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特許6479969グループ内のユーザ機器間のダイレクト通信のためのアップリンク・リソース割当
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6479969
(24)【登録日】2019年2月15日
(45)【発行日】2019年3月6日
(54)【発明の名称】グループ内のユーザ機器間のダイレクト通信のためのアップリンク・リソース割当
(51)【国際特許分類】
   H04W 92/18 20090101AFI20190225BHJP
   H04W 72/10 20090101ALI20190225BHJP
   H04W 4/08 20090101ALI20190225BHJP
【FI】
   H04W92/18
   H04W72/10
   H04W4/08
【請求項の数】13
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-516381(P2017-516381)
(86)(22)【出願日】2015年9月11日
(65)【公表番号】特表2017-533636(P2017-533636A)
(43)【公表日】2017年11月9日
(86)【国際出願番号】EP2015070834
(87)【国際公開番号】WO2016045993
(87)【国際公開日】20160331
【審査請求日】2017年5月19日
(31)【優先権主張番号】14306488.9
(32)【優先日】2014年9月26日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ウォラル,チャンドリカ
(72)【発明者】
【氏名】リム,ソー シアン
【審査官】 ▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/047261(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/183727(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0150061(US,A1)
【文献】 Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,BSR for D2D[online], 3GPP TSG-RAN WG2♯86 R2-142587,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_86/Docs/R2-142587.zip>,2014年 5月23日,Pages 1-5
【文献】 ZTE Corporation,Contents of D2D BSR[online], 3GPP TSG-RAN WG2#87 R2-143603,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_87/Docs/R2-143603.zip>,2014年 8月22日,Pages 1-2
【文献】 Intel Corporation,BSR reporting for D2D communication[online], 3GPP TSG-RAN WG2♯85bis R2-141222,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_85bis/Docs/R2-141222.zip>,2014年 4月 4日,Pages 1-3
【文献】 Huawei, HiSilicon,Discussion on ProSe-BSR Format[online], 3GPP TSG-RAN WG2#87 R2-143810,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_87/Docs/R2-143810.zip>,2014年 8月22日,Pages 1-3
【文献】 Rapporteur (Ericsson),[85bis#19][LTE/D2D] Resource allocation details for D2D Communication[online], 3GPP TSG-RAN WG2♯86 R2-142429,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_86/Docs/R2-142429.zip>,2014年 5月23日,Pages 1-20
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アップリンク・データを送信するために、ワイヤレス・ネットワーク内のネットワーク・ノード(20)からリソースを要求する、ユーザ機器(50a)において実行される方法であって、前記アップリンク・データは、前記ユーザ機器(50a)と、前記ユーザ機器がメンバであるユーザ機器の複数のグループの少なくとも1つ内のユーザ機器(50、52)との間で、ダイレクト通信としてダイレクトに送信されるべきデータであり、前記方法は、
ステータス・レポートを生成するステップであって、前記ステータス・レポートは、前記アップリンク・データの量を示す標識と、前記アップリンク・データが送信されるべき少なくとも1つのグループを示す標識とを提供する、生成するステップと、
前記少なくとも1つのグループの優先度を示す標識を、前記ネットワーク・ノードへ向けて送信するステップと、
前記ステータス・レポートを、前記ネットワーク・ノードへ向けて送信するステップと、
を備え
前記ステータス・レポートを送信するステップと、前記優先度を示す前記標識を送信するステップとは、同じ送信ステップであり、
複数のグループへ送信されるべきペンディングのアップリンク・データに応じて、前記方法は、前記ペンディングのアップリンク・データのための前記ステータス・レポートを生成するステップを更に備え、該ステータス・レポートは、
ペンディングのアップリンク・データが存在する前記複数のグループの各々の優先度を示す標識と、対応するアップリンク・データのサイズを示すインジケータとを含んだあらかじめ決定されたフォーマット、及び、
前記複数のグループの各々のためのグループ識別子、
を含み、
前記グループ識別子が前記ステータス・レポートにおいて出現する順序は、前記グループの前記優先度を示す前記標識を提供す
方法。
【請求項2】
前記生成するステップを実行する前に、ユーザ機器の前記複数のグループの少なくともいくつかの現在の優先度を決定するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザ機器は、複数の前記グループへ送信されるべきペンディングのアップリンク・データを備え、前記方法は、
