えば3種以上の有効成分の投与にも当てはまる。
【0222】
本明細書中で利用されている用語「共投与」または「併用投与」等は、選択された治療用作用剤の、1人の患者への投与を包含することを意味し、作用剤が、必ずしも同じ投与ルートで投与されない、または同時に投与されない、治療レジメンを含むことが意図される。
【0223】
列挙される実施形態
本発明の種々の列挙される実施形態を、本明細書中に記載する。各実施形態中で特定化された特徴を、他の特定化された特徴と組み合わせて本発明のさらなる実施形態を提供してもよいことが認識されよう。
【0224】
第1の実施形態では、本発明は、式(I)
【0225】
【化59】
[式中、
「-----」は、単結合または二重結合を表し、
Aは、CR
8aR
8b、NR
9またはOであり、式中、R
8a、R
8bおよびR
9は、それぞれ独立に、水素またはC
1〜6アルキルであり、
Lは、
*−C(O)NR
10−または
*−C(O)O−であり、式中、「
*」は、Lの、Aを含有する二環式環への結合点を表し、R
10は、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
0は、水素およびC
1〜6アルキルから選択され、
R
1は、ハロ、シアノ、−C(O)R
11、−C(O)NR
12aR
12b、−C(O)ONR
12aR
12b、5員および6員のヘテロシクロアルキル、5員および6員のヘテロシクリル、フェニル、ならびに5員から9員のヘテロアリールから選択され、
式中、
R
11は、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
12aおよびR
12bは、それぞれ独立に、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
1の、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−C(O)R
13、−C(O)OR
13、−NR
14aR
14b、5員および6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
13は、水素、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、アミノおよびC
1〜6アルキルアミノから選択され、
R
14aおよびR
14bは、水素、C
1〜6アルキル、−C(O)R
15、−C(O)OR
15および−S(O)
2R
15からそれぞれ独立に選択され、式中、R
15は、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
1の、ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリール置換基は、ハロ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキルおよびヒドロキシから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されており、
R
3は、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、3員から6員のシクロアルキル、(159)、4員から7員のヘテロシクロアルキル、5員から10員のヘテロシクリル、フェニル、および5員から9員のヘテロアリールから選択され、
式中、
R
3の、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−C(O)R
16、−C(O)OR
16、−S(O)
2R
16、5員および6員のヘテロシクロアルキル、ならびにフェニルから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
16は、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
3のフェニルまたはヘテロシクロアルキル置換基は、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキルおよびC
1〜6ハロアルキルから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されており、
R
2およびR
4は、それぞれ、水素もしくはC
1〜6アルキルであり、またはR
2およびR
4は一緒になって、Aを含有する二環式環へ縮合しているシクロプロピル環を形成し、またはR
2およびR
4は一緒になって結合を形成してR
2およびR
4が結合している2個の炭素の間に二重結合をもたらし、
R
5は、水素またはC
1〜6アルキルであり、またはR
5およびR
10は、それらが結合している原子と一緒になって、Aを含有する二環式環へ縮合している5員または6員の環を形成し、
R
6およびR
7は、それぞれ、水素もしくはC
1〜6アルキルであり、またはR
6およびR
7は一緒になって結合を形成してR
6およびR
7が結合している2個の炭素の間に二重結合をもたらす]
の化合物、または医薬として許容されるその塩、その互変異性体もしくは立体異性体を提供する。
【0226】
実施形態2.式IA
【0227】
【化60】
[式中、
「----」は、単結合または二重結合を表し、
R
0は、水素またはC
1〜6アルキルから選択され、
R
1は、シアノ、−C(O)NR
12aR
12b、6員のヘテロシクロアルキル、6員のヘテロシクリル、フェニル、ならびに5員から9員のヘテロアリールから選択され、
式中、
R
12aおよびR
12bは、それぞれ独立に、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
1の、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−C(O)R
13、−C(O)OR
13、−NR
14aR
14b、5員および6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
13は、C
1〜6アルキル、アミノおよびC
1〜6アルキルアミノから選択され、
R
14aおよびR
14bは、水素、C
1〜6アルキル、−C(O)R
15、−C(O)OR
15および−S(O)
2R
15からそれぞれ独立に選択され、式中、R
15は、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
1の、ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリール置換基は、非置換であり、または、ハロ、ヒドロキシ、C
1〜6アルキルおよびC
1〜6ハロアルキルから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されており、
R
3は、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、5員および6員のシクロアルキル、(159)、5員および6員のヘテロシクロアルキル、6員および10員のヘテロシクリル、フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールから選択され、
式中、
R
3の、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−C(O)R
16、−C(O)OR
16、−S(O)
2R
16、5員および6員のヘテロシクロアルキル、ならびにフェニルから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
16は、水素またはC
1〜6アルキルであり、
R
3の、フェニルまたはヘテロシクロアルキル置換基は、非置換であり、または、ハロおよびシアノから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されており、
R
2およびR
4は、それぞれ、水素もしくはC
1〜6アルキルであり、またはR
2およびR
4は一緒になって、二環式環へ縮合しているシクロプロピル環を形成し、またはR
2およびR
4は一緒になって結合を形成してR
2およびR
4が結合している2個の炭素の間に二重結合をもたらし、
R
5は、水素もしくはC
1〜6アルキルであり、またはR
5およびR
10は、それらが結合している原子と一緒になって、二環式環へ縮合している5員または6員の環を形成し、
R
6およびR
7は、それぞれ、水素もしくはC
1〜6アルキルであり、またはR
6およびR
7は一緒になって結合を形成してR
6およびR
7が結合している2個の炭素の間に二重結合をもたらす]
のものである、実施形態1による化合物、またはその塩、その互変異性体もしくは立体異性体。
【0228】
実施形態3.
【0229】
【化61】
から選択される式のものである、実施形態1または2による化合物、またはその塩、その互変異性体もしくは立体異性体。
【0230】
実施形態4.R
1が、フェニル、5員または6員のヘテロアリールであり、フェニルまたはヘテロアリールが、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、−C(O)R
13、−C(O)OR
13、−NR
14aR
14b、5員および6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、ならびに5員から6員のヘテロアリールから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
13は、C
1〜6アルキル、アミノおよびC
1〜6アルキルアミノから選択され、
R
14aおよびR
14bは、水素、C
1〜6アルキル、−C(O)R
15、−C(O)OR
15からそれぞれ独立に選択され、式中、R
15は、C
1〜6アルキルであり、
R
1の、ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリール置換基は、非置換であり、または、ヒドロキシ、ハロ、C
1〜6アルキルおよびC
1〜6ハロアルキルから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されており、
式中、
R
13は、C
1〜6アルキル、アミノおよびC
1〜6アルキルアミノから選択され、
R
14aおよびR
14bは、水素、C
1〜6アルキル、−C(O)R
15、−C(O)OR
15からそれぞれ独立に選択され、式中、R
15は、C
1〜6アルキルであり、
R
1の、ヘテロシクロアルキルまたはフェニル置換基は、非置換であり、または、ヒドロキシ、ハロ、C
1〜6アルキルおよびC
1〜6ハロアルキルから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されている、実施形態1から3のいずれか1つによる化合物、またはその塩、その互変異性体もしくは立体異性体。
【0231】
実施形態5.R
1が、
【0232】
【化62】
から選択され、式中、「
*」は、R
1の、二環式コア環への結合点を表す、実施形態1〜3のいずれか1つによる化合物、またはその塩、その互変異性体もしくは立体異性体。
【0233】
実施形態6.R
3が、フェニル、5員または6員のヘテロアリールであり、
式中、
R
3の、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−C(O)R
16、−C(O)OR
16、−S(O)
2R
16、5員および6員のヘテロシクロアルキルならびにフェニルから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
16、は、C
1〜6アルキルであり、
R
3の、フェニルまたはヘテロシクロアルキル置換基は、非置換であり、または、ハロもしくはシアノから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されている、実施形態1〜5のいずれか1つによる化合物、またはその塩、その互変異性体もしくは立体異性体。
【0234】
実施形態7.R
3が、
【0235】
【化63】
から選択され、式中、「
*」は、R
3の、二環式環への結合点を表す、実施形態1〜5のいずれか1つによる化合物、またはその塩、その互変異性体もしくは立体異性体。
【0236】
実施形態8.式1B
【0237】
【化64】
[式中、
「-----」は、単結合または二重結合を表し、
R
1は、フェニル、5員または6員のヘテロアリールであり、
式中、
R
1の、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜4ハロアルキル、−C(O)R
13、−C(O)OR
13、−NR
14aR
14b、5員および6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
13は、C
1〜6アルキルまたはアミノであり、
R
14aおよびR
14bは、水素、C
1〜6アルキル、−C(O)R
15および−C(O)OR
15から独立に選択され、式中、R
15は、C
1〜4アルキルであり、
R
1の、ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリール置換基は、非置換であり、または、ハロ、ヒドロキシおよびC
1〜6アルキルから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
R
3は、フェニル、5員もしくは6員のヘテロアリールであり、フェニルもしくはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−C(O)R
16、−C(O)OR
16、5員および6員のヘテロシクロアルキル、ならびにフェニルから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R
16は、C
1〜6アルキルであり、
ヘテロシクロアルキルもしくはフェニルは、非置換であり、またはハロおよびシアノから選択される1〜2つの置換基で置換されており、
R
2およびR
4は、独立に、水素もしくはC
1〜6アルキルであり、またはR
2およびR
4は一緒になって、二環式環へ縮合しているシクロプロピルを形成し、またはR
2およびR
4は一緒になって結合を形成してR
2およびR
4が結合している2個の炭素の間に二重結合をもたらす]
のもの、または医薬として許容されるその塩、またはその立体異性体である、実施形態1による化合物、またはその塩、その互変異性体もしくは立体異性体。
【0238】
実施形態9.
