(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
給気ダクトに設置されて空調室に空気を給気する空調装置と、排気ダクトに設置されて前記空調室から空気を排気する排気装置と、前記空調室に給気する空気の風量または該空調室から排気する空気の風量を増減させる風量変更装置と、前記空調室の室圧を計測する室圧センサと、前記室圧センサが計測した室圧によってそれら装置を制御するコントローラとを備え、前記空調室を使用する場合に実施される通常風量運転と、前記空調室を非使用の場合に実施され、前記空調室に給気する空気の風量および該空調室から排気する空気の風量が前記通常風量運転よりも少ない少風量運転と、前記風量変更装置を利用して前記空気の風量を次第に減少させ、前記通常風量運転から前記少風量運転に切り替える第1切替運転とを行う運転モード変更システムにおいて、
前記第1切替運転においてコントローラは、前記風量変更装置の風量が前記通常風量運転の通常風量運転目標風量から前記少風量運転の少風量運転目標風量に切り替わる間であって該風量変更装置が風量を減少させる風量減少過程において、前記室圧センサが計測した前記空調室の室内気圧が所定の規定室圧の上限値または下限値に達した場合に、前記風量変更装置に風量減少を一時停止させる風量減少停止手段と、前記室圧センサが計測した前記空調室の室内気圧が前記規定室圧の上限値を下回りまたは該規定室圧の下限値を上回った場合に、前記風量減少停止手段を中断して前記風量変更装置に風量減少を再開させる風量減少再開手段とを有し、
前記第1切替運転においてコントローラは、前記空調装置からの空気の給気量を次第に減少させ、前記空調装置からの空気の給気量が前記通常風量運転の通常風量運転目標給気量から前記少風量運転の少風量運転目標給気量に切り替わる間であって、該空調装置が前記空気の給気量を減少させる給気量減少過程において、前記室圧センサが計測した前記空調室の室内気圧が所定の規定室圧の上限値または下限値に達した場合に、前記空調装置に給気量減少を一時停止させる給気量減少停止手段と、前記室圧センサが計測した前記空調室の室内気圧が前記規定室圧の上限値を下回りまたは該規定室圧の下限値を上回った場合に、前記給気量減少停止手段を中断して前記空調装置に給気量減少を再開させる給気量減少再開手段とを有し、
前記第1切替運転においてコントローラは、前記排気装置からの空気の排気量を次第に減少させ、前記排気装置からの空気の排気量が前記通常風量運転の通常風量運転目標排気量から前記少風量運転の少風量運転目標排気量に切り替わる間であって、該排気装置が前記空気の排気量を減少させる排気量減少過程において、前記室圧センサが計測した前記空調室の室内気圧が所定の規定室圧の上限値または下限値に達した場合に、前記排気装置に排気量減少を一時停止させる排気量減少停止手段と、前記室圧センサが計測した前記空調室の室内気圧が前記規定室圧の上限値を下回りまたは該規定室圧の下限値を上回った場合に、前記排気量減少停止手段を中断して前記排気装置に排気量減少を再開させる排気量減少再開手段とを有することを特徴とする運転モード変更システム。
前記風量減少停止手段においてコントローラは、前記風量変更装置に所定の時間間隔で風量減少の停止と風量減少の再開とを交互に繰り返させる請求項1に記載の運転モード変更システム。
前記空調室が、複数の第1〜第n空調室から形成され、前記風量変更装置が、前記給気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐給気ダクトまたは前記排気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐排気ダクトに設置された第1〜第n風量変更装置から形成され、前記第1切替運転においてコントローラは、前記第1風量変更装置から前記第n風量変更装置に向かって所定の間隔で前記風量減少停止手段および前記風量減少再開手段を順番に実施する請求項1または請求項2に記載の運転モード変更システム。
前記空調室が、複数の第1〜第n空調室から形成され、前記風量変更装置が、前記給気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐給気ダクトまたは前記排気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐排気ダクトに設置された第1〜第n風量変更装置をグループ分けした第1〜第n風量変更装置グループから形成され、前記第1切替運転においてコントローラは、前記第1風量変更装置グループから前記第n風量変更装置グループに向かって所定の間隔で前記風量減少停止手段および前記風量減少再開手段を順番に実施する請求項1または請求項2に記載の運転モード変更システム。
給気ダクトに設置されて空調室に空気を給気する空調装置と、排気ダクトに設置されて前記空調室から空気を排気する排気装置と、前記空調室に給気する空気の風量または該空調室から排気する空気の風量を増減させる風量変更装置と、前記空調室の室圧を計測する室圧センサと、前記室圧センサが計測した室圧によってそれら装置を制御するコントローラとを備え、前記空調室を使用する場合に実施される通常風量運転と、前記空調室を非使用の場合に実施され、前記空調室に給気する空気の風量または該空調室から排気する空気の風量が前記通常風量運転よりも少ない少風量運転と、前記風量変更装置を利用して前記空気の風量を次第に増加させ、前記少風量運転から前記通常風量運転に切り替える第2切替運転とを行う運転モード変更システムにおいて、
前記第2切替運転においてコントローラは、前記風量変更装置の風量が前記少風量運転の少風量運転目標風量から前記通常風量運転の通常風量運転目標風量に切り替わる間であって該風量変更装置が風量を増加させる風量増加過程において、前記室圧センサが計測した前記空調室の室内気圧が所定の規定室圧の上限値または下限値に達した場合に、前記風量変更装置に風量増加を一時停止させる風量増加停止手段と、前記室圧センサが計測した前記空調室の室内気圧が前記規定室圧の上限値を下回りまたは該規定室圧の下限値を上回った場合に、前記風量増加停止手段を中断して前記風量変更装置に風量増加を再開させる風量増加再開手段とを有し、
前記第2切替運転においてコントローラは、前記空調装置からの空気の給気量を次第に増加させ、前記空調装置からの空気の給気量が前記少風量運転の少風量運転目標給気量から前記通常風量運転の通常風量運転目標給気量に切り替わる間であって、該空調装置が前記空気の給気量を増加させる給気量増加過程において、前記室圧センサが計測した前記空調室の室内気圧が所定の規定室圧の上限値または下限値に達した場合に、前記空調装置に給気量増加を一時停止させる給気量増加停止手段と、前記室圧センサが計測した前記空調室の室内気圧が前記規定室圧の上限値を下回りまたは該規定室圧の下限値を上回った場合に、前記給気量増加停止手段を中断して前記空調装置に給気量増加を再開させる給気量増加再開手段とを有し、
前記第2切替運転においてコントローラは、前記排気装置からの空気の排気量を次第に増加させ、前記排気装置からの空気の排気量が前記少風量運転の少風量運転目標排気量から前記通常風量運転の通常風量運転目標排気量に切り替わる間であって、該排気装置が前記空気の排気量を増加させる排気量増加過程において、前記室圧センサが計測した前記空調室の室内気圧が所定の規定室圧の上限値または下限値に達した場合に、前記空調装置に給気量増加を一時停止させる給気量増加停止手段と、前記室圧センサが計測した前記空調室の室内気圧が前記規定室圧の上限値を下回りまたは該規定室圧の下限値を上回った場合に、前記排気量増加停止手段を中断して前記排気装置に排気量増加を再開させる排気量増加再開手段とを有することを特徴とする運転モード変更システム。
前記風量増加停止手段においてコントローラは、前記風量変更装置に所定の時間間隔で風量増加の停止と風量増加の再開とを交互に繰り返させる請求項5に記載の運転モード変更システム。
前記空調室が、複数の第1〜第n空調室から形成され、前記風量変更装置が、前記給気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐給気ダクトまたは前記排気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐排気ダクトに設置された第1〜第n風量変更装置から形成され、前記第2切替運転においてコントローラは、前記第1風量変更装置から前記第n風量変更装置に向かって所定の間隔で前記風量増加停止手段および前記風量増加再開手段を順番に実施する請求項5または請求項6に記載の運転モード変更システム。
前記空調室が、複数の第1〜第n空調室から形成され、前記風量変更装置が、前記給気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐給気ダクトまたは前記排気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐排気ダクトに設置された第1〜第n風量変更装置をグループ分けした第1〜第n風量変更装置グループから形成され、前記第2切替運転においてコントローラは、前記第1風量変更装置グループから前記第n風量変更装置グループに向かって所定の間隔で前記風量増加停止手段および前記風量増加再開手段を順番に実施する請求項5または請求項6に記載の運転モード変更システム。
前記風量変更装置が、定風量装置(CAV)、可変定風量装置(VAV)、モータダンパ(MD)のいずれかである請求項1ないし請求項8いずれかに記載の運転モード変更システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
なお、通常風量運転から少風量運転への切替運転中にクリーンルームの室内気圧が大きく変動し、クリーンルームの室内気圧が目標室圧から外れると、クリーンルームの室内気圧と基準圧との圧力差が小さくなることで所定量を確保できなくなったり、圧力の正負が逆転したりすると、隣接する空間の空気がクリーンルームに不用意に進入し、進入した隣接空間の空気によってクリーンルームが汚染される場合がある。
【0008】
本発明の目的は、通常風量運転から少風量運転に切り替える切替運転時または少風量運転から通常風量運転に切り替える切替運転時における空調室の室内気圧の大きな変動を防ぐことができるとともに、切替運転の運転時間を短縮することができる運転モード変更システムを提供することにある。本発明の他の目的は、通常風量運転から少風量運転への切替運転中または少風量運転から通常風量運転への切替運転中に室内気圧と基準圧との圧力差が所定量を確保できなくなることがないとともに、室内圧力の正負が逆転することがなく、切替運転中における空調室への隣接空間の空気の不用意な進入を防ぐことができ、隣接空間の空気が進入することによる空調室が汚染を防ぐことができる運転モード変更システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための本発明の第1の前提は、給気ダクトに設置されて空調室に空気を給気する空調装置と、排気ダクトに設置されて空調室から空気を排気する排気装置と、空調室に給気する空気の風量または空調室から排気する空気の風量を増減させる風量変更装置と、空調室の室圧を計測する室圧センサと、室圧センサが計測した室圧によってそれら装置を制御するコントローラとを備え、空調室を使用する場合に実施される通常風量運転と、空調室を非使用の場合に実施され、空調室に給気する空気の風量および空調室から排気する空気の風量が通常風量運転よりも少ない少風量運転と、風量変更装置を利用して空気の風量を次第に減少させ、通常風量運転から少風量運転に切り替える第1切替運転とを行う運転モード変更システムである。
【0010】
前記第1の前提における本発明の第1の特徴として、第1切替運転においてコントローラは、風量変更装置の風量が通常風量運転の通常風量運転目標風量から少風量運転の少風量運転目標風量に切り替わる間であって風量変更装置が風量を減少させる風量減少過程において、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が所定の規定室圧の上限値または下限値に達した場合