前記ペンディングのアップリンク・データが送信されるべき前記複数のグループの優先度を決定するステップと、
前記ペンディングのアップリンク・データの各々のためのステータス・レポートを生成するステップと、
最高優先度グループへ送信されるべきアップリンク・データに関する前記ステータス・レポートが最初に送信されるように、前記決定された優先度によって決定された順序で前記ステータス・レポートを送信するステップと
を備える、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のステータス・レポートは、前記決定された優先度に依存して、シーケンスで送信される、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記ステータス・レポートを送信する前に、スケジューリング要求を送信し、前記ステータス・レポートを送信するためのリソースを許可するリソース許可の受信に応じて、前記リソース許可内で適合するものと同数の前記ステータス・レポートを、前記シーケンスで送信するステップを備える、請求項に記載の方法。
【請求項6】
スケジューリング要求を送信し、前記ステータス・レポートの各々を送信する前にリソース許可を受信するステップを備える、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記ステータス・レポートを送信するステップは、前記最高優先度グループのアップリンク・データに関する前記ステータス・レポートを送信するステップを含み
前記標識を送信するステップは、前記ユーザ機器がより低い優先度グループへの送信を待っているさらなるアップリンク・データを備えていることを示す標識を送信するステップを含む
請求項乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記あらかじめ決定されたフォーマットは、ペンディングのアップリンク・データが存在する前記複数のグループの各々のための優先度インジケータが、あらかじめ決定された順序で互いに隣接して配置され、対応するアップリンク・データのサイズを示すインジケータが、前記ステータス・レポートのさらなる部分に配置される、請求項に記載の方法。
【請求項9】
ユーザ機器(50a)であって、
ステータス・レポートを生成するように動作可能なステータス・レポート生成器であって、前記ステータス・レポートは、前記ユーザ機器がメンバであるユーザ機器の複数のグループの少なくとも1つ内のユーザ機器(50、52)へのダイレクトなダイレクト送信として送信を待っているアップリンク・データの量を示す標識と、前記アップリンク・データが送信されるべき少なくとも1つのグループを示す標識とを提供する、ステータス・レポート生成器と、
前記ステータス・レポートを送信し、前記少なくとも1つのグループの優先度を示す標識をネットワーク・ノードへ向けて送信するように動作可能な送信機と、
を備え
複数のグループへ送信されるべきペンディングのアップリンク・データに応じて、前記ステータス・レポート生成器は、前記ペンディングのアップリンク・データのための前記ステータス・レポートを生成するように更に動作可能であり、該ステータス・レポートは、
ペンディングのアップリンク・データが存在する前記複数のグループの各々の優先度を示す標識と、対応するアップリンク・データのサイズを示すインジケータとを含んだあらかじめ決定されたフォーマット、及び、
前記複数のグループの各々のためのグループ識別子、
を含み、
前記グループ識別子が前記ステータス・レポートにおいて出現する順序は、前記グループの前記優先度を示す前記標識を提供す
ユーザ機器。
【請求項10】
アップリンク・データを送信するためのリソースをユーザ機器(50a)へ割り当てるためにネットワーク・ノード(20)において実行される方法であって、前記アップリンク・データは、前記ユーザ機器(50a)と、前記ユーザ機器がメンバであるユーザ機器の複数のグループの少なくとも1つ内のユーザ機器(50、52)との間で、ダイレクト通信としてダイレクトに送信されるべきデータであり、前記方法は、
少なくとも1つのステータス・レポートを前記ユーザ機器(50a)から受信するステップであって、前記少なくとも1つのステータス・レポートは、前記ユーザ機器においてペンディングになっている前記アップリンク・データの量を示す標識と、前記アップリンク・データが送信されるべき少なくとも1つのグループを示す標識とを提供する、受信するステップと、
前記少なくとも1つのグループの優先度を示す標識を前記ユーザ機器(50a)から受信するステップと、
前記少なくとも1つのステータス・レポートに依存して、前記アップリンク・データの送信のためのリソースを前記ユーザ機器(50a)へ割り当てるステップと、
を備え
前記ステータス・レポートを受信するステップと、前記優先度を示す前記標識を受信するステップとは、同じ受信ステップであり、
複数のグループへ送信されるべきペンディングのアップリンク・データに応じて、前記方法は、前記ペンディングのアップリンク・データのための前記ステータス・レポートを受信するステップを更に備え、該ステータス・レポートは、
ペンディングのアップリンク・データが存在する前記複数のグループの各々の優先度を示す標識と、対応するアップリンク・データのサイズを示すインジケータとを含んだあらかじめ決定されたフォーマット、及び、
前記複数のグループの各々のためのグループ識別子、
を含み、
前記グループ識別子が前記ステータス・レポートにおいて出現する順序は、前記グループの前記優先度を示す前記標識を提供す
方法。
【請求項11】
ネットワーク・ノード(20)であって、
ユーザ機器(50a)から少なくとも1つのステータス・レポートを受信するように動作可能な受信機であって、前記少なくとも1つのステータス・レポートは、前記ユーザ機器においてペンディングになっているアップリンク・データの量を示す標識であって、前記アップリンク・データは、前記ユーザ機器(50a)と、前記ユーザ機器がメンバであるユーザ機器の複数のグループの少なくとも1つ内のユーザ機器(50、52)との間でダイレクト通信としてダイレクトに送信されるべきデータである、標識と、前記アップリンク・データが送信されるべき少なくとも1つのグループを示す標識とを提供し、前記受信機は、前記少なくとも1つのグループの優先度を示す標識を受信するようにさらに動作可能である、受信機と、
前記少なくとも1つのステータス・レポートに依存して、前記アップリンク・データを送信するためのリソースを前記ユーザ機器へ割り当てるように動作可能なリソース割当ロジックと、
を備え
複数のグループへ送信されるべきペンディングのアップリンク・データに応じて、前記受信機は、前記ペンディングのアップリンク・データのための前記ステータス・レポートを受信するように更に動作可能であり、該ステータス・レポートは、
