(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
図12を参照し、特許文献1で開示されたアンダーカバー61について説明する。
図12に示したアンダーカバー61は、コアバック成形法により成形された合成樹脂からなる車両用部品であり、本体部62と取付部63と取付孔部64を備える。
【0003】
図13を参照し、アンダーカバー61の本体部62と取付部63との内部構成について説明する。
図13は、
図12の成形後に成形型73から取り出しされたアンダーカバー61の一部の内部構造を示している。本体部62は、表裏面部を構成するスキン層65;66と、スキン層65;66の間の中間部を構成する発泡層67とから構成される。取付部63は、取付孔部64と筒壁部68と頂壁部69とを備える。筒壁部68は、本体部62から表側又は裏側に突出した造形であり、表裏面部を構成するスキン層70,71と、スキン層70,71の間の中間部を構成する発泡量の少ない徐変層72とから構成される。頂壁部69は、筒壁部68の本体部62から最大に突出した開口部を塞ぐ造形であり、未発泡なソリッド層79になっている。取付孔部64は、頂壁部69の中心部で内外に貫通した造形である。
【0004】
図13に示したアンダーカバー61は、取付部63の頂壁部69と筒壁部68との境界部80がエッジ形状になることから、アンダーカバー61が自動車に取り付けられた場合に、走行中の振動や衝撃により、上記エッジ形状の境界部80が割れ発生の起点になり、割れ易い。
【0005】
図14、
図15を参照し、上記アンダーカバー61を成形するコアバック成形法について説明する。
図14に示した成形型73は、固定型74と可動型75とスライド型76とを備える。固定型74は、コアバック成形法を実施する射出成形機の射出ユニットの側に装着される金型であり、取付孔用突起77を備える。取付孔用突起77は、スライド型76に設けても適用可能である。可動型75は、上記射出成形機の型締めユニットの側に装着される金型である。スライド型76は、上記型締めユニットのエジェクター部に装着される金型である。
図14は、成形型73が型締めされ、固定型74と可動型75とスライド型76とが成形空間部78を形成した状態の内部の造形を示している。
【0006】
図15は、成形材料が上記成形空間部78に射出されかつ本体部62及び筒壁部68にスキン層65,66,70,71が形成された後に、スライド型76がエジェクター部から突き出しを受けて固定型74との間の成形空間部78の距離を型締め時の距離と同じなるように一定に保ち、可動型75が型締めユニットからコアバックを受けて固定型74との間の成形空間部78の距離を型締め時の距離よりも大きくなるように後退し、本体部62に発泡層67が形成され、筒壁部68に徐変層72が形成された造形を示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、取付部と取付部の周りの本体部とを未発泡なソリッド層に形成し、割れ起点になるエッジ形状の存在しない車両用部品を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、合成樹脂材と高硬度繊維とマイカ又はタルクとからなる成形材料を用いてコアバック成形法により成形された本体部と取付部とを備え、取付部が本体部から表側又は裏側に突出した筒壁部と筒壁部の本体部から最大に突出した開口部を塞ぐ頂壁部とを備えた車両用部品であって、取付部と本体部の取付部周りの部分とが未発泡なソリッド層として構成され、本体部の取付部周りの部分以外の部分が表裏面部を構成するスキン層と、スキン層の間の中間部を構成する発泡層とから構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、合成樹脂材と高硬度繊維とマイカ又はタルクとからなる成形材料を用いてコアバック成形法により成形されたことにより、軽量、高剛性、耐ピッチング性能を有し、取付部と本体部の取付周辺部とが未発泡なソリッド層として構成され、本体部の取付周辺部以外の部分が表裏面部を構成するスキン層と、スキン層の間の中間部を構成する発泡層とから構成されたことにより、割れ起点になるエッジ形状が存在しない効果を奏する。上記高硬度繊維がガラス繊維であることも適用可能であり、上記合成樹脂材はポリオレフィン樹脂から構成され、又は、ポリオレフィン樹脂がポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂との混合された樹脂のいずれか1つからから構成されることも適用可能である。
