特許第6479690号(P6479690)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6479690
(24)【登録日】2019年2月15日
(45)【発行日】2019年3月6日
(54)【発明の名称】液体スプレーディスペンサシステム
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/76 20060101AFI20190225BHJP
   B05B 9/047 20060101ALI20190225BHJP
【FI】
   B65D83/76 300
   B05B9/047
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-560489(P2015-560489)
(86)(22)【出願日】2014年3月4日
(65)【公表番号】特表2016-516642(P2016-516642A)
(43)【公表日】2016年6月9日
(86)【国際出願番号】AU2014000199
(87)【国際公開番号】WO2014134665
(87)【国際公開日】20140912
【審査請求日】2017年2月17日
(31)【優先権主張番号】2013900756
(32)【優先日】2013年3月4日
(33)【優先権主張国】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】513211652
【氏名又は名称】ベガ イノベーションズ プロプライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】VEGA INNOVATIONS PTY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ギレスピー、ベンジャミン シリル
(72)【発明者】
【氏名】グリフィン、デイビッド エリック
【審査官】 西山 智宏
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03951310(US,A)
【文献】 特開2002−113398(JP,A)
【文献】 特開2005−081223(JP,A)
【文献】 実開平06−054578(JP,U)
【文献】 特開2001−294284(JP,A)
【文献】 米国特許第03335913(US,A)
【文献】 国際公開第2011/140361(WO,A1)
【文献】 特開2002−308355(JP,A)
【文献】 特表平06−508327(JP,A)
【文献】 実開昭63−197890(JP,U)
【文献】 実公昭38−015800(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D83/00−83/76
B05B9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体スプレー分配供給システムであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に受け入れ可能であり、分配供給される少なくとも1つの液体を収容するように動作可能であり、少なくとも1つの可撓性のある、又は移動可能な壁部分を有する液体保管室を有する、液体容器と、
前記ハウジングの第1の端にあるか又は第1の端に隣接するスプレーノズルユニットであって、スプレー出口及びセンサを有する、前記液体保管室に接続可能な前記スプレーノズルユニットと、
前記ハウジング内のアクチュエータであって、前記液体保管室内の前記液体の少なくとも一部を、前記スプレーノズルユニットを通じて分配供給することを可能にするように、前記可撓性のある、又は移動可能な壁部分と、前記液体保管室の容積を低減するように動作可能に係合可能である、前記アクチュエータと、
前記スプレーノズルユニット及び前記アクチュエータに動作可能に接続される電気モータと、を含み、
前記センサは前記スプレーノズルユニットの下方への移動を検出し、この下方への移動によって、信号が前記電気モータに送信されて前記アクチュエータを伸張させる、分配供給システム。
【請求項2】
前記ハウジングは2つ以上の部分に形成され、第1の又は下側のハウジング部分は支持体の表面上に支持され又は取り付けられ、
前記ハウジング内に前記液体容器を受け入れるように少なくとも1つの室にアクセスすることを可能にするように、第2の又は上側のハウジング部分は前記第1の又は下側のハウジング部分に、着脱可能に取り付けられるか、着脱可能に連結されるか、ヒンジ取り付けされるか、又は移動可能に取り付けられる、請求項1に記載の分配供給システム。
【請求項3】
前記第2のハウジング部分は、連結解除可能な接続部を介して前記第1のハウジング部分に着脱可能に連結される、請求項2に記載の分配供給システム。
