特許第6480179号(P6480179)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6480179
(24)【登録日】2019年2月15日
(45)【発行日】2019年3月6日
(54)【発明の名称】外科手術装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20190225BHJP
【FI】
   A61B17/072
【請求項の数】25
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2014-260013(P2014-260013)
(22)【出願日】2014年12月24日
(65)【公開番号】特開2015-139704(P2015-139704A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2017年12月14日
(31)【優先権主張番号】14/166,366
(32)【優先日】2014年1月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】スタニスロウ コストシェフスキー
(72)【発明者】
【氏名】アーネスト アラーニ
【審査官】 大屋 静男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−061628(JP,A)
【文献】 特開平08−182684(JP,A)
【文献】 特開2007−105481(JP,A)
【文献】 特表平08−509404(JP,A)
【文献】 特開2013−056233(JP,A)
【文献】 米国特許第07934629(US,B2)
【文献】 米国特許第06032849(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02130499(EP,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02586382(EP,A2)
【文献】 欧州特許出願公開第02090245(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068−17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術ステープル留め装置であって、該外科手術ステープル留め装置は、
細長いシャフトを含む作動デバイスと、
細長いシャフトの遠位端に配置されているツールアセンブリであって、該ツールアセンブリは、カートリッジアセンブリを支持している第1の顎部材と、アンビルを支持している第2の顎部材とを含み該カートリッジアセンブリは、複数のファスナーと、該カートリッジアセンブリから該複数のファスナーを射出するように位置決めされているそりとを有し、該第1の顎部材は、間隔が空けられた位置と接近させられた位置との間を該第2の顎部材に対して移動可能である、ツールアセンブリと、
そりプッシャーを含むそりプッシャーアセンブリであって、該そりプッシャーは、該カートリッジアセンブリの該そりを係合するように構成されている遠位端を有するそりプッシャーアセンブリと、
ラッチアセンブリとI−梁とを含む駆動梁アセンブリであって、該ラッチアセンブリは、該そりプッシャーアセンブリに解放可能に結合されているラッチを有し、該I−梁は、切欠きを規定する側壁を有し、該そりプッシャーは、該切欠き内に受け取られている、駆動梁アセンブリ
を含み
退位置から前進位置に向かう該駆動梁アセンブリの遠位方向の並進は、該接近させられた位置への該第1の顎部材および該第2の顎部材の移動をもたらし、該ラッチアセンブリの該ラッチを該そりプッシャーアセンブリから係合解除して、該駆動梁アセンブリから独立した該そりプッシャーの遠位方向の移動を容易にし、該駆動梁アセンブリから独立した該そりプッシャーの遠位方向の移動は、該そりプッシャーおよび該カートリッジアセンブリの該そりを前進させて、該カートリッジアセンブリから該複数のファスナーを射出する、外科手術ステープル留め装置。
【請求項2】
前記ラッチアセンブリは、カラーを含み、該カラーは、前記駆動梁アセンブリの近位端に結合され、該カラーは、アパーチャーを含み、該アパーチャーは、前記そりプッシャーアセンブリの支持部材を受け取るように構成されている、請求項1に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項3】
前記そりプッシャーアセンブリの前記支持部材は、少なくとも1つのアパーチャーを含み、該少なくとも1つのアパーチャーは、前記ラッチアセンブリの前記ラッチを受け取るように構成されている、請求項2に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項4】
前記I−梁は、前記駆動梁アセンブリが遠位方向に並進させられる場合、前記接近させられた位置へ前記第1の顎部材および前記第2の顎部材にカム作用するように位置決めされている、請求項に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項5】
前記ラッチアセンブリは、少なくとも1つのばねを含み、該少なくとも1つのばねは、前記ラッチアセンブリの前記ラッチを前記そりプッシャーアセンブリの前記支持部材において規定される前記アパーチャーの中に付勢するように構成されている、請求項3に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項6】
前記支持部材の前記アパーチャーは、前記そりプッシャーアセンブリの近位壁部分によって規定され、該近位壁部分は、前記ラッチアセンブリの前記ラッチを係合して、前記駆動梁アセンブリおよび前記そりプッシャー互いに結合されている状態に維持するように構成されている、請求項に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項7】
前記細長いシャフトは、上方ハウジング部分と下方ハウジング部分とを含み、該上方ハウジング部分および該下方ハウジング部分のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの停止部材を含み、該少なくとも1つの停止部材は、前記駆動梁アセンブリが遠位方向に並進させられる場合、前記ラッチアセンブリの前記カラーの近位端に接触するように構成されている、請求項2に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項8】
前記ラッチは、側方オフセット延長部分を含み、前記細長いシャフトの前記上方ハウジング部分および前記下方ハウジング部分のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの傾斜部分を含み、該少なくとも1つの傾斜部分は、前記そりプッシャーアセンブリが前記駆動梁アセンブリに対して遠位方向に移動することを可能にするために、該駆動梁アセンブリが遠位方向に移動させられる場合、該側方オフセット延長部分によって係合されて、前記近位壁部分との係合からはずす該ラッチの移動をもたらすように構成されている、請求項に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項9】
前記カートリッジアセンブリを前記アンビルから離れるほうに半径方向に付勢するための弾性部材が、該カートリッジアセンブリ上に提供されている、請求項1に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項10】
前記弾性部材は、前記カートリッジアセンブリの近位端に結合されている底部部分と、前記アンビルの少なくとも一部分に接触するように位置決めされている頂部部分とを含む、請求項に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項11】
前記弾性部材の前記底部部分は、前記カートリッジアセンブリの前記近位端に規定される対応するスロット内に置かれている、請求項10に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項12】
前記弾性部材の前記底部部分は、少なくとも1つの移動止めを含み、該少なくとも1つの移動止めは、対応するインデントに結合し、該対応するインデントは、前記スロットに隣接して、前記カートリッジアセンブリ上に配置されている、請求項11に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項13】
前記ツールアセンブリは、前記外科手術ステープル留め装置の前記細長いシャフトの前記遠位端に取り外し可能に結合可能である、請求項1に記載の外科手術ステープル留め装置。
【請求項14】
外科手術ステープル留め装置との使用のために構成されているリロードであって、該リロードは、
近位端と遠位端とを含むシャフトであって、該近位端は、外科手術装置に結合するように適合されている、シャフトと、
該シャフトの遠位端に配置されているツールアセンブリであって、該ツールアセンブリは、カートリッジアセンブリを支持している第1の顎部材と、アンビルを支持している第2の顎部材とを含み該カートリッジアセンブリは、複数のファスナーと、該カートリッジアセンブリから該複数のファスナーを射出するように位置決めされているそりとを有し、該第1の顎部材は、間隔が空けられた位置と接近させられた位置との間を該第2の顎部材に対して移動可能である、ツールアセンブリと、
そりプッシャーを含むそりプッシャーアセンブリであって、該そりプッシャーは、該カートリッジアセンブリの該そりを係合するように構成されている遠位端を有する、そりプッシャーアセンブリと、
ラッチアセンブリとI−梁とを含む駆動梁アセンブリであって、該ラッチアセンブリは、該そりプッシャーアセンブリに解放可能に結合されているラッチを有し、該I−梁は、切欠きを規定する側壁を有し、該そりプッシャーは、該切欠き内に受け取られている、駆動梁アセンブリ
を含み
