(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記半回分式生物処理装置は、前記排水を流入する排水入口と、前記排水入口より高い位置に設けられ、前記処理水を排出する処理水出口又は前記処理水と前記グラニュールとを排出する汚泥処理水出口、を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の排水処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0023】
図1は、本実施形態に係る排水処理装置の構成の一例を示す模式図である。
図1に示す排水処理装置1は、連続式生物処理装置10、半回分式生物処理装置12、固液分離装置14、排水貯留槽16を備えている。
【0024】
図1に示す排水処理装置1は、排水流入ライン20a,20b,20c、処理水排出ライン22a,22b、汚泥返送ライン24、汚泥排出ライン26、生物汚泥供給ライン28を備えている。また、
図1に示す排水処理装置1は、第1排水流入ポンプ30、第2排水流入ポンプ32、処理水排出ポンプ34、汚泥供給ポンプ36、汚泥返送ポンプ38を備えている。第1排水流入ポンプ30は排水流入ライン20aに設置され、第2排水流入ポンプ32は排水流入ライン20bに接続され、汚泥供給ポンプ36は生物汚泥供給ライン28に接続され、汚泥返送ポンプ38は汚泥返送ライン24に接続されている。また、汚泥排出ライン26には電磁バルブ40が設けられている。
【0025】
排水流入ライン20aの一端は排水貯留槽16の排水入口に接続され、他端は連続式生物処理装置10の排水入口に接続されている。また、排水流入ライン20bの一端は排水貯留槽16の排水入口に接続され、他端は半回分式生物処理装置12の排水入口に接続されている。また、排水流入ライン20cの一端は連続式生物処理装置10の排水出口に接続され、他端は固液分離装置14の排水入口に接続されている。処理水排出ライン22aは固液分離装置14の処理水出口に接続されている。汚泥返送ライン24の一端は固液分離装置14の汚泥出口に接続され、他端は連続式生物処理装置10の汚泥入口に接続されている。汚泥排出ライン26は汚泥返送ライン24に接続されている。生物汚泥供給ライン28の一端は半回分式生物処理装置12の汚泥出口に接続され、他端は連続式生物処理装置10の汚泥供給口に接続されている。処理水排出ライン22bの一端は半回分式生物処理装置12の処理水出口に接続され、他端は連続式生物処理装置10の処理水入口に接続されている。
【0026】
図2は、本実施形態で用いられる半回分式生物処理装置の構成の一例を示す模式図である。
図2に示す半回分式生物処理装置12では、後述するように、(1)排水の流入、(2)有機物等の処理対象物質の生物処理、(3)生物汚泥の沈降、(4)処理水の排出といった4つの工程を繰り返すことでグラニュールが形成される。
図2に示す半回分式生物処理装置12は好気性反応槽42を備えており、好気性反応槽42内及びその周囲に第2排水流入ポンプ32、処理水排出ポンプ34、撹拌装置48、エアポンプ50、散気装置52、汚泥供給ポンプ36等が配置されている。散気装置52はエアポンプ50に接続されており、エアポンプ50から供給される空気が散気装置52を通して槽内に供給される。また、撹拌装置48は、例えばモータ、撹拌翼、モータと撹拌翼を接続するシャフト等により構成される。半回分式生物処理装置12には、排水入口12a、処理水出口12b、汚泥出口12cが設けられ、排水入口12aには排水流入ライン20bが接続され、処理水出口には処理水排出ライン22bが接続され、汚泥出口12cには生物汚泥供給ライン28が接続されている。
【0027】
図2に示す排水流入ライン20b及び第2排水流入ポンプ32は、排水を半回分式生物処理装置12に間欠的に供給する半回分式側排水供給装置として機能する。本実施形態では、第2排水流入ポンプ32の稼働・停止により、排水の間欠供給が行われるが、例えば、排水流入ライン20bに電磁バルブ等を設置して、バルブの開閉により排水の間欠供給を行っても良い。
【0028】
図2に示す生物汚泥供給ライン28及び汚泥供給ポンプ36は、グラニュールを連続式生物処理装置10に供給する生物汚泥供給装置として機能する。なお、適宜生物汚泥供給ライン28に電磁バルブ等を設置してもよい。
【0029】
図2示す処理水排出ライン22b及び処理水排出ポンプ34は、処理水を連続式生物処理装置10に供給する処理水供給装置として機能する。なお、適宜処理水排出ライン22bに電磁バルブ等を設置してもよい。
【0030】
図1に示す排水流入ライン20a及び第1排水流入ポンプ30は、排水を連続式生物処理装置10に供給する連続式側排水供給装置として機能する。また、