ペンディングのアップリンク・データが存在する前記複数のグループの各々の優先度を示す標識と、対応するアップリンク・データのサイズを示すインジケータとを含んだあらかじめ決定されたフォーマット、及び、
前記複数のグループの各々のためのグループ識別子、
を含み、
前記グループ識別子が前記ステータス・レポートにおいて出現する順序は、前記グループの前記優先度を示す前記標識を提供す
ネットワーク・ノード。
【請求項12】
コンピュータによって実行された場合、請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法を実行するように前記コンピュータを制御するように動作可能なコンピュータ・プログラム。
【請求項13】
コンピュータによって実行された場合、請求項10に記載の方法を実行するように前記コンピュータを制御するように動作可能なコンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ機器のグループ間のダイレクト通信を容易にするための方法、コンピュータ・プログラム、ユーザ機器、およびネットワーク・ノードに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス通信システムが知られている。そのようなシステムでは、ユーザ機器、モバイル電話、および類似物のようなネットワーク接続可能なデバイスまたはモバイル通信デバイスは、典型的に、ネットワーク・プロバイダによって提供される基地局と通信するように動作可能である。
【0003】
既知のワイヤレス通信システムでは、無線カバレッジが、セルとして知られるエリア内のネットワーク接続可能なデバイスへ提供される。基地局は、無線カバレッジを提供するために各セルに配置される。典型的には、各セルにおけるネットワーク接続可能なデバイスは、基地局から情報およびデータを受信し、基地局へ情報およびデータを送信するように動作可能である。この情報またはデータは、その後、ワイヤレス通信ネットワーク内のさらなるネットワーク・ノードへ送信され得、これによって、異なるセルにおけるネットワーク接続可能なデバイスが、ワイヤレス通信システムを介してローミングするので、互いに通信することが可能となる。ネットワーク接続可能なデバイスへ広範なカバレッジのエリアを提供するために、多くの基地局が提供され、地理的に分散される。
【0004】
いくつかの状況において、互いに近接して配置されるユーザ機器(UE)が、ワイヤレス通信ネットワークのネットワーク・ノードを経由せずに、互いにダイレクトに情報を送信することが望ましいことがある。そのようなダイレクトなデバイス・ツー・デバイス通信のために、この通信のために使用されるチャネル(信号が送信されるべき時間−周波数リソースを備える)は、可能であれば、信号衝突を回避または少なくとも低減する方式で信号を送信するデバイスへ割り当てられるべきである。
【0005】
これを行う2つの方式がある。一方は、ネットワーク・ノードがリソースを割り当てるワイヤレス通信システムの制御下にあり、他方は、そのような通信のために予約されたリソースのプールからリソースを選択するユーザ機器の制御下にある。前者は、中央制御下にあるので、衝突の低減という利点を明らかに有するが、ユーザ機器がネットワーク・セルのカバレッジ内にある場合にしか適用可能ではないであろう。
【0006】
現在、ProSe通信が3GPPにおいて標準化されている。公衆安全の要件は、公衆安全サポートUEが、同時に複数の公衆安全ユーザ・グループとダイレクトに通信できることを必要とする。たとえば、公衆安全UEは、警察グループ、救急サービス・グループ、および消防グループのメンバであり得、いずれかまたはすべてのグループと同時に通信するであろう。さらに、(メンバ・グループ内の)グループの優先度は、出来事に依存して動的に変化する可能性が高い。たとえば、道路事故のケースでは、負傷者がいるのであれば、救急車を呼ぶことが最高優先度となるであろう。火災に関連するのであれば、消防隊を呼ぶことが第1の優先度となる。したがって、ネットワーク・ノードが、これらダイレクト通信のためのリソースの割り当てを制御している場合、グループの優先度は動的に変化するので、通信のためのリソースを割り当てる場合に現在の優先度が知られているように、ネットワーク・ノードがグループの優先度を認識することが望ましいであろう。
【0007】
米国特許出願第3023/150061号は、デバイス・ツー・デバイス・グループ通信方法を開示している。この方法では、同じD2Dグループに属する2つ以上のデバイスと通信するデバイスが、スケジューリング要求を基地局へ送信し、また、バッファ・ステータス・レポートを送信する。UEは、基地局からリソース割当を受信し、その後、D2D通信としてのD2Dグループ通信のために必要なデバイスIDおよびD2Dリソース割当情報として、D2Dグループ識別子とともにD2Dユーザ・データを送信する。
【0008】
3GPP:Technical Specification Group Services and System Aspects;TR23.703v.12.0.0 “Study on architecture enhancments to support proximity−based services (PRoSe)”は、グループD2D通信と、特にProSe通信がサポートされ得ることを、高レベルな潜在的な方式で開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願第3023/150061号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】3GPP:Technical Specification Group Services and System Aspects;TR23.703v.12.0.0 “Study on architecture enhancments to support proximity−based services(PRoSe)”
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様は、アップリンク・データを送信するために、ワイヤレス・ネットワーク内のネットワーク・ノードからリソースを要求する、ユーザ機器において実行される方法を提供し、前記アップリンク・データは、前記ユーザ機器と、前記ユーザ機器がメンバであるユーザ機器の複数のグループの少なくとも1つ内のユーザ機器との間で、ダイレクト通信としてダイレクトに送信されるべきデータであり、前記方法は、ステータス・レポートを生成するステップであって、前記ステータス・レポートは、前記アップリンク・データの量を示す標識と、前記アップリンク・データが送信されるべき少なくとも1つのグループを示す標識とを提供する、生成するステップと、前記少なくとも1つのグループの優先度を示す標識を、前記ネットワーク・ノードへ向けて送信するステップと、前記ステータス・レポートを、前記ネットワーク・ノードへ向けて送信するステップとを備える。