【0239】
【化65】
から選択される式のものである、実施形態8による化合物、またはその塩、その互変異性体もしくは立体異性体。
【0240】
実施形態10.式
【0241】
【化66】
から選択される式のものである、実施形態8もしくは9による化合物、またはその塩、その互変異性体もしくは立体異性体。
【0242】
実施形態11.R
1が、5員または6員のヘテロアリールであり、非置換であり、または、ハロ、C
1〜4アルキル、C
1〜4ハロアルキルおよびNHR
14bから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、式中、R
14bは、水素もしくはC
1〜4アルキルである、実施形態8から10のいずれか1つによる化合物、またはその塩、その互変異性体もしくは立体異性体。
【0243】
実施形態12.R
1が、ピラゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルおよびピラジニルから選択され、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニルまたはピラジニルは、非置換であり、または−NH
2、−NHC(O)OCH
3またはトリフルオロメチルで置換されている、実施形態8から10のいずれか1つによる化合物、またはその塩、その互変異性体もしくは立体異性体。
【0244】
実施形態13.R
1が、
【0245】
【化67】
から選択され、式中、「
*」は、R
1の、二環式コア環への結合点を表す、実施形態8から10のいずれか1つによる化合物、またはその塩、その互変異性体もしくは立体異性体。
【0246】
実施形態14.R
3が、ハロ、シアノ、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、フェニル、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシ、−C(O)R
16、−C(O)OR
16から独立に選択される1〜2つの置換基で置換されているフェニルであり、式中、R
16は、C
1〜6アルキルであり、R
3のフェニル置換基は、非置換であり、または、ハロおよびシアノから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されている、実施形態8から13のいずれか1つによる化合物、またはその塩、その互変異性体もしくは立体異性体。
【0247】
実施形態15.R
3が、
【0248】
【化68】
から選択され、式中、「
*」は、R
1の、二環式コア環への結合点を表す、実施形態8から13のいずれか1つによる化合物、またはその塩、その互変異性体もしくは立体異性体。
【0249】
実施形態16.表3に記載され、本明細書の31〜38頁に列挙されている化合物のリストから選択される、実施形態1による化合物、またはその塩、互変異性体もしくは立体異性体。
【0250】
実施形態17.実施形態1から16のいずれか1つによる化合物、またはその塩もしくは立体異性体、および医薬として許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【0251】
実施形態18.関節内送達用に製剤化されている医薬組成物であって、実施形態1から16のいずれか1つによる医薬として有効な量の化合物、またはその塩もしくは立体異性体、および医薬として許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【0252】
実施形態19.アンジオポエチン様タンパク質3(ANGPTL3)、経口サケカルシトニン、SD−6010(iNOS阻害薬)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、コラーゲン加水分解物、FGF18、BMP7、酢酸ルサラチド、アボカドダイズ不けん化物(ASU)、ステロイド、および非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、ならびにヒアルロン酸から選択される作用剤を含む、実施形態17または18による医薬組成物。
【0253】
実施形態20.それを必要とする哺乳類における関節炎または関節傷害を治療、寛解または予防する方法であって、哺乳類の関節に、治療有効量の、実施形態1から16のいずれか1つによる化合物、または実施形態17から19のいずれか1つによる医薬組成物を投与して、それにより哺乳類における関節炎または関節傷害を治療、寛解または予防するステップを含む方法。
【0254】
実施形態21.関節炎が、骨関節炎、外傷性関節炎または自己免疫性関節炎である、実施形態20による、それを必要とする哺乳類における関節炎または関節傷害を治療、寛解または予防する方法。
【0255】
実施形態22.化合物または医薬組成物の投与が、マトリックスまたは生体適合性スキャフォールド中で起こる、実施形態20または21による、関節炎または関節傷害を治療、寛解または予防する方法。
【0256】
実施形態23.間葉系幹細胞から軟骨細胞への分化を誘導する方法であって、間葉系幹細胞を、実施形態1から16のいずれか1つによる十分な量の化合物、もしくはその塩もしくは立体異性体、または実施形態17から19のいずれか1つによる医薬組成物と接触させて、それにより幹細胞から軟骨細胞への分化を誘導するステップを含む方法。
【0257】
実施形態24.接触が、哺乳類においてインビトロまたはインビボで実施され、インビボの場合は、幹細胞が哺乳類中に存在する、実施形態23による間葉系幹細胞から軟骨細胞への分化を誘導する方法。
【0258】
実施形態25.化合物との接触が、マトリックスまたは生体適合性スキャフォールド中で起こる、実施形態23または24による間葉系幹細胞から軟骨細胞への分化を誘導する方法。
【0259】
実施形態26.化合物との接触が、1つまたは複数のさらなる軟骨形成因子と併せて起こる、実施形態23から25のいずれか1つによる間葉系幹細胞から軟骨細胞への分化を誘導する方法。
【0260】
実施形態27.化合物との接触が、アンジオポエチン様タンパク質3(ANGPTL3)、経口サケカルシトニン、SD−6010(iNOS阻害薬)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、コラーゲン加水分解物、FGF18、BMP7、酢酸ルサラチド、アボカドダイズ不けん化物(ASU)、ステロイド、および非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、ならびにヒアルロン酸から選択される作用剤と併せて起こる、実施形態23から25のいずれか1つによる間葉系幹細胞から軟骨細胞への分化を誘導する方法。
【0261】
生物学的アッセイ
本発明の化合物を、2つの機能的アッセイにおいて評価し、その軟骨形成活性(II型コラーゲン発現)および軟骨細胞保護活性(NO放出アッセイ)を評価した。
【0262】
II型コラーゲン発現のアッセイ
細胞ベースの2Dの軟骨形成を、インビトロで誘導し、先にJohnson, K., et al., (2012) Science 336, 717に記載の通り評価した。該アッセイは、II型コラーゲン、軟骨細胞に特定のタンパク質を測定する。端的に言えば、ヒトの一次骨髄で誘導した間葉系幹細胞(hMSC)を、成長培地中に置き、次いで、続いてコンストラクトありでおよびなしで軟骨形成刺激培地へ変化させ、7〜14日間、培養した。次いで細胞を、ホルムアルデヒドで固定し、洗浄し、次いで標準的な免疫細胞化学的な技法を用いて染色して、II型コラーゲン、一次軟骨タンパク質を検出した。
【0263】
細胞の培養および分化
ヒトの一次骨髄で誘導した間葉系幹細胞(hMSC)を、Lonza(メリーランド州ウォーカーズビル)から購入した。細胞を、FACS分類し、CD29、CD44、CD166およびCD105について>98%ポジティブであり、CD45について<0.1%ポジティブであると証明した。hMSCを、間葉系幹細胞成長培地(MSCGM)(Lonza、メリーランド州ウォーカーズビル)中で育て、全ての実験のためにパッセージ2〜8から使用した。ヒト軟骨常在性MSC(hCR−MSC)を、ヒトの一次関節軟骨細胞(Lonza、メリーランド州ウォーカーズビル)から誘導し、これを単一の細胞へ分離し、MSCGM中でクローン的に育て、軟骨形成の分化、骨形成の分化、および脂肪生成の分化を通してMSCとして検証した。細胞を、FACS分類し、CD166およびCD105について>98%ポジティブであると証明した。hCR−MSCを20パッセージまで培養し、細胞のプロファイル率、成長率または分化率における変化は認められなかった。