図1の第1排水流入ポンプ30は、上記の生物汚泥供給装置によるグラニュールの供給、及び上記の処理水供給装置による処理水の供給に伴って、連続式生物処理装置10に供給される排水の流量を調整する機能を有している。具体的には、第1排水流入ポンプ30は、処理水排出ポンプ34及び汚泥供給ポンプ36と電気的に接続されており、処理水排出ポンプ34又は汚泥供給ポンプ36が稼働した時に、それらの出力信号が第1排水流入ポンプ30に送信され、第1排水流入ポンプ30が出力信号を受けた段階で、第1排水流入ポンプ30の出力等が低下し、排水の流量を所定量低下させる。或いは、第1排水流入ポンプ30が出力信号を受けた段階で、第1排水流入ポンプ30の稼働が停止し、排水の流量を零にする(すなわち、排水流入ライン20aからの排水の供給が停止される)。なお、処理水排出ポンプ34又は汚泥供給ポンプ36の稼働が停止され、出力信号の送信が停止された場合には、第1排水流入ポンプ30の出力を元の状態に戻し、排水の流量を回復させることが望ましい。
【0031】
本実施形態の連続式生物処理装置10は、連続的に流入する排水を生物処理する好気性反応槽である。
図1に示す連続式生物処理装置10は、不図示であるが、例えば撹拌装置、エアポンプ、エアポンプに接続される散気装置等を備えており、撹拌装置により槽内の液が撹拌され、またエアポンプから供給される空気が散気装置を通して槽内に供給されるように構成されている。
【0032】
本実施形態の固液分離装置14は、生物汚泥を含む水から生物汚泥と処理水とに分離するための分離装置であり、例えば、沈降分離、加圧浮上、濾過、膜分離等の分離装置が挙げられる。
【0033】
本実施形態の排水処理装置1の動作の一例について説明する。
【0034】
図1に示す排水貯留槽16内には、処理対象となる排水が貯留されている。処理対象となる排水は、例えば、食品加工工場排水、化学工場排水、半導体工場排水、機械工場排水、下水、し尿、河川水等の排水が挙げられる。また、排水中には、一般的に生物分解性の有機物等が含まれている。なお、排水中に生物難分解性の有機物が含まれている場合には、予め浮上分離、凝集加圧浮上装置、吸着装置等の物理化学的処理を施し、除去することが望ましい。
【0035】
まず、第1排水流入ポンプ30を稼働させ、排水貯留槽16内の処理対象排水を排水流入ライン20aから連続式生物処理装置10に供給する。連続式生物処理装置10では、好気条件下で、生物汚泥による排水の生物処理を実施する。連続式生物処理装置10で処理された処理水を排水流入ライン20cから固液分離装置14に供給して、処理水から生物汚泥を分離する。
【0036】
半回分式生物処理装置12を稼働させる場合には、(第1排水流入ポンプ30を稼働させたまま)第2排水流入ポンプ32を稼働させ、排水貯留槽16内の処理対象排水を排水流入ライン20bから半回分式生物処理装置12に供給する((1)排水の流入)。半回分式生物処理装置12に排水を所定の量になるまで導入した後、第2排水流入ポンプ32を停止する。次に、エアポンプ50を稼働し、散気装置52から空気を導入して、半回分式生物処理装置12内に空気の供給を開始すると共に、撹拌装置48を稼働させ、半回分式生物処理装置12内の排水を撹拌することで、排水の生物処理を行う((2)処理対象物質の生物処理)。そして、所定時間経過後、エアポンプ50の動作を停止することで空気の供給を停止し、また、撹拌装置48を停止することで、生物処理を終了させる。生物処理終了後、半回分式生物処理装置12内の生物汚泥を所定時間沈降させ、半回分式生物処理装置12内で、生物汚泥と処理水とに分離させる((3)生物汚泥の沈降)。次に 処理水排出ポンプ34を稼働させ、半回分式生物処理装置12内の処理水を処理水排出ライン22bから排出させ((4)処理水の排出)、処理水排出ライン22bから連続式生物処理装置10に供給する。そして、(1)〜(4)の工程を繰り返すことで、半回分式生物処理装置12内ではグラニュールが形成される。
【0037】
(4)処理水の排出工程において、処理水排出ポンプ34の稼働の際の出力信号を、第1排水流入ポンプ30が受信した段階で、第1排水流入ポンプ30の出力が所定量低下し、連続式生物処理装置10に供給される排水の流入量を低下させる。或いは、第1排水流入ポンプ30の稼働を停止し、連続式生物処理装置10に供給される排水の流量を零にする。連続式生物処理装置10に供給される排水の流入量を低下させずに半回分式生物処理装置12から処理水の供給を行うと、連続式生物処理装置10に流入する水量が著しく増加するため、連続式生物処理装置10から排出される処理水中に含まれる生物汚泥量が増加する。その結果、固液分離装置14への流量負荷が瞬間的に増加することになるため、固液分離装置14で生物汚泥が十分に分離されず、処理水と共に多くの生物汚泥が流出する場合がある。しかし、本実施形態では、前述したように、半回分式生物処理装置12から連続式生物処理装置10への処理水の供給に伴って、連続式生物処理装置10に供給される排水の流入量を低下又は零にするため、連続式生物処理装置10に流入する水量の増加が抑えられる。その結果、連続式生物処理装置10から排出される処理水中に含まれる生物汚泥量の増加が抑制され、ひいては固液分離装置14への流量負荷が瞬間的に増加することが抑制されるため、処理水と共に排出される生物汚泥量を抑えることが可能となる。なお、所定時間経過後に処理水排出ポンプ34の稼働を停止して、再度(1)排水の流入工程に移行する際には、第1排水流入ポンプ30の出力を元の状態に戻して、連続式生物処理装置10への排水の流入量を回復させることが望ましい。
