(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6479574
(24)【登録日】2019年2月15日
(45)【発行日】2019年3月6日
(54)【発明の名称】金属ベローズ型アキュムレータ
(51)【国際特許分類】
F15B 1/14 20060101AFI20190225BHJP
【FI】
F15B1/14
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-109880(P2015-109880)
(22)【出願日】2015年5月29日
(65)【公開番号】特開2016-223511(P2016-223511A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2017年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101879
【氏名又は名称】イーグル工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071205
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100179970
【弁理士】
【氏名又は名称】桐山 大
(72)【発明者】
【氏名】高尾 友紀
【審査官】
北村 一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−092143(JP,A)
【文献】
実開平02−138202(JP,U)
【文献】
特開昭54−003282(JP,A)
【文献】
特開2005−090316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 1/00− 1/26
F16J 3/00− 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に導圧路が開設された外殻と、
径方向外側を向いた山部と内側を向いた谷部が軸方向へ反復形成され軸方向へ伸縮可能であって前記外殻の内室を前記導圧路に連通された導圧室とクッションガスが封入されたガス室とに分離する金属ベローズと、
前記金属ベローズの軸方向中間部を内周から支持する支持体と、
前記支持体を軸方向移動可能に案内すると共に径方向への変位を規制する案内部と、
を備え、前記金属ベローズの自由端の内面が前記案内部の端部と当接したときの前記金属ベローズの軸方向長さが許容圧縮長以上となるように、前記案内部の軸方向長さが設定されている、
ことを特徴とする金属ベローズ型アキュムレータ。
【請求項2】
前記金属ベローズの軸方向中間部と前記支持体の外周端との間に緩衝材が介装されている、ことを特徴とする請求項1に記載の金属ベローズ型アキュムレータ。
【請求項3】
軸方向に互いに対向する前記金属ベローズの自由端の内面と前記案内部の端部のうち少なくとも一方に緩衝材が設けられている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の金属ベローズ型アキュムレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧系や空圧系等の流体圧力ラインに用いられるアキュムレータであって、特に、クッションガスと流体圧力との分離手段として金属ベローズを用いた金属ベローズ型アキュムレータに関する。
【背景技術】
【0002】
アキュムレータは、油圧系や空圧系などの流体圧力ラインに用いられる装置であり、一般には窒素ガスなどの圧縮性を利用して流体圧力を一時的に貯蔵し、あるいは圧力ラインに生じる圧力の脈動を吸収して平滑化するといった圧力制御に用いられ、窒素ガスなどからなるクッションガスと流体圧力との分離手段としてブラダを用いたもの、ピストンを用いたもの、金属ベローズを用いたもの等がある。なかでも、金属ベローズ型アキュムレータは、ガスの透過漏れをほぼ0に抑えることが可能であり、高い耐久性を有する。
【0003】
金属ベローズ型アキュムレータとしては、従来から、例えば