【0264】
一次hMSCまたはCR−MSCにおける軟骨形成を開始するために、1ウェル当たり5000個の細胞を、MSCGM中のGriener 384ウェルの皿の中に蒔いた。24時間後、MSCGMを除去し、1%のFBSを含有する25μlのDMEMに置き換えた。次いで、試験化合物を、示された用量で各ウェルへ加えた。培養液を、37℃にて18日間、育てた。軟骨形成の誘導の10日後に、1%のFBSを含有する追加の25μlのDMEM培地を補充した。
【0265】
免疫細胞化学的な染色および定量化
軟骨形成タンパク質の存在を検出するために、細胞を、10%のホルマリンで15分間、固定し、0.1%のトリトンX−100、0.25g/mlのコラゲナーゼ2を含有するPBSで10分間、透過処理し、5%のBSAを含有するPBSで室温にて1時間ブロックし、続いて一次抗体(抗II型コラーゲン抗体)で、1%のBSAを含有するPBS中、4℃にて終夜インキュベートした。細胞を、PBSで3回洗浄し、蛍光物質でコンジュゲートさせた二次抗体、およびDAPIまたはTO−PRO3で、室温にて1時間インキュベートし、続いてPBSで3回洗浄した。
【0266】
染色の総強度を、蛍光顕微鏡法によって画像表示し、かつ/またはImageXpress Ultra(Molecular Devices、カリフォルニア州サニーベール)でのハイコンテンツ画像表示によって定量化した。多波長の細胞を数えるカストマイズされたアプリケーションで、データ分析を実施した。結果を、表2中の試験化合物の、40μM濃度にて観察した最大効力として報告する。
【0267】
試薬
【0268】
【表1】
【0269】
ウシ軟骨細胞におけるNO放出アッセイ
該アッセイは、Johnson, K., et al., (2012) Science 336, 717-721に記載した。軟骨細胞は、OAの病態形成の間にNOを放出する。このアッセイは、処理された化合物による一酸化窒素の放出の阻害度(軟骨保護の指標)を測定する。正常なウシの膝からの一次関節軟骨細胞(Animal Technologies、テキサス州タイラー)を、脛骨プラトーおよび大腿顆の関節の軟骨の切開およびコラゲナーゼ消化(Worthington Biochemical)の後に単離した。細胞を、単離の後、最初に培養密度80〜90%で蒔いた。一次軟骨細胞を、10%のウシ胎仔血清(FBS)、1%のL−グルタミン、100単位/mlのペニシリン、および50μg/mlのストレプトマイシン(Life Technologies、カリフォルニア州カールスバッド)で補充した高グルコースのダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で培養し、5%のCO2の存在下で37℃にて7日間維持し、その後、各実験を開始した。7日間の培養期間中、細胞は、付着して、軟骨細胞様の外観を確立し、これを実験期間を通じて維持した。軟骨細胞についての機能的研究を、高グルコースのDMEM中で、別段の指定がない限りFBSなしで実施した。
【0270】
培養の1週間後、成長培地中のGreiner 384ウェルの白色透明底の皿の中に、1ウェル当たり8500個の細胞を蒔いた。24時間の培養に続き、培地を除去して、20ng/mlのTNFαおよび10ng/mlのヒトのオンコスタチンM(炎症性メディエーター)を含有する、血清なしのDMEMに置き換えた。細胞を、試験化合物ありでおよびなしで、(示されているところで)48時間処理して、サイトカインで誘導されたNO放出の阻害度を評価した。上清の20μlを、グリース試薬(Promega#G2930)の20μlと混合し、540nmにて定量化した。グリース試薬パートA(5%のリン酸中1%のスルファニルアミド)を、グリース試薬パートB(0.1%の水中N−1−ナフチルエチレンジアミンジヒドロクロリド)と、1:1の比で混合し、すぐに培養液の上清へ加えた。試験化合物のIC50でのμM濃度を、以下の表2で報告する。
【0271】
【表2-1】
【0272】
【表2-2】
【0273】
【表2-3】
【実施例】
【0274】
本発明は、本発明による式Iの化合物の調製を例証する以下の実施例および中間体によってさらに例示されるがこれらに限定されない。特定の化合物の、名称と構造との間にかい離があるように見える場合、構造のほうが正しいと考えられ、それは化合物の名称が構造から生じているためであることが理解されよう。
【0275】
温度は、セ氏により付与される。別段の記載がない場合、全ての蒸発は、減圧下で実施され、典型的には約15mmHgから100mmHgの間(=20〜133mbar)である。最終生成物の構造体、中間体および出発材料は、標準的な分析方法、例えば微量分析および分光特性、例えばMS、IR、NMRによって確証される。使用される略語は、当技術分野において従来あるものである。
【0276】
本発明の化合物を合成するために利用される全ての出発材料、構成要素、試薬、酸、塩基、脱水剤、溶媒および触媒は、市販されているか、または当業者に既知の有機合成方法(Houben-Weyl 4th Ed. 1952, Methods of Organic Synthesis, Thieme, Volume 21)により製造されうるかのいずれかである。さらに、本発明の化合物は、以下の実施例に示される、当業者に既知の有機合成方法により製造されうる。
【0277】
LC−MS方法
方法A:(2.0分)[C18、10〜100%の水中ACN(0.035%のTFA)(0.05%のTFA)、2分にわたる]
【0278】
実施例1:(1R,2R,3S,4S)−3−(2−アミノピリジン−4−イル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド(化合物107)および(1R,2S,3S,4S)−3−(2−アミノピリジン−4イル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド(化合物115)の合成
【0279】
ステップ1:メチル3−ブロモ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン−2−カルボキシレート(中間体I−1)の調製
【0280】
【化69】
室温にあるプロピオル酸エチル(2.03mL、20.0mmoL)のアセトン(40mL)中溶液を、硝酸銀(340mg、2.00mmol)で処理した。5分後、NBS(3.92g、22.0mmol)を加え、反応物を室温にて3時間撹拌した。反応混合物を、セライトのパッドを通してろ過し、これをアセトン(3×20mL)で洗浄した。アセトン溶液の濃度は、粗製臭化アルキンを付与し、これは、精製せずに直接次のステップで使用した。(特記:アルキンは、揮発性であり、高真空ライン上に置いてはならない)。
【0281】
アルキン(50.8mmol)のフラン(22mL、305mmol)中溶液を、キャップを備えた4〜40mL厚さのバイアル中へ移した。反応バイアルを、80℃にて20時間温めた。反応物を室温まで冷却し、溶媒を減圧下で除去した。粗製化合物を、DCM中に溶解し、FCC(ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、所望の生成物、中間体I−1(8.1g、65%)を得た。LCMS m/z(M+1、245、247)。この化合物は、当技術分野で既知であり、文献に記載されている。
【0282】
プロピオン酸メチルを使用する臭素化のための代替手順が、2003年の米国特許出願公開第2003/236270号明細書に記載されている。プロピオル酸メチル(52ml、0.583mol)を、再結晶化されたN−ブロモ−スクシンイミド(120g、0.674mol)と、アセトン1,700ml中、窒素下で合わせた。溶液を、硝酸銀(9.9g、0.0583mol)で、シングルロット中、手際よく処理し、反応物を室温にて6時間撹拌する。アセトンを減圧下で除去して(25℃、浴温)灰色のスラリーを得る。スラリーを、ヘキサン2×200mlで洗浄し、灰色の固体をろ過により除去し、ろ液を真空下で濃縮して、薄黄色の油性残渣95gを得る。粗製材料を、ショートパスを介して、減圧下(65℃、約25mmHg)で、乾燥した氷/アセトンの冷却された受領体へと蒸留して、薄黄色の油状物であるメチル−3−ブロモ−プロピオレート83.7g(88%)を得た。
【0283】
さらなる文献:
1. Poulsen, Thomas B.; Bernardi, Luca; Aleman, Jose; Overgaard, Jacob; Joergensen, Karl Anker Journal of the American Chemical Society 2007, 129, 441 - 449.
