(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、主材と副材とを含有する飼料を提供する。該飼料は、通常は主材と副材とからなる。
【0009】
主材は、動物が摂食(経口摂取)できる成分であることが好ましく、動物が安全に接触できる成分であることが好ましく、食品、食品添加物又は飼料添加物として用いられている成分であることがより好ましい。食材は、通常、それ自体で飼料又は食品となり得る成分である。
【0010】
主材の形態は、固形物であり、その大きさは飼料を摂取する対象動物が歯で噛み切る必要のある大きさであることが好ましく、例えば猫であれば最長部が5mm〜200mm、犬であれば5mm〜300mmが好ましい。主材としては、以下が例示される:マグロ、カツオ、アジ、イワシ、ホタテ、タチウオ、小魚などの魚貝、ブタ、ウシ、ウサギ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、イノシシなどの家畜、ニワトリ、七面鳥、ガチョウ、カモ、ハトなどの家禽、それらの一部またはそれらの加工品;鶏卵、ウズラ卵などの卵;イモ(サツマイモスティック、ジャガイモ、サトイモなど)、ニンジン、キャベツ、カボチャ、トウモロコシ、コムギ、コメ、フスマ、マメ(アーモンド、ダイズ、グリーンピース、ピーナッツなど)、クリ、ゴマ、キノコ(マッシュルーム、エノキ、シイタケなど)、ミカン、リンゴ、バナナなどの野菜、果物及びこれらの加工品;ノリ、コンブ、ワカメ、スピルリナ、クロレラなどの海藻及びこれらの加工品;ビスケット、パン等の穀類加工品。魚貝、家畜または家禽の一部としては、アキレス腱、皮、砂肝などの内臓が例示され、通常、長径20cm以下であることが好ましい。魚貝、家畜または家禽の加工品としては、にぼし(煮干)、かつおぶしなどの乾物;及び、かまぼこ(カニ風味かまぼこ、マグロ風味かまぼこ、白身魚のかまぼこ)、ジャーキー(トリササミジャーキーなどの鶏肉ジャーキーなど)などの練り物が例示される。これらのうち、魚貝、家畜及び家禽、これらの加工品、野菜及び果物の加工品が好ましい。
【0011】
飼料の対象が特定の動物である場合、主材は、その動物の嗜好性の高い食材であることが好ましい。例えば、飼料がネコを対象とする場合、魚貝又はその加工品、家禽の一部又は加工品、野菜が好ましく、中でも、にぼし、かつお節、スライスしたかまぼこ(カニ風味かまぼこ、マグロ風味かまぼこ、白身魚のかまぼこ)、ほたて、ジャーキー(トリササミジャーキーなど)が好ましい。飼料がイヌを対象とする場合、家禽の一部又は加工品、魚貝又はその加工品が好ましく、中でも、ジャーキー、砂肝、皮、にぼし、スライスしたカニ風味かまぼこが好ましい。
【0012】
主材は、1種の食材を含んでいいてもよいし、2種以上の食材の組み合わせを含んでいいてもよい。
【0013】
副材は、ポリリジン及び増粘安定剤を含む。ポリリジンは、保存性を高める効果があるが単独では効果が十分に得られないことがある。また苦味が強いため多く配合できないことがある。しかしポリリジンと増粘安定剤とを組み合わせることによりポリリジンの効果が増幅され、飼料の外観の劣化、臭気の劣化がより抑制され、保存性の高い飼料を得ることができる。さらに、ポリリジンには歯周病菌の抗菌効果、付着抑制効果があることが知られており、その作用が増粘安定剤により増幅されることも期待できる。
【0014】
ポリリジンは、リジンの重合体であり、リジンは、塩基性アミノ酸の一種である。ポリリジンとしては、ε−ポリリジン(ε−ポリ−L−リジン)、α−ポリリジン(α−ポリ−D−リジン)が例示される。ポリリジンは動物が接触できるものであればよく、ε−ポリリジンが好ましい。ポリリジンの由来は特に限定されず、例えば、ストレプトマイセス・アルブラス(Streptomyces albulus)等の微生物により産生されるポリリジンが挙げられる。ポリリジンの具体例としては、JNC株式会社製「ε−ポリリジン(50%粉末)」が例示される。
【0015】
主材100質量%に対するポリリジンの含有量は、特に限定されないが、下限は、0.001質量%以上であることが好ましい。これにより、抗菌効果を発揮することができる。実際にも本発明者は、ポルフィロモナス・グラエ(Porphyromonas gulae、P.gulae)菌に対する抗菌性試験をハローテストにより実施した結果、0.001質量%以上で抗菌効果を発揮したことを確認済みである。一方上限は、苦味の点から1質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以下であることが好ましい。これにより、接触組成物の嗜好性の低下を抑制することができる。従って、主材100質量%に対するポリリジンの含有量は、0.001〜1質量%であることが好ましく、0.001〜0.2質量%がより好ましい。
