(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記可動式転向滑車を可動に案内する当該案内溝を一組として、二組の可動式転向滑車及び案内溝が前記枠体に設けられ、該二組の可動式転向滑車及び案内溝は、それぞれ当該遮蔽材の前後方向に対称で、且つそれぞれの案内溝間の距離が上方から下方に向かって大きくなるよう曲線状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の昇降コード支持装置。
前記昇降コードは、前記二組の可動式転向滑車及び案内溝のうち、第1の案内溝によって規制される第1の可動式転向滑車の下方に沿って案内された後、第2の案内溝によって規制される第2の可動式転向滑車の上方に沿って案内され、前記遮蔽材へと下方に垂下されるよう構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の昇降コード支持装置。
前記昇降コードは、固定位置の固定式転向滑車の下方に沿って案内された後、前記案内溝によって規制される当該可動式転向滑車の上方に沿って案内され、前記遮蔽材へと下方に垂下されるよう構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の昇降コード支持装置。
前記遮蔽材が多数段のスラットからなる際に、前記可動式転向滑車から垂下される当該昇降コードは、当該遮蔽材の畳み込み時に、略鉛直方向に垂下されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の昇降コード支持装置。
前記遮蔽材がジクザグ状に折り曲げ可能としたスクリーンからなる際に、前記可動式転向滑車から垂下される当該昇降コードは、当該ジクザグ状に折り曲げられたスクリーンの一方側の折り目に係合して垂下され、当該遮蔽材の畳み込み時に、該折り目との係合で付勢される押圧力が緩和する方向に移動して垂下されることを特徴とする、請求項1 に記載の昇降コード支持装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明に係る遮蔽装置として、横型ブラインド及びプリーツスクリーンを順に説明する。尚、本願明細書中、
図1に示す横型ブラインドの正面図に対して、図示上方及び図示下方をスラットの吊り下げ方向に準じてそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、図示左方向を横型ブラインドの左側、図示右方向を横型ブラインドの右側と定義する。また、
図1の正面図を視認する側を前側(室内側)、及び、その反対側を後側(又は室外側)とし、横型ブラインドの前後方向と称するときは、
図1の正面図における図示面に対して垂直な方向を云う。また、プリーツスクリーンについても、上下・左右・前後方向を同様に定義して説明する。
【0026】
〔第1実施形態〕
(横型ブラインドの全体構成)
図1は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置(横型ブラインド)の概略構成を示す正面図である。
図1に示す横型ブラインドは、ヘッドボックス1の左端部側/右端部側及び中央部側にそれぞれ配設された支持機構5L,5R,5Mから垂下するラダーコード9L,9R,9Mを介して多数段のスラット4が吊下支持され、それぞれのラダーコード9L,9R,9Mの下端にボトムレール8が吊下支持されている。ヘッドボックス1は、ブラケット6を介して天井側の取付面に固定される。
【0027】
また、支持機構5L,5Rの各々は、ヘッドボックス1から、それぞれ室外側のラダーコード9L,9Rに併設して昇降コード10L,10Rが垂下され、その昇降コード10L,10Rの下端にボトムレール8が取着されている。
【0028】
一方、支持機構5Mは、ヘッドボックス1から、室内側のラダーコード9Mに併設して昇降コード10Mが垂下され、その昇降コード10Mの下端にボトムレール8が取着されている。
【0029】
そして、昇降コード10Mを垂下する支持機構5Mの下面側には、詳細に後述する昇降コード支持装置55が設けられている。支持機構5L,5Rの各々は、昇降コード支持装置55が設けられず、1つの固定式転向滑車555が設けられる点を除き、支持機構5Mとほぼ同様の構造を有している。尚、支持機構5Mの詳細な構造は後述する。支持機構5L,5R,5Mの各々には四角棒状の駆動軸11が挿通されている。
【0030】
支持機構5L,5R,5Mの外壁を為すケース56L,56R,56M内には、それぞれのラダーコード9L,9R,9Mの各上端を支持する吊下げ部材53を装着したチルトドラム52が回転可能に支持され、このチルトドラム52に駆動軸11が相対回転不能に挿通されている。従って、駆動軸11が回転されると、当該チルトドラム52が回転し、ラダーコード9L,9R,9Mにより吊下支持された多数段のスラット4の角度が調整されるようになっている。
【0031】
また、支持機構5L,5R,5Mの各々のケース56L,56R,56M内には、ボトムレール8に下端を取着する昇降コード10L,10R,10Mの上端を巻取可能に取着した巻取軸51がチルトドラム52と相対回転不能に併設され、この巻取軸51に駆動軸11が相対回転不能に挿通されている。
【0032】