図6に示すようなものが知られている。この金属ベローズ型アキュムレータは、円筒状のシェル101a及びこのシェル101aの両端を塞ぐように設けられた第一及び第二のエンドカバー101b,101cからなる外殻101と、この外殻101内に配置され、一端が第二のエンドカバー101cに溶接等により固定され軸方向に伸縮可能な金属製のベローズ本体102a及びこのベローズ本体102aの自由端側の開口を塞ぐように溶接等により取り付けられたベローズキャップ102bからなる金属ベローズ102と、金属ベローズ102(ベローズ本体102a)の自由端の外周に取り付けられた制振リング103を備え、第一のエンドカバー101bには導圧路104が開設されている。また、制振リング103の外周面はシェル101aの内周面に対して密接しておらず、両者間には流体の流通を許容する隙間が存在する。
【0004】
外殻101の内室は、金属ベローズ102によって導圧室105とガス室106に分離され、このうち導圧室105は導圧路104を介して不図示の流体圧力ラインの流体圧力が導入され、金属ベローズ102の内側のガス室106には、N
2ガスなどのクッションガスが封入されている。
【0005】
この種の金属ベローズ型アキュムレータは、不図示の流体圧力ラインから導圧路104を介して導圧室105に導入された流体圧力と、ガス室106に封入されたクッションガスの圧力が、互いに平衡状態になるように金属ベローズ102が伸縮変位するものであって、すなわち導圧室105に導入された流体圧力ラインの流体圧力が上昇した時には、金属ベローズ102は、ベローズ本体102aの圧縮を伴いながらベローズキャップ102bが第二のエンドカバー101c側へ変位してガス室106の容積を縮小させると共に、導圧室105の容積を拡張することによって上昇圧力を貯蔵し、流体圧力ラインの流体圧力が降下した時には、相対的に高圧になるガス室106の圧力によって、金属ベローズ102は、ベローズ本体102aの伸長を伴いながらベローズキャップ102bが第一のエンドカバー101b側へ変位してガス室106の容積を拡張すると共に、導圧室105の容積を縮小させることによって、貯蔵圧力を流体圧力ラインへ放出するものである。また、このような動作において、制振リング103は金属ベローズ102の自由端の径方向の振れを抑制するものである(例えば下記の先行技術文献参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−282730号公報
【特許文献2】特開2005−98391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、金属ベローズ102の伸縮動作に伴う径方向の振れは、金属ベローズ102の自由端で最大になるとは限らず、金属ベローズ102の軸方向長さが長い場合は、その両端を振動の節とし中間部を振動の腹とする定常波を生じやすく、このような振動では、ベローズ本体102aの軸方向中間部において振幅が最も大きくなる。したがって、金属ベローズ102が径方向の振れによってシェル101aの内周面と接触しないようにすることが望まれる。
【0008】
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その目的は、金属ベローズが径方向へ振動して外殻の内周面と接触することによる耐久性の低下をきたさない金属ベローズ型アキュムレータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の金属ベローズ型アキュムレータは、一端に導圧路が開設された外殻と、径方向外側を向いた山部と内側を向いた谷部が軸方向へ反復形成され軸方向へ伸縮可能であって前記外殻の内室を前記導圧路に連通された導圧室とクッションガスが封入されたガス室とに分離する金属ベローズと、前記金属ベローズの軸方向中間部を内周から支持する支持体と、前記支持体を軸方向移動可能に案内すると共に径方向への変位を規制する案内部とを備え
、金属ベローズの自由端の内面が案内部の端部と当接したときの前記金属ベローズの軸方向長さが許容圧縮長以上となるように、前記案内部の軸方向長さが設定されている。
【0010】