【0012】
本発明は、ユーザ機器は、いくつかのグループのメンバであり、これらグループの少なくとも1つへデータを送信しており、その後、特に、通信は、高優先度通信であり得、この通信が適切な手法で優先度付けられることが重要であることを認識する。さらに、異なるグループの優先度は、状況に依存して動的に変化し得、よって、ペンディングの通信が、現在の状況に従って優先度付けられるのであれば有利である。
【0013】
本発明は、送信するためのペンディングのアップリンク・データを有するユーザ機器が、データを受信するグループの優先度を認識しているか、または、決定することができ、したがって、ユーザ機器が、優先度を示す標識をネットワーク・ノードへ向けて送信するのであれば有利であり得ることを認識することによってこれに対処する。ユーザ機器はまた、送信されるべきアップリンク・データの量に関する情報と、送信されるべきグループの識別に関する情報とをネットワーク・ノードへ提供するステータス・レポートを、ネットワーク・ノードへ向けて送信するであろう。このようにして、ネットワーク・ノードは、アップリンク通信のための適切なリソースを割り当て、グループの現在の優先度を反映する方式で割当を優先度付けるための十分な情報を提供される。
【0014】
いくつかの実施形態では、本方法は、前記生成するステップを実行する前に、ユーザ機器の複数のグループの少なくともいくつかの現在の優先度を決定するステップを備える。
【0015】
グループの優先度をネットワーク・ノードへシグナルするために、ユーザ機器は、グループの優先度を認識している必要がある。いくつかのケースでは、ユーザ機器は、恐らくは、オペレータおよびマネジメント・インターフェースを使用して、オペレータまたは公衆安全コントローラによってユーザ機器へシグナルされた情報に応じて、自身で優先度を決定する。あるいは、ユーザ機器は、アップリンク・データに関連付けられた情報から優先度を決定し得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記ステータス・レポートを送信する前記ステップと、前記優先度を示す前記標識とを送信する前記ステップとは、同じ送信ステップである。
【0017】
優先度は、多くの方式で送信され得るが、たとえば、優先度は、通信の開始時においてRRC(無線リソース制御)シグナリングを使用して送信され得、これは、情報が、準固定である場合に適切であり得、あるいは、優先度は、MAC(媒体アクセス制御)シグナリングを使用して送信されてもよく、または、物理レイヤにおけるシグナリングとして送信されてもよく、あるいは、追加の信号としてまたはステータス・レポート内において、ステータス・レポートとともに送信される。優先度をステータス・レポートとともに送信することは、この時点において、ユーザ機器が、通信のためのリソースを要求しているので有利であり得る。したがって、優先度が動的に変化する場合、ネットワーク・ノードは、リソースを割り当てている場合、それが、現在の優先度を有していることを確証するであろう。さらに、アップリンク・データの量、および、必要とされるリソースのサイズ、さらには、優先度を送信するために、単一のステータス・レポートを使用することは、この情報を提供する効率的な方式である。
【0018】
いくつかの実施形態では、ユーザ機器は、複数の前記グループへ送信されるべきペンディングのアップリンク・データを備え、前記方法は、前記ペンディングのアップリンク・データが送信されるべき前記複数のグループの優先度を決定するステップと、前記ペンディングのアップリンク・データの各々のためのステータス・レポートを生成するステップと、前記最高優先度グループへ送信されるべきアップリンク・データに関する前記ステータス・レポートが最初に送信されるように、前記決定された優先度によって決定された順序で、前記ステータス・レポートを送信するステップとを備える。
【0019】
いくつかのケースでは、複数のグループへ送信されるべきアップリンク・データが存在し得る。いくつかのケースでは、これはすべてのグループへ送信されるべき同じアップリンク・データであり得るか、または他の実施形態において、それは異なるグループへ送信されるべき異なるアップリンク・データであり得る。いずれのケースであれ、本方法はグループの各々の優先度を決定し、その後アップリンク・データ送信の各々のためのステータス・レポートを生成する。優先度は、ステータス・レポートが送信される順序によってシグナルされ得、最高優先度グループのステータス・レポートが最初に送信される。このように、ネットワーク・ノードは、最高優先度のペンディングの送信を認識し、高い優先度を有する通信のためのリソースを割り当て得る。さらには、要求の順序を使用して優先度情報を送信することによって、この情報は便利でしかも効率的な手法で送信される。
【0020】
いくつかの実施形態では、複数のステータス・レポートが、決定された優先度に依存するシーケンスで送信される。この点において、ステータス・レポートは、この送信のための十分なリソースがあるのであれば、次々に送信され得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、本方法は、前記シーケンス内で前記ステータス・レポートの少なくとも1つを送信する前に、スケジューリング要求を送信し、前記ステータス・レポートを送信するためのリソースを許可するリソース許可の受信に応じて、前記リソース許可内で適合するものと同数の前記ステータス・レポートを、前記シーケンスで送信するステップを備える。
【0022】
ネットワーク・ノードへステータス・レポートを送信するために、リソースは、この送信のためにユーザ機器へ許可される必要がある。したがって、ユーザ機器は、ステータス・レポートの送信のためのリソースを要求していることを示すスケジューリング要求を送信するであろう。この許可の受信に応じて、ユーザ機器は、どれだけのシーケンスを送信できるのかを決定し、できる限り多くのステータス・レポートをシーケンス内で送信するであろう。送信されるべきステータス・レポートのすべてのための十分なリソースがない場合、後続するスケジューリング要求が送信されるであろう。
【0023】
他の実施形態では、本方法は、スケジューリング要求を送信し、前記ステータス・レポートの各々を送信する前にリソース許可を受信するステップを備える。
【0024】
いくつかのケースでは、スケジューリング要求は、単一のステータス・レポートのための十分なリソースを生成するようにネットワーク・ノードをトリガし得る。このケースでは、スケジューリング要求は、ステータス・レポートの各々のために送信され、ステータス・レポートは、この通信がアドレスされるべきグループの優先度の順序で送信されるであろう。