に、風量変更装置に風量減少を一時停止させる風量減少停止手段と、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が規定室圧の上限値を下回りまたは規定室圧の下限値を上回った場合
に、風量減少停止手段を中断して風量変更装置に風量減少を再開させる風量減少再開手段とを有
し、第1切替運転においてコントローラは、空調装置からの空気の給気量を次第に減少させ、空調装置からの空気の給気量が通常風量運転の通常風量運転目標給気量から少風量運転の少風量運転目標給気量に切り替わる間であって、空調装置が空気の給気量を減少させる給気量減少過程において、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が所定の規定室圧の上限値または下限値に達した場合に、空調装置に給気量減少を一時停止させる給気量減少停止手段と、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が規定室圧の上限値を下回りまたは規定室圧の下限値を上回った場合に、給気量減少停止手段を中断して空調装置に給気量減少を再開させる給気量減少再開手段とを有し、第1切替運転においてコントローラは、排気装置からの空気の排気量を次第に減少させ、排気装置からの空気の排気量が通常風量運転の通常風量運転目標排気量から少風量運転の少風量運転目標排気量に切り替わる間であって、排気装置が空気の排気量を減少させる排気量減少過程において、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が所定の規定室圧の上限値または下限値に達した場合に、排気装置に排気量減少を一時停止させる排気量減少停止手段と、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が規定室圧の上限値を下回りまたは規定室圧の下限値を上回った場合に、排気量減少停止手段を中断して排気装置に排気量減少を再開させる排気量減少再開手段とを有することにある。
【0011】
前記第1の特徴を有する本発明の一例として、風量減少停止手段においてコントローラは、風量変更装置に所定の時間間隔で風量減少の停止と風量減少の再開とを交互に繰り返させる。
【0012】
前記第1の特徴を有する本発明の他の一例としては、空調室が複数の第1〜第n空調室から形成され、風量変更装置が給気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐給気ダクトまたは排気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐排気ダクトに設置された第1〜第n風量変更装置から形成され、第1切替運転においてコントローラは、第1風量変更装置から第n風量変更装置に向かって所定の間隔で風量減少停止手段および風量減少再開手段を順番に実施する。
【0013】
前記第1の特徴を有する本発明の他の一例としては、空調室が複数の第1〜第n空調室から形成され、風量変更装置が給気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐給気ダクトまたは排気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐排気ダクトに設置された第1〜第n風量変更装置をグループ分けした第1〜第n風量変更装置グループから形成され、第1切替運転においてコントローラは、第1風量変更装置グループから第n風量変更装置グループに向かって所定の間隔で風量減少停止手段および風量減少再開手段を順番に実施する。
【0014】
前記課題を解決するための本発明の第2の前提は、給気ダクトに設置されて空調室に空気を給気する空調装置と、排気ダクトに設置されて空調室から空気を排気する排気装置と、空調室に給気する空気の風量または空調室から排気する空気の風量を増減させる風量変更装置と、空調室の室圧を計測する室圧センサと、室圧センサが計測した室圧によってそれら装置を制御するコントローラとを備え、空調室を使用する場合に実施される通常風量運転と、空調室を非使用の場合に実施され、空調室に給気する空気の風量または空調室から排気する空気の風量が通常風量運転よりも少ない少風量運転と、風量変更装置を利用して空気の風量を次第に増加させ、少風量運転から通常風量運転に切り替える第2切替運転とを行う運転モード変更システムである。
【0015】
前記第2の前提における本発明の第2の特徴として、第2切替運転においてコントローラは、風量変更装置の風量が少風量運転の少風量運転目標風量から通常風量運転の通常風量運転目標風量に切り替わる間であって風量変更装置が風量を増加させる風量増加過程において、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が所定の規定室圧の上限値または下限値に達した場合
に、風量変更装置に風量増加を一時停止させる風量増加停止手段と、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が規定室圧の上限値を下回りまたは規定室圧の下限値を上回った場合
に、風量増加停止手段を中断して風量変更装置に風量増加を再開させる風量増加再開手段とを有
し、第2切替運転においてコントローラは、空調装置からの空気の給気量を次第に増加させ、空調装置からの空気の給気量が少風量運転の少風量運転目標給気量から通常風量運転の通常風量運転目標給気量に切り替わる間であって、空調装置が空気の給気量を増加させる給気量増加過程において、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が所定の規定室圧の上限値または下限値に達した場合に、空調装置に給気量増加を一時停止させる給気量増加停止手段と、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が規定室圧の上限値を下回りまたは規定室圧の下限値を上回った場合に、給気量増加停止手段を中断して空調装置に給気量増加を再開させる給気量増加再開手段とを有し、第2切替運転においてコントローラは、排気装置からの空気の排気量を次第に増加させ、排気装置からの空気の排気量が少風量運転の少風量運転目標排気量から通常風量運転の通常風量運転目標排気量に切り替わる間であって、排気装置が空気の排気量を増加させる排気量増加過程において、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が所定の規定室圧の上限値または下限値に達した場合に、空調装置に給気量増加を一時停止させる給気量増加停止手段と、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が規定室圧の上限値を下回りまたは規定室圧の下限値を上回った場合に、排気量増加停止手段を中断して排気装置に排気量増加を再開させる排気量増加再開手段とを有することにある。
【0016】
前記第2の特徴を有する本発明の一例として、風量増加停止手段においてコントローラは、風量変更装置に所定の時間間隔で風量増加の停止と風量増加の再開とを交互に繰り返させる。
【0017】
前記第2の特徴を有する本発明の他の一例としては、空調室が複数の第1〜第n空調室から形成され、風量変更装置が給気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐給気ダクトまたは排気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐排気ダクトに設置された第1〜第n風量変更装置から形成され、第2切替運転においてコントローラは、第1風量変更装置から第n風量変更装置に向かって所定の間隔で風量増加停止手段および風量増加再開手段を順番に実施する。
【0018】
前記第2の特徴を有する本発明の他の一例としては、空調室が複数の第1〜第n空調室から形成され、風量変更装置が給気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐給気ダクトまたは排気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐排気ダクトに設置された第1〜第n風量変更装置をグループ分けした第1〜第n風量変更装置グループから形成され、第2切替運転においてコントローラは、第1風量変更装置グループから第n風量変更装置グループに向かって所定の間隔で風量増加停止手段および風量増加再開手段を順番に実施する。
【0019】
前記第1および第2の特徴を有する本発明の一例としては、風量変更装置が定風量装置(CAV)、可変定風量装置(VAV)、モータダンパ(MD)のいずれかである。
【発明の効果】
【0020】
前記第1の特徴を有する本発明の運転モード変更システムによれば、通常風量運転から少風量運転への第1切替運転における風量変更装置の風量減少過程において、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が所定の規定室圧の上限値または下限値に達した場合、風量変更装置に風量減少を一時停止させるから、第1切替運転中に空調室の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達したとしても、規定室圧の上限値に対して室内気圧を速やかに下回らせることができるとともに、規定室圧の下限値に対して室内気圧を速やかに上回らせることができる。運転モード変更システムは、第1切替運転中において空調室の室内気圧と基準圧との圧力差が小さくなることで所定量を確保できなくなることはなく、圧力の正負が逆転することもないから、隣接空間の空気の空調室への不用意な進入を防ぐことができ、隣接空間の空気が進入することによる空調室の汚染を防ぐことができる。運転モード変更システムは、第1切替運転における風量減少停止手段の実施中に、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が規定室圧の上限値を下回りまたは規定室圧の下限値を上回った場合、風量変更装置の風量減少停止を中断して風量変更装置に風量減少を再開させるから、空調室の室内気圧を規定室圧の上限値と下限値との間の範囲内に保持しつつ、通常風量運転から少風量運転へ迅速に切り替えることができ、第1切替運転の運転時間を短縮することができる。
【0021】
運転モード変更システムは、空調装置の給気量減少過程や排気装置の排気量減少過程において、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が所定の規定室圧の上限値または下限値に達した場合であって、風量減少停止手段によって風量変更装置に風量減少を一時停止させる場合、空調装置に給気量減少を一時停止させる給気量減少停止手段と排気装置に排気量減少を一時停止させる排気量減少停止手段とのうちの少なくとも一方を実施するから、第1切替運転中に空調室の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達したとしても、規定室圧の上限値に対して室内気圧を速やかに下回らせることができるとともに、規定室圧の下限値に対して室内気圧を速やかに上回らせることができる。運転モード変更システムは、第1切替運転中において空調室の室内気圧と基準圧との圧力差が小さくなることで所定量を確保できなくなることはなく、圧力の正負が逆転することもないから、隣接空間の空気の空調室への不用意な進入を防ぐことができ、隣接空間の空気が進入することによる空調室の汚染を防ぐことができる。運転モード変更システムは、第1切替運転における風量減少停止手段の実施中や給気量減少停止手段と排気量減少停止手段とのうちの少なくとも一方を実施中に、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が規定室圧の上限値を下回りまたは規定室圧の下限値を上回った場合であって、風量減少再開手段によって風量変更装置に風量減少を再開させる場合、空調装置に給気量減少を再開させる給気量減少再開手段と排気装置に排気量減少を再開させる排気量減少再開手段とのうちの少なくとも一方を実施するから、空調室の室内気圧を規定室圧の上限値と下限値との間の範囲内に保持しつつ、通常風量運転から少風量運転へ迅速に切り替えることができ、第1切替運転の運転時間を短縮することができるとともに、通常風量運転から少風量運転へ切り替えることで空調室の非使用時における給気装置や排気装置の搬送動力の消費電力を少なくすることができる。