ヘッドボックス1の右端側には、無端状のボールチェーン2を掛装可能に凹凸の外周溝を内部に有する略円形の操作ユニット3が設けられている。操作ユニット3は、ボールチェーン2の操作によって、その中心軸が回転可能に構成され、この中心軸は、ヘッドボックス1内の右端部に設けられたギア機構7に連結している。また、ギア機構7は駆動軸11を連結しており、操作ユニット3の中心軸の回転を駆動軸11の回転へと伝達するよう構成されている。尚、操作ユニット3の形態は、駆動軸11の回転へと伝達可能な形態であれば任意の形態とすることができ、例えば、駆動軸11を直接的に中心軸とするプーリーで構成することや、無端状のボールチェーン2を掛装する代わりに、無端状で紐状の操作コードを掛装するよう構成してもよい。この場合、略円形の操作ユニット3は、無端状で紐状の操作コードを高摩擦で掛装可能な形状とすればよい。
【0033】
したがって、ボールチェーン2の操作によって、操作ユニット3の中心軸を回転操作することで、駆動軸11にその回転を伝達し、支持機構5L,5R,5Mを介してラダーコード9により吊下支持された多数段のスラット4の角度を調整することができ、更には、ボトムレール8に下端を取着された昇降コード10L,10R,10Mを、支持機構5L,5R,5Mを介してヘッドボックス1内への引き込み及びヘッドボックス1からの引き出しを行うことによって、ボトムレール8を昇降させることによりスラット4を昇降させることができる。
【0034】
尚、ギア機構7に連結する駆動軸11について、図示しないストッパー装置を設けることができる。このストッパー装置は、ボールチェーン2の操作によりボトムレール8を上昇させた後、手放したとき、ボトムレール8やスラット4の自重で昇降コード10L,10R,10Mが移動するのを防止するよう駆動軸11の回転をロックする公知の作用をなす。
【0035】
本例では、紐状の昇降コード10L,10R,10Mを巻取軸51により巻取り、或いは巻き戻すことで、ボトムレール8を昇降させる例を代表的に説明するが、例えば薄く幅広なテープ状で昇降コード10L,10R,10Mを構成し、巻取軸51の代わりに構成する巻取パイプにより巻取り、或いは巻き戻すことで、ボトムレール8を昇降させるよう構成することができる。
【0036】
ここで、
図2を参照して、本実施形態の横型ブラインドにおける中央部側の支持機構5Mから吊下支持されるスラット形状の構成例を代表して説明する。
図2(a)に示すように、本例では、スラット4の前後方向の室内側縁部にて昇降コード10Mが垂下される。各スラット4は、ラダーコード9M間で交差する2本の横糸9a,9b間に挿通させるように構成している。これにより、各横糸9a,9bを有する前後のラダーコード9を介して、スラット4をチルト操作可能に吊下支持することができ、昇降コード10Mの下端を取着したボトムレール8を昇降させて、各スラット4を昇降させることができる。一方、
図2(b)に示すように、各スラット4の室内側縁部に切欠き4aを設け、ラダーコード9Mにおける交差する2本の横糸9a,9b間にスラット4を挿通し、その横糸9a,9bの交差部を切欠き4aに係合させるよう構成してもよい。更には、この切欠き4aに係合させる代わりに、各スラット4の室内側縁部近傍に挿通孔を設け、この挿通孔に昇降コード10Mを挿通して垂下するようにしてもよい。
【0037】
尚、上下のスラット4間で、昇降コード10Mを各横糸9a,9b間に挿通することができる。或いは、上下のスラット4間で、各横糸9a,9b間に挿通する際に、上側スラット4では横糸9aの右側且つ横糸9bの左側に昇降コード10aを挿通し、下側スラット4では横糸9aの左側且つ横糸9bの右側に昇降コード10aを挿通して、編み込む態様とすることもできる(図示せず)。或いはまた、上下のスラット4間で、各横糸9a,9b間に挿通せずに、各横糸9a,9bの左側/右側へと交互に編み込む態様とすることもできる(図示せず)。このように編み込む態様では、多数段のスラット4の1つおきや2つおきなどで昇降コード10Mを所定段毎に編み込むよう構成してもよい。本実施形態の横型ブラインドにおける左端部側及び右端部側の支持機構5L,5Rから吊下支持されるスラット形状や昇降コード10L,10Rの垂下や編み込みの形態も同様に構成することができる。そして、昇降コード10L,10Rは、各スラット4の室外側縁部やその近傍に設けられる当該切欠き又は挿通孔を利用して垂下される。
【0038】
図3(a),(b)は、それぞれ本実施形態の横型ブラインドにおける左端部側/右端部側及び中央部側の支持機構5L,5R,5Mの概略構成を示す側面図である。
図3(a)に示すように、左端部側/右端部側の支持機構5L,5Rでは、従来技法と同様に、固定式転向滑車555を用いてヘッドボックス1の固定位置からそれぞれの昇降コード10L,10Rが垂下される。
【0039】
一方、
図3(b)に示すように、中央部側の支持機構5Mには、その下面側に昇降コード支持装置55が設けられている。昇降コード支持装置55には、支持機構5Mから垂下される昇降コード10Mを挿通可能な枠体を有し、該枠体の内側両側壁に案内溝54a,54bが形成され、当該内側両側壁に挟み込まれた可動式転向滑車553,554が、昇降コード10Mの垂下を案内するべく、当該案内溝54a,54bに沿って移動可能に設けられている。したがって、中央部側の支持機構5Mでは、昇降コード支持装置55により、可動式転向滑車553,554を用いてヘッドボックス1から昇降コード10Mが各スラット4の室内側縁部に沿って垂下される。尚、本例では、支持機構5Mの設置向きを逆向き設置可能とするべく2つの可動式転向滑車553,554を用いて垂下する例を示しているが、可動式転向滑車554については、