2. Andersen, Neil G.; Maddaford, Shawn P.; Keay, Brian A. Journal of Organic Chemistry 1996, 61, 2885 - 2887.
3. Leroy, Jacques Tetrahedron Letters 1992, 33, 2969 - 2972.
4. Christensen, Helena S.; Boye, Soeren V.; Thinggaard, Jacob; Sinning, Steffen; Wiborg, Ove; Schioett, Birgit; Bols, Mikael Bioorganic and Medicinal Chemistry2007, 15, 5262 - 5274.
5. Rainier, Jon D.; Xu, Qing Organic Letters 1999, 1, 27 - 29.
【0284】
ステップ2.メチル3−ブロモ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキシレート(中間体I−2)の調製
【0285】
【化70】
I−1(5g、20.40mmol)の、撹拌しているEtOAc(50mL)中溶液へ、10%の炭素担持パラジウム(2.5g、湿量基準)を加えた。反応混合物を1atmで3時間、水素化した。LCMSは、この反応が完了していることを示した。反応物をセライト上でろ過し、EtOAcで洗浄した。溶媒を濃縮し、粗製化合物をFCC(ヘキサン/EtOAc)で精製して、所望の生成物、中間体I−2(3.2g、56%)を得た。LCMS m/z(M+1、247、249);
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 5.18 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.07 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.21-4.13 (M, 2H), 1.85-1.75 (m, 2H), 1.38-1.32 (m, 2H), 1.24 (t, J = 8.0 Hz, 3H).この化合物は、当技術分野で既知であり、文献に記載されている。
文献:
1. Christensen, Helena S.; Boye, Soeren V.; Thinggaard, Jacob; Sinning, Steffen; Wiborg, Ove; Schioett, Birgit; Bols, Mikael Bioorganic and Medicinal Chemistry 2007, 15, 5262 - 5274.
2. Bull. Korean Chem. Soc. 2007, 28, 307.
【0286】
ステップ3:tert−ブチル3−ブロモ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキシレート(中間体I−3)の調製
【0287】
【化71】
I−2(4.00g、17.2mmol)の、2:1:1のTHF:MeOH:水(100mL)中溶液を、LiOH(1.23g、51.5mmol)で処理し、室温にて2時間撹拌した。LCMSは、反応が完了していることを示した。反応物を、飽和水性NH
4Clでクエンチし、EtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させて(Na
2SO
4)濃縮した。得られた油状物(3.33g、15.2mmol)をトルエン(20mL)中に溶解し、DMFジ−t−ブチルアセタール(18.2mL、76.0mmol)で処理し、60℃にて16時間撹拌した。LCMSは、新たな生成物の形成を示した。溶媒を減圧下で除去し、得られた油状物をFCC(EtOAc/ヘキサン)で精製して、中間体I−3(2.07g、47%)を得た。LCMS m/z(M+H−tBu、219.0、221.0);
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 5.16 - 5.09 (m, 1H), 5.06 - 4.99 (m, 1H), 1.85 - 1.73 (m, 2H), 1.46 (s, 9H), 1.38 - 1.27 (m, 2H).
【0288】
ステップ4:tert−ブチル7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキシレート(中間体I−4)の調製
【0289】
【化72】
0℃にある、I−3(10g、36.3mmol)の、撹拌しているTHF(24mL)および水(24mL)中溶液へ、酢酸(10.4mL)を加え、およびZn粉末(7.1g、109mmol)を少しずつ加えた、反応スラリーを室温まで30分間撹拌した。追加のZn粉末(約10g)を、反応が完了へ向かうのに必要なだけ加えた。反応物を、セライトのプラグを通じてろ過し、固体をEtOAcで洗浄した。ろ液を、飽和の重炭酸ナトリウムで中和し(pH約8〜10)、さらにEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過して濃縮した。得られた黄色の油状物、中間体I−4(7.0g、98%)を、次のステップで、さらなる精製なしに使用した。LCMS m/z(M+H−tBu、141.1);
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.90 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 5.19 - 5.15 (m, 1H), 5.08 - 5.06 (m, 1H), 1.94 - 1.81 (m, 2H), 1.49 (s, 9H), 1.33 - 1.25 (m, 2H).
【0290】
ステップ5.N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド(中間体I−5)の調製
【0291】
【化73】
I−4(3.50g、17.8mmol)の、撹拌している1,4−ジオキサン(6mL)中溶液へ、HCl(37%、6mL)を加えた。反応物を、室温にて2時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。溶媒を減圧下で除去し、化合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過して濃縮した。粗製カルボン酸生成物(2.4g)を、無水のピリジン(12mL)中、3,4−ジクロロアニリン(2.30g、14.3mmol)、EDCI(4.00g、21.4mmol)およびDMAP(872mg、7.14mmol)で溶解した。反応物を、室温にて4時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、得られた残渣を、酢酸エチルおよび1MのHCl中に溶解した。有機層を、1MのHClおよびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過して濃縮した。得られた残渣をFCCで精製して、黄褐色の固体である中間体I−5(1.5g、全部で30%)を得た。LCMS m/z(M+H、283.1);
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10.11 (s, 1H), 8.04 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.63 (dd, J = 8.9, 2.4 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 5.22 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.18 - 5.15 (m, 1H), 1.80 - 1.74 (m, 2H), 1.28 - 1.20 (m, 2H).
【0292】
ステップ6.化合物107および化合物115の調製
【0293】
【化74】
I−5(500mg、1.76mmol)と、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−アミン(581mg、2.64mmol)と、2,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1−ビナフタレン(110mg、0.176mmol)と、クロロ(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)ダイマー(43mg、0.088mol)と、炭酸カリウム(121mg、0.88mmol)とのジオキサン(10mL)および水(2mL)中混合物を、マイクロ波中、100℃で1時間、加熱した。LCMSは、質量M+1で2つのピーク、378、380を示し、1つはマイナーで1つはメジャーである。粗製反応物をろ過し、粗製化合物をHPLC(10〜70%、アセトニトリル中0.05%のTFA)で精製した。溶出するために、第2のピークを含有する画分を、減圧下で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル中に溶解し、10%の水性重炭酸ナトリウム、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過して濃縮した。得られた残渣を、1:1の水/アセトニトリル中に溶解し、凍結乾燥させて、白色の固体である化合物107(324mg、46%)を得た。同じプロセスを、HPLCを溶離するために第1のピークについても実施して、化合物115(95mg、14%)を得た。
【0294】
化合物107:LCMS m/z(M+H、378.1);
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10.34 (s, 1H), 8.01 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.44 (dd, J = 8.9, 2.4 Hz, 1H), 6.39 (dd, J = 5.2, 1.5 Hz, 1H), 6.33 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 5.85 (s, 2H), 4.86 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 4.54 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 3.17 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 2.99 (td, J = 5.2, 1.5 Hz, 1H), 1.78 - 1.46 (m, 4H).
【0295】
化合物115:LCMS m/z(M+H、378.0);
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.51 (s, 1H), 7.50 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.00 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 6.32 (d, J = 5.5 Hz, 2H), 5.56 (s, 2H), 4.78 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 4.38 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 3.14 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.05 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 1.57 (ddq, J = 17.7, 6.8, 4.1, 3.1 Hz, 4H).