上記構成の金属ベローズ型アキュムレータは、導圧路を介して導圧室に導入された流体圧力とガス室に封入されたクッションガスの圧力が互いに平衡状態になるように、山部と谷部からなる金属ベローズが軸方向へ伸縮するものであって、このような伸縮の過程で金属ベローズに軸方向中間部が振動の腹となるような径方向の振動が作用すると、この金属ベローズは、軸方向中間部が案内部によって径方向変位が規制された支持体で内周から支持されているため、径方向の振れが抑制され、外殻の内周面との接触が防止される。また、支持体は案内部によって軸方向移動可能に案内されているので、金属ベローズの伸縮動作に追随して軸方向へ移動可能であり、金属ベローズの伸長状態あるいは圧縮状態に拘らず径方向の振れを抑制することができる。
【0012】
金属ベローズは、その自由端の内面が金属ベローズの許容圧縮長以上の軸方向長さを有する案内部の端部と当接した時点でそれ以上の圧縮が規制されるので、金属ベローズの過度の変形が防止される。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る金属ベローズ型アキュムレータによれば、金属ベローズに軸方向中間部が振動の腹となるような径方向の振動が作用しても、その軸方向中間部が、伸縮動作に追随可能な支持体によって内周から支持され、径方向への振動による外殻の内周面との接触が防止され、耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る金属ベローズ型アキュムレータの第一の実施の形態を示す断面図である。
【
図2】第一の実施の形態における支持体の軸方向投影形状例を示す説明図である。
【
図3】本発明に係る金属ベローズ型アキュムレータの第二の実施の形態を示す断面図である。
【
図5】第一又は第二の実施の形態において、案内部の端部に緩衝材を設けた例を示す部分断面図である。
【
図6】従来の金属ベローズ型アキュムレータの一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る金属ベローズ型アキュムレータの好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
まず
図1は、本発明に係る金属ベローズ型アキュムレータの第一の実施の形態を示すもので、参照符号1は外殻、参照符号2は金属ベローズである。
【0021】
外殻1は、円筒状を呈するシェル11と、このシェル11の軸方向一端に設けられた第一のエンドカバー12と、シェル11の軸方向他端に設けられた第二のエンドカバー13とを備える。これらシェル11、第一のエンドカバー12及び第二のエンドカバー13は、いずれも金属で製作されている。
【0022】
外殻1における第一のエンドカバー12は、外周がシェル11の軸方向一端に溶接Wd1によって一体に接合されたフランジ部121と、その内周から外側へ突出した継手部122とを有し、継手部122の内周には導圧路16が開設されている。
【0023】
外殻1における第二のエンドカバー13は、外周がシェル11の軸方向他端に溶接Wd2によって接合されている。また、第二のエンドカバー13の中央部にはガス封入口131が開設されており、このガス封入口131は、金属ベローズ2の内側のガス室15にN
2ガス等のクッションガスを封入するためのもので、ガスプラグ132によって密閉されている。
【0024】
金属ベローズ2は、外殻1の内室を、導圧路16に連通された導圧室14とクッションガスが封入されたガス室15とに分離するものであって、軸方向一端(固定端)21aが第二のエンドカバー13に溶接によって接合されると共に、径方向外側を向いて円周方向へ連続した山部211と径方向内側を向いて円周方向へ連続した谷部212が反復形成された金属製のベローズ本体21と、このベローズ本体21の軸方向他端(自由端)21bに、外周部が溶接によって接合一体化された円盤状のベローズキャップ22とからなり、軸方向に対して伸縮可能となっている。
【0025】
金属ベローズ2(ベローズ本体21)の自由端21bの外周には制振リング23が取り付けられている。この制振リング23は、ベローズ本体21の自由端21bの径方向への変位を制限するものであり、導圧室14の一部であるベローズ本体21の外周空間14aが密閉されることがないように、シェル11の内周面11aとの間に隙間を有する形状となっている。
【0026】
外殻1における第一のエンドカバー12のフランジ部121には、導圧路16の内端の外周に位置して、円形の凹部121b,121cが同心的に形成されており、このうち大径の凹部121bには、シール部材123が装着され、小径の凹部121cには、シール部材123を内周側から支持する金属製の環状のシールホルダ124が嵌着されている。