【請求項4】
前記液体容器は、少なくとも1つの側壁、第1の又は上側の端壁、及び第2の又は下側の端壁を有する円筒形の形態であり、前記スプレーノズルユニットに接続される流体出口が前記第1の端壁に設けられるか、又は
前記液体容器は球状であり、前記流体出口は球状の側壁に設けられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分配供給システム。
【請求項5】
少なくとも前記側壁は可撓性材料から形成される、請求項4に記載の分配供給システム。
【請求項6】
前記第2の端壁、又は、前記球状の側壁の一部は、前記アクチュエータが係合する平面的な部分を有する、請求項4に記載の分配供給システム。
【請求項7】
前記側壁は剛性であり、
前記第2の又は下側の端壁は、前記側壁内に摺動可能かつ封止可能に受け入れられ、前記第2の又は下側の端壁に前記アクチュエータが係合する、請求項4に記載の分配供給システム。
【請求項8】
前記スプレーノズルユニットは第2のハウジング部分の端壁を通って延び、前記スプレー出口は前記第2のハウジング部分の外側にあり、又は
前記スプレーノズルユニットは前記第2のハウジング部分内に受け入れられ、前記スプレー出口は、前記液体を、前記第2のハウジング部分の壁部分の穴又はスロットを通して方向付ける、請求項1に記載の分配供給システム。
【請求項9】
前記アクチュエータは、前記第1のハウジング部分内に取り付けられ、前記ハウジングの長手方向軸線と同軸の経路に沿って往復移動可能なアクチュエータプレート又はピストンを有し、該アクチュエータプレート又はピストンは、前記液体保管室の容積を低減するように、前記第2の端壁又は前記球状の側壁を前記スプレーノズルユニットに向かって移動させるためにその壁に係合する、請求項4に記載の分配供給システム。
【請求項10】
前記アクチュエータプレート若しくはピストンは電子的なウォーム駆動ユニットのシャフトに取り付けられ、又は、前記アクチュエータ若しくはピストンは、ラックアンドピニオン駆動ユニットのラックに取り付けられ、又は
前記アクチュエータは、リニアアクチュエータである、請求項に記載の分配供給システム。
【請求項11】
前記アクチュエータは、前記第1のハウジング部分内のバッテリによって給電される、請求項に記載の分配供給システム。
【請求項12】
定圧ばねが前記アクチュエータプレート若しくはピストンに一定の圧力を印加し、又は
前記アクチュエータのピストンに接続される電気モータが、前記液体保管室内若しくは前記液体保管室上の圧力センサによって動作され、
前記液体が分配供給される前に該液体を少なくとも部分的に加圧するように、前記アクチュエータプレート若しくはピストンが前記液体保管室に係合するように付勢される、請求項に記載の分配供給システム。
【請求項13】
前記バッテリが再充電可能である、請求項11に記載の分配供給システム。
【請求項14】
前記平面的な部分は、前記第2の端壁又は前記球状の側壁の周囲の部分に対して凹んでいる、請求項6に記載の分配供給システム。
【請求項15】
前記可撓性材料は、前記側壁が実質的に蛇腹状の形態になるように、1つ又は複数の屈曲線又は折り線を有する、請求項5に記載の分配供給システム。
【請求項16】
前記アクチュエータは、前記第1のハウジング部分に固定される再充電ベースステーション又は該第1のハウジング部分から連結解除により取り外し可能な再充電ベースステーションを介して給電され、
前記再充電ベースステーションは、電気接点と、主電源に接続される電気コードと、を有し、
前記第1のハウジング部分は、前記再充電ベースステーションの前記電気接点に接続可能な電気接点を有する、請求項に記載の分配供給システム。
【請求項17】
前記連結解除可能な接続部は、バヨネット式連結部、ねじ式連結部または摩擦連結部である、請求項3に記載の分配供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体スプレーディスペンサシステムに関する。
本発明は、限定はされないが具体的には、交換可能又は再充填可能な非過圧(又は部分的に加圧される)容器から少なくとも1つの液体を連続的に又は周期的に分配供給するように動作可能な液体スプレーディスペンサシステムに関する。
【0002】
本発明はまた、液体スプレーディスペンサシステムとともに用いられる液体の容器に関する。
容器は、塗料、コーティング、インク、接着剤、殺虫剤、農薬、除草剤、潤滑剤、防食薬品、部屋の消臭芳香剤等を含む、エアロゾルスプレーとして分配供給される多種多様な液体を収容することができる。容器の内容物は、炭化水素を含む好適なプロペラントガス(単数又は複数)、又は、溶解する液体に対して不活性のガス(単数又は複数)によって少なくとも部分的に加圧されてもいい。
【背景技術】
【0003】