【0016】
増粘安定剤は、動物が摂食できる成分であればよく、動物が安全に接触できる成分であることが好ましい。例えば、アウレオバシジウム培養液、アマシードガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、アルギン酸、ウェランガム、エレミ樹脂、カシアガム、カードラン、カラギナン、カラヤガム、カロブビーンガム、キサンタンガム、キチン、キトサン、グァーガム、グァーガム酵素分解物、ガティガム、グルコサミン、酵母細胞壁、サイリウムシードガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、タラガム、デキストラン、トラガントガム、トロロアオイ、納豆菌ガム、微少繊維状セルロース、ファーセレラン、フクロノリ抽出物、プルラン、ペクチン、モモ樹脂、ランザンガム、レバン、架橋デンプンまたはその誘導体(例:アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン)、アルギン酸又はその誘導体(例:アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステルなどのアルギン酸エステル)、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、カルボキシメチルセルロース又はその誘導体(例:カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのカルボキシメチルセルロース塩)、デンプン又はその誘導体(例:酢酸デンプン、酸化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロール、リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン)が例示される。好ましくは、汎用性の点から、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カラギナン、グァーガム、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、納豆菌ガムが挙げられる。より好ましくは、カラギナン、キサンタンガム、納豆菌ガム、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムが挙げられる。これらを用いることにより色調の劣化および臭気の劣化をより効果的に防止することができる。増粘安定剤は、1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。
【0017】
主材100質量%に対する増粘安定剤の含有量は、特に限定されないが、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。これによりベタツキを抑制し、飼料同士のくっつきを抑制し、使用性及び包装からの取り出し性を良好に保持することができる。下限は、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。これにより、ポリリジンを主材となじませやすくすることができる。従って、主材100質量%に対する増粘安定剤の含有量は、好ましくは0.05〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜2%である。
【0018】
副材は、イヌやネコが食べる際の歯垢除去効果が期待できる歯磨剤で使われる研磨剤をさらに含んでいてもよい。研磨剤の添加により、保存後の飼料における素材のべとつき、粘着が抑制され、包装からの取り出し性を確保することができ、かつ動物の歯垢除去効果が期待できる。
【0019】
研磨剤は、歯磨剤で研磨剤として用いられる成分であればよく、動物が摂食できる成分であることが好ましく、動物が安全に摂食できる食品又は飼料に添加されている成分であることがより好ましい。研磨剤の粒径は、歯垢除去性の点から、1〜100μmであることが好ましく、1〜50μmであることがより好ましい。
【0020】