【0011】
本発明において、成形材料にゴム添加材を加えれば耐寒衝撃性が向上し、マイカ又はタルクを加えれば、成形品の反りが防止できる。
【0012】
本発明において、合成樹脂材が60乃至90重量パーセント、ガラス繊維が5乃至20重量パーセント、マイカ又はタルクが0乃至20重量パーセントの範囲で混合され、それらの混合割合の和が100重量パーセントあれば、軽量、高剛性、耐チッピング性能を有する効果がある。又、本発明にあっては、両用保護具の重量が1400乃至2000g/m2であって、スキン層の厚みは0.2乃至0.5mmであり、車両用部品の厚みが3乃至5mmであれば、車両用部品の反りを防止できる。
【0013】
本発明において、発泡層が連続気泡を備えれば、軽量化が促進される。
【0014】
本発明において、スキン層に除去部が設けられれば、吸音効果が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】発明を実施するための形態に係るアンダーカバーの要部を示した断面図。
【
図2】発明を実施するための形態に係るアンダーカバーの成形型の型締め状態を示した断面図。
【
図3】発明を実施するための形態に係るアンダーカバーの成形型の成形状態を示した断面図。
【
図4】発明を実施するための形態に係るアンダーカバーを平面図的に示した模式図。
【
図5】発明を実施するための形態に係るアンダーカバーの本体部の断面をデジタルカメラで撮影した図。
【
図7】発明を実施するための形態に係るアンダーカバーの耐寒衝撃性能の測定方法を示す模式図。
【
図8】発明を実施するための形態に係るアンダーカバーの耐寒衝撃性能の測定の結果を示した図表。
【
図9】発明を実施するための形態に係るアンダーカバーの吸音構造模型及びその共鳴周波数の式を示した図表。
【
図10】発明を実施するための形態に係るアンダーカバーの吸音効果を測定する測定装置、試験体形状、測定資料を示した図表。
【
図11】発明を実施するための形態に係るアンダーカバーの吸音効果を測定の結果を示す折れ線グラフ。
【
図12】従来のアンダーカバーを平面図的に示した模式図。
【
図13】従来のアンダーカバーの要部を示した断面図。
【
図14】従来のアンダーカバーの成形型の型締め状態を示した断面図。
【
図15】従来のアンダーカバーの成形型の成形状態を示した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図5を参照し、発明を実施するための形態に係るコアバック成形法により成形された合成樹脂からなる車両用部品についてアンダーカバー1を例として説明する。
図1に示したアンダーカバー1は、本体部2と取付部3と取付孔部4と取付周辺部5とを備える。
【0017】
図1を参照し、発明を実施するための形態に係る本体部2の取付周辺部以外の部分と取付部3と取付孔部4と取付周辺部5との内部構成について説明する。本体部2の取付周辺部以外の部分は、本体部2から取付周辺部5を除いた残りの部分であって、表裏面部を構成するスキン層6,7と、スキン層6,7の間の中間部を構成する発泡層8とから構成される。
【0018】
取付部3は、取付孔部4と筒壁部9と頂壁部10とを備える。取付孔部4は、頂壁部10の中心部で内外に貫通した造形である。筒壁部9は、本体部2から表側又は裏側に突出した造形である。頂壁部10は、筒壁部9の本体部2から最大に突出した開口部を塞ぐ造形である。取付周辺部5は、筒壁部9を囲むように本体部2に延びた造形である。取付周辺部5と筒壁部9と頂壁部10とは、未発泡なソリッド層11になっている。