以下の説明は背景技術の情報に過ぎず、当該技術分野における共通一般知識(common general knowledge:CGK)を述べるものとみなされるべきではない。
長年にわたって、加圧エアロゾル容器用の多くのスプレーアクチュエータが提案又は採用されてきた。
【0004】
最も単純なバージョンでは、単純な「弁アクチュエータ」が容器の内部と連通する弁ステムに取り付けられ、弁ステムは円錐状のスプレーパターンを生成するように構成されているノズルを備えている。弁ステムが例えば弁アクチュエータによって押下されて動作される場合、この弁ステムによって、ノズルからスプレーパターンで放出されるように、容器内の弁が容器から液体内容物(及びプロペラント)の一部を放出させる。
【0005】
長年にわたって、より複雑なスプレーアクチュエータが考案されてきた。特に、アクチュエータは、(容器に取り付け可能な)本体、ノズル、及び、本体にヒンジ取り付けされるトリガを含むことができ、ノズルは、容器内の弁及びノズルのオリフィスに接続される製品通路を介して容器の内部と連通する。
【0006】
そのようなスプレーアクチュエータの最近の設計例が、特許文献1(Summit Packaging Systems, Inc )(Strand)及び特許文献2(Tomkins et al )に開示されている。
殺虫剤及び部屋の消臭剤等の液体内容物の分配供給の効率を改善するために、又は、潤滑剤若しくは防食薬品の隣接する機器への周期的な分配供給を改善するために、ディスペンサシステムが開発されている。通常、例えば飛んでいる、又ははっている昆虫を殺す殺虫剤を収容するエアロゾル容器がディスペンサシステムのハウジングに受け入れられ、エアロゾル容器はヒンジ式若しくは摺動式のカバー又はドアによって包囲されることができる。エアロゾル容器の弁ステム上のノズル又は弁ステム自体に、ハウジング内のアクチュエータが係合する。アクチュエータは通常、バッテリ及び/又は主電源から給電され、アクチュエータは、例えば10,20,30,60,又は120分毎といった具合に、例えば0.5,1,2,5,10,又は20秒といった所定の動作期間にわたってアクチュエータを周期的に動作させるタイマ又は他の制御ユニットを通常有する。多くのそのようなシステムでは、システムが少なくとも部分的に包囲されるスペース、例えばベランダ、ガレージ、カーポート又は遮光構造の内部に位置付けられるか又は外部に位置付けられるかによって、動作時間が決定される。
【0007】
エアロゾル容器内の全ての液体が分配供給された(プロペラントガス(単数又は複数)のみが容器から放出される)際には、分配供給システムがもし役立つとしても僅かしか役立たないため、エアロゾル容器は、定期的に交換されなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2007/021918号
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/0059551号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の好ましい目的は、既知の液体スプレー分配供給システムに関連する問題を克服するか又は少なくとも改善することである。
別の好ましい目的は、液体スプレー分配供給システムとともに用いられる容器を提供することである。
【0010】
本発明の他の好ましい目的は、以下の説明から明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1つの形態では、必ずしも唯一又は最も広範な形態ではないが、本発明は、液体スプレー分配供給システムであって、
ハウジングと、
ハウジング内に受け入れ可能であり、分配供給される少なくとも1つの液体を収容するように動作可能であり、少なくとも1つの可撓性のある、又は移動可能な壁部分を有する液体保管室を有する、液体容器と、
ハウジングの第1の端にあるか又は第1の端に隣接するスプレーノズルユニットであって、スプレー出口を有する、液体保管室に接続可能なスプレーノズルユニットと、
ハウジング内のアクチュエータであって、液体保管室内の液体の少なくとも一部を、スプレーノズルユニットを通じて分配供給することを可能にするように、可撓性のある、又は移動可能な壁部分と、液体保管室の容積を低減するように動作可能に係合可能である、アクチュエータと、
を含む、液体スプレー分配供給システムにある。
【0012】
好ましくは、ハウジングは2つ(以上の)部分に形成され、第1の(好ましくは下側の)ハウジング部分は表面上において支持可能又は取り付け可能であり、ハウジング内の少なくとも1つの室にアクセスすることを可能にするように、第2の(好ましくは上側の)ハウジング部分は第1のハウジング部分に、着脱可能に取り付けられるか、ヒンジ取り付けされるか、又は移動可能に取り付けられる。
【0013】