図3(b)に示す位置で固定式の転向滑車としてもよい。
【0040】
以下、昇降コード支持装置55を備える支持機構5Mについて詳細に説明する。
【0041】
(昇降コード支持装置)
まず、
図4及び
図5を参照して、本発明による第1実施形態の遮蔽装置(横型ブラインド)における支持機構5Mの概略構成を説明する。
図4は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置(横型ブラインド)における中央部側の支持機構5Mの概略構成を示す分解斜視図である。
図5(a),(b)は、それぞれ本発明による第1実施形態の遮蔽装置(横型ブラインド)における中央部側の支持機構5Mの概略構成を説明する平面図である。
【0042】
本実施形態の支持機構5Mは、
図1及び
図3(b)に示すように、ラダーコード9Mを介して複数のスラット4を吊下支持するとともに、昇降コード10Mを各スラット4の室内側縁部に沿って垂下させる装置であり、その下面側に昇降コード支持装置55が設けられている。
【0043】
即ち、本実施形態の支持機構5Mは、
図4に示すように、主に、巻取軸51、チルトドラム52、吊下げ部材53、昇降コード支持装置55(滑車支持部材551,552、及び可動式転向滑車553,554)、及びケース56Mから構成される。そして、
図5(a)は、支持機構5Mのケース56Mに対して、昇降コード支持装置55(滑車支持部材551,552、及び可動式転向滑車553,554)のみを設置した際の平面図を示しており、
図5(b)は、昇降コード支持装置55を設置したケース56Mに対して、巻取軸51、チルトドラム52、吊下げ部材53を設置した際の平面図を示している。
【0044】
巻取軸51は、複数のスラット4の下段に設けられたボトムレール8を吊下支持する昇降コード10Mを巻取り、或いは巻戻し可能に取着して、ボトムレール8を昇降させることにより各スラット4を昇降可能に構成される。より具体的には、巻取軸51には、昇降コード10Mを巻取り、或いは巻戻し可能に取着する巻取軸面51aが設けられる。また、この巻取軸面51aの一端部には、巻取軸面51aより径の大きいフランジ51dが形成され、昇降コード10Mの巻取り又は巻戻し時のズレを防止している。巻取軸51をケース56M内で支持するために、取軸面51aの他端部とフランジ51dにそれぞれ連なって略円柱状の支持軸51c,51bがそれぞれケース56Mの形状に合わせてケース56M内で支持されるべく突出している。
【0045】
支持軸51cは、ケース56Mの端部56eで支持されるよう構成され、巻取軸51は、ケース56Mの一部(収容部56a,56b)に収容される。そして、ケース56Mの収容部56bの底部には、巻取軸51からボトムレール8へと昇降コード10Mを垂下可能にする挿通孔56hが設けられる(
図5参照)。また、昇降コード10Mの昇降動作を円滑にするために挿通孔56hに昇降コード10Mを案内する昇降コード支持装置55(滑車支持部材551,552、及び可動式転向滑車553,554)が設けられる。ところで、
図5で、前後方向(図示上下方向)の二箇所に挿通孔56hを設けているのは、ケース56Mの逆向き配置で昇降コード10Mの垂下を可能にする意図であり、ケース56Mの向きが決定されているときは、一箇所に挿通孔56hを設ける構成でよい。
【0046】
また、この収容部56aに収容する支持軸51cの部分に、例えば特開2007−192021号公報にて開示されるような障害物検知停止装置を組み付けてもよい。障害物検知停止装置は、スラット4の下降中にボトムレール8が障害物に衝突すると、昇降コード10Mの巻き戻しを中止し、スラット4及びボトムレール8の下降を停止させる装置である。巻取軸51の中心軸には、駆動軸11を相対回転不能に挿通可能な挿通孔が設けられ、駆動軸11が巻取軸51の中心軸に挿通されると、駆動軸11の回転に伴い巻取軸51が回転するようになっている。
【0047】
チルトドラム52は、駆動軸11を介して隣接配置される巻取軸51と一体に回転するとともに、吊下げ部材53を装着可能に構成されている。より具体的には、吊下げ部材53を装着可能としたドラム溝52aが形成され、このドラム溝52aに装着された吊下げ部材53は、その軸方向のズレが防止されるようになっている。チルトドラム52は、隣接配置される巻取軸51とは逆側の面に、チルトドラム52をケース56M内で支持するための支持軸52bがケース56Mの形状に合わせて支持部56fにより支持されるべく突出している。したがって、吊下げ部材53を装着したチルトドラム52は、ケース56の一部(収容部56c)に収容される。ケース56の収容部56cの底部には、吊下げ部材53から各スラット4へとラダーコード9Mを垂下可能にする挿通孔56jが設けられている(
図5参照)。そして、このチルトドラム52の中心軸に駆動軸11が相対回転不能に挿通可能な挿通孔が設けられ、駆動軸11がチルトドラム52の中心軸に挿通されると、駆動軸11の回転に伴いチルトドラム52が回転するようになっている。
【0048】