【0296】
実施例2:(1R,2R,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド(化合物118)の合成および鏡像異性体の単離
【0297】
ステップ1.メチル7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキシレート(中間体I−7)の調製
【0298】
【化75】
I−2(1.00g、4.29mmol)の水(10mL)中溶液を、0℃まで冷却し、酢酸(1.23mL)で処理した。亜鉛の粉塵(421mg、6.44mmol)を2分間のうちに加え、混合物を、室温まで10分間にわたり温まるようにした。LCMSは、反応が完了していることを示した。反応物をEtOAcで希釈し、飽和水性NaHCO
3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、ろ過して濃縮した。得られた残渣をDCM中に溶解し、FCCで精製して(80g、0〜80%のEtOAc、30分)所望のI−7(1.18g、収率85%)を得た。LCMS m/z(M+1、155.2);
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.11 (s, 1H), 5.10 (d, J = 4.4 Hz, 2H), 3.69 (s, 3H), 1.82-1.69 (m, 2H), 1.24-1.13 (m, 2H).
【0299】
ステップ2.(1R,2R,3S,4S)−メチル3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート(中間体I−8)の調製
【0300】
【化76】
I−7(200mg、1.297mmol)、BINAP(72.7mg、0.117mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(559mg、2.72mmol)、K
2CO
3(90mg、0.649mmol)およびRhCl(cod)
2(12mg、1.297mmol)のジオキサン(12mL)/水(4mL)中溶液を、真空にし、アルゴンで2回パージし、次いでマイクロ波反応器中、100℃にて60分間温めた。LCMSは、ほとんどの生成物が、溶媒の前面近くで少量のI−9を集めていることを示した。反応物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過して濃縮した。得られた残渣をDCM中に溶解し、FCC(DCM/EtOAc)で精製して、4:1のtrans:cis混合物である所望の生成物、中間体I−8(261mg、82%)を得た。LCMS m/z(M+1、234.2)。4:1混合物の
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.47 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 8.41 (d, J = 6.1 Hz, 0.5H), 7.29 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 7.20 (d, J = 6.1 Hz, 0.5H), 4.89 - 4.81 (m, 1.3H), 4.53 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 4.50 (d, J = 4.1 Hz, 0.3H), 3.65 (s, 3.8H), 3.44 (d, J = 9.8 Hz, 0.3H), 3.30 - 3.27 (m, 1.3H), 3.12 - 3.05 (m, 1H), 1.78 - 1.52 (m, 5H).
【0301】
ステップ3.(1R,2R,3S,4S)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸(中間体I−9)の調製
【0302】
【化77】
I−8(4:1のtrans:cis混合物、168mg、0.720mmol)のTHF(3mL)、MeOH(2mL)および水(1mL)中溶液を、LiOH(103mg、4.32mmol)で処理し、80℃にて2時間撹拌した。LCMSは、反応が完了していることを示した。溶液を、HClでpH3まで持ち込み、減圧下で濃縮した。得られた残渣、中間体I−9を真空下で終夜、乾燥し、量的収率を想定する精製なしで、次のステップにおいて直接使用した。LCMS m/z(M+1、220.2)。
【0303】
代替法として、I−9は、ワンポット反応におけるI−7からの合成であってもよい。
【0304】
【化78】
I−7(200mg、1.297mmol)、BINAP(72.7mg、0.117mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(559mg、2.72mmol)、K
2CO
3(90mg、0.649mmol)およびRhCl(cod)
2(12mg、1.297mmol)のジオキサン(12mL)/水(4mL)中溶液を、真空にし、アルゴンで2回パージし、次いでマイクロ波反応器中、100℃にて60分間温めた。LCMSは、ほとんど、I−8が少量のI−9と共に存在することを示した。反応を、同じスケール上で、同じ結果になるまで7回繰り返した(総計で1.6gのI−7を使用した、10.38mmol)。反応物を合わせ、MeOH(200mL)およびTHF(200mL)で希釈し、LiOH(746mg、31.1mmol)で処理した。反応物を、室温にて2時間撹拌した。LCMSは、I−9:I−8の比における変化を示さなかった。別の746mgのLiOH(31.1mmol)を加え、反応物を80℃にて1時間温めた。LCMSは、I−9:I−8を、およそ1:2の比で示した。別の746mgのLiOH(31.1mmol)を加え、反応物を80℃にて1時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。得られた溶液を、減圧下で濃縮し、真空下で終夜乾燥させた。得られた、生成物および無機固体を含有する残渣を、300mLの、1:1のDCM:MeOH中に溶解し、セライトを加え、該溶液を濃縮した。セライト混合物をカラム上へ装填し、生成物を溶出し(80gのカラム、0〜90%のMeOH/DCM、35分)、所望の、大量のシリカゲルを有する酸生成物を得た(7.8gの粗質量;2.28gが理論値である)。生成物の混合物を次のステップで使用し、これは、所望の酸生成物に対応する質量のわずか25%であると想定される。(特記:I−9は、塩基性、中性および酸性の後処理条件下で水溶性であり、したがって後処理は実施しなかった)。LCMS m/z(M+1、220.2)。
【0305】
ステップ4.化合物118の調製
【0306】
【化79】
I−9(90mg、0.411mmol)(SiO
2を含んで360mg)、3,4−ジクロロアニリン(100mg、0.616mmol)およびT3P(0.489mL、0.821mmol)の酢酸エチル(8mL)中懸濁液を、DIEA(0.215mL、1.232mmol)で処理した。23℃にて5分間撹拌した後、溶液は、懸濁液を残した。DMF(3mL)を加え、わずかな沈殿物のみが残った。反応物を室温にて30分間撹拌し、その後、LCMSは1:1のSM:生成物を示した。反応物を80℃にて20分間温め、LCMSは、SM:生成物の同じ比を示した。追加のT3P(0.489mL、0.821mmol)およびDIEA(0.43mL、6当量)を加え、反応を、80℃にてさらに40分続けた。LCMSは、反応が約90%転換にあることを示した。反応物を80℃にてさらに1時間撹拌し、次いで室温まで冷却した。同一の反応を、1.0gのI−9(SiO
2の質量を含んで4.0g)、10.8mLのT3P(4当量)、7.17mLのDIEA(9当量)について、100mLのEtOAcおよび30mLのDMF中、走らせた。反応物を80℃にて45分間温め、LCMSによって、完了していると判断した。室温まで冷却した後、2種の反応物を合わせ、EtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過して濃縮した。残渣をクロマトグラフィーで精製して(80gの金のカラム、0〜70%のEtOAc/DCMで20分間、次いで0〜40%のMeOH/DCMで20分間)、白色の固体である所望の生成物、化合物118(1.34g、3.50mmol、収率74%)を得た。
【0307】
化合物118を再結晶化によって精製した。固体を、約150mLのMeCN中に溶解し、固体が完全に溶解するまで加熱還流させた。溶液を、−20℃のフリーザー中に、終夜、置いた。結晶をろ別し、冷温のMeCNで洗浄して、1.05gのオフホワイトの結晶化された固体を得た。母液を濃縮し、同一方法でMeCNから再結晶化させて、0.155gのさらなる化合物118(全部で約93%の回収率)を得た。材料の双方のバッチは、
1H NMRによると純粋であり、高真空下で乾燥させた。融点は、228〜230℃であると測定した(10℃/分、未補正)。
【0308】
115mgの化合物118のキラル分離により、MeCNからの双方の鏡像異性体の再結晶化後に、66.9mgの(1R,2R,3S,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド(化合物71)(ピーク1)、および62.9mgの(1S,2S,3R,4R)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド(化合物103)(ピーク2)を得た。LCMS m/z(M+1、363.1);
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10.35 (s, 1H), 8.48 (dd, J = 4.4, 1.6 Hz, 2H), 8.01 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.43 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 7.27 (dd, J = 4.5, 1.7 Hz, 2H), 4.93 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 4.59 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 3.39 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 3.07 (td, J = 5.1, 1.5 Hz, 1H), 1.80 - 1.49 (m, 4H).
