【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様は、アップリンク・データを送信するために、ワイヤレス・ネットワーク内のネットワーク・ノードからリソースを要求する、ユーザ機器において実行される方法を提供し、前記アップリンク・データは、前記ユーザ機器と、前記ユーザ機器がメンバであるユーザ機器の複数のグループの少なくとも1つ内のユーザ機器との間で、ダイレクト通信としてダイレクトに送信されるべきデータであり、前記方法は、ステータス・レポートを生成するステップであって、前記ステータス・レポートは、前記アップリンク・データの量を示す標識と、前記アップリンク・データが送信されるべき少なくとも1つのグループを示す標識とを提供する、生成するステップと、前記少なくとも1つのグループの優先度を示す標識を、前記ネットワーク・ノードへ向けて送信するステップと、前記ステータス・レポートを、前記ネットワーク・ノードへ向けて送信するステップとを備える。
【0012】
本発明は、ユーザ機器は、いくつかのグループのメンバであり、これらグループの少なくとも1つへデータを送信しており、その後、特に、通信は、高優先度通信であり得、この通信が適切な手法で優先度付けられることが重要であることを認識する。さらに、異なるグループの優先度は、状況に依存して動的に変化し得、よって、ペンディングの通信が、現在の状況に従って優先度付けられるのであれば有利である。
【0013】
本発明は、送信するためのペンディングのアップリンク・データを有するユーザ機器が、データを受信するグループの優先度を認識しているか、または、決定することができ、したがって、ユーザ機器が、優先度を示す標識をネットワーク・ノードへ向けて送信するのであれば有利であり得ることを認識することによってこれに対処する。ユーザ機器はまた、送信されるべきアップリンク・データの量に関する情報と、送信されるべきグループの識別に関する情報とをネットワーク・ノードへ提供するステータス・レポートを、ネットワーク・ノードへ向けて送信するであろう。このようにして、ネットワーク・ノードは、アップリンク通信のための適切なリソースを割り当て、グループの現在の優先度を反映する方式で割当を優先度付けるための十分な情報を提供される。
【0014】
いくつかの実施形態では、本方法は、前記生成するステップを実行する前に、ユーザ機器の複数のグループの少なくともいくつかの現在の優先度を決定するステップを備える。
【0015】
グループの優先度をネットワーク・ノードへシグナルするために、ユーザ機器は、グループの優先度を認識している必要がある。いくつかのケースでは、ユーザ機器は、恐らくは、オペレータおよびマネジメント・インターフェースを使用して、オペレータまたは公衆安全コントローラによってユーザ機器へシグナルされた情報に応じて、自身で優先度を決定する。あるいは、ユーザ機器は、アップリンク・データに関連付けられた情報から優先度を決定し得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記ステータス・レポートを送信する前記ステップと、前記優先度を示す前記標識とを送信する前記ステップとは、同じ送信ステップである。
【0017】
優先度は、多くの方式で送信され得るが、たとえば、優先度は、通信の開始時においてRRC(無線リソース制御)シグナリングを使用して送信され得、これは、情報が、準固定である場合に適切であり得、あるいは、優先度は、MAC(媒体アクセス制御)シグナリングを使用して送信されてもよく、または、物理レイヤにおけるシグナリングとして送信されてもよく、あるいは、追加の信号としてまたはステータス・レポート内において、ステータス・レポートとともに送信される。優先度をステータス・レポートとともに送信することは、この時点において、ユーザ機器が、通信のためのリソースを要求しているので有利であり得る。したがって、優先度が動的に変化する場合、ネットワーク・ノードは、リソースを割り当てている場合、それが、現在の優先度を有していることを確証するであろう。さらに、アップリンク・データの量、および、必要とされるリソースのサイズ、さらには、優先度を送信するために、単一のステータス・レポートを使用することは、この情報を提供する効率的な方式である。
【0018】
いくつかの実施形態では、ユーザ機器は、複数の前記グループへ送信されるべきペンディングのアップリンク・データを備え、前記方法は、前記ペンディングのアップリンク・データが送信されるべき前記複数のグループの優先度を決定するステップと、前記ペンディングのアップリンク・データの各々のためのステータス・レポートを生成するステップと、前記最高優先度グループへ送信されるべきアップリンク・データに関する前記ステータス・レポートが最初に送信されるように、前記決定された優先度によって決定された順序で、前記ステータス・レポートを送信するステップとを備える。