【0022】
風量変更装置に風量減少を停止させる風量減少停止手段において、風量変更装置に所定の時間間隔で風量減少の停止と風量減少の再開とを交互に繰り返させる運転モード変更システムは、風量減少停止手段において風量減少の停止と風量減少の再開とを交互に繰り返すことで、第1切替運転中に空調室の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達したとしても、規定室圧の上限値に対して室内気圧を速やかに下回らせることができるとともに、規定室圧の下限値に対して室内気圧を速やかに上回らせることができる。運転モード変更システムは、風量減少停止手段から風量減少再開手段に速やかに移行することができるから、通常風量運転から少風量運転へ迅速に切り替えることができ、第1切替運転の運転時間を短縮することができる。
【0023】
給気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐給気ダクトまたは排気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐排気ダクトに第1〜第n風量変更装置が設置されている場合に、それらすべての第1〜第n風量変更装置に風量減少停止手段と風量減少再開手段とを同時に実施すると、第1〜第n風量変更装置どうしが互いに干渉し、ダクトのダクト内圧力が大きく変動し、空調室の室内気圧が大きく変動する場合がある。この場合、第1〜第n風量変更装置に風量減少停止手段および風量減少再開手段を実施しても、空調室の室内気圧を規定室圧の範囲内に保持することが困難になる。しかし、この運転モード変更システムは、第1切替運転において第1風量変更装置から第n風量変更装置に向かって所定の間隔で風量減少停止手段と風量減少再開手段とを順番に実施するから、第1〜第n風量変更装置どうしが干渉することはなく、ダクトのダクト内圧力の変動を防ぐことができる。その結果、空調室の室内気圧が大きく変動することはなく、第1切替運転中に空調室の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達したとしても、規定室圧の上限値に対して室内気圧を速やかに下回らせることができ、規定室圧の下限値に対して室内気圧を速やかに上回らせることができるとともに、通常風量運転から少風量運転へ迅速に切り替えることができる。
【0024】
給気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐給気ダクトまたは排気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐排気ダクトに第1〜第n風量変更装置が設置されている場合に、それらすべての第1〜第n風量変更装置に風量減少停止手段と風量減少再開手段とを同時に実施すると、第1〜第n風量変更装置どうしが互いに干渉し、ダクトのダクト内圧力が大きく変動し、空調室の室内気圧が大きく変動する場合がある。この場合、第1〜第n風量変更装置に風量減少停止手段および風量減少再開手段を実施しても、空調室の室内気圧を規定室圧の範囲内に保持することが困難になる。しかし、この運転モード変更システムは、第1切替運転において第1風量変更装置グループから第n風量変更装置グループに向かって所定の間隔で風量減少停止手段と風量減少再開手段とを順番に実施するから、第1〜第n風量変更装置どうしが干渉することはなく、ダクトのダクト内圧力の変動を防ぐことができる。その結果、空調室の室内気圧が大きく変動することはなく、第1切替運転中に空調室の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達したとしても、規定室圧の上限値に対して室内気圧を速やかに下回らせることができ、規定室圧の下限値に対して室内気圧を速やかに上回らせることができるとともに、通常風量運転から少風量運転へ迅速に切り替えることができる。
【0025】
前記第2の特徴を有する本発明の運転モード変更システムによれば、少風量運転から通常風量運転への第2切替運転における風量変更装置の風量増加過程において、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が所定の規定室圧の上限値または下限値に達した場合、風量変更装置に風量増加を一時停止させるから、第2切替運転中に空調室の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達したとしても、規定室圧の上限値に対して室内気圧を速やかに下回らせることができるとともに、規定室圧の下限値に対して室内気圧を速やかに上回らせることができる。運転モード変更システムは、第2切替運転中において空調室の室内気圧と基準圧との圧力差が小さくなることで所定量を確保できなくなることはなく、圧力の正負が逆転することもないから、隣接空間の空気の空調室への不用意な進入を防ぐことができ、隣接空間の空気が進入することによる空調室の汚染を防ぐことができる。運転モード変更システムは、第2切替運転における風量増加停止手段の実施中に、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が規定室圧の上限値を下回りまたは規定室圧の下限値を上回った場合、風量変更装置の風量増加停止を中断して風量変更装置に風量増加を再開させるから、空調室の室内気圧を規定室圧の上限値と下限値との間の範囲内に保持しつつ、少風量運転から通常風量運転へ迅速に切り替えることができ、第2切替運転の運転時間を短縮することができるとともに、空調室において作業を速やかに開始することができる。
【0026】
運転モード変更システムは、空調装置の給気量増加過程および排気装置の排気量増加過程において、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が所定の規定室圧の上限値または下限値に達した場合であって、風量増加停止手段によって風量変更装置に風量増加を一時停止させる場合、空調装置に給気量増加を一時停止させる給気量増加停止手段と排気装置に排気量増加を一時停止させる排気量増加停止手段とのうちの少なくとも一方を実施するから、第1切替運転中に空調室の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達したとしても、規定室圧の上限値に対して室内気圧を速やかに下回らせることができるとともに、規定室圧の下限値に対して室内気圧を速やかに上回らせることができる。運転モード変更システムは、第2切替運転中において空調室の室内気圧と基準圧との圧力差が小さくなることで所定量を確保できなくなることはなく、圧力の正負が逆転することもないから、隣接空間の空気の空調室への不用意な進入を防ぐことができ、隣接空間の空気が進入することによる空調室の汚染を防ぐことができる。運転モード変更システムは、第2切替運転中における風量増加停止手段の実施中や給気量増加停止手段と排気量増加停止手段とのうちの少なくとも一方を実施中に、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が規定室圧の上限値を下回りまたは規定室圧の下限値を上回った場合であって、風量増加再開手段によって風量変更装置に風量増加を再開させる場合、空調装置に給気量増加を再開させる給気量増加再開手段と排気装置に排気量増加を再開させる排気量増加再開手段とのうちの少なくとも一方を実施するから、空調室の室内気圧を規定室圧の上限値と下限値との間の範囲内に保持しつつ、少風量運転から通常風量運転へ迅速に切り替えることができ、第2切替運転の運転時間を短縮することができるとともに、空調室において作業を速やかに開始することができる。
【0027】
風量変更装置に風量増加を停止させる風量増加停止手段において、風量変更装置に所定の時間間隔で風量増加の停止と風量増加の再開とを交互に繰り返させる運転モード変更システムは、風量増加停止手段において風量増加の停止と風量増加の再開とを交互に繰り返すことで、第1切替運転中に空調室の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達したとしても、規定室圧の上限値に対して室内気圧を速やかに下回らせることができるとともに、規定室圧の下限値に対して室内気圧を速やかに上回らせることができる。運転モード変更システムは、風量増加停止手段から風量増加再開手段に速やかに移行することができるから、少風量運転から通常風量運転へ迅速に切り替えることができ、第2切替運転の運転時間を短縮することができる。
【0028】
給気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐給気ダクトまたは排気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐排気ダクトに第1〜第n風量変更装置が設置されている場合に、それらすべての第1〜第n風量変更装置に風量減少停止手段と風量減少再開手段とを同時に実施すると、第1〜第n風量変更装置どうしが互いに干渉し、ダクトのダクト内圧力が大きく変動し、空調室の室内気圧が大きく変動する場合がある。この場合、第1〜第n風量変更装置に風量減少停止手段および風量減少再開手段を実施しても、空調室の室内気圧を規定室圧の範囲内に保持することが困難になる。しかし、この運転モード変更システムは、第2切替運転において第1風量変更装置から第n風量変更装置に向かって所定の間隔で風量増加停止手段と風量増加再開手段とを順番に実施するから、第1〜第n風量変更装置どうしが干渉することはなく、ダクトのダクト内圧力の変動を防ぐことができる。その結果、空調室の室内気圧が大きく変動することはなく、第2切替運転中に空調室の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達したとしても、規定室圧の上限値に対して室内気圧を速やかに下回らせることができ、規定室圧の下限値に対して室内気圧を速やかに上回らせることができるとともに、少風量運転から通常風量運転へ迅速に切り替えることができる。
【0029】
給気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐給気ダクトまたは排気ダクトから分岐して第1〜第n空調室につながる第1〜第n分岐排気ダクトに第1〜第n風量変更装置が設置されている場合に、それらすべての第1〜第n風量変更装置に風量減少停止手段と風量減少再開手段とを同時に実施すると、第1〜第n風量変更装置どうしが互いに干渉し、ダクトのダクト内圧力が大きく変動し、空調室の室内気圧が大きく変動する場合がある。この場合、第1〜第n風量変更装置に風量増加停止手段および風量増加再開手段を実施しても、空調室の室内気圧を規定室圧の範囲内に保持することが困難になる。しかし、この運転モード変更システムは、第2切替運転において第1風量変更装置グループから第n風量変更装置グループに向かって所定の間隔で風量増加停止手段と風量増加再開手段とを順番に実施するから、第1〜第n風量変更装置どうしが干渉することはなく、ダクトのダクト内圧力の変動を防ぐことができる。その結果、空調室の室内気圧が大きく変動することはなく、第2切替運転中に空調室の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達したとしても、規定室圧の上限値に対して室内気圧を速やかに下回らせることができ、規定室圧の下限値に対して室内気圧を速やかに上回らせることができるとともに、少風量運転から通常風量運転へ迅速に切り替えることができる。
【0030】