【0038】
連続式生物処理装置10への処理水供給時において、連続式生物処理装置10に供給する排水の流量は、連続式生物処理装置10に流入する水量の増加を抑える点で、半回分式生物処理装置12から供給される処理水の流量以上に低下させることが好ましく、排水の流量を零にすることがより好ましい。例えば、半回分式生物処理装置12への処理水供給前において連続式生物処理装置10に供給している排水の流量が100L/hであり、半回分式生物処理装置12から供給される処理水の流量が30L/hであった場合、連続式生物処理装置10への処理水供給時には、連続式生物処理装置10に供給する排水の流量を70L/h以下とすることが好ましく、0L/hとすることがより好ましい。なお、第1排水流入ポンプ30の稼働を停止して、排水流入ライン20aから連続式生物処理装置10へ供給する排水の流量を零にしても(排水流入ライン20aからの排水の流入を停止しても)、半回分式生物処理装置12から排出された処理水が処理水排出ライン22bから連続式生物処理装置10へ供給されているので、連続式生物処理装置10における排水の連続供給は担保されている。
【0039】
また、汚泥供給ポンプ36を稼働させることで、半回分式生物処理装置12内で形成されたグラニュールを生物汚泥供給ライン28から連続式生物処理装置10に供給する。なお、半回分式生物処理装置12からのグラニュールの供給は、(3)生物汚泥の沈降工程で行ってもよいし、(2)処理対象物質の生物処理工程で行ってもよいし、(4)処理水の排出工程で行ってもよい。いずれにしろ、連続式生物処理装置10へのグラニュールの供給に伴って、すなわち第1排水流入ポンプ30が汚泥供給ポンプ36の出力信号を受けた段階で、第1排水流入ポンプ30の出力を低下させる。或いは、第1排水流入ポンプ30の稼働を停止し、連続式生物処理装置10に供給される排水の流量を零にする。これにより、連続式生物処理装置10に流入する水量の増加が抑えられる。その結果、連続式生物処理装置10から排出される処理水中に含まれる生物汚泥量の増加が抑制され、ひいては固液分離装置14への流量負荷が瞬間的に増加することが抑制されるため、処理水と共に排出される生物汚泥量を抑えることが可能となる。
【0040】
連続式生物処理装置10へのグラニュール汚泥供給時において、連続式生物処理装置10に供給する排水の流量は、連続式生物処理装置10に流入する水量の増加を抑える点で、半回分式生物処理装置12から供給されるグラニュールの流量以上に低下させることが好ましく、排水の流量を零にすることがより好ましい。例えば、半回分式生物処理装置12への処理水供給前において連続式生物処理装置10に供給している排水の流量が100L/hであり、半回分式生物処理装置12から供給されるグラニュールの流量が10L/hであった場合、連続式生物処理装置10へのグラニュール供給時には、連続式生物処理装置10に供給する排水の流量を90L/h以下とすることが好ましく、0L/hとすることがより好ましい。また、処理水の供給と共にグラニュールの供給を行う場合、半回分式生物処理装置12から供給される処理水及びグラニュールの合計流量以下に低下させることが好ましい。なお、第1排水流入ポンプ30の稼働を停止して、排水流入ライン20aから連続式生物処理装置10へ供給される排水の流量を零にしても(排水流入ライン20aからの排水の流入を停止しても)、半回分式生物処理装置12から排出されるグラニュールには処理水が含まれているため、その処理水が生物汚泥供給ライン28から連続式生物処理装置10へ供給されているので、連続式生物処理装置10における排水の連続供給は担保されている。
【0041】
ここで、半回分式生物処理装置12で形成されるグラニュールとは、自己造粒が進んだ汚泥のことであり、例えば汚泥の平均粒径が0.2mm以上、もしくは沈降性指標であるSVI5が80mL/g以下の生物汚泥である。また、本実施形態では、グラニュールが形成されたか否かは、例えば汚泥の沈降性指標であるSVIを測定することにより判断される。具体的には、定期的に半回分式処理装置12内の汚泥の沈降性試験によりSVI値を測定し、5分沈降後の体積割合から算出されるSVI5の値が所定値以下(例えば80mL/g以下)となった段階で、グラニュールが形成されたと判断することが可能である。もしくは、半回分式処理装置12内の汚泥の粒径分布を測定し、その平均粒径が所定値以上(例えば0.2mm以上)となった段階で、グラニュールが形成されたと判断することが可能である(なお、SVI値が低いほど、平均粒径が大きいほど良好なグラニュール汚泥であると判断可能である)。その後、汚泥供給ポンプ36を稼働させ、半回分式生物処理装置12で形成されたグラニュールを生物汚泥供給ライン28から連続式生物処理装置10に供給する。