吊下げ部材53は、複数のスラット4を前後両側から吊下支持するラダーコード9Mの各上端を支持するよう構成され、チルトドラム52に装着される。より具体的には、吊下げ部材53は、弾性を有する環状に折り曲げた捩じりコイルスプリングで構成され、該捩じりコイルスプリングの両端部には当該前後両側のラダーコード9Mの上端部を掛止め可能とする一対の掛止部53aが形成され、該一対の掛止部53aの各先端は、当該捩じりコイルスプリングの中心軸方向に沿って直角に折り曲げられて一対の係合端53bが形成されている。そして、チルトドラム52を収容するケース56Mの一部(収容部56c)には、突起部(本例では、階段状内壁部56g)が形成され、チルトドラム52の回転が所定角度となる際に、一対の係合端53bのいずれか一方が当該突起部に当接することでチルトドラム52に対して吊下げ部材53が空転するようになっている。このため、このような突起部(本例では、階段状内壁部56g)は、チルトドラム52の回転が所定角度となる際に、チルトドラム52の回転とは独立して吊下げ部材53の回転を規制する回転規制手段として機能する。
【0049】
昇降コード支持装置55は、主に、支持機構5Mから垂下される昇降コード10Mを挿通可能な枠体を構成する滑車支持部材551,552、及び可動式転向滑車553,554から構成される。滑車支持部材551,552の各々の内側側壁には、それぞれ互いに対向する案内溝54a,54bが形成されている。案内溝54a,54bは、それぞれスラットの前後方向に対称で、且つ案内溝54a,54b間の距離が上方から下方に向かって大きくなるよう曲線状に形成されている。可動式転向滑車553,554の軸部をそれぞれ案内溝54a,54bに係合させて、可動式転向滑車553,554を滑車支持部材551,552間に挟み込んで一体化させることで昇降コード支持装置55は構成される。そして、滑車支持部材551,552の当該内側両側壁に挟み込まれた可動式転向滑車553,554が昇降コード10Mの垂下を案内するよう昇降コード支持装置55がケース56Mの設置部56kに設置される。したがって、支持機構5Mでは、昇降コード支持装置55により、可動式転向滑車553,554を用いてヘッドボックス1から昇降コード10Mが各スラット4の室内側縁部に沿って垂下される。
【0050】
尚、
図4に示す滑車支持部材552の外側側壁には、昇降コード10Mの垂下に隣接する吊下げ部材53によって吊下支持されるラダーコード9Mの円滑な垂下を補助する補助板556が形成されているが、この補助板556は必ずしも設ける必要はない。
【0051】
このように構成された支持機構5Mは、駆動軸11の回転を操作することで、チルトドラム52及び吊下げ部材53が一体に回転して、ラダーコード9Mを介してスラット4を回動させてスラット4の角度調整を可能とし、更に、所定の角度でスラット4を回動させた後、巻取軸51により昇降コード10Mを巻取り、或いは巻き戻すことで各スラット4を昇降可能にしている。つまり、各スラット4の昇降操作時には、駆動軸11の回転に伴ってチルトドラム52が回転し、チルトドラム52の回転が所定角度となる際に、吊下げ部材53の一対の係合端53bのいずれか一方が突起部(本例では、階段状内壁部56g)に当接するため、吊下げ部材53は、チルトドラム52の回転に対して空転し、吊下げ部材53の回転が規制される。このとき、各スラット4がチルトされた状態で、駆動軸11の回転に伴って巻取軸51が回転し、昇降コード10Mを巻取り、或いは巻き戻すことができる。
【0052】
ここで、昇降コード支持装置55における可動式転向滑車553,554及び案内溝54a,54bについて詳細に説明する。昇降コード支持装置55における可動式転向滑車553,554及び案内溝54a,54bは、昇降コード10Mに対して
図6(a),(b)に示すように配置される。特に、
図6(a)はスラット4の上昇時の状態図を示し、
図6(b)はスラット4の下降時の状態図を示している。可動式転向滑車553,554はそれぞれ略同一形状を有し、案内溝54a,54bは、それぞれ鉛直方向に対して対称的な溝形状を有している。そして、昇降コード10Mの移動によって可動式転向滑車553,554の軸部が回転することで案内溝54a,54bを走査するように、可動式転向滑車553,554の軸部と案内溝54a,54bは所定の摩擦力が働いている。尚、可動式転向滑車553,554の軸部と案内溝54a,54bは、昇降コード10Mと滑車面との間で生じる摩擦力よりも十分に小さい摩擦力で互いに噛み合うギア形状としてもよい。
【0053】
巻取軸51から垂下される昇降コード10Mは、案内溝54bによって規制される可動式転向滑車554の下方に沿って案内された後、案内溝54aによって規制される可動式転向滑車553の上方に沿って案内され、最上段のスラット4へと下方に垂下される。巻取軸51から垂下される昇降コード10Mの垂下位置は、巻取軸51の巻取径によって定められ、各スラット4へと向かう昇降コード10Mの垂下位置は、各スラット4に対する昇降コード10Mの係合位置によって定められる。
【0054】
本実施形態の昇降コード支持装置55では、
図6(a)に示すように、スラット4を上昇操作すると、昇降コード10Mが右上方へと移動するため(図示矢印方向)、曲線状に形成された案内溝54bに案内されて上方へと力が働き、結果的に、可動式転向滑車554は案内溝54bの最上位に位置される。このとき、可動式転向滑車553には昇降コード10Mの移動に伴う回転が生じ(図示矢印方向)、案内溝54aを走査するため、結果的に、可動式転向滑車553は、曲線状に形成された案内溝54aの最上位に位置するよう案内される。
【0055】
また、