風量変更装置が定風量装置(CAV)、可変定風量装置(VAV)、モータダンパ(MD)のいずれかである運転モード変更システムは、通常風量運転から少風量運転への第1切替運転または少風量運転から通常風量運転への第2切替運転において、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が所定の規定室圧の上限値または下限値に達した場合、定風量装置または可変定風量装置あるいはモータダンパに風量減少または風量増加を一時停止させるから、第1切替運転中または第2切替運転中に空調室の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達したとしても、規定室圧の上限値に対して室内気圧を速やかに下回らせることができるとともに、規定室圧の下限値に対して室内気圧を速やかに上回らせることができる。運転モード変更システムは、第1切替運転中または第2切替運転中に、室圧センサが計測した空調室の室内気圧が規定室圧の上限値を下回りまたは規定室圧の下限値を上回った場合、定風量装置または可変定風量装置あるいはモータダンパに風量減少または風量増加を再開させるから、空調室の室内気圧を規定室圧の上限値と下限値との間の範囲内に保持しつつ、通常風量運転から少風量運転または少風量運転から通常風量運転へ迅速に切り替えることができ、第1切替運転または第2切替運転の運転時間を短縮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
一例として示す運転モード変更システム10Aの概念構成図である
図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる運転モード変更システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。
図1では、クリーンルーム11(空調室)をその側方から示している。
【0033】
運転モード変更システム10Aは、建造物に施設されたクリーンルーム11(空調室)を使用する場合に実施される通常風量運転を行うとともに、クリーンルーム11を非使用の場合に実施される少風量運転を行う。さらに、通常風量運転から少風量運転に切り替える第1切替運転を行うとともに、少風量運転から通常風量運転に切り替える第2切替運転を行う。なお、また、このシステム10Aは、クリーンルーム11のみならず、他のあらゆる種類の空調室に利用することができる。
【0034】
クリーンルーム11を使用する場合とは、クリーンルーム11の内部において作業者が所定の作業を行う場合であり、主に日中の作業時間内に通常風量運転が行われる。クリーンルーム11を非使用の場合とは、作業者がクリーンルーム11から外出し、クリーンルーム11の内部における作業が中断している場合であり、主に夜間の非作業時間内に少風量運転が行われる。運転モード変更システム10Aは、第1切替運転中におけるクリーンルーム11の室内気圧の変動を防止しつつ、通常風量運転から少風量運転に速やかに切り替えるとともに、第2切替運転中におけるクリーンルーム11の室内気圧の変動を防止しつつ、少風量運転から通常風量運転に切り替える。
【0035】
運転モード変更システム10Aは、屋外の空気をクリーンルーム11に送る給気ダクト12と、クリーンルーム11から屋外に空気を送り出す排気ダクト13と、給気ダクト12に設置された空調装置14と、排気ダクト13に設置された排気ファン15(排気装置)と、空調装置14の下流側に延びる給気ダクト12に設置された定風量装置(CAV)16(風量変更装置)と、排気ファン15の上流側に延びる排気ダクト13に設置された室圧制御用モータダンパ(MD)17と、クリーンルーム11の室圧を計測する室圧センサ18(圧力センサ)と、コントローラ19とから形成されている。なお、
図1では、定風量装置(CAV)16を図示しているが、定風量装置(CAV)16に替えて、可変定風量装置(VAV)(風量変更装置)またはモータダンパ(MD)(風量変更装置)を使用することもできる。
【0036】
クリーンルーム11は、天井および床と前後壁および側壁とに囲繞された所定容積の清浄な空調空間を有し、天井、床、それら壁によって室外と仕切られている。天井には、給気ダクト12から供給される空気をクリーンルーム11に取り入れるための給気口(図示せず)が施設されている。床または側壁には、クリーンルーム11の空気を排気ダクト13に取り入れるための排気口(図示せず)が施設されている。クリーンルーム11には、図示はしていないが、そこに出入りするための扉が設置されている。
【0037】
クリーンルーム11は、その室内気圧が厳密に管理され、通常風量運転や少風量運転において室内気圧が目標室圧(陽圧)に保持されている。または目標室圧(陰圧)に保持されている場合もあり、その場合は隣室との圧力差を確保することによって隣室への空気の漏洩を防止することが重要となる。給気ダクト12は、クリーンルーム11の天井に施設された給気口につながり、屋外とクリーンルーム11とを連結している。給気ダクト12には、図示はしていないが、ダクト12を通流する空気の流量を計測する流量計が設置されている。流量計は、制御信号線20を介してコントローラ19に接続されている。排気ダクト13は、クリーンルーム11の床や側壁に施設された排気口につながり、クリーンルーム11と屋外とを連結している。排気ダクト13には、ダクト13を通流する空気の流量を計測する流量計が設置されている。流量計は、制御信号線20を介してコントローラ19に接続されている。
【0038】
空調装置14は、その制御部(図示せず)が制御信号線20を介してコントローラ19に接続されている。空調装置14には、給気ファン21(給気装置)が内蔵されている。空調装置14の給気ファン21は、その周波数がインバータによって制御されている。通常風量運転において空調装置14は、あらかじめ設定された通常風量運転目標給気量の空気(空調空気)をクリーンルーム11に強制的に給気する。少風量運転において空調装置14は、あらかじめ設定された少風量運転目標給気量の空気(空調空気)をクリーンルーム11に強制的に給気する。
【0039】
第1切替運転において空調装置14は、通常風量運転の通常風量運転目標給気量から少風量運転の少風量運転目標給気量に切り替わるまでの間、クリーンルーム11に給気する空気(空調空気)の給気量を次第に減少させ、少風量運転に切り替わった後、少風量運転目標給気量を保持する。第1切替運転では、空調装置14の給気風量の増減の可否/現状維持がコントローラ19によって制御される。
【0040】
第2切替運転において空調装置14は、少風量運転の少風量運転目標給気量から通常風量運転の通常風量運転目標給気量に切り替わるまでの間、クリーンルーム11に給気する空気(空調空気)の給気量を次第に増加させ、通常風量運転に切り替わった後、通常風量運転目標給気量を保持する。第2切替運転では、第2切替運転では、空調装置14の給気風量の増減の可否/現状維持がコントローラ19によって制御される。
【0041】
排気ファン15は、その制御部(図示せず)が制御信号線20を介してコントローラ19に接続されている。排気ファン15は、その周波数がインバータによって制御されている。通常風量運転において排気ファン15は、あらかじめ設定された通常風量運転目標排気量の空気をクリーンルーム11から強制的に排気する。少風量運転において排気ファン15は、あらかじめ設定された少風量運転目標排気量の空気をクリーンルーム11から強制的に排気する。
【0042】
第1切替運転において排気ファン15は、通常風量運転の通常風量運転目標排気量から少風量運転の少風量運転目標排気量に切り替わるまでの間、クリーンルーム11から排気する空気の排気量を次第に減少させ、少風量運転に切り替わった後、少風量運転目標排気量を保持する。第1切替運転では、排気ファン15の給気風量の増減の可否/現状維持がコントローラ19によって制御される。
【0043】
第2切替運転において排気ファン15は、少風量運転の少風量運転目標排気量から通常風量運転の通常風量運転目標排気量に切り替わるまでの間、クリーンルーム11から排気する空気の排気量を次第に増加させ、通常風量運転に切り替わった後、通常風量運転目標排気量を保持する。第2切替運転では、排気ファン15の給気風量の増減の可否/現状維持がコントローラ19によって制御される。
【0044】
定風量装置(CAV)16は、クリーンルーム11の天井近傍に延びる給気ダクト12に設置されている。定風量装置16は、その制御部(図示せず)が制御信号線20を介してコントローラ19に接続されている。定風量装置16は、旋回羽根(開閉機構)と、旋回羽根の旋回によって開閉される空気流路と空気流路内の風速を検知する検知部と、その風速に空気流路の断面積を掛けて空気流路内の風量を演算する演算部と、その空気流路内の風量と目標風量を比較して旋回羽根の開閉動作を判断する判断部を有し、旋回羽根によって空気流路の開度(空気流路の空気通過量)を変更することで、空気流路を通過する空気の風量を調節する。
【0045】
定風量装置16では、通常風量運転および少風量運転に対応する目標風量があらかじめ設定されている。通常風量運転において定風量装置16は、旋回羽根によって空気流路の開度を調節し、クリーンルーム11に給気される空気の風量をあらかじめ設定された通常風量運転目標風量に保持する。少風量運転において定風量装置16は、旋回羽根によって空気流路の開度を調節し、クリーンルーム11に給気される空気の風量をあらかじめ設定された少風量運転目標風量に保持する。
【0046】
第1切替運転において定風量装置16は、通常風量運転の通常風量運転目標風量から少風量運転の少風量運転目標風量に切り替わるまでの間、空気流路の開度を次第に小さくし、クリーンルーム11に給気される空気の風量を減少させる。定風量装置16は、少風量運転に切り替わった後、少風量運転に対応する旋回羽根の開度を保持する。第1切替運転では、定風量装置16の旋回羽根の開閉動作がコントローラ19によって制御される。
【0047】
第2切替運転において定風量装置16は、少風量運転の少風量運転目標風量から通常風量運転の通常風量運転目標風量に切り替わるまでの間、空気流路の開度を次第に大きくし、クリーンルーム11に給気される空気の風量を増加させる。定風量装置16は、通常風量運転に切り替わった後、通常風量運転に対応する旋回羽根の開度を保持する。第2切替運転では、定風量装置16の旋回羽根の開閉動作がコントローラ19によって制御される。
【0048】
室圧制御用モータダンパ(MD)17は、クリーンルーム11の床近傍に延びる排気ダクト13に設置されている。モータダンパ17は、その制御部(図示せず)が制御信号線20を介してコントローラ19に接続されている。モータダンパ17は、旋回羽根(開閉機構)と、旋回羽根の旋回によって開閉される空気流路とを有し、旋回羽根によって空気流路の開度(空気流路の空気通過量)を変更することで、空気流路を通過する空気の風量を調節する。
【0049】
室圧制御用モータダンパ17では、通常風量運転および少風量運転に対応する目標室圧があらかじめ設定されている。通常風量運転においてモータダンパ17は、旋回羽根によって空気流路の開度を調節し、空気流路を通過する空気の風量を増減してクリーンルーム11の室内気圧をあらかじめ設定された目標室圧に保持する。少風量運転においてモータダンパ17は、旋回羽根によって空気流路の開度を調節し、空気流路を通過する空気の風量を増減してクリーンルーム11の室内気圧をあらかじめ設定された目標室圧に保持する。
【0050】
室圧センサ18は、制御信号線20を介してコントローラ19に接続されている。室圧センサ18は、クリーンルーム11の室内気圧を計測し、計測した室内気圧を示す室圧信号をコントローラ19に送信する。コントローラ19は、演算処理を行う中央処理装置(CPUまたはMPU)と各種データを記憶可能なメモリとを有するコンピュータである。コントローラ19には、各種データや運転条件を入力するための入力装置、入力確認のための表示装置が接続されている(図示せず)。
【0051】
コントローラ19のメモリには、通常風量運転や少風量運転におけるクリーンルーム11の目標室圧、空調装置14の通常風量運転目標給気量または通常風量運転目標静圧、空調装置14の少風量運転目標給気量または少風量運転目標静圧、排気ファン15の通常風量運転目標排気量または通常風量運転目標静圧、排気ファン15の少風量運転目標排気量または少風量運転目標静圧、定風量装置16の通常風量運転目標風量、定風量装置16の少風量運転目標風量が格納されている。それら目標値は、入力装置からコントローラ19に入力され、入力装置を介して任意に設定される。目標室圧は、通常風量運転や少風量運転において同一である。