好ましくは、第2のハウジング部分は、バヨネット式連結部、ねじ式連結部、摩擦連結部、又は他の好適な連結解除可能な接続部を介して第1のハウジング部分に着脱可能に連結することができる。
【0014】
好ましくは、液体容器は、少なくとも1つの側壁、第1の(例えば上側の)端壁、及び第2の(例えば下側の)端壁を有する実質的に円筒形の形態であり、流体出口は第1の端壁に接続される。
【0015】
代替的には、液体容器は実質的に球状であり、流体出口は球状の側壁に接続される。
好ましくは、少なくとも側壁は、ゴム又はプラスチック材料等の可撓性材料から形成され、側壁は、例えば、実質的に蛇腹状の形態であるように、1つ又は複数の屈曲線又は折り線を有することができる。
【0016】
好ましくは、第2の端壁、又は、球状の側壁の一部は、アクチュエータが係合する実質的に平面的な部分を有し、平面的な部分は、第2の端壁又は球状の側壁の周囲の部分に対して凹むことができる。
【0017】
好ましくは、スプレーノズルユニットは、入口が第2のハウジング部分内にあり、且つ液体出口が入口において又は入口に隣接してスプレーノズルユニットに接続された状態で第2のハウジング部分の端壁を通って延び、出口は第2のハウジング部分の外側にある。
【0018】
好ましくは、スプレーノズルユニットは、アクチュエータの動作中に液体を分配供給するように動作可能である。スプレーノズルユニットは、液体の圧力が既定の限界値に達する、又は超えると、液体を出口を通じて放出する感圧部(又は圧力制限弁)を有することができる。代替的には、スプレーノズルユニットは、アクチュエータの動作中に液体を分配供給するように電気的に動作させることができる。
【0019】
好ましくは、アクチュエータは、第1のハウジング部分内に取り付けられ、ハウジングの長手方向軸線と実質的に同軸の経路に沿って往復移動可能なアクチュエータプレート又はピストンを有し、プレート又はピストンは、液体保管室の容積を低減するように、第2の端壁又は球状の側壁を液体出口に向かって移動させるためにその壁に係合する。
【0020】
好ましくは、アクチュエータプレート又はピストンは、電子的なウォーム駆動ユニットのシャフトに取り付けられる。代替的には、アクチュエータプレート又はピストンは、ラックアンドピニオン駆動ユニットのラックに取り付けられる。
【0021】
代替的には、アクチュエータは、電気モータ又は電気的な駆動装置に接続することができるリニアアクチュエータである。
好ましくは、アクチュエータは、第1のハウジング部分の底壁に固定されるか若しくは底壁から連結解除により取り外し可能な充電ベース又はステーションを介して、第1のハウジング部分内の(好ましくは充電可能な)バッテリ及び主電源の少なくとも一方によって給電される。
【0022】
好ましくは、定圧ばねは、アクチュエータプレート又はピストンに実質的に一定の圧力を印加し、液体が分配供給される前に液体を少なくとも部分的に加圧するように、アクチュエータプレート又はピストンが液体保管室に係合するように付勢される。
【0023】
代替的には、液体保管室内又は液体保管室上の圧力センサが、アクチュエータに液体を既定の圧力まで加圧させるように動作することができる。
本発明の他の好ましい特徴は、以下の記載から明らかとなるであろう。
【0024】
本発明を十分に理解することを可能にし、当業者が本発明を実現することを可能にするために、ここで、添付の図面を参照して、幾つかの好ましい実施形態を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明による液体スプレー分配供給システムの第1の実施形態の概略側断面図である。
図2A図1の分配供給システムの構成要素の例を示す図である。
図2B図1の分配供給システムの構成要素の例を示す図である。
図2C図1の分配供給システムの構成要素の例を示す図である。
図2D図1の分配供給システムの構成要素の例を示す図である。
図3】本発明による液体スプレー分配供給システムの第2の実施形態の上面図である。
図4図2の分配供給システムの概略側断面図である。
図5】本発明による液体スプレー分配供給システムの第3の実施形態の上面図である。
図6図5の分配供給システムの概略側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面における任意の注記、コメント、寸法、量、範囲、パーセンテージ、商標、ラベル、又は他の資料は、例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
図1及び図2A図2Dは、本発明の液体スプレー分配供給システム10の第1の好ましい実施形態を示しており、分配供給される液体はボトル又は他の液体保管室内に保管され、ボトル又は他の液体保管室はアクチュエータを収容する第1の(又は下側の)ハウジング部分から連結解除により取り外し可能な第2の(又は上側の)ハウジング部分内にある。第1のハウジング部分はテーブル若しくは他の表面上で支持されるか、又は、図示されていない建物の壁若しくは他の支持体に取り付け可能である。