【0019】
よって、取付部3と本体部2の取付周辺部5とが未発泡なソリッド層11として構成され、本体部2の取付周辺部以外の部分が表裏面部を構成するスキン層6,7と発泡層8とから構成されたことにより、割れ起点になるエッジ形状の存在しないアンダーカバー1が提供できる。
【0020】
図2、
図3を参照し、アンダーカバー1を成形するコアバック成形法について説明する。
図2に示した成形型12は、固定型13と可動型14とスライド型15とを備える。固定型13は、コアバック成形法を実施する射出成形機の射出ユニットの側に装着される金型であり、取付孔用突起16を備える。取付孔用突起16は、スライド型に設けても適用可能である。可動型14は、上記射出成形機の型締めユニットの側に装着される金型である。スライド型15は、上記型締めユニットのエジェクター部に装着される金型であり、取付部3と取付周辺部5とに対応した造形である。
図2は、成形型12が型締めされ、固定型13と可動型14とスライド型15とが成形空間部17を形成した状態の内部の造形を示している。
【0021】
図3は、成形材料が上記成形空間部17に射出されかつ本体部2の取付周辺部以外の部分にスキン層6,7が形成された後に、スライド型15がエジェクター部から突き出しを受けて固定型13との間の成形空間部17の距離を型締め時の距離と同じなるように一定に保ち、可動型14が型締めユニットからコアバックを受けて固定型13との間の成形空間部17の距離を型締め時の距離よりも大きくなるように後退し、成形空間部17の固定型13と可動型14とに対応する部分のスキン層6,7との間に発泡層8が形成され、成形空間部17の固定型13とスライド型15とに対応する部分にソリッド層11が形成された造形を示している。
【0022】
よって、
図3の成形後に成形型12から取り出しされた成形品としてのアンダーカバー1は、
図1に示したように、取付周辺部5と本体部2の取付周辺部以外の部分との境界部がエッジ形状にならないので、アンダーカバー1が自動車に取り付けられた場合に、走行中の振動や衝撃を受けても割れ難い。
【0023】
図5、
図6を参照し、本体部2の取付周辺部以外の部分の内部構成について説明する。
図5に示した本体部2の取付周辺部以外の部分は、表面に通気性のないスキン層6,7で包まれた発泡層8を備える。発泡層8は、高硬度繊維21と合成樹脂材22とマイカ23とが混在した連続気泡からなる空洞になっている。よって、アンダーカバー1は、軽量化、高剛性化、耐ピッチング性能、耐寒衝撃性能のそれぞれが向上する。高硬度繊維21としては、ガラス繊維又は炭素繊維等が適用可能である。
【0024】
例えば、アンダーカバー1の重量が1400乃至2000g/m2、アンダーカバー1の厚み24が3乃至5mm、スキン層6,7の厚み25が0.2乃至0.5mm、発泡層8の厚み27が2乃至4.6mmである。高硬度繊維21としては、直径が8乃至13μm、長さが5乃至15mmのガラス繊維を使用することにより、形状を維持するための剛性が確保でき、寒冷時での耐衝撃性能が向上できた。
【0025】
高硬度繊維21には、直径が10μm、長さが10mmのガラス繊維を使用した。マイカ23には、粒径が10乃至60μmのものを使用した。発泡剤には、化学発泡剤を使用した。尚、発泡剤は成形過程で気体になるので、成形後のアンダーカバー1には発泡剤の発泡された跡としての連続気泡からなる空洞が存在する。
【0026】
図6に示したように、スキン層6,7は、高硬度繊維21と合成樹脂材22とマイカ23とが混合した空洞のない通気性のないシート状の造形である。発泡層8は、高硬度繊維21の表面、高硬度繊維21どうし交点に、合成樹脂材22とマイカ23とが存在し、気泡どうしが繋がった連続気泡からなる空洞になっている。尚、発泡層8は独立気泡からなる空洞であっても適用可能であるが、連続気泡であれば、独立気泡よりも軽量化が促進される。
【0027】