図6(b)に示すように、スラット4を下降操作すると、昇降コード10Mが左下方へと移動するため(図示矢印方向)、可動式転向滑車554には、曲線状に形成された案内溝54bに案内されて上方へと力が働き、結果的に、可動式転向滑車554は案内溝54bの最上位に位置される。したがって、可動式転向滑車554については、スラット4の上昇操作及び下降操作に関わらず、案内溝54bの最上位に位置するため固定式の転向滑車とすることもできるが、支持機構5Mの逆向き配置も鑑みて、可動式転向滑車554として構成することができる。このとき、可動式転向滑車553には昇降コード10Mの移動に伴う回転が生じ(図示矢印方向)、案内溝54aを走査するため、結果的に、可動式転向滑車553は、曲線状に形成された案内溝54aの最下位に位置するよう案内される。
【0056】
尚、スラット4の昇降操作を停止して、駆動軸11の回転がストッパー装置によりロックされた状態では、
図6(a),(b)に示すように、可動式転向滑車553には、可動式転向滑車553に対する張力F1と、ボトムレール8のウェイトに伴う張力F2から合成される合成力F3が働くが、この合成力F3の垂線PLで対称的な力F4が可動式転向滑車553に働くよう可動式転向滑車553の軸部と摩擦する案内溝54aの曲線形状を形成しているため、PL軸方向に力が働きにくいので張力均衡させることができ、可動式転向滑車553を案内溝54a上で安定的に静止させることができる。
【0057】
以下、
図7を参照して、本実施形態の昇降コード支持装置55の動作例を説明する。
図7(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施形態の横型ブラインドにおける中央部側の支持機構5Mに設けられた昇降コード支持装置55の動作を説明する側面図である。
【0058】
例えば前述した
図3(b)に示すように、支持機構5Mにより、ラダーコード9Mを介して各スラット4が略水平状態に吊下支持されている状態(非チルト動作時)から、スラット4を上昇操作(畳み込み操作)する場合を考える。スラット4を上昇操作すると、チルトドラム52の回転が所定角度となる際に、吊下げ部材53の一対の係合端53bのうち図示右側の係合端53bが当該突起部(本例では、階段状内壁部56g)に当接し、吊下げ部材53の回転が規制され、ラダーコード9を介して各スラット4が略垂直状態に吊下支持される逆全閉状態(チルト動作時)となる。
【0059】
そして、
図7(a)に示すように、スラット4を上昇操作すると、巻取軸51の回転による昇降コード10Mの巻取りが行われ、昇降コード10Mが上方へと移動する。このとき、可動式転向滑車554には上方へと力が働き、結果的に、可動式転向滑車554は案内溝54bの最上位に位置するよう案内される。可動式転向滑車553には昇降コード10Mの移動に伴う回転が生じ案内溝54aを走査するため、結果的に、可動式転向滑車553は案内溝54aの最上位に位置するよう案内される。このような可動式転向滑車553,554の位置で垂下される昇降コード10Mは、略鉛直方向に垂下され、特に、最上段のスラット4に対して当該逆全閉状態を水平状態へと戻すような力が働きにくくなる。これにより、スラット4の畳み込み時にそのスラット4が開いてしまい、光漏れが生じうる問題を解消することができる。
【0060】
一方、スラット4を下降操作すると、チルトドラム52の回転が所定角度となる際に、吊下げ部材53の一対の係合端53bのうち図示右側の係合端53bが当該突起部(本例では、階段状内壁部56g)に当接し、吊下げ部材53の回転が規制され、ラダーコード9を介して各スラット4が略垂直状態に吊下支持される全閉状態(チルト動作時)となる。そして、
図7(b)に示すように、スラット4を下降操作すると、巻取軸51の回転による昇降コード10Mの巻戻しが行われ、昇降コード10Mが下方へと移動する。このとき、可動式転向滑車554には上方へと力が働き、結果的に、可動式転向滑車554は案内溝54bの最上位に位置するよう案内される。可動式転向滑車553には昇降コード10Mの移動に伴う回転が生じ案内溝54aを走査するため、結果的に、可動式転向滑車553は案内溝54aの最下位に位置するよう案内される。このような可動式転向滑車553,554の位置で垂下される昇降コード10Mは、特に、最上段のスラット4に対して全閉状態を水平状態へと戻すような力が働きにくくなる。したがって、スラット4の下降操作時にも、そのスラット4が開いてしまう問題が生じることはない。
【0061】
ここで、
図8を参照して、本実施形態の昇降コード支持装置55の動作の作用・効果をより具体的に説明する。
図8(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施形態の横型ブラインドにおける昇降コード支持装置55の畳み込み操作時の動作と、その比較例を示す説明図である。
【0062】
図8(a)は、本発明に係る昇降コード支持装置55を備える支持機構5Mの動作例を示す図であり、
図7(a)を参照して説明した畳み込み操作時の逆全閉状態(チルト動作時)を示している。一方、
図8(b)は、本発明に係る昇降コード支持装置55を備える支持機構5Mとは相違して、昇降コード支持装置55が設けられておらず、固定式転向滑車557のみで垂下する場合を例示しており、同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
図8(a),(b)を比較して分かるように、昇降コード支持装置55が設けられていない場合には、本発明に係る昇降コード支持装置55の場合よりも、各スラット4が緩角度で略垂直状態に吊下支持され、各スラット4間の隙間が比較的大きく存在する。即ち、
図8(b)に示す例では、特に、最上段のスラット4に対して逆全閉状態を水平状態へと戻すような力が働きやすいためである。したがって、