【0309】
実施例3:(1R,4S)−N−(2−クロロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド(化合物160)の合成
【0310】
【化80】
【0311】
ステップ1.メチル3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキシレート(中間体I−10)の調製
メチル3−ブロモ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキシレートI−2(356mg、1.526mmol)と、2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン(500mg、1.831mmol)と、テトラキス(176mg、0.153mmol)とのジオキサン(10mL)懸濁液を、炭酸ナトリウム(1.144mL、2.289mmol、2Mの溶液)で処理した。反応混合物を窒素でパージし、マイクロ波反応器中、120℃にて45分間加熱した。AcOEtを加え、水で洗浄した。有機相を濃縮し、FCC(0〜40%のEtOAc/hex)で精製して、黄色のシロップである所望の生成物、中間体I−10(295mg、61%)を得た。LCMS m/z(M+1、300.0)。
【0312】
ステップ2.3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボン酸(中間体I−11)の調製
【0313】
【化81】
I−10(290mg、0.969mmol)のMeOH(5mL)中溶液を、水酸化リチウム(1.938mL、1.938mmol、1N溶液)で処理し、室温にて6時間撹拌した。反応混合物を、AcOHで、pH5〜6へと酸性化した。白色の固体が沈殿した。ろ過し、続いて水で洗浄して、白色の固体である所望の生成物、中間体I−11(220mg、76%)を得た。LCMS m/z(M+1、286.0)。
【0314】
ステップ3.化合物160の調製
【0315】
【化82】
I−11(40mg、0.140mmol)および2−クロロ−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン(28.6mg、0.140mmol)のEtOAc(3mL)溶液を、プロパンホスホン酸無水物(0.427mL、0.701mmol)で処理した。添加後に、溶液を、80℃まで終夜加熱した。反応物をEtOAcで希釈し、飽和の水性NaHCO
3で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過して濃縮した。得られた残渣をFCC(0〜60%のAcOEt/hex)で精製して、固体である所望の生成物、化合物160(42mg、収率57%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 11.70 (s, 1H), 8.09 (d, J = 8.0, 1H), 7.89 (d, J = 2.1, 1H), 7.82 - 7.73 (m, 1H), 7.67 - 7.53 (m, 2H), 7.51 - 7.39 (m, 5H), 7.35 (d, J = 8.4, 1H), 5.76 - 5.59 (m, 1H), 5.59 - 5.44 (m, 1H), 2.28 - 2.11 (m, 2H), 1.76 (t, J = 8.4, 1H), 1.65 (d, J = 8.8, 1H);LCMS m/z(M+1、471.1)。
【0316】
実施例4:(1R,2R,3R,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド(化合物155)
【0317】
【化83】
N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−2−カルボキサミド(22mg、0.051mmol)および5%の炭素担持パラジウム(20mg)の溶液を、1atmで16時間、水素化した。反応物をセライト上でろ過し、EtOAcで洗浄した。溶媒を濃縮し、粗製化合物をHPLC(10〜90%のACN/水)で精製して、所望の生成物、化合物155(20mg、86%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.80 (t, J = 7.8, 1H), 7.51 (t, J = 9.7, 2H), 7.35 - 7.27 (m, 3H), 7.11 (dd, J = 2.3, 8.7, 1H), 4.98 - 4.86 (m, 2H), 3.92 (dd, J = 4.5, 11.3, 1H), 3.52 (dd, J = 5.1, 11.4, 1H), 2.39 (t, J = 8.6, 1H), 1.99 (t, J = 8.4, 1H), 1.78 (dd, J = 4.6, 8.0, 2H);LCMS m/z(M+1、431.1)。
【0318】
実施例5:(1R,2S,3R,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド(化合物134)の合成
【0319】
【化84】
(1R,2R,3R,4S)−N−(3,4−ジクロロフェニル)−3−(1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド156(5mg、0.012mmol)へ、モルホリン(1mL)を加え、反応物を80℃まで終夜加熱した。反応混合物を直接HPLC(20〜90%のACN/水)で精製して、所望の生成物、化合物134(3.0mg、54%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.01 (s, 1H), 7.78 (t, J = 1.3, 1H), 7.40 (d, J = 1.4, 2H), 6.49 (s, 1H), 4.91 (dd, J = 5.2, 10.9, 2H), 3.93 (s, 3H), 3.78 - 3.65 (m, 1H), 2.83 (d, J = 5.2, 1H), 2.06 - 1.91 (m, 1H), 1.74 - 1.61 (m, 3H);LCMS m/z(M+1、438.1)。
【0320】
実施例6:(1R,2R,4S,5S)−N−(2’−クロロ−2−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル]−4−(ピリジン−4−イル)−8−オキサトリシクロ[3.2.1.02,4]オクタン−2−カルボキサミド(化合物85)の合成
【0321】
ステップ1.(1R,2R,4S,5S)−tert−ブチル4−(ピリジン−4−イル)−8−オキサトリシクロ[3.2.1.02,4]オクタン−2−カルボキシレート(中間体I−13)の調製
【0322】
【化85】
トリメチルスルホオキソニウムヨージド(483mg、2.195mmol)のDMSO(7.3mL)中溶液を、60%のNaHで、鉱油(88mg、2.195mmol)中、処理し、室温にて30分間撹拌した(ガス発生は止まった)。7.0mLのDMSO中の中間体I−12(200mg、0.732mmol)を滴下添加し、得られた混合物を50℃にて16時間温めた。反応物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過し、濃縮して、所望の生成物、中間体I−13(200mg、90%)を得た。LCMS m/z(M+1、288.3)。
【0323】
ステップ2.(1R,2R,4S,5S)−4−(ピリジン−4−イル)−8−オキサトリシクロ[3.2.1.02,4]オクタン−2−カルボン酸(中間体I−14)の調製
【0324】
【化86】
23℃にあるI−13(195mg、0.679mmol)のDCM(容積:5mL)中溶液を、TFA(5mL、64.9mmol)で処理し、2時間撹拌した。揮発物を、窒素気流下で除去し、得られた残渣をトルエンで2回、共沸混合して、TFA塩である所望の生成物、中間体I−14(234mg、95%)を得た。LCMS m/z(M+1、232.1)。
【0325】
ステップ3.化合物85の調製
【0326】
【化87】
I−14(15mg、0.065mmol)とアミン(21.6mg、0.097mmol)とHATU(49mg、0.130mmol)とのEtOAc(1mL)中溶液を、DIEA(0.034ml、0.195mmol)で処理し、反応混合物を70℃にて5時間撹拌した。反応物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過して濃縮した。残渣をFCCで精製して、所望の生成物、化合物85(9.7mg、31%)を得た。
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 8.47 - 8.43 (m, 2H), 7.70 - 7.17 (m, 9H), 4.79 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 4.65 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 2.45 (ddd, J = 11.5, 9.1, 4.0 Hz, 1H), 2.04 - 1.96 (m, 1H), 1.88 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 1.83 (dt, J = 11.3, 4.4 Hz, 1H), 1.79 - 1.69 (m, 1H), 1.26 (d, J = 4.8 Hz, 1H);LCMS m/z(M+1、435.2)。
【0327】
実施例7:(1S,2S,3R,4R)−3−シアノ−N−(3,4−ジクロロフェニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド(化合物77)の合成
【0328】
ステップ1.(1R,2S,3R,4S)−3−((3,4−ジクロロフェニル)カルバモイル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸(中間体I−16)の調製
【0329】
【化88】
Alpha Aesar(500mg、2.97mmol)と3,4-ジクロロアニリン(482mg、2.97mmol)とのTHF(容積:25mL)中溶液のI−15を、23℃にて16時間撹拌した。沈殿物が形成した。反応物をろ過して、I−16(368mg、35%)を得た。LCMS m/z(M+1、330.0)。
【0330】
ステップ2.(1R,2S,3S,4S)−3−((3,4−ジクロロフェニル)カルバモイル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸(中間体I−17)の調製
【0331】
【化89】