【0025】
いくつかの実施形態では、本方法は、前記最高優先度グループのアップリンク・データに関する前記ステータス・レポートを送信し、前記ユーザ機器が送信を待っているさらなるアップリンク・データを備えていることを示す標識を、さらなるより低い優先度グループへ送信するステップを備える。
【0026】
いくつかのケースでは、さらなるペンディングのアップリンク・データを示すために、新たなスケジューリング要求を送信するのではなく、この標識が、ステータス・レポートとともに、または、ステータス・レポート内かのいずれかで送信され得、ネットワーク・ノードは、より多くのリソースを割り当てることによってこれに応答し得る。これは、情報を送信する効率的な方式である。この情報は、ステータス・レポート自身内にあり得るか、または、帯域シグナリング内でBSR MAC CE(Buffer Status Report、Medium Access Control、Control Element)で送信され得る。
【0027】
別の実施形態では、MAC PDU(Protocol Data Unit)ヘッダの予約ビットが、この1ビット情報を伝送するために使用される一方、別の実施形態では、新たなMAC CEフォーマットが、他のグループのための残りのバッファ・ステータス・レポートの情報を伝送するために規定される。
【0028】
いくつかの実施形態では、複数のグループへ送信されるべきペンディングのアップリンク・データに応じて、前記方法は、前記ペンディングのアップリンク・データのための前記ステータス・レポートを生成するステップを備え、前記ステータス・レポートは、ペンディングのアップリンク・データが存在する前記複数のグループの各々の優先度を示す標識と、前記対応するアップリンク・データのサイズを示すインジケータとを備えた、あらかじめ決定されたフォーマットを備える。
【0029】
優先度を示すために、特定の順序で個々のステータス・レポートを送信するのではなく、いくつかの実施形態では、特定のフォーマットを有するステータス・レポートが使用される。これは、優先度を示す標識と、ペンディングのアップリンク・データのサイズを示す標識とを含む。
【0030】
いくつかの実施例では、前記ステータス・レポートは、前記複数のグループの各々のためのグループ識別子を備え、前記グループ識別子が前記ステータス・レポートにおいて出現する順序は、前記グループの前記優先度を示す前記標識を提供する。
【0031】
他の実施形態では、ステータス・レポートは、前記複数のグループの各々の優先度インジケータを備え、各優先度標識が、ステータス・レポートにおけるその場所から、対応するグループへリンクされ得るように、前記ステータス・レポート内の位置が、前記複数のグループの各々のために予約される。
【0032】
いくつかの実施形態では、前記あらかじめ決定されたフォーマットは、ペンディングのアップリンク・データが存在する前記複数のグループの各々のための優先度インジケータが、あらかじめ決定された順序で互いに隣接して配置され、前記対応するアップリンク・データのサイズを示すインジケータが、前記ステータス・レポートのさらなる部分に配置される。
【0033】
いくつかのケースでは、グループ識別子はグループ・サイズに隣接して配置され、それらがデータ・ストリームにおいて送信される順序は、優先度の順序を示す。他の実施形態では、グループ識別子は、ステータス・レポートのさらなる部分に配置されているデータ・サイズとともに、互いに隣接して配置される。後者は、よりコンパクトで、したがって、データを構成するための効率的な方式であり得、したがって、有利であり得る。
【0034】
バッファ・サイズおよびグループ優先度インジケータを備える情報が、あらかじめ決定されたフォーマットにおけるMAC CEシグナリングとして、情報のシーケンスとしてともに送信され、これによって、いくつかのケースでは、送信されたデータ・ストリーム内のビット位置が、優先度が関連するグループを示す標識を提供することが注目されるべきである。
【0035】
本発明の第2の態様は、ユーザ機器であって、ステータス・レポートを生成するように動作可能なステータス・レポート生成器であって、前記ステータス・レポートは、前記ユーザ機器がメンバであるユーザ機器の複数のグループの少なくとも1つ内のユーザ機器へのダイレクトなダイレクト送信として送信を待っているアップリンク・データの量を示す標識と、前記アップリンク・データが送信されるべき前記少なくとも1つのグループを識別するグループ識別子とを提供する、ステータス・レポート生成器と、前記ステータス・レポートを送信し、前記少なくとも1つのグループの優先度を示す標識を前記ネットワーク・ノードへ向けて送信するように動作可能な送信機とを備えるユーザ機器を提供する。
【0036】
本発明の第3の態様は、アップリンク・データを送信するためのリソースをユーザ機器へ割り当てるためにネットワーク・ノードにおいて実行される方法であって、前記アップリンク・データは、前記ユーザ機器と、前記ユーザ機器がメンバであるユーザ機器の複数のグループの少なくとも1つ内のユーザ機器との間で、ダイレクト通信としてダイレクトに送信されるべきデータであり、前記方法は、少なくとも1つのステータス・レポートを前記ユーザ機器から受信するステップであって、前記少なくとも1つのステータス・レポートは、前記ユーザ機器においてペンディングになっている前記アップリンク・データの量を示す標識と、前記アップリンク・データが送信されるべき前記少なくとも1つのグループを識別するグループ識別子とを提供する、受信するステップと、前記少なくとも1つのグループの優先度を示す標識を前記ユーザ機器から受信するステップと、前記少なくとも1つのステータス・レポートに依存して、前記アップリンク・データの送信のためのリソースを前記ユーザ機器へ割り当てるステップとを備える。
【0037】
ダイレクト通信に関与するユーザ機器へリソースを割り当てる場合、それを効率的に行うために、ネットワーク・ノードは、この通信が高い優先度で送信される必要のあり得る公衆安全通信であり得るので、この通信の優先度を認識すべきである。ダイレクト通信は、2つのデバイス間のダイレクトな通信であり得るか、または、1つのデバイスから複数のデバイスへの通信であり得る。この点において、ユーザ機器は、ユーザ機器のいくつかのグループの1つのメンバであり得、異なるグループへ送信する通信を有し得る。たとえば、公衆安全シナリオでは、異なるグループは、異なる緊急サービスであり得る。出来事に依存して、グループの優先度は動的に変化し得るので、ユーザ機器が、リソースの優先度に関する情報のみならず、必要とされるリソースの量を示す情報をも伝送し得るのであれば、これは、ネットワーク・ノードが通信を適切に優先度付けることを可能にするであろうから有利である。