図8(a)に示す本発明に係る昇降コード支持装置55の場合では、各スラット4間の遮蔽効果を高めることができる。
【0063】
以上のように、本実施形態の昇降コード支持装置55及びその横型ブラインドは、逆全閉状態(或いは全閉状態)時の遮光性を向上させることができる。
【0064】
また、本実施形態の昇降コード支持装置55及びその横型ブラインドは、1つの駆動軸11で、スラット4の角度調整を可能とするとともに各スラット4を昇降可能とした状態で、遮光性を向上させることができる。
【0065】
また、本実施形態の昇降コード支持装置55及び横型ブラインドは、特許文献1に開示されるような案内リングを用いずにスラットの畳み込み時における遮光性を向上させることができるので、美観を損なわずに済む。
【0066】
〔第2実施形態〕
(プリーツスクリーンの全体構成)
次に、
図9乃至
図12を参照して、本発明に係る昇降コード支持装置55を備える支持機構80L,80Rをプリーツスクリーンに適用した例について説明する。
図9(a)は、それぞれ本発明による第2実施形態の遮蔽装置(プリーツスクリーン)の概略構成を示す斜視図であり、
図9(b)は、
図9(a)にてA視される部分拡大図である。
図9に示すプリーツスクリーンは、上下方向にジクザグ状に折り曲げ可能としたスクリーン72をヘッドボックス71から吊下支持し、そのスクリーン72をヘッドボックス71に設けられる操作ユニット(図示せず)を介して紐又はボールチェーンなどの所定の操作コード(図示せず)により昇降して採光量を適宜に調節するものである。
【0067】
スクリーン72は、ジクザグ状に折り目79が設けられた生地の一方側の数段おきの折り目79に、挿通孔78が設けられる(
図9(b)参照)。
図9(b)に示す例では、ヘッドボックス71から垂下するための昇降コード3を巻取可能に支持する支持機構80L,80M,80Rがスクリーンの左右方向にて互いに異なる位置、即ちヘッドボックス71内の左端部側、中央部側及び右端部側に配設されている。支持機構80L,80M,80Rの各垂下位置75aから垂下される各昇降コード75は、それぞれのスクリーン72の挿通孔78に挿通されて、その下端はボトムレール73の取付部75bに取着される。
【0068】
尚、スクリーン72における前後にて昇降コード75に対して対向配置したピッチ保持コード76により昇降コード75を挿通しつつスクリーン72を支持するよう構成される。より具体的には、支持機構80Mは、スクリーン72における前側(即ち、プリーツスクリーンの室内側)から昇降コード75を垂下し、スクリーン72における後側(即ち、プリーツスクリーンの室外側)に対向配置したピッチ保持コード76にて等間隔に多数設けられた環状の支持コード77に対して、挿通孔78を利用して当該昇降コード75を挿通させ垂下させている。このピッチ保持コード76は、その上端がヘッドボックス71の室外側よりの取付部76aに取着されて鉛直方向に垂下された後、その下端がボトムレール73の室外側よりの取付部76bに取着され、環状の支持コード77によりジクザグ状のスクリーン72が支持されるようになっている。
【0069】
一方、支持機構80L,80Rは、それぞれ、スクリーン72における後側(即ち、プリーツスクリーンの室外側)から昇降コード75を垂下し、スクリーン72における前側(即ち、プリーツスクリーンの室内側)に対向配置したピッチ保持コード76にて等間隔に多数設けられた環状の支持コード77に対して、挿通孔78を利用して当該昇降コード75を挿通させ垂下させている。このピッチ保持コード76は、その上端がヘッドボックス71の室内側よりの取付部76aに取着されて鉛直方向に垂下された後、その下端がボトムレール73の室内側よりの取付部76bに取着され、環状の支持コード77によりジクザグ状のスクリーン72が支持される。
【0070】
そして、
図10を参照して詳細に後述するが、支持機構80L,80Rの各々の下面側には、本実施形態の昇降コード支持装置55が設けられている。一方、支持機構80Mは、昇降コード支持装置55が設けられていない点を除き、支持機構80L,80Rとほぼ同様の構造を有している。支持機構80L,80M,80Rの各々には四角棒状の駆動軸11が挿通されている。そして、支持機構5L,5R,5Mの外壁を為すケース内には、昇降コード75の上端を巻取可能に取着した巻取軸51が設けられ、この巻取軸51に駆動軸11が相対回転不能に挿通されている。
【0071】
ヘッドボックス71の一端側に設けられる図示しない操作ユニットを介して操作コードの操作によって、駆動軸11を回転させることで、ヘッドボックス71内で回転可能に支持された当該巻取軸51が回転し、昇降コード75の巻取り及び巻戻しによってボトムレール73を昇降させることができ、これによりスクリーン72を下方へ引き延ばし、或いはスクリーン72を上方へ畳み込み可能となっている。
【0072】
尚、ヘッドボックス71内には、当該回転駆動軸の回転を制御するストッパー装置(図示せず)が配置され、ボトムレール73の引き上げ操作の後に当該操作コードを手放したとき、ボトムレール73の自重降下が防止されるようになっている。
【0073】
(昇降コード支持装置)
次に、
図10を参照して、本実施形態の支持機構80L(80R)の概略構成を説明する。
図10は、本発明による第2実施形態の遮蔽装置(プリーツスクリーン)における左端部側/右端部側の支持機構80L(80R)の概略構成を示す分解斜視図である。尚、本実施形態の支持機構80L(80R)の概略構成は、前述した