【0042】
これまで説明したように、本実施形態では、固液分離装置14への流量負荷が増加することが抑制されるため、固液分離装置14から排出される処理水と共に生物汚泥が流出することが抑制される。そして、固液分離装置14から排出される処理水を処理水排出ライン22aから系外へ排出する。また、汚泥返送ポンプ38を稼働させ、固液分離装置14で分離された生物汚泥の一部を汚泥返送ライン24から連続式生物処理装置10に供給する。また、電磁バルブ40を開放することで、固液分離装置14から排出される生物汚泥の一部を汚泥排出ライン26から系外へ排出する。
【0043】
以下に、本実施形態の変形例等について説明する。
【0044】
図1に示す半回分式生物処理装置12では、好気条件で生物処理を行う形態を例に説明したが、生物処理は嫌気又は無酸素条件のみ、好気条件のみ、嫌気または無酸素−好気交互運転等、特に制限されるものではない。しかし、好気条件を含むことで、生物汚泥の増殖速度が高くなるため、グラニュール形成速度の点から、好気条件を含むことが望ましい。また、グラニュール形成においては、沈降時間の管理と1バッチあたりの排水流入率を適切にコントロールすることが望ましい。攪拌(曝気による攪拌を含む)を停止して汚泥を沈降させる沈降時間は水面から汚泥排出部までの距離と汚泥の沈降速度とから計算され、例えば、4分/mから15分/mの間で設定されることが好ましく、5分/mから10分/mの間で設定されることがより好ましい。また、排水流入率(反応時有効容積に対する流入水の割合)は、例えば20%以上80%以下の範囲であることが好ましく、40%以上60%以下の範囲であることがより好ましい。処理対象物質である有機物濃度が非常に高い状態(流入工程の直後、飽食状態)と有機物濃度が非常に低い状態(生物処理工程の終盤、飢餓状態)を汚泥が繰り返し経験することによって、汚泥のグラニュール化が進行すると考えられているため、グラニュールを形成する観点では排水流入率は出来るだけ高くとった方が良いが、その一方で、排水流入率を高くすればする程、流入ポンプの容量が大きくなりコスト高となる。そのため、グラニュール形成及びコスト削減の点で、排水流入率は40%以上60%以下の範囲が好ましい。
【0045】
半回分式生物処理装置12は、例えば槽内の汚泥濃度が2000〜20000mg/Lの範囲で運転されることが望ましい。所定濃度よりも汚泥濃度が増加した場合には槽内より生物汚泥を引き抜くことが望ましい。また、生物汚泥の健全性(沈降性、活性等)を維持するためには、適切な汚泥負荷に保つことが望ましく、好ましくは0.05〜0.60kgBOD/MLSS/dayの範囲、より好ましくは0.1〜0.5kgBOD/MLSS/dayの範囲に保たれるように、槽内から生物汚泥を引き抜くことが望ましい。
【0046】
半回分式生物処理装置12内のpHは、一般的な生物処理に適する6〜9の範囲に調整することが好ましく、6.5〜7.5の範囲に調整することがより好ましい。pH値が前記範囲外となる場合は酸、アルカリを利用してpH調整を実施することが好ましい。半回分式生物処理装置12においてpH調整を実施する場合、pH値を適切に測定する点で、半回分式生物処理装置12が撹拌されていない状態より、撹拌されている状態でpH調整を実施することが望ましい。半回分式生物処理装置12内の溶存酸素(DO)は、一般的な生物処理に適する0.5mg/L以上とすることが好ましく、1mg/L以上とすることがより好ましい。
【0047】
半回分式生物処理装置12は、脱離水の流入と処理水の排出を同時に行う装置も含まれる。すなわち、(1)脱離水の流入/処理水の排出、(2)処理対象物質の生物処理、(3)生物汚泥の沈降といった3つの工程を繰り返す装置も本実施形態の半回分式生物処理装置12である。なお、上記3つの工程を繰り返す半回分式生物処理装置を用いた排水処理装置の例については後述する。
【0048】
図1に示す連続式生物処理装置10では、有機物等を処理対象とした標準活性汚泥法により生物処理を行う形態を例説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、A2O(Anaerobic−Anoxic−Oxic Process)やAO(Anaerobic−Oxic Process)等の栄養塩除去型システム(無酸素処理槽や嫌気処理槽を設置するシステム)、オキシデーションディッチ法、ステップ流入型多段活性汚泥法等のシステムにより生物処理を行う装置であってもよい。また、ポリウレタン、プラスチック、樹脂等の担体の存在下で、生物処理を行う装置であってもよい。
【0049】