退位置から前進位置に向かう該駆動梁アセンブリの遠位方向の並進は、該接近させられた位置への該第1の顎部材および該第2の顎部材の移動をもたらし、該ラッチアセンブリの該ラッチを該そりプッシャーアセンブリから係合解除して、該駆動梁アセンブリから独立した該そりプッシャーの遠位方向の移動を容易にし、該駆動梁アセンブリから独立した該そりプッシャーの遠位方向の移動は、該そりプッシャーの遠位端を前進させて、該カートリッジアセンブリの該そりと係合させて、該カートリッジアセンブリから該複数のファスナーを射出する、リロード。
【請求項15】
前記ラッチアセンブリは、カラーを含み、該カラーは、前記駆動梁アセンブリの近位端に結合され、該カラーは、アパーチャーを含み、該アパーチャーは、前記そりプッシャーアセンブリの支持部材を受け取るように構成されている、請求項14に記載のリロード。
【請求項16】
前記そりプッシャーアセンブリの前記支持部材は、少なくとも1つのアパーチャーを含み、該少なくとも1つのアパーチャーは、前記ラッチアセンブリの前記ラッチを受け取るように構成されている、請求項15に記載のリロード。
【請求項17】
前記I−梁は、前記駆動梁アセンブリが遠位方向に並進させられる場合、前記接近させられた位置へ前記第1の顎部材および前記第2の顎部材にカム作用するように位置決めされている、請求項14に記載のリロード。
【請求項18】
前記ラッチアセンブリは、少なくとも1つのばねを含み、該少なくとも1つのばねは、該ラッチアセンブリの前記ラッチを前記そりプッシャーアセンブリの前記支持部材において規定される前記アパーチャーの中に付勢するように構成されている、請求項16に記載のリロード。
【請求項19】
前記支持部材の前記アパーチャーは、前記そりプッシャーアセンブリの近位壁部分によって規定され、該近位壁部分は、前記ラッチアセンブリの前記ラッチを係合して、前記駆動梁アセンブリおよび前記そりプッシャーを互いに結合されている状態に維持するように構成されている、請求項18に記載のリロード。
【請求項20】
前記シャフトは、上方ハウジング部分と下方ハウジング部分とを含み、該上方ハウジング部分および該下方ハウジング部分のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの停止部材を含み、該少なくとも1つの停止部材は、前記駆動梁アセンブリが遠位方向に並進させられる場合、前記ラッチアセンブリの前記カラーの近位端に接触するように構成されている、請求項15に記載のリロード。
【請求項21】
前記ラッチは、側方オフセット延長部分を含み、前記シャフトの前記上方ハウジング部分および前記下方ハウジング部分のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの傾斜部分を含み、該少なくとも1つの傾斜部分は、前記そりプッシャーアセンブリが前記駆動梁アセンブリに対して遠位方向に移動することを可能にするために、該駆動梁アセンブリが遠位方向に移動させられる場合、該側方オフセット延長部分によって係合されて、前記近位壁部分との係合からはずす該ラッチの移動をもたらすように構成されている、請求項20に記載のリロード。
【請求項22】
前記カートリッジアセンブリを前記アンビルから離れるほうに半径方向に付勢するための弾性部材が、該カートリッジアセンブリ上に提供されている、請求項14に記載のリロード。
【請求項23】
前記弾性部材は、前記カートリッジアセンブリの近位端に結合されている底部部分と、前記アンビルの少なくとも一部分に接触するように位置決めされている頂部部分とを含む、請求項22に記載のリロード。
【請求項24】
前記弾性部材の前記底部部分は、前記カートリッジアセンブリの前記近位端に規定される対応するスロット内に置かれている、請求項23に記載のリロード。
【請求項25】
前記弾性部材の前記底部部分は、少なくとも1つの移動止めを含み、該少なくとも1つの移動止めは、対応するインデントに結合し、該対応するインデントは、前記スロットに隣接して、前記カートリッジアセンブリ上に配置されている、請求項24に記載のリロード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
技術分野
本開示は、外科手術装置に関する。より詳細には、本開示は、発射アセンブリを含む外科手術ステープラーに関し、この発射アセンブリは、顎部材が締め付け構成にあり、外科手術ステープラーが発射される場合、ステープラーの顎部材間の組織ギャップの距離を制御するように構成されている。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
組織を締め付け、ステープル留めするように構成されている外科手術ステープラーは公知である。そのようなステープラーは、ツールアセンブリを含み得、このツールアセンブリは、ステープラーのシャフトの遠位端において支持されている。ツールアセンブリは、例えば、アンビルとカートリッジとを含み得、このカートリッジは、複数のファスナーを含み、複数のファスナーは、組織をステープル留めする(例えば、移植手順中に脈管構造を塞ぐ)ように構成されている。
【0003】
そのようなステープラーを用いて組織をステープル留めするために、組織がカートリッジとアンビルとの間に位置決めされ得、アンビルが、カートリッジに向かって接近させられて、組織を締め付け得る。組織が締め付けられると、ステープラーは、発射され、カートリッジを通してステープラーの駆動アセンブリを遠位方向に前進させて、カートリッジから複数の外科手術ファスナーを連続して射出して、組織をステープル留めし得る。
【0004】
複数のファスナーを発射するための記載された機構の他に、従来のステープラーは、ステープラーの発射中に、ツールアセンブリのアンビルとカートリッジとの間の組織ギャップの距離を制御するように構成されている構造をさらに含み得る。
【0005】
前述のステープラーは、上記用途のためには満足のいくものであり得るが、外科手術ファスナーを発射し、かつ/またはカートリッジをアンビルに向かって接近させるためのより単純な設計の必要性が存在し得る。代替の接近アセンブリおよび/または方法の必要性だけではなく、より少ない空間を占める発射アセンブリの必要性も存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
本開示の局面は、外科手術ステープル留め装置を提供する。外科手術ステープル留め装置は、作動デバイスを含み、この作動デバイスは、細長いシャフトを含む。ツールアセンブリは、シャフトの遠位端に配置されている。ツールアセンブリは、外科手術ステープル留め装置のシャフトの遠位端に取り外し可能に結合可能であり得る。ツールアセンブリは、カートリッジアセンブリを支持している第1の顎部材であって、このカートリッジアセンブリは、複数の外科手術ファスナーを有する、第1の顎部材と、アンビルを支持している第2の顎部材とを含む。第1の顎部材は、間隔が空けられた位置と接近させられた位置との間を第2の顎部材に対して移動可能である。第1および第2の顎部材のうちの1つは、その近位端においてカンチレバーを含む。カンチレバーは、ブリッジの形態であり得、このブリッジは、外科手術ステープル留め装置のシャフトを通して規定される長手方向軸に対して横方向に延びている。発射カムバーアセンブリは、ツールアセンブリ内にスライド可能に配置されている。発射カムバーアセンブリは、カンチレバーを係合して第1および第2の顎部材を接近させられた位置に向かって移動させるように構成されているカム表面と、発射カムバーアセンブリがツールアセンブリを通って遠位方向に並進させられる場合、カートリッジから複数の外科手術ファスナーを配備するように構成されている遠位端とを含む。
【0007】
発射カムバーアセンブリは、第1の発射カムバーを含み得、この第1の発射カムバーは、細長い構成を有し、カム表面を規定する遠位部分を有する。外科手術ステープラーは、第2の発射カムバーをさらに含み得、この第2の発射カムバーは、細長い構成を有し、カム表面を規定する遠位部分を有し、第2の発射カムバーは、第1の発射カムバー内に置かれている。カートリッジは、複数のプッシャーを含み得、第1および第2の発射カムバーの遠位部分は、カートリッジの複数のプッシャーに接触して複数の外科手術ファスナーをカートリッジから配備するように構成されている。
【0008】
発射カムバーアセンブリのカム表面は、第1のカム部分を含み得、この第1のカム部分は、第2のカム部分に対して遠位方向に、かつある角度で配置されている。カム表面の第2のカム部分は、発射カムバーアセンブリの近位端に向かって内方にテーパをつけられ得る。
【0009】
カートリッジをアンビルから離れるほうに半径方向に付勢するための弾性部材が、カートリッジ上に提供され得る。弾性部材は、カートリッジの近位端に結合されている近位端と、アンビルの少なくとも一部分に接触するように位置決めされている遠位端とを含み得る。弾性部材の近位端は、2つのフィンガー部分を含み得、2つのフィンガー部分は、カートリッジの近位端に規定される2つの対応するアパーチャー内に置かれている。
【0010】
本開示の局面は、外科手術ステープル留め装置との使用のために構成されているリロードを提供する。リロードは、シャフトを含み、このシャフトは、外科手術装置に結合するように適合されている近位端と、遠位端とを含む。ツールアセンブリは、シャフトの遠位端に配置されている。ツールアセンブリは、カートリッジアセンブリを支持している第1の顎部材であって、このカートリッジアセンブリは、複数の外科手術ファスナーを有する、第1の顎部材と、アンビルを支持している第2の顎部材とを含む。第1の顎部材は、間隔が空けられた位置と接近させられた位置との間を第2の顎部材に対して移動可能である。第1および第2の顎部材のうちの1つは、その近位端においてカンチレバーを含む。カンチレバーは、ブリッジの形態であり得、このブリッジは、外科手術ステープル留め装置のシャフトを通して規定される長手方向軸に対して横方向に延びている。発射カムバーアセンブリは、ツールアセンブリ内にスライド可能に配置されている。発射カムバーアセンブリは、カンチレバーを係合して第1および第2の顎部材を接近させられた位置に向かって移動させるように構成されているカム表面と、発射カムバーアセンブリがツールアセンブリを通って遠位方向に並進させられる場合、カートリッジから複数の外科手術ファスナーを配備するように構成されている遠位端とを含む。