研磨剤としては、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素、微粒二酸化ケイ素、二酸化チタン、リン酸カルシウム、ゼオライト、セルロース、が挙げられ、着色されていてもよいし、されていなくてもよい。また、粒子径が細かい微粒タイプでも通常タイプでもよいが、歯垢除去の点から、微粒タイプが好ましい。研磨力および包装からの取り出し性の点から、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素、微粒二酸化ケイ素が好ましい。これらは、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0021】
飼料が研磨剤を含む場合の主材100
重量
部に対する含有量は、特に限定されないが、0.005
重量
部以上であることが好ましく、さらに5.0
重量部以下であることがより好ましい。これにより、臭気の劣化を抑制し、包装からの取り出し性を保持することができる。0.01
重量
部以上であることが好ましく、さらに2.0
重量
部以下であることがより好ましい。
【0022】
副材は、機能性成分を含んでいてもよい。これにより、増粘安定剤が機能性成分を口腔内に滞留させることができるので、飼料に機能性を効率よく付与することができる。
【0023】
機能性成分としては、医薬成分、オーラルケア成分が例示され、オーラルケア成分が好ましい。これにより、増粘安定剤がオーラルケア成分を口腔内に滞留させることができるので、飼料がオーラルケア効果を発揮することができる。
【0024】
オーラルケア成分としては、歯周の健康維持の点で、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、デキストラナーゼ、ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムが好ましい。また、それ以外に、以下の成分でもよい。例えば、クロルヘキシジン、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、ヒノキチオール等の抗菌剤;プロテアーゼ、溶菌酵素、各種GTF阻害剤等の歯垢形成抑制剤;トラネキサム酸、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸の塩、グリチルレチン酸またはその塩、アズレン、アラントイン、塩化リゾチーム、オオバクエキス等の歯肉炎予防剤;ポリリン酸類またはその塩等の歯石予防剤;塩化ナトリウム等の歯茎引き締め剤;酢酸トコフェロール等の各種ビタミン類;及び、ムタナーゼ、リゾチーム等の酵素。ポリリン酸類またはその塩のポリリン酸としては、ピロリン酸、酸性ピロリン酸、トリポリリン酸などが例示される。ポリリン酸塩の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が例示される。
【0025】
機能性成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0026】
機能性成分を含む場合の主材100質量%に対する含有量は、機能性成分の種類にもよるので特に限定されないが、機能性成分がオーラルケア成分である場合、0.0005質量%以上であることが好ましく、3.0質量%以下であることが好ましく、0.001質量%以上、2.0質量%以下であることがより好ましい。これにより、動物の口腔内でオーラルケア効果を発揮することができる。
【0027】
増粘安定剤の含有量/副材(増粘安定剤以外)の含有量は、特に限定されないが、重量比で0.1〜5.0であることが好ましく、0.4〜3であることがより好ましく、0.7〜1.5とすることがさらに好ましい。これにより、色調、臭気の劣化抑制と包装から取出した際のベタベタ感の軽減の効果をより効果的に得ることができる。
【0028】
主材及び/又は副材は、上記成分の他に任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分は、動物が摂食できる成分であることが好ましく、動物が安全に摂食できる成分であることがより好ましく、食品又は食品添加物として用いられている成分であることがより好ましい。任意の成分としては、ビタミンA、D、E、ナイアシン、コリン等のビタミン;カルシウム、リン、ナトリウム、鉄、銅、コバルト、マンガン、亜鉛、ヨウ素等のミネラル;メチオニン、リジン、タウリン等のアミノ酸又はその誘導体;大豆タンパク、小麦タンパクなどのタンパク質;牛脂、魚油、大豆油、菜種油、オリーブ油などの油脂;抽出エキス、合成フレーバー、天然フレーバーなどの香味剤;着色料;酵母、牧草、セルロース、プロピレングリコール、酸味料、保存料、加工、調理、製造に必要なその他の材料などが例示される。これらは、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いればよい。