I−16(300mg、0.909mmol)のTHF(6mL)および水(6mL)中溶液を、LiOH(218mg、9.09mmol)で処理し、溶液を80℃にて16時間温めた。LCMSは、生成物の完全な形成を示した。反応混合物を1NのHClで酸性化し、EtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過し、濃縮して、I−17(300mg、95%)を得た。LCMS m/z(M+1、330.1)。
【0332】
ステップ3.(1R,2S,3S,4S)−3−((3,4−ジクロロフェニル)カルバモイル)ジクロロフェニル)カルバモイル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸(中間体I−18)の調製
【0333】
【化90】
I−17(100mg、0.303mmol)のテトラヒドロフラン(1212μl)中溶液を、DIEA(58.2μl、0.333mmol)およびクロロギ酸イソブチル(43.6μl、0.333mmol)で処理し、室温にて30分間撹拌した。水酸化アンモニウム(126μl、0.909mmol)を加え、反応物を30分間撹拌した。LCMSは、所望の生成物の比が、出発材料の比とほぼ等しいことを示した。反応を、200mgのI−17で、同じ結果になるまで繰り返した。2つのバッチを合わせ、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過して濃縮した。得られた残渣をFCCで精製しようと試みたが、企図した生成物、中間体I−18を、未反応の出発材料から分離することはできなかった。画分を含有する生成物を合わせ、濃縮し、次の反応へ、そのまま繰り越した。
【0334】
ステップ4.化合物77の調製
【0335】
【化91】
I−18(100mg、0.304mmol)のDCM(容積:2mL)中溶液を、TFAA(0.064mL、0.456mmol)および DIEA(0.106mL、0.608mmol)で処理し、23℃にて4時間撹拌した。LCMSは、前の反応からのSMカルボン酸と一緒に生成物が形成したことを示した。揮発物を窒素気流下で除去し、残渣をFCCで精製して、所望の生成物ニトリル、化合物77(58mg、58%)を得た。LCMS m/z(M+1、311.1)。
【0336】
適当な出発材料を使用して一般的な手順および上記の実施例に記載の手順を繰り返すことによって、以下の表3で特定している以下の式Iの化合物を得た。
【0337】
特定の化合物の、名称と構造との間にかい離があるように見える場合、構造のほうが正しいと考えられ、それは化合物の名称が構造から生じているためであることが理解されよう。
【0338】
具体的に特定されていない限り、表中に描かれた構造は、鏡像異性体の混合物を表すことがさらに理解されよう。
【0339】
【表3-1】
【0340】
【表3-2】
【0341】
【表3-3】
【0342】
【表3-4】
【0343】
【表3-5】
【0344】
【表3-6】
【0345】
【表3-7】
【0346】
【表3-8】
【0347】
【表3-9】
【0348】
【表3-10】
【0349】
【表3-11】
【0350】
【表3-12】
【0351】
【表3-13】
【0352】
【表3-14】
【0353】
【表3-15】
【0354】
【表3-16】
【0355】
【表3-17】
【0356】
【表3-18】
【0357】
【表3-19】
【0358】
【表3-20】
【0359】
【表3-21】
【0360】
【表3-22】
【0361】
【表3-23】
【0362】
【表3-24】
【0363】
【表3-25】
【0364】
【表3-26】
【0365】
【表3-27】
【0366】
【表3-28】
【0367】
【表3-29】
【0368】
【表3-30】
【0369】
本明細書に記載されている実施例および実施形態は、例示の目的にすぎず、それらに照らした種々の変形形態または変更形態が当業者に示唆され、本出願の精神および範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれることが理解されよう。本明細書に引用されている全ての刊行物、特許、および特許出願は、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は以下の態様を包含し得る。
[1] 式(I)
【化92-1】
[式中、
「-----」は、単結合または二重結合を表し、
Aは、CR8aR8b、NR9またはOであり、式中、R8a、R8bおよびR9は、それぞれ独立に、水素またはC1〜6アルキルであり、
Lは、*−C(O)NR10−または*−C(O)O−であり、式中、「*」は、Lの、Aを含有する二環式環への結合点を表し、R10は、水素またはC1〜6アルキルであり、
R0は、水素およびC1〜6アルキルから選択され、
R1は、ハロ、シアノ、−C(O)R11、−C(O)NR12aR12b、−C(O)ONR12aR12b、5員および6員のヘテロシクロアルキル、5員および6員のヘテロシクリル、フェニル、ならびに5員から9員のヘテロアリールから選択され、
式中、
R11は、水素またはC1〜6アルキルであり、
R12aおよびR12bは、それぞれ独立に、水素またはC1〜6アルキルであり、
R1の、前記ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、−C(O)R13、−C(O)OR13、−NR14aR14b、5員および6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R13は、水素、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、アミノおよびC1〜6アルキルアミノから選択され、
R14aおよびR14bは、水素、C1〜6アルキル、−C(O)R15、−C(O)OR15および−S(O)2R15からそれぞれ独立に選択され、式中、R15は、水素またはC1〜6アルキルであり、
R1の、前記ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリール置換基は、ハロ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキルおよびヒドロキシから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されており、
R3は、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、3員から6員のシクロアルキル、(159)、4員から7員のヘテロシクロアルキル、5員から10員のヘテロシクリル、フェニル、および5員から9員のヘテロアリールから選択され、
式中、
R3の、前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、−C(O)R16、−C(O)OR16、−S(O)2R16、5員および6員のヘテロシクロアルキル、ならびにフェニルから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R16は、水素またはC1〜6アルキルであり、
R3の前記フェニルまたはヘテロシクロアルキル置換基は、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されており、
R2およびR4は、それぞれ、水素もしくはC1〜6アルキルであり、またはR2およびR4は一緒になって、Aを含有する前記二環式環へ縮合しているシクロプロピル環を形成し、またはR2およびR4は一緒になって結合を形成してR2およびR4が結合している2個の炭素の間に二重結合をもたらし、
R5は、水素またはC1〜6アルキルであり、またはR5およびR10は、それらが結合している原子と一緒になって、Aを含有する前記二環式環へ縮合している5員または6員の環を形成し、
R6およびR7は、それぞれ、水素もしくはC1〜6アルキルであり、またはR6およびR7は一緒になって結合を形成してR6およびR7が結合している前記2個の炭素の間に二重結合をもたらす]
の化合物、または医薬として許容されるその塩、またはその立体異性体。
[2] 式IA
【化92-2】
[式中、
「-----」は、単結合または二重結合を表し、
R0は、水素およびC1〜6アルキルから選択され、
R1は、シアノ、−C(O)NR12aR12b、6員のヘテロシクロアルキル、6員のヘテロシクリル、フェニル、ならびに5員から9員のヘテロアリールから選択され、
式中、
R12aおよびR12bは、それぞれ独立に、水素またはC1〜6アルキルであり、
R1の、前記ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、−C(O)R13、−C(O)OR13、−NR14aR14b、5員および6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R13は、C1〜6アルキル、アミノおよびC1〜6アルキルアミノから選択され、
R14aおよびR14bは、水素、C1〜6アルキル、−C(O)R15、−C(O)OR15および−S(O)2R15からそれぞれ独立に選択され、式中、R15は、水素またはC1〜6アルキルであり、
R1の、前記ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリール置換基は、非置換であり、または、ハロ、ヒドロキシ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されており、
R3は、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、5員および6員のシクロアルキル、(159)、5員および6員のヘテロシクロアルキル、6員および10員のヘテロシクリル、フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールから選択され、
式中、
R3の、前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、−C(O)R16、−C(O)OR16、−S(O)2R16、5員および6員のヘテロシクロアルキル、ならびにフェニルから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R16は、水素またはC1〜6アルキルであり、
R3の、前記フェニルまたはヘテロシクロアルキル置換基は、非置換であり、または、ハロおよびシアノから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されており、
R2およびR4は、それぞれ、水素もしくはC1〜6アルキルであり、またはR2およびR4は一緒になって、前記二環式環へ縮合しているシクロプロピル環を形成し、またはR2およびR4は一緒になって結合を形成してR2およびR4が結合している前記2個の炭素の間に二重結合をもたらし、
R5は、水素もしくはC1〜6アルキルであり、またはR5およびR10は、それらが結合している前記原子と一緒になって、前記二環式環へ縮合している5員または6員の環を形成し、