【0011】
本開示の局面は、外科手術ステープル留め装置を提供する。外科手術ステープル留め装置は、作動デバイスを含み、この作動デバイスは、細長いシャフトを含む。ツールアセンブリは、シャフトの遠位端に配置されている。ツールアセンブリは、外科手術ステープル留め装置のシャフトの遠位端に取り外し可能に結合可能である。ツールアセンブリは、カートリッジアセンブリを支持している第1の顎部材であって、このカートリッジアセンブリは、複数のファスナーと、カートリッジアセンブリからファスナーを射出するように位置決めされているそりとを有する、第1の顎部材と、アンビルを支持している第2の顎部材とを含む。第1の顎部材は、間隔が空けられた位置と接近させられた位置との間を第2の顎部材に対して移動可能である。そりプッシャーアセンブリは、そりプッシャーを含み、このそりプッシャーは、カートリッジアセンブリのそりを係合するように構成されている遠位端を有する。駆動梁アセンブリは、ラッチアセンブリを含み、このラッチアセンブリは、そりプッシャーアセンブリに解放可能に結合されているラッチを有する。後退位置から前進位置に向かう駆動梁アセンブリの遠位方向の並進は、接近させられた位置への第1および第2の顎部材の移動をもたらし、ラッチアセンブリのラッチをそりプッシャーアセンブリから係合解除して、駆動梁アセンブリから独立したそりプッシャーの遠位方向の移動を容易にする。駆動梁アセンブリから独立したそりプッシャーの遠位方向の移動はまた、そりプッシャーの遠位端を前進させて、カートリッジアセンブリのそりと係合させて、カートリッジアセンブリから複数のファスナーを射出する。
【0012】
ラッチアセンブリは、カラーを含み得、このカラーは、駆動梁アセンブリの近位端に結合されており、アパーチャーを含み得、このアパーチャーは、そりプッシャーアセンブリの支持部材を受け取るように構成されている。そりプッシャーアセンブリの支持部材は、少なくとも1つのアパーチャーを含み得、少なくとも1つのアパーチャーは、ラッチアセンブリのラッチを受け取るように構成されている。
【0013】
駆動梁アセンブリは、I−梁を含み得、このI−梁は、切欠きを規定する側壁を有し、そりプッシャーは、切欠き内に受け取られる。I−梁は、駆動梁アセンブリが遠位方向に並進させられる場合、接近させられた位置へ第1および第2の顎部材にカム作用するように位置決めされ得る。
【0014】
ラッチアセンブリは、少なくとも1つのばねを含み得、少なくとも1つのばねは、ラッチアセンブリのラッチをそりプッシャーアセンブリの支持部材において規定されるアパーチャーの中に付勢するように構成されている。支持部材のアパーチャーは、そりプッシャーアセンブリの近位壁部分によって規定され得る。近位壁部分は、ラッチアセンブリのラッチを係合して駆動梁アセンブリおよびそりプッシャーを互いに結合されている状態に維持するように構成され得る。
【0015】
細長いシャフトは、上方ハウジング部分と下方ハウジング部分とを含み得、上方ハウジング部分および下方ハウジング部分のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの停止部材を含み、少なくとも1つの停止部材は、駆動梁アセンブリが遠位方向に並進させられる場合、ラッチアセンブリのカラーの近位端に接触するように構成されている。ラッチは、側方オフセット延長部分を含み得、細長いシャフトの上方ハウジング部分および下方ハウジング部分のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの傾斜部分を含み、少なくとも1つの傾斜部分は、そりプッシャーアセンブリが駆動梁アセンブリに対して遠位方向に移動することを可能にするために、駆動梁アセンブリが遠位方向に移動させられる場合、側方オフセット延長部分によって係合されて、近位壁部分との係合をはずすラッチの移動をもたらすように構成されている。
【0016】
カートリッジアセンブリをアンビルから離れるほうに半径方向に付勢するための弾性部材が、カートリッジ上に提供され得る。弾性部材は、カートリッジの近位端に結合されている底部部分と、アンビルの少なくとも一部分に接触するように位置決めされている頂部部分とを含み得る。弾性部材の底部部分は、カートリッジアセンブリの近位端に規定される対応するスロット内に置かれ得る。弾性部材の底部部分は、少なくとも1つの移動止めを含み得、少なくとも1つの移動止めは、対応するインデントに結合し、この対応するインデントは、スロットに隣接して、カートリッジアセンブリ上に配置されている。
【0017】
本開示の局面は、外科手術ステープル留め装置との使用のために構成されているリロードを提供する。リロードは、シャフトを含み、このシャフトは、近位端と遠位端とを含む。近位端は、外科手術装置に結合するように適合されている。ツールアセンブリは、シャフトの遠位端に配置されている。ツールアセンブリは、カートリッジアセンブリを支持している第1の顎部材であって、このカートリッジアセンブリは、複数のファスナーと、カートリッジアセンブリからファスナーを射出するように位置決めされているそりとを有する、第1の顎部材と、アンビルを支持している第2の顎部材とを含む。第1の顎部材は、間隔が空けられた位置と接近させられた位置との間を第2の顎部材に対して移動可能である。そりプッシャーアセンブリは、そりプッシャーを含み、このそりプッシャーは、カートリッジアセンブリのそりを係合するように構成されている遠位端を有する。駆動梁アセンブリは、ラッチアセンブリを含み、このラッチアセンブリは、そりプッシャーアセンブリに解放可能に結合されているラッチを有する。後退位置から前進位置に向かう駆動梁アセンブリの遠位方向の並進は、接近させられた位置への第1および第2の顎部材の移動をもたらし、ラッチアセンブリのラッチをそりプッシャーアセンブリから係合解除して、駆動梁アセンブリから独立したそりプッシャーの遠位方向の移動を容易にする。駆動梁アセンブリから独立したそりプッシャーの遠位方向の移動はまた、そりプッシャーの遠位端を前進させて、カートリッジアセンブリのそりと係合させて、カートリッジアセンブリから複数のファスナーを射出する。
【0018】
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
外科手術ステープル留め装置であって、該外科手術ステープル留め装置は、
細長いシャフトを含む作動デバイスと、
該シャフトの遠位端に配置されているツールアセンブリであって、該ツールアセンブリは、カートリッジアセンブリを支持している第1の顎部材であって、該カートリッジアセンブリは、複数のファスナーと、該カートリッジアセンブリから該ファスナーを射出するように位置決めされているそりとを有する、第1の顎部材と、アンビルを支持している第2の顎部材とを含み、該第1の顎部材は、間隔が空けられた位置と接近させられた位置との間を該第2の顎部材に対して移動可能である、ツールアセンブリと、
そりプッシャーアセンブリであって、該そりプッシャーアセンブリは、該カートリッジアセンブリの該そりを係合するように構成されている遠位端を有するそりプッシャーを含む、そりプッシャーアセンブリと、
駆動梁アセンブリと
を含み、該駆動梁アセンブリは、ラッチアセンブリを含み、該ラッチアセンブリは、該そりプッシャーアセンブリに解放可能に結合されているラッチを有し、後退位置から前進位置に向かう該駆動梁アセンブリの遠位方向の並進は、該接近させられた位置への該第1の顎部材および該第2の顎部材の移動をもたらし、該ラッチアセンブリの該ラッチを該そりプッシャーアセンブリから係合解除して、該駆動梁アセンブリから独立した該そりプッシャーの遠位方向の移動を容易にし、該駆動梁アセンブリから独立した該そりプッシャーの遠位方向の移動は、該そりプッシャー、および該カートリッジアセンブリの該そりを前進させて、該カートリッジアセンブリから該複数のファスナーを射出する、外科手術ステープル留め装置。
(項目2)
上記ラッチアセンブリは、カラーを含み、該カラーは、上記駆動梁アセンブリの近位端に結合され、アパーチャーを含み、該アパーチャーは、上記そりプッシャーアセンブリの支持部材を受け取るように構成されている、上記項目に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目3)
上記そりプッシャーアセンブリの上記支持部材は、少なくとも1つのアパーチャーを含み、該少なくとも1つのアパーチャーは、上記ラッチアセンブリの上記ラッチを受け取るように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目4)
上記駆動梁アセンブリは、I−梁を含み、該I−梁は、切欠きを規定する側壁を有し、上記そりプッシャーは、該切欠き内に受け取られている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目5)
上記I−梁は、上記駆動梁アセンブリが遠位方向に並進させられる場合、上記接近させられた位置へ上記第1の顎部材および上記第2の顎部材にカム作用するように位置決めされている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目6)
上記ラッチアセンブリは、少なくとも1つのばねを含み、該少なくとも1つのばねは、上記ラッチアセンブリの上記ラッチを上記そりプッシャーアセンブリの上記支持部材において規定される上記アパーチャーの中に付勢するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目7)
上記支持部材の上記アパーチャーは、上記そりプッシャーアセンブリの近位壁部分によって規定され、該近位壁部分は、上記ラッチアセンブリの上記ラッチを係合して、上記駆動梁アセンブリおよび上記そりプッシャーを、互いに結合されている状態に維持するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目8)