【0019】
いくつかのケースでは、複数のグループへ送信されるべきアップリンク・データが存在し得る。いくつかのケースでは、これはすべてのグループへ送信されるべき同じアップリンク・データであり得るか、または他の実施形態において、それは異なるグループへ送信されるべき異なるアップリンク・データであり得る。いずれのケースであれ、本方法はグループの各々の優先度を決定し、その後アップリンク・データ送信の各々のためのステータス・レポートを生成する。優先度は、ステータス・レポートが送信される順序によってシグナルされ得、最高優先度グループのステータス・レポートが最初に送信される。このように、ネットワーク・ノードは、最高優先度のペンディングの送信を認識し、高い優先度を有する通信のためのリソースを割り当て得る。さらには、要求の順序を使用して優先度情報を送信することによって、この情報は便利でしかも効率的な手法で送信される。
【0020】
いくつかの実施形態では、複数のステータス・レポートが、決定された優先度に依存するシーケンスで送信される。この点において、ステータス・レポートは、この送信のための十分なリソースがあるのであれば、次々に送信され得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、本方法は、前記シーケンス内で前記ステータス・レポートの少なくとも1つを送信する前に、スケジューリング要求を送信し、前記ステータス・レポートを送信するためのリソースを許可するリソース許可の受信に応じて、前記リソース許可内で適合するものと同数の前記ステータス・レポートを、前記シーケンスで送信するステップを備える。
【0022】
ネットワーク・ノードへステータス・レポートを送信するために、リソースは、この送信のためにユーザ機器へ許可される必要がある。したがって、ユーザ機器は、ステータス・レポートの送信のためのリソースを要求していることを示すスケジューリング要求を送信するであろう。この許可の受信に応じて、ユーザ機器は、どれだけのシーケンスを送信できるのかを決定し、できる限り多くのステータス・レポートをシーケンス内で送信するであろう。送信されるべきステータス・レポートのすべてのための十分なリソースがない場合、後続するスケジューリング要求が送信されるであろう。
【0023】
他の実施形態では、本方法は、スケジューリング要求を送信し、前記ステータス・レポートの各々を送信する前にリソース許可を受信するステップを備える。
【0024】
いくつかのケースでは、スケジューリング要求は、単一のステータス・レポートのための十分なリソースを生成するようにネットワーク・ノードをトリガし得る。このケースでは、スケジューリング要求は、ステータス・レポートの各々のために送信され、ステータス・レポートは、この通信がアドレスされるべきグループの優先度の順序で送信されるであろう。
【0025】
いくつかの実施形態では、本方法は、前記最高優先度グループのアップリンク・データに関する前記ステータス・レポートを送信し、前記ユーザ機器が送信を待っているさらなるアップリンク・データを備えていることを示す標識を、さらなるより低い優先度グループへ送信するステップを備える。
【0026】
いくつかのケースでは、さらなるペンディングのアップリンク・データを示すために、新たなスケジューリング要求を送信するのではなく、この標識が、ステータス・レポートとともに、または、ステータス・レポート内かのいずれかで送信され得、ネットワーク・ノードは、より多くのリソースを割り当てることによってこれに応答し得る。これは、情報を送信する効率的な方式である。この情報は、ステータス・レポート自身内にあり得るか、または、帯域シグナリング内でBSR MAC CE(Buffer Status Report、Medium Access Control、Control Element)で送信され得る。
【0027】
別の実施形態では、MAC PDU(Protocol Data Unit)ヘッダの予約ビットが、この1ビット情報を伝送するために使用される一方、別の実施形態では、新たなMAC CEフォーマットが、他のグループのための残りのバッファ・ステータス・レポートの情報を伝送するために規定される。
【0028】