図4に示す支持機構5Mと比較して、チルトドラム52及び吊下げ部材53が設けられていない点、及び、昇降コード支持装置55内に異なる形状で例示する案内溝54aで可動式転向滑車553を設ける点を除き、ほぼ同様に構成されるため、同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
【0074】
本実施形態の支持機構80L(80R)は、
図9に示すように、昇降コード75をスクリーン72の室外側縁部(ジグザグ状の一方側の折り目79)に係合させて垂下させる装置であり、その下面側に昇降コード支持装置55が設けられている。
【0075】
即ち、本実施形態の支持機構80L(80R)は、
図10に示すように、主に、巻取軸51、昇降コード支持装置55(滑車支持部材551,552、及び可動式転向滑車553,554)、及びケース56Mから構成される。
【0076】
巻取軸51は、ボトムレール73を吊下支持する昇降コード75を巻取り、或いは巻戻し可能に取着して、ボトムレール73を昇降させることによりスクリーン72を昇降可能に構成される。より具体的には、巻取軸51には、昇降コード75を巻取り、或いは巻戻し可能に取着する巻取軸面51aが設けられる。また、この巻取軸面51aの一端部には、巻取軸面51aより径の大きいフランジ51dが形成され、昇降コード75の巻取り又は巻戻し時のズレを防止している。巻取軸51をケース56M内で支持するために、取軸面51aの他端部とフランジ51dにそれぞれ連なって略円柱状の支持軸51c,51bがそれぞれケース56Mの形状に合わせてケース56M内で支持されるべく突出している。
【0077】
支持軸51b,51cは、それぞれケース56Mの端部56f,56eで支持されるよう構成され、巻取軸51は、ケース56M内に収容される。そして、ケース56Mの底部には、巻取軸51からボトムレール73へと昇降コード75を垂下可能にする挿通孔が設けられる。また、昇降コード75の昇降動作を円滑にするために当該挿通孔に昇降コード75を案内する昇降コード支持装置55(滑車支持部材551,552、及び可動式転向滑車553)が設けられる。ところで、
図10で、
図4とは異なり、単一の案内溝54a及び可動式転向滑車553で構成しているのは、本例では室外側から垂下する昇降コード75を予め定めた向きで配置することができるためであるが、例えばケース56Mの逆向き配置で昇降コード75の垂下を可能にしたい場合は、
図4の例と同様に、案内溝54a及び可動式転向滑車553とは対称配置の案内溝及び可動式転向滑車を設けてもよい。
【0078】
そして、支持軸51cの部分に、前述したような例えば特開2007−192021号公報にて開示されるような障害物検知停止装置を組み付けてもよい。巻取軸51の中心軸には、駆動軸11を相対回転不能に挿通可能な挿通孔が設けられ、駆動軸11が巻取軸51の中心軸に挿通されると、駆動軸11の回転に伴い巻取軸51が回転するようになっている。
【0079】
本例の昇降コード支持装置55は、主に、支持機構80L(80R)から垂下される昇降コード75を挿通可能な枠体を構成する滑車支持部材551,552、及び可動式転向滑車553から構成される。滑車支持部材551,552の各々の内側側壁には、それぞれ互いに対向する案内溝54aが形成されている。案内溝54aは、スクリーン72の前後方向における室外側上方からスクリーン72の前後方向における略中央側下方に向かって概ね直線状に形成されている。ただし、案内溝54aは、上方に凸、或いは下方に凸となる曲線状に形成してもよい。可動式転向滑車553の軸部を案内溝54aに係合させて、可動式転向滑車553を滑車支持部材551,552間に挟み込んで一体化させることで本実施形態の昇降コード支持装置55は構成される。そして、滑車支持部材551,552の当該内側両側壁に挟み込まれた可動式転向滑車553が昇降コード75の垂下を案内するよう昇降コード支持装置55がケース56Mの設置部56kに設置される。したがって、支持機構80L(80R)では、昇降コード支持装置55により、可動式転向滑車553を用いてヘッドボックス71から昇降コード75がスクリーン72の室外側縁部(ジグザグ状の一方側の折り目79)に沿って垂下される。
【0080】
このように構成された支持機構80L(80R)は、駆動軸11の回転を操作することで、巻取軸51により昇降コード75を巻取り、或いは巻き戻すことでスクリーン72を昇降可能にしている。
【0081】
ここで、昇降コード支持装置55における可動式転向滑車553及び案内溝54aについて詳細に説明する。昇降コード支持装置55における可動式転向滑車553及び案内溝54aは、昇降コード75に対して
図11(a),(b)に示すように配置される。
図11に示すように、スクリーン72の上端は、ヘッドボックス71の所定の係着位置72aから吊下されており、昇降コード75は、スクリーン72の室外側縁部(ジグザグ状の一方側の折り目79)に沿って垂下される。特に、
図11(a)はスクリーン72の垂下時(或いは下降時)の状態図を示し、
図6(b)はスラット4の畳み込み時の状態図を示している。昇降コード75の移動によって可動式転向滑車553の軸部が回転することで案内溝54aを移動するようになっている。
【0082】