上記細長いシャフトは、上方ハウジング部分と下方ハウジング部分とを含み、該上方ハウジング部分および該下方ハウジング部分のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの停止部材を含み、該少なくとも1つの停止部材は、上記駆動梁アセンブリが遠位方向に並進させられる場合、上記ラッチアセンブリの上記カラーの近位端に接触するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目9)
上記ラッチは、側方オフセット延長部分を含み、上記細長いシャフトの上記上方ハウジング部分および上記下方ハウジング部分のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの傾斜部分を含み、該少なくとも1つの傾斜部分は、上記そりプッシャーアセンブリが上記駆動梁アセンブリに対して遠位方向に移動することを可能にするために、該駆動梁アセンブリが遠位方向に移動させられる場合、該側方オフセット延長部分によって係合されて、上記近位壁部分との係合からはずす該ラッチの移動をもたらすように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目10)
上記カートリッジアセンブリを上記アンビルから離れるほうに半径方向に付勢するための弾性部材が、該カートリッジアセンブリ上に提供されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目11)
上記弾性部材は、上記カートリッジの近位端に結合されている底部部分と、上記アンビルの少なくとも一部分に接触するように位置決めされている頂部部分とを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目12)
上記弾性部材の上記底部部分は、上記カートリッジアセンブリの上記近位端に規定される対応するスロット内に置かれている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目13)
上記弾性部材の上記底部部分は、少なくとも1つの移動止めを含み、該少なくとも1つの移動止めは、対応するインデントに結合し、該対応するインデントは、上記スロットに隣接して、上記カートリッジアセンブリ上に配置されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目14)
上記ツールアセンブリは、上記外科手術ステープル留め装置の上記シャフトの上記遠位端に取り外し可能に結合可能である、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ステープル留め装置。
(項目15)
外科手術ステープル留め装置との使用のために構成されているリロードであって、該リロードは、
近位端と遠位端とを含むシャフトであって、該近位端は、外科手術装置に結合するように適合されている、シャフトと、
該シャフトの遠位端に配置されているツールアセンブリであって、該ツールアセンブリは、カートリッジアセンブリを支持している第1の顎部材であって、該カートリッジアセンブリは、複数のファスナーと、該カートリッジアセンブリから該ファスナーを射出するように位置決めされているそりとを有する、第1の顎部材と、アンビルを支持している第2の顎部材とを含み、該第1の顎部材は、間隔が空けられた位置と接近させられた位置との間を該第2の顎部材に対して移動可能である、ツールアセンブリと、
そりプッシャーを含むそりプッシャーアセンブリであって、該そりプッシャーは、該カートリッジアセンブリの該そりを係合するように構成されている遠位端を有する、そりプッシャーアセンブリと、
駆動梁アセンブリと
を含み、該駆動梁アセンブリは、ラッチアセンブリを含み、該ラッチアセンブリは、該そりプッシャーアセンブリに解放可能に結合されているラッチを有し、後退位置から前進位置に向かう該駆動梁アセンブリの遠位方向の並進は、該接近させられた位置への該第1の顎部材および該第2の顎部材の移動をもたらし、該ラッチアセンブリの該ラッチを該そりプッシャーアセンブリから係合解除して、該駆動梁アセンブリから独立した該そりプッシャーの遠位方向の移動を容易にし、該駆動梁アセンブリから独立した該そりプッシャーの遠位方向の移動は、該そりプッシャーの遠位端を前進させて、該カートリッジアセンブリの該そりと係合させて、該カートリッジアセンブリから該複数のファスナーを射出する、リロード。
(項目16)
上記ラッチアセンブリは、カラーを含み、該カラーは、上記駆動梁アセンブリの近位端に結合され、アパーチャーを含み、該アパーチャーは、上記そりプッシャーアセンブリの支持部材を受け取るように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のリロード。
(項目17)
上記そりプッシャーアセンブリの上記支持部材は、少なくとも1つのアパーチャーを含み、該少なくとも1つのアパーチャーは、上記ラッチアセンブリの上記ラッチを受け取るように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のリロード。
(項目18)
上記駆動梁アセンブリは、I−梁を含み、該I−梁は、切欠きを規定する側壁を有し、上記そりプッシャーは、該切欠き内に受け取られている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のリロード。
(項目19)
上記I−梁は、上記駆動梁アセンブリが遠位方向に並進させられる場合、上記接近させられた位置へ上記第1の顎部材および上記第2の顎部材にカム作用するように位置決めされている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のリロード。
(項目20)
上記ラッチアセンブリは、少なくとも1つのばねを含み、該少なくとも1つのばねは、該ラッチアセンブリの上記ラッチを上記そりプッシャーアセンブリの上記支持部材において規定される上記アパーチャーの中に付勢するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のリロード。
(項目21)
上記支持部材の上記アパーチャーは、上記そりプッシャーアセンブリの近位壁部分によって規定され、該近位壁部分は、上記ラッチアセンブリの上記ラッチを係合して、上記駆動梁アセンブリおよび上記そりプッシャーを互いに結合されている状態に維持するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のリロード。
(項目22)
上記細長いシャフトは、上方ハウジング部分と下方ハウジング部分とを含み、該上方ハウジング部分および該下方ハウジング部分のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの停止部材を含み、該少なくとも1つの停止部材は、上記駆動梁アセンブリが遠位方向に並進させられる場合、上記ラッチアセンブリの上記カラーの近位端に接触するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のリロード。
(項目23)
上記ラッチは、側方オフセット延長部分を含み、上記細長いシャフトの上記上方ハウジング部分および上記下方ハウジング部分のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの傾斜部分を含み、該少なくとも1つの傾斜部分は、上記そりプッシャーアセンブリが上記駆動梁アセンブリに対して遠位方向に移動することを可能にするために、該駆動梁アセンブリが遠位方向に移動させられる場合、該側方オフセット延長部分によって係合されて、上記近位壁部分との係合からはずす該ラッチの移動をもたらすように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のリロード。
(項目24)
上記カートリッジアセンブリを上記アンビルから離れるほうに半径方向に付勢するための弾性部材が、該カートリッジアセンブリ上に提供されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のリロード。
(項目25)
上記弾性部材は、上記カートリッジの近位端に結合されている底部部分と、上記アンビルの少なくとも一部分に接触するように位置決めされている頂部部分とを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載のリロード。
(項目26)
上記弾性部材の上記底部部分は、上記カートリッジアセンブリの上記近位端に規定される対応するスロット内に置かれている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のリロード。
(項目27)
上記弾性部材の上記底部部分は、少なくとも1つの移動止めを含み、該少なくとも1つの移動止めは、対応するインデントに結合し、該対応するインデントは、上記スロットに隣接して、上記カートリッジアセンブリ上に配置されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のリロード。
【0019】
(摘要)
外科手術ステープル留め装置が提供される。外科手術ステープル留め装置は、作動デバイスを含み、この作動デバイスは、細長いシャフトを含む。ツールアセンブリは、シャフトの遠位端に配置されている。ツールアセンブリは、カートリッジアセンブリを支持している第1の顎部材であって、このカートリッジアセンブリは、複数の外科手術ファスナーを有する、第1の顎部材と、アンビルを支持している第2の顎部材とを含む。第1の顎部材は、間隔が空けられた位置と接近させられた位置との間を第2の顎部材に対して移動可能である。第1および第2の顎部材のうちの1つは、その近位端においてカンチレバーを含む。発射カムバーアセンブリは、ツールアセンブリ内にスライド可能に配置されており、発射カムバーアセンブリは、カンチレバーを係合して第1および第2の顎部材を接近させられた位置に向かって移動させるように構成されているカム表面と、カートリッジアセンブリから複数の外科手術ファスナーを配備するように構成されている遠位端とを含む。