スキン層6,7と発泡層8とにおける合成樹脂材22としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂との混合した樹脂のいずれかが用いられる。ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂とを混合した樹脂は、ポリプロピレン樹脂よりも、−30℃での耐寒衝撃性能が向上する。スキン層6,7と発泡層8とにおいて、マイカに代えてゴム添加材あるいはタルクを用いるというように、アンダーカバーの必要性能により、添加剤を変えて対応できる。ゴム添加剤を用いた場合は、耐寒衝撃性が向上する。マイカ又はタルクを用いた場合は、アンダーカバー1の反りが防止できる。
【0028】
発明を実施するための形態に係るアンダーカバー1と対比例との形状及び剛性を同じに構成したところ、発明を実施するための形態に係るアンダーカバー1の重量は1400乃至2000g/m
2、対比例の重量は2200乃至2600g/m
2であった。よって、発明を実施するための形態に係るアンダーカバー1が対比例つまり従来のアンダーカバーよりも軽量化が向上していることが理解できる。
【0029】
以上のように、発明を実施するための形態に係るアンダーカバー1では、高硬度繊維21として、直径が10μm、長さが10mmのガラス繊維を使用し、マイカ23として、粒径が10乃至60μmのものを使用し、アンダーカバー1の重量が1400乃至2000g/m
2、スキン層6,7の厚み25が0.2乃至0.5mm、アンダーカバー1の厚み24が3乃至5mmとしたことにより、アンダーカバー1の重量が軽く、耐寒衝撃性能と剛性とが確保でき、アンダーカバー1に反りを生じないという効果ある。
【0030】
尚、アンダーカバー1の厚み24が3mm未満であると、アンダーカバー1に反りが生じ、アンダーカバー1の厚み24が5mmを越えると、発泡層8が厚すぎてアンダーカバー1の耐チッピング性,耐寒衝撃性が低下する。
【0031】
図7を参照し、耐寒衝撃性能の試験について説明する。耐寒衝撃性能の試験では、本案対象試験片と比例試験片を使用した。本案対象試験片は、発明を実施するための形態に係るアンダーカバー1の構造を備えた方形な板状である。対比試験片は、従来例の構造を備えた方形な板状である。本案対象試験片と比例試験片との表面(板面)は同じ大きさになっている。
【0032】
試験のやり方は、先ず、本案対象試験片又は比例試験片のそれぞれに相当する試験片31を一対の固定枠32,33で上下から挟みで支持する。固定枠32,33は、135mm×195mmの方形な空間を囲む形状になっている。次に、下側の固定枠33を試験装置の図外の定盤の上に固定する。そして、試験装置の重り34を試験片31の固定枠32の内部における中央に落下させ、試験片31に割れが生じた時の重り34の落下した高さを測定した。試験装置の設置された試験場所の温度を23℃と−30℃とに設定して試験を行った。重り34は、1.5kgの円柱状の鉄製のものを使用した。重り34の試験片に衝突する下面35の面積は706.9mm
2である。
【0033】
図8を参照し、耐寒衝撃性能の試験の結果について説明する。
図8に示すように、室温25℃において、本案対象試験片は450mmの高さから重りを落とした時に割れが生じ、対比例は300mmの高さから重りを落とした時に割れが生じた。また、室温−30℃において、本案対象試験片は300mmの高さから重りを落とした時に割れが生じ、対比例試験片は200mmの高さから重りを落とした時にリブを起点に割れが生じた。
【0034】
図8に示す試験の結果を考察すると、耐寒衝撃性能において、発明を実施するための形態に係るアンダーカバー1に相当する本案試験片が従来のアンダーカバーに相当する対比例試験片よりも高い結果となった。
【0035】
図9乃至
図10を参照し、発明を実施するための形態に係るアンダーカバー1に対するヘルムホルツ共鳴器の吸音原理を利用した吸音効果について説明する。先ず、
図9において、吸音構造模型及び共鳴周波数を求める式について説明する。吸音構造模型は、発明を実施するための形態に係るアンダーカバー1のスキン層6,7に除去部36が形成された構造になっている。
【0036】
