(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
組成物を含む水性媒体と布帛を接触させる工程を含む布帛のコンディショニング方法であって、組成物が、(a)第四級アンモニウム化合物;(b)カチオン性多糖:および(c)非イオン性多糖を含む方法。
組成物中の第四級アンモニウム化合物の重量と、組成物中のカチオン性多糖および非イオン性多糖の総重量との比が、100:1〜2:1である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
組成物中の第四級アンモニウム化合物の重量と、組成物中のカチオン性多糖および非イオン性多糖の総重量との比が、30:1〜5:1である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
布帛をコンディショニングするための組成物の使用であって、組成物が、(a)第四級アンモニウム化合物;(b)カチオン性多糖;および(c)非イオン性多糖を含む使用。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の一態様では、組成物を含有する水性媒体と布帛を接触させる工程を含む布帛のコンディショニング方法であって、本組成物が、(a)第四級アンモニウム化合物;(b)カチオン性多糖;および(c)非イオン性多糖を含む方法が提供される。
【0031】
本発明に従って、本組成物中の第四級アンモニウム化合物の多少の割合は、組成物の柔軟化性能へのいかなる悪影響もなしにカチオン性多糖および非イオン性多糖との置換によって、減らし得ることが分かった。理論に制約されることなく、第四級アンモニウム化合物と、カチオン性多糖と非イオン性多糖との組み合わせは、柔軟化性能を向上させる点で相乗効果を提供できるのであろうと考えられる。
【0032】
特許請求の範囲を含めて、本明細書の全体にわたって、用語「1つを含む(comprising one)」または「を含む(comprising a)」は、特に明記しない限り、用語「少なくとも1つを含む(comprising at least one)」と同じ意味であると理解されるべきであり、「〜」は、その両端を含むと理解されるべきである。
【0033】
本発明との関連で、「織物ケア剤」は、デリケート布帛洗浄剤などの織物布帛のコンディショニング剤、およびコンディショナーなどの後処理剤だけでなく、洗浄剤およびクリーニング剤の両方ならびに前処理剤を意味すると理解される。
【0034】
本発明との関連で、用語「布帛コンディショニング」は、織物布帛、材料、糸、および織布へのいかなるコンディショニング便益も含めるために最も広い意味で本明細書では用いられる。1つのそのようなコンディショニング便益は、布帛の柔軟化である。他の非限定的なコンディショニング便益としては、布帛潤滑化、布帛緊張緩和、耐久プレス加工、防しわ性、しわ低減、アイロンかけの容易さ、耐摩耗性、布帛平滑化、抗フェルト化、抗けば立ち、みずみずしさ、外観向上、外観再生、色保護、色再生、抗収縮、着用保形、布帛弾性、布帛引張強度、布帛引裂強度、静電気低減、吸水性または撥水性、撥染み;リフレッシング、抗菌、防臭;芳香新鮮さ、芳香寿命、ならびにそれらの混合が挙げられる。
【0035】
「アルキル」は、本明細書で用いるところでは、直鎖もしくは分岐の飽和脂肪族炭化水素基を意味する。「アルケニル」は、本明細書で用いるところでは、少なくとも1個の二重結合を含有する脂肪族基を意味し、「非置換アルケニル」および「置換アルケニル」を両方とも包含することを意図し、その後者は、アルケニル基の1個もしくは複数の炭素原子上の水素に置き換わっている置換基を有するアルケニル部分を意味する。
【0036】
用語「カチオン性ポリマー」は、本明細書で用いるところでは、カチオン電荷を有する任意のポリマーを意味する。
【0037】
用語「第四級アンモニウム化合物」は、本明細書で用いるところでは、少なくとも1個の第四級化窒素を含有する化合物であって、その窒素原子が4つの有機基と結合している化合物を意味する。第四級アンモニウム化合物は、1個もしくは複数の第四級化窒素原子を含んでもよい。
【0038】
用語「カチオン性多糖」は、本明細書で用いるところでは、pH中性の水性媒体中で正味の正電荷を多糖またはその誘導体に提供するために化学変性されている多糖またはその誘導体を意味する。カチオン性多糖にはまた、非恒久的に帯電しているもの、例えば所与のpHよりも下でカチオン性であり、そしてそのpHよりも上で中性であることができる誘導体が含まれ得る。デンプン、セルロース、ペクチン、カラギーナン、グアー、キサンタン、デキストラン、カードラン、キトサン、キチンなどの、非変性多糖類は、カチオン電荷をそれに付与するために化学変性することができる。一般的な化学変性は、多糖骨格に第四級アンモニウム置換基を組み込む。他の好適なカチオン性置換基としては、第一級、第二級もしくは第三級アミノ基または第四級スルホニウムもしくはホスフィニウム基が挙げられる。追加の化学変性としては、架橋、安定化反応(アルキル化およびエステル化などの)、リン酸エステル化、加水分解が挙げられ得る。
【0039】
用語「非イオン性多糖」は、本明細書で用いるところでは、pH中性の水性媒体中で正味の中性電荷を多糖またはその誘導体に提供するために化学変性されている多糖またはその誘導体;または非変性多糖を意味する。
【0040】
好ましくは、第四級アンモニウム化合物は、シリコーン含有第四級アンモニウム化合物ではない、すなわち、第四級アンモニウム化合物は、いかなるシロキサン結合(−Si−O−Si−)もまたはケイ素−炭素結合も含有しない。
【0041】
一実施形態では、第四級アンモニウム化合物は、水分散性である。
【0042】
一実施形態では、本発明の第四級アンモニウム化合物は、一般式(I):
[N
+(R
1)(R
2)(R
3)(R
4)]
yX
− (I)
(式中:
同じもしくは異なるものであってもよい、R
1、R
2、R
3およびR
4は、ヘテロ原子またはエステルもしくはアミド基を任意選択的に含有する、C
1〜C
30炭化水素基、典型的にはアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはエトキシル化アルキル基であり;
Xは、アニオン、例えば、ClもしくはBrなどの、ハライド、スルフェート、アルキルスルフェート、ナイトレートまたはアセテートであり、
yは、Xの原子価である)
の化合物である。
【0043】
一実施形態では、第四級アンモニウム化合物は、ジアルキルクォートなどの、アルキルクォート、またはジアルキルジエステルクォートなどのエステルクォートである。
【0044】
ジアルキルクォートは、一般式(II):
[N
+(R
5)
2(R
6)(R
7)]
yX
− (II)
(式中:
R
5は、脂肪族C
16〜22基であり;
R
6は、C
1〜C
3アルキル基であり;
R
7は、R
5またはR
6であり;
Xは、アニオン、例えば、ClもしくはBrなどのハライド、スルフェート、アルキルスルフェート、ナイトレートまたはアセテートであり;
yは、Xの原子価である)
の化合物であってもよい。
【0045】
ジアルキルクォートは好ましくは、ジ−(硬化牛脂)ジメチルアンモニウムクロリドである。
【0046】
一実施形態では、第四級アンモニウム化合物は、一般式(III):
[N
+((CH
2)
n−T−R
8)
2(R
8)(R
9)]
yX
− (III)
(式中:
R
9基は独立して、C
1〜C
4アルキル基またはヒドロキシルアルキル基から選択され;
R
8基は独立して、C
1〜C
30アルキル基またはアルケニル基から選択され;
Tは、−C(=O)−O−であり;
nは、0〜5の整数であり;
Xは、アニオン、例えば、クロリド、ブロミド、ナイトレートまたはメトスルフェートであり;
yは、Xの原子価である)
の化合物である。
【0047】
一実施形態では、第四級アンモニウム化合物は、窒素頭部基に、より好ましくは少なくとも1つのエステル結合によって連結された2つのC
12〜28アルキル基またはアルケニル基を含む。別の実施形態では、第四級アンモニウム化合物は、存在する2つのエステル結合を有する。
【0048】
好ましくは、アルキル基またはアルケニル基の平均鎖長は、少なくともC
14、より好ましくは少なくともC
16である。さらにより好ましくは、その鎖の少なくとも半分は、C
18の長さを有する。
【0049】
一実施形態では、分岐度、とりわけ中間鎖分岐度は、本発明の範囲内であるが、アルキル鎖またはアルケニル鎖は主として線状である。
【0050】
一実施形態では、エステル第四級アンモニウム化合物は、一般式(IV):
[N
+(C
2H
4−OOCR
10)
2(CH
3)(C
2H
4−OH)](CH
3)
zSO
4− (IV)
(式中、R
10は、C
12〜C
20アルキル鎖であり;
zは、1〜3の整数である)
のトリエタノールアミンベースの第四級アンモニウムである。