【0020】
本開示の様々な実施形態が、図面を参照して、以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A図1Aは、本開示の実施形態に従うリロードの斜視図であり、リロードは、図1Aに概略的に示される外科手術装置との使用のために構成されている。
図1B図1Bは、図1Aに示されるリロードと利用され得る1つのタイプの外科手術ステープラーの斜視図である。
図2図2は、部品が分離されている、図1Aに示されるリロードの分解図である。
図3図3は、図1および図2に示されるリロードの発射カムバーアセンブリの斜視図である。
図4図4は、図3に示される指示された詳細部の領域である。
図5図5は、図3に示される発射カムバーアセンブリの側面図である。
図6図6は、部品が分離されている、図3に示される発射カムバーアセンブリの分解図である。
図7図7は、図1Aに示される指示された詳細部の領域である。
図8図8は、リロードの外側チューブが取り外されている、図1Aに示されるリロードの斜視図である。
図9図9は、図8に示される指示された詳細部の領域である。
図10図10は、部品が取り外されている、図1Aに示されるリロードの斜視図であり、リロードのツールアセンブリのカートリッジに結合されている発射カムバーアセンブリを例示している。
図11図11は、図10に示される指示された詳細部の領域である。
図12図12は、部品が取り外されている、図1Aに示されるリロードの斜視図であり、発射カムバーアセンブリと接触しているカートリッジのカンチレバーを例示している。
図13図13は、図12に示される指示された詳細部の領域である。
図14図14は、図1Aにおける切断線14−14に沿って得られる断面図である。
図15図15は、図14に示される指示された詳細部の領域である。
図16図16は、図1Aに示されるリロードの遠位端の部分的な断面図であり、カートリッジのファスナーを発射するために、カートリッジを通して並進させられている発射カムバーアセンブリを例示している。
図17図17は、図16に示される指示された詳細部の領域である。
図18図18は、図15に示されるリロードの遠位端の部分的な断面図であり、カートリッジのファスナーを発射するために、発射カムバーアセンブリがカートリッジを通って並進させられる場合に、カートリッジのカンチレバーに沿ってスライドする発射カムバーアセンブリのカム表面を例示している。
図19図19は、図15に示されるリロードの遠位端の部分的な断面図であり、カートリッジのファスナーを発射するために、発射カムバーアセンブリがカートリッジを通って並進させられる場合に、カートリッジのプッシャーを押す発射カムバーアセンブリのプッシャー接触表面を例示している。
図20図20は、図15に示されるリロードの遠位端の部分的な断面図であり、ツールアセンブリのカートリッジとアンビルとの間の特定の組織ギャップの距離を維持するために、互いに接触している発射カムバーアセンブリのカム表面とカートリッジのカンチレバーとを例示している。
図21図21は、本開示の別の実施形態に従うリロードの斜視図であり、リロードは、図1Aに概略的に示される外科手術装置との使用のために構成されている。
図22図22は、部品が分離されている、図21に示されるリロードの分解図である。
図23図23は、図21に示されるリロードのカートリッジアセンブリの斜視図である。
図24図24は、部品が分離されている、図23に示されるカートリッジアセンブリの分解図である。
図25図25は、図21に示されるリロードの第2の顎部材の斜視図である。
図26図26は、部品が分離されている、図25に示される第2の顎部材の分解図である。
図27図27は、図21に示されるリロードの駆動梁アセンブリおよびラッチアセンブリの斜視図である。
図28図28は、部品が分離されている、図27に示される駆動梁およびラッチアセンブリの分解図である。
図29図29は、図21に示されるリロードのそりプッシャーアセンブリの斜視図である。
図30図30は、部品が分離されている、図29に示されるそりプッシャーアセンブリの分解図である。
図31図31は、図21に示されるリロードの部分的な斜視図であり、リロードの遠位端は、締め付けられていない構成で示されている。
図32図32は、部品が取り外されている、図21に示されるリロードの部分的な斜視図であり、リロードの遠位端が、図31に示される締め付けられていない構成にある場合の駆動梁アセンブリおよびラッチアセンブリを例示している。
図33図33は、図32に示される指示された詳細部の領域である。
図34図34は、図31における切断線34−34に沿って得られる断面図である。
図35図35は、図34に示される指示された詳細部の領域である。
図36図36は、図21に示されるリロードの部分的な斜視図であり、リロードの遠位端は、締め付けられた構成で示されている。
図37図37は、部品が取り外されている、図21に示されるリロードの部分的な斜視図であり、リロードの遠位端が、図36に示される締め付けられた構成にある場合の駆動梁アセンブリおよびラッチアセンブリを例示している。
図38図38は、図37に示される指示された詳細部の領域である。
図39図39は、図21に示されるリロードの上方シャフト部分の斜視図である。
図40図40は、図21に示されるリロードの断面図であり、リロードの遠位端は、締め付けられた構成で示されている。
図41図41は、図40に示される指示された詳細部の領域である。
図42図42は、部品が取り外されている、図21に示されるリロードの部分的な斜視図であり、そりプッシャーアセンブリが発射されている場合の、図29に示されるそりプッシャーアセンブリを例示している。
図43図43は、図21に示されるリロードの断面図であり、リロードが締め付けられた構成において示され、そりプッシャーアセンブリが発射されている。
図44図44は、図43に示される指示された詳細部の領域である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
詳細な説明
本開示の詳細な実施形態が本明細書中に開示されるが、開示される実施形態は、単に本開示の例であり、様々な形態で具体化され得る。従って、本明細書中に開示される特定の構造上および機能上の詳細は、限定するものではなく、単に特許請求の範囲のための基礎として、および事実上任意の適切に詳述した構造で本開示を様々に用いるために、当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0023】
本開示の実施形態が、図面を参照して詳細に記載され、図面において、類似の参照数字は、同様の要素または同一の要素を識別する。本明細書中で用いられる場合、用語「遠位」は、ユーザーからより遠いと記載されている部分を指し、用語「近位」は、ユーザーにより近いと記載されている部分を指す。
【0024】
最初に図1Aを参照すると、本開示に従うリロード10が示されている。リロード10は、図1Aに12として概略的に示される多様な異なる外科手術作動デバイスに結合されるように構成され得、このデバイスとしては、手動で動作させられる作動デバイス、ロボットで制御される作動デバイス、電気機械式作動デバイス、動力化作動デバイスなどが挙げられる。外科手術作動デバイス12は、シャフトアセンブリ16を含み、このシャフトアセンブリ16は、リロード10を解放可能に支持するように構成されている遠位端を有する。
【0025】
図1Bに例示されている1つの実施形態において、外科手術作動デバイス12は、手動で動作させられるステープラー212であり、この手動で動作させられるステープラー212は、ハンドルアセンブリ214とシャフトアセンブリ216とを含み、このシャフトアセンブリ216は、リロード10を係合し、支持している。ハンドルアセンブリ214は、1対の後退ノブ218を含み、1対の後退ノブ218は、ステープラー212を後退構成に戻すように構成されている。ステープラー212の動作および動作上の構成要素のより詳細な記載について、Millimanに対する共有に係る米国特許第5,865,361号が参照され、その内容全体は、これにより参考として援用される。
【0026】
図2は、部品が分離されているリロード10の斜視図である。リロード10は、外側チューブ18を含み、この外側チューブ18は、シャフトアセンブリ20を収容し、このシャフトアセンブリ20は、リロード10を作動デバイス12のシャフトアセンブリ16に結合するように構成されている(図1Aを参照のこと)。シャフトアセンブリ20は、上方ハウジング部分22aと下方ハウジング部分22bとを含み、上方ハウジング部分22aと下方ハウジング部分22bとは、互いに結合された場合、リロード10の構成要素を収容する。上方ハウジング部分22aの近位端24a、および下方ハウジング部分22bの近位端24bは、作動デバイス12(例えば、‘361特許を参照のこと)のシャフトアセンブリ16の遠位端と解放可能に結合するように構成されている。シャフトアセンブリ20のハウジング部分22aの遠位端は、上方結合部材26aを支持し、シャフトアセンブリ20のハウジング部分22bの遠位端は、下方結合部材26bを支持している。結合部材26aの遠位端は、旋回アセンブリ30(図1Aを参照のこと)の上方旋回部分28aを旋回可能に係合するように構成され、結合部材26bの遠位端は、旋回アセンブリ30(図1Aを参照のこと)の下方旋回部分28bを旋回可能に係合するように構成されている。関節運動リンク32は、上方ハウジング部分22aおよび下方ハウジング部分22b内にスライド可能に位置決めされ、リロード10のエンドエフェクターまたはツールアセンブリ14をシャフトアセンブリ20に対して関節運動させるように構成されている。