【0027】
シール部材123はゴム弾性体で成形されたものであって、金属ベローズ2のベローズキャップ22側を向くと共に外周側へ開いた形状のシールリップ123aを有し、金属ベローズ2の伸長によってその自由端のベローズキャップ22が第一のエンドカバー12のフランジ部121の内端121aと当接したときに、ベローズキャップ22がシールリップ123aと密接することによって、導圧室14と導圧路16の間を遮断するようになっている。
【0028】
金属ベローズ2の内側のガス室15には、ベローズ本体21を構成する多数の山部211のうち、ベローズ本体21の軸方向中間部21cに位置する山部211に内周側から嵌め込まれて、この山部211の最大径部を内周から支持する支持体3と、この支持体3を軸方向移動可能に案内すると共に径方向への変位を規制する案内部4が配置されている。
【0029】
支持体3は、
図2の(A)に示すようにガス流通用の複数の開口31aが円周方向等間隔で開設された円盤31からなるものや、(B)に示すように外環32と内環33を放射状の複数のスポーク部34で結合した形状のものや、(C)に示すように内環33から複数のスポーク部34が延びる形状のものなどが考えられ、すなわち金属ベローズ2の内側のガス室15を軸方向に分離しない構造となっており、中心には軸孔3aが開設されている。
【0030】
案内部4は、外殻1の軸心に位置すると共にこの外殻1の軸方向へ延びて支持体3の軸孔3aに遊挿された円柱状の軸部41を有するものであって、外殻1における第二のエンドカバー13の内径部(例えばガス封入口131)に固定されており、ベローズ本体21の固定端21aの軸方向位置から、金属ベローズ2の自由端のベローズキャップ22の内面22aと軸方向に対向する端部4aまでの軸方向長さLが、金属ベローズ2のベローズ本体21の許容圧縮長と同等又はそれよりわずかに長いものとなっている。
【0031】
案内部4の軸部41の外周面と支持体3の軸孔3aの内周面との隙間δ1は、外殻1のベローズ本体21における最大径部とシェル11の内周面11aとの隙間δ2より小さく設定されている。
【0032】
上記構成を備える金属ベローズ型アキュムレータは、第一のエンドカバー12の継手部122(導圧路16)が、不図示の流体圧力ラインに接続されるものである。そして、流体圧力ラインの配管内を流れる作動流体の圧力がガス室15内のクッションガスの封入圧より高圧になった場合は、第一のエンドカバー12の導圧路16を通じて導圧室14に作動流体が流入し、金属ベローズ2が圧縮される。またこの状態から、流体圧力ラインの配管内の流体圧力が低下した場合は、金属ベローズ2がガス室15の圧力によって伸長し、導圧室14内の作動流体が流体圧力ラインへ排出される。
【0033】
ここで、導圧室14内の流体圧力の低下に伴って金属ベローズ2が伸長した場合、その伸長長さは、金属ベローズ2の自由端のベローズキャップ22が、第一のエンドカバー12のフランジ部121の内端121aと接触することによって制限される。またこのとき、金属ベローズ2のベローズキャップ22がシール部材123におけるシールリップ123aの先端と密接することによって、導圧室14と導圧路16との間が遮断されるので、その後さらに流体圧力ラインの流体圧力が低下しても、導圧室14の圧力は低下せず、ガス室15とほぼ均圧した状態に保たれる。したがって、金属ベローズ2のベローズ本体21に、導圧室14とガス室15との差圧による過大な負荷が作用することはない。
【0034】
また逆に、導圧室14内の流体圧力の上昇に伴って金属ベローズ2が圧縮された場合、その圧縮量は案内部4によって制限される。すなわち案内部4は、ベローズ本体21の固定端21aの軸方向位置から端部4aまでの軸方向長さLがベローズ本体21の許容圧縮長と同等又はそれよりわずかに長いものとなっているため、金属ベローズ2は、その自由端のベローズキャップ22の内面22aが案内部4の端部4aと当接した時点で、ベローズ本体21の軸方向長さが許容圧縮長以上となっており、それよりさらに圧縮されることはない。このためベローズ本体21の過度の圧縮による塑性変形や破損が防止される。
【0035】