【0051】
本発明の第四級アンモニウム化合物はまた、様々な第四級アンモニウム化合物の混合物、とりわけ例えばモノ−、ジ−およびトリ−エステル成分の混合物またはモノ−、およびジ−エステル成分の混合物であってもよく、ここで、例えばジエステル第四級の量は、第四級アンモニウム化合物の総量を基準として30〜99重量%に含まれる。
【0052】
好ましくは、第四級アンモニウム化合物は、モノ−、ジ−およびトリ−エステル成分の混合物であり、ここで:
− ジエステル第四級の量は、第四級アンモニウム化合物の総量を基準として30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%に含まれ、
− モノエステル第四級の量は、第四級アンモニウム化合物の総量を基準として10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%に含まれ、
− トリエステル第四級の量は、第四級アンモニウム化合物の総量を基準として1〜20重量%に含まれる。
【0053】
あるいは、第四級アンモニウム化合物は、モノ−およびジ−エステル成分の混合物であり、ここで:
− ジエステル第四級の量は、第四級アンモニウム化合物の総量を基準として30〜99重量%、好ましくは50〜99重量に含まれ、
− モノエステル第四級の量は、第四級アンモニウム化合物の総量を基準として1〜50重量%、好ましくは1〜20重量%に含まれる。
【0054】
本発明の好ましいエステル第四級アンモニウム化合物としては、
TET:ジ(牛脂カルボキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルスルフェート、
TEO:ジ(オレオカルボキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルスルフェート、
TES:ジステアリルヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルスルフェート、
TEHT:ジ(水素化牛脂−カルボキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルスルフェート、
TEP:ジ(パルミチン酸カルボキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルスルフェート、および
DEEDMAC:ジメチルビス[2−[(1−オキソオクタデシル)オキシ]エチル]アンモニウムクロリド
が挙げられる。
【0055】
一実施形態では、本発明の第四級アンモニウム化合物は、本組成物の総重量を基準として0.5〜20重量%の量で存在する。別の実施形態では、本発明の第四級アンモニウム化合物は、本組成物の総重量を基準として1〜10重量%の量で存在する。さらに別の実施形態では、本発明の第四級アンモニウム化合物は、本組成物の総重量を基準として3〜8重量%の量で存在する。
【0056】
一態様では、本発明の組成物は、少なくとも1つのカチオン性多糖を含む。一実施形態では、本組成物は、カチオン性多糖を1つのみ含む。
【0057】
カチオン性多糖は、多糖類、一般に天然多糖類を化学変性することによって得ることができる。そのような変性によって、カチオン性側の基を多糖骨格中へ導入することができる。一実施形態では、本発明によるカチオン性多糖によって担持されるカチオン基は、第四級アンモニウム基である。
【0058】
本発明のカチオン性多糖類としては、
カチオン性グアーおよびその誘導体、カチオン性セルロースおよびその誘導体、カチオン性デンプンおよびその誘導体、カチオン性カロースおよびその誘導体、カチオン性キシランおよびその誘導体、カチオン性マンナンおよびその誘導体、カチオン性ガラクトマンノースおよびその誘導体
が挙げられるが、それらに限定されない。
【0059】
本発明に好適なカチオン性セルロースとしては、第四級アンモニウム基を含むセルロースエーテル、カチオン性セルロースコポリマーまたは水溶性第四級アンモニウムモノマーでグラフトされたセルロースが挙げられる。
【0060】
第四級アンモニウム基を含むセルロースエーテルは、仏国特許第1,492,597号明細書に記載されており、特に、Dow社によって名称「JR」(JR 400、JR 125、JR 30M)または「LR」(LR 400、LR 30M)で販売されるポリマーを含む。これらのポリマーはまた、CTFA辞典では、トリメチルアンモニウム基で置換されたエポキシドと反応させられたヒドロキシエチルセルロース第四級アンモニウムと定義されている。好適なカチオン性セルロースとしてはまた、Solvay社製のLR3000 KCが挙げられる。
【0061】
カチオン性セルロースコポリマー、またはメタクロイル−エチルトリメチルアンモニウム、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムまたはジメチル−ジアリルアンモニウム塩でとりわけグラフトされた、ヒドロキシアルキルセルロース、例えばヒドロキシメチル−、ヒドロキシエチル−またはヒドロキシプロピルセルロースなどの、水溶性第四級アンモニウムモノマーでグラフトされたセルロースは、米国特許第4,131,576号明細書にとりわけ記載されている。この定義に相当する市販製品は、より具体的には、Akzo Nobel社によって名称Celquat(登録商標)L 200およびCelquat(登録商標)H 100で販売される製品である。
【0062】
本発明に好適なカチオン性デンプンとしては、Polygelo(登録商標)で販売される製品(Sigma製のカチオン性デンプン)、Softgel(登録商標)、Amylofax(登録商標)およびSolvitose(登録商標)で販売される製品(Avebe製のカチオン性デンプン)、National Starch製のCATOが挙げられる。
【0063】
好適なカチオン性ガラクトマンノースとしては、例えば、フェヌグリークガム(Fenugreek Gum)、コンニャクガム(Konjac Gum)、タラガム(Tara Gum)、カシアガム(Cassia Gum)が挙げられる。
【0064】
一実施形態では、カチオン性多糖は、カチオン性グアーである。グアーは、糖ガラクトースおよびマンノースからなる多糖類である。その骨格は、β1,4−結合したマンノース残基の線状鎖であり、それにガラクトース残基があらゆる第二のマンノースに1,6−結合して、短い分岐を形成している。本発明の脈絡内で、カチオン性グアーは、グアーのカチオン性誘導体である。
【0065】
カチオン性グアーなどの、カチオン性多糖の場合に、カチオン基は、3つの基を有する第四級アンモニウム基であってもよく、それらの基は、同一もしくは異なっていてもよく、好ましくは水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、エポキシアルキル、アルケニル、またはアリールから選ばれ、好ましくは1〜22個の炭素原子、より特に1〜14個、有利には1〜3個の炭素原子を含有する。対イオンは一般に、ハロゲンである。ハロゲンの一例は、塩素である。
【0066】
第四級アンモニウム基の例としては、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(CHPTMAC)、2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(EPTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DMDAAC)、ビニルベンゼントリメチルアンモニウムクロリド、トリメチルアンモニウムエチルメタクリラートクロリド、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、およびテトラアルキルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0067】
カチオン性グアーなどの、カチオン性多糖類におけるカチオン性官能基の一例は、対イオンありの、トリメチルアミノ(2−ヒドロキシル)プロピルである。クロリド、フルオリド、ブロミド、およびヨージドなどの、ハライド、スルフェート、ノトレート(notrate)、メチルスルフェート、およびそれらの混合物を含むが、それらに限定されない、様々な対イオンを利用することができる。
【0068】
本発明のカチオン性グアーは、
カチオン性ヒドロキシエチルグアー、カチオン性ヒドロキシプロピルグアー、カチオン性ヒドロキシブチルグアーなどの、カチオン性ヒドロキシアルキルグアー、ならびに
カチオン性カルボキシメチルグアーなどのカチオン性カルボキシアルキルグアー、カチオン性カルボキシルプロピルグアーおよびカチオン性カルボキシブチルグアーなどのカチオン性アルキルカルボキシグアー、カチオン性カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアー
からなる群から選ばれてもよい。
【0069】
一実施形態では、本発明のカチオン性グアーは、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドまたはヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドである。
【0070】
本発明の、カチオン性グアーなどの、カチオン性多糖は、100,000ダルトン〜3,500,000ダルトン、好ましくは100,000ダルトン〜1,500,000ダルトン、より好ましくは100,000ダルトン〜1,000,000ダルトンの平均分子量(Mw)を有してもよい。
【0071】
一実施形態では、本組成物は、組成物の総重量を基準として0.05〜10重量%の本発明によるカチオン性多糖を含む。別の実施形態では、本組成物は、組成物の総重量を基準として0.05〜5重量%のカチオン性多糖を含む。さらに別の実施形態では、本組成物は、組成物の総重量を基準として0.2〜2重量%のカチオン性多糖を含む。
【0072】
本出願との関連で、カチオン性グアーなどの、カチオン性多糖類の用語「置換度(DS)」は、1単糖単位当たりの置換されたヒドロキシル基の平均数である。DSはとりわけ、1単糖単位当たりのカルボキシメチル基の数を表してもよい。DSは、滴定によって測定され得る。
【0073】
一実施形態では、カチオン性グアーなどの、カチオン性多糖のDSは、0.01〜1の範囲にある。別の実施形態では、カチオン性グアーなどの、カチオン性多糖のDSは、0.05〜1の範囲にある。さらに別の実施形態では、カチオン性グアーなどの、カチオン性多糖のDSは、0.05〜0.2の範囲にある。
【0074】
本出願との関連で、カチオン性グアーなどの、カチオン性多糖類の「電荷密度(CD)」は、ポリマーを構成するモノマー単位上の正電荷の数対前記モノマー単位の分子量の比を意味する。
【0075】
一実施形態では、カチオン性グアーなどの、カチオン性多糖のCDは、0.1〜3(ミリ当量/グラム)の範囲にある。別の実施形態では、カチオン性グアーなどの、カチオン性多糖のCDは、0.1〜2(ミリ当量/グラム)の範囲にある。さらに別の実施形態では、カチオン性グアーなどの、カチオン性多糖のCDは、0.1〜1(ミリ当量/グラム)の範囲にある。
【0076】
一態様では、本発明の組成物は、少なくとも1つの非イオン性多糖を含む。一実施形態では、本組成物は、ただ1つの非イオン性多糖を含む。
【0077】
非イオン性多糖は、変性非イオン性多糖または非変性の非イオン性多糖であることができる。変性非イオン性多糖は、ヒドロキシアルキル化を含んでもよい。本発明との関連で、変性非イオン性多糖類のヒドロキシアルキル化度(モル置換またはMS)は、多糖類上に存在する遊離ヒドロキシル官能基の数によって消費されたアルキレンオキシド分子の数を意味する。一実施形態では、変性非イオン性多糖のMSは、0〜3の範囲にある。別の実施形態では、変性非イオン性多糖のMSは、0.1〜3の範囲にある。さらに別の実施形態では、変性非イオン性多糖のMSは、0.1〜2の範囲にある。
【0078】
本発明の非イオン性多糖は、グルカン、変性もしくは非変性デンプン(例えば、穀類、例えばコムギ、トウモロコシもしくはコメに由来するもの、野菜、例えば黄エンドウ、および根茎、例えばジャガイモまたはキャッサバに由来するものなどの)、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、デキストラン、セルロースおよびその誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース)、マンナン、キシラン、リグニン、アラバン、ガラクタン、ガラクツロナン、キチン、キトサン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、キシログルカン、グルコマンナン、ペクチン酸およびペクチン、アラビノガラクタン、カラギーナン、寒天、アラビアガム、トラガカントガム、ガッチガム、カラヤガム、カロブガム、グアーおよびその非イオン性誘導体(ヒドロキシプロピルグアー)などのガラクトマンナン、ならびにそれらの混合物からとりわけ選ばれてもよい。
【0079】
とりわけ使用されるセルロース類の中に、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースがある。Aqualon社によって名称Klucel(登録商標)EF、Klucel(登録商標)H、Klucel(登録商標)LHF、Klucel(登録商標)MFおよびKlucel(登録商標)Gで、ならびにAmerchol社によってCellosize(登録商標)Polymer PCG−10で、ならびにAshland社によってHEC、HPMC K200、HPMC K35Mで販売される製品が言及され得る。
【0080】
一実施形態では、非イオン性多糖は、非イオン性グアーである。非イオン性グアーは、変性または非変性であることができる。非変性の非イオン性グアーとしては、Unipectine社によって名称Vidogum(登録商標)GH 175で、ならびにSolvay社によって名称Meypro(登録商標)−Guar 50およびJaguar(登録商標)Cで販売される製品が挙げられる。変性非イオン性グアーはとりわけ、C
1〜C
6ヒドロキシアルキル基で変性されている。言及されてもよいヒドロキシアルキル基の中に、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルおよびヒドロキシブチル基がある。これらのグアーは、先行技術において周知であり、ヒドロキシプロピル基で変性されたグアーを得るために、例えば、プロピレンオキシドなどの相当するアルケンオキシドをグアーと反応させることによって、例えば、製造することができる。
【0081】
本発明の、非イオン性グアーなどの、非イオン性多糖は、100,000ダルトン〜3,500,000ダルトン、好ましくは500,000ダルトン〜3,500,000ダルトンの平均分子量(Mw)を有してもよい。
【0082】
一実施形態では、本組成物は、組成物の総重量を基準として0.05〜10重量%の本発明による非イオン性多糖を含む。別の実施形態では、本組成物は、組成物の総重量を基準として0.05〜5重量%の非イオン性多糖を含む。さらに別の実施形態では、本組成物は、組成物の総重量を基準として0.2〜2重量%の非イオン性多糖を含む。
【0083】
一実施形態では、本組成物中の第四級アンモニウム化合物の重量と、本組成物中のカチオン性多糖および非イオン性多糖の総重量との比は、100:1〜2:1、より好ましくは30:1〜5:1である。
【0084】
一実施形態では、本組成物中のカチオン性多糖の重量と、本組成物中の非イオン性多糖の重量との比は、1:10〜10:1、より好ましくは1:3〜3:1である。
【0085】
本発明の別の態様では、本組成物は、芳香材または香料をさらに含み得る。
【0086】
芳香材または香料を含有する上述の組成物は、従来の組成物と比べて向上した香り/芳香性能を示すことが見出された。理論に制約されることなく、それらの有益な効果は、基材上への、特に、布帛上への芳香材または香料の沈着を高め、芳香材または香料の放出を徐々に延ばし、香りまたは芳香寿命(持続性)を向上させる、カチオン性多糖と、非イオン性多糖と第四級アンモニウム化合物との相乗効果に起因する可能性があると考えられる。結果として、芳香材または香料の匂いは、リンスおよび乾燥(ラインまたは機械乾燥)工程の後に、基材、特に、布帛上に長期間かなり多いままであることができる。
【0087】
本明細書で用いるところでは、用語「芳香材または香料」は、所望の嗅覚特性を有し、かつ、本質的に非毒性である任意の有機物質または組成物を意味する。そのような物質または組成物は、香料に、または家庭用組成物(洗濯洗剤、布帛コンディショニング組成物、石鹸、多目的クリーナー、浴室クリーナー、床クリーナー)またはパーソナルケア組成物に一般に使用されるすべての芳香材または香料を包含する。関連する化合物は、起源が天然、半合成または合成であってもよい。
【0088】
好ましい芳香材および香料は、炭化水素、アルデヒドまたはエステルを含む部類の物質に割り当てられてもよい。芳香材および香料はまた、構成要素、すなわち、アーモンド、リンゴ、サクランボ、ブドウ、西洋ナシ、パイナップル、オレンジ、レモン、イチゴ、ラズベリーなどのフルーツ;ジャコウ;ラベンダー、ジャスミン、ユリ、モクレン、バラ、アイリス、カーネーションなどの花の香り;ローズマリー、タイム、セージなどのハーブの香り;マツ、トウヒ、シーダーなどの森林の香りの複雑な混合物を含んでもよい、天然抽出物および/またはエッセンスを包含する。
【0089】
合成および半合成芳香材および香料の非限定的な例は:
7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7−テトラメチルナフタレン、α−ヨノン、β−ヨノン、γ−ヨノン、α−イソメチルヨノン、メチルセドリロン、メチルジヒドロジャスモネート、メチル1,6,10−トリメチル−2,5,9−シクロドデカトリエン−1−イルケトン、7−アセチル−1,1,3,4,4,6−ヘキサメチルテトラリン、4−アセチル−6−tert−ブチル−1,1−ジメチルインダン、ヒドロキシフェニルブタノン、ベンゾフェノン、メチルb−ナフチルケトン、6−アセチル−1,1,2,3,3,5−ヘキサメチルインダン、5−アセチル−3−イソプロピル−1,1,2,6−テトラメチルインダン、1−ドデカナール、4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、7−ヒドロキシ−3,7−ジメチルオクタナール、10−ウンデセン−1−アル、イソヘキセニルシクロヘキシルカルボキシアルデヒド、ホルミルトリシクロデカン、ヒドロキシシトロネラルとメチルアントラニレートとの縮合生成物、ヒドロキシシトロネラルとインドールとの縮合生成物、フェニルアセトアルデヒドとインドールとの縮合生成物、2−メチル−3−(パラ−tert−ブチルフェニル)プロピオンアルデヒド、エチルバニリン、ヘリオトロピン、ヘキシル桂皮アルデヒド、アミル桂皮アルデヒド、2−メチル−2−(イソプロピルフェニル)プロピオンアルデヒド、クマリン、γ−デカラクトン、シクロペンタデカノリド、16−ヒドロキシ−9−ヘキサデセン酸ラクトン、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルシクロペンタ−g−ベンゾピラン、β−ナフトールメチルエーテル、アンブロキサン、ドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチルナフト[2,1b]フラン、セドロール、5−(2,2,3−トリメチルシクロペンテ−3−ニル)−3−メチルペンタン−2−オール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール、カリオフィレンアルコール、トリシクロデセニルプロピオネート、トリシクロデセニルアセテート、サリチル酸ベンジル、セドリルアセテート、およびtert−ブチルシクロヘキシルアセテート
である。
【0090】
以下のものが、特に好ましい:
ヘキシル桂皮アルデヒド、2−メチル−3−(tert−ブチルフェニル)プロピオンアルデヒド、7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7−テトラメチルナフタレン、サリチル酸ベンジル、7−アセチル−1,1,3,4,4,6−ヘキサメチルテトラリン、パラ−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、(β−ナフトールメチルエーテル、メチルg−ナフチルケトン、2−メチル−2−(パラ−イソプロピルフェニル)プロピオンアルデヒド、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルシクロペンタ−g−2−ベンゾピラン、ドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチルナフト[2,1b]フラン、アニスアルデヒド、クマリン、セドロール、バニリン、シクロペンタデカノリド、トリシクロデセニルアセテートおよびトリシクロデセニルプロピオネート。
【0091】
他の芳香材および香料は、ペルー(Peru)バルサム、オリバナム樹脂状物質、エゴノキ、ラブダナム樹脂、ナツメグ、カシア油、ベンゾイン樹脂、コリアンダー、クラリーセージ、ユーカリ、ゼラニウム、ラベンダー、メース抽出物、ネロリ、ナツメグ、スペアミント、ニオイスミレ葉、バレリアンおよびラバンジンなどの、多数の源からのエッセンシャルオイル、樹脂状物質および樹脂である。
【0092】
芳香材および香料のいくつかまたはすべては、カプセル化された、典型的な芳香成分であってもよく、芳香成分は、比較的低い沸点のそれらをカプセル化して、含めることが有利である。低いClog Pを有する、好ましくは3.0未満のClog Pの芳香成分(すなわち、水中へ分配されるであろうもの)をカプセル化することはまた有利である。本明細書で用いるところでは、用語「Clog P」は、オクタノール/水分配係数(P)の10を底とする計算常用対数を意味する。
【0093】
さらなる好適な芳香材および香料としては、フェニルエチルアルコール、テルピネオール、リナロール、リナリルアセテート、ゲラニオール、ネロール、2−(1,1−ジメチルエチル)シクロヘキサノールアセテート、ベンジルアセテート、およびオイゲノールが挙げられる。
【0094】
芳香材または香料は、単一物質としてかまたは互いに混合して使用することができる。
【0095】
香料は頻繁に、溶剤または希釈剤、例えば:エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジエチルフタレートおよびクエン酸トリエチルを含む。
【0096】
一実施形態では、本組成物は、組成物の総重量を基準として0.01〜10重量%の芳香材または香料を含む。別の実施形態では、本組成物は、組成物の総重量を基準として0.1〜5重量%の芳香材または香料を含む。さらに別の実施形態では、本組成物は、組成物の総重量を基準として0.1〜2重量%の芳香材または香料を含む。
【0097】
本発明のさらに別の態様では、本組成物は、次の任意選択の原料:分散剤、安定剤、レオロジー変性剤、pH調整剤、着色剤、増白剤、脂肪アルコール、脂肪酸、染料、賦香剤、プロ香料、シクロデキストリン、溶剤、防腐剤、塩素捕捉剤、抗収縮剤、布帛クリスピング剤、スポッティング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、増ちょう剤、ドレープおよびフォームコントロール剤、平滑剤、静電気制御剤、収縮制御剤、浄化剤、殺菌剤、細菌制御剤、かび制御剤、うどん粉菌制御剤、抗ウィルス剤、抗菌剤、乾燥剤、汚染抵抗剤、防汚剤、悪臭制御剤、布帛リフレッシング剤、塩素漂白臭気制御剤、染料固定剤、染料移動防止剤、カラーメンテナンス剤、カラー復元/再生剤、退色防止剤、白色度エンハンサー、摩耗防止剤、耐摩耗性剤、布帛インテグリティ剤、抗摩耗剤、泡抑制剤および泡止め剤、リンス剤、UV防護剤、日光色褪せ防止剤、防虫剤、抗アレルギー剤、酵素、難燃剤、防水剤、布帛快適剤、水質調整剤、耐ストレッチ剤、ならびにそれらの混合物の1つもしくは複数を含んでもよい。そのような任意選択の原料は、任意の所望の順番で本組成物に添加されてもよい。
【0098】
任意選択の原料に言及する際に、これが、他方では、当業者に周知である、すべての可能性の網羅的な記載と見なされることなく、以下のものが、言及されてもよい:
a)シリコーン、アミンオキシド、ラウリルエーテルスルフェートもしくはラウリルスルフェート、スルホスクシネートなどのアニオン界面活性剤、アンホアセテートなどの両性界面活性剤、ポリソルベート、ポリグリコシド誘導体などの非イオン界面活性剤、ならびにポリクオタニウムなどのカチオン性ポリマーなどの、組成物の柔軟化性能を向上させる他の製品;
b)組成物の0〜15重量%のレベルで典型的には使用される;例えばトリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミンなどの、第四級化されているもしくは第四級化されていない、短鎖を有するアミンの塩、ならびにまた、エトキシル化脂肪アルコール、エトキシル化脂肪アミン、ポリソルベート、およびエトキシル化アルキルフェノールなどの、非イオン界面活性剤などの、安定化製品;
c)組成物が高濃度の布帛コンディショニング活性物(第四級アンモニウム化合物などの)を含む場合に好ましくは添加される、粘度調整を改善する製品;例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化ナトリウムなどの、無機塩;グリセロール、ポリグリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、他のポリグリコールなどの、グリコール型の化合物などの、濃厚組成物での安定性を向上させるために使用することができる製品;ならびに希薄組成物用の増粘剤、例えば、セルロース、グアーなどに由来する天然ポリマー、またはアクリルアミドベースのポリマー(例えばSNF社製のFlosoft 222)、疎水変性したエトキシル化ウレタン(例えばDow社製のAcusol 880)などの、合成ポリマー;
d)任意のタイプの無機酸および/または有機酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、クエン酸などの、好ましくは2〜8である、pHを調整するための成分;
e)テレフタレートをベースとする公知のポリマーもしくはコポリマーなどの、防汚を向上させる試剤;
f)殺菌性防腐剤;