【0027】
ツールアセンブリ14は、カートリッジ15を支持している第1の顎部材13と、アンビル19を支持している第2の顎部材17とを含む。第1の顎部材13は、間隔が空けられた位置と接近させられた位置との間を第2の顎部材17に対して旋回可能に支持されている。カートリッジ15は、複数のプッシャー9とファスナー11とを収容する。切開先端19aは、ステープル留めされるべき組織に対してアンビル19の位置決めを容易にするために、アンビル19の遠位端に固定され得る。そのような切開先端19aは、米国特許第8,348,123号に記載され、上記米国特許は、これにより本明細書中で参考として援用される。
【0028】
図3図6も参照すると、シャフトアセンブリ20は、発射カムバーアセンブリ34を含み、この発射カムバーアセンブリ34は、作動デバイス12の中央ロッド(示されない)と解放可能に係合される。発射カムバーアセンブリ34は、発射カムバーアセンブリ34がツールアセンブリ14を通って遠位方向に並進させられる場合、間隔が空けられた位置(図1B)から接近させられた位置(図18)にカートリッジ15をアンビル19に向かって移動させるように構成されている。発射カムバーアセンブリ34の遠位端はまた、さらに詳細に下に記載されるように、発射カムバーアセンブリ34がカートリッジ15を通って並進させられる場合、複数のプッシャー9を押すことにより、複数のファスナー11をカートリッジ15から発射するように構成されている。
【0029】
発射カムバーアセンブリ34は、第1の発射カムバー36を含み、この第1の発射カムバー36は、左側壁37aおよび右側壁37bによって規定される細長い構成を有し、左側壁37aおよび右側壁37bは、遠位端38を有する。カムバー36の左側壁37aおよび右側壁37bの各々は、カム表面33を含み、このカム表面33は、第1のカム部分39と第2のカム部分40とを有する。第1のカム部分39の各々は、第2のカム部分40のうちの1つに対して遠位方向に、かつある角度で配置されており、この角度は、左側壁37aおよび右側壁37bの底部表面/下方表面に沿って規定される。第2のカム部分40のうちの1つは、図3図5において見られ得る。カム表面33の第1のカム部分39の構成は、さらに詳細に下に記載されるように、組織が締め付けられ得るように、第2の顎部材17に向かって、間隔が空けられた位置から接近させられた位置へ第1の顎部材13が移動することを容易にする。第2のカム部分40は、第1のカム部分39に比べて長くされており、発射カムバーアセンブリ34(図5)の近位端に向かって、発射カムバーアセンブリ34の長手方向軸「B−B」に対して内方に距離「T」(図5)だけテーパをつけられている。テーパ「T」は、さらに詳細に下に記載されるように、第1の顎部材13および第2の顎部材17が、接近させられた位置に向かって移動させられる場合、第1の顎部材13と第2の顎部材17との間の組織ギャップの距離を制御する。
【0030】
第1の発射カムバー36の遠位端38は、2つのプッシャー接触表面42a、42b(図4および図6)を含み、2つのプッシャー接触表面42a、42bは、カートリッジ15(図19)の複数のプッシャー9と整列させられる。プッシャー接触表面42a、42bは、複数のプッシャー9に接触して、複数の外科手術ファスナー11をカートリッジ15から配備するように構成されている。
【0031】
例示されている実施形態において、発射カムバーアセンブリ34は、第2の発射カムバーまたは内側発射カムバー44を含み、第2の発射カムバーまたは内側発射カムバー44は、第1の発射カムバー36と同様である。第1の発射カムバー36および第2の発射カムバー44は、(図6に最も良好に示されるように)互いに入れ子状の構成を形成する。第2の発射カムバー44は、左側壁45aおよび右側壁45bによって規定される細長い構成を有し、左側壁45aおよび右側壁45bは、遠位端46を有する。カムバー44の左側壁45aおよび右側壁45bの各々は、カム表面53を含み、このカム表面53は、第1のカム部分49と第2のカム部分50とを有する。カム表面53の第1のカム部分49は、カム表面53の第2のカム部分50(第2の部分50のうちの1つのみが示されている)に対して遠位方向に、かつある角度で配置されている。第2の発射カムバー44の遠位端46は、2つのプッシャー接触表面48a、48bを含み、2つのプッシャー接触表面48a、48bは、カートリッジ15の複数のプッシャー9と整列させられ、複数のプッシャー9に接触することにより、複数の外科手術ファスナー11をカートリッジ15から配備する(図19)。
【0032】
第1の発射カムバー36および第2の発射カムバー44は、任意の適切な材料から形成され得、その材料としては、プラスチック、金属などが挙げられるが、これらに限定されない。実施形態において、第1の発射カムバー36および第2の発射カムバー44は、金属から形成される。
【0033】
発射カムバーアセンブリ34は、第1の発射カムバー36および第2の発射カムバー44を含むものとして本明細書中に記載されているが、より多くの発射カムバーまたはより少ない発射カムバーが利用され得る。例えば、実施形態において、第2の発射カムバー44は、省略され得る。この特定の実施形態において、発射カムバーアセンブリ34の第1の発射カムバー36の構成は、第2の発射カムバー44の特徴を含むように改変され得る。例えば、第1の発射カムバー36の左側壁37aおよび右側壁37bは、カートリッジ15内に配置されている複数のファスナー11の全てを射出するために、複数のプッシャー9の列の全てと整列するように遠位端38において広くされている。あるいは、第2の発射カムバー44は、第1の発射カムバー36の構成に対する変更なしで省略され得る。
【0034】
図7図13を参照すると、カンチレバー52(図13)は、第1の顎部材13の近位端において提供されている。カンチレバー52は、第1の顎部材13と一体式に形成され得る。あるいは、カンチレバー52は、第1の顎部材13とは別の別個の構成要素として形成され得、1つ以上の適切な結合方法(例えば、溶接)を介して、第1の顎部材13に結合され得る。カンチレバー52は、下方結合部材26bと関節運動リンク32の遠位端との間に、旋回アセンブリ30に隣接して配置されている(例えば、図9を参照のこと)。
【0035】
例示されている実施形態において、カンチレバー52は、側面突出部55aと側面突出部55bとの間に形成されているブリッジ54の形態であり、側面突出部55aおよび側面突出部55bは、第1の顎部材13の近位端から近位方向に延びている(図13)。ブリッジ54は、リロード10のシャフトアセンブリ20を通って規定される長手方向軸「A−A」(図7)に対して横方向に配置されている。
【0036】
ブリッジ54は、カム部材57(図2および図13)を支持し、このカム部材57は、より詳細に下に記載されるように、発射カムバーアセンブリ34がカートリッジ15内で遠位方向に前進させられる場合、第1の発射カムバー36の第1のカム部分39および第2のカム部分40、ならびに第2の発射カムバー44の第1のカム部分49および第2のカム部分50によってスライド可能に係合されるように位置決めされている。カム部材57は、第1の顎部材13および第2の顎部材17が、接近させられた位置にある場合、第1の顎部材13と第2の顎部材17との間の組織ギャップのサイズを制御するために、(例示されている実施形態に示されるように)傾斜させられ得るか、または他の方法で、第1のカムバー36の第2のカム部分40および第2のカムバー44の第2のカム部分50のテーパ「T」と関連して動作するように構成され得る。カム部材57は、1つ以上の適切な結合方法(例えば、接着剤、溶接など)を介してブリッジ54に結合され得る。あるいは、カム部材57は、省略され得、ブリッジ54は、組織ギャップのサイズを制御するように構成されているカム表面と一体的に形成され得る。本開示に従って、ブリッジ54は、線形位置および関節運動した位置の両方において、発射カムバー36、44を係合して、第1の顎部材13と第2の顎部材17とを閉じる。
【0037】
図9を参照すると、カンチレバー52は、側面突出部55a、55bとブリッジ54との間にアパーチャー58を規定する。アパーチャー58は、リロード10の製造中、下方結合部材26bを旋回アセンブリ30の下方部分28bに結合するためのリベット59(図9)を受け取る。
【0038】
図2図14、および図15を参照すると、弾性部材56が、カートリッジ15上に提供され、弾性部材56は、カートリッジ15を、間隔が空けられた位置に向かって、アンビル19から離れるほうに半径方向に付勢するように位置決めされている。弾性部材56は、カートリッジ15の近位端に結合されている近位端60と、アンビル19の少なくとも一部分に接触するように位置決めされている遠位端62とを含む。例示されている実施形態において、弾性部材56の近位端60は、2つのフィンガー部分64a、64bを含み、2つのフィンガー部分64a、64bは、カートリッジ15の近位端に規定される適切な構成の2つの対応するアパーチャー66a、66bの中に置かれる(図2および図13を参照のこと)。
【0039】
図16および図17を参照すると、使用において、第1の顎部材13と第2の顎部材17との間に組織を位置決めする前、ツールアセンブリ14は、間隔が空けられた位置または接近させられていない位置にある。この位置において、第1の発射カムバー36の遠位端38および第2の発射カムバー44の遠位端46は、複数のプッシャー9および複数のファスナー11の近位に位置決めされている。さらに、この構成において、第1の発射カムバー36の第1のカム部分39(図6も参照のこと)および第2の発射カムバー44の第1のカム部分49(図6も参照のこと)の係合部分は、カム部材57の近位に位置決めされている。上で議論されるように、弾性部材56は、顎部材13を間隔が空けられた位置または接近させられていない位置に押し付けるように位置決めされている。
【0040】