いくつかの実施形態では、複数のグループへ送信されるべきペンディングのアップリンク・データに応じて、前記方法は、前記ペンディングのアップリンク・データのための前記ステータス・レポートを生成するステップを備え、前記ステータス・レポートは、ペンディングのアップリンク・データが存在する前記複数のグループの各々の優先度を示す標識と、前記対応するアップリンク・データのサイズを示すインジケータとを備えた、あらかじめ決定されたフォーマットを備える。
【0029】
優先度を示すために、特定の順序で個々のステータス・レポートを送信するのではなく、いくつかの実施形態では、特定のフォーマットを有するステータス・レポートが使用される。これは、優先度を示す標識と、ペンディングのアップリンク・データのサイズを示す標識とを含む。
【0030】
いくつかの実施例では、前記ステータス・レポートは、前記複数のグループの各々のためのグループ識別子を備え、前記グループ識別子が前記ステータス・レポートにおいて出現する順序は、前記グループの前記優先度を示す前記標識を提供する。
【0031】
他の実施形態では、ステータス・レポートは、前記複数のグループの各々の優先度インジケータを備え、各優先度標識が、ステータス・レポートにおけるその場所から、対応するグループへリンクされ得るように、前記ステータス・レポート内の位置が、前記複数のグループの各々のために予約される。
【0032】
いくつかの実施形態では、前記あらかじめ決定されたフォーマットは、ペンディングのアップリンク・データが存在する前記複数のグループの各々のための優先度インジケータが、あらかじめ決定された順序で互いに隣接して配置され、前記対応するアップリンク・データのサイズを示すインジケータが、前記ステータス・レポートのさらなる部分に配置される。
【0033】
いくつかのケースでは、グループ識別子はグループ・サイズに隣接して配置され、それらがデータ・ストリームにおいて送信される順序は、優先度の順序を示す。他の実施形態では、グループ識別子は、ステータス・レポートのさらなる部分に配置されているデータ・サイズとともに、互いに隣接して配置される。後者は、よりコンパクトで、したがって、データを構成するための効率的な方式であり得、したがって、有利であり得る。
【0034】
バッファ・サイズおよびグループ優先度インジケータを備える情報が、あらかじめ決定されたフォーマットにおけるMAC CEシグナリングとして、情報のシーケンスとしてともに送信され、これによって、いくつかのケースでは、送信されたデータ・ストリーム内のビット位置が、優先度が関連するグループを示す標識を提供することが注目されるべきである。
【0035】
本発明の第2の態様は、ユーザ機器であって、ステータス・レポートを生成するように動作可能なステータス・レポート生成器であって、前記ステータス・レポートは、前記ユーザ機器がメンバであるユーザ機器の複数のグループの少なくとも1つ内のユーザ機器へのダイレクトなダイレクト送信として送信を待っているアップリンク・データの量を示す標識と、前記アップリンク・データが送信されるべき前記少なくとも1つのグループを識別するグループ識別子とを提供する、ステータス・レポート生成器と、前記ステータス・レポートを送信し、前記少なくとも1つのグループの優先度を示す標識を前記ネットワーク・ノードへ向けて送信するように動作可能な送信機とを備えるユーザ機器を提供する。
【0036】
本発明の第3の態様は、アップリンク・データを送信するためのリソースをユーザ機器へ割り当てるためにネットワーク・ノードにおいて実行される方法であって、前記アップリンク・データは、前記ユーザ機器と、前記ユーザ機器がメンバであるユーザ機器の複数のグループの少なくとも1つ内のユーザ機器との間で、ダイレクト通信としてダイレクトに送信されるべきデータであり、前記方法は、少なくとも1つのステータス・レポートを前記ユーザ機器から受信するステップであって、前記少なくとも1つのステータス・レポートは、前記ユーザ機器においてペンディングになっている前記アップリンク・データの量を示す標識と、前記アップリンク・データが送信されるべき前記少なくとも1つのグループを識別するグループ識別子とを提供する、受信するステップと、前記少なくとも1つのグループの優先度を示す標識を前記ユーザ機器から受信するステップと、前記少なくとも1つのステータス・レポートに依存して、前記アップリンク・データの送信のためのリソースを前記ユーザ機器へ割り当てるステップとを備える。
【0037】