連続式生物処理装置10は、例えば槽内の汚泥濃度が2000〜20000mg/Lの範囲で運転されることが望ましい。また、生物汚泥の健全性(沈降性、活性等)を維持するために、汚泥負荷は、0.05〜0.6kgBOD/MLSS/dayの範囲にすることが好ましく、0.1〜0.5kgBOD/MLSS/dayの範囲にすることがより好ましい。
【0050】
連続式生物処理装置10内のpHは、一般的な生物処理に適する6〜9の範囲に調整することが好ましく、6.5〜7.5の範囲に調整することがより好ましい。また、連続式生物処理装置10内の溶存酸素(DO)は、一般的な生物処理に適する0.5mg/L以上とすることが好ましく、1mg/L以上とすることがより好ましい。
【0051】
図1に示す排水処理装置1では、固液分離装置14を備える形態を例に説明したが、固液分離装置14を必ずしも備える必要はない。しかし、排水処理装置1は、グラニュールを循環させて、排水の処理効率を向上させる等の点で、連続式生物処理装置10から排出される処理水から生物汚泥を分離する固液分離装置14と、固液分離装置14から排出される生物汚泥を連続式生物処理装置10に返送する汚泥返送ライン24を備えることを好ましい。
【0052】
図3は、本実施形態に係る排水処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。
図3の排水処理装置2において、
図1に示す排水処理装置1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図3に示す排水処理装置2では、排水流入ライン20aに排水流入ポンプ31及び第1電磁バルブ44が設けられ、排水流入ライン20bには、第2電磁バルブ46が設けられている。そして、排水流入ライン20bの一端は、排水流入ポンプ31と第1電磁バルブ44の間の排水流入ライン20aに接続され、他端は半回分式生物処理装置12の排水入口に接続されている。また、
図3に示す第1電磁バルブ44は、グラニュールの供給及び処理水の供給に伴って、連続式生物処理装置10に供給される排水の流量を調整する機能を有している。具体的には、第1電磁バルブ44は、処理水排出ポンプ34及び汚泥供給ポンプ36と電気的に接続されており、処理水排出ポンプ34又は汚泥供給ポンプ36が稼働した時に、それらの出力信号が第1電磁バルブ44に送信され、第1電磁バルブ44が出力信号を受けた段階で、第1電磁バルブ44の開閉度を小さくし、排水の流量を所定量低下させる。或いは、第1電磁バルブ44が出力信号を受けた段階で、第1電磁バルブ44を閉じて、排水の流量を零にする(すなわち、排水流入ライン20aからの排水の供給が停止される)。なお、処理水排出ポンプ34又は汚泥供給ポンプ36の稼働が停止され、出力信号の送信が停止された場合には、第1電磁バルブ44の開閉度を元に戻し、排水の流量を回復させることが望ましい。
【0053】
本実施形態の排水処理装置2の動作の一例について説明する。
【0054】
まず、排水流入ポンプ31を稼働させると共に、第1電磁バルブ44を開放し、排水貯留槽16内の処理対象排水を排水流入ライン20aから連続式生物処理装置10に供給する。連続式生物処理装置10では、前述のように排水を生物処理する。また、処理された処理水を排水流入ライン20cから固液分離装置14に供給する。
【0055】
そして、半回分式生物処理装置12を稼働させる場合には、(排水流入ポンプ31を稼働させ、第1電磁バルブ44を開放したまま、第2電磁バルブ46を開放させ、排水貯留槽16内の処理対象排水を排水流入ライン20bから半回分式生物処理装置12に供給する((1)排水の流入)。半回分式生物処理装置12に排水を所定の量になるまで導入した後、第2電磁バルブ46を閉じる。
【0056】
次に、エアポンプ50を稼働し、散気装置52から空気を導入して、半回分式生物処理装置12内に空気の供給を開始すると共に、撹拌装置48を稼働させ、半回分式生物処理装置12内の排水を撹拌することで、排水の生物処理を行う((2)処理対象物質の生物処理)。そして、所定時間経過後、エアポンプ50の動作を停止することで空気の供給を停止し、また、撹拌装置48を停止することで、生物処理を終了させる。生物処理終了後、半回分式生物処理装置12内の生物汚泥を所定時間沈降させ、半回分式生物処理装置12内で、生物汚泥と処理水とに分離させる((3)生物汚泥の沈降)。次に、処理水排出ポンプ34を稼働させ、半回分式生物処理装置12内の処理水を処理水排出ライン22bから排出させ((4)処理水の排出)、処理水排出ライン22bから連続式生物処理装置10に供給する。そして、(1)〜(4)の工程を繰り返すことで、半回分式生物処理装置12内でグラニュールが形成される。
【0057】
(4)処理水の排出工程において、処理水排出ポンプ34の稼働の際の出力信号を、第1電磁バルブ44が受信した段階で、第1電磁バルブ44の開閉度を小さくし、連続式生物処理装置10に供給される排水の流入量を低下させる。或いは、第1電磁バルブ44を閉じて、連続式生物処理装置10に供給される排水の流量を零にする(排水流入ライン20aからの排水の供給を停止する)。所定時間経過後、処理水排出ポンプ34の稼働を停止して、再度(1)排水の流入工程に移行する。また、排水の流入工程時には、第1電磁バルブ44の開閉度を元の状態に戻して、連続式生物処理装置10への排水の流入量を回復させることが望ましい。なお、本実施形態では、第1電磁バルブ44の開閉によって排水の流量を低下させているが、