g)酸化防止剤、着色剤、香料、殺菌剤、殺真菌剤、腐食防止剤、防しわ剤、乳白剤、蛍光増白剤、真珠光沢剤などの他の製品。
【0099】
本組成物は、シリコーン化合物を含んでもよい。本発明のシリコーン化合物は、線状もしくは分岐構造のシリコーンポリマーであることができる。本発明のシリコーンは、単一ポリマーまたはポリマーの混合物であることができる。好適なシリコーン化合物としては、ポリアルキルシリコーン、アモノシリコーン(amonosilicone)、シロキサン、ポリジメチルシロキサン、エトキシル化オルガノシリコーン、プロポキシル化オルガノシリコーン、エトキシル化/プロポキシル化オルガノシリコーンならびにそれらの混合物が挙げられる。好適なシリコーンとしては、Wacker(登録商標)FC 201およびWacker(登録商標)FC 205などの、Wacker Chemicalから入手可能なものが挙げられるが、それらに限定されない。
【0100】
本組成物は、架橋剤を含んでもよい。以下のものが、架橋剤の非制限的なリストである:メチレンビスアクリルアミド(MBA)、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジアクリルアミド、トリアリルアミン、シアノメチルアクリレート、ビニルオキシエチルアクリレートもしくはメタクリレートおよびホルムアルデヒド、グリオキサール、エチレングリコールジグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル型の化合物、またはエポキシドもしくは架橋を可能にする専門家によく知られている任意の他の手段。
【0101】
本組成物は、少なくとも1つの界面活性剤系を含んでもよい。多数の供給源から商業的に入手可能である、カチオン、非イオンおよび/または両性界面活性剤などの、様々な界面活性剤を、本発明の組成物に使用することができる。界面活性剤の考察については、Kirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,Third Edition,volume8,pages900−912を参照されたい。好ましくは、本組成物は、所望のレベルの柔らかさを布帛に提供するのに有効な量で、好ましくは約5〜約10重量%の量で界面活性剤系を含む。
【0102】
本組成物は、酸性染料、疎水性染料、塩基性染料、反応染料、染料結合体などの、染料を含んでもよい。好適な酸性染料としては、アシッドブルー98、アシッドバイオレット50、およびアシッドブルー59などのアジン染料、アシッドバイオレット17、アシッドブラック1およびアシッドブルー29などの非アジン酸性染料が挙げられる。ベンゾジフラン、メチン、トリフェニルメタン、ナフタルイミド、ピラゾール、ナフトキノン、アントラキノンおよびモノアゾもしくはジアゾ染料発色団から選択される疎水性染料。好適な疎水性染料は、いかなる帯電した水可溶化基も含有しないそれらの染料である。疎水性染料は、分散染料およびソルベント染料の群から選択されてもよい。ブルーおよびバイオレットアントラキノンおよびモノアゾ染料が好ましい。塩基性染料は、正味の正電荷を有する有機染料である。それらは、木綿上へ沈着する。それらは、主としてカチオン界面活性剤を含有する組成物に使用されるために特に有用である。染料は、Colour Index Internationalにリストアップされているベーシックバイオレットおよびベーシックブルー染料から選択されてもよい。好ましい例としては、トリアリールメタン塩基性染料、メタン塩基性染料、アントラキノン塩基性染料、ベーシックブルー16、ベーシックブルー65、ベーシックブルー66、ベーシックブルー67、ベーシックブルー71、ベーシックブルー159、ベーシックバイオレット19、ベーシックバイオレット35、ベーシックバイオレット38、ベーシックバイオレット48;ベーシックブルー3、ベーシックブルー75、ベーシックブルー95、ベーシックブルー122、ベーシックブルー124、ベーシックブルー141が挙げられる。反応染料は、セルロースと反応し、そして共有結合で染料をセルロースに結び付けることができる有機基を含有する染料である。好ましくは反応性基は、加水分解されるか、または染料の反応性基は、ポリマーなどの有機化学種と、染料をこの化学種に結び付けるために反応している。染料は、Colour Index Internationalにリストアップされているリアクティブバイオレットおよびリアクティブブルー染料から選択されてもよい。好ましい例としては、リアクティブブルー19、リアクティブブルー163、リアクティブブルー182およびリアクティブブルー、リアクティブブルー96が挙げられる。染料結合体は、直接染料、酸性染料または塩基性染料を、物理的力によってポリマーまたは粒子に結び付けることによって形成される。ポリマーまたは粒子の選択に依存して、それらは、木綿または合成物質上に沈着する。説明は、国際公開第2006/055787号パンフレットに示されている。特に好ましい染料は、ダイレクトバイオレット7、ダイレクトバイオレット9、ダイレクトバイオレット11、ダイレクトバイオレット26、ダイレクトバイオレット31、ダイレクトバイオレット35、ダイレクトバイオレット40、ダイレクトバイオレット41、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトバイオレット99、アシッドブルー98、アシッドバイオレット50、アシッドブルー59、アシッドバイオレット17、アシッドブラック1、アシッドブルー29、ソルベントバイオレット13、ディスパースバイオレット27、ディスパースバイオレット26、ディスパースバイオレット28、ディスパースバイオレット63、ディスパースバイオレット77ならびにそれらの混合物である。本発明の固体組成物は、1つもしくは複数の香料を含んでもよい。香料は、固体組成物の総重量を基準として、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.05〜10重量%、さらにより好ましくは0.05〜5重量%、最も好ましくは0.05〜1.5重量%の量で存在する。
【0103】
本組成物は、抗菌剤を含んでもよい。抗菌剤は、ハロゲン化物質であってもよい。好適なハロゲン化物質としては、5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノール、o−ベンジル−p−クロロ−フェノール、および4−クロロ−3−メチルフェノールが挙げられる。あるいは、抗菌剤は、非ハロゲン化物質であってもよい。好適な非ハロゲン化物質としては、2−フェニルフェノールおよび2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−5−メチルシクロヘキサノールが挙げられる。フェニルエーテルは、抗菌剤の1つの好ましいサブセットである。抗菌剤はまた、ビ−ハロゲン化化合物であってもよい。最も好ましくは、これは、4−4’ジクロロ−2−ヒドロキシジフェニルエーテル、および/または2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)を含む。
【0104】
本組成物はまた、防腐剤を含んでもよい。好ましくは、皮膚感作可能性をまったく持たない、またはわずかに有するにすぎない防腐剤のみが使用される。例は、フェノキシエタノール、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、N−(ヒドロキシメチル)グリシン酸ナトリウム、ビフェニル−2−オールならびにそれらの混合物である。
【0105】
本組成物はまた、酸素ならびに固体組成物へのおよび/または被処理織布への他の酸化プロセスによって引き起こされる望ましくない変化を防ぐための酸化防止剤を含んでもよい。この部類の化合物としては、例えば、置換フェノール、ヒドロキノン類、ピロカテコール類、芳香族アミンおよびビタミンEが挙げられる。
【0106】
本組成物は、疎水剤を含んでもよい。疎水剤は、全組成物の重量で0.05〜1.0重量%、好ましくは0.1〜0.8重量%、より好ましくは0.2〜0.7、最も好ましくは0.4〜0.7重量%、例えば0.2〜0.5重量%の量で存在してもよい。疎水剤は、4〜9、好ましくは4〜7、最も好ましくは5〜7のClogPを有してもよい。
【0107】
好適な疎水剤としては、脂肪酸とアルコールとの反応から誘導されるエステルが挙げられる。脂肪酸は好ましくは、C
8〜C
22の炭素鎖長を有し、飽和もしくは不飽和、好ましくは飽和であってもよい。いくつかの例としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸およびミリスチン酸が挙げられる。アルコールは、線状、分岐または環状であってもよい。線状もしくは分岐アルコールは、1〜6の好ましい炭素鎖長を有する。好ましいアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ソルビトールが挙げられる。好ましい疎水剤としては、そのような脂肪酸とアルコールとから誘導されるメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステルおよびソルビタンエステルが挙げられる。