【0029】
飼料は、噛んで食べるタイプの飼料である。噛んで食べるために適した弾力性及び/又は硬さを有していることが好ましい。飼料の弾力性及び硬さは対象動物、主材の種類、飼料の大きさなどに応じて定めればよい。飼料はまた、噛んで食べるために適した大きさであることが好ましい。大きさは、飼料の弾力性及び硬さ、主材の種類、対象動物などによ応じて適宜定めればよい。
【0030】
飼料は、動物用飼料(ヒト以外の動物用飼料)であり、ペットフード、家畜用飼料、実験動物用飼料が例示される。ペットフードは、ペット(愛玩動物)に供与される食餌である。ペットとしては、イヌ、ネコ、ハムスター、モルモット、ウサギ、リスなどの哺乳類、インコ、オウム、九官鳥などの鳥類が例示される。家畜用飼料は、畜産業においてヒトに飼養される家畜及び家禽の飼料である。家畜及び家禽としては、ウシ、ウマ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、シチメンチョウ、ガチョウなどが例示される。実験動物用飼料は、実験動物に供与される飼料である。実験動物は、生物実験において用いられる動物を意味し、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、モルモットなどが例示される。試料は、ペットフードであることが好ましく、イヌ又はネコ用のペットフードであることが好ましく、ネコ用のペットフードであることがより好ましい。
【0031】
飼料は、特定の用途に用いられる飼料であってもよい。これは、主材の種類、副材としての機能性食品の配合によって達成できる。このような飼料としては、オーラルケア用飼料、サプリメント(栄養補助)用飼料、幼齢動物用飼料、高齢動物用飼料、病畜用飼料、その他の機能性飼料が例示される。
【0032】
飼料における主材と副材の存在形態は特に限定されないが、主材が副材にコーティングされている形態、主材中に副材が分散している形態、主材と副材とが混合している形態、を例示することができ、主材が副材にコーティングされている形態であることが好ましい。これにより、得られる飼料は、本発明の効果を効率よく発揮することができる。主材が副材にコーティングされている形態には、主材の表面に副材が付着している形態を含む。
【0033】
飼料の形態は、特に制限されない。例えば、ドライタイプ、ウェットタイプ、セミモイストタイプ、ソフトドライタイプ、ビスケットタイプ、ソーセージタイプ、ジャーキータイプ、粉末、顆粒、カプセルなどが挙げられる。特に、ドライタイプ、ウェットタイプ、ソフトドライタイプ、ジャーキータイプが好ましい。
【0034】
飼料の製造は、主材に副材を添加、配合又は接触すればよく、それ以外の条件は、主材、副材の種類、飼料などに応じ適宜定めればよい。主材と副材の配合方法としては、主材に副材をコーティングする(例:主材の表面に副材をまぶす)方法、主材に副材を分散させる(例:主材の製造過程で材料中に副材を練り込む)方法が例示される。このうち、主材に副材をコーティングする方法が好ましく、主材の表面に副材をまぶす(例:ふりかけてまぶす)方法がより好ましい。これにより、より簡便にかつ経済的に飼料を製造できる。
【0035】
本発明においては、ポリリジン及び増粘安定剤を含有する保存性向上剤を提供する。ポリリジン及び増粘安定剤のそれぞれの定義、例および好ましい例、並びに含有比は、前述のとおりである。保存性向上剤は、機能性成分を含んでいてもよく、機能性成分の定義、例および好ましい例、並びに含有比は、前述のとおりである。保存性向上剤は、飼料に用いることができ、前述の動物用の飼料に用いることが好ましい。保存性向上剤は、通常の保存性向上剤に添加される任意成分を含んでいてもよい。
【実施例】
【0036】
実施例1
主材としてにぼしを、副材としてポリリジン、アルギン酸ナトリウム及びピロリン酸ナトリウムを用いた。にぼしをバットに広げ、あらかじめ均一に混ぜといた副材を一定量ふりかけた。にぼしが崩れないように、そっとかき混ぜ、にぼしの表面に副材を均一にまぶした。
【0037】
実施例2
副材としてさらに微粒二酸化ケイ素を用いたほかは、実施例1と同様に行った。
【0038】
実施例3
主材としてカニ風味かまぼこを用いたほかは、実施例2と同様に行った。
【0039】
実施例4