図1の排水処理装置1のように、排水流入ポンプ31の出力を低下させることで、排水の流量を低下させてもよい。
【0058】
このように、本実施形態の排水処理装置2では、半回分式生物処理装置12から連続式生物処理装置10への処理水の供給に伴って、連続式生物処理装置10に供給される排水の流入量を低下又は零にするため、連続式生物処理装置10に流入する水量の増加が抑えられる。その結果、連続式生物処理装置10から排出される処理水中に含まれる生物汚泥量の増加が抑制され、ひいては固液分離装置14への流量負荷が瞬間的に増加することが抑制されるため、処理水と共に排出される生物汚泥量を抑えることが可能となる。
【0059】
また、汚泥供給ポンプ36を稼働させることで、半回分式生物処理装置12内で形成されたグラニュールを生物汚泥供給ライン28から連続式生物処理装置10に供給する。そして、第1電磁バルブ44が汚泥供給ポンプ36の出力信号を受信した段階で、第1電磁バルブ44の開閉度を小さくし、連続式生物処理装置10に供給される排水の流量を低下させる。或いは、第1電磁バルブ44が閉じられ、連続式生物処理装置10に供給される排水の流量を零にする。これにより、連続式生物処理装置10に流入する水量の増加が抑えられる。その結果、連続式生物処理装置10から排出される処理水中に含まれる生物汚泥量の増加が抑制され、ひいては固液分離装置14への流量負荷が瞬間的に増加することが抑制されるため、処理水と共に排出される生物汚泥量を抑えることが可能となる。
【0060】
また、本実施形態の排水処理装置2のように、同一のポンプで、連続式生物処理装置10及び半回分式生物処理装置12への排水の供給を行う装置形態の方が、別々のポンプで、連続式生物処理装置10への排水の供給及び半回分式生物処理装置12への排水の供給をそれぞれ行う装置形態より、装置のイニシャルコスト及びランニングコストを低く抑えることが可能となる。
【0061】
次に、排水が導入されると共に、処理水が排出される半回分式生物処理装置12を用いた排水処理装置2の動作の一例について説明する。すなわち、半回分式生物処理装置12では、(1)脱離水の流入/処理水の排出、(2)処理対象物質の生物処理、(3)生物汚泥の沈降といった3つの工程が繰り返され、グラニュールが形成される。
【0062】
まず、排水流入ポンプ31を稼働させると共に、第1電磁バルブ44を開放し、排水貯留槽16内の処理対象排水を排水流入ライン20aから連続式生物処理装置10に供給する。連続式生物処理装置10において排水の生物処理を実施した後、処理水を排水流入ライン20cから固液分離装置14に供給する。そして、半回分式生物処理装置12を稼働させる場合には、第2電磁バルブ46を開放させると共に、処理水排出ポンプ34を稼働させ、排水を排水流入ライン20aから半回分式生物処理装置12に供給すると共に、半回分式生物処理装置12内で既に生物処理された処理水を処理水排出ライン22bを介して連続式生物処理装置10に供給する((1)脱離水の流入/処理水の排出)。この際、本実施形態では、処理水排出ポンプ34の稼働の際の出力信号を、第1電磁バルブ44が受信した段階で、第1電磁バルブ44の開閉度を小さくし、連続式生物処理装置10に供給される排水の流入量を低下させる。或いは、第1電磁バルブ44を閉じて、連続式生物処理装置10に供給される排水の流入量を零にする(排水の供給を停止する)。
【0063】
所定時間経過後、処理水排出ポンプ34の稼働を停止すると共に、第2電磁バルブ46を閉じる。この際、また、第1電磁バルブ44の開閉度を元に戻して、連続式生物処理装置10への排水の流入量を回復させることが望ましい。次に、エアポンプ50を稼働し、散気装置52から空気を導入して、半回分式生物処理装置12内に空気の供給を開始すると共に、撹拌装置48を稼働させ、半回分式生物処理装置12内の排水を撹拌することで、排水の生物処理を行う((2)処理対象物質の生物処理)。そして、所定時間経過後、エアポンプ50の動作を停止することで空気の供給を停止し、また、撹拌装置48を停止することで、生物処理を終了させる。生物処理終了後、半回分式生物処理装置12内の生物汚泥を所定時間沈降させ、半回分式生物処理装置12内で、生物汚泥と処理水とに分離させる((3)生物汚泥の沈降)。そして、再度、(1)排水の流入工程に移行する。また、半回分式生物処理装置12内で形成されたグラニュールを連続式生物処理装置10に供給する場合も、上記と同様に、汚泥供給ポンプ36の出力信号を受信した段階で、第1電磁バルブ44の開閉度を小さくし、連続式生物処理装置10に供給される排水の流入量を低下又は零にする。
【0064】