【0052】
コントローラ19のメモリには、クリーンルーム11の規定室圧の上限値、規定室圧の下限値が格納されている。規定室圧の上限値や下限値は、入力装置からコントローラ19に入力され、入力装置を介して任意に設定される。なお、規定室圧の上限値は、目標室圧の上限値よりも小さく、規定室圧の下限値は、目標室圧の下限値よりも小さい。従って、規定室圧は、目標室圧の範囲内にある。規定室圧は、入力装置からコントローラ19に入力され、入力装置を介して目標室圧の範囲内で任意に設定される。
【0053】
第1切替運転においてコントローラ19は、空調装置14の給気ファン21の少風量運転目標給気量または少風量運転目標静圧を空調装置14の制御部に送信し、給気ファン21の給気量減少を一時停止させる給気量減少停止信号を空調装置14の制御部に送信する。または、第1切替運転においてコントローラ19は、空調装置14の給気ファン21の少風量運転目標給気量または少風量運転目標静圧に切替える少風量運転指令を空調装置14の制御部に送信し、給気ファン21の給気量減少を一時停止させる給気量減少停止信号を空調装置14の制御部に送信する。この場合、空調装置14のメモリには少風量運転目標給気量または少風量運転目標静圧が格納されている。さらに、一時停止させた給気ファン21の給気量減少を再開させる給気量減少再開信号を空調装置14の制御部に送信する。
【0054】
第2切替運転においてコントローラ19は、空調装置14の給気ファン21の通常風量運転目標給気量または通常風量運転目標静圧を空調装置14の制御部に送信し、給気ファン21の給気量増加を一時停止させる給気量増加停止信号を空調装置14の制御部に送信する。または、第2切替運転においてコントローラ19は、空調装置14の給気ファン21の通常風量運転目標給気量または通常風量運転目標静圧に切替える通常風量運転指令を空調装置14の制御部に送信し、給気ファン21の給気量増加を一時停止させる給気量増加停止信号を空調装置14の制御部に送信する。この場合、空調装置14のメモリには通常風量運転目標給気量が格納されている。さらに、一時停止させた給気ファン21の給気量増加を再開させる給気量増加再開信号を空調装置14の制御部に送信する。
【0055】
第1切替運転においてコントローラ19は、排気ファン15の少風量運転目標排気量または少風量運転目標静圧を排気ファン15の制御部に送信し、排気ファン15の排気量減少を一時停止させる排気量減少停止信号を排気ファン15の制御部に送信する。または、第1切替運転においてコントローラ19は、排気ファン15の少風量運転目標排気量または少風量運転目標静圧に切替える少風量運転指令を排気ファン15の制御部に送信し、排気ファン15の排気量減少を一時停止させる排気量減少停止信号を排気ファン15の制御部に送信する。さらに、一時停止させた排気ファン15の排気量減少を再開させる排気量減少再開信号を排気ファン15の制御部に送信する。
【0056】
第2切替運転においてコントローラ19は、排気ファン15の通常風量運転目標排気量または通常風量運転目標静圧を排気ファン15の制御部に送信し、排気ファン15の排気量増加を一時停止させる排気量増加停止信号を排気ファン15の制御部に送信する。または、第2切替運転においてコントローラ19は、排気ファン15の通常風量運転目標排気量または通常風量運転目標静圧に切替える通常風量運転指令を排気ファン15の制御部に送信し、排気ファン15の排気量増加を一時停止させる排気量増加停止信号を排気ファン15の制御部に送信する。さらに、一時停止させた排気ファン15の排気量増加を再開させる排気量増加再開信号を排気ファン15の制御部に送信する。
【0057】
第1切替運転においてコントローラ19は、定風量装置16の少風量運転目標風量を定風量装置16の制御部に送信し、定風量装置16の旋回羽根の開閉動作を一時停止させる開閉動作停止信号を定風量装置16の制御部に送信する。または、第1切替運転においてコントローラ19は、定風量装置16の少風量運転目標風量に切替える少風量運転指令を定風量装置16の制御部に送信し、定風量装置16の旋回羽根の開閉動作を一時停止させる開閉動作停止信号を定風量装置16の制御部に送信する。さらに、一時停止させた定風量装置16の旋回羽根の開閉動作を再開させる開閉動作再開信号を定風量装置16の制御部に送信する。なお、定風量装置16は定風量装置16の風量をコントローラ19に送信する。
【0058】
第2切替運転においてコントローラ19は、定風量装置16の通常風量運転目標風量を定風量装置16の制御部に送信し、定風量装置16の旋回羽根の開閉動作を一時停止させる開閉動作停止信号を定風量装置16の制御部に送信する。または、第2切替運転においてコントローラ19は、定風量装置16の通常風量運転目標風量に切替える通常風量運転指令を定風量装置16の制御部に送信し、定風量装置16の旋回羽根の開閉動作を一時停止させる開閉動作停止信号を定風量装置16の制御部に送信する。さらに、一時停止させた定風量装置16の旋回羽根の開閉動作を再開させる開閉動作再開信号を定風量装置16の制御部に送信する。なお、定風量装置16は定風量装置16の風量をコントローラ19に送信する。
【0059】
通常風量運転および少風量運転では、空調装置14、排気ファン15、定風量装置16、室圧制御用モータダンパ17、室圧センサ18、コントローラ19が稼働し、空調装置14によって空調された所定量の空気がクリーンルーム11に給気され、排気ファン15によって所定量の空気がクリーンルーム11から屋外に排気されている。通常風量運転や少風量運転では、室圧センサ18からクリーンルーム11の室内気圧がコントローラ19に送信され、コントローラ19からモータダンパ17に制御信号が送信され、モータダンパ17がその制御信号に基づいて旋回羽根の開度を調節することで、クリーンルーム11の室内気圧が目標室圧に保持されている。または、室圧制御用モータダンパ17がクリーンルーム11の室内気圧を検知し、その旋回羽根の開度を調節することで、クリーンルーム11の室内気圧が目標室圧に保持されている。
【0060】
図2は、通常風量運転または少風量運転あるいは第1および第2切替運転の状態で示す運転モード変更システム10Aの構成図であり、
図3は、第1切替運転を説明するフローチャートであり、
図4は、
図3から続くフローチャートである。
図5は、
図4から続くフローチャートである。
図6(a)は、第1切替運転における定風量装置16の風量の経時変化を示すグラフであり、
図6(b)は、第1切替運転におけるクリーンルーム11の室内気圧の経時変化を示すグラフである。
図2では、第1切替運転における風量の変化を示す。
図6(a)のグラフでは、縦軸が定風量装置16の風量を表し、横軸が経過時間を表す。
図6(b)のグラフでは、縦軸が室内気圧を表し、横軸が経過時間を表す。
【0061】
それらフローチャートに基づいて、第1切替運転において運転モード変更システム10Aが実施する各手段を説明すると、以下のとおりである。運転モード変更システム10Aでは、クリーンルーム11の内部において作業者が所定の作業を行う使用時間に通常風量運転が実施される(S−10)。通常風量運転では、空調装置14が通常風量運転目標給気量または通常風量運転目標静圧で運転され、排気ファン15が通常風量運転目標排気量または通常風量運転目標静圧で運転されるとともに、定風量装置16が通常風量運転目標風量で運転される。通常風量運転では、クリーンルーム11の室内気圧が目標室圧に保持される(S−11)。
【0062】
クリーンルーム11での作業が中断する非使用時間では、省エネルギー化を図るために少風量運転が行われる。コントローラ19は、通常風量運転の実施中に、通常風量運転から少風量運転へ切り替える切替指示があったかを判断する(S−12)。通常風量運転から少風量運転への切替指示がない場合、コントローラ19は、通常風量運転を継続する。通常風量運転から少風量運転への切替指示があった場合、コントローラ19は、第1切替運転を実施し、通常風量運転から少風量運転に切り替える。
【0063】
コントローラ19は、メモリから空調装置14の少風量運転目標給気量または少風量運転目標静圧を読み出し、少風量運転目標給気量または少風量運転目標静圧を空調装置14の制御部に送信する。空調装置14の制御部は、コントローラ19から少風量運転目標給気量または少風量運転目標静圧を受信した後、通常風量運転目標給気量または通常風量運転目標静圧を少風量運転目標給気量または少風量運転目標静圧に変更する(S−13)。空調装置14の制御部は、通常風量運転の通常風量運転目標給気量または通常風量運転目標静圧から少風量運転の少風量運転目標給気量または少風量運転目標静圧に切り替わるまでの間、給気ファン21をインバータ制御し、クリーンルーム11に給気する空気(空調空気)の給気量を次第に減少させる(S−14)。
【0064】
コントローラ19は、メモリから排気ファン15の少風量運転目標排気量または少風量運転目標静圧を読み出し、少風量運転目標排気量または少風量運転目標静圧を排気ファン15の制御部に送信する。排気ファン15の制御部は、コントローラ19から少風量運転目標排気量または少風量運転目標静圧を受信した後、通常風量運転目標排気量または通常風量運転目標静圧を少風量運転目標排気量または少風量運転目標静圧に変更する(S−13)。排気ファン15の制御部は、通常風量運転の通常風量運転目標排気量または通常風量運転目標静圧から少風量運転の少風量運転目標排気量または少風量運転目標静圧に切り替わるまでの間、排気ファン15をインバータ制御し、クリーンルーム11から排気する空気の排気量を次第に減少させる(S−14)。なお、排気ダクト13を通流する空気の流量信号が流量計からコントローラ19に送信されている。
【0065】
コントローラ19は、メモリから定風量装置16の少風量運転目標風量を読み出し、読み出した少風量運転目標風量を定風量装置16の制御部に送信する。定風量装置16の制御部は、コントローラ19から少風量運転目標風量を受信した後、通常風量運転目標風量を少風量運転目標風量に変更するとともに(S−13)、少風量運転目標風量に対応した旋回羽根の開閉動作による風量減少を開始する。定風量装置16の制御部は、通常風量運転の通常風量運転目標風量から少風量運転の少風量運転目標風量に切り替わるまでの間、旋回羽根を旋回させて空気流路の開度を次第に小さくし、クリーンルーム11に給気される空気の風量を次第に減少させる(S−14)。
【0066】
コントローラ19は、空調装置14の給気量減少過程(給気量減少継続中)や排気ファン15の排気量減少過程(排気量減少継続中)、定風量装置16の風量減少過程(風量減少継続中)において、室圧センサ18から送信された室圧信号によってクリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達したかを判断する(S−15)。コントローラ19は、クリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達しておらず、室内気圧が規定室圧の範囲内にあると判断した場合、空調装置14の給気量減少を継続させ、排気ファン15の排気量減少を継続させるとともに、定風量装置16の風量減少を継続させる(S−16)。
【0067】
次に、コントローラ19は、定風量装置16の風量が少風量運転目標風量になったかを判断する(S−17)。コントローラ19は、ステップ17(S−17)において、定風量装置16の風量が少風量運転目標風量になっていないと判断した場合、ステップ14(S−14)に戻り、ステップ14(S−14)からの手順を繰り返す。コントローラ19は、ステップ17(S−17)において、定風量装置16の風量が少風量運転目標風量になったと判断した場合、その状態で少風量運転を実施する(S−18)。
【0068】
少風量運転では、空調装置14が少風量運転目標給気量を保持し、排気ファン15が少風量運転目標排気量を保持するとともに、定風量装置16が少風量運転目標風量を保持し、室圧制御用モータダンパ17によってクリーンルーム11の室内気圧が目標室圧に保持される。運転モード変更システム10Aでは、定風量装置16が通常風量運転目標風量(通常風量運転)から少風量運転目標風量(少風量運転)に切り替わるまでの時間が300〜900秒の範囲にある。したがって、通常風量運転から少風量運転に切り替わるまでの時間が300〜900秒の範囲にある。