主材としてマグロ風味かまぼこを用い、ピロリン酸ナトリウムに代えてトリポリリン酸ナトリウムを用いたほかは、実施例2と同様に行った。
【0040】
実施例5
主材としてかつおぶしを用いたほかは、実施例2と同様に行った。
【0041】
実施例6
主材としてトリササミジャーキーを用いたほかは、実施例2と同様に行った。
【0042】
実施例7
副材として実施例2と同様の材料を用いた。主材としてのトリササミジャーキーの原料であるトリササミに、食塩、グリセリン、ソルビトール、エリソルビン酸ナトリウム及び副材を添加して混合し、練りこんだ。これを成形し乾燥させ、トリササミジャーキーを得た。
【0043】
実施例8
主材としてほたてを用いたほかは、実施例2と同様に行った。
【0044】
実施例9
主材としてさつまいもスティックを用いたほかは、実施例2と同様に行った。
【0045】
実施例10
主材として砂肝を用いたほかは、実施例2と同様に行った。
【0046】
比較例1
副材を用いなかったほかは、実施例1と同様に行った。
【0047】
比較例2
副材としてポリリジンのみを用いたほかは、実施例1と同様に行った。
【0048】
比較例3
副材としてアルギン酸ナトリウムのみを用いたほかは、実施例1と同様に行った。
【0049】
比較例4
副材としてアルギン酸ナトリウムのみを用いたほかは、実施例7と同様に行った。
各実施例及び比較例のサンプルを、以下の試験及び評価に供した。
【0050】
<試験及び評価>
(1)色調の劣化
試験方法:加速劣化試験(50℃−2週間)後のサンプルの色の変化を官能評価した。すなわち、耐熱性ナイロン袋にサンプルと脱酸素材とを入れ、シーラーで密封状態とした。50℃の恒温槽で2週間保存した後のサンプルを、専門パネラー5名にて初期値と比べて色の変化を以下の基準にて官能評価した。通常、3点以上を合格とする。
【0051】
評価基準
5点:初期値と比べて色の変化がない
4点:初期値と比べて少し色が劣化している
3点:初期値と比べてやや色が劣化している
2点:初期値と比べてかなり色が劣化している
1点:初期値と比べて非常に色が劣化している
【0052】
(2)袋からの取出し性
試験方法:加速劣化試験(50℃−2週間)後のサンプルの袋からの取り出し性を官能評価した。すなわち、耐熱性ナイロン袋にサンプルと脱酸素材を入れ、シーラーで密封状態とした。50℃の恒温槽で2週間保存した後のサンプルにつき、専門パネラー5名にて袋からの取り出し性を以下の基準にて官能評価する。通常、3点以上を合格とする。
【0053】
評価基準
5点:他の素材とくっつかずに取出せる
4点:わずかに他の素材とくっつく時もあるが、すぐにバラバラになり取出せる
3点:やや他の素材とくっつく時もあるが、バラバラになり取出せる
2点:少し他の素材とくっついて、取出しにくさを感じる
1点:他の素材とくっつきやすく、取出しにくい
【0054】
(3)臭気の劣化
試験方法:加速劣化試験(50℃−2週間)後のサンプルの臭気の変化を官能評価した。耐熱性ナイロン袋に、サンプルと脱酸素材を入れ、シーラーで密封状態とした。50℃の恒温槽で2週間保存した後のサンプルを、専門パネラー5名にて初期値と比べて、臭気の変化を官能評価した。通常、3点以上を合格と判断する。
【0055】
評価基準
5点:初期値と比べて臭気の変化がない
4点:初期値と比べて少し臭気が劣化している
3点:初期値と比べてやや臭気が劣化している
2点:初期値と比べてかなり臭気が劣化している
1点:初期値と比べて非常に臭気が劣化している
【0056】
各実施例及び比較例のサンプルの組成及び評価結果を、表1〜3に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
表1〜3から、以下のことが明らかである。実施例1〜10のサンプルは、いずれも色調の劣化、臭気の劣化及び袋からの取り出し性に優れていた。ポリリジン及び増粘安定剤のいずれも含まない比較例1のサンプル、ポリリジンは含むが増粘安定剤は含まない比較例2のサンプル、増粘安定剤は含むがポリリジンは含まない比較例3のサンプルと比較して、比較例1〜3と同様に煮干しを含み、かつポリリジンと増粘安定剤とを含む実施例1及び2のサンプルは、色調の劣化、臭気の劣化及び袋からの取り出し性のいずれも優れていた。また、増粘安定剤は含むがポリリジンは含まない比較例4のサンプルと比較して、比較例4と同様にささみジャーキーを含む、かつポリリジンと増粘安定剤とを含む実施例7のサンプルは、色調の劣化、臭気の劣化及び袋からの取り出し性のいずれも優れていた。これらの結果は、本発明の飼料が、保存性に優れていることを示している。