そして、スキン層6,7の厚みをL、発泡層8の容積をV、除去部36の表面積をS、管端補正係数をδとすると、
図8の共鳴周波数を求める式より、発泡層8の空洞での共鳴周波数fが求められる。つまり、音が吸音構造模型の外部から除去部36を経由して発泡層8の空洞に入射すると、当該空洞の空気がバネとして働き、除去部36の空気が激しく振動することで,発泡層8のバネと除去部36の空気の質量とによる共振周波数fにおいて摩擦損失による大きな吸音効果が生じる。
【0037】
図10において、吸音効果の測定について、ISO10534−2規格に基いた測定装置を用いた垂直入射吸音率測定を例として説明する。測定装置の筒体41は、一端部を閉じ、他端部を試験体42の取り付けられた蓋部43で閉じた、構造になっている。測定方法は、電源44から出る音45をマイク46で拾い、試験体42から反射した音47をマイク48で拾う。
【0038】
試験体42は、発明を実施するための形態に係るアンダーカバー1の構造を備えた円盤状の低周波用試験体49と、除去部36の無い図示されていない試験体とを作成した。低周波用試験体49は、直径が100mm、厚みが5.0mm、除去部36の個数が中心部に1個あり、スキン層の外周面が閉じられた構造になっている。
【0039】
また、試験体42として、除去部36の無い発泡していない測定試料51、直径7mmの除去部36の有る測定試料52、直径10mmの除去部36の有る測定試料53を作成し、吸音効果の測定を行った。測定試料51乃至53の形状としては、試験体42と同じ、直径が100mm、厚みが5.0mmである。つまり、試験体42と測定試料51乃至53とは同じ形状である。
【0040】
図11を参照し、測定試料51乃至53での吸音効果の測定の結果について説明する。
図11を考察すると、特定の周波数(共振周波数f)を中心に前後の周波数もなだらかに吸音する効果がある。特定の周波数は、
図9の公式にあるように、穴径、内部容積、穴ピッチなどにより変わる。試験は、自動車のタイヤノイズをターゲットとしたものであり、特定の周波数として800〜1000Hzを狙ったものである。
【0041】
発明を実施するための形態に係るアンダーカバー1において、
図5に示した高硬度繊維21としてのガラス繊維の太さ及び長さは、段落0029に記載された数値に限定されるものではない。例えば、太さが8乃至13μm、長さが5乃至15mmであっても適用可能である。しかしながら、高硬度繊維21としてのガラス繊維において、直径が8μm未満、長さが5mm未満の場合は、太さが8乃至13μm、長さが5乃至15mmよりも耐寒衝撃性能と剛性との向上の効果は小さくなる。高硬度繊維21としてのガラス繊維において、直径が13μmを越えた場合は成形型に流し込まれた成形材料が流れにくく、成形材料が重く、長さが15mmを越える場合は成形型に流し込まれた成形材料が流れにくく、成形材料が重く成形機シリンダー内でガラス繊維が切断されやすいという不都合がある。
【0042】
発泡剤は、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)の他に、ジニトロソペンタンメチレンテトラミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、P.P−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、炭酸水素ナトリウム等の化学発泡剤が使用できる。
【0043】
尚、発泡剤として化学発泡剤を用いたが、超臨界流体を発泡剤に用いた微細射出発泡成形(MuCell)法を用いてもよい。微細射出発泡成形法とは溶融した樹脂に高圧下で超臨界流体状態の窒素や二酸化炭素を溶解させた後、減圧して多数の微細な気泡を発生させる成形方法である。微細射出発泡成形とコアバック成形とを用いてアンダーカバー1を成形してもよい。微細射出発泡成形を用いた場合には化学発泡剤を用いた場合と比較して発泡層8の空洞が小さくなる。
【0044】
発明を実施するための形態ではアンダーカバー1を例に説明したが、本発明は車両用部品車体であれば適用可能である。