巻取軸51から垂下される昇降コード75は、案内溝54aによって規制される可動式転向滑車553に対して、スクリーン72の前後方向における前側(室内側)にて当接して案内され、スクリーン72の室外側縁部(ジグザグ状の一方側の折り目79)へと下方に垂下される。巻取軸51から垂下される昇降コード75の垂下位置は、巻取軸51の巻取径によって定められ、スクリーン72へと向かう昇降コード75の垂下位置は、スクリーン72の挿通孔78に対する昇降コード75の係合位置によって定められる。
【0083】
本実施形態の昇降コード支持装置55では、
図11(a)に簡略して示すように、スクリーン72の垂下時(或いは下降時)には、略直線状に形成された案内溝54aに案内される可動式転向滑車553は、下方へと力が働き、その案内溝54aの最下端に位置する。このとき、昇降コード75の垂下方向は、概ね鉛直方向で安定化する。
【0084】
一方、
図11(b)に簡略して示すように、スクリーン72を畳み込み操作(上昇操作)すると(図示白抜き矢印方向)、昇降コード75が上方へと移動し、このとき、昇降コード75がスクリーン72の縁部(折り目79)に押圧されるものの、その押圧力を低減させるべく可動式転向滑車553が左上方へと力が働き、その案内溝54aの最上端に位置し、可動式転向滑車553はスクリーン72の当該縁部によって昇降コード75に付勢される押圧力を緩和した状態で昇降コード75も左方(図示破線矢印方向)へと移動する。この畳み込み操作(上昇操作)を停止した時点で、可動式転向滑車553はスクリーン72の当該縁部によって昇降コード75に付勢される押圧力を緩和した状態で案内溝54a上の最下端と最下端との間で停止する。したがって、昇降コード75は、当該ジクザグ状に折り曲げられたスクリーン72の当該縁部(ジグザグ状の一方側の折り目79)に係合して垂下され、当該スクリーン72の畳み込み時に、該折り目79との係合で付勢される押圧力が緩和する方向に移動して垂下される。つまり、可動式転向滑車553を可動とすることで、スクリーン72の当該縁部によって昇降コード75に付勢される押圧力を逃がすことができ、これにより昇降コード75がスクリーン72と強く干渉することがなくなり、昇降コード75、或いはスクリーン72の摩耗を軽減できるようになる。
【0085】
このように、第2実施形態の昇降コード支持装置55の動作は、第1実施形態の昇降コード支持装置55の動作とは異なる動作をするが、遮蔽材の昇降操作に応じて案内溝54aを移動する可動式転向滑車553として構成することで、その昇降操作に伴う昇降コード75(或いはスクリーン72)の摩耗を軽減させることができる。
【0086】
より具体的に、
図12(a),(b)を参照して、本実施形態の昇降コード支持装置55の作用・効果を説明する。
図12(a),(b)は、それぞれ本発明による第2実施形態の遮蔽装置(プリーツスクリーン)における昇降コード支持装置55の畳み込み操作時の動作と、その比較例を示す説明図である。
【0087】
図12(a)に簡略して示すように、スクリーン72を畳み込み操作(上昇操作)すると、巻取軸51の回転による昇降コード75の巻取りが行われ、昇降コード75が上方へと移動する。このとき、このとき、昇降コード75がスクリーン72の縁部(折り目79)に押圧されるものの、その押圧力を低減させるべく可動式転向滑車553が左上方へと力が働き、その案内溝54aの最上端に位置し、可動式転向滑車553はスクリーン72の当該縁部によって昇降コード75に付勢される押圧力を緩和した状態で昇降コード75も左方(図示破線矢印方向)へと移動する。
【0088】
一方、
図12(b)は、本発明に係る昇降コード支持装置55を備える支持機構80L(80R)とは相違して、昇降コード支持装置55が設けられておらず、固定式転向滑車557のみで垂下する場合を簡略して例示しており、同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
図12(a),(b)を比較して分かるように、昇降コード支持装置55が設けられていない場合には、本発明に係る昇降コード支持装置55を備える場合よりも、昇降コード75がスクリーン72と強く干渉することとなり、昇降コード75、或いはスクリーン72が摩耗しうる。したがって、本発明に係る昇降コード支持装置55をプリーツスクリーンに適用した場合では、スクリーン72の畳み込み時における昇降コード75、或いはスクリーン72の耐久性を向上させることができる。
【0089】
以上のように、本実施形態の昇降コード支持装置55及びそのプリーツスクリーンは、スクリーン72の畳み込み時における昇降コード75、或いはスクリーン72の耐久性を向上させることができる。
【0090】
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、第1実施形態において、スラット4は、アルミニウム製や木製とすることができ、前述の実施形態の例のような凸面を有する形態のほか、平板状の形態としてもよい。
【0091】
また、上述した第1実施形態の例では、一対の可動式転向滑車553,554及び案内溝54a,54bを設ける例を説明したが、いずれか一方にのみ適用する形態とすることもできる。逆に、第2実施形態の例では、単一の可動式転向滑車553及び案内溝54aを設ける例を説明したが、第1実施形態と同様に、一対の可動式転向滑車553,554及び案内溝54a,54bを設けるようにしてもよい。また、可動式転向滑車553,554の軸部と案内溝54a,54bは所定の摩擦力が働くよう構成する例を説明したが、互いに噛み合うギア形状とする場合や、当該張力均衡させるテンション部材を可動式転向滑車553,554の軸部に対して設けるよう構成することもできる。