【0027】
(液体スプレー)分配供給システム10は、中空の(好ましくは実質的に円筒形の)ハウジング20を有し、ハウジング20は、バヨネット式又はねじ式の連結部23によって相互接続される第1の(又は下側の)ハウジング部分21及び第2の(又は上側の)ハウジング部分22を有している。
【0028】
第1のハウジング部分21の底壁24は、充電ユニット30のスピゴット31が係合する中央凹部25を有し、充電ユニット30は主電源(図示せず)に接続される電気コード32を有する。スピゴット31は電気接点(同様に図示せず)を有し、この電気接点は底壁24の電気コネクタ26にある相補的な電気接点(図示せず)に動作可能に接続可能である。
【0029】
一対の充電可能なバッテリ27が第1のハウジング部分21内に設けられ、電気コネクタ26に動作可能に接続される。
中央の穴28Aを有する環状の取り付けプレート28が、第1のハウジング部分21内に設けられる。
【0030】
電動式のウォーム駆動アクチュエータ40は、取り付けプレート28の下面に取り付けられるアクチュエータ本体41を有し、ハウジング20の中心軸と同軸の(穴28Aを通って延びる)ウォームシャフト42を有する。図2Bを参照すると、ウォームシャフト42を取り付けプレート28及びアクチュエータ本体41に対して上昇及び下降させるように、ウォームシャフト42にはねじ山付きの駆動リング46が係合し、この駆動リング46は、アクチュエータ本体41に回転可能に取り付けられ、可逆電気モータ49に接続されるピニオン歯車48によって可逆的に駆動される。
【0031】
円形のアクチュエータピストン43は、ウォームシャフト42の上側端に回転可能に取り付けられ、上側スピゴット部分44を有する。
定圧コイルばね45は、アクチュエータピストン43の下面を上方方向に付勢するように取り付けプレート28とアクチュエータピストン43の下面との間に介装される。
【0032】
電子制御されるスプレーノズルユニット50が、ウォームシャフト42と同軸の第2のハウジング部分22の上壁29の中央に取り付けられる。
スプレーノズルユニット50は、製品通路54によって相互接続される、(第2のハウジングユニット22内の)入口51、及び、(第2のハウジングユニット22の外側の)出口52を有する。環状スロット55が、スプレーノズルユニット50の下側面の、入口51の周りに設けられる。
【0033】
プラスチック材料ボトル61の形態の液体保管室60が、分配供給される液体70(例えば殺虫剤)を収容する。
ボトル61は、例えばPETすなわちポリエチレンテレフタレート(又は他の好適なプラスチック材料)からブロー成形することができ、液体出口(又は口)63を有する円錐台の上壁62を有し、液体出口(又は口)63はスプレーノズルユニット50の環状スロット55内に封止可能に受け入れられる。ボトルは、(平面的な壁部分66を有する)中央凹部65を有する底壁64を有し、中央凹部65はアクチュエータピストン43の上側スピゴット部分44を受け入れる。
【0034】
ボトル61内の液体70の体積を低減するように、アクチュエータピストン43が上方に移動するとボトルが「圧潰」することができるように、ボトル61の上壁62及び底壁64は、蛇腹状の形態を有する可撓性の側壁67によって相互接続される。
【0035】
アクチュエータピストン43に対して動作する定圧コイルばね45がボトル61内の液体70を少なくとも部分的に加圧しようとする際に、プロペラントガスをボトル61内に提供し、液体70の加圧を補助してもよく、又は、ばね45を省くいてもよく、この場合、液体70を単にボトル61内のプロペラントガスによって加圧することができる。
【0036】
「オン−オフ」スイッチ(及び任意選択的な時間セレクタ)81を有するタイマユニット80が、アクチュエータ40(及び任意選択的にはスプレーノズルユニット50)に接続される。
【0037】
ここで、分配供給システム10の動作を説明する。
分配供給システム10は、ボトル61が液体70で満杯の状態、且つアクチュエータピストン43がその完全に下降した(すなわち後退した)位置にある状態で、図1に示されているように組み立てられる。
【0038】
操作者は、スイッチ81を操作してタイマユニット80を起動する。
タイマユニット80は、アクチュエータ40(及びスプレーノズルユニット50)を予め選択した期間だけ周期的に動作させる。例えば、タイマユニット80は、アクチュエータ40(及びスプレーノズルユニット50)を、20分毎の周期的な間隔で5秒の動作期間にわたって動作させてもよい。(当業者は、分配供給システムの特定の用途に合わせるように、動作期間及びサイクル期間の双方が好ましくは調整可能であり、またこれらの期間の双方が調整されることを理解するであろう。)