R6およびR7は、それぞれ、水素もしくはC1〜6アルキルであり、またはR6およびR7は一緒になって結合を形成してR6およびR7が結合している前記2個の炭素の間に二重結合をもたらす]
のものである、上記[1]に記載の化合物。
[3]
【化92-3】
から選択される式のものである、上記[1]または[2]に記載の化合物。
[4] R1が、フェニル、5員または6員のヘテロアリールであり、前記フェニルまたはヘテロアリールが、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、−C(O)R13、−C(O)OR13、−NR14aR14b、5員および6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R13は、C1〜6アルキル、アミノおよびC1〜6アルキルアミノから選択され、
R14aおよびR14bは、それぞれ独立に、水素、C1〜6アルキル、−C(O)R15、−C(O)OR15から選択され、式中、R15は、C1〜6アルキルであり、
R1の、前記ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリール置換基は、非置換であり、または、ヒドロキシ、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されており、
式中、
R13は、C1〜6アルキル、アミノおよびC1〜6アルキルアミノから選択され、
R14aおよびR14bは、それぞれ独立に、水素、C1〜6アルキル、−C(O)R15、−C(O)OR15から選択され、式中、R15は、C1〜6アルキルであり、
R1の、前記ヘテロシクロアルキルまたはフェニル置換基は、非置換であり、または、ヒドロキシ、ハロ、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されている、
上記[1]から[3]のいずれか一項に記載の化合物。
[5] R1は、
【化92-4】
から選択され、式中、「*」は、R1の、二環式コア環への結合点を表す、上記[1]から[3]のいずれか一項に記載の化合物。
[6] R3は、フェニル、5員または6員のヘテロアリールであり、
式中、
R3の、前記フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、−C(O)R16、−C(O)OR16、−S(O)2R16、5員および6員のヘテロシクロアルキル、ならびにフェニルから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R16は、C1〜6アルキルであり、
R3の、前記フェニルまたはヘテロシクロアルキル置換基は、非置換であり、または、ハロまたはシアノから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されている、
上記[1]から[5]のいずれか一項に記載の化合物。
[7] R3は、
【化92-5】
から選択され、式中、「*」は、R3の、前記二環式環への前記結合点を表す、上記[1]から[5]のいずれか一項に記載の化合物。
[8] 式IB
【化92-6】
[式中、
「-----」は、単結合または二重結合を表し、
R1は、フェニル、5員または6員のヘテロアリールであり、
式中、
R1の、前記フェニルまたはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜4ハロアルキル、−C(O)R13、−C(O)OR13、−NR14aR14b、5員および6員のヘテロシクロアルキル、フェニル、ならびに5員および6員のヘテロアリールから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R13は、C1〜6アルキルまたはアミノであり、
R14aおよびR14bは、それぞれ独立に、水素、C1〜6アルキル、−C(O)R15および−C(O)OR15から選択され、式中、R15は、C1〜4アルキルであり、
R1の、前記ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリール置換基は、非置換であり、または、ハロ、ヒドロキシおよびC1〜6アルキルから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
R3は、フェニル、5員または6員のヘテロアリールであり、前記フェニルもしくはヘテロアリールは、非置換であり、または、ハロ、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、−C(O)R16、−C(O)OR16、5員および6員のヘテロシクロアルキル、ならびにフェニルから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、
式中、
R16は、C1〜6アルキルであり、
前記ヘテロシクロアルキルまたはフェニルは、非置換であり、またはハロおよびシアノから選択される1〜2つの置換基で置換されており、
R2およびR4は、独立に、水素もしくはC1〜6アルキルであり、またはR2およびR4は一緒になって、前記二環式環へ縮合しているシクロプロピルを形成し、またはR2およびR4は一緒になって結合を形成してR2およびR4が結合している前記2個の炭素の間に二重結合をもたらす]
のもの、または医薬として許容されるその塩、またはその立体異性体である、上記[1]に記載の化合物。
[9]
【化92-7】
から選択される式のものである、上記[8]に記載の化合物。
[10] 式
【化92-8】
から選択される式のものである、上記[8]または[9]に記載の化合物。
[11] R1が、5員または6員のヘテロアリールであり、非置換であり、または、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキルおよびNHR14bから独立に選択される1〜2つの置換基で置換されており、式中、R14bは、水素またはC1〜4アルキルである、上記[8]から[10]のいずれか一項に記載の化合物。
[12] R1が、ピラゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルおよびピラジニルから選択され、前記ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニルまたはピラジニルは、非置換であり、または−NH2、−NHC(O)OCH3またはトリフルオロメチルで置換されている、上記[8]から[10]のいずれか一項に記載の化合物。
[13] R1が、
【化92-9】
から選択され、式中、「*」は、R1の、前記二環式コア環への前記結合点を表す、上記[8]から[10]のいずれか一項に記載の化合物。
[14] R3が、ハロ、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、フェニル、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、−C(O)R16、−C(O)OR16から独立に選択される1〜2つの置換基で置換されたフェニルであり、式中、R16は、C1〜6アルキルであり、R3の前記フェニル置換基が、非置換であり、または、ハロおよびシアノから独立に選択される1〜2つの置換基でさらに置換されている、上記[8]から[13]のいずれか一項に記載の化合物。
[15] R3が、
【化92-10】
から選択され、式中、「*」は、R1の、前記二環式コア環への前記結合点を表す、上記[8]から[13]のいずれか一項に記載の化合物。
[16] 表3、および明細書の31〜38頁に記載される化合物のリストから選択される、上記[1]に記載の化合物、またはその鏡像異性体。
[17] 上記[1]から[16]のいずれか一項に記載の化合物、またはその塩もしくは立体異性体、および医薬として許容される賦形剤を含む医薬組成物。
[18] 関節内送達用に製剤化されている医薬組成物であって、上記[1]から[16]のいずれか一項に記載の医薬として有効な量の化合物、またはその塩もしくは立体異性体、および医薬として許容される賦形剤を含む医薬組成物。
[19] アンジオポエチン様タンパク質3(ANGPTL3)、経口サケカルシトニン、SD−6010(iNOS阻害薬)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、コラーゲン加水分解物、FGF18、BMP7、酢酸ルサラチド、アボカドダイズ不けん化物(ASU)、ステロイド、および非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、ならびにヒアルロン酸から選択される作用剤をさらに含む、上記[17]または[18]に記載の組成物。
[20] それを必要とする哺乳類における関節炎または関節傷害を治療、寛解または予防する方法であって、前記哺乳類の関節に、治療有効量の、上記[1]から[16]のいずれか一項に記載の化合物、または上記[16]から[18]のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与して、それにより前記哺乳類における関節炎または関節傷害を治療、寛解または予防するステップを含む、方法。
[21] 前記関節炎が、骨関節炎、外傷性関節炎または自己免疫性関節炎である、上記[20]に記載の方法。
[22] 前記化合物または医薬組成物の投与が、マトリックスまたは生体適合性スキャフォールド中で起こる、上記[20]または[21]に記載の方法。
[23] 間葉系幹細胞から軟骨細胞への分化を誘導する方法であって、間葉系幹細胞を、上記[1]から[16]のいずれか一項に記載の十分な量の化合物、またはその塩もしくは立体異性体、または上記[17]から[19]のいずれか一項に記載の医薬組成物と接触させて、それにより前記幹細胞から軟骨細胞への分化を誘導するステップを含む方法。
[24] 前記接触が、哺乳類においてインビトロまたはインビボで実施され、インビボの場合は、前記幹細胞が前記哺乳類中に存在する、上記[23]に記載の方法。
[25] 前記化合物との接触が、マトリックスまたは生体適合性スキャフォールド中で起こる、上記[23]または[24]に記載の方法。
[26] 前記化合物との接触が、1種または複数のさらなる軟骨形成因子と併せて起こる、上記[23]から[25]のいずれか一項に記載の方法。
[27] 前記化合物との接触が、アンジオポエチン様タンパク質3(ANGPTL3)、経口サケカルシトニン、SD−6010(iNOS阻害薬)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、コラーゲン加水分解物、FGF18、BMP7、酢酸ルサラチド、アボカドダイズ不けん化物(ASU)、ステロイド、および非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、ならびにヒアルロン酸から選択される作用剤と併せて起こる、上記[23]から[25]のいずれか一項に記載の方法。