【0038】
いくつかの実施形態では、前記優先度を示す前記標識は、前記少なくとも1つのステータス・レポートともに受信される。さらに、前記アップリンク・データが、複数のグループへ送信されるべきである場合、本方法は、いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つのステータス・レポートから前記グループの優先度の順序を決定するステップと、送信されるべき前記アップリンク・データのためのリソースを、前記最高優先度グループへ最初に割り当て、その後、前記アップリンク・データのためのリソースをより低い優先度グループへ割り当てるステップとを備える。
【0039】
優先度標識が、ステータス・レポートとともに受信されることが有利であり得る。なぜなら、リソースが通信のために割り当てられるのはこの時点においてだからである。ユーザ機器が、異なるグループへのいくつかのペンディングの通信を有している場合、ネットワーク・ノードは、最初に最高優先度グループへリソースを割り当てるであろう。これによって、最高優先度の通信が送信されることが可能となる。
【0040】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、前記少なくとも1つのステータス・レポートから、最高優先度グループへ送信されるべきアップリンク・データと、他のグループへのさらなるアップリンク・データがペンディングであると判定するステップと、送信されるべき前記アップリンク・データのためのリソースを前記最高優先度グループへ割り当て、さらなるステータス・レポートの送信のために、前記ユーザ機器へ許可リソースを割り当てるステップとを備える。
【0041】
いくつかのケースでは、ステータス・レポートは、関連するアップリンク・データの性質を示すのみならず、ペンディングになっているさらなるアップリンク・データが存在するか否かを示す標識をも提供する。このように、追加のスケジューリング要求は、このさらなるデータのためにも、ステータス・レポートによって示されるアップリンク・データのための割り当てリソースのためにも送信される必要がなく、ネットワーク・ノードは、1つまたは複数のさらなるステータス・レポートの送信のために、ユーザ機器へ許可リソースを割り当てることもできる。
【0042】
本発明の第4の態様は、前記ユーザ機器から少なくとも1つのステータス・レポートを受信するように動作可能な受信機であって、前記少なくとも1つのステータス・レポートは、前記ユーザ機器においてペンディングになっているアップリンク・データの量を示す標識であって、前記アップリンク・データは、前記ユーザ機器と、前記ユーザ機器がメンバであるユーザ機器の複数のグループの1つ内のユーザ機器との間でダイレクト通信としてダイレクトに送信されるべきデータである、標識と、前記アップリンク・データが送信されるべき前記少なくとも1つのグループを識別するグループ識別子とを提供し、前記受信機は、前記少なくとも1つのグループの優先度を示す標識を受信するようにさらに動作可能である、受信機と、前記少なくとも1つのステータス・レポートに依存して、前記アップリンク・データを送信するためのリソースを前記ユーザ機器へ割り当てるように動作可能なリソース割当ロジックと、を備えるネットワーク・ノードを提供する。
【0043】
本発明の第5の態様は、コンピュータによって実行された場合、本発明の第1の態様または第3の態様のいずれか1つに従って方法を実行するように前記コンピュータを制御するように動作可能なコンピュータ・プログラムを提供する。
【0044】
さらに詳細かつ好適な態様が、添付の独立項および従属項において記述される。従属項の特徴は、独立項の特徴と適切に、および特許請求の範囲に明示的に記述されたもの以外の組合せで組み合わされ得る。
【0045】
装置の特徴が機能を提供するように動作可能として記載されている場合、これは、その機能を提供する、または、その機能を提供するように適合または構成された装置特徴を含むことが認識されるであろう。
【0046】
本発明の実施形態は、添付図面を参照してさらに記載されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1a】従来のバッファ・ステータス・レポートを例示する図である。
図1b】従来のバッファ・ステータス・レポートを例示する図である。
図2】一実施形態に係る、ダイレクト通信のための新たなバッファ・ステータス・レポート・フォーマットの一例を例示する図である。
図3】さらなる実施形態に係る、ダイレクト通信のための新たなバッファ・ステータス・レポートのさらなる例を例示する図である。
図4】複数のユーザ機器およびワイヤレス通信ネットワークのセルを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
実施形態をさらに詳細に議論する前に、先ず、概要が提供される。
【0049】
ユーザ機器が、ネットワークに、動的に変化するグループ優先度を通知することを可能にする方法が開示される。優先度情報が、通信処理における早期にネットワークへ提供され、いくつかのケースでは、グループ優先度情報をネットワークへ通信するために、BSR(bufer status report)送信が強化される。
【0050】
実際、UEは、ネットワーク・ノードに対して、UEによって決定された、グループの異なる優先度を通知することを可能とされ、いくつかのケースでは、この情報は、BSR(buffer status report)送信とともに送信される。これは、送信を待っているアップリンク・データの量と、それが対象とされているグループの識別情報とを示す。
【0051】
これを行ういくつかの方式があり、これらのうちの2つは、レガシーBSRフォーマットの再使用を含む。
【0052】
1つの実施形態では、優先度はBSRが送信される順序によって示され、最高優先度グループへの通信に対応するBSRが最初に送信され、2番目に高いもの、3番目に高いもの等が続く。
【0053】
一度に1つのBSRのみが送信され、ネットワークは、送信されるべき残りのBSRを通知される。図1は、レガシーBSRフォーマットを図示する。
【0054】
別の実施形態では、グループ毎のレガシー・ショートBSRが、1つのMAC PDUにおいてその優先順序でシグナルされる。
【0055】
あるいは、ダイレクト通信またはProSe通信のためのBSRフォーマットの新たな設計が提供され、ここでは新たなBSRフォーマットがグループBSR優先度をシグナルする。
【0056】