図18を参照すると、発射カムバーアセンブリ34が遠位方向に前進させられる場合、第1の発射カムバー36の第1のカム部分39および第2の発射カムバー44の第1のカム部分49は、ブリッジ54のカム部材57を係合し、カートリッジ15を含む第1の顎部材13を第2の顎部材17のアンビル19に向かって旋回させて、カートリッジ15を含む顎部材13を締め付けられた構成または接近させられた構成に移動させる。この例において、カートリッジは、第2の顎部材に旋回可能に取り付けられている。しかし、本明細書中に開示される実施形態のうちの任意のものは、旋回可能に移動可能である第1の顎部材もしくは第2の顎部材、または両方を有し得る。
【0041】
図19を参照すると、発射カムバーアセンブリ34の引き続きの遠位方向の並進は、第1の発射カムバー36の遠位端38および第2の発射カムバー44の遠位端46を移動させて複数のプッシャー9と接触させ、カートリッジ15からアンビル19へ複数のファスナー11を連続して射出して、締め付けられている組織をステープル留めする。本開示に従って、発射カムバーアセンブリ34がカートリッジ15を通って並進させられる場合、第1の発射カムバー36の第2のカム部分40および第2の発射カムバー44の第2のカム部分50におけるテーパ「T」(図15)とのブリッジ54上のカム部材57の係合は、顎部材13に対する顎部材17の位置を制御し、所望の組織ギャップの距離を第1の顎部材13と第2の顎部材17との間に選択的に維持する(図20)。本開示に従って、第1の発射カムバー36の第2のカム部分40および第2の発射カムバー44の第2のカム部分50におけるテーパ「T」の程度は、カートリッジ15を通るカムバーアセンブリ34の並進中に、組織ギャップの距離を選択的に制御するために、均一または非均一であり得る。テーパ「T」は、適切または所望の組織ギャップの距離を提供するために、近位方向に、正(positive)または負(negative)のスロープを規定し得ることに留意のこと。
【0042】
発射カムバーアセンブリ34およびカンチレバー52を含む顎部材13の独特な構成は、カートリッジ15とアンビル19との間の組織ギャップを接近させ、制御するための単純な設計を提供する。さらに、本開示のツールアセンブリ14は、発射カムバーアセンブリ34が前進させられる場合、第1の顎部材13と第2の顎部材17との間の組織ギャップが、第1の発射カムバー36の第2のカム部分40および第2の発射カムバー44の第2のカム部分50によって正確に制御されることを可能する。
【0043】
実施形態において、ツールアセンブリ14は、外科手術作動デバイス12と一体的に形成され得る。この特定の実施形態において、ツールアセンブリ14は、外科手術作動デバイス12のシャフトアセンブリ16の遠位端において支持され得る関節運動アセンブリ(例えば、関節運動アセンブリ30)に動作可能に結合され得る。あるいは、関節運動アセンブリ30は、省略され得、ツールアセンブリ14は、外科手術作動デバイス12のシャフトアセンブリ16の遠位端に直接接続され得る。
【0044】
図21図44は、本開示の別の実施形態に従うリロード110を例示している。リロード110は、図1Bに示されるステープラー212との使用のために構成されている。リロード110にとって独特である特徴のみが本明細書中に記載される。
【0045】
図22は、部品が分離されているリロード110の斜視図である。リロードは、外側チューブ118を含み、この外側チューブ118は、シャフトアセンブリ120を収容し、このシャフトアセンブリ120は、リロード110を図1Bに示される作動デバイス212のシャフトアセンブリ216と結合するように構成されている。シャフトアセンブリ120は、上方ハウジング部分122aと下方ハウジング部分122bとを含み、上方ハウジング部分122aおよび下方ハウジング部分122bは、互いに結合される場合、リロード110の構成要素を収容する。上方ハウジング部分122aの近位端124aおよび下方ハウジング部分122bの近位端124bは、作動デバイス212のシャフトアセンブリ216の遠位端に解放可能に結合するように構成されている(例えば、‘361特許を参照のこと)。シャフトアセンブリ120の遠位端は、1対の上方結合部材126aと下方結合部材126bとを含み、1対の上方結合部材126aおよび下方結合部材126bは、それぞれ、シャフトアセンブリ120を旋回アセンブリ130(図21を参照のこと)の上方旋回部分128aおよび下方旋回部分128bに結合するように構成されている。関節運動リンク132は、上方ハウジング部分122aおよび下方ハウジング部分122b内にスライド可能に位置決めされており、シャフトアセンブリ120を通して規定される長手方向軸「C−C」(図21)に対して、リロード110のエンドエフェクターまたはツールアセンブリ114を関節運動させるように構成されている。
【0046】
図22図24を参照すると、ツールアセンブリ114は、複数のプッシャー109およびファスナー111を収容しているカートリッジ115を支持している第1の顎部材113と、アンビル119を支持している第2の顎部材117とを含む。カートリッジ115は、弾性部材156を支持し、この弾性部材156は、カートリッジ115を、接近させられていない構成または間隔が空けられた構成に向かって、アンビル119から離れるほうに半径方向に付勢するように位置決めされている。弾性部材156は、カートリッジ115の近位端に結合されているベース部分160(図24)と、アンビル119の少なくとも一部分に接触するように位置決めされている上方部分162とを含む。弾性部材156のベース部分160は、カートリッジ115の近位端に規定される対応するスロット165内に置かれ、1つ以上の移動止め163(1つの移動止め163が図面に示されている)を含み、1つ以上の移動止め163は、対応するインデント166の中に受け取られ、この対応するインデント166は、弾性部材156をカートリッジ115に結合するために、スロット165に隣接してカートリッジ115上に配置されている。
【0047】
図25および図26を参照すると、第2の顎部材117は、1対の上方レール121a、121bを含み、1対の上方レール121a、121bは、第2の顎部材117の内部壁部分123に沿って長手方向に延びている。上方レール121a、121bは、細長いスロット125によって分離され、この細長いスロット125は、上方レール121a、121bの長さに沿って延びている。上方レール121a、121bは、弾性部材156の頂部部分162が顎部材117の内部壁部分123に接触する場所の近くに、内部壁部分123に沿って位置決めされている(例えば、図35を参照のこと)。切開先端157(例えば、‘123特許に開示される)は、ステープル留めされるべき組織に対する第2の顎部材117の位置決めを容易にするために、第2の顎部材117の遠位端に固定され得る。
【0048】
図27および図28も参照すると、リロード110(図21)は、複数の駆動梁部分135から形成されている駆動梁アセンブリ134を含み、複数の駆動梁部分135は、互いに結合されて、駆動梁136を形成する。駆動梁アセンブリ134の作業端は、I−梁137を含み、このI−梁137は、駆動梁部分135の遠位端に結合され、上方フランジ139aと下方フランジ139bとを含み、上方フランジ139aおよび下方フランジ139bは、支柱139cによって互いに接続されている。従来のI−梁と違い、I−梁137は、ステープル留めされた組織を切断するように構成されていないので、I−梁137は、支柱139cの前縁において、ナイフまたは切断刃を含まない。I−梁137は、さらに詳細に下に記載されるように、第1の顎部材113と第2の顎部材117とを接近させて、ファスナー111をカートリッジ115から射出するために、ツールアセンブリ114を通って並進可能である。上方フランジ139aは、第2の顎部材117(図26)内で上方レール121a、121bの上に位置決めされる。駆動梁アセンブリ134の駆動梁136が第2の顎部材117内で遠位方向に並進させられる場合、上方フランジ139aは、上方レール121a、121bの上にスライドして、第1の顎部材113に対する第2の顎部材117の外方への移動を防止する。同様に、I−梁の支柱139cは、第2の顎部材117に対する第1の顎部材113の外方への移動を防止するために、下方フランジ139bが第1の顎部材113の外部表面に沿ってスライド可能であるように、第1の顎部材113を通して規定される細長いスロット127(図31を参照のこと)を通って位置決めされている。切欠き129が、支柱139cの側壁を通して規定され、その重要性は、より詳細に下に記載される。
【0049】
ラッチアセンブリ140は、駆動梁アセンブリ134の近位端に結合されている。ラッチアセンブリ140は、カラー142を含むラッチ本体141を含み、このカラー142は、底部スロットと頂部スロット144(頂部スロット144のみが示されている)とを規定する。スロット144は、駆動梁136の近位端を受け取るように構成されている。適切な構成の長手方向アパーチャー146が、カラー142を通って規定され、ラッチ本体141の細長い近位部分148とほぼ整列している。ラッチアセンブリ140のラッチ本体141は、1対の対向する支持部材149a、149bを含み、1対の対向する支持部材149a、149bは、旋回ピン151を支持する。突出部170が、カラー142に隣接して、ラッチアセンブリ140のラッチ本体から上方に延び、ばね171を支持するように構成されている。
【0050】
ラッチアセンブリ140は、ラッチ150を含み、このラッチ150は、ほぼ細長い構成を有し、遠位部分152と、中間部分154と、近位部分158とを含む。横断アパーチャー153が、中間部分154を通って延びており、ラッチ150をラッチアセンブリ140のラッチ本体141に旋回可能に固定するための旋回ピン151を受け取るように構成されている。ラッチ150の遠位部分152は、(図27に最も良好に示されるように)ばね171がラッチ150の近位部分158の近位端172をラッチアセンブリ140の近位部分148に向かって下方に押し付けるように、ばね171に接触するように位置決めされている。突出部164が、ラッチアセンブリ150の近位部分158の近位端172において、底部表面上に提供されている。側方オフセット延長部分173もラッチアセンブリ150の近位端172に提供され、より詳細に下に記載されるように、ラッチ150をばね171の付勢に対抗して上方に移動させるために構成されている。