このように、本実施形態の排水処理装置2では、半回分式生物処理装置12から連続式生物処理装置10への処理水及びグラニュールの供給に伴って、連続式生物処理装置10に供給される排水の流入量を低下させるため、連続式生物処理装置10に流入する水量の増加が抑えられる。その結果、連続式生物処理装置10から排出される処理水中に含まれる生物汚泥量の増加が抑制され、ひいては固液分離装置14への流量負荷が瞬間的に増加することが抑制されるため、処理水と共に排出される生物汚泥量を抑えることが可能となる。
【0065】
図4は、本実施形態に係る排水処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。
図4の排水処理装置3において、
図3に示す排水処理装置2と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図4に示す排水処理装置3では、処理水排出ライン22bに第3電磁バルブ56が設けられている(処理水排出ポンプ34が設けられていない)。
図4の排水処理装置3では、
図3に示す処理水排出ポンプ34の稼働・停止に代えて、第3電磁バルブ56の開閉により処理水の供給・停止が行われること以外、
図3に示す排水処理装置2と同様に動作する。
図4に示す排水処理装置3は、
図3に示す排水処理装置2と比較して、さらにポンプの数を減らした構成となっており、より装置のイニシャルコスト及びランニングコストの低減に繋がる。
【0066】
図5は、本実施形態に係る排水処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。
図5の排水処理装置4において、
図3に示す排水処理装置2と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5に示す排水処理装置4は、半回分式生物処理装置12から排出される処理水及びグラニュールを連続式生物処理装置10に供給する汚泥処理水供給ライン58を備えている。汚泥処理水供給ライン58には、第3電磁バルブ60が設けられている。汚泥処理水供給ライン58は、半回分式生物処理装置12から排出される処理水を連続式生物処理装置10に供給する処理水供給装置としての機能及びグラニュールを連続式生物処理装置10に供給する生物汚泥供給装置としての機能を備えている。第3電磁バルブ60と第1電磁バルブ44とは電気的に接続されている。第1電磁バルブ44は、第3電磁バルブ60が開放された時に、その出力信号が第1電磁バルブ44に送信され、第1電磁バルブ44が出力信号を受けた段階で、第1電磁バルブ44の開閉度を小さくして、排水の流量を所定量低下させる。或いは、第1電磁バルブ44が出力信号を受けた段階で、第1電磁バルブ44が閉じて、排水の流量を零にする(すなわち、排水流入ライン20aからの排水の供給が停止される)。なお、第3電磁バルブ60が閉じると、出力信号の送信が停止されるように構成しておき、出力信号の送信が停止された際には、第1電磁バルブ44の開閉度を元に戻し、排水の流量を回復させることが望ましい。
【0067】
図5に示す排水処理装置4では、半回分式生物処理装置12内の液(処理水及びグラニュール)が撹拌された状態で、半回分式生物処理装置12に排水が導入されると共に、処理水及びグラニュールが半回分式生物処理装置12から排出される半回分式生物処理装置12が用いられている。以下、
図5に示す排水処理装置4の動作を例に説明する。
【0068】
まず、排水流入ポンプ31を稼働させると共に、第1電磁バルブ44を開放し、排水貯留槽16内の処理対象排水を排水流入ライン20aから連続式生物処理装置10に連続的に供給する。連続式生物処理装置10において排水の生物処理を実施した後、処理水を排水流入ライン20cから固液分離装置14に供給する。そして、半回分式生物処理装置12を稼働させる場合には、第2電磁バルブ46及び第3電磁バルブ60を開放させると共に、排水を排水流入ライン20bから半回分式生物処理装置12に供給すると共に、半回分式生物処理装置12内の処理水を汚泥処理水供給ライン58から連続式生物処理装置10に供給する((1)排水の流入/処理水の排出)。この際、本実施形態では、第3電磁バルブ60の開放の際の出力信号を、第1電磁バルブ44が受信した段階で、第1電磁バルブ44の開閉度を小さくし、連続式生物処理装置10に供給される排水の流入量を低下させる。或いは、第1電磁バルブ44を閉じて、連続式生物処理装置10に供給される排水の流入量を零にする(排水の供給を停止する)。次に、各バルブの開閉状態を維持したまま、撹拌装置48を稼働させ、半回分式生物処理装置12内で撹拌装置により撹拌された処理水及びグラニュールを汚泥処理水供給ライン58から連続式生物処理装置10に供給する((1.5)グラニュール汚泥の供給)。
【0069】