【0069】
ステップ15(S−15)においてコントローラ19は、クリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の下限値に達していると判断した場合、給気量減少停止信号を空調装置14の制御部に送信し、クリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値に達していると判断した場合、排気量減少停止信号を排気ファン15の制御部に送信するとともに、クリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達していると判断した場合、風量減少停止信号を定風量装置16の制御部に送信する。風量減少停止信号には、所定の時間間隔で風量減少停止と風量減少再開とを交互に繰り返させる繰り返し指令が含まれる場合と、繰り返し指令が含まれない場合とがある。
【0070】
空調装置14の制御部は、コントローラ19からの給気量減少停止信号にしたがって空調装置14の給気量減少を一時停止し(給気量減少停止手段)(S−19)、給気量減少停止実施信号をコントローラ19に送信する。排気ファン15の制御部は、コントローラ19からの排気量減少停止信号にしたがって排気ファン15の排気量減少を一時停止し(排気量減少停止手段)(S−19)、排気量減少停止実施信号をコントローラ19に送信する。定風量装置16の制御部は、コントローラ19からの風量減少停止信号にしたがって定風量装置16の風量減少を一時停止し(風量減少停止手段)(S−19)、風量減少停止実施信号をコントローラ19に送信する。空調装置14の給気量減少停止と排気ファン15の排気量減少停止と定風量装置16の風量減少停止とはそれらが独立して行われる。
【0071】
風量減少停止信号に繰り返し指令が含まれない場合、定風量装置16の制御部は、コントローラ19から風量減少再開信号が送信されるまで風量減少を停止する。風量減少停止信号に繰り返し指令が含まれる場合、定風量装置16の制御部は、定風量装置16に所定の時間間隔で風量減少の停止と風量減少の再開とを交互に繰り返させる。たとえば、風量減少を2秒停止させた後、風量減少を再開させ、風量減少を3秒行わせた後、風量減少を再び停止させ、その後、風量減少を再開させる。
【0072】
風量減少停止手段において風量減少の停止と風量減少の再開とを交互に繰り返す場合、第1切替運転中にクリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達したとしても、規定室圧の上限値に対して室内気圧を速やかに下回らせることができるとともに、規定室圧の下限値に対して室内気圧を速やかに上回らせることができる。
【0073】
次に、コントローラ19は、室圧センサ18から送信された室圧信号によってクリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値を下回ったかまたは下限値を上回ったかを判断する(S−20)。コントローラ19は、クリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値を下回っておらずまたは下限値を上回っていないと判断した場合、空調装置14の給気量減少停止を継続させ、排気ファン15の排気量減少停止を継続させるとともに、定風量装置16の風量減少停止を継続させ(S−21)、ステップ20(S−20)からの手順を繰り返す。
【0074】
ステップ20(S−20)においてコントローラ19は、クリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値を下回りまたは下限値を上回ったと判断した場合、空調装置14の制御部に給気量減少再開信号を送信し、排気ファン15の制御部に排気量減少再開信号を送信するとともに、定風量装置16の制御部に閉動作再開信号を送信する。
【0075】
空調装置14の制御部は、コントローラ19からの給気量減少再開信号にしたがって空調装置14の給気量減少を再開し(給気量減少再開手段)(S−22)、給気量減少再開実施信号をコントローラ19に送信する。排気ファン15の制御部は、コントローラ19からの排気量減少再開信号にしたがって排気ファン15の排気量減少を再開し(排気量減少再開手段)(S−22)、排気量減少再開実施信号をコントローラ19に送信する。定風量装置16の制御部は、コントローラ19からの風量減少再開信号にしたがって定風量装置16の風量減少を再開し(風量減少再開手段)(S−22)、風量減少再開実施信号をコントローラ19に送信する。空調装置14の給気量減少再開と排気ファン15の排気量減少再開と定風量装置16の風量減少再開とはそれらが独立して行われる。
【0076】
空調装置14が給気量減少を再開し、排気ファン15が排気量減少を再開するとともに、定風量装置16の風量減少を再開した後、コントローラ19は、定風量装置16の風量が少風量運転目標風量になったかを判断する(S−23)。コントローラ19は、ステップ23(S−23)において、定風量装置16の風量が少風量運転目標風量になっていないと判断した場合、ステップ15(S−15)に戻り、ステップ15(S−15)からの手順を繰り返す。コントローラ19は、ステップ23(S−23)において、定風量装置16の風量が少風量運転目標風量になったと判断した場合、ステップ17(S−17)と同様に、その状態で少風量運転を実施する(S−18)。
【0077】
運転モード変更システム10Aは、通常風量運転から少風量運転への第1切替運転における空調装置14の給気量減少過程、排気ファン15(排気装置)の排気量減少過程、定風量装置16(風量変更装置)の風量減少過程において、室圧センサ18が計測したクリーンルーム11(空調室)の室内気圧が所定の規定室圧の下限値に達した場合、空調装置14に給気量減少を一時停止させ、クリーンルーム11(空調室)の室内気圧が所定の規定室圧の上限値に達した場合、排気ファン15に排気量減少を一時停止させるとともに、クリーンルーム11(空調室)の室内気圧が所定の規定室圧の上限値または下限値に達した場合、定風量装置16に風量減少を一時停止させるから、第1切替運転中にクリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達したとしても、規定室圧の上限値に対して室内気圧を速やかに下回らせることができるとともに、規定室圧の下限値に対して室内気圧を速やかに上回らせることができる。
【0078】
運転モード変更システム10Aは、第1切替運転中においてクリーンルーム11の室内気圧と基準圧との圧力差が小さくなることで所定量を確保できなくなることはなく、圧力の正負が逆転することもないから、隣接空間の空気のクリーンルーム11への不用意な進入を防ぐことができ、隣接空間の空気が進入することによるクリーンルーム11の汚染を防ぐことができる。
【0079】
運転モード変更システム10Aは、第1切替運転における給気量減少停止手段や排気量減少停止手段、風量減少停止手段の実施中に、室圧センサ18が計測したクリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値を下回りまたは規定室圧の下限値を上回った場合、空調装置14に給気量減少を再開させ、排気ファン15に排気量減少を再開させるとともに、定風量装置16に風量減少を再開させるから、クリーンルーム11の室内気圧を規定室圧の上限値と下限値との間の範囲内に保持しつつ、通常風量運転から少風量運転へ迅速に切り替えることができ、第1切替運転の運転時間を短縮することができる。
【0080】
運転モード変更システム10Aは、給気量減少停止から給気量減少再開に速やかに移行することができ、排気量減少停止から排気量減少再開に速やかに移行することができるとともに、風量減少停止から風量減少再開に速やかに移行することができるから、
図15,16に示す背景技術と比較し、
図6(a),(b)に示すように、通常風量運転から少風量運転への切替時にクリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値を上回ることがなく、室内気圧が規定室圧の下限値を下回ることがないとともに、通常風量運転から少風量運転への切替時間が背景技術のそれと比較して短い。
【0081】
図7は、第2切替運転を説明するフローチャートであり、
図8は、
図7から続くフローチャートである。
図9は、
図8から続くフローチャートである。
図10(a)は、第2切替運転における定風量装置16の風量の経時変化を示すグラフであり、
図10(b)は、第2切替運転におけるクリーンルーム11の室内気圧の経時変化を示すグラフである。
図7では、第2切替運転における風量の変化を示す。
図10(a)のグラフでは、縦軸が定風量装置16の風量を表し、横軸が経過時間を表す。
図10(b)のグラフでは、縦軸が室内気圧を表し、横軸が経過時間を表す。
【0082】
それらフローチャートに基づいて、第2切替運転において運転モード変更システム10Aが実施する各手段を説明すると、以下のとおりである。クリーンルーム11での作業が中断している非使用時間ではたとえば省エネルギーのために少風量運転が実施される(S−30)。少風量運転では、空調装置14が少風量運転目標給気量または少風量運転目標静圧で運転され、排気ファン15が少風量運転目標排気量または少風量運転目標静圧で運転されるとともに、定風量装置16が少風量運転目標風量で運転される。少風量運転では、クリーンルーム11の室内気圧が目標室圧に保持される(S−31)。
【0083】
クリーンルーム11で作業が行われる使用時間になると、通常風量運転が行われる。コントローラ19は、少風量運転の実施中に、少風量運転から通常風量運転へ切り替える切替指示があったかを判断する(S−32)。少風量運転から通常風量運転への切替指示がない場合、コントローラ19は、少風量運転を継続する。少風量運転から通常風量運転への切替指示があった場合、コントローラ19は、第2切替運転を実施し、少風量運転から通常風量運転に切り替える。
【0084】
コントローラ19は、メモリから空調装置14の通常風量運転目標給気量または通常風量運転目標静圧を読み出し、通常風量運転目標給気量または通常風量運転目標静圧を空調装置14の制御部に送信する。空調装置14の制御部は、コントローラ19から通常風量運転目標給気量または通常風量運転目標静圧を受信した後、少風量運転目標給気量または少風量運転目標静圧を通常風量運転目標給気量または通常風量運転目標静圧に変更する(S−33)。空調装置14の制御部は、少風量運転の少風量運転目標給気量または少風量運転目標静圧から通常風量運転の通常風量運転目標給気量または通常風量運転目標静圧に切り替わるまでの間、給気ファン21をインバータ制御し、クリーンルーム11に給気する空気(空調空気)の給気量を次第に増加させる(S−34)。
【0085】
コントローラ19は、メモリから排気ファン15の通常風量運転目標排気量または通常風量運転目標静圧を読み出し、通常風量運転目標排気量または通常風量運転目標静圧を排気ファン15の制御部に送信する。排気ファン15の制御部は、コントローラ19から通常風量運転目標排気量または通常風量運転目標静圧を受信した後、少風量運転目標排気量または少風量運転目標静圧を通常風量運転目標排気量または通常風量運転目標静圧に変更する(S−33)。排気量増加開始信号にしたがって排気量増加を開始し、排気量増加開始信号をコントローラ19に送信する。排気ファン15の制御部は、少風量運転の少風量運転目標排気量または少風量運転目標静圧から通常風量運転の通常風量運転目標排気量または通常風量運転目標静圧に切り替わるまでの間、排気ファン15をインバータ制御し、クリーンルーム11から排気する空気の排気量を次第に増加させる(S−34)。なお、排気ダクト13を通流する空気の流量信号が流量計からコントローラ19に送信されている。
【0086】