そして、金属ベローズ2にその伸縮動作に伴って作用する径方向の振動が、ベローズ本体21の固定端21aを節とし、自由端21bを腹とするような定常波である場合は、自由端21bの径方向振動変位(偏心運動)は、制振リング23によって規制されるので、ベローズ本体21の自由端21b及びその近傍が外殻1のシェル11の内周面11aと接触して損傷を受けるのを有効に防止することができる。
【0036】
また、金属ベローズ2の伸縮に伴って金属ベローズ2に作用する径方向の振動が、ベローズ本体21の固定端21a及び自由端21bを節とし、軸方向中間部21cを腹とするような定常波である場合は、この金属ベローズ2は、ベローズ本体21の軸方向中間部21cに位置する山部211が、案内部4によって径方向変位を規制された支持体3で内周から支持されているため、外殻1のシェル11の内周面11aとの接触が防止される。これは、ベローズ本体21の軸方向中間部21cと共に支持体3が径方向へ変位しても、その変位量が案内部4の軸部41の外周面と支持体3の軸孔3aの内周面との隙間δ1の大きさに達した時点で変位が規制され、隙間δ1は、外殻1のベローズ本体21における最大径部とシェル11の内周面11aとの隙間δ2より小さく設定されているからである。
【0037】
このため、ベローズ本体21の固定端21a及び自由端21bを節とする径方向振動において、最が振幅の大きくなる軸方向中間部21cの径方向変位が小さく規制されることで、ベローズ本体21における他の部分の振幅も抑えられることから、ベローズ本体21の全体の異常変形や破損を防止することができる。
【0038】
また支持体3は、案内部4の軸部41によって軸方向移動可能に案内されており、しかも、金属ベローズ2の内側のガス室15内のクッションガスを軸方向に分離するものではないため、金属ベローズ2の伸縮動作に追随して軸方向へ移動可能である。したがって、金属ベローズ2の伸縮動作が支持体3によって妨げられることはなく、金属ベローズ2の伸長状態や圧縮状態に拘らず、常にベローズ本体21の軸方向中間部21cを内周から支持してその径方向の振れを抑制することができる。
【0039】
次に
図3は、本発明に係る金属ベローズ型アキュムレータの第二の実施の形態を示すものである。この第二の実施の形態において、上述した第一の実施の形態と異なるところは、支持体3の外周端に形成された嵌合溝3bが、ベローズ本体21を構成する多数の谷部212のうち、ベローズ本体21の軸方向中間部21cに位置する谷部212にその内周側から嵌合される点にある。その他の部分は、第一の実施の形態と同様に構成することができる。
【0040】
したがって、上記構成を備える第二の実施の形態も、ベローズ本体21の軸方向中間部21cが、案内部4によって径方向変位を規制された支持体3で内周から支持されているため、先に説明した第一の実施の形態と同様の効果を実現することができる。
【0041】
また、第二の実施の形態において好ましくは、例えば
図4に示すように、支持体3の外周端に形成された嵌合溝3bが、ゴム材や発泡樹脂等の弾性体からなる緩衝材35を介して金属ベローズ2におけるベローズ本体21の軸方向中間部21cの谷部212の内周面と凹凸嵌合される。
【0042】
このような構成とすれば、ベローズ本体21の軸方向中間部21cに位置する谷部212が、これを内周から支持する支持体3の外周端と径方向へ衝突するのを緩衝材35によって防止し、この緩衝材35によって衝撃が吸収される。
【0043】
また、上述した第一又は第二の実施の形態において、好ましくは
図5に示すように、金属ベローズ2の自由端のベローズキャップ22の内面22aと軸方向に対向する案内部4の端部4aに、ゴム材や発泡樹脂等の弾性体からなる緩衝材42が設けられる。
【0044】
このような構成とすれば、導圧室14内の流体圧力の上昇による金属ベローズ2の圧縮量が、案内部4によって制限される際に、金属ベローズ2のベローズキャップ22の内面22aが、案内部4の端部4aと衝突するのを緩衝材42によって防止し、この緩衝材42によって衝撃が吸収される。
【0045】
なお、緩衝材42はベローズキャップ22の内面22aにおける案内部4の端部4aとの軸方向対向位置に設けても良い。
【符号の説明】
【0046】
1 外殻
14 導圧室
15 ガス室
16 導圧路
2 金属ベローズ
21 ベローズ本体
21c 軸方向中間部
211 山部
212 谷部
22 ベローズキャップ
3 支持体
35 緩衝材
4 案内部
42 緩衝材