【0051】
図29および図30を参照すると、そりプッシャーアセンブリ174が例示されている。そりプッシャーアセンブリ174は、細長い支持部材176を含み、この細長い支持部材176は、そりプッシャー178を係合している遠位端と、結合アセンブリ180を支持している近位端とを有する。支持部材176の遠位端は、スリット181と、1対のアパーチャー182(1つのアパーチャー182のみが示されている)とを規定する。アパーチャー182は、スリット181を通って延びており、ピン183、リベットなどを受け取る。スリット181は、そりプッシャー178の近位端を受け取るように構成されている。ピン183は、そりプッシャー178を支持部材176に固定するために、そりプッシャー178の近位端を通って規定されるアパーチャー186を通って延びている。認識され得るように、他の結合方法も、そりプッシャー178を支持部材176に結合するために利用され得る。
【0052】
アパーチャー184が、支持部材176上に提供されている。アパーチャー184は、アパーチャー184を規定する近位壁部分185に突出部164が接触するように、ラッチ150の突出部164を受け取るように構成されている(図33)。本開示に従って、突出部164が近位壁部分185と接触している場合、そりプッシャーアセンブリ174および駆動梁アセンブリ134は、互いに解放可能に結合されており、その結果、そりプッシャーアセンブリ174の移動は、駆動梁アセンブリ134の対応する移動をもたらし、第2の顎部材117に向かう第1の顎部材113の移動をもたらす。
【0053】
図32および図33も参照すると、下方ハウジング部分122bは、駆動アセンブリ134を支持し、この駆動アセンブリ134は、ラッチアセンブリ140とそりプッシャーアセンブリ174とを含む。下方ハウジング部分122bは、そりプッシャーアセンブリ174からラッチアセンブリ140のラッチ150を係合解除して、駆動梁アセンブリ134から独立した、そりプッシャーアセンブリ174のさらなる遠位方向の並進を可能にするように構成されている。特に、傾斜部分188が、下方ハウジング部分122bの頂部壁189に沿って提供されている。傾斜部分188は、駆動梁アセンブリ134およびそりプッシャーアセンブリ174が遠位方向に並進させられて、顎部材113と顎部材117とを接近させる場合に、ラッチ150の側方オフセット延長部分173に接触して、ラッチ150を旋回部材151の周りで旋回させ、ラッチ150の突出部164を持ち上げて、そりプッシャーアセンブリ174の支持部材176のアパーチャー184との係合からはずすように構成されている。
【0054】
1対の停止部190aが、下方ハウジング部分122bの内部壁部分191に沿って提供されている。停止部190aは、カラー142が停止部190aを係合した後、駆動梁アセンブリ134のさらなる遠位方向の並進を防止するために、ラッチアセンブリ140のカラー142の下方部分に接触するように位置決めされている。例示されている実施形態において、対応する1対の停止部190b(図39)が、上方ハウジング部分122aに提供され、カラー142が停止部190aを係合した後、駆動梁アセンブリ134のさらなる遠位方向の並進を防止するために、ラッチアセンブリ140のカラー142の上方部分に接触するように構成されている。
【0055】
図34図44は、リロード110の動作を例示している。図33図35を参照すると、第1の顎部材113と第2の顎部材117との間に組織を位置決めする前、ツールアセンブリ114は、第2の顎部材117の内部壁123に接触している弾性部材156によって、間隔が空けられた位置または接近させられていない位置に押し付けられている(図34および図35)。間隔が空けられた位置において、ラッチ150の突出部164は、支持部材176におけるアパーチャー184を規定する近位壁部分185と接触して、そりプッシャーアセンブリ174を駆動梁アセンブリ134に解放可能に結合し、その結果、そりプッシャーアセンブリ174の遠位方向の並進は、駆動梁アセンブリ134の対応する移動をもたらす。
【0056】
顎部材113および117の間隔が空けられた位置において、支持部材176の遠位端は、ラッチアセンブリ140のカラー142の長手方向アパーチャー146を通って位置決めされ、そりプッシャー178は、そりプッシャー178の遠位端193をカートリッジ115(図35)中に提供されるそり187と整列させるために、I−梁137の支柱139cの切欠き129内に位置決めされる。そりプッシャー178の遠位端193は、そりプッシャー178がカートリッジ115の中へ遠位方向に並進させられる場合、そり187の近位端195を係合するように構成されている。例示されている実施形態において、そりプッシャー178の遠位端193およびそり187の近位端195は、それらの間の係合を容易にするために、相補的な構成(例えば、丸い構成)を含む。そり187は、当該分野において公知であるように、複数のプッシャー109に連続して接触して、複数のファスナー111をカートリッジ115から射出するように構成されている。
【0057】
図36図41を参照すると、外科手術作動デバイス12(図1B)がそりプッシャーアセンブリ174を前進させるように作動させられる場合、そりプッシャーアセンブリ174に解放可能に結合されている駆動アセンブリ134は、遠位方向に前進させられて、I−梁137をツールアセンブリ114に対して遠位方向に移動させる。I−梁が遠位方向に移動させられる場合、I−梁137の上方フランジ139aは、第2の顎部材117を係合し、I−梁137の下方フランジ139bは、第1の顎部材113を係合し、その結果、第1の顎部材113は、ツールアセンブリ114の締め付けられた位置または接近させられた位置まで第2の顎部材117に向かって移動させられて、組織を締め付ける(図36)。上で言及されるように、駆動アセンブリ134およびそりプッシャーアセンブリ174は、突出部164が支持部材176のアパーチャー184を規定する近位壁部分185と接触している結果として、一斉に移動する。
【0058】
駆動アセンブリ134が遠位方向に移動させられて、顎部材113および117を締め付けられた位置または接近させられた位置に移動させる場合、ラッチ150の側方オフセット173(図38)は、下方ハウジング部分122bの傾斜188に沿って上方にスライドし、ラッチ150を持ち上げて、支持部材176の近位壁部分185との係合からラッチ140の突出部164を係合解除する。顎部材113および117の接近させられた位置において、そりプッシャーアセンブリ174は、駆動アセンブリ134から結合解除され、そりプッシャー178の遠位端193は、(図41に最も良好に示されるように)そり187の近位端195との係合に位置決めされる。
【0059】
接近させられた位置において、カラー142は、下方ハウジング部分122bにおける停止部190aと接触しており(図38および図42)、カラー142の上方部分は、上方ハウジング部分122aにおける停止部190bと接触している。停止部190aとカラー142との間の係合は、駆動梁アセンブリ134のさらなる遠位方向の移動を防止する。
【0060】
図42図44を参照すると、そりプッシャーアセンブリ174が駆動アセンブリ134から結合解除された後、作動デバイス12のさらなる作動は、カラー142のアパーチャー146を通したそりプッシャーアセンブリ174の独立した移動をもたらし、その結果、そりプッシャー178の遠位端193は、駆動アセンブリ134のI−梁137に対して遠位方向に移動して、カートリッジ115を通してそり187を前進させて、プッシャー109と連続的に係合させて、複数のファスナー111をカートリッジ115から射出する(図43および図44)。
【0061】
リロード10、110は、ステープラー212との使用のために構成されているものとして本明細書中に記載されているが、リロード10、110の動作上の構成要素が、ステープラーに固定して取り付けられているツールアセンブリを有するステープラーに組み込まれ得ることは、本開示の範囲内である。
【0062】
ステープラーに取り付けられているリロード10、110のいずれかを有するステープラー212は、様々な組織構造をステープル留めするために利用され得る。例えば、移植部位に隣接した脈管構造を通る血流が、制御される必要があるか、または抑制される必要がある移植手順中、ステープラー212は、この脈管構造をステープル留めする(すなわち、塞ぐ)ために利用され得、それにより、脈管構造を通る血流を制御し、かつ/または抑制する。ステープラー212に取り付けられているリロード10、110のいずれかを有するステープラー212が、他のタイプの組織構造をステープル留めするために利用され得ること、および/または他の外科手術手順とともに利用され得ることが企図される。
【0063】
本開示のいつくかの実施形態が図面に示されてきたが、本開示は当該分野が許容するのと同じほど範囲が広いこと、および本明細書は同様に読まれることが意図されるので、本開示はそれらの実施形態に限定されることが意図されない。従って、上の記載は、限定するものではなく、単に特定の実施形態の例証と解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付される特許請求の範囲の趣旨および範囲内の他の改変を想定する。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図20
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図32
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