現在のLTE規格は、ショートBSR(すなわち、短縮BSR)およびロングBSRと命名された2つのBSRフォーマットを規定する。シグナリングの量を低減するために、論理チャネルが4つのグループへグループ化され、バッファ・ステータスが、論理チャネル・グループ毎(LCG)に送信される。ショートBSRフォーマット・バッファ・ステータスを用いて、この情報は、1つのLCGのためにシグナルされる。一方、ロングBSRフォーマットを用いて、バッファ・ステータスが、4つすべてのLCGのためにレポートされる。それらのフォーマットが、図1に図示される。BSR MAC CEの送信は、MAC PDUサブ・ヘッダに含まれる短縮されたショートBSRまたはロングBSRのために関連付けられた論理チャネルIDによって識別される。
【0057】
アップリンク割当のためのリソースを要求する場合、新たなデータの到着時におけるUEからネットワークへの最も早い通信は、BSRを配信するためのUL許可がない場合におけるスケジューリング要求(SR)である。いくつかの実施形態において、優先度グループ情報は、SR送信によってネットワークへ通信され得る。しかしながら、これは、(各グループのための、および)各UEのための複数の専用スケジューリング要求D−SR設定を必要とする。複数のD−SR割当を有することは、専用リソースが予約される必要がありリソースを非効率的にすることを考慮すると、好ましいと思われない。
【0058】
ネットワークにグループ優先度を通知する次の可能性はBSRを用いることである。レガシーBSRフォーマットは4つのLCGを使用し、ここで、ネットワークはどの論理チャネルが1つのLCGへグループ化されるのかを設定する。LCGは、システムにおいてUEのグループをスケジューリングする際にネットワークによって使用される。無線リソースが限られていれば、最高優先度LCGにおけるデータを有するUEが許可を与えられる。
【0059】
同様の概念は、ProSe BSRのために使用され得、ここでは、ネットワークが、メンバ・グループをProSeのためのグループのグループ(GG)へ設定する。データがGGのうちのいずれかに到着すると、BSRがトリガされる。シグナルされたLCGがUEのグループ間のスケジューリングに優先度を付けるために使用され得るレガシーBSR手順とは異なり、ProSeは、UE間の優先度付けと、さらに公衆安全グループ間の優先度付けとに関与する。レガシーBSRフォーマットは、2つのフォーマット、すなわち、ショートBSRおよびロングBSRフォーマットを有する。たとえショートBSRがLCGIDを示していても、ロングBSRは、LCGIDの出現の固定順序を有する。したがって、レガシーに関しロングBSRは、グループ優先度をネットワークへ通知するために使用されることはできない。以下の解決策が提案される。
【0060】
解決策1
データが到着すると、最高優先度グループのBSRのみがネットワークへシグナルされ、これは、図1aに図示されるように、レガシー・ショートBSRの形式であり得る。最高優先度グループは、BSR送信時にUEによって決定される。2番目に高いグループBSR、および3番目に高いグループBSR等は、UL許可が利用可能になると送信される。
【0061】
残りのBSRの送信のためのさらなる許可を受信するために、UEは、(帯域シグナリングで)送信されたBSR MAC CEにおいて、1ビットのフラグを示す。1つの実施形態では、MAC PDUヘッダの予約ビットが、この1ビット情報を伝送するために使用される。別の実施形態では、残りのグループBSRの情報を伝送するために、新たなMAC CEフォーマットが定義される。このように、BSR通信を受信することに応じて、ネットワーク・ノードは、この通信のためのリソースを割り当て得、さらなるBSRが送信を待っていることをも認識し、これらのためのリソースをも割り当て得る。
【0062】
解決策2
データが到着すると、最高優先度グループのBSRのみがネットワークへシグナルされる。最高優先度グループは、BSR送信時に、UEによって決定される。UL許可が利用可能になると、2番目に高いBSR、3番目に高いBSR等が送信される。残りのBSRの送信のためのさらなる許可を受信するために、UEは個々のBSRの送信後にSRをトリガする。
【0063】
解決策3
データが到着すると、グループGGの各グループの個々のBSRが、UEによって決定された優先度順のシーケンスで送信される。トリガされたすべてのBSRを適合させるための十分大きな許可があるのであれば、UEは、1つのMAC PDUにおいて、優先度順にすべてのBSRを示す。
【0064】
1つの実施形態では、複数のショートBSRがシーケンスで送信される。
【0065】
別の実施形態では、新たなBSRフォーマットが、図2に図示されるように設計される。グループのグループにおけるグループの出現の順序は、UEによって決定されたような優先度順を示す。MAC CEは、可変長または固定長のいずれかであるように設計され得る。
【0066】
解決策4
新たなBSR MAC CEは、ネットワークに、グループ優先度を通知するたに設計される。例が図3に図示される。各GGの相対的な優先度を示すために、MAC CEの先頭において、2ビットのビットマップが割り当てられる。各GGのためのビットマップ位置は、ネットワークによって設定され、これは、ネットワークによって割り当てられたGG優先度に基づき得る。UEによって決定された優先度は、最高優先度を11、2番目に高い優先度を10、3番目に高い優先度を01、00は最低優先度を表すものとして、2ビットを使用して示される。
【0067】
1つの実施形態では、各GGのバッファ・サイズは、ネットワークによって規定された順序(たとえば、ビットマップ位置の順序と同じ)で提供される。
【0068】
別の実施形態では、各GGのバッファ・サイズは、UEが決定した優先度の順序で提供される。
【0069】
図2乃至図3に図示されるフォーマットは、例示的なフォーマットであり、限定ではなく、多くの異なるフォーマットが適切であろうことが当業者に明らかであろうことが、注目されるべきである。
【0070】
図4は、複数のユーザ機器50が存在する無線セル25をサポートするネットワーク・ノード20を概略的に図示する。セルのカバレッジの外部にユーザ機器52も存在する。ユーザ機器50は、互いにセルラ通信およびダイレクト通信を実行するように構成される。この実施形態では、これらは特定のグループに割り当てられ、これらグループ内で互いに通信し得る。この点において、グループ内の通信は状況に依存して特定の優先度を有し得、この優先度は変化し得る。無線セル25内にあるユーザ機器に関し、これらがダイレクト通信を実行することを望む場合、これらは、ネットワーク・ノード20の制御下で割り当てられたリソースを使用してダイレクト通信を実行し得る。
【0071】