【0108】
好適な疎水剤の非限定的な例としては、少なくともC
10からの炭素鎖長を有する脂肪酸から誘導されるメチルエステル、少なくともC
10からの炭素鎖長を有する脂肪酸から誘導されるエチルエステル、少なくともC
8からの炭素鎖長を有する脂肪酸から誘導されるプロピルエステル、少なくともC
8からの炭素鎖長を有する脂肪酸から誘導されるイソプロピルエステル、少なくともC
16からの炭素鎖長を有する脂肪酸と、C
10超の炭素鎖長のアルコールとから誘導されるソルビタンエステルが挙げられる。天然に存在する脂肪酸は一般に、C
22以下の炭素鎖長を有する。
【0109】
いつくかの好ましい物質としては、メチルウンデカノエート、エチルデカノエート、プロピルオクタノエート、イソプロピルミリステート、ソルビタンステアレートおよび2−メチルウンデカノール、エチルミリステート、メチルミリステート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテートおよびエチルステアレート;より好ましくはメチルウンデカノエート、エチルデカノエート、イソプロピルミリステート、ソルビタンステアレート、2−メチルウンデカノール、エチルミリステート、メチルミリステート、メチルラウレートおよびイソプロピルパルミテートが挙げられる。
【0110】
そのような物質の非限定的な例としては、メチルウンデカノエート、エチルデカノエート、プロピルオクタノエート、イソプロピルミリステート、ソルビタンステアレートおよび2−メチルウンデカノール;好ましくはメチルウンデカノエート、エチルデカノエート、イソプロピルミリステート、ソルビタンステアレートおよび2−メチルウンデカノールが挙げられる。
【0111】
本組成物は、消泡剤を含んでもよい。消泡剤は、全組成物の重量で、および100パーセント泡消し活性を基準として、0.025〜0.45重量%、好ましくは0.03〜0.4重量%、最も好ましくは0.05〜0.35重量%、例えば0.07〜0.4重量%の量で存在してもよい。多種多様な物質が消泡剤として使用されてもよく、消泡剤は、当業者に周知である。例えば、Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Third Edition,Volume7,pages430−447(John Wiley and Sons,Inc.,1979)を参照されたい。
【0112】
好適な消泡剤としては、例えば、シリコーン消泡剤化合物、アルコール消泡剤化合物、例えば2−アルキルアルカノール消泡剤化合物、脂肪酸、パラフィン消泡剤化合物、ならびにそれらの混合物が挙げられる。消泡剤化合物とは、洗剤組成物の溶液によって、特に当該溶液の攪拌の存在下で生み出される発泡または泡立ちを抑制するなどのように働く任意の化合物または化合物の混合物を本明細書では意味する。
【0113】
本明細書で使用するための特に好ましい消泡剤は、シリコーン成分を含む任意の消泡剤化合物と本明細書で定義されるシリコーン消泡剤化合物である。多くのそのようなシリコーン消泡剤化合物はまた、シリカ成分を含有する。用語「シリコーン」は、本明細書で用いるところでは、および一般に当業界の全体にわたって、ポリジメチル−シロキサンなどの、ポリオルガノシロキサンオイル、ポリオルガノシロキサンオイルまたは樹脂の分散系またはエマルジョン、ならびにポリオルガノシロキサンとシリカ粒子との組み合わせであって、ポリオルガノシロキサンがシリカ上へ化学吸着しているかまたは融合している組み合わせのようなシロキサン単位と様々なタイプのヒドロカルビル基とを含有する様々な比較的高い分子量のポリマーを包含する。シリカ粒子は多くの場合、例えばトリメチルシロキシシリケートのように、疎水性化されている。シリコーン消泡剤は、当技術分野で周知であり、例えば、1981年5月5、25日発行の、米国特許第4,265,779号明細書および1990年2月7日公開の、欧州特許出願第89307851.9号明細書に開示されている。他のシリコーン消泡剤化合物は、米国特許第3,455,839号明細書に開示されている。顆粒洗剤組成物中のシリコーン泡抑制剤および泡立ち制御剤は、米国特許第3,933,672,35号明細書におよび1987年3月24日発行の米国特許第4,652,392号明細書に開示されている。好適なシリコーン消泡剤化合物の例は、Dow Corning、Wacker ChemieおよびMomentiveから商業的に入手可能なポリオルガノシロキサンとシリカ粒子との組み合わせである。
【0114】
他の好適な消泡剤化合物としては、脂肪族モノカルボン酸およびそれらの可溶性塩が挙げられる。これらの物質は、米国特許第2,954,347号明細書に記載されている。消泡剤として使用するための、脂肪族モノカルボン酸、およびそれらの塩は典型的には、商品名TAPACで商業的に入手可能な牛脂アンホポリカルボキシグリシネートのように約10〜約24個の炭素原子、好ましくは約12〜約18個の炭素原子のヒドロカルビル鎖を有する。好適な塩としては、ナトリウム、カリウム、およびリチウム塩などのアルカリ金属塩、ならびにアンモニウムおよびアルカノールアンモニウム塩が挙げられる。
【0115】
他の好適な消泡剤化合物としては、例えば、パラフィン、軽石油無臭炭化水素などの高分子量炭化水素、脂肪エステル(例えば脂肪酸トリグリセリド、グリセリル誘導体、ポリソルベート)、一価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族C
18〜40ケトン(例えばステアロン)、塩化シアヌルと、2または3モルの1〜24個の炭素原子を含有する第一級または第二級アミンとの生成物として形成されるトリ−〜ヘキサ−10アルキルメラミンまたはジ−〜テトラアルキルジアミンクロロトリアジンなどのN−アルキル化アミノトリアジン、プロピレンオキシド、ビスステアリン酸アミドおよびモノステアリルアルコールホスフェートエステルなどのモノステアリルホスフェートおよびモノステアリルジ−アルカリ金属(例えば、K、Na、およびLi)ホスフェートおよびホスフェートエステル、ならびに非イオン性ポリヒドロキシル誘導体が挙げられる。パラフィンおよび15ハロパラフィンなどの、炭化水素は、液体形態で利用することができる。液体炭化水素は、室温および大気圧で液体であろうし、約−40℃〜約5℃の範囲の流動点、および約110℃(大気圧)以上の最低沸点を有するであろう。約100℃よりも下の融点を好ましくは有する、ワックス状炭化水素を利用することもまた知られている。炭化水素泡立ち抑制剤は、例えば、米国特許第4,265,779号明細書に記載されている。したがって、炭化水素としては、約12〜約70個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式、芳香族、および複素環飽和もしくは不飽和炭化水素が挙げられる。用語「パラフィン」は、この泡立ち抑制剤考察において用いるところでは、真のパラフィンと環状炭化水素との混合物を含むことを意図する。エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、特に、約10〜約16個の炭素原子のアルキル鎖長、約3〜約30のエトキシル化度および約1〜約10のプロポキシル化度の混合エトキシル化/プロポキシル化脂肪アルコールはまた、本明細書で使用するための好適な消泡剤化合物である。
【0116】
本明細書で有用な他の消泡剤は、第二級アルコール(例えば、独国特許第40 21 265号明細書に記載されているような2−アルキルアルカノール)およびそのようなアルコールと、米国特許第4,798,679号明細書および欧州特許第150,872号明細書に開示されているシリコーンなどの、シリコーンオイルとの混合物を含む。第二級アルコールとしては、商品名ISOFOL16で商業的に入手可能な2−ヘキシルデカノール、商品名ISOFOL20で商業的に入手可能な2−オクチルドデカノール、およびCondeaから商品名ISOFOL 12で入手可能である、2−ブチルオクタノールのようにC
1〜C
16鎖を有するC
6〜C
16アルキルアルコールが挙げられる。好ましいアルコールは、商品名ISOFOL 12でCondeaから入手可能である、2−ブチルオクタノールである。第二級アルコールの混合物は、Enichemから商品名ISALCHEM 123で入手可能である。混合消泡剤は典型的には、約1:5〜約5:1の重量比でのアルコール対シリコーンの混合物を含む。さらなる好ましい消泡剤は、Wacker Chemieから入手可能なSilicone SRE銘柄ならびにSilicone SE 47M、SE39、SE2、SE9およびSE10;Dow CorningのBF20+、DB310、DC1410、DC1430、22210、HV495およびQ2−1607;Basildonによって供給されるFD20PおよびBC2600;ならびにMomentiveのSAG 730である。Hand Book of Food Additives,ISBN 0−566−07592−X,p.804などの、文献に記載されている、他の好適な消泡剤は、ジメチコーン、ポロキサマー、ポリプロピレングリコール、牛脂誘導体、およびそれらの混合物から選択される。