コントローラ19は、メモリから定風量装置16の通常風量運転目標風量を読み出し、読み出した通常風量運転目標風量を定風量装置16の制御部に送信する。定風量装置16の制御部は、コントローラ19から通常風量運転目標風量を受信した後、少風量運転目標風量を通常風量運転目標風量に変更するとともに(S−33)、通常風量運転目標風量に対応した旋回羽根の開閉動作による風量増加を開始する。定風量装置16の制御部は、少風量運転の少風量運転目標風量から通常風量運転の通常風量運転目標風量に切り替わるまでの間、旋回羽根を旋回させて空気流路の開度を次第に大きくし、クリーンルーム11に給気される空気の風量を次第に増加させる(S−34)。
【0087】
コントローラ19は、空調装置14の給気量増加過程(給気量増加継続中)や排気ファン15の排気量増加過程(排気量増加継続中)、定風量装置16の風量増加過程(風量増加継続中)において、室圧センサ18から送信された室圧信号によってクリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達したかを判断する(S−35)。コントローラ19は、クリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達しておらず、室内気圧が規定室圧の範囲内にあると判断した場合、空調装置14の給気量増加を継続させ、排気ファン15の排気量増加を継続させるとともに、定風量装置16の風量増加を継続させる(S−36)。
【0088】
次に、コントローラ19は、定風量装置16の風量が通常風量運転目標風量になったかを判断する(S−37)。コントローラ19は、ステップ37(S−37)において、定風量装置16の風量が通常風量運転目標風量になっていないと判断した場合、ステップ34(S−34)に戻り、ステップ34(S−34)からの手順を繰り返す。コントローラ19は、ステップ37(S−37)において、定風量装置16の風量が通常風量運転目標風量になったと判断した場合、その状態で通常風量運転を実施する(S−38)。
【0089】
通常風量運転では、空調装置14が通常風量運転目標給気量を保持し、排気ファン15が通常風量運転目標排気量を保持するとともに、定風量装置16が通常風量運転目標風量を保持し、室圧制御用モータダンパ17によってクリーンルーム11の室内気圧が目標室圧に保持される。運転モード変更システム10Aでは、定風量装置16の少風量運転目標風量(少風量運転)から通常風量運転目標風量(通常風量運転)に切り替わるまでの時間が300〜900秒の範囲にある。したがって、少風量運転から通常風量運転に切り替わるまでの時間が300〜900秒の範囲にある。
【0090】
ステップ35(S−35)においてコントローラ19は、クリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値に達していると判断した場合、給気量増加停止信号を空調装置14の制御部に送信し、クリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の下限値に達していると判断した場合、排気量増加停止信号を排気ファン15の制御部に送信するとともに、クリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達していると判断した場合、風量増加停止信号を定風量装置16の制御部に送信する。風量増加停止信号には、所定の時間間隔で風量増加停止と風量増加再開とを交互に繰り返させる繰り返し指令が含まれる場合と、繰り返し指令が含まれない場合とがある。
【0091】
空調装置14の制御部は、コントローラ19からの給気量増加停止信号にしたがって空調装置14の給気量増加を一時停止し(給気量増加停止手段)(S−39)、給気量増加停止実行信号をコントローラ19に送信する。排気ファン15の制御部は、コントローラ19からの排気量増加停止信号にしたがって排気ファン15の排気量増加を一時停止し(排気量増加停止手段)(S−39)、排気量増加停止実施信号をコントローラ19に送信する。定風量装置16の制御部は、コントローラ19からの風量増加停止信号にしたがって定風量装置16の風量増加を一時停止し(風量増加停止手段)(S−39)、風量増加停止実施信号をコントローラ19に送信する。空調装置14の給気量増加停止と排気ファン15の排気量増加停止と定風量装置16の風量増加停止とはそれらが独立して行われる。
【0092】
風量増加停止信号に繰り返し指令が含まれない場合、定風量装置16の制御部は、コントローラ19から風量増加再開信号が送信されるまで風量増加を停止する。風量増加停止信号に繰り返し指令が含まれる場合、定風量装置16の制御部は、定風量装置16に所定の時間間隔で風量増加の停止と風量増加の再開とを交互に繰り返させる。たとえば、風量増加を2秒停止させた後、風量増加を再開させ、風量増加を3秒行わせた後、風量増加を再び停止させ、その後、風量増加を再開させる。
【0093】
風量増加停止手段において風量増加の停止と風量増加の再開とを交互に繰り返す場合、第2切替運転中にクリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達したとしても、規定室圧の上限値に対して室内気圧を速やかに下回らせることができるとともに、規定室圧の下限値に対して室内気圧を速やかに上回らせることができる。
【0094】
次に、コントローラ19は、室圧センサ18から送信された室圧信号によってクリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値を下回ったかまたは下限値を上回ったかを判断する(S−40)。コントローラ19は、クリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値を下回っておらずまたは下限値を上回っていないと判断した場合、空調装置14の給気量増加停止を継続させ、排気ファン15の排気量増加停止を継続させるとともに、定風量装置16の風量増加停止を継続させ(S−41)、ステップ40(S−40)からの手順を繰り返す。
【0095】
ステップ40(S−40)においてコントローラ19は、クリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値を下回りまたは下限値を上回ったと判断した場合、空調装置14の制御部に給気量増加再開信号を送信し、排気ファン15の制御部に排気量増加再開信号を送信するとともに、定風量装置16の制御部に開動作再開信号を送信する。
【0096】
空調装置14の制御部は、コントローラ19からの給気量増加再開信号にしたがって空調装置14の給気量増加を再開し(給気量増加再開手段)(S−42)、給気量増加再開実施信号をコントローラ19に送信する。排気ファン15の制御部は、コントローラ19からの排気量増加再開信号にしたがって排気ファン15の排気量増加を再開し(排気量増加再開手段)(S−42)、排気量増加再開実施信号をコントローラ19に送信する。定風量装置16の制御部は、コントローラ19からの風量増加再開信号にしたがって定風量装置16の風量増加を再開し(風量増加再開手段)(S−42)、風量増加再開実施信号をコントローラ19に送信する。空調装置14の給気量増加再開と排気ファン15の排気量増加再開と定風量装置16の風量増加再開とはそれらが独立して行われる。
【0097】
空調装置14が給気量増加を再開し、排気ファン15が排気量増加を再開するとともに、定風量装置16の風量増加を再開した後、コントローラ19は、定風量装置16の風量が通常風量運転目標風量になったかを判断する(S−43)。コントローラ19は、ステップ43(S−43)において、定風量装置16の風量が通常風量運転目標風量になっていないと判断した場合、ステップ35(S−35)に戻り、ステップ35(S−35)からの手順を繰り返す。コントローラ19は、ステップ43(S−43)において、定風量装置16の風量が通常風量運転目標風量になったと判断した場合、ステップ37(S−37)と同様に、その状態で通常風量運転を実施する(S−38)。
【0098】
運転モード変更システム10Aは、少風量運転から通常風量運転への第2切替運転における空調装置14の給気量増加過程、排気ファン15(排気装置)の排気量増加過程、定風量装置16(風量変更装置)の風量増加過程において、室圧センサ18が計測したクリーンルーム11(空調室)の室内気圧が所定の規定室圧の上限値に達した場合、空調装置14に給気量増加を一時停止させ、クリーンルーム11(空調室)の室内気圧が所定の規定室圧の下限値に達した場合、排気ファン15に排気量増加を一時停止させるとともに、クリーンルーム11(空調室)の室内気圧が所定の規定室圧の上限値または下限値に達した場合、定風量装置16に風量増加を一時停止させるから、第2切替運転中にクリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達したとしても、規定室圧の上限値に対して室内気圧を速やかに下回らせることができるとともに、規定室圧の下限値に対して室内気圧を速やかに上回らせることができる。
【0099】
運転モード変更システム10Aは、第2切替運転中においてクリーンルーム11の室内気圧と基準圧との圧力差が小さくなることで所定量を確保できなくなることはなく、圧力の正負が逆転することもないから、隣接空間の空気のクリーンルーム11への不用意な進入を防ぐことができ、隣接空間の空気が進入することによるクリーンルーム11の汚染を防ぐことができる。
【0100】
運転モード変更システム10Aは、第2切替運転における給気量増加停止手段や排気量増加停止手段、風量増加停止手段の実施中に、室圧センサ18が計測したクリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値を下回りまたは規定室圧の下限値を上回った場合、空調装置14に給気量増加を再開させ、排気ファン15に排気量増加を再開させるとともに、定風量装置16に風量増加を再開させるから、クリーンルーム11の室内気圧を規定室圧の上限値と下限値との間の範囲内に保持しつつ、少風量運転から通常風量運転へ迅速に切り替えることができ、第2切替運転の運転時間を短縮することができるとともに、クリーンルーム11において作業者が作業を速やかに開始することができる。
【0101】
運転モード変更システム10Aは、給気量増加停止から給気量増加再開に速やかに移行することができ、排気量増加停止から排気量増加再開に速やかに移行することができるとともに、風量増加停止から風量増加再開に速やかに移行することができるから、
図15,16に示す背景技術と比較し、
図10(a),(b)に示すように、少風量運転から通常風量運転への切替時にクリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値を上回ることがなく、室内気圧が規定室圧の下限値を下回ることがないとともに、少風量運転から通常風量運転への切替時間が背景技術のそれと比較して短い。
【0102】
図11は、他の一例として示す運転モード変更システム10Bの概念構成図であり、
図12は、他の一例として示す運転モード変更システム10Cの概念構成図である。
図13(a)は、第1切替運転における定風量装置16の風量の経時変化を示すグラフであり、
図13(b)は、第1切替運転におけるクリーンルーム11の室内気圧の経時変化を示すグラフである。
図14(a)は、第2切替運転における定風量装置16の風量の経時変化を示すグラフであり、
図14(b)は、第2切替運転におけるクリーンルーム11の室内気圧の経時変化を示すグラフである。
【0103】
図13(a)および
図14(a)のグラフでは、縦軸が定風量装置16の風量を表し、横軸が経過時間を表す。
図13(b)および
図14(b)のグラフでは、縦軸が室内気圧を表し、横軸が経過時間を表す。運転モード変更システム10Bおよび運転モード変更システム10Cにおける通常風量運転や少風量運転、第1および第2切替運転の手順は、
図1の運転モード変更システム10Aのそれらと同一であるから、
図1の運転モード変更システム10Aの説明を援用することで、各運転の手順の説明は省略する。
【0104】