ダイレクト通信に関与するユーザ機器へリソースを割り当てる場合、それを効率的に行うために、ネットワーク・ノードは、この通信が高い優先度で送信される必要のあり得る公衆安全通信であり得るので、この通信の優先度を認識すべきである。ダイレクト通信は、2つのデバイス間のダイレクトな通信であり得るか、または、1つのデバイスから複数のデバイスへの通信であり得る。この点において、ユーザ機器は、ユーザ機器のいくつかのグループの1つのメンバであり得、異なるグループへ送信する通信を有し得る。たとえば、公衆安全シナリオでは、異なるグループは、異なる緊急サービスであり得る。出来事に依存して、グループの優先度は動的に変化し得るので、ユーザ機器が、リソースの優先度に関する情報のみならず、必要とされるリソースの量を示す情報をも伝送し得るのであれば、これは、ネットワーク・ノードが通信を適切に優先度付けることを可能にするであろうから有利である。
【0038】
いくつかの実施形態では、前記優先度を示す前記標識は、前記少なくとも1つのステータス・レポートともに受信される。さらに、前記アップリンク・データが、複数のグループへ送信されるべきである場合、本方法は、いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つのステータス・レポートから前記グループの優先度の順序を決定するステップと、送信されるべき前記アップリンク・データのためのリソースを、前記最高優先度グループへ最初に割り当て、その後、前記アップリンク・データのためのリソースをより低い優先度グループへ割り当てるステップとを備える。
【0039】
優先度標識が、ステータス・レポートとともに受信されることが有利であり得る。なぜなら、リソースが通信のために割り当てられるのはこの時点においてだからである。ユーザ機器が、異なるグループへのいくつかのペンディングの通信を有している場合、ネットワーク・ノードは、最初に最高優先度グループへリソースを割り当てるであろう。これによって、最高優先度の通信が送信されることが可能となる。
【0040】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、前記少なくとも1つのステータス・レポートから、最高優先度グループへ送信されるべきアップリンク・データと、他のグループへのさらなるアップリンク・データがペンディングであると判定するステップと、送信されるべき前記アップリンク・データのためのリソースを前記最高優先度グループへ割り当て、さらなるステータス・レポートの送信のために、前記ユーザ機器へ許可リソースを割り当てるステップとを備える。
【0041】
いくつかのケースでは、ステータス・レポートは、関連するアップリンク・データの性質を示すのみならず、ペンディングになっているさらなるアップリンク・データが存在するか否かを示す標識をも提供する。このように、追加のスケジューリング要求は、このさらなるデータのためにも、ステータス・レポートによって示されるアップリンク・データのための割り当てリソースのためにも送信される必要がなく、ネットワーク・ノードは、1つまたは複数のさらなるステータス・レポートの送信のために、ユーザ機器へ許可リソースを割り当てることもできる。
【0042】
本発明の第4の態様は、前記ユーザ機器から少なくとも1つのステータス・レポートを受信するように動作可能な受信機であって、前記少なくとも1つのステータス・レポートは、前記ユーザ機器においてペンディングになっているアップリンク・データの量を示す標識であって、前記アップリンク・データは、前記ユーザ機器と、前記ユーザ機器がメンバであるユーザ機器の複数のグループの1つ内のユーザ機器との間でダイレクト通信としてダイレクトに送信されるべきデータである、標識と、前記アップリンク・データが送信されるべき前記少なくとも1つのグループを識別するグループ識別子とを提供し、前記受信機は、前記少なくとも1つのグループの優先度を示す標識を受信するようにさらに動作可能である、受信機と、前記少なくとも1つのステータス・レポートに依存して、前記アップリンク・データを送信するためのリソースを前記ユーザ機器へ割り当てるように動作可能なリソース割当ロジックと、を備えるネットワーク・ノードを提供する。
【0043】
本発明の第5の態様は、コンピュータによって実行された場合、本発明の第1の態様または第3の態様のいずれか1つに従って方法を実行するように前記コンピュータを制御するように動作可能なコンピュータ・プログラムを提供する。
【0044】
さらに詳細かつ好適な態様が、添付の独立項および従属項において記述される。従属項の特徴は、独立項の特徴と適切に、および特許請求の範囲に明示的に記述されたもの以外の組合せで組み合わされ得る。
【0045】
装置の特徴が機能を提供するように動作可能として記載されている場合、これは、その機能を提供する、または、その機能を提供するように適合または構成された装置特徴を含むことが認識されるであろう。
【0046】
本発明の実施形態は、添付図面を参照してさらに記載されるであろう。