この点に関し、互いに通信することを可能にするために、これらは、信号を送信するためのリソースを割り当てられる必要がある。一般に、ユーザ機器間のダイレクト通信は、データが一方向のみで送信されるように半二重チャネルで実行される。ユーザ機器間の衝突を回避するために、ダイレクト通信の形成を望むユーザ機器へリソースが割り当てられれば有利であり、これがネットワーク・ノードの制御下にあるのであれば、ネットワーク・ノードは他のユーザ機器へ同じリソースを割り当てないことを保証し得る。ユーザ機器がネットワーク・カバレッジ外にある場合、これらは、異なる方式でリソースを割り当てる必要があるであろう。一般に、これはリソースのプールから行われ、衝突のリスクが高くなる。
【0072】
セル25内のユーザ機器50aが、メンバであるユーザ機器のグループへの送信のためのデータをアップリンク・バッファ内に有する場合、これを行うことを可能にするために、この通信のためのリソースを必要としていることを示すスケジューリング要求をネットワーク・ノード20へ送信する。
【0073】
そのようなスケジューリング要求の受信に応じて、ネットワーク・ノードは、特定のペンディングの通信のために、送信バッファ内でアップリンク・データの量を示すバッファ・ステータス・レポートの送信のためのリソースを割り当てるスケジューリング許可を生成するであろう。この時点において、ネットワーク・ノードは、スケジューリング要求が関連している通信の性質、すなわち、それがセルラ通信であるかダイレクト通信であるかを認識していないことがあり得、このケースでは、ネットワーク・ノードは高い優先度を有するすべての要求を取り扱い、バッファ・ステータス・レポートの送信のためのリソースを許可するであろう。
【0074】
リソース許可を受信することに応じて、ユーザ機器は、アップリンク・データの量を示すバッファ・ステータス・レポートを送信するであろう。バッファ・ステータス・レポートはまた、この通信がダイレクト通信であることを示し、この通信が送信されるべきグループを識別する識別子とそのグループの現在の優先度を示す標識とを提供し得る。この情報は、複数のBSRが送信される順序で、または、図2または図3に図示されるようなフォーマットを有する単一のBSRを送信することによってのいずれかで提供され得る。これらのフォーマットは、異なるグループへの送信を待つアップリンク・データのいくつかの通信のために単一のBSRを提供する。いくつかの実施形態では、グループを識別するグループIDがBSR内で出現する順序は現在のグループ優先度を示す標識を提供する一方、他の実施形態では、BSR内のそのグループの優先度の専用とあらかじめ決定された位置において提供される優先度を示す標識が存在する。
【0075】
図3では、優先度は、バッファ・ステータス・レポートの開始時においてそれらのグループへリンクするあらかじめ決定された順序で出現し、その後、あらかじめ決定された順序でデータ量が発生する。これは情報を送信する空間効率的な方式であり得る。
【0076】
ネットワーク・ノード20は、バッファ・ステータス・レポートを受信すると、通信のために適切なリソースを割り当てるであろう。
【0077】
当業者は、上述した様々な方法の各ステップがプログラムされたコンピュータによって実行され得ることを容易に認識するであろう。本明細書において、いくつかの実施形態はまた、たとえば、デジタル・データ記憶媒体のようなプログラム記憶デバイスをカバーすることが意図される。これらは、マシンまたはコンピュータ読取可能であり、マシン実行可能またはコンピュータ実行可能な命令のプログラムをエンコードし、前記命令は、前記上述した方法のステップのいくつかまたはすべてを実行する。プログラム記憶デバイスは、たとえば、デジタル・メモリ、磁気ディスクおよび磁気テープのような磁気記憶媒体、ハード・ドライブ、または、光学読取可能なデジタル・データ記憶媒体であり得る。実施形態はまた、上述した方法の前記ステップを実行するようにプログラムされたコンピュータをカバーすることも意図される。
【0078】
「プロセッサ」または「ロジック」としてラベルされた任意の機能ブロックを含む、図面に図示された様々な要素の機能は、専用ハードウェアのみならず、適切なソフトウェアと共同してソフトウェアを実行することが可能なハードウェアを使用することによって提供され得る。プロセッサによって提供された場合、これら機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、またはいくつかが共有され得る複数の個々のプロセッサによって提供され得る。さらに、「プロセッサ」または「コントローラ」または「ロジック」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することが可能なハードウェアのみを指すように解釈されるべきではなく、限定することなく、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワーク・プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、ソフトウェアを記憶するための読出専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、および不揮発性記憶装置を黙示的に含み得る。従来式および/またはカスタムの他のハードウェアも含まれ得る。同様に、図面に図示されたスイッチはいずれも概念的なものにすぎない。それらの機能は、プログラム・ロジックの動作によって、専用ロジックによって、プログラム制御と専用ロジックとのインタラクションによって、または手動によってさえも実行され得、特定の技術は、文脈からより具体的に理解されるように実施者によって選択可能である。
【0079】
本明細書におけるいずれのブロック図も、本発明の原理を具体化する例示的な回路の概念図を表すことが当業者によって認識されるべきである。同様に、いずれのフロー・チャート、フロー図、状態遷移図、疑似コード等も、コンピュータ読取可能な媒体において実質的に表され得、コンピュータまたはプロセッサが明示的に図示されているか否かに関わらず、そのようなコンピュータまたはプロセッサによってそのように実行される様々な処理を表すことが認識されるであろう。
【0080】
説明および図面は単に、本発明の原理を例示している。したがって、本明細書に明示的に記載または図示されていないが、本発明の原理を具体化しその範囲内に含まれる様々な構成を当業者は工夫し得るであろうことが認識されるであろう。さらに、本明細書に記述されたすべての例は、本技術分野を進化させるために本発明者によって寄与された本発明の原理および概念を読者が理解するのを支援する教育的な目的のみのためと主として明確に意図されており、そのように具体的に記述された例および条件への限定はないものとして解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態のみならず、その具体的な例も述べている本明細書におけるすべての記述は、その均等物を包含することが意図されている。
図1a
図1b
図2
図3
図4