図11に示す運転モード変更システム10Bは、第1クリーンルーム11aおよび第2クリーンルーム11b(第1〜第n空調室)を備え、基幹給気ダクト12と基幹給気ダクト12から分岐して第1および第2クリーンルーム11a,11bにつながる第1および第2分岐給気ダクト12a,12b(第1〜第n分岐給気ダクト)とを備えているとともに、基幹排気ダクト13と基幹排気ダクト13から分岐して第1および第2クリーンルーム11a,11bにつながる第1および第2分岐排気ダクト13a,13b(第1〜第n分岐給気ダクト)とを備えている。
【0105】
さらに、第1分岐給気ダクト12aに設置された第1定風量装置16aと第2分岐給気ダクト12bに設置された第2定風量装置16b(第1〜第n風量変更装置)とを備え、第1分岐排気ダクト13aに設置された第1室圧制御用モータダンパ17aと第2分岐排気ダクト13bに設置された第2室圧制御用モータダンパ17bとを備えているとともに、第1クリーンルーム11aの室内気圧を計測する第1室圧センサ18aと第2クリーンルーム11bの室内気圧を計測する第2室圧センサ18bとを備えている。なお、クリーンルームの室数を2室に限定するものではなく、3室以上のクリーンルームが存在する場合もある。
【0106】
運転モード変更システム10Bでは、第1切替運転において第1定風量装置16a(第1風量変更装置)から第2定風量装置16b(第n風量変更装置)に向かって所定の間隔で風量減少停止手段および風量減少再開手段を順番に実施する。その一例として、第1切替運転においてコントローラ19は、第1定風量装置16aに風量減少停止手段および風量減少再開手段を実施してから所定時間経過後(たとえば、20〜60秒経過後)に第2定風量装置16bに風量減少停止手段および風量減少再開手段を実施する。このように、第1切替運転では、第1定風量装置から第n定風量装置に向かって所定の時間間隔で風量減少停止手段および風量減少再開手段を順番に実施する。
【0107】
他の一例として、第1切替運転においてコントローラ19は、第1定風量装置16a(第1風量変更装置)に風量減少停止手段および風量減少再開手段を実施してから、第1定風量装置16aの風量が少風量運転目標風量に達した後、または、第1定風量装置16aの風量が少風量運転目標風量の30%〜50%に達した後、第2定風量装置16b(第n風量変更装置)に風量減少停止手段および風量減少再開手段を実施する。このように、第1切替運転では、第1定風量装置から第n定風量装置に向かって直前の定風量装置の少風量運転目標風量に対する風量に応じて風量減少停止手段および風量減少再開手段を順番に実施する。
【0108】
運転モード変更システム10Bでは、第2切替運転において第1定風量装置16a(第1風量変更装置)から第2定風量装置16b(第n風量変更装置)に向かって所定の間隔で風量増加停止手段および風量増加再開手段を順番に実施する。その一例として、第2切替運転においてコントローラ19は、第1定風量装置16aに風量増加停止手段および風量増加再開手段を実施してから所定時間経過後(たとえば、20〜60秒経過後)に第2定風量装置16bに風量増加停止手段および風量増加再開手段を実施する。このように、第1切替運転では、第1定風量装置から第n定風量装置に向かって所定の時間間隔で風量増加停止手段および風量増加再開手段を順番に実施する。
【0109】
他の一例として、第2切替運転においてコントローラ19は、第1定風量装置16a(第1風量変更装置)に風量増加停止手段および風量増加再開手段を実施してから、第1定風量装置16aの風量が少風量運転目標風量に達した後、または、第1定風量装置16aの風量が少風量運転目標風量の30%〜50%に達した後、第2定風量装置16b(第n風量変更装置)に風量増加停止手段および風量増加再開手段を実施する。このように、第2切替運転では、第1定風量装置から第n定風量装置に向かって直前の定風量装置の少風量運転目標風量に対する風量に応じて風量増加停止手段および風量増加再開手段を順番に実施する。
【0110】
図12に示す運転モード変更システム11Cは、第1クリーンルーム11a〜第4クリーンルーム11d(第1〜第n空調室)を備え、基幹給気ダクト12と基幹給気ダクト12から分岐して第1〜第4クリーンルーム11a〜11dにつながる第1〜第4分岐給気ダクト12a〜12d(第1〜第n分岐給気ダクト)とを備えているとともに、基幹排気ダクト13と基幹排気ダクト13から分岐して第1〜第4クリーンルーム11a〜11dにつながる第1〜第4分岐排気ダクト13a〜13d(第1〜第n分岐給気ダクト)とを備えている。
【0111】
さらに、第1〜第4分岐給気ダクト12a〜12dに設置された第1〜第4定風量装置16a〜16d(第1〜第n風量変更装置)を備え、第1〜第4分岐排気ダクト13a〜13dに設置された第1〜第4室圧制御用モータダンパ17a〜17dを備えているとともに、第1〜第4クリーンルーム11a〜11dの室内気圧を計測する第1〜第4室圧センサ18a〜18dを備えている。運転モード変更システム11Cでは、第1および第2定風量装置16a,16bが第1定風量装置グループG1(第1風量変更装置グループ)を形成し、第3および第4定風量装置16c,16dが第2定風量装置グループG2(第n風量変更装置グループ)を形成している。なお、定風量装置グループを2つのグループに限定するものではなく、3つ以上のグループが存在する場合がある。また、定風量装置グループを形成する定風量装置の台数に限定はなく、3台以上(各グループの定風量装置の台数が等しくなくてもよい)の定風量装置が1つのグループを形成してもよい。
【0112】
運転モード変更システム10Cでは、第1切替運転において第1定風量装置グループG1(第1風量変更装置グループ)から第2定風量装置グループG2(第n風量変更装置グループ)に向かって所定の間隔で風量減少停止手段および風量減少再開手段を順番に実施する。その一例として、第1切替運転においてコントローラ19は、第1定風量装置グループG1に風量減少停止手段および風量減少再開手段を実施してから所定時間経過後(たとえば、20〜60秒経過後)に第1定風量装置グループG2に風量減少停止手段および風量減少再開手段を実施する。このように、第1切替運転では、第1定風量装置グループから第n定風量装置グループに向かって所定の時間間隔で風量減少停止手段および風量減少再開手段を順番に実施する。
【0113】
他の一例として、第1切替運転においてコントローラ19は、第1定風量装置グループG1(第1風量変更装置グループ)に風量減少停止手段および風量減少再開手段を実施してから、第1定風量装置グループG1の風量が少風量運転目標風量に達した後、または、第1定風量装置グループG1の風量が少風量運転目標風量の30%〜50%に達した後、第2定風量装置グループG2(第n風量変更装置グループ)に風量減少停止手段および風量減少再開手段を実施する。このように、第1切替運転では、第1定風量装置グループから第n風量装置グループに向かって直前の定風量装置グループの少風量運転目標風量に対する風量に応じて風量減少停止手段および風量減少再開手段を順番に実施する。
【0114】
運転モード変更システム10Cでは、第2切替運転において第1定風量装置グループG1(第1風量変更装置グループ)から第2定風量装置グループG2(第n風量変更装置グループ)に向かって所定の間隔で風量増加停止手段および風量増加再開手段を順番に実施する。その一例として、第2切替運転においてコントローラ19は、第1定風量装置グループG1に風量増加停止手段および風量増加再開手段を実施してから所定時間経過後(たとえば、20〜60秒経過後)に第2定風量装置グループG2に風量増加停止手段および風量増加再開手段を実施する。このように、第1切替運転では、第1定風量装置グループから第n定風量装置グループに向かって所定の時間間隔で風量増加停止手段および風量増加再開手段を順番に実施する。
【0115】
他の一例として、第2切替運転においてコントローラ19は、第1定風量装置グループG1(第1風量変更装置グループ)に風量増加停止手段および風量増加再開手段を実施してから、第1定風量装置グループG1の風量(開度)が少風量運転目標風量(少風量運転目標風量対応開度)に達した後、または、第1定風量装置グループG1の風量(開度)が少風量運転目標風量(少風量運転目標風量対応開度)の30%〜50%に達した後、第2定風量装置グループG2(第n風量変更装置グループ)に風量増加停止手段および風量増加再開手段を実施する。このように、第2切替運転では、第1定風量装置グループから第n定風量装置グループに向かって直前の定風量装置グループの少風量運転目標風量(少風量運転目標風量対応開度)に対する風量(開度)に応じて風量増加停止手段および風量増加再開手段を順番に実施する。
【0116】
基幹給気ダクト12から分岐する第1〜第4分岐給気ダクト12a〜12dに第1〜第4定風量装置16a〜16dが設置されている場合、第1〜第4定風量装置16a〜16dに風量減少停止手段と風量減少再開手段とを同時に実施し、または、風量増加停止手段と風量増加再開手段とを同時に実施すると、第1〜第4定風量装置16a〜16dどうしが互いに干渉し、基幹給気ダクト12や分岐給気ダクト12a〜12dのダクト内圧力が大きく変動し、クリーンルーム11a〜11dの室内気圧が大きく変動する場合がある。この場合、第1〜第4定風量装置16a〜16dに風量減少停止手段および風量減少再開手段を実施しても、クリーンルーム11a〜11dの室内気圧を規定室圧の範囲内に保持することが困難になる。
【0117】
しかし、運転モード変更システム10B,10Cは、第1切替運転において第1定風量装置から第n定風量装置に向かってまたは第1定風量装置グループから第n定風量装置グループに向かって所定の間隔で風量減少停止手段と風量減少再開手段とを順番に実施し、または、第2切替運転において第1定風量装置から第n定風量装置に向かってまたは第1定風量装置グループから第n定風量装置グループに向かって所定の間隔で風量増加停止手段と風量増加再開手段とを順番に実施するから、第1〜第n定風量装置どうしが干渉することはなく、第1〜第n定風量装置グループどうしが干渉することはなく、ダクト内圧力の変動を防ぐことができる。その結果、クリーンルームの室内気圧が大きく変動することはなく、第1切替運転中や第2切替運転中にクリーンルームの室内気圧が規定室圧の上限値または下限値に達したとしても、規定室圧の上限値に対して室内気圧を速やかに下回らせることができ、規定室圧の下限値に対して室内気圧を速やかに上回らせることができるとともに、通常風量運転から少風量運転へ迅速に切り替えることができ、少風量運転から通常風量運転へ迅速に切り替えることができる。運転モード変更システム10B,10Cは、
図13,14に示すように、通常風量運転から少風量運転への切替時や少風量運転から通常風量運転への切替時に、クリーンルーム11の室内気圧が規定室圧の上限値を上回ることがなく、室内気圧が規定室圧の下限値を下回ることがない。
【0118】
図1や
図12、
図13に示す運転モード変更システム10A,10B,10Cでは、定風量装置16(第1〜第4定風量装置16a〜16d)が給気ダクト12(第1〜第4分岐給気ダクト12a〜12d)に設置されているが、定風量装置16(第1〜第4定風量装置16a〜16d)が排気ダクト13(第1〜第4分岐排気ダクト13a〜13d)に設置され、室圧制御用モータダンパ17(第1〜第4室圧制御用モータダンパ17a〜17d)が給気ダクト12(第1〜第4分岐給気ダクト12a〜12d)に設置された状態で、第1および第2切替運転における既述の各手段を実施することもできる。
【0119】
図1や
図12、
図13に示す運転モード変更システム10A,10B,10Cでは、空調装置14が給気量減少停止手段、給気量減少再開手段、給気量増加停止手段、給気量増加再開手段を実施し、排気ファン15が排気量減少停止手段、排気量減少再開手段、排気量増加停止手段、排気量増加再開手段を実施する場合を例として説明したが、空調装置14が給気量減少停止手段、給気量減少再開手段、給気量増加停止手段、給気量増加再開手段を実施し、排気ファン15が排気量減少停止手段、排気量減少再開手段、排気量増加停止手段、排気量増加再開手段を実施しない場合があり、また、空調装置14が給気量減少停止手段、給気量減少再開手段、給気量増加停止手段、給気量増加再開手段を実施せず、排気ファン15が排気量減少停止手段、排気量減少再開手段、排気量増加停止手段、排気量増加再開手段を実施する場合がある。