アクチュエータ40が動作される際、ねじ山付きの駆動リングが回転してウォームシャフト42を上方に付勢し、ボトル61内の液体70を圧縮するようにアクチュエータピストン43が底壁44を持ち上げて。
【0039】
液体70を出口52(又はそれに取り付けられる任意のノズル若しくはチューブ)から分配供給することを可能にするように、スプレーノズルユニット50は、アクチュエータ40がオフに切り換えられるまで、例えばタイマユニット80、又は、製品通路54内の感圧弁によって制御されて入口51を出口52に接続するように動作する。
【0040】
全ての液体70がボトル61から分配供給される際、又はその前に、第1のハウジング部分21と第2のハウジング部分22との間の連結部23が連結解除され、第2のハウジング部分22が、(使い切られたボトル61とともに)取り外される。アクチュエータ40は、アクチュエータピストン43が下側(又は後退)位置にあることでリセットされ、ボトル61が液体70で満杯の状態の別の第2のハウジング部分22が、第1のハウジング部分21に接続される。
【0041】
分配供給システム50は動作を再開する準備が整う。
充電ユニット30は、バッテリ27を充電すること、及び主電源からアクチュエータ40に直接給電することの少なくとも一方を行う。
【0042】
第1のハウジング部分21と第2のハウジング部分22との間の連結部23は、バヨネット連結式、ねじ連結式、摩擦連結式、又は他の好適な連結解除可能な連結部であってもよい。
【0043】
前述したように、ウォーム駆動アクチュエータ40の代わりに、ラックアンドピニオンアクチュエータ又は他の好適なリニアアクチュエータを用いることができる。
液体保管室60の代替的な実施形態では、室60は、アクチュエータピストン43が係合する可撓性の壁部分を有していてもよく、可撓性の壁部分は、液体70を液体補完室60から分配供給するように、液体保管室60の内部に向けて付勢される。
【0044】
前述した好ましい実施形態では、分配供給される液体で分配供給システム10を「再充填する」ことを可能にするように、第2のハウジング部分22及びボトル61は、第1のハウジング部分21から取り外される。例えばボトル61内の液体70の体積がはるかに大きい場合に業務用又は半業務用の用途により好適であり得る代替的な実施形態(図示せず)では、ハウジング20は、充電ユニット30に対して取り外し可能且つ取り付け可能であってもよく、ハウジング20全体が充電ユニット30から取り外され、ボトル61が液体70で満杯の状態の同様のハウジング20と交換される。ハウジング20全体は、再び使用するためにボトル61を再充填するように供給業者に返却される。
【0045】
図示されていない代替的な実施形態では、当業者は、ストロー、チューブ又は他のノズル延長部を、スプレーノズルユニット50の出口52に封止可能に接続するか、又は出口52と一体的に形成してもよく、この場合、液体70は、例えば回転機器又は往復機器を潤滑させるように、例えば分配供給システムのハウジングから離れた短い距離に分配供給されることを理解するであろう。
【0046】
また、前述したように、ボトル61内の圧力が既定の限界値に達する、又は超えると、入口51を出口52に相互接続する製品通路54に出口52を通じて液体70を分配供給することを可能にするとともに、例えば、周囲温度によってボトル61内の圧力が安全でないレベルに達すると、圧力解放安全弁として働くことができる感圧弁を設けてもよい。
【0047】
図3及び図4は、本発明の液体スプレー分配供給システム110の第2の実施形態を示しており、分配供給される液体は、ハウジングに受け入れられる非加圧又は部分的に加圧される容器内に保管され、ハウジングは再充電ベース又はステーションにおいて支持される。
【0048】
分配供給システム110は、下側ハウジング部分121及び上側ハウジング部分122を有する2部分ハウジング120を有する。下側ハウジング部分121及び上側ハウジング部分122は、前述したような解放可能な連結部123によって相互接続され、透明又は半透明なプラスチック材料から形成される。
【0049】
下側ハウジング部分121は、電気接点131を有する再充電ベースステーション130内に受け入れ可能であり、このベースステーション130は周壁132によって囲まれる。
【0050】
電気モータ149及び充電可能なバッテリ127は、下側ハウジング部分121内に設けられ、電気接点126に動作可能に接続され、この電気接点126はベースステーション130内の電気接点131に動作可能に係合することができる。電気モータ149は、伸張可能及び後退可能なプランジャ又はアクチュエータ140を有する。
【0051】