所定時間経過後、第2電磁バルブ46及び第3電磁バルブ60を閉じる。この際、第1電磁バルブ44の開閉度を元に戻して、連続式生物処理装置10への排水の流入量を回復させることが望ましい。次に、撹拌装置48の稼働を停止することなく、エアポンプ50を稼働させ、散気装置52から空気を導入して、半回分式生物処理装置12内に空気の供給を開始することで、排水の生物処理を行う((2)生物処理工程)。そして、所定時間経過後、撹拌装置48の稼働を停止すると共に、エアポンプ50の稼働を停止し、空気の供給を停止することで、生物処理を終了させる。生物処理終了後、半回分式生物処理装置12内の生物汚泥を所定時間沈降させ、半回分式生物処理装置12内で、生物汚泥と処理水とに分離させる((3)生物汚泥の沈降)。そして、再度、(1)排水の流入/処理水の排出工程に移行する。(1.5)グラニュール汚泥の供給工程は、サイクル毎に行われる必要はなく、数サイクルに1度の割合で行われても良い。
【0070】
以下に、
図5に示す排水処理装置4の動作の他の一例を説明する。
【0071】
まず、排水流入ポンプ31を稼働させると共に、第1電磁バルブ44を開放し、排水貯留槽16内の処理対象排水を排水流入ライン20aから連続式生物処理装置10に連続的に供給する。連続式生物処理装置10において排水の生物処理を実施した後、処理水を排水流入ライン20cから固液分離装置14に供給する。そして、半回分式生物処理装置12を稼働させる場合には、第2電磁バルブ46及び第3電磁バルブ60を開放させると共に、撹拌装置48を稼働させ、排水を排水流入ライン20bから半回分式生物処理装置12に供給すると共に、半回分式生物処理装置12内で撹拌装置により撹拌された処理水及びグラニュールを汚泥処理水供給ライン58から連続式生物処理装置10に供給する((1)排水の流入/処理水の排出)。この際、本実施形態では、第3電磁バルブ60の開放の際の出力信号を、第1電磁バルブ44が受信した段階で、第1電磁バルブ44の開閉度を小さくし、連続式生物処理装置10に供給される排水の流入量を低下させる。或いは、第1電磁バルブ44を閉じて、連続式生物処理装置10に供給される排水の流入量を零にする(排水の供給を停止する)。
【0072】
所定時間経過後、第2電磁バルブ46及び第3電磁バルブ60を閉じる。この際、第1電磁バルブ44の開閉度を元に戻して、連続式生物処理装置10への排水の流入量を回復させることが望ましい。次に、撹拌装置48の稼働を停止することなく、エアポンプ50を稼働させ、散気装置52から空気を導入して、半回分式生物処理装置12内に空気の供給を開始することで、排水の生物処理を行う((2)生物処理工程)。そして、所定時間経過後、エアポンプ50の稼働を停止し、空気の供給を停止することで、生物処理を終了させる。そして、撹拌装置48を稼働させたまま、すなわち、半回分式生物処理装置12内の液が撹拌された状態で、再度、半回分式生物処理装置12に排水を流入し、半回分式生物処理装置12から処理水及びグラニュールを排出する((1)排水の流入/処理水の排出)。
【0073】
半回分式生物処理装置12から排出される処理水を連続式生物処理装置10に供給する処理水供給装置としての機能及びグラニュールを連続式生物処理装置10に供給する生物汚泥供給装置としての機能を備える汚泥処理水供給ライン58は、
図5に示す排水処理装置への適用に限定されるものではなく、上記説明した全ての実施形態に適用される。
【0074】
図6(A)及び(B)は、本実施形態で用いられる半回分式生物処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。
図6に示す半回分式生物処理装置62において、
図2に示す半回分式生物処理装置12と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図6(A)に示す半回分式生物処理装置62では、処理水を排出する処理水出口12bが、排水を流入する排水入口12aより高い位置に設けられている。また、
図6(B)に示す半回分式生物処理装置62は、
図5の排水処理装置に用いられた半回分式生物処理装置12であり、処理水及びグラニュールを排出する汚泥処理水出口12dが、排水を流入する排水入口12aより高い位置に設けられている。これにより、流入した排水が生物処理されることなく半回分式生物処理装置62から排出される(排水のショートカット)が抑制されるため、半回分式生物処理装置62で効率的にグラニュールを形成することが可能となる。また、半回分式生物処理装置62内の処理水は、流入してくる排水により押し上げられる形で排出されるため、沈降性の低い生物汚泥を積極的に系外に排出される。その結果、沈降性の高い生物汚泥が半回分式生物処理装置12内に残るため、より効率的にグラニュールを形成することが可能となる。なお、半回分式生物処理装置62から流出する処理水が処理前の排水と混合されるため、処理水質の悪化が懸念されるが、半回分式生物処理装置62から排出される処理水は連続式生物処理装置10に供給され、そこで生物処理が行われるため、最終的に得られる処理水の水質悪化は抑制される。