【0117】
上に記載された消泡剤の中で、シリコーン消泡剤、特にポリオルガノシロキサンとシリカ粒子との組み合わせが好ましい。
【0118】
本組成物は、不凍剤を含んでもよい。下に記載されるような不凍剤が、本組成物の凍結回復を改善するために使用される。
【0119】
不凍活性物は、4〜22、好ましくは5〜20、最も好ましくは6〜20の平均アルコキシル化値を有するアルコキシル化非イオン界面活性剤であってもよい。アルコキシル化非イオン界面活性剤は、3〜6、好ましくは3.5〜5.5のClogPを有してもよい。そのような非イオン界面活性剤の混合物が使用されてもよい。
【0120】
不凍剤として使用することができる好適な非イオン界面活性剤としては、疎水性基と反応性水素原子とを有する化合物、例えば脂肪族アルコール、酸、またはアルキルフェノールと、アルキレンオキシド、好ましくは、単独かプロピレンオキシドと一緒にかのどちらかのエチレンオキシドとの反応生成物が特に挙げられる。
【0121】
好適な不凍剤はまた、アルコール、ジオールおよびエステルから選択されてもよい。特に好ましい追加の不凍剤は、モノプロピレングリコール(MPG)である。本発明の非イオン性不凍成分の範囲外であるが、本発明の組成物にさらに含められてもよい、他の非イオン性不凍材としては、アルキルポリグリコシド、エトキシル化ヒマシ油、およびソルビタンエステルが挙げられる。
【0122】
さらなる好適な不凍剤は、パラフィン、長鎖アルコールおよび幾つかのエステル、例えばグリセロールモノステアレート、イソブチルステアレートおよびイソプロピルパルミテートなどの欧州特許第0018039号明細書に開示されているものである。また、C
10〜12イソパラフィン、イソプロピルミリステートおよびジオクチルアジペートなどの米国特許第6,063,754号明細書に開示されている物質。
【0123】
本組成物は、ポリマー粘度調整剤などの、1つもしくは複数の粘度調整剤を含んでもよい。好適なポリマー粘度調整剤としては、疎水変性セルロースエーテル(例えば、HerculesのNatrosol Plus)、カチオン変性デンプン(例えば、両方ともAvebeのSoftgel BDAおよびSoftgel BD)などの、非イオン性およびカチオン性ポリマーが挙げられる。特に好ましい粘度調整剤は、商品名Flosoft 200で入手可能な(SNF Floergerの)メタクリレートとカチオン性アクリルアミドとのコポリマーである。
【0124】
本組成物は、安定剤を含んでもよい。安定剤は、水不溶性のカチオン性物質と、炭化水素、脂肪酸、脂肪エステルおよび脂肪アルコールから選択される非イオン性物質との混合物であってもよい。
【0125】
本組成物は、8〜18、好ましくは11〜16、より好ましくは12〜16、最も好ましくは16のHLB値を有する非イオン性アルコキシル化物質であってもよい、フロック防止剤を含んでもよい。非イオン性アルコキシル化物質は、線状もしくは分岐、好ましくは線状であることができる。好適なフロック防止剤としては、非イオン界面活性剤が挙げられる。好適な非イオン界面活性剤としては、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと、脂肪アルコール、脂肪酸および脂肪アミンとの付加生成物が挙げられる。フロック防止剤は好ましくは、(a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびそれらの混合物から選択されるアルコキシドと、(b)脂肪アルコール、脂肪酸および脂肪アミンから選択される脂肪物質との付加生成物から選択される。
【0126】
本組成物は、ポリマー増粘剤を含んでもよい。好適なポリマー増粘剤は、水溶性または水分散性である。ポリマー増粘剤のモノマーは、非イオン性、アニオン性またはカチオン性であってもよい。以下のものは、非イオン性機能を果たすモノマーの非制限的なリストである:アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、酢酸ビニル、ビニルアルコール、アクリレートエステル、アリルアルコール。以下のものは、アニオン性機能を果たすモノマーの非制限的なリストである:アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ならびに2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(ATBS)などの、スルホン酸もしくはホスホン酸機能を果たすモノマーなど。モノマーはまた、疎水性基を含有してもよい。好適なカチオン性モノマーは、以下のモノマーおよび誘導体ならびにそれらの第四級塩または酸塩からなる群から選択される:ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジアリルアミン、メチルジアリルアミン、ジアルキルアミノアルキル−アクリレートおよびメタクリレート、ジアルキルアミノアルキル−アクリルアミドまたは−メタクリルアミド。
【0127】
本発明の組成物に特に有用なポリマー増粘剤としては、国際公開第2010/078959号パンフレットに記載されているものが挙げられる。これらは、少なくとも1つのカチオン性モノマーと、任意選択的に他の非イオン性および/またはアニオン性モノマーとを有する架橋した水膨潤性のカチオン性コポリマーである。このタイプの好ましいポリマーは、アクリルアミドと、トリメチルアミノエチルアクリレートクロリドとのコポリマーである。
【0128】
好ましいポリマーは、全ポリマーの重量で25パーセント未満、好ましくは20パーセント未満、最も好ましくは15パーセント未満の水溶性ポリマーと、ポリマーに対して500ppm〜5000ppm、好ましくは750ppm〜5000ppm、より好ましくは1000〜4500ppm(欧州特許第343840号明細書の8ページに記載されているものなどの好適な計測法によって測定されるような)の架橋剤濃度とを含む。架橋剤濃度は、ポリマーに対して約500ppm超、好ましくは使用される架橋剤がメチレンビスアクリルアミドである場合には約750ppm超でなければならず、または他の架橋剤である場合には10〜10,000ppmの当量架橋レベルをもたらす濃度でなければならない。
【0129】
本発明の組成物は、当業者によって知られる任意の混合手段によって調製され得る。好ましくは、本組成物は、以下の手順によって調製される:
(i)カチオン性多糖と非イオン性多糖との混合物の水性分散系を提供する工程。任意選択的に、他の添加剤がまた、水性分散系に添加されてもよい。好ましくは、攪拌および/または加熱が本工程を容易にするために提供される。好ましい一実施形態では、多糖類の水性分散系のpH値は、酸性剤を使用することによって3.5〜5の範囲にあるように調整される。
(ii)第四級アンモニウム化合物を、(i)で得られた水性分散系と混合して、本発明の組成物を生じさせる工程。好ましくは、第四級アンモニウム化合物は、混合前に加熱することによって溶融させられる。攪拌および加熱をまた、本工程を容易にするために提供することができる。
【0130】
好ましくは、(ii)で得られる組成物のpH値は、好適な酸性剤または塩基性剤を使用することによって、2.5〜8の範囲にあるように調整される。任意選択の添加剤がまた、この段階で組成物に添加されてもよい。
【0131】
本発明の組成物は、液体、液体−ゲル、ペースト様、水性形態か非水性形態かのどちらかでの泡、および当業者によって知られる任意の他の好適な形態などの様々な物理的形態を取ってもよい。より良好な分散性のためには、本組成物の好ましい形態は、液体形態であり、水中の水性分散液の形態にある。液体形態にある場合、本組成物はまた、噴霧器またはエアロゾルディスペンサーなどの分配手段で分配されてもよい。
【0132】
液体形態にある場合、本組成物は、標準的な(希釈された)布帛柔軟剤の場合には、0.1重量%〜20重量%の布帛コンディショニング剤を含有してもよいが、非常に濃厚な布帛コンディショニング組成物の場合には30重量%もしくは実に40重量%までのより高いレベルを含有してもよい。本組成物は通常また、組成物の残りを提供し得る、水および他の添加剤を含有する。好適な液体キャリアは、水、有機溶剤およびそれらの混合物から選択される。本組成物に用いられる液体キャリアは好ましくは、その低コスト、安全性、および環境適合性のために少なくとも第一に水である。水と有機溶剤との混合物が使用されてもよい。好ましい有機溶剤は、エタノール、プロパノール、イソ−プロパノールまたはブタノールなどの、一価アルコール;グリコールなどの、二価アルコール;グリセロールなどの、三価アルコール、および多価(ポリオール)アルコールである。