スプレーノズルユニット150は、上側ハウジング部分内の穴123を通って延び、上側ハウジング部分の外側のスプレー出口152を有する。スプレーノズルユニット150への入口が、分配供給される液体170を収容する容器161の液体保管室160に接続される。電気モータ149によるアクチュエータ140の伸張によって液体保管室160の容積を低減することを可能にするように、液体保管室160は、可撓性の側壁167、及び、アクチュエータ140が係合する底壁164を有してもよく、又は、底壁164は、剛性の側壁167内に封止可能及び摺動可能に受け入れられてもよい。
【0052】
図4の破線によって示されているように、スプレーノズルユニット150のスプレーアクチュエータ152は、例えばスプレーアクチュエータ152の下方への移動を検出する圧力センサ又はモーションセンサ159によって電気モータ149に動作可能に接続される。スプレーノズルユニット150の弁154を開いて液体170を分配供給することが可能であるときに、液体保管室160内の少なくとも最小限の圧力を維持するように、スプレーアクチュエータ152の移動によって、信号が電気モータ149に送信されてアクチュエータ140を伸張させる。(液体保管室160内に、又は液体保管室160に接続される圧力センサ168が液体保管室160の過加圧を防止するように電気モータ149をオフに切り換えること、及び液体保管室160内の最低限の既定の圧力を維持するように電気モータ149を動作させることの少なくとも一方が行われてもよい。)
当業者は、スプレーアクチュエータ152を押下することで、液体をスプレーノズルユニット150から分配供給することを可能にするように弁154が開くとともに、同時に、液体保管室の内部の液体170を予め選択した圧力範囲内に維持するように、電気モータ149がアクチュエータ140を液体保管室の底壁167に対して伸張させることを理解するであろう。
【0053】
全ての液体170が分配供給されると、上側ハウジング部分122が連結解除可能な連結部123を介して下側ハウジング部分121から取り外され、液体保管容器161が取り外され、電気モータ149がアクチュエータ140を後退させるように動作され、交換用容器161が下側ハウジング部分121内に配置され、上側ハウジング部分122が再び取り付けられる。圧力センサ168は、設けられる場合、液体170が分配供給のために既定の最低圧力まで上昇されるまでアクチュエータ140が伸張されるように、電気モータ149を動作させてもよい。
【0054】
図5及び図6に示されている分配供給システム210の第3の実施形態は、後述するものを除いて、図3及び図4に示されている液体分配供給システム110と概ね同様である。
【0055】
スプレーノズルユニット250は、弁254を有するスプレーアクチュエータ252を有し、このアクチュエータ252は、上側ハウジング部分222内に包囲され、上側ハウジング部分222の穴又はスロット229を通じて液体を分配供給するように動作可能である。
【0056】
電気的なオン−オフスイッチ290が、上側ハウジングユニット222に取り付けられ、前述したように、電気モータ249(及びバッテリ227)に動作可能に取り付けられるとともに、液体ノズルユニット250に隣接して上側ハウジング部分222内に取り付けられるスプレーアクチュエータモータ291にも動作可能に接続される。
【0057】
スイッチ290がオンに切り換えられると、弁254を開いて液体を穴又はスロット229を通じて分配供給することを可能にするように、スプレーアクチュエータモータ291がスプレーアクチュエータ252を押下する。
【0058】
液体スプレー分配供給システム210の動作は、他の点では、図3及び図4の液体スプレー分配供給システム110に関して前述した通りである。
当業者は、本発明が、多種多様な場所において様々な用途で多種多様な液体を分配供給するのに好適である、単純で効率的な液体スプレー分配供給システムを提供することを理解するであろう。
【0059】
当業者は、分配供給される液体70、170、270の容器61、161、261を、例えば容器の液体が使い果たされるか、又は代わりの液体が分配供給されるときに、容易に交換することができることを更に理解するであろう。
【0060】
充電可能なバッテリを有することによって、システムを或る時間期間にわたって電源から離れて用いることができ、一方で、充電ベース又はステーションを設けることにより、バッテリを容易に再充電するか、又は、システムを、無限の期間にわたって固定された場所で使用することが可能である。
【0061】
当業者は、説明及び図示される実施形態が例示に過ぎないこと、並びに、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変形及び変更をそれらの実施形態に対して行ってもよいことを更に理解するであろう。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6