【0133】
別の態様では、本発明はまた、織物ケア剤としての本発明による組成物の使用に関する。
【0134】
本発明の方法を実施するために、本発明の組成物は、いわゆるリンスプロセスで使用することができる。典型的には本発明の組成物は、(自動布帛洗浄機などの)自動洗濯機のリンスサイクル中に添加される。本発明の一態様は、自動洗濯洗浄機のリンスサイクル中に本発明の組成物を投与する工程を提供する。本発明の別の態様は、本発明の組成物と任意選択的に使用説明書とを含むキットを提供する。
【0135】
リンスプロセスで使用される場合、本組成物は先ず、水性リンス浴液に希釈される。その後、洗剤液で洗浄され、そして第1の非効率的リンス工程(「非効率的」とは、残留洗剤および/または汚れが布帛で持ち込まれる可能性があるという意味合い)で任意選択的にリンスされた被洗濯布帛は、希釈組成のリンス液中に入れられる。もちろん、本組成物はまた、布帛がその中に浸漬されたらすぐに水性浴中へ組み込まれてもよい。その工程の後に、攪拌が、リンス浴液中で布帛に適用され、洗剤泡をつぶれさせ、そして残留汚れおよび界面活性剤が除去される。布帛は次に任意選択的に、乾燥前に絞ることができる。
【0136】
したがって、さらに別の態様では、洗剤液中で好ましくは前もって洗浄された、布帛を、本発明による組成物と接触させる工程を含む、布帛のリンス方法が提供される。本発明の主題はまた、リンスにおいて泡立ちまたは発泡の低減を提供しながら、そして望ましくないフロックの生成なしに、布帛に、とりわけ、高い泡立ち洗剤液中で洗浄された布帛に布帛柔らかさを付与するための本発明の組成物の使用を包含する。
【0137】
特に、本発明は、本発明の組成物を含む水性媒体を、布帛洗浄機のリンスサイクル中に布帛と接触させる工程を含む布帛の柔軟化方法に関する。
【0138】
このリンスプロセスは、たらいもしくはバケツ中で手動により、非自動化洗濯機で、または自動化洗濯機で行われてもよい。手洗いが行われる場合、被洗濯布帛は、洗剤液を除去され、絞り出される。本発明の組成物は次に、真水に添加されてもよく、布帛は次に、直接にまたは任意選択の非効率的な第1リンス工程後に、従来のリンス習慣に従って本組成物を含有する水中でリンスされる。布帛は次に、常法を用いて乾燥させられる。
【0139】
参照により本明細書に援用される特許、特許出願、および刊行物のいずれかの開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合、本記載が優先するものとする。
【0140】
以下の実施例は、本発明の実施形態を例示するために含められる。言うまでもなく、本発明は、記載される実施例に限定されない。
【実施例】
【0141】
以下の試料での組成物は、下に記載されるような原材料および/または手順を用いることによって調製した。
【0142】
原材料
TEP:ジ(パルミチン酸カルボキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルスルフェート;Fentacare TEP軟化剤(Solvay製);
DHT:二水素化牛脂ジメチルアンモニウムクロリド、Fentacare(登録商標)DHT軟化剤(Solvay製);
非イオン性グアー1:2,000,000〜3,000,000ダルトンの分子量を有するヒドロキシプロピルグアー;
非イオン性グアー2:約2,000,000ダルトンの平均分子量を有する天然グアー(Solvay製);
カチオン性グアー:1,500,000ダルトンよりも下の分子量を有するグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;
HEC:ヒドロキシエチルセルロース(Ashland製);
HPMC K200:ヒドロキシルプロピルメチルセルロース(Ashland製);
HPMC K35M:ヒドロキシルプロピルメチルセルロース(Ashland製);
LR3000KC:第四級化セルロース(Solvay製);
LR400:第四級化セルロース(Solvay製);
コンニャクガム(Konjac Gum):第四級化ガラクトマンノース(Foodchem International Corporation製);
フェヌグリークガム(Fenugreek Gum):第四級化ガラクトマンノース(China Zhengzhou Ruiheng Corporation);
タラガム(Tara Gum):第四級化ガラクトマンノース(Foodchem International Corporation製);
カシアガム(Cassia Gum):第四級化ガラクトマンノース(Lubrizol製);
CATO:第四級化デンプン(National Starch製)。
【0143】
布帛コンディショニング組成物の調製手順
1.1つもしくは複数のグアー、水および添加剤(もしあれば)を第1ビーカーへ添加し、次にかき混ぜながら55℃まで加熱した。
2.TEPを55℃で第2ビーカー中で溶融させ、次に第1ビーカーへ添加し、次に混合物を少なくとも5分間攪拌した。
3.工程(2)の混合物を35℃まで冷却し、防腐剤および香料を混合物へ添加した。
4.混合物のpH値を、10重量%NaOH水溶液で標的値に調整した。
【0144】
実施例1:柔軟化性能試験
布帛コンディショニング組成物試料を、上述の手順を用いることによって(表1に示される)以下の処方に従って調製した。
【0145】
【0146】
柔軟化性能試験のために、2グラムの試料のそれぞれを1リットルの水に希釈した。次にタオルを、それぞれ、10分間、異なる試料を含有する水中へ浸漬した(各試料について5つのタオル)。次に、被処理タオルを取り出し、5分間回転させ、一晩乾燥させた。次に、各被処理タオルの柔らかさを、独立して5人のパネリストによって評価し、その評価では、パネリストは被処理タオルに触り、被処理タオルの柔らかさを触って調べた(二重盲検試験)。1が最低の柔らかさを表し、5が最高の柔らかさを表す、1〜5のスケールで、被処理タオルの柔らかさを格付けした。その後、同じ試料で処理されたタオル(n=25)の平均柔らかさ格付けを計算した。
【0147】
【0148】
表2に例示されるように、試料2は、試料1、3および4と比べて向上した柔軟化性能を提供した。とりわけ、試料2は、TEPおよびカチオン性グアーだけを含む試料(試料3)またはTEPおよび非イオン性グアーだけを含む試料(試料4)と比べて向上した柔軟化性能を提供し、ここで、これらの試料(試料2〜4)中に存在する多糖の総量は同じであった。
【0149】
実施例2:湿潤タオルについての芳香寿命試験
布帛コンディショニング組成物試料を、上述の手順を用いることによって(表3に示される)以下の処方に従って調製した。
【0150】
【0151】
芳香寿命試験のために、2グラムの試料のそれぞれを1リットルの水に希釈した。次にタオルを、それぞれ、10分間、異なる試料を含有する水中へ浸漬した(各試料について1つのタオル)。次に、被処理タオルを取り出し、5分間回転させ、その後香料の匂いの放出を防ぐために、それぞれ、ジップバック中に密封した。次に、タオルを取り出し、各被処理タオルの匂いの強さを、独立して10人のパネリストによって直ちに格付けした(二重盲検試験)。1が最弱の匂いを表し、4が最強の匂いを表す、1〜4のスケールで、被処理タオルの匂いの強さを格付けした。その後、同じ試料で処理されたタオル(n=10)の平均臭気強度格付けを計算した。
【0152】
実施例3:乾燥タオルについての芳香寿命試験
布帛コンディショニング組成物試料を調製し、タオルを、回転後に、一晩乾燥させ、その後タオルの匂いを格付けしたことを除いて、実施例2に記載されたものと同じ方法で試験を実施した。
【0153】
【0154】
表4に例示されるように、湿潤タオル試験および乾燥タオル試験の両方において、試料5で処理されたタオルが、試料6で処理されたものと比べて、処理後に(乾燥タオル試験については処理および乾燥後に)、より強い匂いを示した。結果は、布帛コンディショニング組成物へのカチオン性グアーおよび非イオン性グアーの添加が、向上した芳香寿命を提供することを示した。
【0155】
実施例4:様々な多糖類についての柔軟化性能試験および芳香寿命試験
布帛コンディショニング組成物試料を、下の表5に示される処方に従って調製した。
【0156】
【0157】
【0158】
【0159】
試料を、上に記載されたような方法に従って行う布帛柔軟化試験および芳香寿命試験(乾燥タオル)にかけた。結果を下の表6に示す。
【0160】
【0161】
表6の結果によって例示されるように、クォート、カチオン性多糖および非イオン性多糖を含有する試料は、クォートおよび単一の多糖を含有するものと比較して向上した布帛柔軟化性能および向上した香料デリバリを示した。